ピエール・ガスリーは、2026年F1イタリアGPで自身初のポールポジションを獲得し、決勝を7位でフィニッシュした激動の週末を「これが僕の人生だね」と笑いながら振り返った。
モナコGPで獲得した表彰台を巡る裁定で失意を味わった直後、思い出深いモンツァでキャリア初のポールを獲得。決勝でも上位勢と戦ったガスリーは、目まぐるしく状況が変化した数日間を象徴するような言葉を口にするとともに、アルピーヌに「新しい自信」が生まれたと語った。
「これが僕の人生だね」
ガスリーにとって、今回のモンツァは感情の浮き沈みが激しい週末となった。
イタリアGP予選で自身初となるF1ポールポジションを獲得したのは、6月のモナコGPで獲得した表彰台を巡る裁定で落胆を味わった直後だった。
さらにモンツァは、ガスリーが2020年にF1初優勝を飾った特別な場所でもある。レッドブル・レーシングから降格した翌年に挙げた劇的な勝利は、自身のキャリアを立て直す大きな転機となった。
こうした一連の浮き沈みについて尋ねられたガスリーは、笑いながら答えた。
「これが僕の人生だね」
「本当にいろいろなことが起きている。この24時間はものすごく楽しかったし、本当に楽しめた。ガレージにはエネルギーとモチベーションがあふれていた」
「チーム全体の反応を見ても、間違いなく僕たち全員にとって大きな後押しになると思う」
アルピーヌに生まれた「新しい自信」
ガスリーが今回のイタリアGPで大きな収穫として挙げたのは、ポールポジションそのものだけではない。
決勝ではトップチーム勢に先行を許して7位となったが、中団勢のトップでフィニッシュ。ガスリーは、自分たちの後方との差に対して前方との差が小さかったことに注目している。
「前にいたマシンとの差より、後ろにいたマシンとの差の方が大きかった」
「そこを僕たちは今後につなげていかないといけない。こういうパフォーマンスをもっと頻繁に再現できればと思う。新しい自信も生まれている」
2025年にコンストラクターズ選手権最下位に終わったアルピーヌにとって、上位勢との距離を縮めることは大きな目標となってきた。モンツァでのパフォーマンスは、その取り組みが前進していることをチームに実感させるものとなった。
ノリスと戦い ハミルトンから3秒差
決勝では、ポールポジションからスタートしたガスリーが1周目の首位を守り、その後もトップドライバーたちとの直接対決を経験した。
ガスリーは、現実的に考えれば7位は満足できる結果だったと語る。
「現実的な僕の部分は、とても満足している」
「もちろんポールからスタートすれば、『54周の間に何が起きるだろう』と考える部分はある。でも正直に言えば、レース前から、レースペースではあそこに留まってトップの連中と戦うのはものすごく難しいと分かっていた」
それでも、2度のスタートでは手応えを得た。
「2回のスタートにはすごく満足している。2回とも素晴らしいスタートができた。最初は首位を維持できたし、2回目も良かった」
「少しバトルもできたし、最初の10周は正しいトレインの中に留まることができた。それは本当に良かった」
特にガスリーが評価したのが、ランド・ノリスやルイス・ハミルトンとの距離だった。
「直近2戦で優勝していたランドと戦えた。僕たちがどこから来たのかを考えれば、すごくポジティブだ」
「今年表彰台を争ってきたルイスから3秒差でフィニッシュした。それで落胆するつもりはない」
「もちろん最終結果は7位だから、もう少し上を望みたくなる。でも週末全体を見れば、ポジティブなことがたくさんあった。それを受け止めて、ここから積み上げていかないといけない」

エンストンにも大きな刺激
ガスリーは、今回のポールポジションがアルピーヌのファクトリーで働くスタッフにも特別な意味を持つと考えている。
エンストンを拠点とするチームにとって久々のポール獲得となり、長年在籍しながらその瞬間を経験したことがなかったスタッフもいる。
「まだ学ばなければならないこともあるし、もっと良くしないといけない部分もある。でも全体として、僕たちは自分たちがどこにいるのかをよく理解しているし、正しい方向に進んでいると思う」
「チームにとっても、前回のポールは2009年だったと思う。何年もそこで働いているのに、一度もこういう経験をしたことがない人たちもいるはずだ」
「エンストンに戻れば、かなり特別な雰囲気になると思う」
「次は日曜日にもあの戦いの中へ」
一方で、ガスリーはモンツァでの躍進を一度限りのものにしてはいけないと強調する。
目標は予選で上位に食い込むだけではなく、決勝でもトップグループと戦えるだけのパフォーマンスを手にすることだ。
「これをもう一度やることを目標にしないといけない。そして日曜日にはもう少し良くして、僕たちの前にいるグループの戦いに加われるようにしたい」
モナコでの失意から一転し、思い出のモンツァで自身初のF1ポールポジションを獲得したガスリー。「これが僕の人生だね」という言葉には、これまで何度も浮き沈みを経験してきた自身のキャリアが重なる。
そして今回のイタリアGPは、ガスリー個人だけでなくアルピーヌにとっても新たな自信を得る週末となった。次の課題は、モンツァで示した上位勢との距離の近さを今後のレースでも再現し、決勝でもその戦いに加わることだ。
