カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • マックス・フェルスタッペン 100台抜きカート制覇「今年初勝利だからもらっておく」

    マックス・フェルスタッペン 100台抜きカート制覇「今年初勝利だからもらっておく」

    マックス・フェルスタッペンが、シルバーストンで開催された前代未聞のカートレース「Max vs 100」に挑み、101番手からわずか14周で100台を抜いて優勝した。

    レッドブルが企画したこのイベントで、4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンは、設定されたレース距離の半分にも達しない約35分で全車を攻略。2026年の自身初勝利を飾り、「これが今年初勝利だから、もらっておくよ」と笑顔を見せた。

    101番手スタートから1周で37番手へ
    フェルスタッペンは101番手、つまり最後尾からレースをスタートした。しかし、オープニングラップから驚異的な追い上げを披露する。

    混乱した1周目には約30台が巻き込まれるアクシデントが発生し、フルコースイエローが導入された。フェルスタッペンは混乱を避けるために芝生へ逃げる場面もあったが、うまく外側のラインを選び、1周だけで64台をかわして37番手まで浮上した。

    「最初の1周はかなりすごかったね。いろいろなことが起きて、何台かのカートが動けなくなっていた。僕は外側に行けたから、そこで詰まらずに済んだ」

    「それで最初の1周だけで60人くらい抜けた。それはトップまで追い上げるうえでかなり助けになったね」

    その後もフェルスタッペンのペースは圧倒的だった。ライバルたちより1周あたり3秒以上速いラップを刻み、わずか6周でトップ10に進出した。

    今回の参加者はコンテンツクリエイターやレッドブル・アスリート、ファン、ジャーナリストなどで構成されていたが、F1王者のスピードを止めることはできなかった。

    縁石で跳ねてGoProを紛失
    順調に順位を上げるフェルスタッペンだったが、危ない場面もあった。縁石に激しく乗り上げてカートが跳ね上がり、その際にマシンに装着されていたパーツの一部を失った。

    ライブマイクを装着していたフェルスタッペンは、その直後にこう語った。

    「GoProをなくしたと思う」

    それでも走行には大きな影響はなく、そのまま追撃を続けた。

    フェルスタッペンの追い上げがあまりにも速かったため、レースディレクターはトップ4に追加の「Chucky Lap」を許可した。これはマクラーレンCEOのザク・ブラウンが過去にフェルスタッペンについて発したコメントにちなんだもので、このラップではコースをショートカットすることが認められた。

    フェルスタッペン自身も15周目以降に「Chucky Lap」を使える予定だったが、その特典を必要とすることはなかった。


    14周で100台抜き達成
    最後まで残ったのは、レッドブル・パワートレインズのテクニシャン、ルイス・オスラーとオランダ人F1ジャーナリストのジャッキー・マルテンスだった。

    フェルスタッペンは最後のライバルに大胆なダイブボムを仕掛けてトップに浮上。101番手から100台を抜き、わずか14周でチェッカーフラッグを受けた。

    「いやあ、本当に素晴らしかったね!」

    チェッカー後、フェルスタッペンは無線でそう喜び、続けて今回の勝利を自身のキャリアの中でも特別なものとして表現した。

    「これは僕のベストな勝利だったと思う!」

    表彰式を前にしたレース後インタビューでは、2026年のF1ではまだ勝利を挙げていないことを引き合いに出してジョークを飛ばした。

    「これが今年初勝利だから、もらっておくよ」

    マックス・フェルスタッペン

    体重移動も駆使したフェルスタッペン
    フェルスタッペンはレース中、低速コーナーからの立ち上がりで身体を上下させ、カートの加速を助けるテクニックも使っていた。

    「ときどき、すごく低速なコーナーの出口で少し身体を跳ねさせるんだ。そうすると加速を少し助けられる。特にスタートではかなり大きな違いになる」

    F1で4度のワールドチャンピオンに輝いたフェルスタッペンに対し、100人のライバルが立ちはだかった「Max vs 100」。最後尾スタートというハンデに加え、特別ルールも用意された異色のレースだったが、フェルスタッペンは14周、約35分で100台抜きを完遂し、圧倒的な速さで企画を締めくくった。

  • アイザック・ハジャー レッドブルF1は復帰を急がず「もう何も証明する必要はない」

    アイザック・ハジャー レッドブルF1は復帰を急がず「もう何も証明する必要はない」

    レッドブル・レーシングは、左手首の負傷でF1を3戦連続欠場しているアイザック・ハジャーについて、復帰を急がせる考えがないことを改めて強調した。ローラン・メキース代表は「アイザックはもう我々に何も証明する必要はない」と語り、完全に回復するまで必要なだけ待つ姿勢を示した。

    ハジャーは次戦F1アゼルバイジャンGPでの復帰を目指しているが、出場できるかどうかはまだ決まっていない。

    レッドブルはバクー直前にシミュレーターで実際の走行に近い負荷をかけ、100%に近い状態まで回復していることを確認した場合にのみ復帰させる方針だ。

    「必要なだけ待つ」レッドブル
    ハジャーは夏休み中のトレーニングで左手首を負傷。その後、ザントフォールト、モンツァ、マドリンクで行われたF1スペインGPを欠場し、すでに3戦連続でレースから離れている。

    当初はより早い段階での復帰も視野に入っていたが、レッドブルは一貫して完全回復を最優先してきた。

    メキースは、1戦でも早くハジャーをマシンに戻すことより、長期的に100%の状態を取り戻すことの方が重要だと説明する。

    「早すぎる復帰によって、彼が長期的に100%の状態へ戻れる可能性を損なうことは避けたい」

    そして、ハジャーには復帰を急いで自身の実力を示す必要もないと強調した。

    「アイザックはもう我々に何も証明する必要はない。必要なだけ待つつもりだ」

    ハジャーは負傷前からレッドブルでパフォーマンスを示しており、チームとしては無理に復帰させて左手首の状態を悪化させるリスクを冒す理由はない。

    バクー復帰はシミュレーターで判断
    次の焦点となるのがF1アゼルバイジャンGPだ。

    レッドブルはバクーに向けてハジャーの状態を改めて評価する予定であり、その重要な判断材料となるのがシミュレーター走行だ。

    「状況を評価する。彼をシミュレーターに乗せて、実際の負荷をかける。そこで100%に近い状態だと感じられれば、彼がドライブする」

    シミュレーターでは、単に手首の痛みがなくなっているかだけではなく、実際にF1マシンをドライブする際に近い負荷をかけた状態で問題が生じないかを確認する。

    そこで十分な回復が確認できなければ、アゼルバイジャンGPへの復帰も見送る。

    「まだ完全に回復していないと判断した場合には、これまでと同じように回復を最優先する」

    ハジャーがバクーを欠場すれば、ザントフォールトから4戦連続でグランプリを欠場することになる。それでもレッドブルは、欠場レース数を理由に復帰時期を前倒しする考えはない。

