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  • キャデラックF1 ハータとカマラの2027年起用説を否定「根拠がない」

    キャデラックF1 ハータとカマラの2027年起用説を否定「根拠がない」

    キャデラックF1のCEOを務めるダン・トウリスが、2027年のドライバーラインナップを巡って浮上しているコルトン・ハータやラファエル・カマラの起用説について言及した。現時点ではセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスのコンビを変更する計画はないと強調している。

    一方でトウリスは「F1では状況は常に変わり得る」とも語り、将来的な若手起用の可能性を完全には否定しなかった。

    特にキャデラックのテストドライバーを務めるハータはF1昇格を目指してインディカーからFIA F2へ転向しており、その動向が注目されている。

    ハータはF1昇格を目指してインディカーからF2へ
    キャデラックはF1参戦初年度となる2026年、ペレスとボッタスという経験豊富な2人をレギュラードライバーに起用した。

    しかし、2027年に向けたドライバー市場を巡ってはさまざまな憶測が広がっている。ペレスにはウィリアムズ移籍説が浮上しており、その背景にはカルロス・サインツJr.の去就を巡る動きがある。アレクサンダー・アルボンについても将来が確定しているわけではないとされている。

    一方、ボッタスは自身が今回のドライバー市場に加わることはないと明言しているものの、そのシートをハータが引き継ぐ可能性も取り沙汰されてきた。

    ハータはキャデラックの将来的なF1ドライバー候補として以前から期待されている。F1参戦という目標を追うためにインディカーでのキャリアに区切りをつけ、2026年はハイテックからFIA F2に参戦するとともに、キャデラックF1のテストドライバーを務めている。

    ただし、F2ではここまで期待された成績を残せていない。さらに2026年にはキャデラックから4回のF1フリー走行1回目(FP1)への出走が予定されているものの、現在のF2ランキングのまま追加のスーパーライセンスポイントを獲得できなければ、2027年のF1参戦に必要な基準に1ポイント届かない可能性がある。

    ラファエル・カラム

    カマラ獲得説も浮上 キャデラックCEOは「根拠がない」
    ハータがF2で苦戦するなか、新たな候補として名前が挙がったのがフェラーリ・ドライバー・アカデミー所属のラファエル・カマラだ。

    前年のFIA F3王者であるカマラは、2026年のF2でレッドブル育成のニコラ・ツォロフ、アルピーヌ育成のガブリエレ・ミニとタイトルを争っている。ペレスの移籍説と重なったことで、キャデラックが2027年にカマラを起用する可能性が取り沙汰されるようになった。

    しかし、トウリスは若手ドライバーへの交代が現時点で具体的に検討されているとの見方を否定した。

    「若いドライバーが加入してチームをさらにプッシュすることになるのか? もちろん、それは我々が考えることのひとつではある」

    「ただ、我々には経験豊富な2人のドライバーがいて、彼らには非常に満足している。2人はチームをプッシュしてくれているし、これからもそうしてくれるだろう」

    そのうえでトウリスは、現在のラインナップを維持する方針を示しながらも、F1のドライバー市場では状況が急変する可能性があることを認めた。

    「ただし、ひとつ但し書きを付けておく。ここはF1だ。状況は常に変わり得る。現時点で2027年に向けた変更の予定はないが、物事はいつでも変わる可能性がある」

    「若いドライバーについていくつか噂が出ていることは知っている。ただ、それらには根拠がない。だから我々がそこに焦点を当てることはない。現時点では、そのことに注力していない」

    経験を優先するキャデラック ただし2027年への扉は閉じず
    キャデラックにとって、ペレスとボッタスの経験は新規F1チームを構築するうえで大きな意味を持つ。参戦初年度の2026年はまだポイントを獲得できておらず、中国GPでボッタスが記録した13位がここまでの最高成績となっている。

    さらにチームは夏休み中に体制を変更し、チーム代表のグレアム・ロードンを退任させ、元アルピーヌF1エグゼクティブディレクターのマルチン・ブコウスキーを後任に据えた。組織そのものが発展途上にある段階だけに、経験豊富なペレスとボッタスを維持することには一定の合理性がある。

    その一方、キャデラックは将来を見据えたドライバー育成も必要になる。ハータはすでにチームのテストドライバーとしてF1プログラムに組み込まれており、カマラをはじめとする若手の名前も今後さらに浮上する可能性がある。

    トウリスの発言から読み取れるのは、2027年の基本方針はペレスとボッタスの継続であり、ハータやカマラの起用が具体化している事実はないということだ。ただし「状況は常に変わり得る」とあえて付け加えたことで、キャデラックが将来的なドライバー変更の選択肢まで閉ざしているわけではないことも明確になった。

  • フェリペ・マッサ 2009年F1大事故の記憶 スメドレー「助かるか分からなかった」

    フェリペ・マッサ 2009年F1大事故の記憶 スメドレー「助かるか分からなかった」

    2009年F1ハンガリーGPでフェリペ・マッサを襲った重大事故について、当時フェラーリでレースエンジニアを務めていたロブ・スメドレーが、事故発生直後の混乱と病院で過ごした時間を振り返った。

    予選中、前方を走っていたルーベンス・バリチェロのマシンから脱落したサスペンションのスプリングがマッサのヘルメットを直撃。意識を失ったマッサはタイヤバリアに衝突し、頭部に重傷を負った。

    緊急手術によって一命を取り留めたものの、当時は生命が危ぶまれるほど深刻な状態だった。

    異変に気づけなかった事故直後
    スメドレーは『High Performance Racing』ポッドキャストで、事故が起きるまでマッサにもフェラーリにも好感触があったと振り返る。

    「チームのオペレーションは2008年からさらに一段階上がっていたし、フェリペ自身もそうだった。安定していいパフォーマンスを発揮していた」

    「ハンガリーは間違いなくマシンに合うレースだと思っていたし、予選でもまずまずの結果を出せると思っていた。実際のところマシンはひどかったけど、それでも彼は予選では常にトップ10に入っていた」

    事故はマッサがアタックラップを開始し、ターン5へ向かう上り坂で発生した。

    「彼が減速し始めるのが見えた。事故には見えなかった。だからエンジンかギアボックスが壊れたと思った。マシンが止まろうとしている、よくある光景に見えた。ただ、少しスピードが高かった」

    スメドレーは無線で「どうした?」と問いかけた。しかし返事はなかった。

    「最初は腹を立てていて話したくないんだと思った。予選の最中だし、ギアボックスかエンジンが壊れたのなら、話したくないこともある」

    ところが、マッサのマシンはそのままタイヤバリアへと向かった。

    「突然止まったのを見て、『クラッシュしたのか』と思った。でも、その前から減速していた。何かがおかしかった」

    ガレージ側でテレメトリーを確認すると、さらに不可解な状況が判明した。

    「スタッフのひとりから、上り坂でブレーキを踏み始めると同時にアクセルも踏んでいたと言われた。しかもブレーキもアクセルも強く踏んでいた。『これはおかしい』と思った」

