ジョージ・ラッセル メルセデスF1での立場に自信「不安は一度もなかった」

ジョージ・ラッセル メルセデスF1での立場に自信「不安は一度もなかった」

ジョージ・ラッセルは、マックス・フェルスタッペンのメルセデス移籍説が長期間にわたって取り沙汰されていたなかでも、自身のF1シートが脅かされていると感じたことは「一度もなかった」と明かした。チーム代表のトト・ヴォルフとメルセデスから「100%の安心感」を得ていたという。

フェルスタッペンはレッドブル・レーシングとの契約を2030年末まで延長することを発表し、将来を巡って続いてきた移籍の憶測に事実上の終止符を打った。

そのなかでも繰り返し移籍先の候補として名前が挙がってきたのがメルセデスだったが、ラッセルは外部での報道とチーム内部で認識されていた状況には違いがあったと説明している。

フェルスタッペン移籍説「僕たちにとって話題になるのは記者会見くらい」
2026年F1第12戦オランダGPを前に行われたFIA木曜記者会見では、フェルスタッペンがレッドブルとの新契約を結んだことを受け、ラッセルに長く続いたメルセデス移籍説について質問が飛んだ。

フェルスタッペンがメルセデスと結びつけられ続けたことに、苛立ちを感じることはなかったのか。そう問われたラッセルは、ランド・ノリスが同様の話題について語ったことを引き合いに出しながら答えた。

「ランドがさっき言っていたことと似ている。僕たちにとってこういうことが話題になるのは、基本的に君たち記者の前に座って、こういう質問をされるときくらいなんだ」

外部では大きな話題となっていたものの、ラッセル自身が日常的にフェルスタッペンの動向を気にしていたわけではなかったという。

「この数年間、メルセデスの内部では現実がどういうものなのか、常に非常に明確だった」

フェルスタッペンとメルセデスを巡る報道が続いていた間も、チーム内部では自身の立場について疑念を抱くような状況ではなかったとラッセルは強調した。

「僕のシートが脅かされていると感じたことは一度もない」
ラッセルはさらに、フェルスタッペン側とメルセデスの間で何らかの話し合いが行われていたとしても、それ自体はF1では特別なことではないとの見方を示した。

「もしかすると、彼のチームがマクラーレンやフェラーリ、あるいはその他のチームと行っていた話し合いより、メルセデスとの話の方が少し公になっていただけなのかもしれない」

「それがこのスポーツの性質なんだ。ドライバーはいろいろなチームと話をするし、チームもいろいろなドライバーと話をする。誰もが自分の手札がどうなっているのか確認しなければならない」

そのうえで、自身のメルセデスでの立場について明確に語った。

「でも、僕のシートが脅かされていると感じたことは一度もなかった。トトとチームから100%の安心感を得ていたし、それはもちろん今も続いている」

フェルスタッペンというF1屈指のドライバーがメルセデス移籍候補として名前を挙げられていても、ラッセル自身はそれを自分のシートを失う可能性と結びつけてはいなかった。

ヴォルフもドライバー変更を否定
フェルスタッペンとメルセデスを巡る憶測は長く続いてきたが、ヴォルフも今季、ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリによる現在のラインアップを変更する考えがないことを明確にしていた。

ヴォルフは6月、メルセデスのドライバーラインアップについて「我々は変更したくない」と発言。現在の2人に「非常に満足している」として、フェルスタッペンとの関連が取り沙汰されるなかでもラッセルとアントネッリへの信頼を示していた。

そしてフェルスタッペンが2030年までレッドブルに残留することを決めたことで、少なくとも当面の間、メルセデス移籍を巡る議論には区切りがつくことになった。

ラッセルにとっても、外部から見れば自身の将来に影響しかねない話題だったが、本人の受け止め方は大きく異なっていたことになる。

ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

2026年はタイトルを争う立場
ラッセルが自らの立場に強い自信を持つ背景には、現在のメルセデスで担っている役割とパフォーマンスもある。

2026年シーズン前半を終えた時点でメルセデスはコンストラクターズ選手権をリード。ドライバーズ選手権ではアントネッリが首位に立ち、ラッセルもタイトル争いに加わっている。

オランダGP前の時点でラッセルはアントネッリから59ポイント差。会見でタイトル争いについて聞かれると、現時点ではポイント差そのものを意識するより、自身のパフォーマンスを改善することが重要だと語った。

「それについてはあまり考えていない。ひとつひとつのレースに取り組んでいるだけだ」

「争いに加わりたいなら、自分のパフォーマンスを改善する必要があることは分かっている。それが一番の優先事項だ。パフォーマンスが良くなればポイント差は縮まる。それだけのことだよ」

サマーブレイク前には難しいレースも続いたが、後半戦では再び自身のリズムを取り戻すことを目指している。

フェルスタッペン残留で長年の憶測に区切り
フェルスタッペンの将来を巡る議論では、メルセデスが有力な選択肢として取り上げられるたびに、ラッセルの立場にも注目が集まってきた。

しかし、ラッセルによれば、そうした状況はあくまで外部から見たものだった。メルセデス内部では自身の立場について明確な認識が共有されており、ヴォルフとチームから「100%の安心感」を得ていた。

また、ライバルチームのドライバーと話をすること自体についても、ラッセルはF1では当然のプロセスだと受け止めている。各チームが将来の選択肢を探り、ドライバー側も可能性を確認するのは「このスポーツの性質」だという考えだ。

フェルスタッペンが2030年までレッドブルに残ることを決断したことで、長く続いたメルセデス移籍説はひとまず終息する。それでもラッセルにとっては、自らの将来を脅かしていた問題が解決したという感覚ではない。「僕のシートが脅かされていると感じたことは一度もなかった」という言葉からは、外部の移籍報道に左右されることなく、メルセデスとの関係に確信を持ち続けていたことがうかがえる。