カテゴリー: マックス・フェルスタッペン

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGPで深刻な体調不良「週末全体が酷かった」

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGPで深刻な体調不良「週末全体が酷かった」

    マックス・フェルスタッペンは、F1オランダGPで深刻な体調不良に苦しんでいたことを明かした。インフルエンザのような症状はレース後も数日間続いたが、1週間の休養を経て、今週末のイタリアGPを前に完全に回復したという。

    一方、体調面の不安が解消されたフェルスタッペンは、モンツァでのレッドブル・レーシングの競争力について厳しい見通しを示している。

    長いストレートを持つモンツァでは2026年型F1マシンのエネルギー管理が大きな課題となり、「奇跡は期待していない」と語った。

    オランダGPでは「かなり体調が悪かった」
    母国ザントフォールトで行われたオランダGPで、フェルスタッペンは週末を通して万全の状態ではなかった。

    決勝ではオープニングラップに大クラッシュを喫してリタイアしたが、事故による身体へのダメージよりも、週末を通して続いた体調不良の方がつらかったという。

    「かなり体調が悪かった。でも完全に治ってみると、普通に元気でいられることがどれだけ素晴らしいか、あらためて実感するよ」

    「ザントフォールトでは週末全体がひどかったし、終わってからも数日間はまだ調子が良くなかった」

    「だから、回復するための1週間があって、また元気になれたのは本当に良かった。あれほど体調が悪くなったのは本当に久しぶりだったからね」

    クラッシュの衝撃については、大きな問題はなかった。

    「衝撃という意味では大丈夫だった。SAFERバリアだったからね。あれに当たったのは初めてだったけど、実際にかなりうまく機能してくれた」

    オランダGP後もしばらく症状が残っていたフェルスタッペンだが、イタリアGPを迎える現在は回復しており、体調面での懸念はなくなっている。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) イタリアグランプリ

    モンツァでは一転してマシンのエネルギー問題を警戒
    体調面では万全に戻った一方、フェルスタッペンはイタリアGPについて楽観視していない。

    最大の理由は、長いストレートが特徴のモンツァで求められるエネルギー管理だ。2026年のF1では電気エネルギーへの依存度が高まっており、モンツァのようなエネルギー効率の厳しいコースでは、その使い方がラップタイムやレースでの攻防に大きく影響する。

    「かなり厳しくなると思う。このサーキットはエネルギー効率がすごく悪い。でも、あまりネガティブなことばかり言いたくはない。こういうものだからね。もう精神的には受け入れている」

    「少し違った週末になることを想定して準備してきた。ずっと全開でプッシュできるわけではないし、アクセルペダルを優しく扱わなければならない。そういう言い方になるかな」

    フェルスタッペンは2023年の段階から、2026年レギュレーションではモンツァのようなサーキットでエネルギー管理が問題になる可能性を指摘していた。

    その後、FIAとF1は状況を改善するための変更を進めてきたものの、フェルスタッペンは根本的な問題が解決したわけではないと考えている。

    「良くするために変更はいろいろ行われている。でも、良くなったからといって問題が解決したという意味ではない。解決にはまだ程遠い」

    「みんなできる限りのことをやっている。FIAもF1も、今の状況に対応しようとしている」

    特に決勝では、エネルギーをどこで使い、どこで温存するのかが重要になる。前車を追いかけたり、オーバーテイクを仕掛けたりする際にも制約が生じる可能性がある。

    「進入から走行中、立ち上がりまでどう管理するのか、みんなにとってかなり難しい経験になると思う。実際に誰かを抜くためにどこまでプッシュできるのか、僕にも分からない」

    レッドブルの競争力にも慎重「奇跡は期待していない」
    エネルギー管理の難しさに加え、フェルスタッペンは現在のレッドブルの競争力そのものについても現実的な姿勢を示している。

    「現時点でチームがどの位置にいて、どんなパフォーマンスなのかについて現実的になる必要がある。ただ、いい週末にできるように努力するだけだ」

    「ここではエネルギーの面ですでにかなり複雑になることは分かっている。まずそこを理解して、それから勢力図のどこにいるのかを見ることになる」

    「ここ数戦を見れば、現実的にならなければならない」

    特にレッドブルは、エネルギー効率が厳しいサーキットで十分な強さを発揮できていないとフェルスタッペンは認める。

    「エネルギー効率の悪いサーキットでは、僕たちはエネルギー面で特に良かったわけではない。だから、ここで奇跡が起きるとは期待していない。厳しくなるだろうね」

    さらに、ライバル勢がシーズン中のアップデートによって前進していることも懸念材料となっている。

    「周囲の他チームは今アップデートを持ち込んでいて、前進している。僕たちはその前からすでに遅れていたから、今になってそれが変わるとは思っていない」

    「ただ、マシンについてもっと学んでいく。来年に向けて変えたいことについても理解を深めていきたい」

    オランダGPでの体調不良からは完全に回復したフェルスタッペンだが、イタリアGPではモンツァ特有のエネルギー管理とレッドブルの現在の競争力という別の難題に直面する。本人も大幅な状況改善には慎重で、まずは2026年型マシンへの理解を深めながら、現実的な結果を目指す週末となりそうだ。

  • マックス・フェルスタッペン F1のV8復活を2030年まで待つ覚悟「受け入れる」

    マックス・フェルスタッペン F1のV8復活を2030年まで待つ覚悟「受け入れる」

    マックス・フェルスタッペンは、F1とFIAとの協議を経て、将来的なV8エンジン復活を見据えながら、現行パワーユニット(PU)規則を受け入れる姿勢を示した。現在の2026年型PUには依然として満足していないものの、2027年と2028年に予定される変更、さらに2030年を視野に入れた次世代エンジン構想を踏まえ、「待つ用意がある」と語っている。

    2026年に導入された新PU規則をめぐっては、フェルスタッペンはシーズン前から厳しい批判を続けてきた。

    一方でF1とFIAも電動側への依存度を抑える方向で規則を段階的に修正する方針を固めており、その先にはV8エンジン復活という大きな選択肢も浮上している。

    2026年型PUを「素晴らしいとは言えない」と評価
    2026年のF1では、内燃エンジン(ICE)と電動側の出力比率が大きく変化した。2025年まではおおむねICEが80%、電動側が20%だったのに対し、新規則では両者の比重が大幅に接近した。

