2026年F1第12戦オランダGPのスプリント予選が8月21日(金)、ザントフォールト・サーキットで行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がスプリントポールを獲得した。
ラッセルはSQ3で1分11秒567を記録し、ランド・ノリス(マクラーレン)をわずか0.041秒差で退けた。3番手にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、4番手にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続き、トップ4が0.099秒以内に収まる接戦となった。
選手権リーダーのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は5番手、母国レースのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は6番手だった。
アイザック・ハジャーの負傷によるドライバー変更も注目を集めた。レッドブルに復帰したリアム・ローソンは11番手、レーシングブルズからF1復帰を果たした角田裕毅は12番手。両者はわずか0.009秒差で並び、ともにSQ3進出を逃した。角田裕毅にとっては、2026年型レーシングブルズで実走できたのはこの日のFP1のみ。ほぼぶっつけに近い状況で臨んだスプリント予選でSQ1を突破した。
■ SQ1:ルクレール最速 角田裕毅13番手で突破 アロンソ最下位
スプリント予選はドライコンディションでスタート。ザントフォールトの路面温度は34度まで上昇していた。スプリント予選ではSQ1とSQ2でミディアム、SQ3でソフトタイヤの使用が義務付けられている。
12分間のSQ1ではアントネッリが先頭でコースインし、チームメイトのラッセル、セルジオ・ペレス(キャデラック)が続いた。全長の短いザントフォールトに22台が集中するため、トラフィックも重要な要素となった。
最初に基準タイムを作ったラッセルは1分13秒829をマーク。一方、FP1で最速だったアントネッリはターン13への進入でリアを失い、そのままグラベルへ飛び出した。最初のアタックを失っただけでなく、マシンのフロアにもダメージを負うことになった。
その後、フェラーリ勢がペースを上げ、ルイス・ハミルトンがトップ、ルクレールが2番手へ浮上。ローソンも4番手につける好スタートを切った。
アントネッリはマシンに大きな問題がないことを確認して再びコースへ。終盤にタイムをまとめて危機を脱した。アントネッリは最終的に1分13秒668の8番手でSQ2進出を決めた。
残り時間が少なくなるにつれて路面コンディションも改善し、ノリスが一時トップに立ったが、最後はルクレールが1分13秒011を記録してSQ1最速。ノリスが0.060秒差の2番手、ピアストリが3番手、ハミルトンが4番手に続いた。
ローソンは1分13秒420で6番手に入り、1分13秒585のフェルスタッペンを上回る走りを披露。F1 TVのジョリオン・パーマーも「角田にも感心しているが、それ以上にローソンには本当に感心している。彼は6番手でフェルスタッペンより前だ」と評価した。
角田裕毅は1分14秒490の13番手でSQ2進出。チームメイトのアービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)も11番手で通過し、レーシングブルズは2台をSQ2へ送り込んだ。
下位ではセッション終盤まで激しいノックアウト争いが続いた。オリバー・ベアマン(ハース)は最後のアタックでタイムを更新したものの17番手にとどまった。
カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は18番手。サインツJr.はFP1でフロアにダメージを負っており、スプリント予選でも最適なラップをまとめられず、SQ1で姿を消した。ランス・ストロール(アストンマーティン)は19番手だった。
キャデラック勢も苦戦し、バルテリ・ボッタスが20番手、ペレスが21番手でSQ1敗退となった。
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)はアタック中にロックアップしてグラベルへ飛び出し、タイヤをフラットスポットさせた。これによって最後のタイム更新が難しくなり、1分16秒014の22番手。最下位でSQ1敗退となった。
その後、アロンソ車ではストレートラインモードが正常に作動していなかったとの情報も伝えられた。リアウイングが想定通りにフラットにならない状態でブレーキングに入ったことが、ロックアップにつながった可能性がある。
最終的にベアマン、サインツJr.、ストロール、ボッタス、ペレス、アロンソの6人がSQ1で敗退。新しいホンダ製パワーユニットを投入したアストンマーティンは2台とも最初の関門を突破できなかった。

