カテゴリー: ピレリ

  • フェラーリとレーシングブルズ 2027年F1タイヤ開発テストでイモラ走行

    フェラーリとレーシングブルズ 2027年F1タイヤ開発テストでイモラ走行

    ピレリはイモラ・サーキットで2027年F1シーズンに向けたタイヤ開発テストを2日間にわたって実施し、フェラーリとレーシングブルズが走行を担当した。

    初日はルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレール、2日目はアントニオ・ジョビナッツィ、リアム・ローソン、アービッド・リンドブラッドが参加。2日間で合計400周、1963kmに及ぶデータが収集された。

    ハミルトンとルクレールが初日を担当
    初日はフェラーリが2027年用プロトタイプタイヤのテストを担当。午前はルイス・ハミルトン、午後はシャルル・ルクレールがステアリングを握った。

    テストされたコンパウンドは、レンジの中で最もソフトな3種類となるC3、C4、C5。両ドライバーは各コンパウンドについて複数の仕様を試しながら5周のパフォーマンスランを行い、その後、より適切な仕様を絞り込むためにロングランを実施した。

    ハミルトンは64周、314kmを走行し、ベストタイムは1分19秒485。ルクレールは63周、309kmを走り、1分18秒832を記録した。

    初日のコンディションは厳しい暑さとなり、路面温度は最高50度、気温は32度まで上昇した。

    タイヤ F1 ピレリ

    2日目はローソンとリンドブラッドがレーシングブルズを担当
    2日目はレーシングブルズが加わり、リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドがマシンをシェア。フェラーリからはアントニオ・ジョビナッツィが参加した。

    直近3戦でレッドブル・レーシングからF1に出場しているローソンは、午前中にC3とC4で複数のパフォーマンスランを実施。その後はC4を使用したロングランに重点を移した。

    リンドブラッドも基本的に同様のプログラムをこなし、午後にはC3とC5をテストした。

    一方、ジョビナッツィはC3だけを使用し、予選シミュレーションとロングランの両方を担当した。

    ローソンは65周、319kmを走行して1分18秒471を記録。リンドブラッドは73周、358kmを走り、今回の2日間で最速となる1分18秒454をマークした。

    ジョビナッツィは3人の中で最も多い135周を走行。走行距離は663kmに達し、ベストタイムは1分19秒894だった。2日目も路面温度は最高49度、気温は31度まで上昇した。

    アントニオ・ジョビナッツィ

    イモラで2日間合計1963kmを走破
    今回のイモラテストでは、2日間を通じて5人のドライバーが合計400周、1963kmを走行した。

    各ドライバーの走行結果は以下の通り。

    ルイス・ハミルトン:64周/314km/1分19秒485
    シャルル・ルクレール:63周/309km/1分18秒832
    リアム・ローソン:65周/319km/1分18秒471
    アービッド・リンドブラッド:73周/358km/1分18秒454
    アントニオ・ジョビナッツィ:135周/663km/1分19秒894

    なお、タイムはそれぞれ異なるタイヤ仕様やテストプログラムで記録されたものであり、ドライバーやマシンの純粋なパフォーマンス比較を目的としたものではない。

    ピレリの次回のタイヤ開発テストは10月中旬、フランスのマニクール・サーキットで予定されている。同地ではコースに備えられた人工散水システムを使用し、ウェットコンディション向けの新たなタイヤソリューションが評価される。

    イモラでの2日間は、2027年F1タイヤの候補を絞り込むための重要な走行となり、フェラーリとレーシングブルズの協力によって幅広いコンパウンドと走行条件のデータが蓄積された。

  • F1スペインGP決勝 ピレリ総括:VSCが戦略左右 ハードで45周超のロングラン

    F1スペインGP決勝 ピレリ総括:VSCが戦略左右 ハードで45周超のロングラン

    F1スペインGP決勝では、初開催となったマドリンクでキミ・アントネッリが優勝を飾った。メルセデスのアントネッリはマックス・フェルスタッペン、ランド・ノリスを抑えてトップチェッカーを受け、ドライバーズ選手権でのリードも拡大した。

    決勝では1ストップ戦略が主流となり、表彰台を獲得した3人もすべて1回のタイヤ交換で走り切った。ピレリは、フリー走行でほとんど試されていなかったハードタイヤが高い安定性と耐久性を発揮し、レースの「主役」になったと総括している。

    VSCが1ストップ戦略を後押し
    アントネッリとフェルスタッペンは、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングを利用してピットストップを実施した。一方、ノリスはVSCが導入された時点ですでにピットレーン入口を通過しており、上位2人に対して貴重なタイムを失う形となった。

    アントネッリとノリスはミディアムからハードへ交換。フェルスタッペンはスタート時に履いていたソフトからハードへとつないだ。

    グリッド全体でも1ストップが最も多く選択された。2ストップを実施したのはジョージ・ラッセル、カルロス・サインツJr.、オリバー・ベアマン、フェルナンド・アロンソ、バルテリ・ボッタスの5人だった。

    決勝日のコンディションは前日までと大きく変わらず、路面温度は最高52度、気温は最高32度に達した。

    ピレリ「ハードタイヤがグランプリの主役」
    ピレリ・モータースポーツディレクターのダリオ・マラフスキは、各チームが金曜日の走行から想定されていたものとは異なるアプローチを採用したと説明した。

    「各チームは今日のレースで、金曜日にコース上でシミュレーションしていたものとは異なるアプローチを採りました。バーチャル・セーフティカーによって得られた機会もあり、より慎重にペースとデグラデーションを管理することを選択しました。それによってスティントを大幅に延ばすことができ、フィールドの大半にとって1ストップ戦略が好ましい選択肢となりました」

    特に高いパフォーマンスを示したのがC2のハードだった。フリー走行では十分なロングランデータが得られていなかったものの、決勝では45周を超えるスティントも確認された。

    「グランプリの主役はハードタイヤでした。フリー走行ではほとんど試されなかったコンパウンドですが、今日は非常に高いレベルの安定性を示し、熱的にも機械的にも3種類のコンパウンドの中で最も堅牢であることを証明しました」

    「C2では45周を超えるスティントがいくつもあり、摩耗が非常に大きなレベルに達しても、目立ったパフォーマンス低下はありませんでした」

    ピレリ F1 スペイングランプリ

    ソフトもミディアム並みの耐久性
    ハードだけでなく、ミディアムとソフトも高い路面温度のなかで十分な耐久性を示した。特にC4のソフトについて、ピレリはミディアムに匹敵する競争力のあるスティントを可能にしたと評価している。