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    回復は「予定通り」 腱損傷の噂も
    一方、欠場が長期化していることで、ハジャーの負傷が当初考えられていた以上に深刻なのではないかとの見方も出ている。

    パドックでは、当初伝えられた骨折に加えて腱にも損傷がある可能性が取り沙汰されている。ただし、これは未確認の情報であり、レッドブルやハジャー本人は腱の損傷を公式には発表していない。

    メキースはハジャーの回復について、想定された経過から遅れているわけではないと説明している。

    「アイザックの回復は予定通りに進んでいる」

    「彼が負っている怪我としては通常の回復期間だ。我々はこれまでと同じアプローチを続けていく」

    つまり、レッドブル側の説明では、3戦にわたる欠場は回復が想定外に遅れているからではなく、完全な状態になるまで復帰させないという方針によるものだ。

    ローソンもバクー直前まで待機
    ハジャーの復帰を急がない方針は、代役を務めているリアム・ローソンにも影響している。

    ハジャーの欠場中、ローソンはレッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務め、その間は角田裕毅がレーシングブルズに復帰している。

    ローソンによれば、アゼルバイジャンGPについても、自身がレッドブルとレーシングブルズのどちらをドライブするのか直前まで決まらない可能性がある。

    「バクーについても、おそらく水曜日か木曜日くらいになって決まる可能性がある」

    ハジャーが復帰すればローソンはレーシングブルズへ戻ることになる。一方、ハジャーの復帰が見送られれば、ローソンがレッドブルをドライブし、角田がレーシングブルズに残る現在の布陣が継続される可能性がある。

    ローソンにとっては準備の難しい状況が続くことになるが、レッドブルが判断を早めるつもりはない。ハジャー自身の回復状態を最優先し、バクー直前まで使える時間を最大限に使う。

    ハジャーがアゼルバイジャンGPで復帰するのか、それとも4戦連続で欠場するのか。最終判断は直前まで持ち越されるが、レッドブルの基準は明確だ。すでに「何も証明する必要はない」と評価しているハジャーだけに、100%に近い状態でなければ必要なだけ待つことになる。

  • マクラーレンF1 ランビアーゼ早期加入へ攻勢 レッドブルに“公開会談”で圧力

    マクラーレンF1 ランビアーゼ早期加入へ攻勢 レッドブルに“公開会談”で圧力

    マクラーレンF1は、レッドブル・レーシングのレーシング責任者であり、長年マックス・フェルスタッペンのレースエンジニアを務めてきたジャンピエロ・ランビアーゼを予定より早く迎え入れるための動きを加速させている。

    ランビアーゼはマクラーレンのチーフ・レーシング・オフィサーに就任することで合意しているが、レッドブルとの現在の契約は2027年末まで残っている。

    そのまま契約を全うすればマクラーレンへの加入は2028年となるため、マクラーレンは早期解放に向けてレッドブルとの交渉を続けている。

    その駆け引きが表面化したのが、F1スペインGPが開催されたマドリンクだった。土曜日の朝、マクラーレンCEOのザク・ブラウンとランビアーゼは、人目につくパドック内のカフェで会談。その場所選び自体がレッドブルに対するメッセージだった可能性が指摘されている。

    ザク・ブラウンとランビアーゼがパドックで“公開会談”
    マクラーレンはここ数カ月にわたり、ランビアーゼを契約満了前に迎え入れることができないか、レッドブル側と複数回にわたって協議を行ってきた。

    これまでのところ早期解放について合意には至っていないが、スペインGPでは交渉が新たな段階に入ったことをうかがわせる光景が見られた。

    ブラウンとランビアーゼが話をする場所として選んだのは、マドリンクの広大なパドック内にあるカフェだった。しかも、主要な通路のすぐそばにあるテーブルで、フォトグラファーやテレビカメラから簡単に確認できる場所だった。

    人目を避けて話せる場所はいくらでもあったにもかかわらず、2人はあえて目立つ場所で会談した。このため、両者が公然と話をしていることを意図的に示す狙いがあった可能性が高いとみられている。

    すでにランビアーゼのマクラーレン移籍が決まっている以上、レッドブルが2027年末まで契約で拘束し続けることにどれほどメリットがあるのか。マクラーレン側には、そうした状況を公の場で印象づけ、早期解放に向けてレッドブルを動かしたい思惑があるようだ。

    当初2028年の加入予定 マクラーレンは2027年への前倒し狙う
    ランビアーゼのマクラーレン移籍は今年4月に明らかになった。マクラーレンではチーフ・レーシング・オフィサーを務め、チーム代表アンドレア・ステラの直属としてレース運営部門を強化することになる。

    しかし、問題は加入時期だ。

    ランビアーゼとレッドブルとの契約は2027年末までとなっており、早期解放について両チームが合意しなければ、マクラーレンで仕事を始めるのは2028年になる。

    マクラーレンはそこまで待ちたくないと考えており、ここ数カ月にわたってレッドブルとの交渉を続けてきた。

    オランダ紙『De Telegraaf』によれば、ランビアーゼは少なくとも2026年シーズン終了まではレッドブルに残る見通しだという。したがって、マクラーレンへの移籍が実現するのは早くても2027年となる。

    現在の焦点は、2028年まで待つことになるのか、それとも2027年中の加入を実現できるのかという点に移っている。

    マクラーレン ジャンピエロ・ランビアーゼ

    レッドブルはランビアーゼ後任体制をすでに決定
    マクラーレンが早期加入への働きかけを強めている背景には、レッドブルがランビアーゼ退団後の体制をすでに固めつつあることも関係している。

    レッドブルは、アストンマーティンで10年以上にわたって仕事をしてきたトム・マッカローを獲得。2027年からレーシング責任者に就任する予定で、ランビアーゼが担ってきたチーム運営上の役割を引き継ぐことになる。

    また、フェルスタッペンのレースエンジニアについてはトム・ハートが後任を務める予定となっている。

    つまり、ランビアーゼがチームを離れた後を埋める人材はすでに決まっている。マクラーレンは、この状況によって2027年末までランビアーゼをレッドブルに残しておく必要性が以前より低下したと考えているようだ。