    無線から聞こえた「うめき声」
    その後、オンボード映像が映し出され、スメドレーは事態が通常のクラッシュではないことに気づき始めた。

    「彼はステアリングに手を置いたまま、左側へ流れていった。そして縁石を越え、コースの反対側まで行って、グラベルを跳ねながらタイヤウォールに突っ込んだ」

    「『そのまま壁に向かって走っていった』と思った。しかも手はまだステアリングにあった。それ自体がものすごく異常だった。ドライバーが壁に突っ込むときは、最後の瞬間に手を離すものだからね」

    フェラーリのピットは「完全な混乱」に陥った。

    「ガレージも僕も混乱していた。誰にも何が起きたのか分からなかった」

    そのとき、沈黙していたマッサの無線回線が突然開いた。

    「ひどい、喉の奥から出るようなうめき声が聞こえた。本当に激しい痛みに苦しんでいる人の声だった」

    「おそらく彼は意識を取り戻しかけて、手を動かしているうちに本能的にボタンを押したんだと思う。何かを話しているわけではなかった。ただ、ひどいうめき声だけだった。その瞬間に『これは普通じゃない』と分かった」

    スメドレーはマッサ本人と、その音声を聞いていたフェラーリのスタッフを守るため、無線を切ったという。

    当初は「鳥が当たった」と考えたフェラーリ
    事故原因もすぐには分からなかった。

    数分後、当時ルノーのチーム代表だったフラビオ・ブリアトーレがフェラーリのピットウォールを訪れ、事故時の静止画像を見せた。フェラーリ側は当初、鳥がマッサのヘルメットに衝突したのではないかと考えたという。

    しかし、その後の情報から、バリチェロが駆るブラウンGPのマシンから脱落したサスペンションのスプリングが直撃したことが判明した。

    「ルーベンスのマシンから何かが外れたらしいという話が出てきた。実際にはリアサスペンションのスプリングだった。800グラムか1キロくらいのものだったと思う」

    マッサはサーキットのメディカルセンターに搬送され、その後ヘリコプターでブダペスト市内の病院へ運ばれた。

    「鎮静処置を受け、気管切開をして、それからヘリで運ばれた」

    「助かるかどうか分からない」
    スメドレーも病院へ向かった。そこで待っていたのは、マッサが生き延びられるかどうかさえ分からないという厳しい現実だった。

    「ブダペストには軍病院があって、頭部外傷について世界でもトップクラスの技術と医師がいた。でも、あの土曜の夜は手術中で、『助かるかどうか本当に分からない』という状態だった」

    当時を語りながら感情を抑えきれなくなったスメドレーは、一度言葉を止めてから話を続けた。

    マッサは人工的な昏睡状態に置かれた。日曜夜には「かなり安定した」ものの、依然として予断を許さない状態だったという。

    スメドレーは決勝が行われる日曜日にハンガロリンクへ戻った。

    「チームを支えるためだった。でも、たぶん僕はあそこにいるべきではなかったと思う。心ここにあらずだった」

    フェリペ・マッサ F1

    目覚めたマッサ「来週にはマシンに戻る」
    翌週末、フェラーリはスメドレーを再びブダペストへ向かわせた。マッサは昏睡状態から目覚め、徐々に回復し始めていた。

    だが、事故によるダメージは外見からも明らかだった。

    「衝撃的だったけど、ある意味では笑ってしまうほどだった。頭が文字どおり普段の2倍くらいに腫れていて、全部が黒と青になっていた。本当に頭全体があざだらけだった」

    意識を取り戻した直後には混乱も見られた。

    「最初は僕にポルトガル語で話しかけてきた。その後は僕が誰なのか分からなくなった。そして、自分がマクラーレンのドライバーだと思っていた」

    それでも記憶が戻ると、マッサが真っ先に考えたのはF1への復帰だった。

    「僕が誰なのか、自分がどのチームで走っているのか分かるようになると、ずっと『ステファノ(ドメニカリ)に電話して、来週にはマシンに戻れると伝えてくれ。月曜日からテストできる。もうかなり良くなった』と言っていた」

    事故を機にF1を辞めることも考えたスメドレー
    長年マッサと密接に仕事をしてきたスメドレーにとって、この事故は自身のキャリアについて考え直すほど大きな出来事だった。

    事故後には、F1で仕事を続けるべきなのか疑問を抱き、その思いをフェラーリ側にも伝えていたという。

    最終的にはF1に残ることを決断した。スメドレーは後に、その選択について、残りのF1キャリアを「心から楽しむことができた」と振り返っている。

    スメドレーは2013年までマッサのレースエンジニアを務め、2014年にウィリアムズへ移籍して車両パフォーマンス部門の責任者に就任。奇しくもマッサも同じ2014年にフェラーリからウィリアムズへ移籍した。

    一方、マッサは2009年シーズンの残りを欠場したものの、翌2010年の開幕戦からフェラーリでF1復帰を果たした。その後ウィリアムズでキャリアを続け、2017年F1アブダビGPを最後にグランプリから退いた。

    17年が経過しても、スメドレーにとって2009年ハンガリーGPの記憶は鮮明に残っている。突然途絶えた無線、理解できないマシンの動き、そして回線から聞こえてきたマッサのうめき声。生命の危機から復帰を果たしたマッサの事故は、F1の安全性を改めて問い直す大きな契機のひとつとなった。

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGP惜別の特別ヘルメット「一生残る思い出」

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGP惜別の特別ヘルメット「一生残る思い出」

    マックス・フェルスタッペンが、2026年を最後にF1カレンダーから姿を消すオランダGPに向け、母国とザントフォールトへのオマージュを込めたスペシャルヘルメットを公開した。

    2021年に36年ぶりの復活を果たしたオランダGPは、8月30日に決勝が行われる2026年大会をもって開催を終了する。母国の英雄フェルスタッペンと「オレンジ・アーミー」が作り上げてきたザントフォールトの熱狂も、ひとまず最後の週末を迎える。

    最後の母国F1に捧げるスペシャルヘルメット
    フェルスタッペンはSNSを通じ、最後のF1オランダGPで使用するワンオフのヘルメットデザインを披露した。

    「象徴的なグランプリ。一生残る忘れられない思い出。最後のホームレース、特別なヘルメット。オランダとザントフォールトへのオマージュだ」

    今回のデザインには、単なるホームレース仕様以上の意味が込められている。2026年大会を最後にオランダGPがF1カレンダーから外れるため、フェルスタッペンにとってF1ドライバーとしてザントフォールトを走る最後の機会となるからだ。

    オランダGPは1985年を最後に長く開催されていなかったが、2021年にF1カレンダーへ復帰。復活初年度からフェルスタッペンが勝利し、2022年、2023年も制して3連勝を達成した。

    スタンドを埋め尽くすオレンジ色のファンと、会場を包む独特の熱気は復活後のオランダGPを象徴する光景となった。フェルスタッペンの台頭とともに実現した母国GPは、わずか数年でF1屈指の人気イベントへ成長した。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) オランダGPヘルメット

    「ファンと一緒に楽しみたい」
    夏休み前、フェルスタッペンは最後のオランダGPについて、結果だけではなく母国ファンとの時間そのものを楽しみたいと語っていた。