    「ミディアムとソフトも、路面温度が高かったにもかかわらず有効な選択肢であることを証明しました。特にC4は、耐久性という点でミディアムと比較できるほど競争力のあるスティントを完了しました」

    懸念されていたグレイニングは主に左フロントに発生したものの、その程度は限定的だった。

    「予想していた通り、グレイニングは主に左フロントタイヤのトレッド内側に現れましたが、その程度は限定的でした。各チームがマシンセットアップとタイヤマネジメントに取り組んだことで、その影響を最小限に抑えることができました」

    また、マドリンクでは追い抜きの機会が少なかったことも、タイヤを長く持たせる展開につながったと分析している。

    「追い抜きの機会が少ないレースだったため、ドライバーはタイヤマネジメントに集中することができました。その結果、戦略面では非常にシンプルなレースになりました」

    スペイングランプリ F1 タイヤ

    ウーゴ・ウゴチュクウのF3王座も祝福
    マラフスキは同日にFIA F3タイトルを獲得したウーゴ・ウゴチュクウにも祝福の言葉を送った。

    「今日、非常に競争の激しいシーズンを戦い抜き、FIA F3チャンピオンに輝いたウーゴ・ウゴチュクウにお祝いを申し上げます」

    「このシリーズは世界中の若い才能にとって重要な試金石であり続けています。タイトル争いが最終戦まで決着しなかったことは、選手権の競争レベルが極めて高かったことを示しています。今年も素晴らしいレースと非常に高いスポーツとしての価値を提供してくれました」

    F1スペインGP終了後、アントネッリは292ポイントでドライバーズ選手権首位を維持し、211ポイントのラッセルとの差を81ポイントに広げた。次戦は9月26日に決勝が行われるF1アゼルバイジャンGP。マドリンクとは大きく特性の異なるバクー市街地コースで、再びタイヤ選択と戦略が重要な要素となる。

  • F1スペインGP決勝戦略:1ストップ有力もグレイニングと赤旗が波乱要因

    F1スペインGP決勝戦略:1ストップ有力もグレイニングと赤旗が波乱要因

    2026年F1第14戦スペインGPの決勝は、初開催となるマドリンクの特性から、タイヤ戦略とレース中断への対応が勝敗を大きく左右する一戦となりそうだ。最も有力なのはミディアムからハードへつなぐ1ストップだが、グレイニングの程度次第では2ストップもほぼ同等のレースタイムになると予測されている。

    さらに、マドリンクではオーバーテイクが非常に難しいと見られており、純粋なタイヤ性能以上にトラックポジションが重要になる。

    一方、週末を通してクラッシュと赤旗が相次いでいることから、セーフティカー(SC)、バーチャル・セーフティカー(VSC)、さらには赤旗による戦略のリセットも十分に考えられる。

    ■ 最有力はミディアム→ハードの1ストップ
    ピレリとF1のシミュレーションで基本戦略とされているのが、ミディアムでスタートし、ハードへ交換して最後まで走る1ストップだ。

    想定されるピットウインドウは18~24周目。マドリンクでは追い抜きが難しいため、タイヤを長く持たせることができれば、ピットストップ回数を減らしてトラックポジションを守るメリットが大きい。

    比較対象として挙げられているのがイモラだ。タイヤだけを考えれば複数回のピットストップが適していても、オーバーテイクの難しさによって1ストップの価値が高まるという点で共通している。

    ただし、最大の不確定要素がグレイニングだ。新舗装は非常にスムーズでありながら予想以上にグリップが高く、フリー走行では左フロントと左リアを中心にかなり強いグレイニングが確認された。

    ピレリのチーフエンジニア、シモーネ・ベッラは「フロントとリアの左タイヤの両方にグレイニングが見られ、場合によってはかなり顕著だった。特にスライドしやすいマシンでは、それが摩耗を加速させていた」と説明する。

    「すでにチーム間では、スティントを通して誰がより効果的にタイヤを管理できるかという違いが見え始めている」

    スペイングランプリ タイヤパフォーマンス

    ■ 2ストップもレースタイムではほぼ互角
    もうひとつの有力候補が、ミディアム→ハード→ハードの2ストップだ。

    この場合、最初のピットストップは10~16周目、2回目は31~37周目が目安となる。シミュレーション上では1ストップとの差はほとんどなく、十分なタイヤ性能差を使って前方のマシンを抜けるのであれば、2ストップが速くなる可能性もある。

    ピレリ・モータースポーツディレクターのダリオ・マラフスキは、1ストップと2ストップを分ける最大の要因としてグレイニングを挙げた。

    「1ストップと2ストップを決める要因になるのはグレイニングかもしれない。最初から十分なペースがなく、さらにタイヤ寿命も最後まで1ストップで走り切れるほど残っていなければ、当然ながらもう1回のストップを使ってレースを管理する必要がある」

    重要なのは、スタート時点でどちらかに完全に決める必要がないことだ。ミディアムでスタートすれば、序盤のデグラデーションとグレイニングを確認してから1ストップか2ストップかを選択できる。

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    ■ ソフトスタートは序盤の順位アップが狙い
    トップ10にはソフトタイヤからスタートする選択肢もある。

    ソフト→ハードの1ストップなら、ピットウインドウは15~21周目。ソフト→ハード→ハードの2ストップでは9~15周目と30~36周目が目安となる。

    総レースタイムではミディアムスタートとの差はわずか数秒と予測されているため、スタート直後のグリップを重視するドライバーにとって魅力的な選択肢となる。

    マドリンクではレース中のオーバーテイクが難しいと予想されているだけに、スタートは順位を上げる最大のチャンスのひとつになる。その意味ではソフトの高いグリップ力には大きな価値がある。

    一方で、ソフトは第1スティントを長く伸ばしにくく、早い段階でSCやVSCが入った場合などに戦略の自由度が低くなるリスクも抱える。

    ■ 後方勢にはハードスタートという賭け
    後方グリッドではハード→ミディアムという逆転戦略も考えられる。

    特にFP3でクラッシュして予選でタイムを記録できず、後方からスタートするオリバー・ベアマンのようなドライバーにとっては、周囲とは異なる戦略を採用する価値がある。

    ハードスタートの場合、理想的なピットウインドウは36~42周目。第1スティントを大幅に伸ばし、その間にSCや赤旗が発生すれば、一気にポジションを上げられる可能性がある。