    そのため、後任体制が決まった今こそ早期解放について改めて交渉する余地があるとして、レッドブルへの働きかけを強めている。

    フェルスタッペン担当もトム・ハートへの移行開始
    レッドブル側も、ランビアーゼがいずれ離れることを前提に引き継ぎ作業を進めている。

    特にフェルスタッペンのレースエンジニアについては、ハートへの移行がすでに実戦の場で始まっている。

    ハートは2026年の一部のフリー走行でフェルスタッペンのエンジニアを担当しており、この取り組みは次戦F1アゼルバイジャンGPでも継続される予定だ。

    さらに『De Telegraaf』のエリック・ファン・ハーレンによれば、ハートはシーズン終盤のF1アメリカGP、サンパウロGP、ラスベガスGPの3週末で、フェルスタッペンのレースエンジニアを全面的に担当する予定だという。

    単にフリー走行の一部を担当させる段階から、グランプリ週末全体を任せる段階へ移行することになる。

    レッドブルはランビアーゼがまだチームにいる間にハートへ実戦経験を積ませ、フェルスタッペンとの仕事の進め方を確立させることで、将来的な交代をスムーズに進めようとしている。

    レッドブルが重視する後任への引き継ぎ
    一方で、後任が決まったからといって、レッドブルがすぐにランビアーゼを手放すとは限らない。

    レッドブルが重視しているのは、新たに重要な役割を担うハートとマッカローへの十分な引き継ぎだという。

    ハートについては2026年シーズン中から準備を進めることができるが、マッカローの状況は異なる。マッカローがレッドブルに正式加入するのは2027年初頭であり、レーシング責任者としての本格的な引き継ぎを開始できるのもそれ以降となる。

    レッドブルとしては、マッカローが十分な準備をしないまま新しい役割を始めることを避けたい。そのため、ランビアーゼを少なくとも2027年の一定期間まで残し、直接引き継ぎを行わせることも選択肢となる。

    この事情は、マクラーレンが望む早期加入を実現するうえで最大の障壁のひとつとなっている。

    焦点はランビアーゼが「いつ」マクラーレンに移るか
    ランビアーゼのマクラーレン移籍そのものは決まっている。現在の争点は、その時期をどこまで前倒しできるかだ。

    マクラーレンとしては、2028年まで待つのではなく、可能な限り早い段階でランビアーゼをステラ率いる組織に組み込み、レース運営体制の強化につなげたい。

    一方のレッドブルも、ハートをフェルスタッペンの後任レースエンジニアとして実戦投入し始め、マッカローを新たなレーシング責任者として迎える準備を進めるなど、ランビアーゼ退団後を見据えた動きを具体化させている。

    ただし、レッドブルにとって重要なのはランビアーゼを単純に契約満了まで拘束することではなく、後任への引き継ぎをどこまで確実に行えるかという点にある。

    マドリンクのパドックでブラウンとランビアーゼがあえて人目につく形で会談したことは、こうした水面下の交渉が表舞台に出てきた象徴ともいえる。マクラーレンは2028年を待たずにランビアーゼを迎え入れられるのか。今後はレッドブルの引き継ぎ計画と両チームの交渉が、そのタイミングを左右することになりそうだ。

  • レッドブルF1育成ニコラ・ツォロフ 2027年はスーパーフォーミュラで武者修行案

    レッドブルF1育成ニコラ・ツォロフ 2027年はスーパーフォーミュラで武者修行案

    F2ランキング首位に立つレッドブル育成のニコラ・ツォロフについて、2027年はF1へ昇格せず、日本のスーパーフォーミュラに参戦する可能性が浮上している。レッドブルのリザーブドライバーを兼任するプランが検討されているという。

    ツォロフはレーシングブルズの2027年F1シート候補として名前が挙がってきたが、この育成プランが実現すれば、現在のドライバーであるリアム・ローソンにとって残留への大きな追い風となる。

    レッドブルはツォロフのF1昇格を急がず、2028年に向けて経験を積ませる選択肢を持つことになる。

    ツォロフは2027年にリザーブ+スーパーフォーミュラか
    ニュージーランド・ヘラルドの情報として伝えられたところによると、ツォロフは2027年にF1のレギュラーシートを得るのではなく、リザーブドライバーを務める可能性が高まっているという。

    さらに、その役割と並行して日本のスーパーフォーミュラに参戦する案もあるとされる。

    ツォロフは2026年のF2でタイトル争いをリードしており、レーシングブルズのアラン・パーメイン代表も以前、レッドブルの若手ドライバーの中で「次の候補」であることを認めている。

    ただし、それが直ちに2027年のF1昇格を意味するわけではない。

    レーシングブルズではローソンとアービッド・リンドブラッドが現在のシートを保持しており、両者とも2026年に評価を高めている。特にローソンは14戦で59ポイントを獲得し、アイザック・ハジャーの負傷に伴ってレッドブル・レーシングから出場した3戦でもチームから一定の評価を得た。

    そのため、レッドブルにとってはツォロフを急いでF1へ昇格させる必要性が以前より小さくなっている。

    レッドブルにはガスリーとローソンの前例
    スーパーフォーミュラは、レッドブルがF1昇格を待つ若手に経験を積ませる場として過去にも活用してきた。

    ピエール・ガスリーはGP2王者となった翌年の2017年に日本へ渡り、スーパーフォーミュラに参戦。タイトル争いを演じてランキング2位となった後、同年終盤にトロロッソからF1デビューを果たした。

    ローソンもF2参戦後の2023年にスーパーフォーミュラへ送り込まれ、ランキング2位を獲得。そのシーズン途中には負傷したダニエル・リカルドの代役として当時のアルファタウリからF1に出場し、その後レギュラーシートを獲得した。

    ツォロフについても同様の育成ルートを採用する構想は以前から存在していた。

    イタリアのAutosprintは7月、ツォロフが2026年のF2タイトルを獲得して翌年同シリーズに参戦できなくなった場合、レッドブルが2027年にスーパーフォーミュラへ送り込む可能性があると報道。日本でのレース活動に加え、旧型F1マシンを使ったTPC、シミュレーター作業、FP1出走などを組み合わせるプランが考えられるとしていた。