    このコンセプトにフェルスタッペンは早い段階から疑問を呈していた。プレシーズンテストでは新世代マシンを「アンチ・レーシング」と表現し、「ステロイドを使ったフォーミュラEのようだ」とまで評している。

    特に問題視してきたのが、電気エネルギーのマネジメントがドライビングやレースそのものに与える影響だ。サーキットによってはエネルギーの使い方がパフォーマンスを大きく左右し、従来のF1とは異なる走らせ方を要求される。

    当時は、状況次第ではF1から早期に退く可能性まで示唆していたフェルスタッペンだが、その後レッドブル・レーシングとの契約を2030年末まで延長した。

    そして現在は、現行規則に対する不満そのものは変わっていないものの、その先に予定されている改善を含めて受け止めようとしている。

    「僕は今の状況を受け入れている。もちろん、個人的には満足していない」

    フェルスタッペンは現在のPU規則についてそう語った。

    「でも同時に、F1やFIAと話し合ってきたなかで、来年とその翌年に向けて少しずつ改善しようとしている。それに僕が契約した年まで考えれば、V8が復活する可能性への扉も開かれている。だから僕はそれを受け入れるつもりだ。ただ、現時点で素晴らしいかと言われれば、そうではない」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    2027年と2028年にICEの比重を段階的に拡大
    フェルスタッペンが「少しずつ改善」と表現した背景には、すでに決まっているPU規則の変更がある。

    2027年にはICEの最大出力が現行の420kWから450kWへ引き上げられ、ICEと電動側の出力配分も見直される。さらに2028年にはICE側の比重を一段と高め、出力配分を60対40まで変更する方向となっている。

    つまり2026年規則をそのまま維持するのではなく、F1とFIAは段階的にICEへの依存度を高めることで、現在表面化している問題への対応を進める。

    フェルスタッペン自身も、F1およびFIAとの協議に参加しながら、こうした方向性について意見を交わしてきた。

    「僕は今でもレースが大好きだ。今もF1マシンであることに変わりはないし、サーキットによって良いところもあれば、そうではないところもある。そして、いくつかの部分について改善できることは間違いなく分かっている」

    「だから、これから数年かけて少しずつ良くなっていくことを願っている」

    2030年のV8復活が長期契約の先に
    その先にあるのがV8エンジンの復活だ。

    FIA会長モハメド・ベン・スレイエムは、2030年を次世代PU導入のターゲットとしており、V8エンジンをF1に復活させる構想を推進している。実現すれば、2013年以来のV8復活となる。

    フェルスタッペンがレッドブル・レーシングと新たに結んだ契約も2030年末までとなっている。このため、現在の契約期間は次世代PUへの移行が想定される時期と重なる。

    今回の発言で重要なのは、フェルスタッペンが単純に現行PUへの批判を撤回したわけではない点だ。「個人的には満足していない」「現時点では素晴らしくない」という評価は変えていない。

    その一方で、F1とFIAとの直接的な話し合いを通じて、2027年、2028年と段階的に改善し、その先にV8復活の可能性を残すロードマップであれば受け入れられるという姿勢に変化している。

    そしてV8が実際に2030年から復活することになれば、フェルスタッペンが2030年代もF1でレースを続ける可能性も出てくる。

    現行PUへの不満から将来の引退まで口にしていたフェルスタッペンにとって、V8復活への「開かれた扉」は、F1に残り続けるうえで無視できない要素となっている。

  • マクラーレンF1代表 フェルスタッペンの「2026年マシンは簡単」説に反論

    マクラーレンF1代表 フェルスタッペンの「2026年マシンは簡単」説に反論

    2026年F1ではチームメイト間のタイム差が従来以上に小さくなっている。

    マックス・フェルスタッペンは、新世代マシンではドライバーが限界を見つけやすくなったことが理由だと分析する一方、マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは「むしろ運転は難しくなっている」と異なる見方を示した。

    第12戦オランダGPでは、負傷したアイザック・ハジャーに代わってレッドブル・レーシングをドライブしたリアム・ローソンが、予選でフェルスタッペンからわずか0.115秒差につけた。レーシングブルズから今季初出場を果たした角田裕毅も、レギュラーのアービッド・リンドブラッドに接近。この結果が、2026年F1マシンにおけるドライバー間の差について新たな議論を呼んでいる。

    フェルスタッペン「今のマシンは限界を見つけるのがずっと簡単」
    フェルスタッペンは、特に予選では2026年型マシンの特性によってドライバーがパフォーマンスの上限に到達しやすくなっていると考えている。

    「特に予選ではそうだと思う。今のマシンでは限界を見つけるのがずっと簡単になっている。かなり多くの場所でバッテリーも不足するから、すべてをまとめることも少し簡単になる」

    「以前のマシンと比較して、今週末はそれがかなりよく表れていたと思う。僕にとっては驚きではない」

    フェルスタッペンは、これによってチームメイトのパフォーマンスそのものを過小評価すべきではないとも強調している。オランダGPで代役を務めたローソンについて「今週末は非常に堅実な仕事をした」と評価した。

    一方で、2026年シーズンを通じてドライバー間のタイム差そのものが縮小していることは明確だと指摘する。

    「今季ずっとそうなっていると思う。誰もが常に0.1秒、0.2秒以内にいる。本当に悪い予選だったとしても0.3秒くらいだ。差はいつもものすごく小さい」

    「裕毅を見ても分かる。乗ってすぐにそこにいる」

    角田裕毅はオランダGPで今季初めてレーシングブルズのVCARB-03をドライブし、予選Q2ではリンドブラッドとの差を0.102秒まで縮めた。異なるマシンへの即時適応という点でも、フェルスタッペンにとっては自身の見方を裏付ける例となった。

    アンドレア・ステラ(マクラーレン)