    逆に何も起きなければ、古いハードで長時間走ることになり、タイヤ性能面では苦しい展開となる。純粋な速さというより、波乱を待つ戦略となる。

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    ■ ほぼ全チームが新品ハード2セットを温存
    戦略をさらに興味深くしているのがハードタイヤのデータ不足だ。

    22台中19台が決勝用としてハードを2セット残している。金曜日にハードを使用したのはアウディだけで、FP1でガブリエル・ボルトレト、FP2でニコ・ヒュルケンベルグが装着。土曜日のFP3ではリアム・ローソンもC2を使用した。

    しかし、いずれも本格的なロングランを実施したわけではなく、プッシュラップとクールダウンを繰り返す走行が中心だった。

    つまり、決勝の中心になると予想されるハードについて、各チームが実戦に近い条件で得たデータは非常に限られている。

    ■ 赤旗の可能性が戦略を大きく左右
    マドリンク特有の大きな要素が、クラッシュ発生時のコース処理だ。

    FP1こそ赤旗なしで終了したものの、FP2ではターン13でアービッド・リンドブラッドがクラッシュ。FP3では最終コーナーでルイス・ハミルトン、ターン10でオリバー・ベアマンが相次いでウォールにヒットし、セッションが中断された。

    ストリートコースという性格上、停止したマシンの撤去に時間がかかり、バリア修復にも長い時間を要する。FP3ではレースコントロールがセッション時計を止めるという異例の対応も取られた。

    そのため決勝でも、長時間SCで隊列をコントロールするより、レースディレクターが赤旗を選択する可能性が通常より高い。

    赤旗が出れば、それまでのタイヤ戦略が大きく変わる。特にハードで第1スティントを伸ばす後方勢にとっては、大きな利益を得る展開もあり得る。

    ■ 気温31度 路面温度54度もタイヤ管理の鍵
    決勝はドライコンディションが予想されており、雨の可能性は低い。気温は約31度、路面温度は最大54度程度まで上昇すると予測されている。

    高い路面温度に加え、すでに確認されているグレイニングが重なるため、ドライバーには慎重なペース管理が求められる。

    基本線はミディアム→ハードの1ストップ。しかし、グレイニングが想定以上に悪化すれば2ストップへ切り替えることができ、SCやVSC、赤旗が発生すれば状況はさらに大きく変化する。

    オーバーテイクが難しいマドリンクでは、単純に最速のタイヤ戦略を選ぶだけではなく、「いつトラックポジションを優先するか」が最大のポイントになる。初開催のF1スペインGPは、タイヤ管理と不測の中断への対応力が勝敗を分ける戦略戦となりそうだ。

  • F1スペインGP予選 ピレリ総括:ハードタイヤが決勝の鍵 1ストップが本命

    F1スペインGP予選 ピレリ総括:ハードタイヤが決勝の鍵 1ストップが本命

    F1スペインGPの予選がマドリンクで行われ、ランド・ノリスが新サーキット初のポールポジションを獲得した。ピレリは予選でソフトタイヤが高いパフォーマンスを発揮した一方、決勝ではハードタイヤが戦略の中心になると分析している。

    追い抜きの難しさとピットレーンでのタイムロスを考慮すると、現時点では1ストップが最も自然な選択肢とされる。

    ただし、金曜日に確認されたデグラデーションが決勝でも続けば2ストップにも競争力があり、セーフティカー(SC)やバーチャル・セーフティカー(VSC)の導入も戦略を大きく左右する可能性がある。

    ノリスがマドリンク初のポールポジション
    マドリンクで初めて行われたF1予選では、ノリスが終盤にキミ・アントネッリからトップを奪い、1分31秒824でポールポジションを獲得した。アントネッリはわずか0.011秒差の1分31秒835で2番手、マックス・フェルスタッペンが1分31秒964で3番手につけた。

    ノリスにとっては今季3回目のポールポジションとなった。現F1ワールドチャンピオンは最後のアタックで自己ベストを更新し、最後まで僅差の争いとなった予選を制した。

    予選時の気温は最高32度、路面温度は53度に達した。セッションを通じて主流となったのはソフト(C4)だったが、フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、ルイス・ハミルトンはQ1をミディアム(C3)でスタート。他のドライバーは最初からソフトを投入した。

    FP3ではローソンだけがハードを使用
    予選前のFP3では、各ドライバーが主に予選シミュレーションに取り組んだ。

    リアム・ローソンだけがハード(C2)を使用し、7周のスティントを実施。アウディ勢はミディアムを使用し、ニコ・ヒュルケンベルグが10周、ガブリエル・ボルトレトが8周を走った。それ以外のドライバーはソフトのみを使用した。

    FP3はハミルトンとオリバー・ベアマンの事故によって2度の赤旗が出された。それでもセッション終了約15分前にレースコントロールが時計を止めたこともあり、各ドライバーは必要な周回数を確保した。

    トップタイムはアントネッリの1分32秒797。ルクレールが1分32秒963で2番手、オスカー・ピアストリが1分32秒986で3番手だった。

    ソフトはシミュレーションより約0.5秒速い
    ピレリ・モータースポーツ・ディレクターのダリオ・マラフスキは、ソフトタイヤが予想以上のパフォーマンスを発揮したと説明した。

    「今日のセッションでは、ソフトコンパウンドの高いパフォーマンスレベルが確認された。フリー走行は長い中断の影響を受けたものの、各チームはC4のさまざまな使い方を評価することができた」

    「路面の進化とサーキットへの自信が増したことで、同じランのなかでもラップタイムを改善できたドライバーもいた」

    一方で、高い路面温度によるオーバーヒートの影響も確認された。

    「一部のドライバーには、主にオーバーヒートが原因で最終セクターに若干のパフォーマンス低下が見られた。それでも全体として、赤いマーキングのタイヤは非常にうまく機能した」

    「実際、予選の最速タイムはシミュレーションと比較して約0.5秒速かった」

    Q1でミディアムを使った狙い
    フェルスタッペン、ルクレール、ハミルトンがQ1でミディアムを選択したことについて、マラフスキは決勝に新品ソフトを残す戦略的な意味があったと指摘する。