    「僕のホームグランプリだから、もちろんすごく楽しむつもりだ。ドライビングの面でも楽しめればいいね! 少なくとも、この週末(ハンガリー)よりは楽しめることを願っているよ」

    2026年のレッドブル・レーシングはRB22の扱いに苦しむ場面もあり、フェルスタッペンにとって母国戦だからといって勝利を約束された状況ではない。それでも、ザントフォールトそのものがなくなるわけではないとして、F1撤退後については前向きに受け止めている。

    「ファンに会えるのは素晴らしいことだ。確かにF1グランプリはなくなるけど、ほかにもたくさんのカテゴリーがそこでレースをするし、トラックデーで走りたければサーキットがなくなるわけでもない」

    「だから僕はこれからもそこで走って楽しめる。ただ、それがF1ではなくなるというだけだ。それはそれでいいと思っている」

    「僕はただ、ファンと一緒に楽しみたいんだ」

    ザントフォールト復活がF1に残したもの
    フェルスタッペンは、オランダGPを復活させた関係者の仕事についても高く評価している。

    「彼らがこのグランプリを復活させるためにやってきたことは、本当に信じられないほど素晴らしい」

    「最初のレースを開催したとき、グランプリをどう開催して、どう観客を楽しませるべきなのかという意味で、ほかの多くのグランプリにとっても素晴らしいお手本になったと思う」

    ザントフォールトでのオランダGPは、1985年にニキ・ラウダがマクラーレンで勝利したのを最後にF1カレンダーから姿を消した。その後、フェルスタッペンの活躍によって国内でF1人気が急速に高まり、2021年に待望の復活を果たした。

    復活後はオレンジ色に染まった大観衆がフェルスタッペンを後押しし、ザントフォールトならではの雰囲気を作り上げた。フェルスタッペン自身も3勝を挙げており、母国ファンの前で数々の印象的な瞬間を残してきた。

    2026年8月30日、その歴史はいったん区切りを迎える。フェルスタッペンにとって最後のF1オランダGPは、勝敗だけではなく、自身のキャリアとともに歩んできたザントフォールト、そして母国ファンへの感謝を示す特別な週末となる。

  • ニコラ・ツォロフ F1昇格へ重要な一歩 レーシングブルズでVCARB02をテスト

    ニコラ・ツォロフ F1昇格へ重要な一歩 レーシングブルズでVCARB02をテスト

    F2選手権をリードするニコラ・ツォロフが、レーシングブルズで初の本格的なF1テストに臨む。ブルガリア出身の19歳は8月27日にイモラ・サーキットで2025年型VCARB02をドライブし、F1昇格に向けて重要な走行距離を積む予定だ。

    レッドブルの育成ドライバーとして評価を高めているツォロフにとって、近年型F1マシンを本格的に走らせるのは今回が初めてとなる。

    2027年のドライバーラインナップを巡る判断が今後本格化するなか、レーシングブルズにとってもツォロフの適応力を直接確認する重要な機会となる。

    8月27日にイモラで2025年型VCARB02をドライブ
    ツォロフのテストは、レーシングブルズが今季最後のフィルミングデーを実施する8月27日にイモラで行われる。

    リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドは2026年型VCARB03を使用してフィルミングを行い、2人の合計走行距離はプロモーションイベントに関する規定によって200kmに制限される。

    一方、ツォロフはTPC(Testing of Previous Cars=旧型車テスト)の規定を利用し、2025年型VCARB02を走らせる。

    2026年にTPC規則が改定されたことで、前年型であっても旧世代の技術規則に基づくマシンであれば使用できるようになった。これまでは原則として少なくとも2年前のマシンを使用する必要があったが、2026年の大幅なレギュレーション変更によってVCARB02もTPC対象車となる。

    ツォロフはこれまでF1マシンを運転した経験自体はある。2025年6月にはソフィアでレッドブルRB7を走らせ、2026年夏のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードではRB8をドライブした。ただし、いずれもデモ走行であり、今回のイモラテストはF1昇格を見据えた本格的な評価走行という意味で大きく異なる。

    FP1出走に必要な走行距離を確保
    レーシングブルズCEOのピーター・バイエルは7月、ツォロフにTPCテストの機会を与える計画を明かしていた。

    「現在、彼にTPCテストをさせることを検討している。金曜のフリー走行に出るためのライセンスが必要だからだ」

    「まだ必要な走行距離が少し足りない。だから秋に向けて計画している」

    今回のテストには、単にツォロフの速さを評価するだけでなく、将来的なF1フリー走行出場に必要な経験を積ませる目的もある。

    現時点でツォロフはF1参戦に必要なFIAスーパーライセンスを取得していない。現在の3年間の対象期間で保有するスーパーライセンスポイントは25点で、すべて2025年のFIA F3選手権でランキング2位となったことで獲得したものだ。

    2026年のF2選手権をトップ5以内で終えれば、F1参戦に必要なポイント数を満たすことができる。現在選手権をリードしていることを考えれば、スーパーライセンス取得は現実的な目標となっている。

    2027年レーシングブルズ昇格説にはバイエルが慎重
    今夏には、一部メディアがツォロフについて2027年のレーシングブルズのシートを事実上約束されていると報じた。

    しかし、レーシングブルズ側はこの見方を否定している。2027年のドライバーラインナップについて正式な協議はまだ行われておらず、決定には程遠いという。

    バイエルは当時、ツォロフの昇格説について「単なる噂だ」と語っていた。

    「彼は素晴らしい仕事をしているし、とてつもない才能の持ち主だ。当然、我々も注目している」

    「ただ、まだ7レースを終えただけだ。リアムとアービッドも同じように素晴らしい仕事をしている。だから現時点では、まだ検討する段階にすら入っていない」

    ツォロフの評価が急速に高まっている一方で、レーシングブルズには簡単に空席が生まれる状況ではない。

    ローソンはF1フル参戦2年目でドライバーズランキング9位につけ、トップ4チーム以外では事実上最高位を争っている。ルーキーのリンドブラッドもランキング11位につけ、ローソンに迫るパフォーマンスを披露している。

    さらにレッドブル・レーシングでは、アイザック・ハジャーがマックス・フェルスタッペンとともに残留する可能性が高い。そのため、ツォロフが2027年にF1へ昇格するための明確な空席は現状では見えていない。

    ニコラ・ツォロフがビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チームでTPC

    アラン・パーメイン「次の候補と言っていい」
    レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインも、ベルギーGPでツォロフへの高い評価を隠さなかった。

    「彼は信じられないほど良い仕事をしている」

    「シルバーストンで素晴らしい週末を過ごして、今はF2選手権をリードしていると思う。だから『我々のレーダーに入っている』という程度では控えめすぎる。次の候補と言っていいと思う」

    ただし、F1昇格の時期については決まっていない。

    「それがいつになるのかは、正直分からない。現時点で我々がそれを考えていないというのも正しくない。彼はそこで自分の仕事をしていて、我々も自分たちの仕事をしている」

    「今年後半に彼をレーシングブルズに上げるのか、上げるとすればいつなのかについて、いずれ判断することになると思う」

    ツォロフ「チャンスをもらえれば適応できる」
    ツォロフ自身は、2027年に向けた具体的な話はまだ何も伝えられていないとしている。それでもF1マシンに乗る機会を得た場合、すぐに適応できる自信があると語った。