    ステラは反論「2026年F1マシンは運転が難しい」
    しかし、ステラはチームメイト間の差が縮まっていることを、マシンが運転しやすくなった証拠とは捉えていない。

    マクラーレンではランド・ノリスとオスカー・ピアストリの両ドライバーから、2026年型マシンは扱いが難しいというフィードバックを受けているという。

    「他のチームについては分からないが、我々の2人のドライバーは、このマシンを運転が難しいマシンだと分類している」

    「昨年は2人のドライバー間のばらつきがはるかに小さかった。今年はドライバーが少し後手に回るだけで、その差が大きくなることがある」

    ステラが難しさの理由として挙げたのは、2026年に導入されたシャシーとパワーユニット双方の新レギュレーションだ。

    「いくつかの理由から運転が難しい。シーズン序盤はコーナーで、それからストレートでも難しさがあった」

    「コーナーではグリップが低く、ダウンフォースも大幅に少なく、タイヤも小さい。ストレートではエネルギーデプロイメントの一貫性がなかったり、ブレーキング直前に突然スーパークリップが発生したりする。それによってブレーキングの基準を失ってしまう」

    ここでいう「スーパークリップ」は、電気エネルギーの供給が急激に制限され、ストレートで突然加速力が落ちる状態を指す。2026年のF1では電動側の出力とエネルギー管理の重要性が大幅に増しており、その挙動がドライバーのブレーキングポイントにも影響する。

    「あるいは、もっと早くアクセルを踏んだのに、その結果として後でデプロイメントを失うこともある。そうしたさまざまな側面から、今年のマシンは運転がより難しくなっている」

    「以前のF1マシンの方が簡単だった」
    ステラは、シーズンが進むにつれてドライバーとエンジニアが2026年型パワーユニットのエネルギーマネジメントを理解し、扱い方を改善してきたことは認めている。

    ただし、それはマシンそのものが簡単になったことを意味しないという。

    「すべてのチームがダウンフォースを追加してきたとしても、ブレーキングでどんな問題が起きるのか、あるいはトラクションをかけたときにマシンが突然スナップするのかをドライバーが予測するのは非常に難しい」

    「前世代のマシンには空力的にはるかに大きな荷重があり、タイヤから得られるグリップもはるかに大きかった。以前の方が簡単だった」

    同じ「僅差」でもフェルスタッペンとステラで異なる解釈
    両者が共通して認めているのは、2026年F1ではドライバー間のタイム差が極めて小さいという点だ。ただし、その理由についての解釈は正反対に近い。

    フェルスタッペンは、2026年型マシンでは限界を把握してラップをまとめやすくなり、ドライバーがパフォーマンスの上限に到達しやすくなった結果として差が縮まったとみている。

    一方のステラは、低ダウンフォース、小型タイヤ、エネルギーデプロイメントなど複数の要素によってマシンはむしろ予測しにくくなっており、シーズンを重ねるなかでドライバー側がその複雑さへの対処を習得してきたと分析する。

    ローソンが初週末からフェルスタッペンに0.115秒まで迫り、角田裕毅もリンドブラッドから0.102秒差につけたオランダGPは、その議論を象徴する週末となった。2026年F1でチームメイト間の差が縮まっている背景が「マシンの限界を引き出しやすくなったから」なのか、それとも「複雑なマシンへの適応が進んだから」なのか。フェルスタッペンとステラは、同じタイム差から異なる結論を導き出している。

  • レッドブルF1代表メキースがフェルスタッペン「年俸8000万ドル」説を否定

    レッドブルF1代表メキースがフェルスタッペン「年俸8000万ドル」説を否定

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースが、マックス・フェルスタッペンの新契約をめぐって浮上した「年俸8000万ドル(約127億円)」との噂に反応した。2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグから直接その金額をぶつけられたメキースは、笑顔を見せながら否定している。

    レッドブルはF1オランダGPを前に、フェルスタッペンとの契約を2年間延長し、少なくとも2030年末までチームに残留することを発表した。

    近年はマクラーレンやメルセデスへの移籍が盛んに取り沙汰されてきたが、今回の長期契約によって将来をめぐる憶測にはひとまず終止符が打たれた。

    ロズベルグが「年俸8000万ドル」説をメキースに直撃
    フェルスタッペンの新契約について、レッドブルから給与などの金銭的条件は公表されていない。ただし、28歳のオランダ人ドライバーが今回の契約延長に伴って昇給したとみられている。

    オランダGPの週末、Sky Sports F1のインタビューでロズベルグは、自身が耳にしたというフェルスタッペンの新たな年俸についてメキースに直接質問した。

    「ローラン、マックス陣営から聞いた話では、彼が残留を決めた理由のひとつは、あなたがチームを引き継いでからのやり方を本当に気に入っているからだそうだ。あなたが作っているカルチャーや、チームを前進させている方法を評価していると。そこはおめでとうと言いたい」

    そう切り出したロズベルグは、続けて核心に踏み込んだ。

    「でも、これも聞かなければならない。僕が聞いているのは年俸8000万ドル(約127億円)だ。本当なのか? その数字に近いのか? かなり大きな金額だよね」

    これに対し、メキースは笑顔を浮かべながら答えた。

    「その2つの話は、どちらも正しくない」

    ローラン・メキース(レッドブル・レーシング)

    残留の決め手は「2000人への信頼」
    メキースは、フェルスタッペンが契約延長を決断した背景について、自身の存在や巨額の報酬ではなく、レッドブルで働く約2000人のスタッフに対する信頼が大きかったと説明した。

    「本当に重要なのは、マックスがミルトンキーンズにいる2000人のスタッフを信頼しているということだ。シャシー側も、PU側も含めてね。彼は我々のスタッフに何ができるのかを知っている。そして将来に向けて、我々を信頼することを選んでくれた」

    「だから我々は、その信頼に応えようとしている。彼は我々にとって、単に世界で最も速いドライバーというだけの存在ではない。できるだけ早く、彼に速いマシンを用意できるようにしたい」

    メキースは2025年7月にクリスチャン・ホーナーが退任した後、レッドブル・レーシングのチーム代表を引き継いだ。ロズベルグはメキース就任後のチーム文化もフェルスタッペンの残留を後押ししたとの情報を示したが、メキース自身はその見方についても否定し、組織全体への信頼を強調した形だ。