    「いくつかのチームがQ1をミディアムで戦い、決勝に新品のソフトを温存することを選んだのも興味深かった」

    「2つのコンパウンドには明確なパフォーマンス差があるが、十分なペースの余裕があるドライバーであれば、すぐにソフトを投入しなくても次のセッションへ進める程度の差だった」

    F1 タイヤ スペイングランプリ

    決勝はミディアム→ハードの1ストップが本命
    ピレリの分析では、日曜日の決勝で最も自然な戦略は1ストップとなる。最大の理由はマドリンクでの追い抜きの難しさと、ピットストップによって失う時間だ。

    「日曜日については、まだ非常にオープンな状況だ。追い抜きの難しさとピットレーンで失う時間を考えれば、現時点では1ストップ戦略が最も自然な選択肢に見える」

    「ただし、デグラデーションが金曜日に確認されたレベルのままであれば、2ストップ戦略にも十分な競争力がある可能性がある」

    具体的には、ミディアム→ハードの1ストップと、ミディアム→ハード→ハードの2ストップが有力候補となる。

    一方、ソフト→ハードおよびソフト→ハード→ハードは、レース全体では約2秒遅いと推定されている。

    ハード2セット温存が決勝戦略のポイント
    決勝で重要な役割を担うと予想されているのが、最も硬いC2だ。

    「C2は間違いなく最も安定したコンパウンドだ。大多数のドライバーがまさにその理由から2セットとも温存している」

    ハードを2セット残しておけば、ミディアムからハードにつなぐ1ストップだけでなく、状況に応じてハードを2回使用する2ストップにも切り替えられる。金曜日に見られたデグラデーションが想定以上になった場合にも対応しやすく、決勝での戦略的な自由度を確保する意味合いが大きい。

    SCとVSCが戦略を一変させる可能性
    ただし、ピレリが決勝の大きな不確定要素として挙げているのがSCとVSCだ。

    「多くはセーフティカーやバーチャル・セーフティカーが導入される可能性に左右される。バリアがコースに非常に近い市街地サーキットであり、これまでのセッションですでに見てきたように、真剣に考慮しなければならない要素だ」

    マドリンクでは週末を通じて赤旗につながるアクシデントが発生しており、決勝でもSCやVSCによって通常より小さいロスタイムでタイヤ交換できる局面が生まれれば、1ストップと2ストップの優劣が一気に変わる可能性がある。

    現状ではミディアムからハードにつなぐ1ストップが本命だが、C2を2セット温存したドライバーが多いことで戦略の選択肢は広い。初開催となるマドリンクでのF1スペインGP決勝は、ハードタイヤの扱いとレース中のニュートラリゼーションへの対応が勝敗を分ける重要なポイントとなりそうだ。

  • F1スペインGP ピレリ総括:予想以上のデグラデーション「ハードが決勝の鍵」

    F1スペインGP ピレリ総括:予想以上のデグラデーション「ハードが決勝の鍵」

    2026年F1第14戦スペインGPの初日走行を終え、ピレリは新設マドリンクで予想以上のタイヤデグラデーションが確認されたと報告した。特に左側のフロントとリアにはグレイニングが発生し、決勝ではハードタイヤが重要な選択肢になるとの見方を示している。

    金曜日は路面温度がFP2開始時に51度まで上昇し、気温も32度に達した。路面自体は非常にスムーズながらグリップレベルが高く、ピレリによれば今季ここまででも最高水準。高いグリップと高温、そしてマシンのスライドが組み合わさることで、タイヤの摩耗とデグラデーションが想定以上に進む状況となった。

    ミディアムが全周回の58%を占める
    初日に最も多く使用されたのはC3ミディアムで、全周回数の58%を占めた。オリバー・ベアマンは1セットのC3で最多となる23周を走行した。

    C4ソフトではシャルル・ルクレールが1セットで17周を走行し、同コンパウンドでの最長スティントを記録した。一方、C2ハードを使用したのはFP1のガブリエル・ボルトレトとFP2のニコ・ヒュルケンベルグのみ。ヒュルケンベルグは1分35秒746を記録し、ハードでの初日最速タイムを残した。

    FP2ではキミ・アントネッリがC4ソフトで1分33秒662をマークして初日総合トップ。シャルル・ルクレールが0.113秒差の2番手、ルイス・ハミルトンが1分33秒811で3番手に続いた。

    また、アントネッリはミディアムでも1分33秒926を記録しており、これが初日のC3最速タイムとなった。ピレリによると、ミディアムとソフトの性能差は平均約0.5秒で、事前の予想よりも小さかったという。

    左右両輪ではなく左側タイヤにグレイニング
    ピレリのチーフエンジニア、シモーネ・ベッラは、新サーキットで初めて実走データを収集できたことの重要性を強調する一方、FP2でアービッド・リンドブラッドのクラッシュによる赤旗が出たことで、決勝に向けたロングランのデータ収集が制限されたと説明した。

    「今日は完全に新しいサーキットで、我々と各チームが初めて実走データを収集できたという意味で、特に重要な一日だった」

    「残念ながらFP2の中盤に出た赤旗によってロングランの周回数と長さの両方が減り、決勝という観点では得られた情報が限られることになった」

    タイヤの状態については、左側の前後輪でグレイニングが確認されたという。

    「フロントとリアの左タイヤの両方でグレイニングが見られ、場合によってはかなり顕著だった。特にスライドしやすいマシンでは、それが摩耗を加速させる要因になっていた」

    「スティントを通じて、どのチームがより効果的にタイヤを管理できているのかという点でも、すでに違いが見え始めている」

    スペイングランプリ タイヤ

    高グリップの滑らかな路面がグレイニングを誘発
    マドリンクの路面について、ベッラは走行開始直後から予想以上に高いグリップが得られていたと説明する。

    「路面コンディションは最初から非常に良く、グリップレベルは今季ここまでで最も高い部類だった。高いグリップと非常に滑らかな路面の組み合わせによってグレイニングが発生しやすくなった」

    もっとも、走行によって路面がラバーインしていけば状況は改善するとみられており、その傾向は金曜日の段階ですでに確認されたという。

    「サーキットのコンディションが進化していけば、グレイニングは多少軽減されるはずだ。その傾向は一日を通してすでに確認できていた」

    決勝ではC2ハードが重要な選択肢
    初日のデータを踏まえ、ピレリが特に注目しているのがC2ハードだ。事前予測を上回るデグラデーションに加え、週末を通じて高温が続く予報となっているため、決勝では重要性が高まると分析している。

