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  • 角田裕毅 F1イタリアGPも「ルーキーのような感覚」最大の課題はエネルギー管理

    角田裕毅 F1イタリアGPも「ルーキーのような感覚」最大の課題はエネルギー管理

    角田裕毅は、2026年F1第13戦イタリアGPでレーシングブルズから今季2度目の代役出場を迎える。前戦オランダGPですでにVCARB-03を経験しているものの、モンツァでは複雑なエネルギーマネジメントへの対応が必要になるため、「ルーキーのような感覚」で週末に臨むと語った。

    ザントフォールトでは急きょ出場が決まり、スプリント形式の限られた走行時間のなかで11位まで順位を上げた角田裕毅。

    今回はシミュレーターで事前準備を進める時間があった一方、長いストレートを持つモンツァでは2026年F1マシン特有のバッテリー使用とエネルギー配分が大きな課題になるという。

    正式決定は水曜日「シミュレーターの途中で聞いた」
    角田裕毅がイタリアGPへの出場を正式に知らされたのは、水曜日だった。

    「実際に聞いたのは昨日です。念のためシミュレーターには乗っていました。本当に午後の途中まで分からなくて、セッション中に『OK、走ることになった。じゃあ通常のレースウイークと同じようにシミュレーター作業を続けよう』という感じでした」

    前戦オランダGPへの出場が決まった際、角田裕毅はギリシャのビーチで休暇を過ごしていた。そこから急いでザントフォールトへ向かい、ほとんど準備期間がない状態で2026年型レーシングブルズに乗り込んだ。

    今回は状況が異なる。アイザック・ハジャーが欠場を続ける可能性を想定し、角田裕毅はザントフォールト後からトレーニングを継続。ファエンツァのエンジニアとも作業し、シミュレーターでモンツァへの準備を進めていた。

    「かなり落ち着いていて、普通のレースウイークのようでした。オランダのときより準備できていたと思います。前回は突然すべてが決まりましたけど、今回はアイザックが負傷してから準備していました」

    「たぶん2026年に入ってから一番健康的に過ごした1週間でした! 本当に準備できていますし、これまで以上に準備が整っていると感じています」

    ザントフォールトで得たアラン・パーメインからの信頼
    準備不足に加え、スプリント形式で通常よりプラクティス時間が少ない厳しい条件だったザントフォールトで、角田裕毅は決勝11位。ポイント獲得まであと一歩に迫った。

    そのパフォーマンスについて、レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインからも好意的な評価を受けたという。

    「間違いなくポジティブでした。デブリーフのあとにも『今シーズン頑張ってください。楽しかったです』みたいなことを言ったんですけど、アランから『また君が必要になるかもしれない。来週も必要になるかもしれないから準備しておいて』と言われました」

    角田裕毅は、その言葉からチーム内での信頼が高まったことを感じ取った。

    「レースのあと、彼からもう少し信頼してもらえたと感じました。もし僕が本当に悪い走りをしていたら、この世界では何が起きるか分からないですし、今週走るために呼ばれていなかった可能性もあります。だから、すごくポジティブだったと思います」

    モンツァではエネルギー配分が一気に難しくなる
    一方で、今回のイタリアGPにはザントフォールトにはなかった大きな難題が待っている。

    2026年F1マシンでは電気エネルギーの役割が従来より大幅に増えており、ドライバーはバッテリーをどこで使い、どこで回生するかをラップ全体で管理する必要がある。特に長い全開区間が続くモンツァでは、その影響が顕著になる。

    「オランダは幸運にも、エネルギー管理という意味では最も簡単なサーキットのひとつだったと思います。そのおかげで、かなりスムーズにマシンへ適応できました」

    「でも今回はエネルギーデプロイメントという意味では最も難しいサーキットです。シミュレーターでも、それがどれほど違うのかをすでに経験しましたし、このレギュレーション特有の難しさが本当に出てきます」

    モンツァでは単純にアクセルを踏み続ければ速いわけではない。ラップ全体のエネルギー量を考えながら、場合によっては通常より早く減速したり、エネルギー回収を優先したりする必要がある。

    角田裕毅にとって、その感覚はまだ自然なものではない。

    「マネジメントだったり、早めにブレーキを踏んだり、そういうことをたくさん練習しないといけません。シミュレーターではすごく変な感覚でした。もっと速く走れると分かっているのに、そうしてはいけないんです。そうするとラップ全体では遅くなってしまうので。そこが僕にとって最大のチャレンジになると思います」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) イタリアグランプリ

    決勝では他車との駆け引きがさらに難題
    予選の1周だけであれば、フリー走行で実際の挙動を確認しながら自分自身の走りに集中できる。しかし決勝では、単純なラップタイムだけではなく、他車との位置関係を踏まえてバッテリーを使う必要がある。

    オーバーテイクのためにエネルギーを使うのか、後方車を防ぐために残すのか。使用したあとにマシンがどのような状態になるのかまで予測しながら戦うことになる。

    「レースコンディションではもっと難しくなると思います。他のマシンとのエネルギーマネジメントを使った戦略的なバトルは僕は経験していませんし、他のドライバーたちはオーバーテイクやディフェンスのためにバッテリーを使ったあと、マシンがどうなるのかも分かっていると思います」

    「僕はシミュレーターでしか知りませんし、オランダはおそらくエネルギーの影響が一番小さいところでした」

    2026年シーズンを戦い続けてきた他のドライバーは、上海やスパ・フランコルシャンなど長いストレートを持つサーキットですでに実戦経験を積んでいる。それに対し、角田裕毅にとって2026年型F1マシンでモンツァを走るのは初めてだ。