    フェルスタッペン「このチームでキャリアを終えるのが目標」
    新契約へのサインに際し、フェルスタッペン自身もレッドブルへの長期的な思いを語っている。

    「僕はずっと言ってきたし、ディートリッヒ(マテシッツ)がまだ生きていたころから言っていた。僕の目標は、このチームでキャリアを終えることだ。それに近づいていると思う」

    「もちろん、まだこれから何年もある。でも、それが今も目標だ」

    フェルスタッペンにとって契約延長発表後のホームレースは残念な結末となった。F1オランダGP決勝ではオープニングラップ終盤に大クラッシュを喫し、レースを早々にリタイアしている。

    それでも、2030年末まで続く新契約によって、レッドブルとフェルスタッペンの関係はさらに長期的なものとなった。年俸8000万ドル(約127億円)という具体的な数字についてメキースは否定したが、チームがフェルスタッペンを「世界で最も速いドライバー以上の存在」と位置づけ、その信頼に速いマシンで応えることを最優先としている姿勢は明確だ。

  • リアム・ローソン レッドブルF1の“不文律”破りフェルスタッペンに真っ向勝負

    リアム・ローソン レッドブルF1の“不文律”破りフェルスタッペンに真っ向勝負

    リアム・ローソンは、F1オランダGPの決勝スタート直後にチームメイトのマックス・フェルスタッペンへ果敢に仕掛けた。その姿勢について、元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは「最大限の敬意」を示している。

    アイザック・ハジャーの負傷によりレッドブル・レーシングから1戦限りで出場したローソンは、4列目でフェルスタッペンのひとつ後方からスタート。

    序盤から4度のF1ワールドチャンピオンに対して遠慮することなく勝負を挑み、レッドブル内にあるとされる“不文律”を意に介さないような走りを見せた。

    ローソンがフェルスタッペンに真っ向勝負
    スタート直後、フェルスタッペンはルイス・ハミルトンとの接触によって2輪を芝生に落とし、ローソンはその隙を突いて接近した。

    ローソンはターン3でフェルスタッペンのアウト側にマシンを並べ、大胆なオーバーテイクを試みた。しかし、フェルスタッペンも簡単にはポジションを譲らず、ローソンの進路を封じた。

    レッドブルではフェルスタッペンが明確なエースとして位置づけられており、チームメイトが必要以上に激しくレースを仕掛けないという“不文律”があるとみられている。それでも、ローソンは1戦限りのチームメイトを相手に躊躇しなかった。

    F1TVで解説を務めたジョリオン・パーマーは、その場面を見ながらローソンらしい積極性を称賛した。

    「ローソンがチャンスを狙っている。なんてことだ、ターン3のアウト側からマックス・フェルスタッペンを抜こうとしている! 無理だ!」

    「ローソンには最大限の敬意を払うよ。彼は仕掛けることを決してためらわないよね。その日だけのチームメイトに対して大技が決まるか試していた。まあ、長くは続かなかったけどね」

    フェルスタッペンはその後、オープニングラップ終盤にクラッシュしてリタイア。結果としてローソンがレッドブルの上位フィニッシュへの期待を背負うことになった。

    リアム・ローソン vs マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    クルサード「自分の役割を思い出した」
    一方、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、ローソンが最終的にはフェルスタッペンとの直接対決から引いたことに注目した。

    チャンネル4のハイライト番組でクルサードは、ローソンが途中で自分がレッドブルに1戦限りで起用された立場であることを思い出したように見えたと語った。

    「彼は1戦限りのチャンスだということを忘れているね。フェルスタッペンと少し接触して、それから『ああ、チームメイトだった。ちゃんと後ろについていかないと』という感じになった」

    ローソンにとって今回のオランダGPは、単なる代役参戦以上の意味を持つ一戦だった。ハジャーの負傷によって巡ってきた機会は、今後のレッドブルでの立場を再びアピールする重要なチャンスでもあった。

    それだけに、チームの絶対的エースであるフェルスタッペンとの接触によって両者がレースを失うような事態は避ける必要があった。

    チャンドック「フェルスタッペンが誰がボスか示した」
    Sky Sports F1の解説者カルン・チャンドックも、ターン3での攻防を分析。フェルスタッペンがローソンに対し、レッドブルでの力関係を明確に示した場面だったと指摘した。

    「最初のコーナーを立ち上がるところでは、接触する寸前まで近づいていた。そして次のいくつかのコーナーでもリアムは彼についていった。ターン3ではアウト側から仕掛けようとしている」

    「そこでフェルスタッペンは『いやいや、僕が示してやる』という感じで、少しステアリングを開いた。接触したとき、彼はリアム・ローソンに対して、このチームのボスが誰なのかをかなり明確に示した」

    それでもローソンはすぐには諦めず、可能性を探り続けたという。

    「リアムはそのまま勝負しようとしたけど、最終的には『分かった。ここではリスクを取り除いて後ろにいよう』と判断したんだ」

    1戦限りの代役で7位フィニッシュ
    フェルスタッペンとの本格的な接触事故は、ローソンにとって最悪の結果になりかねなかった。ハジャーの負傷によって突然巡ってきたレッドブル復帰の機会は、自身の将来を左右する重要なアピールの場でもあったからだ。

    それでもローソンはスタート直後から守りに入ることなく、フェルスタッペンを相手にオーバーテイクを狙った。パーマーが評価したのも、まさにその攻撃的な姿勢だった。

    最終的にローソンは7位でフィニッシュ。急きょ決まった1戦限りのレッドブル復帰でポイントを獲得し、フェルスタッペンにも臆することなく仕掛ける積極性と、必要な場面ではリスクを抑える判断力の両方を示す週末となった。

  • マックス・フェルスタッペン 100人抜きに挑戦 世界最大級のカートレース開催

    マックス・フェルスタッペン 100人抜きに挑戦 世界最大級のカートレース開催

    マックス・フェルスタッペンが、F1マシンをカートに乗り換え、100人のライバル全員をオーバーテイクする前代未聞のチャレンジに挑む。9月16日にシルバーストン・サーキットで「Max vs 100」と題した世界最大級のカートレースが開催される。