    ニコラ・ツォロフ

    初のF1テストでは690kmを走破
    レッドブルはすでにツォロフのF1での能力を確認する作業も開始している。

    ツォロフは8月、イモラでレーシングブルズの2025年型マシン「VCARB 02」を使用したTPCに参加。自身初となるF1マシンでのテストで690kmを走破した。

    パーメインはテスト後、ツォロフがマシンに素早く適応し、初めてF1マシンをドライブする若手に求められる落ち着きを示したと評価している。

    つまり、2027年にスーパーフォーミュラへ参戦する場合も、単純にF1から1年間離れるという意味ではない。日本で実戦経験を積みながら、リザーブ、TPC、シミュレーター、FP1などを通じてF1への準備を進める育成シーズンにできる。

    ローソンとツォロフの決着を1年先送り
    このプランが採用されれば、最大の恩恵を受ける可能性があるのがローソンだ。

    レーシングブルズはローソン、リンドブラッド、ツォロフという3人の候補に対して2つのF1シートしか持たない。ツォロフを2027年から昇格させる場合、現在のドライバーのどちらかを外す必要が生じる。

    一方、ツォロフをスーパーフォーミュラへ送れば、ローソンとリンドブラッドを2027年も継続させながら、ツォロフを2028年のF1昇格候補として準備することができる。

    レッドブルにとってはローソンとツォロフのどちらを将来的に選ぶのか、その判断を事実上1年間先送りできる形だ。

    ローソンにとっても、その1年間は重要になる。レーシングブルズでさらに結果を残してレッドブル陣営での立場を固めるだけでなく、2028年を見据えて他チームとの選択肢を探る時間にもなる。

    F2で結果を残し、初のF1テストも終えたツォロフをどのように育成するのか。レッドブルが再びスーパーフォーミュラというルートを選択するかどうかは、ツォロフ本人だけでなく、ローソンのF1での将来にも大きく関わる決断となりそうだ。

  • マックス・フェルスタッペン 2ポジション返還に激怒 レッドブルF1「苦渋の決断」

    マックス・フェルスタッペン 2ポジション返還に激怒 レッドブルF1「苦渋の決断」

    マックス・フェルスタッペンがF1スペインGPの序盤に2つのポジションを返すよう指示された判断について、レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースが説明した。

    フェルスタッペンはスタート直後にルイス・ハミルトンと争った際、ターン1でコース外を通過して3番手を維持。その後、キミ・アントネッリを抜いて2番手に浮上したが、レッドブルはハミルトンとの一件でペナルティを科されるリスクを避けるため、ポジションを返すよう指示した。

    しかし、その時点でアントネッリがハミルトンとの間に入っていたため、フェルスタッペンはハミルトンだけでなくアントネッリも先行させる必要があり、一気に2つのポジションを失うことになった。

    フェルスタッペン「何を言ってるんだ?」
    スタートではハミルトンがフェルスタッペンの前に出たものの、両者はターン1で激しく争った。フェルスタッペンはコース外へ逃れ、ハミルトンの前でコースに復帰した。

    ハミルトンは無線で、フェルスタッペンがポジションを返す必要があると主張。その無線はレースコントロールも聞くことができる。

    一方、フェルスタッペンは自分がコース外に出なければ接触していたと考えており、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼからポジションを返すよう伝えられると強く反発した。

    「一体何を言ってるんだ? あいつはぶつけてきていただろ。何を言ってるんだ? あそこでコース上に残っていたら、僕はレースを終えていた」

    それでもフェルスタッペンは4周目にチームの指示に従い、アントネッリとハミルトンを先行させた。

    レッドブルは自主的にポジション返還を決断
    重要なのは、この指示がFIAのレースコントロールから出されたものではなかったことだ。

    レッドブル側が映像を確認し、フェルスタッペンがそのままポジションを維持した場合、スチュワードによる審議でタイムペナルティを受ける可能性があると判断。レース序盤でポジションを返し、その後に挽回する方が得策だと結論づけた。

    メキースはF1 TVに次のように説明した。

    「もちろん、常に痛みを伴う難しい決断になる。だが、ピットウォールのスタッフは非常にしっかりと状況を確認し、素早く分析した。我々は迅速に決断しなければならなかったからだ」

    「もちろん、あの瞬間にマックスから『ありがとう』というメールが届くとは思っていなかった」

    フェルスタッペンが無線で激しく反発したことについても、メキースにとっては想定外ではなかった。

    「我々としては、その時点で痛みを受け入れ、その後に反撃する方がいいと考えた。マックスはいつものように、それを非常にうまくやってくれた」

    「そのまま待って、後になってより大きなペナルティを受けるリスクを冒すより、その方が良かった。後からのペナルティは、さらに大きな代償になる可能性があった」

    ローラン・メキース(レッドブル・レーシング)

    「5秒か10秒のペナルティになっていた」
    メキースによれば、レッドブルがポジションを返さなかった場合、FIAから後になって「ポジションを返せ」と指示されるわけではない。

    スチュワードによる審議に回され、タイムペナルティが科される可能性が高かったという。

    「スチュワードの判断として、ポジションを返すよう命じられることはない。その場合、我々は単純に5秒か10秒のペナルティを受けていただろう。それは彼らの裁量になる」

    「セーフティカーなど、さまざまなレース展開を想像すれば分かると思うが、そうしたペナルティは1つ、あるいは2つのポジションを失うより、はるかに大きな代償になる可能性がある」

    実際、フェルスタッペンがポジションを返した直後、ハミルトンはブレーキトラブルによってリタイアした。

    仮にレッドブルが判断を先延ばしにし、ハミルトンがリタイアした後までフェルスタッペンを前に走らせていれば、物理的にポジションを返すことは不可能になっていた。

    「幸い、マックスはルイスがリタイアする前にポジションを返し、そこからレースを戦い続けることができた」

    レースコントロールに確認する時間はなかった
    レッドブルがFIAに確認してから判断することはできなかったのかという点について、メキースはレース中にはその時間的余裕がなかったと説明する。

    「レース後なら非常にオープンに話すことができる。もちろん、レースコントロールと話すこともあるし、スチュワードと直接話して彼らの見解を聞くこともある」

    「今回についてもチームはそうすると思う。我々は常に意見を交換し、そこから学んでいる。ただ、あの瞬間には相談している時間はそれほどなく、決断を下さなければならなかった」

    結果的にフェルスタッペンはその後ポジションを取り戻し、バーチャルセーフティカーのタイミングも生かして2位まで挽回。優勝したアントネッリに続いてチェッカーを受けた。

