F1スペインGP予選 ピレリ総括:ハードタイヤが決勝の鍵 1ストップが本命

F1スペインGP予選 ピレリ総括:ハードタイヤが決勝の鍵 1ストップが本命

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F1スペインGPの予選がマドリンクで行われ、ランド・ノリスが新サーキット初のポールポジションを獲得した。ピレリは予選でソフトタイヤが高いパフォーマンスを発揮した一方、決勝ではハードタイヤが戦略の中心になると分析している。

追い抜きの難しさとピットレーンでのタイムロスを考慮すると、現時点では1ストップが最も自然な選択肢とされる。

ただし、金曜日に確認されたデグラデーションが決勝でも続けば2ストップにも競争力があり、セーフティカー(SC)やバーチャル・セーフティカー(VSC)の導入も戦略を大きく左右する可能性がある。

ノリスがマドリンク初のポールポジション
マドリンクで初めて行われたF1予選では、ノリスが終盤にキミ・アントネッリからトップを奪い、1分31秒824でポールポジションを獲得した。アントネッリはわずか0.011秒差の1分31秒835で2番手、マックス・フェルスタッペンが1分31秒964で3番手につけた。

ノリスにとっては今季3回目のポールポジションとなった。現F1ワールドチャンピオンは最後のアタックで自己ベストを更新し、最後まで僅差の争いとなった予選を制した。

予選時の気温は最高32度、路面温度は53度に達した。セッションを通じて主流となったのはソフト(C4)だったが、フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、ルイス・ハミルトンはQ1をミディアム(C3)でスタート。他のドライバーは最初からソフトを投入した。

FP3ではローソンだけがハードを使用
予選前のFP3では、各ドライバーが主に予選シミュレーションに取り組んだ。

リアム・ローソンだけがハード(C2)を使用し、7周のスティントを実施。アウディ勢はミディアムを使用し、ニコ・ヒュルケンベルグが10周、ガブリエル・ボルトレトが8周を走った。それ以外のドライバーはソフトのみを使用した。

FP3はハミルトンとオリバー・ベアマンの事故によって2度の赤旗が出された。それでもセッション終了約15分前にレースコントロールが時計を止めたこともあり、各ドライバーは必要な周回数を確保した。

トップタイムはアントネッリの1分32秒797。ルクレールが1分32秒963で2番手、オスカー・ピアストリが1分32秒986で3番手だった。

ソフトはシミュレーションより約0.5秒速い
ピレリ・モータースポーツ・ディレクターのダリオ・マラフスキは、ソフトタイヤが予想以上のパフォーマンスを発揮したと説明した。

「今日のセッションでは、ソフトコンパウンドの高いパフォーマンスレベルが確認された。フリー走行は長い中断の影響を受けたものの、各チームはC4のさまざまな使い方を評価することができた」

「路面の進化とサーキットへの自信が増したことで、同じランのなかでもラップタイムを改善できたドライバーもいた」

一方で、高い路面温度によるオーバーヒートの影響も確認された。

「一部のドライバーには、主にオーバーヒートが原因で最終セクターに若干のパフォーマンス低下が見られた。それでも全体として、赤いマーキングのタイヤは非常にうまく機能した」

「実際、予選の最速タイムはシミュレーションと比較して約0.5秒速かった」

Q1でミディアムを使った狙い
フェルスタッペン、ルクレール、ハミルトンがQ1でミディアムを選択したことについて、マラフスキは決勝に新品ソフトを残す戦略的な意味があったと指摘する。

「いくつかのチームがQ1をミディアムで戦い、決勝に新品のソフトを温存することを選んだのも興味深かった」

「2つのコンパウンドには明確なパフォーマンス差があるが、十分なペースの余裕があるドライバーであれば、すぐにソフトを投入しなくても次のセッションへ進める程度の差だった」

F1 タイヤ スペイングランプリ

決勝はミディアム→ハードの1ストップが本命
ピレリの分析では、日曜日の決勝で最も自然な戦略は1ストップとなる。最大の理由はマドリンクでの追い抜きの難しさと、ピットストップによって失う時間だ。

「日曜日については、まだ非常にオープンな状況だ。追い抜きの難しさとピットレーンで失う時間を考えれば、現時点では1ストップ戦略が最も自然な選択肢に見える」

「ただし、デグラデーションが金曜日に確認されたレベルのままであれば、2ストップ戦略にも十分な競争力がある可能性がある」

具体的には、ミディアム→ハードの1ストップと、ミディアム→ハード→ハードの2ストップが有力候補となる。

一方、ソフト→ハードおよびソフト→ハード→ハードは、レース全体では約2秒遅いと推定されている。

ハード2セット温存が決勝戦略のポイント
決勝で重要な役割を担うと予想されているのが、最も硬いC2だ。

「C2は間違いなく最も安定したコンパウンドだ。大多数のドライバーがまさにその理由から2セットとも温存している」

ハードを2セット残しておけば、ミディアムからハードにつなぐ1ストップだけでなく、状況に応じてハードを2回使用する2ストップにも切り替えられる。金曜日に見られたデグラデーションが想定以上になった場合にも対応しやすく、決勝での戦略的な自由度を確保する意味合いが大きい。

SCとVSCが戦略を一変させる可能性
ただし、ピレリが決勝の大きな不確定要素として挙げているのがSCとVSCだ。

「多くはセーフティカーやバーチャル・セーフティカーが導入される可能性に左右される。バリアがコースに非常に近い市街地サーキットであり、これまでのセッションですでに見てきたように、真剣に考慮しなければならない要素だ」

マドリンクでは週末を通じて赤旗につながるアクシデントが発生しており、決勝でもSCやVSCによって通常より小さいロスタイムでタイヤ交換できる局面が生まれれば、1ストップと2ストップの優劣が一気に変わる可能性がある。

現状ではミディアムからハードにつなぐ1ストップが本命だが、C2を2セット温存したドライバーが多いことで戦略の選択肢は広い。初開催となるマドリンクでのF1スペインGP決勝は、ハードタイヤの扱いとレース中のニュートラリゼーションへの対応が勝敗を分ける重要なポイントとなりそうだ。