    4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンは最後尾からスタートし、レッドブルのアスリートや著名人、コンテンツクリエイター、一般ファンなど世界各地から集まった100人を相手に、全員を抜くことを目指す。

    イベントはDisney+で世界に向けてライブ配信される。

    フェルスタッペンがカートの原点へ
    フェルスタッペンにとってカートは、F1へとつながるレーシングキャリアの原点だ。

    4歳でカートを始め、7歳から選手権に参戦。ベルギーとオランダで実績を積み、その後は世界選手権やヨーロッパ選手権で数々のタイトルを獲得した。特に2013年にはカート界で圧倒的なシーズンを送り、その後フォーミュラカーへとステップアップ。2015年にはF1デビューを果たした。

    今回の「Max vs 100」では、その原点であるカートに戻り、通常のレースとは大きく異なる条件で自らの技術を試すことになる。

    「カートでは、スタート、ディフェンス、オーバーテイクといったすべての基本を学ぶ」

    フェルスタッペンはそう語る。

    「もちろん、僕は人生の長い期間をカートに費やしてきたから、戻ってくるのはいつだって楽しい」

    「重要なのはカートのグリップを理解することだ。何年もカートをやってきたから、かなり自然に感覚を取り戻せると思う。目の前で繰り広げられる大混乱を見るのを楽しみにしているよ」

    最後尾から100人全員をオーバーテイク
    今回フェルスタッペンに課されるミッションは単純明快だ。101台が並ぶグリッドの最後尾からスタートし、自分より前にいる100人すべてをオーバーテイクする。

    対戦相手はプロのレーシングドライバーだけで構成されるわけではない。レッドブルのアスリート、著名人、コンテンツクリエイターやパーソナリティ、さらに世界各地から招待された一般ファンなど、多彩な100人が参加する。

    参加者には、ウルトラランナーのアルダ・サーチ、バスケットボールのシューティングスペシャリストとして知られるクリス“リーサル・シューター”マシューズ、英国のフリースタイル・マウンテンバイクライダー、マット・ジョーンズらレッドブルのアスリートも含まれる。

    通常はF1でグリッド前方からスタートすることの多いフェルスタッペンだが、今回は100台のカートが行く手を阻む。純粋な速さだけでなく、トラフィックを読み、どこで仕掛けるかを瞬時に判断する能力が試される。

    101台のためにシルバーストンに専用コース
    100人対フェルスタッペンという異例のレースを実現するため、シルバーストンには今回のイベント専用レイアウトが用意された。

    コース設計を担当したのは、レースディレクターを務めるフランス人レーシングドライバーのデビッド・テリエン。カートデザイナーとしても知られ、ユース時代にはカートの世界チャンピオンに輝いた経歴を持つ。

    「101人のドライバーが同時に走るためのコースを作るなんて、これまで行われたことも、見たこともない。だから、とてもエキサイティングだ」

    テリエンは語った。

    「マックス・フェルスタッペンが全員を追いかけてくるとなれば、参加するドライバー全員にとって一生に一度の経験になると思う」

    「マックスがトラフィックの先を見ながら、どこでオーバーテイクできるのかを準備し、計画する。そのスキルをすべて見ることができるだろう。前を走るドライバーたちを逃がしたくないわけだから、可能な限り速いスピードでトラフィックを抜けていくことになる」

    レース本番に先立ち、シルバーストンではテリエンとテストドライバーのセバスチャン・ジョブによってコースのテストも実施された。

    マックス・フェルスタッペン

    50台でも「かなり難しかった」
    Oracle Red Bull Sim Racingに所属し、iRacingの世界選手権を2度制したシムレーサーのセバスチャン・ジョブは、テストを通じて100台を抜く難しさを実感したという。

    「100台をオーバーテイクするのは、ものすごく難しいと思う」

    「今日は50台でやったけど、それでも決められた時間内に抜いていくのは大きなチャレンジだった。彼には本当に大仕事が待っているよ」

    101台ものカートが同じコースを走るだけに、フェルスタッペンが圧倒的な速さを持っていたとしても、前方の集団をどう攻略するかによって結果は大きく左右されることになる。

    レース中にフェルスタッペンと参加者が直接会話
    「Max vs 100」では、レースそのものだけでなく、視聴者が戦いを追いやすくするための演出も導入される。

    ゲームをイメージしたグラフィックや映画のようなドローン映像に加え、ライブのレースデータや各種情報を画面上に表示。フェルスタッペンが100人のうち何人を抜いたのかなど、チャレンジの進行をリアルタイムで追える構成となる。

    さらにユニークな仕掛けとして、フェルスタッペンはレース中にライバルたちと直接コミュニケーションを取ることができる。100台を追い抜こうとするフェルスタッペンと、それを阻止しようとする参加者の会話も、レースの見どころのひとつになりそうだ。

    「Max vs 100」は9月16日にシルバーストンで開催され、Disney+で世界に向けてライブ配信される予定。配信地域は国や地域によって異なる。

    F1で数々の勝利と記録を築いてきたフェルスタッペンが、レーシングキャリアの原点であるカートに戻り、101台の大集団の最後尾から100人全員を抜くことができるのか。通常のレースとはまったく異なる条件で、4度のF1王者のオーバーテイク能力が試される。

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGP大クラッシュを説明「不意を突かれた」

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGP大クラッシュを説明「不意を突かれた」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年F1オランダGP決勝で喫した大クラッシュについて、路面に現れ始めたドライラインを見てアクセルを踏んだ直後、マシンの挙動が急激に変化してコントロールを失ったと説明した。

    ザントフォールトで行われる最後のF1オランダGPは、地元の大観衆が見守るなか、フェルスタッペンにとってわずか1周で終了した。高速でバリアに激突したマシンはコース上へ跳ね返されたが、後続車とのさらなる事故は幸いにも避けられた。