    「デグラデーションのレベルが当初の予想より高く、今後数日間も高温が続くと予想されていることを考えれば、ハードタイヤは決勝に向けて最も重要な選択肢になる」

    一方、土曜日の予選ではソフトタイヤをいかに早く機能させるかがポイントになる。高い路面温度によって熱による性能低下が早く始まる可能性があり、アタックラップを重ねるよりも最初のフライングラップを最大限に生かすことが求められる。

    「予選では熱によるデグラデーションが始まる前に、最初のフライングラップを最大限に生かすことが非常に重要になる。同時にトラフィックを慎重に管理する必要があり、それがこのサーキットでは決定的な要素になる可能性がある」

    マドリンクでは初日から高いグリップと予想以上のデグラデーションという特徴が浮かび上がった。路面の進化によってグレイニングがどこまで改善するかに加え、決勝でC2ハードをどう組み込むかが各チームの戦略を左右することになりそうだ。

  • 2026年F1イタリアGP 決勝:持ちタイヤ数&タイヤ戦略予想

    2026年F1イタリアGP 決勝:持ちタイヤ数&タイヤ戦略予想

    2026年F1イタリアGP決勝は、タイヤのデグラデーションが非常に小さいことから、基本的には1ストップ戦略が主流になると予想されている。ただし、ミディアム、ハード、ソフトのどの組み合わせも成立する可能性があり、単純な「最速戦略」だけでは勝負を読み切れないレースとなりそうだ。

    ポールポジションからスタートするのはアルピーヌのピエール・ガスリー。予選Q1で最速、Q2で4番手、そしてQ3ではジョージ・ラッセルを0.060秒差で退け、自身F1初のポールポジションを獲得した。

    アルピーヌにとって近年ほとんどなかった優勝争いのチャンスだけに、スタートタイヤとピットストップのタイミングが極めて重要になる。

    最速はミディアム→ハードの1ストップ
    ピレリのシミュレーションで理論上最速とされているのは、ミディアムでスタートし、ハードへ交換する1ストップ戦略だ。

    最適なピットウインドウは24~30周目。53周で争われるモンツァではオーソドックスな組み立てだが、今回の特徴は、他の1ストップ戦略とのタイム差が非常に小さいことにある。

    フリー走行で確認されたタイヤのデグラデーションは非常に低く、フロントタイヤにわずかなグレイニングの兆候はあったものの、十分にコントロールできる範囲だった。

    そのため、3種類のコンパウンドから2種類を選び、どの順番で使用してもレースを成立させられる可能性が高い。

    ミディアム→ハードが基準ではあるものの、それ以外の戦略も総レースタイムでは数秒以内に収まると予測されている。つまり、タイヤそのものよりも、それぞれのマシンがどのコンパウンドを得意としているかが重要になる。

    イタリアグランプリ タイヤ戦略

    ソフトスタートは序盤のポジション争いで武器
    ソフト→ハードの場合、想定されるピットウインドウは19~25周目。ミディアム→ソフトなら30~36周目、ソフト→ミディアムなら22~28周目となる。

    いずれも十分に現実的な戦略だ。

    特に注目されるのがソフトスタート。今週末のモンツァではオーバーテイクが必ずしも容易ではなく、スタート直後と序盤にソフトのグリップを使って順位を守る、あるいはポジションを上げるメリットは大きい。

    ポールのガスリーにとっても、長いホームストレートから第1シケインへ向かうスタートは大きな関門となる。後方にはラッセルをはじめ強力なライバルが並ぶだけに、序盤のトラックポジションを重視するならソフトは魅力的な選択肢となる。

    一方でリスクもある。早い段階でセーフティカーが導入されれば、多くのマシンが一斉にピットへ向かう可能性があり、その後をハードで長く走らなければならなくなる。

    ハード自体の耐久性が問題になるというより、長いハードスティントの終盤に再びセーフティカーが入った場合、より新しいタイヤを履いたライバルに対して不利になる可能性がある。

    イタリアグランプリ タイヤ差

    コンパウンド間の差は小さい
    ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキによれば、ハードとミディアムのラップタイム差は約0.2秒、ミディアムとソフトでは約0.5~0.6秒と見積もられている。

    ただし、決勝ではタイヤマネジメントが必要になるため、その理論上の差がそのまま表れるとは考えられていない。

    「コンパウンド間のラップタイム差は、ハードとミディアムで0.2秒、ミディアムとソフトでは0.5~0.6秒です。ただし、マネジメントを考えれば、レース中にそれが本当の意味で差になるとは思っていません。だからこそ、すべての戦略が接近しているのです」

    戦略ごとの期待値が接近していることで、ピットウォールは事前に決めたプランだけではなく、ライバルの動きやセーフティカー、トラフィックを見ながら判断する必要がある。

    昨年はミディアム勢がピットストップを大幅に先送り
    昨年のF1イタリアGPも基本戦略はミディアム→ハードの1ストップで、当初の想定ピットウインドウは22~28周目だった。

    しかし、上位勢はなかなかピットストップを決断しなかった。

    首位を走っていたマックス・フェルスタッペンがハードへ交換したのは37周目。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリはさらにステイアウトし、セーフティカーによる“安いピットストップ”の可能性を狙った。

    最終的にフェルスタッペンがセーフティカーウインドウまで迫ったことで、ノリスは45周目、ピアストリは46周目にピットイン。残り数周をソフトで走った。

    完走したドライバーで2ストップを選択した者はおらず、ミディアムスタートが主流だった。一方、14番グリッドからスタートしたアレックス・アルボンはハード→ミディアムで7位、19番グリッドからスタートしたアイザック・ハジャーも同じ戦略で10位に入り、後方スタートでは逆方向の戦略も機能することを示した。

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    後方スタート勢にはハード→ソフトという選択肢
    後方グリッドからスタートするドライバーにとっては、ハード→ソフトも有力な選択肢になる。