    「自分がやっていることでは、常に自分が一番だと信じたいものだし、今年はそれを証明しようとしている」

    「ここまで自分がやってきたことを考えれば、チャンスをもらえたらうまく適応できると思う。そのチャンスをつかむために最大限努力するつもりだし、全体的に自信はある」

    今回のイモラでの走行は、ツォロフにとってF1昇格への単なる経験以上の意味を持つ。レーシングブルズは近年型F1マシンでの速さだけでなく、タイヤ管理やエンジニアへのフィードバック、長いランでの安定性などを実際のデータから確認できる。

    F2タイトル争いで結果を残してスーパーライセンスの条件を満たし、さらにVCARB02で能力を示すことができれば、ツォロフはレッドブル育成プログラムにおける次のF1昇格候補としてさらに存在感を強めることになる。2027年に空席が生まれるかどうかは別の問題だが、8月27日のイモラテストは、そのチャンスを待つための重要な一歩となる。

  • フェラーリF1技術責任者ロイック・セラ SF-26を「自分のマシン」と呼ばない理由

    フェラーリF1技術責任者ロイック・セラ SF-26を「自分のマシン」と呼ばない理由

    フェラーリのシャシー部門テクニカル・ディレクターを務める54歳のロイック・セラは、2026年F1マシン「SF-26」の競争力に一定の手応えを感じながらも、現状に満足する姿勢を見せていない。

    メルセデスからフェラーリに加入し、シャシーおよび空力部門を率いるセラにとって、SF-26はマラネロで開発の全サイクルに深く関与した最初のマシンとなる。

    それでも本人は「自分のマシン」と表現することを避け、現在の成果は組織全体によるものだと強調した。

    ロイック・セラが重視する「アップデートの相対性」
    2024年、フェラーリF1チーム代表のフレデリック・バスールが人材補強について「トップガイ」の加入を語った際、その中心人物のひとりとみられていたのがロイック・セラだった。

    サスペンションやタイヤ分野を専門としてメルセデスで経験を積んだセラはフェラーリ加入後、エンリコ・カルディレの後任としてシャシー部門テクニカル・ディレクターの役割も担うことになった。

    2026年のSF-26は、パワーユニット側に課題を抱えながらもシャシー面では高い競争力を示している。しかし、セラはAutosprintのインタビューで、現時点でフェラーリの仕事に評価を下すのは早すぎるとの考えを示した。

    「このフェラーリに点数をつけるのか? それはシーズンが終わってからでなければできない。まだシーズンの半分であり、結論を出すには本当に早すぎる」

    「私が満足しているのは、チーム内部のダイナミクスだ。シーズン序盤から見てきたように、各チームは段階的に進歩し、それぞれ異なるタイミングでアップデートを投入している。このプロセスは同期していない」

    F1では、アップデートによる純粋な性能向上が、そのままライバルとの順位差として表れるわけではない。自分たちが速くなっていても、同じタイミングでライバルも同等以上の改善を果たせば、相対的なポジションは変わらないためだ。

    「あるマシンが開発を投入すれば、通常は直接のライバルに対して一歩前進する。したがって、今日前にいるチームでも、他がマシンをアップデートすれば相対的には一歩後退することになる」

    「だからこそ、本当の基準が得られ、自分たちを評価できるのはシーズン終了時だと考えている。F1では明日に集中していない者は、必然的に後れを取ることになる」

    スクーデリア・フェラーリ

    マイアミとバルセロナの大型アップデートは「期待通り」
    フェラーリは2026年シーズン前半、マイアミとバルセロナでSF-26に大規模なアップデートパッケージを投入した。

    セラによれば、いずれもファクトリーで予測していた性能向上を実際のコース上で確認できており、開発そのものは狙い通りに進んでいるという。

    「我々は2つの大きなパッケージを投入した。マイアミとバルセロナだが、どちらも期待していた通りに機能した」

    ただし、セラが重要視するのはアップデート単体の効果ではなく、ライバルとの開発競争の中でどれだけ優位性を生み出せたかという点だ。

    「マシンをアップデートするときには、一定のパフォーマンス向上を期待する。しかし、他のチームも同じことをすれば、外から見たときの効果はゼロになる」

    「パッケージの効果は、常に他のチームが何をしているかとの相対的なものだ」

    その具体例としてセラが挙げたのが、バルセロナとオーストリアでの競争力の違いだった。

    「2回目のアップグレードを投入したとき、おそらく他のチームは同じタイミングでは我々ほど開発を進めていなかった。重要なのは開発がどのように進んでいくかだ」

    「バルセロナでは我々は良かった。しかし、オーストリアでは同じではなかった。その間に他のチームも成長していたからだ」

    つまりSF-26の開発を評価するには、単純にアップデート前後のラップタイムを見るだけでは不十分ということになる。投入時期やライバルの開発サイクルまで含めて評価する必要があるというのがセラの考えだ。

    「SF-26は私のマシンではない」
    SF-26は、セラがフェラーリ加入後に最も多くのエネルギーを注いだF1マシンでもある。

    2026年にはシャシーとパワーユニットの技術規則が大幅に変更され、従来型マシンを発展させるのではなく、基本コンセプトから新たに構築する必要があった。その意味では、セラがこれまでフェラーリで最も深く関与してきたマシンといえる。

    しかし、セラ自身はSF-26を自らの作品として捉えることには明確に距離を置いている。

    「このマシンを私のものだとは考えていない。むしろ、多くの専門家で構成された大きなチームの仕事によって生まれたものだ」

    「もちろん、マラネロに来てから最も多くのエネルギーを注いできたマシンではある。完全に新しいマシンであり、新しいレギュレーション時代の始まりでもあるため、我々は白紙の状態からスタートしなければならなかった」

    SF-26の開発は、前年型のコンセプトを継承しながら改良を積み重ねる通常のシーズンオフの開発とは性質が異なっていた。

    「ある年のコンセプトを翌年に向けて発展させるのとは違う。あらゆる面でゼロから始めたプロジェクトだった」

    「そして、それは今も常に書き換えられている。継続的に開発されているプロジェクトだ」

    フェラーリ復活でもセラは満足せず「常にその先を目指す」
    2026年のフェラーリは、SF-26のシャシー性能を武器にタイトル争いへ加わり、シーズン中も継続的にアップデートを投入している。

    一方でセラの発言からは、現在の競争力そのものよりも、開発速度をシーズンを通して維持できるかを重視していることが読み取れる。

    F1の開発競争では、一度成功したアップデートが長期間にわたってアドバンテージを保証するわけではない。マイアミとバルセロナで得た前進も、ライバルが追随すれば相対的な優位性は失われる。セラが強調するように、重要なのは個々のアップデートではなく、シーズンを通じた開発の進歩そのものだ。