■ SQ2:ピアストリ最速 角田裕毅12番手で敗退
10分間のSQ2もミディアムタイヤで行われた。ヒュルケンベルグを先頭にオコン、アルボン、ノリスらがコースへ向かい、16台での争いがスタートした。
序盤はオコンが基準タイムを記録。路面温度は徐々に低下しており、ドライバーたちは変化するコンディションへの対応も求められた。ノリスはタイヤを仕上げるため、ダブルウォームアップを選択した。
マクラーレン勢がアタックに入ると勢力図が変化。ピアストリが1分12秒026を叩き出してトップに立った。
ノリスはアタックでミスがありながら1分12秒189で2番手。ルクレールはピアストリに0.164秒届かず、ノリスとはわずか0.001秒差の1分12秒190で3番手につけた。ラッセルが4番手、ハミルトンが5番手、アントネッリが6番手となった。
フェルスタッペンは1分12秒771で8番手。SQ1ではローソンの後ろだったが、SQ2ではレッドブル勢最上位に戻った。
一方、終盤までボルトレト、リンドブラッド、角田裕毅、ガスリーの4人が代表タイムを持たない状況となり、最後のアタックでSQ3進出争いが一気に動くことになった。ヒュルケンベルグとアルボンも敗退圏に位置し、オコンが10番手のボーダー上にいた。
チェッカーフラッグが振られるなか、ガスリーが最後の一発で1分12秒720を記録して7番手へジャンプアップ。リンドブラッドも1分12秒785で9番手、ボルトレトも1分12秒786で10番手に入り、SQ3進出を決めた。
その一方でローソンは1分13秒136の11番手。角田裕毅は1分13秒145で12番手となり、ローソンにわずか0.009秒届かなかった。コラピントは13番手、ヒュルケンベルグは14番手、オコンは15番手、アルボンは16番手で敗退した。
ローソンはSQ1で6番手と好スタートを切ったものの、SQ2では周囲と同じだけのタイムアップを果たせず、SQ3進出を逃した。一方、角田裕毅もF1復帰戦でSQ1を突破したが、最後のアタックでトップ10には届かなかった。
角田裕毅とローソンは、ともに急きょ異なるマシンをドライブすることになった週末だった。なかでも角田裕毅はシミュレーターで準備していたとはいえ、2026年型レーシングブルズを実際に走らせる機会はこの日のFP1だけ。わずか1セッションでマシンへの理解を深め、そのままほぼぶっつけに近い状態でスプリント予選に臨んだ。その状況でSQ1を13番手で突破し、SQ2でもローソンから0.009秒差の12番手まで進んだ。
■ SQ3:ラッセルが0.041秒差でスプリントポール
SQ3ではタイヤがミディアムからソフトへ変更された。8分間という短いセッションだったが、開始直後は誰もコースへ向かわず、各チームは最後の一発に向けてタイミングを計った。
残り4分を切ったところでノリスが最初に動き、アントネッリ、ラッセル、ルクレール、ピアストリ、ハミルトンが続いた。さらにリンドブラッドとフェルスタッペンがコースイン。ガスリーとボルトレトはさらに遅いタイミングまでピットにとどまった。
ノリスらはソフトタイヤでもウォームアップを重視し、2周を使ってタイヤを準備。残り時間が1分ほどになったところで本格的なアタックが始まった。
アントネッリはセクター1でノリスを約0.2秒上回る速さを見せた。一方、ラッセルもチームメイトを上回るペースでセクター1を通過した。
しかし、アントネッリは高速区間を含むセクター2でノリスに対して約0.5秒を失った。ノリスが1分11秒608を記録してトップに立ち、アントネッリは約0.2秒届かなかった。
その直後、ラッセルが1分11秒567を叩き出し、ノリスを0.041秒上回ってトップへ。ルクレール、ハミルトン、フェルスタッペンも続けてフィニッシュしたが、誰もラッセルを逆転できなかった。
ラッセルがスプリントポールを獲得し、ノリスがわずか0.041秒差の2番手。ルクレールはラッセルから0.055秒差の3番手、ピアストリも0.099秒差の4番手に入り、メルセデス、マクラーレン、フェラーリの3チームがトップ4を分け合った。
アントネッリは0.227秒差の5番手。フェルスタッペンは0.527秒差の6番手、ハミルトンは0.624秒差の7番手となった。ハミルトンはFP1からSQ1にかけて速さを見せていたものの、最後のSQ3ではアタックをまとめ切れなかった。
中団勢ではガスリーが8番手、ボルトレトが9番手。ザントフォールト初走行のリンドブラッドはSQ3まで進出し、10番グリッドを獲得した。
ラッセルにとっては今季3回目のスプリントポール。シーズン前半戦では苦戦も経験したが、サマーブレイク明け最初の週末で重要な結果を手にした。
スプリントポールを獲得したラッセルは、メルセデス、マクラーレン、フェラーリによる僅差の争いを制したことに満足感を示した。
