フェルスタッペン マドリンク設計者に苦言「オーバーテイクできる造りを学ぶべき」

フェルスタッペン マドリンク設計者に苦言「オーバーテイクできる造りを学ぶべき」

マックス・フェルスタッペンは、初開催のF1スペインGPの舞台となったマドリンクのコース設計に厳しい意見を示した。特にブレーキングゾーンの造りがオーバーテイクを難しくしていると指摘し、設計側は追い抜きを可能にするレイアウトについて「学ぶ必要がある」と苦言を呈した。

レッドブル・レーシングのフェルスタッペンは予選で3番手を獲得したものの、決勝を前に最大の問題として挙げたのがオーバーテイクの難しさだった。

たとえ前を走るマシンより速いペースがあったとしても、コース上で順位を上げることは容易ではないとの見方を示していた。「速くても抜けない」
決勝でポールポジションのランド・ノリスや2番手のアンドレア・キミ・アントネッリに挑戦できるかと質問されたフェルスタッペンは、厳しい見通しを語った。

「難しいと思う。仮にベストケースで自分たちの方が速かったとしても、抜けない。抜けるコーナーがないからね」

そのため、前を走るドライバーのタイヤデグラデーションや戦略によってチャンスが生まれることを期待するしかないという。

「前のドライバーがかなり激しくデグラデーションすることに頼る必要がある。ロングランは全員かなり厳しくて、デグラデーションも大きかった。それが重要なポイントになると思う」

「でも、それでもどのコーナーで抜けばいいのかを見つけないといけない」

ブレーキングゾーンの設計に苦言
フェルスタッペンは単に「抜きにくい」と感想を述べるだけでなく、その原因がマドリンクのコーナーとブレーキングゾーンの造りにあると具体的に指摘した。

「コーナーについては、前にも言ったように抜けない」

「いくつかのブレーキングゾーンでは、ブレーキングしながらステアリングを切らなければならないような形にしてはいけないということを、彼らは学ぶ必要がある。それでは、どんなオーバーテイクもできなくなる」

フェルスタッペンが問題視しているのは、マシンを直線状態で強く減速して横に並ぶことができるブレーキングゾーンではなく、減速と同時にコーナリングを始めなければならない場所が存在することだ。

こうしたレイアウトでは、後続車がブレーキングで横に並ぶ余地を作りにくく、ペース差があってもオーバーテイクにつなげることが難しくなる。

「スペースがない」は理由にならない
さらにフェルスタッペンは、都市型サーキットでは利用できる土地やスペースに制約があるという一般的な説明にも納得していない。

「コース設計という点では、もっと良くできると思う」

「将来的には、コース設計にドライバーからの意見を取り入れることも大きな助けになると思う」

そして、設計上の制約についてこう続けた。

「彼らはいつも『でもスペースがない』と言ってくるだろう。でも、それはナンセンスだ」

「サーキットには、オーバーテイクの機会を作る方法が必ずある」

フェルスタッペンの主張は、単純にマドリンクを高速化したり難しくしたりすることではなく、F1マシンが実際にバトルできることを前提としてコーナーやブレーキングゾーンを設計すべきだというものだ。

ドライバーをコース設計に関与させるべき
そのためフェルスタッペンは、今後新たなF1サーキットを造る際には、実際にマシンを走らせるドライバーの意見をより積極的に取り入れるべきだと訴えた。

現在のF1マシンは高いダウンフォースを発生する一方、前車に接近した際の挙動やエネルギーマネジメントなど、実際にレースをするうえで特有の要素がある。

フェルスタッペンは、そうした特徴を理解しているドライバーが設計段階から意見を出すことで、よりオーバーテイクにつながるコースを造ることができると考えている。

マドリンクについても、コースそのものを否定しているわけではない。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

路面とイベント運営は高評価
フェルスタッペンは新設されたマドリンクの路面グリップについては好印象を持っている。

「グリップは好きだ。舗装についてはいい仕事をしたと思う。新しいコースなのに、すでに少しバンピーすぎる場所はあるけどね」

また、初開催までの準備やイベント運営についても評価した。

「イベントそのものはすごくクールだ。彼らは素晴らしい仕事をしたと思う」

「コースをこれだけ早く使える状態にしたこともそうだし、シミュレーターのために共有された情報についても、とてもよかったと思う」

一方で、レースの質という観点では改善の余地があるとの考えは変わらない。

「でも、よりいいレースやオーバーテイクを望むなら、変更できるコーナーはいくつかあると思う」

ラ・モニュメンタルにも改善案
マドリンクを象徴するバンクコーナー、ラ・モニュメンタル(La Monumental)についても、フェルスタッペンは自身なら異なる形にしたと語っている。

「バンク自体はクールだけど、逆にした方がよかったと思う。最初をもっとバンクさせて、そこから徐々にフラットにしていく感じだね」

F1マシンでは大きなダウンフォースがあることに加え、ラップ終盤にはバッテリーのエネルギーも減少するため、ドライバーにとって見た目ほど大きな挑戦にはなっていないという。

「全開で行きたかったけど、バッテリーがなくなる。だから、よりいいデプロイメントにするためにリフトする。それが僕のラ・モニュメンタル体験だよ」

「F1マシンにはものすごいダウンフォースがある。他のカテゴリーの方が難しいと思う」

初開催のマドリンクについて、イベントそのものや路面を評価しながらも、フェルスタッペンはF1のレースを成立させるという観点からコース設計に明確な改善を要求した。特にブレーキングしながらステアリング操作を必要とするレイアウトではオーバーテイクが生まれないとして、設計側にはその点を「学ぶ必要がある」と指摘。今後はドライバーの意見を設計段階から取り入れることが、よりバトルのできるF1サーキットを造るために重要だと訴えた。