    最終コーナーでドライラインを見て加速
    決勝前に降った雨によって、スタート時のザントフォールトにはまだ濡れている場所が残っていた。

    7番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、序盤から激しい攻防に巻き込まれた。スタートではルイス・ハミルトンとの争いで芝生側へ押し出され、その後はレッドブルで代役参戦していたリアム・ローソンを抑えながら走行していた。

    しかし、オープニングラップの最終コーナーで状況が一変する。

    バンクのついた高速コーナーでフェルスタッペンのRB22はイン側の縁石付近から姿勢を乱し、そのままアウト側のバリアへ激しく衝突。マシンはスピンしながらコース上へ戻り、タイヤのひとつが外れた状態で停止した。

    フェルスタッペンは、自らの判断ミスだったことを認めている。

    「もちろん、あのコーナーはまだかなり濡れていた。でも、コーナーを通過しているときに、あるところから少しドライラインが見えてきたんだ」

    「そこからはまた加速できると思った。でも、突然ものすごく挙動が変わって、不意を突かれた。それだけだ」

    「修正しようとしたけど、できなかった。それでウォールに当たった」

    クラッシュ後、フェルスタッペンのマシンは後続車が接近するコース上へと跳ね返されている。

    「正直、もっとひどいことになっていてもおかしくなかった。後ろにはたくさんのマシンがいたからね。でも幸い、そこはすべてうまくいった」

    激しい衝撃もフェルスタッペンは無事
    高速でのクラッシュだったものの、フェルスタッペン自身に大きな問題はなかった。

    事故後、身体の状態を聞かれると「大丈夫だ」と答え、衝突の角度も最悪のものではなかったとの認識を示した。

    「たぶん、SAFERバリアには当たっていたと思う」

    「それに、横方向から当たるより、もう少し正面方向からの衝撃の方が実際にはいいと思う。そういう意味ではすべて大丈夫だ」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) オランダグランプリ

    最後の母国GPは「残念なペースと残念な終わり方」
    フェルスタッペンにとって今回の一戦は特別な意味を持っていた。ザントフォールトでのオランダGPは2026年限りでF1カレンダーから姿を消すため、これが当面最後の母国レースとなる。

    だが、レッドブルは週末を通してマクラーレン、メルセデス、フェラーリに対して苦戦。フェルスタッペン自身も体調不良を抱えながら走り、予選では7番手にとどまっていた。

    最後の母国GPをクラッシュで終えた心境について、フェルスタッペンは簡潔に振り返った。

    「今週末はもちろん残念だった。ペースも残念だったし、週末の終わり方も残念だった。それですべてをまとめられると思う」

    レッドブルは「平均すれば4番手」
    さらにフェルスタッペンは、今回のザントフォールトでの苦戦が単発のものではなく、2026年シーズンにおけるレッドブルの現在地を表しているとの見方を示した。

    「シーズン全体を平均して見れば、僕たちは4番目に速いチームだった。だから、今週末はそれが本当によく表れていたと思う」

    「間違いなく少し遅れている。もちろん、もっと近づきたい。モンツァでは近づけるかもしれないけど、それは分からない」

    そして、シーズン終盤が近づくなか、レッドブルの視線はすでに2027年型マシンにも向き始めているという。

    「シーズン終盤に近づいているし、来年のことも見なければならない」

    「マシンには、かなり大きなパフォーマンスを見つけるためには来年にならないと変更できない部分がいくつかあると思う。だから、このマシンでできることをすべて最大限に引き出していく」

    「もちろん、シーズン終盤はそれほど簡単にはならない。でも、できる限りベストを尽くすよ」

    ザントフォールト最後のF1オランダGPは、フェルスタッペンにとって望んでいた形とは正反対の結末となった。だが、自らのミスを認めると同時に、レッドブルが現在抱える根本的なパフォーマンス不足にも目を向け、残るシーズンと2027年に向けて立て直しを図ることになる。

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGP決勝1周目に大クラッシュ 赤旗中断

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGP決勝1周目に大クラッシュ 赤旗中断

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が、2026年F1オランダGP決勝の1周目にクラッシュ。最終コーナーでマシンのコントロールを失い、激しくバリアに衝突したことでレースは赤旗中断となった。

    母国ザントフォールトで7番グリッドからスタートしたフェルスタッペンにとって、まさかの展開となった。大きな衝撃を伴うクラッシュだったが、フェルスタッペンは直後に無線で自身が無事であることを伝え、その後メディカルカーで現場を離れた。

    1周目の最終コーナーでフェルスタッペンがクラッシュ
    事故が起きたのはスタート直後の1周目。雨の影響で路面の一部に濡れた箇所が残る難しいコンディションのなか、フェルスタッペンは最終コーナーでイン側のラインを通過しようとした。

    その際、タイヤが白線に乗ったところでリアのグリップを失い、マシンはスピン。そのままバリアへ激しく衝突した。

    F1公式ライブでは、事故が表示された時点ですでに先頭が2周目に入っていたため「LAP 2/72」となっていたが、後方を走っていたフェルスタッペン自身は1周目の最終コーナーを走行していた。

    クラッシュ直後、フェルスタッペンはチーム無線で無事を報告。事故の衝撃が大きかったこともあり、その後はメディカルカーに乗って現場を離れた。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) オランダグランプリ

    赤旗提示で全車がピットレーンへ
    フェルスタッペンのクラッシュを受けて赤旗が提示され、各車はピットレーンへ戻った。タイミングモニター上では3周目に入った段階でレースが中断された形となった。

    フェルスタッペンのマシンはコース脇から撤去され、安全確認とバリアのチェックが進められることになった。

    ザントフォールトで最後の開催となるF1オランダGPで、地元の大声援を受けていたフェルスタッペンがスタート直後に戦列を離れるという衝撃的な展開となった。

    ボルトレトもスピン 角田裕毅は11番手に浮上
    フェルスタッペンの事故とほぼ同じタイミングでは、ガブリエル・ボルトレトも別の場所でスピン。ボルトレトは大きく順位を落としたものの、マシンをコースへ戻すことに成功し、赤旗が提示された時点でもレースに残っている。

