角田裕毅は、2026年F1オランダGPの決勝を11位でフィニッシュ。8カ月ぶりとなったF1実戦復帰で一時9番手まで浮上し、ピエール・ガスリーをコース上で鮮やかにオーバーテイクするなど存在感を示したが、終盤に逆転を許し、あと一歩のところでポイント獲得を逃した。
レーシングブルズから出場した角田裕毅は12番グリッドからスタート。
わずか1時間のフリー走行しかないスプリントフォーマットで、8カ月ぶりに2026年F1マシンを実戦でドライブする難しい状況ながら、決勝ではポイント獲得を狙える位置につけていた。
12番手スタートから序盤にトップ10へ
レースはスタート前に雨が降り、コースの一部に濡れた部分が残る難しいコンディションで始まった。全車がスリックタイヤを選択するなか、角田裕毅は12番グリッドからスタートし、オープニングラップを11番手で通過した。
しかし、2周目にマックス・フェルスタッペンが最終コーナーでクラッシュ。レースは赤旗中断となる。フェルスタッペンは濡れた路面で白線にタイヤを乗せてリアを失い、激しくバリアに衝突した。
再スタート後は、黄旗区間での追い越しによりアービッド・リンドブラッドとフランコ・コラピントにドライブスルーペナルティが科された。コラピントがペナルティを消化したことで、9周目には角田裕毅がトップ10へ浮上した。
13周目にはリアム・ローソン、ガスリー、ニコ・ヒュルケンベルグ、角田裕毅がトップ10の後半を形成。角田裕毅はポイント圏内で中団の激しい争いを続けていく。
ガスリーとの激闘で鮮やかなオーバーテイク
レース中盤には角田裕毅が大きな見せ場を作った。
27周目、前方ではガスリーとリンドブラッドが激しく争い、そこにヒュルケンベルグも加わる。ガスリーがロックアップしたことで2つポジションを落とし、角田裕毅もこの集団へと接近した。
そして29周目、角田裕毅がガスリーに仕掛ける。両者は数コーナーにわたってサイド・バイ・サイドの激しい攻防を繰り広げ、最後は角田裕毅が前へ出てオーバーテイクを成功させた。
F1公式ライブも「角田がガスリーを仕留めた。スーパーサブによる素晴らしい、素晴らしいオーバーテイク」と、この一撃を高く評価した。
ガスリーはスプリントで8位に入り、アップデートされたアルピーヌで強いレースペースを示していたドライバーでもある。その相手をコース上で攻略したことは、角田裕毅の復帰戦におけるハイライトのひとつとなった。
Ladies and gentleman… Yuki Tsunoda #F1 #DutchGP pic.twitter.com/KwveWLoYs4
— Formula 1 (@F1) August 23, 2026
一時9番手も終盤にガスリーが逆転
その後、フェルナンド・アロンソとカルロス・サインツJr.がピットストップを行ったことで、37周目にはヒュルケンベルグ、角田裕毅、ガスリーがトップ10に入り、角田裕毅は9番手までポジションを上げた。
ポイント獲得への期待が高まったが、レース後半はタイヤ戦略も絡んで再びガスリーとの争いになる。
終盤のバーチャル・セーフティカー(VSC)明けとなった58周目、ガスリーが角田裕毅をオーバーテイクして10番手を奪取。レース中盤に角田裕毅が攻略した相手に再び前へ出られ、角田裕毅はポイント圏外の11番手へ後退した。
それでも角田裕毅はガスリーとアロンソを追い続けた。しかし、68周目の時点で9番手アロンソと10番手ガスリーが争う一方、11番手の角田裕毅はガスリーから3.6秒後方。24周を走ったソフトタイヤも厳しくなり、残り周回で再びトップ10へ戻ることはできなかった。
最終的にアロンソが9位、ガスリーが10位でフィニッシュし、角田裕毅はその直後の11位。ポイント獲得までわずか1ポジションという惜しい結果で復帰戦を終えた。
8カ月ぶりのF1実戦、しかもスプリントフォーマットで十分な走行時間を得られない状況で迎えたオランダGP。角田裕毅は12番手からポイント争いに加わり、ガスリーとの激しい直接対決では鮮やかなオーバーテイクも披露した。
最終結果こそ11位でノーポイントとなったものの、一時9番手まで浮上し、最後までトップ10を争った角田裕毅。久々のF1実戦で、その存在感を十分に示す72周となった。