    この場合、理論上の最適なピットウインドウは32~38周目。ハードで第1スティントを長く引っ張り、終盤にソフトへ交換して攻撃する形だ。

    さらに後方スタートでは、必ずしも理論上の最適周回でピットへ入る必要はない。ハードで可能な限り走り続け、終盤のセーフティカーを待つというギャンブルも成立する。

    通常の展開ならピレリはハードスタートを本命とはみていないが、後方から順位を上げるには、前方のマシンと異なる戦略を採用すること自体に意味がある。

    気温33度 路面温度は約55度の酷暑
    決勝日のモンツァは厳しい暑さになる見込みで、気温は33度、路面温度は約55度まで上昇すると予想されている。

    通常ならタイヤの熱劣化が懸念される条件だが、今週末の走行では高温による深刻なデグラデーションは確認されていない。

    つまり、暑さそのものによって2ストップが必要になる可能性は現時点では低く、依然として1ストップが基本線となる。

    ガスリーは「速さ」よりトラックポジションを守れるか
    戦略の自由度が高い今回のF1イタリアGPでは、ポールスタートのガスリーにとって、必ずしも理論上最速のミディアム→ハードを選ぶことが正解とは限らない。

    後方のマシンが異なるタイヤを選択すれば、スタート直後のグリップ差、アンダーカットとオーバーカット、セーフティカーのタイミングによって優位性は簡単に変化する。

    特にモンツァではピットストップによってトラックポジションを失えば、速いマシンでも前車を抜くために時間を費やす可能性がある。一方、デグラデーションが小さいため、第1スティントを延ばしてセーフティカーを待つ戦略も成立しやすい。

    最速とされるミディアム→ハードを軸に、ソフトの序盤性能を取るのか、ハードで長く引っ張るのか。各戦略の差がわずかだからこそ、2026年F1イタリアGPはタイヤ選択そのものよりも、レース展開に対していつ戦略を切り替えるかが勝負を左右することになりそうだ。

  • F1イタリアGP決勝は1ストップ有力 ピレリ「3種類すべてが戦略の選択肢」

    F1イタリアGP決勝は1ストップ有力 ピレリ「3種類すべてが戦略の選択肢」

    2026年F1イタリアGPの決勝に向け、ピレリは1ストップ戦略が最も競争力の高い選択肢になるとの分析を示した。ミディアムからハードが理論上の最速戦略となる一方、ソフトを使うパターンとの差も小さく、3種類すべてのコンパウンドが実戦で十分に機能するとみている。

    モンツァでは予選でもタイヤが大きな焦点となった。ピエール・ガスリーがソフトタイヤで1分21秒786を記録し、自身初のF1ポールポジションを獲得。

    ジョージ・ラッセルを0.060秒、オスカー・ピアストリを0.180秒差で抑えた。高温下でもデグラデーションは限定的で、決勝では各チームのスタート位置やマシン特性によって戦略が分かれる可能性がある。

    ガスリーがソフトで自身初のF1ポール
    F1イタリアGP予選は気温35度を超え、路面温度が49度に達する厳しい暑さのなかで行われた。決勝も同様のコンディションが予想されている。

    予選では大半のドライバーがソフト(C5)を使用したが、Q1序盤ではラッセルとリアム・ローソンがミディアム(C4)を選択。ラッセルはC4でQ1最速タイムを記録し、ローソンはその後C5に交換してタイムを更新した。

    最終的にポールポジションを獲得したのはアルピーヌのガスリーだった。自身のF1初優勝を飾ったモンツァで1分21秒786をマークし、キャリア初のポールポジションを手にした。

    2番手のラッセルは1分21秒846、3番手のピアストリは1分21秒966。ガスリーはソフトタイヤのグリップを最大限に引き出し、僅差の争いを制した。

    FP3ではラッセルが1分22秒219でトップ。ルイス・ハミルトンが2番手、マックス・フェルスタッペンが3番手に続いた。このセッションで使用されたのはミディアムとソフトのみで、アレクサンダー・アルボンは同じソフト1セットで最多19周、ガスリーは同じミディアム1セットで最多17周を走行した。

    最速はミディアムからハードの1ストップ
    ピレリ・モータースポーツ・ディレクターのダリオ・マラフスキによれば、シミュレーションでは1ストップが最も競争力の高い戦略となっている。ただし、複数の戦略の総レースタイムは非常に接近しているという。

    「我々のシミュレーションでは、モンツァでは1ストップ戦略が最も競争力の高い選択肢になることが示されている。ただし、総レースタイムという点では、いくつかのバリエーションが非常に接近している」

    「スタートタイヤの選択は、それぞれのマシンの特性だけでなく、グリッド位置に応じて各チームがどのような戦略的アプローチを採用したいかによって決まる可能性が高い」

    理論上の最速はミディアム(C4)でスタートし、24~30周目にピットストップを行ってハードへ交換、そのままフィニッシュまで走り切る戦略だ。

    「ミディアムは最も高い柔軟性を提供するように見える。レース序盤でも後半でも、セーフティカーなどによるニュートラリゼーションが発生した場合に対応することができる」

    「机上で最も速い戦略はC4でスタートし、24~30周目にピットストップを行い、ハードに交換してチェッカーフラッグまで走るものだ」

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    ミディアムからソフトでも差は約2秒
    一方、ミディアムからソフトへつなぐ戦略も十分に成立する。ピレリの試算では、レース全体で最速戦略との差は約2秒にすぎない。

    「代替案としては、30~36周目にミディアムからソフトへ交換する戦略があり、レース全距離では約2秒遅いと推定している」

    予選で中心となったC5ソフトについても、ピレリは決勝で十分に使用可能だと評価している。特にスタート直後の高いグリップを生かし、ターン1までの長いストレートで順位を上げたいドライバーにとって魅力的な選択肢になる。

    「C5はレースでも完全に使用できることが証明されており、より高い初期グリップを生かして、ターン1へ向かう長いストレートでポジションを上げたいドライバーにとって興味深い選択肢になる可能性がある」

    「この場合、最適なピットストップのウインドウは19~25周目となり、そこからハードでチェッカーフラッグまで走ることになる」

    3コンパウンドともデグラデーションは限定的
    戦略の自由度を高めているのが、モンツァで確認された低いタイヤデグラデーションだ。ピレリによれば、3種類すべてのコンパウンドで重大な摩耗や大幅なパフォーマンス低下は確認されていない。