「休み明けに大好きなサーキットへ戻ってこられてうれしい。ラップは本当にいい感触だったし、すべてが本当にうまくまとまった。マクラーレンも速そうだったし、フェラーリも速そうだったから、重要な場面で決められてよかった」
ラッセルはドライバーズ選手権で首位アントネッリを59ポイント差で追っている。今回のスプリントでは5番手のアントネッリとの間にノリス、ルクレール、ピアストリの3台が入るため、タイトル争いの観点でもラッセルにとって大きなチャンスとなる。
Yuki back on the opening titles, and with perfectly coiffed hair! #F1 #DutchGP @visacashapprb pic.twitter.com/SQFhtZdhos
— Formula 1 (@F1) August 21, 2026
■ 角田裕毅とローソンは0.009秒差 チームメイトとの差もほぼ同じ
今回のスプリント予選で興味深い結果となったのが、急きょ異なるマシンをドライブすることになった角田裕毅とローソンの比較だ。
角田裕毅のSQ2タイムは1分13秒145。同じレーシングブルズのリンドブラッドが記録した1分12秒785から0.360秒差だった。また、SQ3進出ラインとなった10番手ボルトレトの1分12秒786には0.359秒届かなかった。
ローソンのSQ2タイムは1分13秒136で、フェルスタッペンの1分12秒771に対して0.365秒差。SQ3進出ラインのボルトレトには0.350秒届かなかった。
つまり、ローソンと角田裕毅は直接比較ではわずか0.009秒差。そして、それぞれのチームメイトとの差もローソンが0.365秒、角田裕毅が0.360秒とわずか0.005秒しか違わなかった。
ローソンはSQ1ではフェルスタッペンを上回る6番手につけたが、SQ2では周囲ほどタイムを伸ばせず11番手。角田裕毅はSQ1を13番手で突破し、SQ2ではローソンに0.009秒まで迫ったものの12番手で敗退した。
角田裕毅は2026年型レーシングブルズでの実走がFP1の1セッションだけという限られた準備時間でスプリント予選に臨んだ。その条件下で12番手まで進み、チームメイトのリンドブラッドとの差は0.360秒、SQ3進出ラインまでは0.359秒だった。
一方、リンドブラッドはSQ2を9番手で突破してSQ3へ進み、最終的に10番手。フェルスタッペンは6番手を獲得しており、スプリントではフェルスタッペンとローソン、リンドブラッドと角田裕毅、それぞれのレースペースにも注目が集まる。
■ F1オランダGP スプリント予選結果
1番手:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2番手:ランド・ノリス(マクラーレン)
3番手:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
4番手:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
5番手:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
6番手:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
7番手:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
8番手:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
9番手:ガブリエル・ボルトレト(アウディ)
10番手:アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
11番手:リアム・ローソン(レッドブル)
12番手:角田裕毅(レーシングブルズ)
13番手:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
14番手:ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
15番手:エステバン・オコン(ハース)
16番手:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
17番手:オリバー・ベアマン(ハース)
18番手:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
19番手:ランス・ストロール(アストンマーティン)
20番手:バルテリ・ボッタス(キャデラック)
21番手:セルジオ・ペレス(キャデラック)
22番手:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
