レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、左手首の負傷でF1を3戦連続欠場しているアイザック・ハジャーについて、チームが負傷の詳細を「隠している」との見方を否定した。
パドックでは骨折に加えて「腱を断裂している可能性がある」との噂も浮上しているが、メキースは回復は予定通り進んでいると説明している。
ハジャーは夏休み中、ボクシングを取り入れたトレーニング中に左手首を負傷。当初はF1イタリアGPでの復帰も視野に入れていたが、シミュレーターで状態を確認した結果、復帰は見送られた。その後のF1スペインGPも欠場し、ザントフォールトから3戦連続でグランプリを欠場している。
「腱断裂」の噂にメキースが回答
ハジャーの復帰が当初の見通しより長引いているなか、パドックでは骨折以外にも問題を抱えているのではないかとの憶測が広がっている。
Motorsport.comイタリア版のジャーナリストであるベアトリーチェ・フランジョーネは、パドックでハジャーが「腱断裂」の問題を抱えているとの噂が出ていると伝えていた。
「パドックでは腱断裂の問題があるという噂が出ている。このタイプの負傷がある場合、回復には当然ながら予想よりもかなり長い時間がかかる」
ただし、これはあくまでパドックで流れている未確認情報であり、レッドブルもハジャー本人も腱の損傷について公式には発表していない。
そうしたなか、メキースはSky Sports Germanyの取材に対し、チームがハジャーの負傷について何らかの情報を伏せているとの見方を明確に否定した。
「何かを隠しているということではない。我々は単純に使える時間を使っているだけだ」
「彼の回復は予定通り進んでいる。このような負傷では時間がかかる」
レッドブル側の説明では、ハジャーの復帰が遅れているのは新たな問題が判明したからではなく、完全回復のために可能な限り時間を与えているためということになる。
バクー直前に「最終検査」
次の復帰候補はF1アゼルバイジャンGPとなる。メキースによれば、ハジャーはバクーのレースウイーク直前に最終的な検査を受ける予定だ。
「バクーの前の週に最終検査を行い、そこでどうするかを判断する」
さらに、スペインGP終了後にもメキースは、次戦までの2週間を最大限に使ってハジャーの状態を確認すると説明している。
「次のレースまでは2週間あるので、時間を使う。バクーのレース、そしてバクーの週末のできるだけ直前にアイザックの状態をもう一度評価する」
その判断材料のひとつとなるのがシミュレーターだ。
「シミュレーターに乗せて、そこから判断する。ただし、考え方は変わらない。彼が100%の状態で復帰できるかどうか、それだけだ。完全に回復することが我々の最優先事項であり、その方針を貫く」
ハジャーはイタリアGPを前にした段階でもシミュレーターで状態を確認したが、最終的にモンツァでの復帰は見送られた。今回も同様に、実際にF1マシンをドライブする際の負荷に左手首が耐えられるかどうかが重要な判断材料となる。

ローソンは代役としてスペインGP6位
ハジャーの欠場中、レッドブル・レーシングではリアム・ローソンがマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務め、その空いたレーシングブルズのシートには角田裕毅が復帰している。
ローソンはレッドブル復帰戦となったオランダGPで7位に入り、同チームで初ポイントを獲得。イタリアGPではオープニングラップのダメージに苦しんだが、初開催となったマドリンクでのF1スペインGPでは6位に入った。
メキースはローソンのスペインGPでのパフォーマンスについて高く評価している。
「まず、リアムはいい仕事をした。6位はいいポイントだ。トップ4チームのグループと戦っていた。それこそ我々が彼に求めていることだ」
「予選もよかったし、決勝もよかった。そこには満足している」
ただし、ローソンの結果によってハジャーの復帰時期を調整するわけではない。レッドブルが示している判断基準は、あくまでハジャー自身が100%の状態まで回復しているかどうかだ。
角田裕毅のバクー出場にも影響
ハジャーの復帰判断は、角田裕毅のF1アゼルバイジャンGP出場にも直接関係する。
ハジャーがバクーまでに100%の状態へ戻ればレッドブルのシートに復帰することになるが、復帰が見送られれば、ローソンが引き続きレッドブルでフェルスタッペンのチームメイトを務め、角田がアービッド・リンドブラッドとともにレーシングブルズを走らせる現在の布陣が継続される可能性がある。
現時点でアゼルバイジャンGPのドライバーラインナップは正式発表されていない。だが、ローソンは代役としてすでに3戦を経験し、角田もレーシングブルズで実戦を重ねているため、レッドブルにはハジャーの復帰を急ぐ必要がない。
腱断裂については依然として未確認の噂にすぎない。それでも、ハジャーの欠場が3戦まで延びたことで負傷の程度を巡る憶測が広がっているのは事実だ。
これに対してメキースは「隠していることはない」と明言し、回復は予定通りだと強調した。次の焦点はバクー直前に予定される最終検査とシミュレーター走行。そこでハジャーが「100%」と判断されるかどうかが、本人のF1復帰だけでなく、ローソンと角田裕毅を含むレッドブル陣営のアゼルバイジャンGPの布陣を決めることになる。