    メキースは、序盤に2ポジションを手放したことが勝利を逃した決定的な要因だったとは考えていない。

    「もちろんフラストレーションはある。だが、公平に見れば、今日は2位が我々に達成できた絶対的なベストだったと思う」

    レッドブルにとっては、その場で2ポジションを失うことよりも、レース後半に5秒あるいは10秒のタイムペナルティを抱えるリスクの方が大きかった。フェルスタッペンの激しい反発を承知のうえで下した即断は、最終的に2位を確保するためのリスク管理だったとメキースは強調している。

  • リアム・ローソン レッドブルF1代役の裏で2台を同時準備「精神的に難しい」

    リアム・ローソン レッドブルF1代役の裏で2台を同時準備「精神的に難しい」

    リアム・ローソンは、レッドブル・レーシングで代役を務める一方、レーシングブルズへの復帰にも備えなければならない現在の状況について、「精神的に準備するのがかなり難しい」と明かした。

    アイザック・ハジャーが夏休み中のトレーニングで左手首を負傷して以降、ローソンはF1オランダGP、イタリアGP、スペインGPの3戦でレッドブルから出場している。しかし、ハジャーの復帰時期が確定していないため、ローソンは毎戦、RB22だけでなくレーシングブルズのVCARB 03をドライブする可能性も想定して準備を続けている。

    2チーム分の準備を続けるローソン
    ローソンにとって負担となっているのは、レース週末そのものだけではない。グランプリを迎えるまでに、性格が大きく異なる2台のF1マシンを想定したシミュレーター作業をこなす必要がある。

    「そうだね。ファクトリーで過ごす時間がかなり長くなっているし、追加の準備もたくさんしている」とローソンはF1スペインGP後、RacingNews365を含むメディアに語った。

    「今週はレースがないけど、あまり休みにはならないと思う」

    ハジャーはオランダGPを欠場した後、イタリアGPとスペインGPも欠場。レッドブルは回復状況を見ながら復帰時期を判断しており、次戦アゼルバイジャンGPで復帰する可能性があるものの、最終判断は可能な限り遅いタイミングまで待つとみられている。

    そのためローソンは、バクーに向けてもレッドブルとレーシングブルズの両方を想定した準備を続けることになる。

    「どのマシンに乗るのか分からない」のが難しさ
    ローソンは、単純に作業量が増えること以上に、どちらのマシンをドライブするのか直前まで決まらないことが精神的な難しさにつながっていると説明する。

    「一番大変なのは準備だと思う。両方に向けて準備するのは少し難しいし、それぞれ違うマシンに慣れなければならない」

    「週末の終わりになると、このマシンにはかなり慣れている。でも今後を考えると、レース週末の直前まで何に乗るのか分からない状態が続く」

    「バクーについても、おそらく水曜日か木曜日くらいになって決まる可能性がある。どのマシンをドライブするのか分からない状態で精神的に準備するのは、かなり難しい」

    現代のF1では、同じパワーユニット系統や技術的なつながりを持つマシンであっても、ドライビング特性は大きく異なる。ローソンの場合、レッドブルのRB22に適応しながら、いつレーシングブルズのVCARB 03に戻っても対応できる状態を維持する必要がある。

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)

    RB22に慣れるほどレーシングブルズ復帰も難しく
    一方で、3戦を重ねたことでローソン自身のRB22への理解は深まっている。だが、それは同時に、レーシングブルズへ戻った際に再び適応作業が必要になることも意味している。

    「でも同時に、前にも言ったように、このマシンを走らせる時間が増えるほど快適に感じられるようになっている」

    「だから今レーシングブルズに戻ることになれば、かなり大変だと思う。ドライブの仕方が完全に違うからね」

    ローソンにとって今回の代役起用は、レッドブルで再びレースを戦う貴重な機会となっている。しかし、その裏側では、毎戦のシートが直前まで確定しないという特殊な状況への対応を迫られている。

    ハジャーがアゼルバイジャンGPで復帰できれば、ローソンはレーシングブルズに戻ることになる。一方、欠場が続けば、4戦連続でレッドブルのRB22をドライブする可能性がある。いずれの場合も、最終判断が下されるまでローソンは2台のまったく異なるF1マシンを想定し、バクーへの準備を進めることになる。

  • レッドブルF1 アイザック・ハジャー負傷の“秘密”を否定「隠していることはない」

    レッドブルF1 アイザック・ハジャー負傷の“秘密”を否定「隠していることはない」

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、左手首の負傷でF1を3戦連続欠場しているアイザック・ハジャーについて、チームが負傷の詳細を「隠している」との見方を否定した。

    パドックでは骨折に加えて「腱を断裂している可能性がある」との噂も浮上しているが、メキースは回復は予定通り進んでいると説明している。

    ハジャーは夏休み中、ボクシングを取り入れたトレーニング中に左手首を負傷。当初はF1イタリアGPでの復帰も視野に入れていたが、シミュレーターで状態を確認した結果、復帰は見送られた。その後のF1スペインGPも欠場し、ザントフォールトから3戦連続でグランプリを欠場している。

    「腱断裂」の噂にメキースが回答
    ハジャーの復帰が当初の見通しより長引いているなか、パドックでは骨折以外にも問題を抱えているのではないかとの憶測が広がっている。

    Motorsport.comイタリア版のジャーナリストであるベアトリーチェ・フランジョーネは、パドックでハジャーが「腱断裂」の問題を抱えているとの噂が出ていると伝えていた。

    「パドックでは腱断裂の問題があるという噂が出ている。このタイプの負傷がある場合、回復には当然ながら予想よりもかなり長い時間がかかる」

    ただし、これはあくまでパドックで流れている未確認情報であり、レッドブルもハジャー本人も腱の損傷について公式には発表していない。

    そうしたなか、メキースはSky Sports Germanyの取材に対し、チームがハジャーの負傷について何らかの情報を伏せているとの見方を明確に否定した。

    「何かを隠しているということではない。我々は単純に使える時間を使っているだけだ」

    「彼の回復は予定通り進んでいる。このような負傷では時間がかかる」

    レッドブル側の説明では、ハジャーの復帰が遅れているのは新たな問題が判明したからではなく、完全回復のために可能な限り時間を与えているためということになる。

    バクー直前に「最終検査」
    次の復帰候補はF1アゼルバイジャンGPとなる。メキースによれば、ハジャーはバクーのレースウイーク直前に最終的な検査を受ける予定だ。