    また、SF-26を「私のマシンではない」とする言葉には、ひとりの技術者の成果としてではなく、フェラーリの多くの部門とスタッフが共同で作り上げたプロジェクトとして評価する姿勢も表れている。

    そして「このフェラーリに満足しているか」と問われたセラは、現在の立場を端的に表現した。

    「完全に満足することは決してない。我々は常にその先を追求し、さらに前へ進んでいかなければならない」

  • アストンマーティンF1 AMR26失敗の原点 ニューウェイ「開発はほぼ未着手だった」

    アストンマーティンF1 AMR26失敗の原点 ニューウェイ「開発はほぼ未着手だった」

    アストンマーティンF1は、2026年シーズン前半に深刻な苦戦を強いられたAMR26について、その開発の出発点から大きな問題を抱えていた。テクニカル・マネージング・パートナーを務めるエイドリアン・ニューウェイは、自身がチームに加入した時点で2026年マシンの作業がほとんど進んでいなかったことを明かしている。

    ハンガリーGPでは大規模アップデートを施したAMR26Bを投入し、ようやく改善の兆しを見せ始めたアストンマーティン。

    しかし、そこに至るまでの約半年間は苦難の連続だった。67歳のニューウェイは、2026年マシンの失敗につながった背景として、新レギュレーションへの準備不足に加え、新風洞への移行に伴う開発開始の遅れがあったと振り返った。

    ニューウェイ加入時には2026年マシンの開発がほとんど進まず
    2026年のF1では、シャシーとパワーユニットの双方で大幅なレギュレーション変更が導入された。各チームは2025年1月1日から、風洞やCFD(数値流体力学)を使用した2026年マシンの本格的な空力開発を開始することが認められていた。

    ニューウェイがアストンマーティンで正式に仕事を始めたのは2025年3月1日。ライバルチームがすでに2カ月にわたって新規則に基づく空力開発を進めていた時期だった。

    だが、ニューウェイがシルバーストンで目にした状況は、期待していたものとは異なっていた。

    「2026年のマシンについては、ほとんど作業が進められていなかった」

    ニューウェイは2025年6月にそう明かしている。

    「もちろん、それまでに行われていた作業にも役立つ部分はあった。ただ、それ以降の方がはるかに大きな進歩を遂げている。これほど広範囲で根本的なレギュレーション変更に取り組むのは大きな挑戦だし、期限というものは思っている以上に早く迫ってくる」

    ニューウェイは、自身の加入が3月だったことだけを出遅れの理由にはしていない。正式なレギュレーションが確定する以前から、各チームには準備を進めるだけの情報があったと考えている。

    「レギュレーションの最終版が出たのは1月1日だった。ただ、それ以前でも、きちんとした仕事を進められるだけのことは十分に分かっていたと思う。実際、多くのチームはそうしていたはずだ」

    「だから、そこから少なくとも4カ月遅れてしまえば、どうしても追いつこうとする立場になる。ただ、それが我々の置かれていた状況だった」

    新風洞を待つために開発開始をさらに2週間延期
    アストンマーティンの出遅れには、もうひとつ大きな要因があった。シルバーストンの新ファクトリーに建設した自前の風洞が、2026年マシンの開発開始時点ではまだ使用できる状態になっていなかったことだ。

    それまでアストンマーティンは、ブラックリーにあるメルセデスの風洞を借りて開発を行っていた。

    そのため、まずブラックリーでAMR26の開発を始め、シルバーストンの新風洞が完成した段階で移行することも可能だった。しかし、チームは別の道を選択した。

    ハンガリーGPでAMR26Bを投入した後、ニューウェイは改めて当時の状況を説明した。

    「現実として、私が加入したときには、すぐに作業を始められるようなモデルが何も準備されていなかった」

    さらにアストンマーティンは、メルセデスの風洞を短期間だけ使用するのではなく、自前の設備が完成するまで待つことを決断した。

    「正しい判断だったのか、間違っていたのかは分からない。ただ、我々は自分たちの風洞が使えるようになるまで、さらに2週間ほど開始を遅らせることにした」

    「ブラックリーでごく短期間だけ作業を始め、その後でもう一度シルバーストンへ移すよりは、その方がいいと判断したということだ」

    この判断には理由があった。

    異なる風洞を短期間で切り替えれば、それぞれの設備から得られるデータの相関を確認する必要がある。2026年のような大規模なレギュレーション変更では、マシンの基本コンセプトを決める重要な時期に、設備間の差を検証するための時間を費やすことになりかねない。

    新しい風洞も完成すれば終わりではなかった
    さらに、新風洞は完成した瞬間から最大限の能力を発揮できるわけではない。

    実際の開発に使用しながらデータの精度や再現性を検証し、CFDや実車との相関を構築する必要がある。ニューウェイによれば、アストンマーティンでも新設備を本格稼働させるまでに相当な作業が必要だった。

    「かなり大掛かりな立ち上げ作業だった。そういう意味では、すべてが最初から少し後手に回った状態で始まった」

    「そうなれば、できることをやるしかない。そして、そのまま前へ進んでいく。それだけだ」

    ニューウェイの言葉からは、当時の状況を誰かの責任として断定するというより、すでに発生していた遅れを現実として受け入れ、その中で可能な限り開発を進めてきたという姿勢がうかがえる。

    しかし結果として、2026年マシンの空力開発そのものが遅れていたうえ、新風洞の完成を待つためにさらに時間を失い、その設備を立ち上げるための作業も必要になった。

    アストンマーティンは、新レギュレーションへの対応でライバルを追いかけるところからAMR26の開発を始めることになった。

    開幕後に露呈したAMR26の問題
    その影響は2026年シーズンが始まると明確になった。

    AMR26は期待された競争力を発揮できず、アストンマーティンはシーズン前半を通じて厳しい戦いを強いられた。新しいホンダ製パワーユニットにも課題があり、車体側だけに原因を求めることはできないものの、シャシーについても基本的な開発方向を修正する必要に迫られた。

    特に大きかったのは、開発期間そのものが不足していたことだ。

    新規則の初年度は、各チームが異なるコンセプトを模索するため、初期段階で選択した方向性がその後の開発余地を大きく左右する。スタートが遅れれば、単純に風洞で試せるパーツの数が減るだけではなく、失敗したコンセプトを検証して修正するための時間も少なくなる。

    ニューウェイが語った「常に追いつこうとする立場」という言葉は、AMR26が置かれていた状況を端的に表している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ハンガリーで投入したAMR26Bが反撃への第一歩
    それでも、アストンマーティンはシーズン中の開発を継続した。

    ハンガリーGPでは16項目に及ぶ変更を盛り込んだAMR26Bを投入。細かなパーツ変更にとどまらず、マシンの基本的な挙動を改善することを狙った大規模なアップデートとなった。

    決勝ではランス・ストロールが13位、フェルナンド・アロンソが14位に終わり、ポイント獲得には届かなかった。それでもアロンソはアップデート後のマシンについて、以前より挙動を予測しやすくなったと評価している。

