レーシングブルズF1 ローソンとリンドブラッドに唯一のルール「接触禁止」

レーシングブルズF1 ローソンとリンドブラッドに唯一のルール「接触禁止」

レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインは、リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドによる激しいチーム内バトルを歓迎しながらも、2人にひとつだけ明確なルールを課している。「互いに接触するな」というものだ。

2026年のF1でレーシングブルズはコンストラクターズ選手権5位を争っており、現在66ポイントを獲得。アルピーヌに5ポイント差をつけ、チーム史上最高となるランキング5位を目指している。

その一方で、ローソンとリンドブラッドの間では将来のレッドブル昇格やF1シートを巡る競争も激しさを増している。

激しさを増すローソンとリンドブラッドのチーム内対決
レーシングブルズは現在、F1のトップ4チームに続く「ベスト・オブ・ザ・レスト」の座を巡り、アルピーヌと接戦を繰り広げている。

その争いと同時進行で注目されているのが、ローソンとリンドブラッドによるチーム内対決だ。

2人は単純にチームメイト同士として競っているだけではない。将来的にレッドブル・レーシングのシートが空いた場合、その候補となる立場を争っている。さらにF2選手権をリードするレッドブル育成のニコラ・ツォロフもF1昇格候補として控えており、両者にとって現在のパフォーマンスは今後のキャリアを左右する重要な意味を持つ。

今季はすでに両者がコース上で接近する場面が何度もあった。

中国GPでは、ローソンがチームメイトのリンドブラッドから攻撃を受ける展開となったが、セーフティカーのタイミングがローソンに味方した。

オーストリアGPではさらに緊張が高まった。ローソンはリンドブラッドが攻撃してこないとチームから伝えられていたにもかかわらず、実際にはリンドブラッドが仕掛けてきたことで、「チームの言うことを聞くのはこれが最後だ」と無線で不満を爆発させた。

その後もシルバーストン、ベルギーGP、ハンガリーGPで2人は接近戦を演じている。

興味深いことに、2人がそろってポイントを獲得した5戦のうち4戦では、ローソンとリンドブラッドが連続した順位でチェッカーを受けている。そして、その4戦はいずれもローソンが前でフィニッシュした。

現在ローソンは43ポイントでドライバーズランキング9位につけ、23ポイントで11位のリンドブラッドを20ポイント上回っている。

パーメイン代表が課す唯一のルール「互いに接触するな」
チーム内での競争が激しくなっているものの、パーメインは両ドライバーのバトルを制限する考えはない。

その代わり、レース前には必ず守るべきひとつのルールを伝えているという。

「彼らを信頼するしかない」

パーメインはRacerにそう語った。

「もちろんレース前には話をする。僕は彼らに『いいか、レースをしていい。ただし互いに接触するな』と言っている」

「それが僕からの唯一の要求だ。互いに接触するな」

チームメイト同士がコース上で争うこと自体については、むしろ現在のレーシングブルズの競争力を示す好ましい状況だと考えている。

「これはうれしい悩みだ。正直に言えば、彼らがコースに出れば、僕にとってはドライバーAとドライバーBだ。彼らにもそう伝えている」

ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

「どちらが前でも構わない」最優先はコンストラクターズ選手権
パーメインにとって重要なのは、ローソンとリンドブラッドのどちらがチーム内で上位になるかではない。

「どちらの順番でフィニッシュしても構わない。僕たちにとってコンストラクターズ選手権がすべてだ」

レーシングブルズにとって、今季のランキング5位争いには特別な意味がある。

チームは前身時代を含め、コンストラクターズ選手権で6位を上回ったことがない。現在の5位をシーズン終了まで守ることができれば、チーム史上最高成績となる。

パーメインは、今季の躍進が特定のひとつの要因によるものではなく、チーム全体が機能している結果だと説明する。

「素晴らしいシーズンになっている。もちろん、この素晴らしいチームで働く一人ひとりの努力によるものだ。ファエンツァのみんな、ミルトンキーンズのみんなの力だ」

特に大きいのが、マシンに投入したアップグレードが期待通り機能していることだという。

「違いを生み出しているのは、マシンに投入したものがすべて機能していることだ。かなり大きなアップグレードを持ち込んでも、コースに出ればきちんと機能している」

「ドライバーたちも結果を出している。本当にあらゆる部分がうまく機能している」

F1での将来も懸かる2人の競争
ローソンは今季43ポイントを獲得し、ランキング9位と中団勢の中で存在感を示している。一方、リンドブラッドもルーキーながら23ポイントを挙げ、チームのコンストラクターズ選手権5位争いに貢献している。

さらに背後にはF2首位のツォロフという次のレッドブル育成ドライバーも控える。レーシングブルズの2人にとって、チームメイトとの勝負は単なる2026年シーズンの順位争いだけではなく、今後のF1キャリアにも直結する。

それでもパーメインが求めるのは、チームオーダーによって競争を封じることではない。自由に戦わせながら「接触しない」という最低限の一線だけを設定する方針だ。

コンストラクターズ選手権5位というチーム史上最高成績を目指すレーシングブルズにとって、ローソンとリンドブラッドの激しい競争をポイント獲得につなげ続けられるかが、シーズン後半戦の重要な鍵となる。