    「バクーの前の週に最終検査を行い、そこでどうするかを判断する」

    さらに、スペインGP終了後にもメキースは、次戦までの2週間を最大限に使ってハジャーの状態を確認すると説明している。

    「次のレースまでは2週間あるので、時間を使う。バクーのレース、そしてバクーの週末のできるだけ直前にアイザックの状態をもう一度評価する」

    その判断材料のひとつとなるのがシミュレーターだ。

    「シミュレーターに乗せて、そこから判断する。ただし、考え方は変わらない。彼が100%の状態で復帰できるかどうか、それだけだ。完全に回復することが我々の最優先事項であり、その方針を貫く」

    ハジャーはイタリアGPを前にした段階でもシミュレーターで状態を確認したが、最終的にモンツァでの復帰は見送られた。今回も同様に、実際にF1マシンをドライブする際の負荷に左手首が耐えられるかどうかが重要な判断材料となる。

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    ローソンは代役としてスペインGP6位
    ハジャーの欠場中、レッドブル・レーシングではリアム・ローソンがマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務め、その空いたレーシングブルズのシートには角田裕毅が復帰している。

    ローソンはレッドブル復帰戦となったオランダGPで7位に入り、同チームで初ポイントを獲得。イタリアGPではオープニングラップのダメージに苦しんだが、初開催となったマドリンクでのF1スペインGPでは6位に入った。

    メキースはローソンのスペインGPでのパフォーマンスについて高く評価している。

    「まず、リアムはいい仕事をした。6位はいいポイントだ。トップ4チームのグループと戦っていた。それこそ我々が彼に求めていることだ」

    「予選もよかったし、決勝もよかった。そこには満足している」

    ただし、ローソンの結果によってハジャーの復帰時期を調整するわけではない。レッドブルが示している判断基準は、あくまでハジャー自身が100%の状態まで回復しているかどうかだ。

    角田裕毅のバクー出場にも影響
    ハジャーの復帰判断は、角田裕毅のF1アゼルバイジャンGP出場にも直接関係する。

    ハジャーがバクーまでに100%の状態へ戻ればレッドブルのシートに復帰することになるが、復帰が見送られれば、ローソンが引き続きレッドブルでフェルスタッペンのチームメイトを務め、角田がアービッド・リンドブラッドとともにレーシングブルズを走らせる現在の布陣が継続される可能性がある。

    現時点でアゼルバイジャンGPのドライバーラインナップは正式発表されていない。だが、ローソンは代役としてすでに3戦を経験し、角田もレーシングブルズで実戦を重ねているため、レッドブルにはハジャーの復帰を急ぐ必要がない。

    腱断裂については依然として未確認の噂にすぎない。それでも、ハジャーの欠場が3戦まで延びたことで負傷の程度を巡る憶測が広がっているのは事実だ。

    これに対してメキースは「隠していることはない」と明言し、回復は予定通りだと強調した。次の焦点はバクー直前に予定される最終検査とシミュレーター走行。そこでハジャーが「100%」と判断されるかどうかが、本人のF1復帰だけでなく、ローソンと角田裕毅を含むレッドブル陣営のアゼルバイジャンGPの布陣を決めることになる。

  • マックス・フェルスタッペン F1スペインGPで2位「予想以上の素晴らしい結果」

    マックス・フェルスタッペン F1スペインGPで2位「予想以上の素晴らしい結果」

    マックス・フェルスタッペンは、2026年F1スペインGP決勝で2位表彰台を獲得した。レッドブル・レーシングにとってマドリンクは決して最も競争力のある週末ではなかったが、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングを生かして順位を上げ、終盤にはランド・ノリスの猛追を抑え切った。

    3番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、序盤からアンドレア・キミ・アントネッリやルイス・ハミルトンと激しいポジション争いを展開。

    最終的には優勝したアントネッリに続く2位でチェッカーを受け、「予想していた以上の素晴らしい結果」と週末を振り返った。

    「予想していた以上の結果」
    フェルスタッペンはレース後、2位という結果への満足感を示した。

    「僕たちにとって素晴らしい結果だと思う。正直、レース前にはここまでの結果は予想していなかった」

    「もちろんVSCのタイミングでは少しラッキーだった。でも、そういうこともレースの一部だ。今日はそれを最大限に生かすことができた」

    予選では3番手を獲得していたものの、ロングランでマクラーレンやメルセデスと互角に戦えるかについては確信を持てていなかった。

    それでも決勝では、序盤から表彰台圏内でレースを進めた。

    スタート直後から激しいポジション争い
    フェルスタッペンはスタート直後、ポールポジションのノリスと2番手アントネッリの後方からターン1へ向かった。

    アントネッリがノリスへの攻撃でシケインをショートカットするなど、上位勢は序盤から激しい攻防を展開。フェルスタッペンもその混戦に加わった。

    一時はアントネッリを抜いて前に出たものの、その後に順位を戻す場面もあった。

    「スタートはかなり忙しかった。みんながポジションを争っていたし、いろいろなことが起きていた」

    「僕としては、できるだけクリーンに走って、自分たちのレースをすることが重要だった」

    レースが落ち着くと、フェルスタッペンはタイヤを管理しながら上位争いを続けた。しかし純粋なペースでは、先頭を走るノリスが優位に立っていた。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    VSCがレースを大きく動かす
    転機となったのは、ランス・ストロールがマシントラブルでコース脇にストップしたことで導入されたVSCだった。