    チーム側も、AMR26Bによってようやく開発の方向性に手応えを得始めた。

    ニューウェイの説明を踏まえれば、AMR26Bには単なる通常のシーズン中アップデート以上の意味がある。

    開発初期の遅れによって十分に検証できなかったマシンを理解し、問題点を洗い出しながら、本来あるべき開発方向へと戻していく。その成果がようやく形になり始めたのがハンガリーだったと見ることができる。

    2027年はニューウェイが最初から関与するマシンへ
    AMR26の苦戦を、ニューウェイ加入以前の準備不足だけで説明することはできない。

    2026年からワークス体制を組むホンダの新パワーユニットにも複数の課題があり、新しいファクトリーやシミュレーション設備など、アストンマーティンという組織そのものが大きな変革の途上にある。

    それでも、ニューウェイ自身が指摘するように、2026年マシンの開発がライバルより遅れた状態で始まったことは大きなハンディキャップとなった。

    現在は状況が異なる。

    シルバーストンの新風洞は稼働し、ニューウェイも開発体制の中心にいる。2026年シーズンを通じて得られる実戦データも、翌年のマシン開発へ直接生かすことができる。

    何より、加入時に「ほとんど作業が進められていなかった」というAMR26とは違い、2027年マシンではニューウェイが開発の早い段階から深く関与できる。

    AMR26Bで見え始めた改善がシーズン後半にどこまで進むのか。そして、開発初期からニューウェイの思想を反映できる2027年マシンがどこまで競争力を高めるのか。

    AMR26で露呈した出遅れを繰り返さないことが、アストンマーティンにとって最初の条件となる。2026年の苦戦を経て開発環境がようやく整った今、2027年こそニューウェイ加入の真価が問われるシーズンとなる。

  • FIAがADUO制度の「弱点」認める 2026年F1パワーユニット開発救済策を見直しへ

    FIAがADUO制度の「弱点」認める 2026年F1パワーユニット開発救済策を見直しへ

    FIAは、2026年F1シーズンから導入されたパワーユニット(PU)の追加開発制度「ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)」について、制度そのものに「弱点」が存在することを認め、今後に向けて改善を進める方針を示した。

    ADUOは、内燃エンジン(ICE)の性能が基準となるメーカーから2%以上遅れていると評価されたPUメーカーに、追加の開発・アップグレード機会を与える仕組みだ。

    メーカー間の性能差が固定化することを防ぐ目的で導入されたが、初年度から評価対象や測定方法を巡って議論が続いている。

    ICEだけを評価するADUOに浮上した問題
    ADUOの基本的な考え方は、2026年の新PU規則でメーカー間に大きな性能差が生じた場合、その差を縮める機会を与えることにある。

    一定期間ごとに各メーカーのICE性能を評価し、基準から2%以上遅れているメーカーには追加の開発機会が認められる。

    一方で、大きな論点となっているのが、評価対象がICEに限定されていることだ。

    2026年型PUでは電動側が総合的なパフォーマンスに大きな割合を占める。それにもかかわらず、ADUOの判定ではエネルギー回生システムを含む電動側の性能が直接的な評価対象とはなっていない。

    そのため、PU全体では競争力が高いメーカーでもICE単体の数値によって追加開発機会を得られる可能性があり、逆に総合性能を正確に反映できていないとの指摘が出ている。

    さらにライバルメーカーの間では、追加開発枠を獲得するため、シーズン序盤に本来の性能を意図的に低く見せることが可能なのではないかとの疑念も浮上している。

    ニコラス・トンバジス(FIA 国際自動車連盟)

    FIA「測定精度には自信がある」
    FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスは、F1において全チームとPUメーカーの合意を得ること自体が極めて難しいと語った。

    「F1では、ほとんどすべてのことが非常にデリケートな問題になるようだ。11チームと5社、あるいは6社のPUメーカーが『素晴らしい、全員一致だ』と言うことなんて、ほとんどない」

    そして、F1で数少ない“全員が同意するもの”として夏季休暇を挙げた。

    「全員が同意していると思える唯一のものは、8月のシャットダウンが良い制度だということくらいだ。それについては、僕のアイデアだったということを思い出してもらいたい」

    「でも、全員が同意しているのはそれくらいだと思う。それ以外はすべて難しい。しかも、それですら全員が同意するまでには時間がかかった。フランツ・トストがまだアルファタウリの代表だったころは、彼は反対していたからね」

    FIAによる最初の評価では、レッドブル・パワートレインズがICE性能の基準となった。この結果はパドックでも驚きをもって受け止められ、レッドブル側も事実関係の確認を求めた。

    しかし、トンバジスはFIAが使用している測定データそのものについては高い精度が確保されているとの考えを示す。

    「誰もが非常に競争的で、他との相対的な位置に集中しているから、すべてが非常にデリケートになる。だから、かなり難しい作業だった」

    「ただ、僕の考えでは、我々の測定は非常に正確であることが証明されている」

    制度は設計通りに機能も「すべて順調ではない」
    一方で、トンバジスは測定精度への自信と、ADUOという制度全体の完成度は別の問題だと認めている。

    「そうは言っても、すべてがうまくいっているのか? いや、そうではない。明らかに不満を持っている人たちがいるからね」

    「将来に向けて改善を考える必要があるのか? それはイエスだと思う」

    ADUOを巡っては、追加開発機会を与えられたメーカーが、その権利をすぐには使用せず、意図的に性能差を残すことも理論上は可能だとの指摘がある。

    例えば、現在の基準となっているレッドブル・パワートレインズを上回らない状態を維持すれば、基準側のメーカーには追加開発機会が与えられず、追う側だけが継続的に開発枠を確保できるという考え方だ。

    だが、トンバジスは、そのような戦略に実質的なメリットはないと考えている。

    「追加の機会を得続けるためだけに、常に自分たちの最大出力を下回って走ることが得策だとは思わない」

    「結局トップに立つために使わないのであれば、そもそも追加の機会を得ることに何の意味があるのか、という話になるからね」

    FIAが認めたADUOの「弱点」
    それでもFIAは、2026年に実際の運用を開始したことで、制度に改善すべき部分が見えてきたことを認めている。

    「このシステムは設計された通りに機能していると思う。ただ、将来に向けて対処しなければならない弱点がいくつかあるとも思っている」

    「また、より時間がかからず、より論争を招かないものにするためにも、将来的に改善するための措置を講じる必要がある」

    これは、FIAがADUOそのものを失敗と判断したことを意味するものではない。

    性能で後れを取ったPUメーカーに追加開発の機会を与え、長期的な性能格差の固定化を防ぐという基本理念については維持する姿勢だ。その一方で、ICEだけを基準とする評価方法、追加開発機会の運用、測定に伴う作業量、そしてメーカー間に生じる疑念や論争については改善の余地があると認識している。

    2026年に初めて実戦運用されたADUOは、F1のPUメーカー間の競争を維持するためのセーフティネットとして導入された。しかし、その救済制度自体が競争上の駆け引きの対象になり得ることも初年度から浮き彫りになった。FIAは制度の基本思想を残しながら、より公平で透明性が高く、論争を生みにくい仕組みへと修正していくことになる。