    一方、12番グリッドからスタートした角田裕毅(レーシングブルズ)は11番手に浮上。ポイント圏の10番手フランコ・コラピントまであと1ポジションという位置で、赤旗後の再スタートを迎えることになった。

    スタート直後から濡れた部分が残る難しいコンディションとなった2026年F1オランダGP。母国での最後のオランダGPを迎えたフェルスタッペンが1周目でクラッシュするという、波乱の幕開けとなった。

  • 角田裕毅ら代役好走でフェルスタッペン持論「現行F1マシンは限界を見つけやすい」

    角田裕毅ら代役好走でフェルスタッペン持論「現行F1マシンは限界を見つけやすい」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年F1第12戦オランダGPで急きょマシンを乗り換えた角田裕毅とリアム・ローソンが予選でレギュラードライバーに迫ったことについて、現行マシンの特性を示すひとつの例だとの見方を示した。

    なかでも角田裕毅は、2026年型F1マシンでの実走経験がない状態でレーシングブルズVCARB-03に乗り込み、予選Q2ではチームメイトのアービッド・リンドブラッドからわずか0.102秒差。

    レッドブルRB22を初めてドライブしたローソンもQ3でフェルスタッペンから0.115秒差につけており、フェルスタッペンはこうした僅差が2026年F1マシンの特徴と無関係ではないと考えている。

    角田裕毅は実走経験なしでリンドブラッドから0.102秒差
    オランダGPでは、負傷したアイザック・ハジャーに代わってローソンがレッドブル・レーシングに昇格。そのローソンが空けたレーシングブルズのシートに角田裕毅が入るという異例のドライバー変更が行われた。

    角田裕毅にとって条件は決して簡単なものではなかった。今季はレッドブルのリザーブを務めており、2026年型F1マシンを実際に走らせるのは今回が初めて。事前準備もVCARB-03を使ったシミュレーターでの1日だけだった。

    それでも予選ではQ2まで進出。最終的に12番手となり、Q3に進んだリンドブラッドとの差を0.102秒に抑えた。

    一方のローソンは、レッドブル・フォードのパワーユニット自体はレーシングブルズで使い慣れているものの、RB22を走らせるのはザントフォールトが初めてだった。それでもQ1ではフェルスタッペンから0.102秒差、Q3でも0.115秒差まで迫った。

    ドライバーによる差が以前より小さくなっているのではないかと問われたフェルスタッペンは、特に予選ではそうした傾向があるとの考えを示した。

    「特に予選では、今のマシンの方が限界を見つけるのはかなり簡単だと思う」

    「バッテリーが少なくなっている場所もかなりあって、そうなるとすべてをまとめること自体が少し簡単になる。今週末は以前のマシンと比べて、それがかなりよく表れていたと思う。僕にとっては驚きではない」

    2026年のF1では、パワーユニットにおける電動エネルギーの重要性が大幅に高まった。ドライバーは単純にコーナーを限界まで攻めるだけでなく、ラップ全体でエネルギーをどう使うかという制約の中で走る必要がある。

    フェルスタッペンは、こうした特性によって予選でドライバーが生み出せるタイム差が以前より小さくなっている可能性を指摘する。

    「シーズンを通してすでに見えている。みんないつも0.1秒とか0.2秒の中にいる」

    「かなり悪い予選になっても0.3秒くらいだ。いつも差は小さい」

    フェルスタッペンとの差も縮小した2026年
    ローソンのザントフォールトでの予選セッションを見ると、フェルスタッペンとの差はSQ1で0.165秒速く、SQ2では0.374秒遅れ。通常予選ではQ1が0.102秒、Q2が0.427秒、Q3が0.115秒の遅れだった。

    2回の予選セッションを平均すると、その差は約0.245秒。これは2026年シーズンにハジャーがフェルスタッペンにつけられている平均約0.232秒と近い数字だ。

    さらにチームメイト間の予選タイム差を前年と比較すると、新規参戦のキャデラックを除く10チーム中6チームで差が縮小している。

    2025年にはレッドブルでフェルスタッペンと角田裕毅の平均差が0.735秒に達していたのに対し、2026年に最も大きなチームメイト間の差はフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの約0.303秒となっている。

    ただし、これだけで2026年型マシンが「簡単」になったと断定することはできない。

    ハジャー自身が今季高いパフォーマンスを見せていることに加え、ローソンもレーシングブルズで好調なシーズンを送っている。ドライバー自身の成長やマシンとの相性もあり、チームメイト間の差の縮小をレギュレーション変更だけに結びつけることはできない。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    ステラは反論「今年の方がさらに難しい」
    一方、マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、フェルスタッペンとは異なる見方を示している。

    「このマシンは、少なくとも我々の2人のドライバーからは運転が難しいマシンだと分類されている。他のドライバーについては分からない」

    2026年型マシンは前年までと比較してダウンフォースが少なく、タイヤも小型化された。さらにパワーユニットのエネルギーマネジメントが加わり、ドライバーが対処しなければならない要素が増えているとステラは説明する。

    特にシーズン序盤には、ストレートでデプロイメントの状態が突然変化し、それによってブレーキングポイントまで狂うケースがあったという。

    「高速コーナーで早くアクセルを踏んだことで、その後のデプロイメントを失うこともある。だから今年のマシンを難しくしている要素はいくつもあった」

    パワーユニット関連についてはシーズンが進むにつれてドライバーとエンジニア双方の理解が深まり、対応できるようになってきた。それでも限界で走る際の一貫性には依然として影響が残っているという。

    さらにステラが強調したのが、グリップの予測しにくさだ。

    「以前の世代のマシンには、はるかに大きな空力荷重があり、タイヤからもずっと多くのグリップがあった」

    「ドライバーにとっては、すべてがはるかに速く起きるという意味で難しかったが、通常は対処すべきことがひとつだったので、その意味では簡単だった」

    「今はグリップの一貫性という点で、いつ何が起きてもおかしくない。風に対する感度もあり、ハンガリーでもここでも、それが予選で誰もクリーンなラップをまとめられなかった大きな理由になった」