    ノリスはVSCが発動する直前にピット入口を通過していた一方、アントネッリとフェルスタッペンはタイムロスを抑えながらピットストップを行うことができた。

    「僕たちはちょうどいいタイミングでピットに入ることができた。もちろん、それはラッキーだった」

    「VSCではそういうことが起こる。過去には僕もそれで得をしたこともあれば、損をしたこともある。今回は僕たちにとってうまくいった」

    このピットストップによってフェルスタッペンはノリスの前に出て、2位争いで大きなアドバンテージを手にした。

    一方で、VSCの恩恵を受けられなかったノリスは後方から追い上げる展開となった。

    ルクレールの後ろでタイムを失う
    VSC後のフェルスタッペンにとって大きな問題となったのが、シャルル・ルクレールだった。

    フェラーリはルクレールをハードタイヤで長く走らせる戦略を採用。フェルスタッペンはその後方でペースを抑えられる形となり、後方のノリスが急速にギャップを縮めてきた。

    「シャルルの後ろではかなりタイムを失った。ここでは追い抜くのが簡単ではないし、近づくとさらに難しくなる」

    ノリスは新品のハードタイヤで強烈なペースを発揮し、10秒以上あった差を一気に縮めた。

    ルクレールがピットに入った後、フェルスタッペンは前方が開けたものの、その時点ではノリスがすでに背後まで迫っていた。

    ノリスの猛追を最後まで抑え切る
    終盤はフェルスタッペンとノリスによる2位争いとなった。

    純粋なペースではノリスの方が速く、フェルスタッペンはほぼレース終了までプレッシャーを受け続けた。

    「ランドはかなり速かった。特にハードタイヤでは僕たちより速かったと思う」

    それでもフェルスタッペンはミスを見せず、ノリスに決定的なオーバーテイクの機会を与えなかった。

    マドリンクでは前を走るマシンを抜くことが難しく、フェルスタッペンはコース上でのポジショニングを最大限に利用した。

    「ここではマシンを真ん中に置いておけば、かなりうまくいく」

    「もちろん簡単ではなかった。ランドはずっと近くにいたし、ミスをすればすぐにチャンスを与えることになる。でも、最後までポジションを守ることができた」

    ノリスもレース後、フェルスタッペンについて「彼はほとんどミスをしなかった」と評価している。

    マックス・フェルスタッペン(スペイングランプリ)

    「僕たちにはまだ改善が必要」
    2位という結果には満足したフェルスタッペンだが、レッドブルの純粋なパフォーマンスについては冷静だった。

    マドリンクでは予選からマクラーレンやメルセデスが強さを見せており、決勝でもノリスのレースペースはフェルスタッペンを上回っていた。

    「結果としてはとても良かった。でも、純粋なペースを見れば、まだ僕たちには改善しなければならないところがある」

    「こういう週末でも表彰台に上がって、多くのポイントを獲得できることは重要だ」

    フェルスタッペンにとって、勝利を争えるだけの速さがない週末に最大限のポイントを持ち帰ることも、長いF1シーズンでは重要になる。

    「こういう日には最大限を取ることが重要」
    マドリンクで最速だったのはノリスだった。優勝したアントネッリ自身もレース後、「今日はランドが勝利に値した」と認めている。

    フェルスタッペンもVSCによって有利になったことを隠そうとはしなかった。それでも、与えられたチャンスを生かし、最後までノリスを抑えて2位を守り切ったことには価値がある。

    「こういう日には、得られるものを最大限に取ることが重要だ」

    「僕たちは今日、それをできたと思う。2位は僕たちにとって素晴らしい結果だ」

    純粋な速さだけを見れば、レッドブルにとって勝利を狙えるレースではなかった。それでもフェルスタッペンはVSCで生まれたチャンスを逃さず、最後にはより速いノリスからポジションを守り抜いた。

    予想以上の2位。それは運だけで手にした結果ではなく、苦しい週末でもチャンスを最大限に結果へ変えるフェルスタッペンらしいレースでもあった。

  • アイザック・ハジャー 手首負傷に「腱断裂」の噂 F1復帰さらに遅れる可能性

    アイザック・ハジャー 手首負傷に「腱断裂」の噂 F1復帰さらに遅れる可能性

    アイザック・ハジャーのF1復帰時期をめぐり、新たな懸念材料が浮上している。夏休み中のトレーニングで左手首を負傷して欠場が続いているハジャーについて、パドックでは骨折に加えて「腱を断裂している可能性がある」との噂が流れているという。

    レッドブル・レーシングはハジャーの回復が順調に進んでいるとしているものの、具体的な復帰時期は明らかにしていない。腱の負傷についてもチームから公式な発表はなく、現段階ではあくまで未確認情報だ。

    ただし、事実であれば当初考えられていた以上に復帰まで時間を要し、次戦F1アゼルバイジャンGPでも現在のドライバー体制が継続される可能性が出てくる。

    ハジャーの左手首に「腱断裂」の噂
    ハジャーは夏休み中、ボクシングを取り入れたトレーニング中に左手首を負傷した。その影響でザントフォールトとF1イタリアGPを欠場し、初開催となったマドリンクでのF1スペインGPにも出場できなかった。

    ハジャーに代わってレッドブル・レーシングではリアム・ローソンが引き続きマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務め、それに伴い角田裕毅がレーシングブルズのレースシートに復帰している。

    ハジャーの負傷について、Motorsport.comイタリア版のジャーナリストであるベアトリーチェ・フランジョーネは、パドックで骨折以外の問題が取り沙汰されていることを明かした。

    「パドックでは腱断裂の問題があるという噂が出ている。このタイプの負傷がある場合、回復には当然ながら予想よりもかなり長い時間がかかる」

    「もちろん、彼ができるだけ早くマックスの隣のシートに戻ってくることを願っている」

    現時点でレッドブルやハジャー本人から腱断裂についての発表はなく、フランジョーネも「パドックの噂」として紹介している。そのため、ハジャーが実際に腱を損傷していると断定できる情報ではない。

    モンツァ復帰計画からすでに延期
    ハジャーは当初、F1イタリアGPでの復帰を視野に入れていた。しかし、モンツァを前にシミュレーターで走行した段階で、まだレース復帰には時間が必要だと判断された。

    その結果、モンツァでの復帰は見送られ、さらに翌戦のF1スペインGPについても欠場が決定。これでハジャーは3戦連続でグランプリを欠場することになった。

    レッドブルはスペインGPを前に発表した声明で、ハジャーについて「回復は引き続き順調に進んでいる」と説明。また「非常に近いうちに」F1マシンのステアリングを再び握るとしているが、具体的な復帰戦については明言していない。

    チーム代表のローラン・メキースも、ハジャーを中途半端な状態で復帰させる考えがないことを強調している。

    「彼が100%の状態になるまで復帰させることはない」

    アゼルバイジャンGP復帰もまだ不透明
    次戦はバクー市街地サーキットで開催されるF1アゼルバイジャンGPだ。ハジャーにとって次の復帰候補となるが、現時点で出場できるかどうかは確定していない。

    バクーは長いストレートを持つ一方、コースの大部分でウォールがすぐ近くに迫る高速市街地サーキットでもある。クラッシュやウォールとの接触によってステアリングに強い衝撃が加われば、回復途中の左手首を再び痛めるリスクがある。

    さらにその後に控えるシンガポールGPもウォールに囲まれた市街地レースだ。仮に腱にも問題を抱えているのであれば、単純に痛みがなくなっただけではなく、F1マシンを限界で操るために必要な強度や可動性まで完全に取り戻しているかが復帰判断の重要なポイントになる。