  • レオナルド・フォルナローリ F1シート獲得へマクラーレンで積む開発経験

    レオナルド・フォルナローリ F1シート獲得へマクラーレンで積む開発経験

    マクラーレンの育成ドライバーを務めるレオナルド・フォルナローリが、F1シート獲得を目指すなかで取り組んでいるドライバー育成プログラムの内容を明かした。

    2025年のFIA F2選手権王者であるフォルナローリは、タイトル獲得後にマクラーレンのドライバー育成プログラムへ加入。2026年にはF1チームの公式リザーブドライバーに就任し、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリを擁するチームの一員として経験を積んでいる。

    F2王者からマクラーレンF1のリザーブへ
    21歳のフォルナローリは、今季マクラーレンとともに世界各地のグランプリを転戦しながら、FP1やTPC(旧型車テスト)に参加してきた。

    FP1ではバルセロナとハンガリーでマシンをドライブ。限られた走行時間のなかでチームのプログラムを遂行し、F1マシンへの適応を進めている。

    一方、実車を走らせていない時間にも重要な役割を担っている。マクラーレンのシミュレーターでTPCやFP1に向けた準備を行うほか、F1のレース週末には金曜日のサポート作業にも加わっている。

    フォルナローリは、こうした一連の仕事が自身のドライバーとしての成長につながっていると説明した。

    「いろいろなことをやっている。すべてのTPCとFP1に向けて準備するために、たくさんのシミュレーターセッションを行ったし、F1の週末には金曜日のサポート作業もやった。それは自分の成長にとても役立っていると感じている」

    TPCとFP1でF1に必要な仕事を学ぶ
    マクラーレンがフォルナローリに与えているのは、単純にF1マシンを走らせる機会だけではない。

    TPCでは走行を重ねるごとに改善を積み上げ、FP1では限られた時間のなかでチームが必要とするデータを収集する。若手ドライバーにとっては速さを示すことだけでなく、エンジニアの要求を理解し、正確なフィードバックを返す能力を磨く場でもある。

    「もちろん、これまでに行ったTPCもある。セッションを重ねるたびに、いいステップを踏むことができた。そしてバルセロナで初めてFP1を走った。本当にいい経験だった」

    「プッシュできる周回はそれほど多くなかったけど、目的はチームを助けることだった。空力について有益なデータを提供することが自分の仕事だった」

    F1のフリー走行では、若手ドライバーが自由にタイムアタックできるとは限らない。特にレギュラードライバーからマシンを借りて走るFP1では、空力計測やセットアップ確認など、チームが設定したプログラムを正確にこなすことが優先される。

    フォルナローリにとって、こうした経験はF1で求められる仕事の進め方を実際のグランプリ週末で学ぶ機会となっている。

    シミュレーターでもマクラーレンの開発を支援
    フォルナローリの育成において重要な位置を占めているのがシミュレーター作業だ。

    F1チームでは、グランプリに向けたセットアップの検証や開発パーツの評価などでシミュレーターが重要な役割を担う。リザーブドライバーにとっても単なる練習ではなく、実際のマシン開発やレース週末の準備に関わる仕事となる。

    フォルナローリはTPCやFP1の前にもシミュレーターで準備を重ねており、実車とシミュレーターの両方を通じてマクラーレンの仕事の進め方を学んでいる。

    「マクラーレン、そしてドライバー育成プログラムで働いている全員のサポートに本当に感謝している」

    「チームのみんなはとてもプロフェッショナルだし、自分たちの仕事を愛している。そして、僕がこのプロセスやすべての仕事を楽しめるようにしてくれている」

    次の課題はF1のレースシート獲得
    F2王者という実績を持つフォルナローリだが、F1への道が確定しているわけではない。

    マクラーレンではノリスとピアストリがレギュラーを務めており、フォルナローリ自身はF1でレースを戦うためのシートを探し続けている。

    それでも、シミュレーター、TPC、FP1という異なる環境で経験を重ねられる現在の立場は、F1昇格に向けた重要な準備期間となっている。

    F2王者として速さを証明した次に求められるのは、F1チームの開発作業を理解し、限られた走行機会でも要求された仕事を確実に遂行できることだ。フォルナローリはマクラーレンの育成プログラムを通じてその能力を磨きながら、次のステップとなるF1のレースシート獲得を目指している。

  • F1×ディズニー提携延長 ライトニング・マックィーンがイタリアGP登場へ

    F1×ディズニー提携延長 ライトニング・マックィーンがイタリアGP登場へ

    F1とディズニーは、両社によるグローバルパートナーシップを2028年まで延長すると発表した。新たにディズニー&ピクサーの人気アニメーション映画『カーズ』がコラボレーションに加わり、主人公のライトニング・マックィーンがF1イタリアGPに登場する。

    F1とディズニーは2025年に「Fuel the Magic」と題したコラボレーションを開始。ディズニーのキャラクターやストーリーテリングを活用し、従来とは異なる層にもF1を届ける取り組みを進めてきた。

    今回の契約延長では、当初の提携期間に1年を追加するとともに、モータースポーツを題材とする『カーズ』との連携によって、両ブランドの結びつきをさらに強める。

    ライトニング・マックィーンがF1イタリアGPのモンツァに登場
    今回の発表で最大の注目となるのが、『カーズ』の主人公ライトニング・マックィーンのF1グランプリ初登場だ。

    舞台となるのはイタリアGPが開催されるモンツァ。現時点でライトニング・マックィーンがどのような形でグランプリに登場するのか、具体的な演出内容までは明らかにされていない。

    一方、公開されているコラボレーショングッズでは、ライトニング・マックィーンのルーフにセーフティカーを思わせるライトが装着されたデザインも確認されており、F1ならではの演出が用意される可能性もありそうだ。

    F1は今回の取り組みについて次のように説明している。

    「20年にわたり、『カーズ』は映画、商品、ディズニーパークのアトラクションを通じてファンを魅了してきました」

    「そして今回、ピストン・カップ王者のライトニング・マックィーンが、アニバーサリーを祝うまったく新しい姿でモンツァに登場します」

    「モータースポーツ界で最も格式あるレースウイークのひとつを舞台にした今回の登場は、『カーズ』とF1双方のファンにとって画期的なクロスオーバーの瞬間となります」

    F1と『カーズ』の新コレクションも展開
    今回の提携拡大に合わせ、F1とディズニー&ピクサー『カーズ』による新たな商品コレクションも展開される。

    ラインナップにはアパレルのほか、ダイキャストモデルなどが含まれる予定で、ライトニング・マックィーンを中心にF1と『カーズ』の世界観を融合した商品が用意される。

    これまでF1とディズニーによるアクティベーションは、ラスベガス、中国、カナダ、イギリスなどで実施されてきた。今回イタリアが新たに加わり、提携期間も2028年まで延長されることになった。

    『カーズ』は2006年に第1作が公開され、レーシングカーのライトニング・マックィーンを主人公として世界的な人気を獲得したシリーズだ。レースそのものを物語の中心に据えている点で、ディズニーが持つ数多くの作品の中でもF1との親和性が高い。