    「今日収集したデータでは、3種類すべてのコンパウンドでデグラデーションが限定的であることが確認された。重大な摩耗や大きなパフォーマンス低下の兆候もない」

    「昨日確認されたグレイニングも限定的なままで、スティントマネジメントに大きな影響を及ぼすことはないと予想している」

    モンツァ特有のレイアウトもタイヤ管理を容易にする要因となる。長いストレートが多い一方でトラクションへの要求が比較的小さく、リアタイヤの温度上昇を抑えやすい。

    「このサーキットは長いストレートを持ち、トラクションへの要求が比較的低いため、リアタイヤの温度をコントロールするうえでも有利に働き、グランプリを通して最適な熱管理を促してくれる」

    「したがって、各チームには複数の戦略的な選択肢がある。3種類すべてのコンパウンドが完全に使用可能であり、レースがどのように展開するかによって、それぞれ異なるチャンスをもたらすことができる」

    デグラデーションが小さく、最速とされるミディアム→ハードだけでなく、ミディアム→ソフトやソフト→ハードも現実的な選択肢となるF1イタリアGP。タイヤそのものの寿命よりも、グリッド位置、スタートでの順位変動、セーフティカーなどのレース展開に合わせてピットストップのタイミングをどう組み立てるかが、勝敗を左右するポイントになりそうだ。

  • F1イタリアGP 異色のトロフィー「FRAGILE」を発表 食器を重ねた芸術作品

    F1イタリアGP 異色のトロフィー「FRAGILE」を発表 食器を重ねた芸術作品

    2026年F1第13戦イタリアGPで表彰台に立つドライバーたちに贈られるトロフィー「FRAGILE」が公開された。カップや小さなボウルを積み重ねたような、F1のトロフィーとしては極めて異色のデザインとなっている。

    タイトルスポンサーを務めるピレリが、イタリア人アーティストと共同で制作したもので、一見すると今にも崩れそうな食器の塔。しかし、その不安定さには「勝利は永遠ではなく、常に勝ち取り直さなければならない」という意味が込められている。

    モンツァの勝者に贈られる「FRAGILE」
    2026年のイタリアGPは、モンツァ・サーキットで開催される77回目の大会となる。「スピードの神殿」と呼ばれるモンツァはF1カレンダーを代表する歴史的な舞台であり、イタリアのタイヤメーカーであるピレリにとってはホームレースでもある。

    ピレリとモンツァの関係は、F1誕生よりもはるか以前までさかのぼる。1922年9月10日、新設されたモンツァで初めて開催されたグランプリでは、ピエトロ・ボルディーノがピレリタイヤを装着したフィアット804を駆って優勝した。

    その歴史を持つピレリは今年もイタリアGPのタイトルスポンサーを務め、特別なトロフィーと表彰台用キャップを用意した。

    日曜日の決勝後、トップ3のドライバーと優勝チームの代表者が手にするのが「FRAGILE」だ。

    カップとボウルを積み重ねた異色のデザイン
    「FRAGILE」をデザインしたのは、ステラ・スカラとシメオネ・クリスピーノによるイタリアのアーティストデュオ「vedovamazzei」だ。

    ピレリは現代美術館「Pirelli HangarBicocca」と共同で、イタリアGPのトロフィーを国内のアーティストにデザインしてもらうプロジェクトを展開しており、今回で6年目を迎える。

    vedovamazzeiは、日常的な物を別の文脈に置き換えることで、現実に存在する矛盾や複雑さを表現する作品で知られる。

    今回の「FRAGILE」も、その作風を色濃く反映したものだ。

    トロフィーは、カップや小さなボウルといった家庭で使われる食器を縦に積み重ねたような構造になっている。それぞれが微妙にずれながら重なり、今にもバランスを崩しそうな外観を作り出している。

    だが、この不安定さこそが作品の核心だという。

    「トロフィーのアイデアは、祝杯のカップを人から人へと回していた古い伝統から生まれました」とステラ・スカラとシメオネ・クリスピーノは説明する。

    「それは飲み物を入れる大きな器として使われ、祝福や喜びをみんなで共有する感覚を生み出していました」

    イタリアグランプリ 2026年トロフィー 「FRAGILE」

    「勝利は不安定で一時的なもの」
    「FRAGILE」は、勝者がひとりで手にするトロフィーでありながら、その背後に存在するコミュニティーも表現している。

    「私たちは、このトロフィーを個人が手にする勝利の象徴であると同時に、コミュニティーの精神を映し出すものにしたいと考えました」

    「F1の場合、そのコミュニティーにはチーム、ファン、そしてドライバーを取り巻くすべての世界が含まれます」

    さらに、積み重ねられた食器には、F1で勝利を築き上げていく過程そのものが重ねられている。

    「この構成は、繰り返される動作を通じて日常的な側面も想起させます。それは1周ずつ積み上げて獲得する勝利を示しており、決して永遠で不変の地位ではありません」

    「勝利は不安定で、一時的なものであり、もう一度勝ち取らなければなりません。実際、それは“壊れやすい(FRAGILE)”ものなのです」

    食器が崩れそうな状態で積み上げられたデザインと「FRAGILE」という名称には、F1における勝利の儚さが込められている。

    3Dプリントで製造された最先端のトロフィー
    日用品をモチーフとしている一方で、「FRAGILE」の製造には現代的な技術が投入されている。

    制作は紙に描かれたスケッチから始まり、そのデザインをもとにナイロンパウダーを使用した3Dプリントで造形された。

    その後、塗装、電気めっき、研磨といった工程を経て、表面には鏡のような反射性を持たせている。

    伝統的な芸術制作、身近な日用品、そして最新の製造技術を組み合わせた作品というわけだ。

    このプロジェクトでは、2021年にアリーチェ・ロンキ、2022年にパトリック・トゥットフォーコ、2023年にルース・ベラハ、2024年にアンドレア・サラ、2025年にニコ・ヴァシェラーリがイタリアGPのトロフィーを手掛けてきた。

    2026年のモンツァで勝者を待つ「FRAGILE」は、単に奇抜さを狙ったトロフィーではない。1周ずつ積み上げて初めて手にできる一方、その勝利は永遠に保証されるものではなく、次のレースでは再びゼロから勝ち取らなければならない。