    フェルスタッペンが示した「ドライバーの技量による差が出にくくなった」という考えについても、ステラは慎重だ。

    「僕には何とも言えない。他のチームについてコメントすれば不正確になる」

    「ただ、マクラーレンで理解していることに限って言えば、今年の方がさらに難しいと思う」

    「2025年まではスピードと、物事が起きる速さに慣れる必要があった。でも今年はマシンが大きくスライドするので、どんな問題が起きても適応できるようにしなければならない」

    フェルスタッペンが指摘する「限界への到達しやすさ」と、ステラが語る「限界で安定して走らせる難しさ」は、必ずしも完全に矛盾するものではない。2026年F1では一発のタイム差を生み出す余地が小さくなる一方、その小さな差を安定して引き出すためにドライバーが対処すべき要素は増えている可能性がある。

    その議論を象徴するのが、今回の角田裕毅とローソンだった。特に角田裕毅が2026年型マシンでの実走経験がないままリンドブラッドから0.102秒差まで迫ったことは、フェルスタッペンが唱える「予選で限界を見つけやすくなった」という見方を考えるうえで、興味深い実例となった。

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGP予選7番手「クルマに根本的な問題」

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGP予選7番手「クルマに根本的な問題」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年F1オランダGPの予選を7番手で終え、レッドブル・レーシングのRB22にはセットアップ変更だけでは解決できない「根本的な問題」があるとの認識を示した。また、今週末はインフルエンザのような症状に見舞われ、普段よりエネルギーがない状態で母国グランプリを戦っていることも明かした。

    フェルスタッペンはQ3で1分11秒618を記録したものの、ポールポジションを獲得したランド・ノリスには0.455秒届かなかった。

    前日のスプリント予選と比較すればトップとの差はわずかに縮まったが、本人はRB22が抱えるバランス面の制約にほとんど変化はなかったと説明している。

    「残念ながら、クルマはそれほど変わらなかった。昨日と同じようなバランス面での制約があった。正直、それ以上はあまり残っていなかった」

    「何かを出し切れずに終わったという感覚はまったくない。ただ、自分が望んでいる位置ではない」

    スプリント終了後、レッドブルは予選に向けてマシンに大幅な変更を施した。しかし、その効果はほとんど感じられなかったという。

    「スプリントの後にクルマをかなり変更したけど、どれも違いを生まなかった」

    フェルスタッペンが最大の問題として挙げるのが、コーナーを通じて安定しないマシンバランスだ。そして、それはザントフォールトだけで突然発生した問題ではない。

    「クルマのバランスが最大の問題だ。コーナー全体を通して一貫していない。でも、それはシーズンを通してずっとそうだった。サーキットによって少し悪くなるところがあるというだけだ」

    ザントフォールトは、そのRB22の弱点が特に表れやすいレイアウトだという。

    「路面による場合もあるけど、サーキットのレイアウトにも左右される。ここが僕たちにとってベストなレイアウトではないことは間違いない。でも、それに取り組んでいく必要がある」

    「どのサーキットなら少し良くなるかを予想することはできるけど、僕たちはこの問題をできるだけ消していかなければならない」

    レッドブルはセットアップ面でさまざまなアプローチを試してきた。それでも状況が大きく変化しなかったことから、フェルスタッペンは問題がより根本的な領域にあると考えている。

    「今は単純に、クルマのいくつかの根本的な問題によって制限されていると思う。それを解決する必要がある」

    「このサーキットには高速コーナーもあるけど、そこでも不足している。全体的にバランスが良くなければ、本当の意味でコーナーを攻めることができない」

    「それにトラクションもなければ、コーナーからうまく立ち上がれない。そのすべてでタイムを失っている」

    予選直後のインタビューでも、フェルスタッペンはこうした問題の一部について、今季中ではなく2027年に向けて改善する必要があるとの考えを示した。

    「クルマにはいくつか根本的な部分があると思う。それについては、できれば来年に向けて修正できればと思っている」

    「それ以外については、もちろんもう少しパフォーマンスを見つけようとしていくことになる。でも、これからの数戦でどうなるか見てみよう」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    インフルエンザのような症状「普段ほどエネルギーがない」
    さらにフェルスタッペンは、母国GPの週末を万全の体調ではない状態で過ごしていることも明らかにした。

    「もっと調子がよかったことはあるよ。少しインフルエンザみたいな感じで、普段ほどエネルギーがないんだ」

    ただし、体調がドライビングそのものに影響しているとは考えていない。

    「いや、そうは思わない。クルマに乗ってしまえば、実際には大丈夫だと思う」

    2026年限りでF1開催を終えるザントフォールトだけに、フェルスタッペンにとっては最後の母国GPとなる。それでも現在はファンからの声援を楽しむ一方で、まず体を休めたいというのが率直なところだ。

    「もちろん、グランドスタンドにいるファンのみんなのことは今でも楽しんでいる。でも、それ以外では、とにかく少し眠れるのを楽しみにしているよ」

    「普通なら7位が最大限」
    決勝についてもフェルスタッペンは厳しい見通しを示しており、雨などによる混乱がなければ、7位が現実的な最大値になると考えている。

    「明日に向けては、自分たちに何ができるのか現実的に考える必要があると思う。少しペースが足りていないからね。自分たちのレースをしっかりマネジメントして、どうなるか見ていくしかない。もう少しパフォーマンスを引き出せればと思っている」

    2021年にF1カレンダーへ復帰したオランダGPで、フェルスタッペンはこれまで3勝を挙げてきた。今回が最後の開催となることについては「間違いなくひとつの時代の終わりだ」と語った。

    「自分の母国レースがあって、そこで何度か勝つことができたのはとても特別なことだ。もちろん、なくなってしまうのは残念だけど、その一方で素晴らしい瞬間や思い出をたくさん与えてくれた」

    最後のザントフォールトで有終の美を飾ることは、現状のRB22の競争力を考えれば容易ではない。

    「僕は勝ったときしか本当に満足しない。でも、明日はそれがとても難しいだろうね。今シーズンを通して僕たちは少し遅すぎたし、それがザントフォールトで突然変わるわけではない」

    「でも、最後にもう一度ここを楽しもうと思っている」