    F1 ディズニー

    F1のCCO「『カーズ』は多くのファンにとってレースとの最初の出会い」
    F1のチーフ・コマーシャル・オフィサー(CCO)を務めるエミリー・プレイザーは、ディズニーとの提携延長について、これまでの取り組みが大きな成果を挙げてきたと説明した。

    「ディズニーとのパートナーシップの成功は、世界中で愛されている2つのブランドが、創造性、ストーリーテリング、ファンエンゲージメントという共通のビジョンのもとに集まったとき、何が可能になるのかを示してきました」

    「今回の関係延長は、このコラボレーションの強さと、世界中のファンに新たな体験を提供し続けたいという私たちの意欲を反映したものです」

    また、今回の商品展開についても、F1と『カーズ』だからこそ成立する自然な組み合わせだと強調した。

    「この商品コレクションは自然な次のステップです。F1の興奮とディズニー&ピクサーの『カーズ』を、本物らしさと懐かしさの両方を感じられる形で融合しています」

    「多くのファンにとって、『カーズ』はレースの興奮を知る最初のきっかけでした。世代を超えて親しまれてきたキャラクターを通じて、モータースポーツの変わらぬ魅力を祝う楽しいコラボレーションになると思います」

    F1は近年、レースそのものだけでなく、映画やファッション、エンターテインメントとの連携を通じて新たなファン層の獲得を進めている。世界的に高い知名度を持ち、モータースポーツをテーマとしてきた『カーズ』との本格的な融合は、その戦略を象徴する取り組みのひとつとなる。

    ライトニング・マックィーンがモンツァで具体的にどのような役割を担うのかはまだ明かされていないが、F1とディズニーの提携が2028年まで拡大されたことで、今後もグランプリを舞台にした新たな企画が展開されることになりそうだ。

  • リアム・ローソン レッドブル離脱も選択肢「F1で勝てる場所を目指す」

    リアム・ローソン レッドブル離脱も選択肢「F1で勝てる場所を目指す」

    リアム・ローソンは、将来的にレッドブルのファミリーを離れる可能性を否定せず、現在の目標は特定のチームで走ることではなく「F1でトップを争い、勝つこと」だと語った。

    かつてはレッドブル・レーシングへの昇格を明確な目標としていたローソンだが、2025年にわずか2戦でレーシングブルズへ降格。その経験を経て考え方は変化した。2026年はレーシングブルズで安定した成績を残しており、自身の将来についてもレッドブルにこだわらない姿勢を示している。

    レッドブル昇格だけが目標ではなくなったローソン
    ローソンは2025年シーズン開幕時、姉妹チームでわずか11戦のF1経験しかない状態でレッドブル・レーシングに昇格した。しかし、チームは2戦を終えた段階でその判断を見直し、ローソンをレーシングブルズへ降格させた。

    現在、ローソンが再びレッドブル・レーシングのシートを得る可能性は高くないとみられている。一方で、レッドブルの育成プログラムではニコラ・ツォロフら若手が台頭しており、レーシングブルズのシートを巡る競争も今後激しくなる可能性がある。

    PlanetF1のインタビューで、ローソンはレッドブル以外のチームへ移籍する可能性について問われ、F1で勝利を争える環境に近づけるのであれば選択肢になり得るとの考えを示した。

    「以前の僕の目標は、もちろんすごく具体的だったと思う。レッドブルに入って、トップチームまで上がることだった」

    「F1に来たときも、もっと若かった頃も、頭の中にあったのは本当にそれだったし、それを目標にしていた」

    しかし、現在は特定のチームへのこだわりは薄れている。

    「でも今は、特定のチームというわけではない。ほかのみんなと同じように、僕もF1でトップに立って勝つことを目指している。それがどこになるのかは、まったく分からない」

    ローソンの言葉からは、「レッドブル・レーシングへの昇格」という従来の一本道ではなく、自身が勝てる環境を基準にキャリアを考える姿勢への変化がうかがえる。

    ウィリアムズやアウディも過去にローソンへ関心
    レッドブルを離れてキャリアを築いたドライバーは少なくない。アレックス・アルボンやカルロス・サインツJr.、ピエール・ガスリーも、レッドブルとの関係を離れた後に別のチームでF1キャリアを継続している。

    ローソン自身にも、過去に他チームから関心が寄せられていた。

    ウィリアムズのチーム代表ジェイムス・ボウルズは、2024年シーズン途中にローガン・サージェントの後任を探していた際、当時レッドブルのリザーブドライバーだったローソンに関心を示していた。

    また、元レッドブルのジョナサン・ウィートリーもアウディ在籍時にローソンの獲得に関心を持っていたとされる。ただし、ウィートリーがアウディを離れたことで、その可能性を取り巻く状況は変化している。

    ローソンにとって重要なのは、単にレッドブルを離れることではない。現在のレーシングブルズよりも競争力があり、将来的に優勝を狙える環境へ進めるかどうかが判断基準になる。

    リアム・ローソン

    2026年は43ポイント 中団勢をリード
    2025年の激動とは対照的に、2026年のローソンはレーシングブルズで安定したシーズンを送っている。

    第11戦を終えた時点で43ポイントを獲得し、中団勢のドライバーではトップ。F1キャリアでそれまでに獲得していたポイント数に迫る数字を、今季前半だけで積み上げた。

    ローソンは、こうしたパフォーマンスについて、2025年のレッドブルでの経験から立ち直った結果だという見方には同意していない。

    「それをどう見るかは、たぶんみなさんが決めることだと思う。僕にとっては、今はもう考えていることではないからね」

    「僕にとって、それは本当に何か特別なものではない。今シーズンは、僕たちは本当にすごくいい仕事をしていると思う。僕自身としては、昨年の『亡霊』みたいなものがあったとは思っていない」

    2025年が厳しいシーズンだったこと自体は認めている。しかし、ローソンはその経験を失敗として引きずるのではなく、自身を成長させたものとして捉えている。

    「厳しいシーズンだった。でも、そこから本当に多くのことを学んだし、正直に言えば、ドライバーとしても人間としてもずっと強くなって戻ってこられた」

    「毎週、その経験をすべて生かそうとしている。今はクルマに乗って、いいシーズンを送ることだけを考えているし、実際にそれができている。ほかの人がどう見るかは、その人たち次第だ」

    「今は一貫性を続けることに集中している」
    レッドブル・レーシングへの昇格と、わずか2戦での降格は、ローソンのF1キャリアを語るうえで避けて通れない出来事となった。

    それでも本人にとって、それは現在のパフォーマンスを左右する「亡霊」ではないという。

    「結局のところ、もちろん人々は好きなように見ることができる。でも今は物事が本当に、本当にうまくいっている。僕たちが集中しているのは、それを続けることだ。この一貫性を維持していきたい」

    2026年のローソンは、レーシングブルズで結果を積み重ねることで、自らの市場価値を再び高めている。かつて目標だったレッドブル・レーシングへの昇格だけに将来を託す必要もなくなりつつある。

    レッドブルに残るのか、それとも新たなチームへ向かうのか。ローソンが示した基準は明確だ。チームの名前ではなく、F1でトップを争い、勝利を狙える場所であること。それが今のローソンにとって最も重要なキャリアの目標となっている。