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    角田裕毅のアゼルバイジャンGP出場にもつながる可能性
    ハジャーの復帰時期は、ローソンだけでなく角田裕毅の今後にも直接関係してくる。

    ハジャーの欠場を受け、レッドブルはローソンをレッドブル・レーシングに昇格させ、その空いたレーシングブルズのシートにリザーブドライバーの角田裕毅を起用してきた。ザントフォールト、モンツァ、マドリンクと同じ体制が3戦にわたって続いている。

    ハジャーがアゼルバイジャンGPまでに100%の状態に戻れなければ、レッドブルがローソンを引き続きフェルスタッペンのチームメイトとして起用し、角田がアービッド・リンドブラッドとともにレーシングブルズを走らせる現在の布陣を継続することも選択肢となる。

    もちろん、アゼルバイジャンGPのドライバーラインナップについて正式な発表はなく、すべてはハジャーの回復状況次第となる。

    ただ、レッドブルにとってはローソンが代役としてすでに3戦を経験し、レーシングブルズでも角田がすぐに実戦へ対応できる体制が整っている。ハジャーを完全回復前に急いで復帰させる必要性は低い。

    左手首に骨折以外の腱損傷があるとの情報は、現時点ではパドックで流れている未確認の噂にすぎない。一方で、当初期待されていたモンツァでの復帰がスペインGPまで先送りされ、次戦バクーへの出場もまだ確定していない。

    ハジャーの回復がさらに長引くことになれば、ローソンのレッドブル・レーシングでの代役参戦とともに、角田裕毅がF1アゼルバイジャンGPでもレーシングブルズのステアリングを握る可能性が浮上することになる。

  • リアム・ローソン F1スペインGPで6位「レッドブルのマシンにかなり慣れてきた」

    リアム・ローソン F1スペインGPで6位「レッドブルのマシンにかなり慣れてきた」

    リアム・ローソンは、2026年F1スペインGPの決勝で6位に入り、レッドブル・レーシング復帰後の自己最高位を記録した。ハードタイヤでスタートする代替戦略を採ったものの、序盤のバーチャル・セーフティカー(VSC)が不利に働いたと振り返った。

    負傷欠場が続くアイザック・ハジャーの代役として3戦連続でレッドブルから出場したローソンは、ザントフォールトで7位、モンツァで14位、そしてマドリンクで6位。RB22への適応を着実に進めており、「レッドブルのマシンにかなり慣れてきた」と手応えを語った。

    コラピントを抜いた直後のVSC「悔しかった」
    8番グリッドからスタートしたローソンは、周囲とは異なるハードタイヤを選択。第1スティントを長く引っ張り、レース後半にタイヤのアドバンテージを得る代替戦略を採った。

    スタートではフランコ・コラピントにポジションを奪われたものの、その後コース上で攻略。オーバーテイクが難しいマドリンクでリスクを冒して順位を取り戻した。

    しかし、その直後にランス・ストロールのマシントラブルによってVSCが導入された。ミディアムなどでスタートしたライバル勢がVSC中のピットストップを利用できた一方、ロングスティントを前提としていたローソンには不利な展開となった。

    「僕たちにとっては悔しかった。ハードでスタートしたから、当然ロングスティントを走る予定だった。でも残念ながらVSCは理想的ではなかった」

    「しかも、その直前にフランコを抜いたばかりで、そのためにかなりリスクを取っていた。ここはオーバーテイクがとても難しい。だから戦略面では理想的ではなかったけど、スタート位置を考えれば6位は悪くない」

    ローソンは別のインタビューでも、VSC後の展開について「そこからは正直、少し一人で走っているような感じだった」と説明した。

    それでもハードタイヤで45周目まで走り続け、長い第1スティントを完遂。ピットストップ後もコラピントとオスカー・ピアストリの前を維持し、終盤にはピエール・ガスリーのピットストップによって6番手に浮上してチェッカーを受けた。

    ラッセルに抜かれた場面ではロックアップ
    ローソンをコース上で攻略した数少ないドライバーのひとりがジョージ・ラッセルだった。この場面についてローソンは、自身のミスも影響したと認めている。

    「ジョージのときはロックアップしてワイドになってしまった。だから、あそこで彼を抑え続けられたかどうかは分からない」

    「ただ、あの時点ではどちらにしても大きな違いはなかったと思う。僕はまだピットに入らなければならなかったから、抑え続けるのは難しかった」

    VSCによって当初想定していた戦略のメリットを十分に生かせなかったものの、ローソンは8番手スタートから2つ順位を上げた。

    「もう少し前からスタートできればよかった。昨日の予選は自分として少し悔しかったけど、スタート位置を考えればいいレースだった」

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)

    RB22への適応進む「かなり大きな一歩」
    ローソンが今回の週末で特に手応えを感じたのがRB22への適応だった。予選ではQ3に進出しながら結果を最大化できなかったことを悔やんだが、マシンの速さそのものには自信を深めている。

    「ここ数戦でポイントを獲得できているし、いい感じだ。今週末の速さ、特に予選でのスピードはとても強かった」

    「Q3を最大限に生かせなかったのは残念だった。2台ともトップ5に入れるポテンシャルがあったと思う。でも、スタート位置を考えればいい結果だし、かなり満足している」

    レッドブルで3戦連続の出場となったことで、RB22の特性についても理解が深まってきた。

    「間違いなく、マシンにはかなり慣れてきた。特に昨日の午後はかなり大きな一歩を踏み出せたと思う」

    「自分の好みに近づいた部分もあって、運転していて少し自然に感じられるようになっている。もちろん、マシンを乗り換えるのは理想的ではない。でも、このマシンである程度の時間を過ごしたことで、今はかなり快適に感じられるようになった」

    ローソンは今回の6位によってドライバーズランキング9位を維持し、8位ハジャーとの差を12ポイントに縮めた。

    ハジャーは夏休み中のトレーニングで負った左手首の負傷により、ザントフォールト、モンツァ、マドリードと3戦連続で欠場している。レッドブルは次戦F1アゼルバイジャンGPに向けてハジャーの状態を評価する予定で、復帰できない場合にはローソンが引き続き代役を務める可能性がある。

    VSCによって代替戦略が思惑通りに機能しないなかでも6位まで順位を上げたローソン。結果だけでなくRB22への理解と自信も深め、レッドブルでの3戦目を復帰後最高位で締めくくった。