アルピーヌF1のフランコ・コラピントが2026年F1オランダGPで2度のペナルティを科されたことを受け、主要スポンサーであるメルカド・リブレの幹部がFIAスチュワードを痛烈に批判した。
メルカド・リブレの最高マーケティング責任者(CMO)を務めるショーン・サマーズは、今季のスチュワードの判断がレース結果に影響を及ぼしていると主張。「FIAスチュワードはF1の健全性を壊している」とSNSで異例の強い言葉を投げかけた。
角田裕毅への追い越しでドライブスルーペナルティ
フランコ・コラピントはオランダGP決勝の序盤、マックス・フェルスタッペンの大クラッシュによって提示されたイエローフラッグ下で角田裕毅をオーバーテイクしたとして、ドライブスルーペナルティを科された。
同様に、ピエール・ガスリーを追い越したアービッド・リンドラッドにもドライブスルーペナルティが科されている。
コラピントは好スタートを決めてポイント圏内を走行していたが、この処分によって大きく後退。レース後、状況を考えれば追い越しを回避することは極めて難しかったと説明した。
「レース全体を台無しにしたのはドライブスルーペナルティだった。すごくいいスタートを切って、ポイント圏内にいた。難しい状況だったと思う」
「1周目にバトルをしていて、路面は濡れていて湿っていた。バンクもあるし、マシンのパーツがあちこちに飛んでいた。あのコンディションで判断するのは難しかった」
コラピントによれば、イエローフラッグを確認した時点ですでに角田裕毅へのオーバーテイクをほぼ完了していたという。
「オーバーテイクを終えようとしていたときに、本当にかなり遅いタイミングでイエローフラッグが見えた。そこで急ブレーキを踏んで、ストレートの途中、バンクがあって濡れていて、みんながスピンしているような状況で再加速する方が明らかに危険だった」
「だからすごく難しい。ルールとして書かれているのは分かるけど、もっと柔軟であるべきだと思うし、何がより安全で、何がより危険なのかを理解したうえで判断する基準も必要だと思う」
「同じ場所で誰かが時速30kmも遅く走っていて、そのクルマを追い越している最中にイエローフラッグが出たら、できることはそれほど多くない。あれに反応するのは本当に難しい」

「あまりにも厳しい」コラピントが判定に疑問
コラピントは、規則違反そのものだけを見るのではなく、当時の路面状況や安全性を考慮すべきだったと主張。自身だけでなくリンドラッドに対する処分についても厳しすぎたとの見解を示した。
「ものすごく厳しかったと思う。それが彼らの仕事なのは分かっているけど、少し柔軟になって状況を理解することも彼らの仕事だと思う」
「特にグリップがこれほど低くて、ああいうコンディションだったときには、何がより危険なのかを考える必要がある。僕には少し厳しすぎるように感じた」
「僕だけじゃなくリンドラッドに対してもそうだと思う。でも特にドライブスルーはレースを終わらせてしまう。それは重すぎると感じるけど、決まったことは仕方がない」
さらにコラピントは、その後にも別のイエローフラッグ違反で10秒ペナルティを科された。この2件によってペナルティポイントも合計3点が加算され、直近12カ月の累計は4点となった。
最終的にコラピントは、旧仕様のアルピーヌを駆って14位でレースを終えた。
主要スポンサーがFIAに異例の猛批判
2度にわたるペナルティに強く反発したのが、コラピントの主要スポンサーであるメルカド・リブレだ。
同社CMOのショーン・サマーズはXで、FIAスチュワードの今季の判断について極めて厳しい言葉を並べた。
「FIAスチュワードはF1の健全性を壊している」
「今シーズン、彼らはひどい仕事をしていて、レース結果にまで影響を及ぼしている。無能なのか? 不誠実なのか? それとも両方なのか?」
「この組織の文化には、何か深刻に壊れているものがある」
スポンサー企業の最高幹部がFIAのスチュワードを「無能」「不誠実」とまで表現して公然と批判するのは異例だ。
今回の一件では、コラピントとリンドラッドの双方が、混乱したウェットコンディションで発生したイエローフラッグ下の追い越しによってドライブスルーペナルティを受けた。規則の厳格な適用と、その瞬間の安全性を踏まえた裁量をどこまで両立させるべきなのか。オランダGPでの判定は、FIAスチュワードの判断基準をめぐる新たな議論を呼ぶことになった。