    今にも崩れそうなカップとボウルの積み重ねは、F1で勝利することの価値と、その地位の儚さを表現した作品となっている。

  • 岩佐歩夢 レッドブルF1のRB22で117周 2027年タイヤ3種類をテスト

    岩佐歩夢 レッドブルF1のRB22で117周 2027年タイヤ3種類をテスト

    ピレリは、2027年F1シーズンに向けたタイヤ開発テストの2日目をムジェロ・サーキットで実施した。岩佐歩夢がレッドブル・レーシングのRB22で117周を走行し、この日参加した3人のドライバーで唯一、C1、C2、C3の全3種類のコンパウンドをテストした。

    2日目には岩佐歩夢のほか、マクラーレンのランド・ノリス、アウディのニコ・ヒュルケンベルグが参加。2027年用ラインナップのなかでも最もハード側となる3種類のコンパウンド開発に重点が置かれた。

    岩佐歩夢がRB22でC1、C2、C3をすべてテスト
    岩佐歩夢はレッドブル・レーシングのRB22をドライブし、午前中を中心にC1とC2の評価に取り組んだ。午後には複数のC3プロトタイプを比較するスクリーニング走行を実施。この日、3種類すべてのコンパウンドを試したのは岩佐歩夢だけだった。

    岩佐歩夢は合計117周、614kmを走行。ベストタイムは1分23秒414を記録した。

    一方、ランド・ノリスは一日を通してC2の開発に専念した。午前中に複数のプロトタイプを評価し、午後にはそのなかから有望と判断された仕様をさらに詳しく比較した。

    ノリスは115周、603kmを走行し、ベストタイムは1分21秒899だった。

    ニコ・ヒュルケンベルグはC2とC3を組み合わせたプログラムを担当。3人で最多となる121周、635kmを走り、1分24秒012のベストタイムを記録した。

    岩佐歩夢(レッドブル・レーシング)

    2日間で2948kmを走破
    ムジェロで行われた今回のテストは2日間の日程で実施され、初日にはマクラーレンのオスカー・ピアストリとレッドブル・レーシングのリアム・ローソンが走行した。

    5人のドライバーによる2日間の総走行距離は2948kmに達した。2日目は路面温度が最高52度まで上昇するコンディションとなり、2027年に向けたドライタイヤ開発のための貴重なデータが収集された。

    ピレリによる次回のドライタイヤ開発テストは9月15日と16日にイモラで予定されており、フェラーリとレーシングブルズが参加する。

    岩佐歩夢にとっては、RB22で117周を走り込み、2027年F1タイヤのハード側3種類すべてを評価する重要な役割を担ったテストとなった。

  • レッドブルF1 2027年タイヤテストでローソンがRB22で116周 2日目は岩佐歩夢

    レッドブルF1 2027年タイヤテストでローソンがRB22で116周 2日目は岩佐歩夢

    ピレリは8月26日、ムジェロ・サーキットで2027年F1シーズンに向けたタイヤ開発テストの初日を実施した。マクラーレンとレッドブル・レーシングが参加し、すでに仕様が確定している2027年用タイヤの構造をベースに、C1、C2、C3のコンパウンド候補を評価した。

    レッドブルではリアム・ローソンがRB22をドライブして116周、マクラーレンではオスカー・ピアストリがMCL40で93周を走行。

    ピレリは短いスクリーニング走行からロングランまで幅広いプログラムをこなし、2027年に使用するコンパウンドの最終選定に向けてデータを収集した。

    2027年タイヤは構造確定 コンパウンド選定が焦点
    ピレリは数週間前に2027年用F1タイヤの構造を確定しており、現在の開発作業は主にコンパウンドの評価と選定へと移っている。

    ムジェロで行われた2日間のテストにはC1、C2、C3の3種類が持ち込まれた。ピレリにとって今回の走行は、それぞれの候補について性能や耐久性、デグラデーションなどを比較し、来季に向けたラインアップを絞り込むための重要な機会となる。

    初日は路面温度が最大55度に達する暑いコンディションとなり、異なる走行距離で各コンパウンドの特性を確認することができた。

    ローソンはC3を集中評価 116周608kmを走破
    レッドブル・レーシングではリアム・ローソンがRB22を担当した。

    ローソンのプログラムはC3を中心に組まれ、まず異なる仕様を比較するため、それぞれ8周のスクリーニングランを実施。午後には走行距離を延ばし、午前中の評価で好印象だった候補を検証するためのロングスティントに取り組んだ。

    ローソンはこの日、参加した2人の中で最多となる116周を走破。総走行距離は608kmに達した。

    ベストタイムは1分22秒297だった。

    今回ローソンが起用されたことは、レッドブルにとって実戦面でも意味を持つ。手首を負傷したアイザック・ハジャーがF1イタリアGPまでに復帰できない場合、ローソンが引き続き代役を務める可能性があるためだ。ムジェロでRB22を長時間走らせることは、そうした状況に備える意味でも有益な機会となった。

    ピアストリはC1 C2 C3を比較 最速タイムを記録
    マクラーレンではオスカー・ピアストリがMCL40をドライブし、ピレリが用意したC1、C2、C3のすべてをテストした。

    ピアストリは主にショートスティントによる比較作業を進め、その後、テスト終盤にはそれぞれ14周のランを2回実施。短距離での性能だけでなく、走行を重ねた際の挙動についてもデータを収集した。

    走行周回数は93周、総走行距離は488km。ベストタイムは1分21秒358で、ローソンを0.939秒上回り、この日の最速タイムとなった。

    ただし、今回のテストは各チームが同一条件で速さを競うものではなく、装着したタイヤの仕様や走行プログラムも異なる。ラップタイムそのものよりも、ピレリが各候補から得た比較データが重要となる。

    岩佐歩夢

    2日目はランド・ノリスと岩佐歩夢 アウディも参加
    ムジェロでのピレリF1タイヤテストは27日も継続され、参加ドライバーが交代する。

    マクラーレンでは現F1ワールドチャンピオンで、直近の2戦を連勝しているランド・ノリスがMCL40を担当する。

    レッドブル・レーシングではリアム・ローソンに代わって岩佐歩夢がRB22をドライブする予定だ。

    さらに2日目からはアウディもテストに加わる。R26を担当するのはニコ・ヒュルケンベルグ。前戦F1オランダGPでは8位に入り、アウディにポイントを持ち帰っている。

    ピレリはマクラーレン、レッドブル、アウディの3チームから得られるデータを比較しながら、2027年F1シーズンに投入するコンパウンドの最終決定に向けた作業を進めていく。