    「ショートランについては、それほど心配していません。フリー走行がありますし、何が必要なのか確認できます。自分自身だけに集中することもできます」

    「でもレースでは先を読んで動かないといけないですよね。そこはオランダ以上に準備しておかなければいけない部分です」

    「またルーキーのよう」Q3進出とポイント獲得を目標
    それでも、角田裕毅はザントフォールトから一歩前進することを目指している。理想は予選Q3進出と決勝でのポイント獲得だ。

    レーシングブルズはイタリアGPにアップデートも投入する予定で、角田裕毅もその効果を楽しみにしている。

    「FP1で、このエネルギー関連が実際にどれくらい難しいのか確認したいです。本当にまだ分かりません。でもマシンのペースはいいと思いますし、ここにはアップデートも持ち込むので、それを見るのも楽しみです」

    角田裕毅は、ザントフォールトでの自身を「ルーキーのようだった」と振り返る。そして2戦目となる今回も、別の意味で同じ姿勢が必要になると考えている。

    「オランダは本当に、ルーキーみたいな感じでレースに入ったと思います。できるだけ多くのことを学ぼうとしていました。スプリント形式だったので時間もすごく限られていました」

    「今回もエネルギーデプロイメントなど、たくさん練習しないといけません。1周のなかでも我慢しなければいけないところがあります。自分ではルーキーのような感覚ですし、すべてを学んで、チームから指示されたことをひとつも取りこぼさないようにしたいです」

    モンツァでは過去5年間で一度も満足できる結果なし
    角田裕毅にとって、モンツァで結果を残したい理由はもうひとつある。これまでF1でイタリアGPとの相性に恵まれてこなかったからだ。

    「ここではいい結果を出したいです。今まで一度もいい結果を残せていません。5年間で3回リタイアして、2回はスタートすらできませんでした。ここで何が起きているのか分からないですけど、今回こういうチャンスをもらえたので、今度こそ幸運になることを願っています」

    前戦ザントフォールトでは、準備不足という条件を乗り越えて11位まで走った角田裕毅。モンツァでは準備時間こそ増えたものの、今度は2026年F1レギュレーションを象徴する複雑なエネルギーマネジメントという新たな課題に直面する。

    経験不足を本人が「ルーキー」と表現するなか、FP1からどこまで早く学習を進められるか。それがQ3進出、そして今季初ポイントを狙うイタリアGPの鍵となりそうだ。

  • ハースF1 新フェラーリPUをベアマンだけに投入 小松礼雄「最も公平な方法」

    ハースF1 新フェラーリPUをベアマンだけに投入 小松礼雄「最も公平な方法」

    ハースF1は、2026年F1イタリアGPでフェラーリの最新パワーユニット「ADUO 2」をオリバー・ベアマン車だけに投入する。エステバン・オコンは従来仕様を使用するため、同じチームの2台で異なるPU仕様を走らせる異例の状況となる。

    フェラーリからカスタマーチームに供給された新仕様PUが現時点では各チーム1基に限られていることが理由だ。ハースF1代表の小松礼雄は、モンツァでは新PUの性能をガレージに眠らせておくべきではないと判断。

    そのうえで、最近のアップデートではオコンを優先してきた経緯から、今回はベアマンに新PUを割り当てることが「最も公平」だと説明した。

    ハースがモンツァで「1台だけ」新PUを使う理由
    フェラーリはイタリアGPで、ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities=追加開発・アップグレード機会)を利用した2度目のPUアップデート「ADUO 2」を投入する。フェラーリのルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールは、ともに新仕様を使用する。

    一方、カスタマーチームに対して現時点で用意された新仕様は各チーム1基のみ。キャデラックはモンツァでは2台とも新PUを使用しないことを選択したが、ハースは違う判断を下した。

    モンツァは長い全開区間を持ち、PU性能がラップタイムに大きく影響するサーキットだ。新仕様を1基しか使えないとしても、その性能向上を活用する価値があるとハースは判断した。

    問題は、ベアマンとオコンのどちらに新PUを与えるかだった。

    小松礼雄によれば、その判断にはシーズン中のアップデート配分が関係している。夏休み前に導入したブレーキの改善やパワーステアリングの変更では、オコンが先に新しいパーツを使用していた。そのため今回はベアマンを優先することで、シーズンを通した公平性を保つことにした。

    前回は2基揃うまで待ったハース
    ハースにとって、1台だけに新仕様PUを投入することは本来望んでいた形ではない。

    フェラーリが6月末のF1オーストリアGPで最初のADUOアップデートを導入した際、ハースは新仕様が2基揃うまで投入を延期し、両ドライバーを同時に切り替えた。

    しかし今回は、モンツァというサーキットの特性が判断を変えた。

    「前回はそうしませんでした。十分な数のエンジンが揃うまで待って、2人のドライバーに同時に導入しました」と小松礼雄は説明した。

    「でも今回は、当然ながらモンツァはパワー感度が非常に高いサーキットです。性能があるのに、それをガレージに置いておくのはもったいないですよね。ただ、もちろん1基しかないというのは非常に難しい状況です」

    「少なくとも2基用意されていれば、その方がよかったです。ただ、フェラーリもエンジンからできる限りの性能を引き出すために全力で取り組んでいます」

    「先ほどお話しした理由から、当然彼らはモンツァで導入したいわけです。そうすると、規則を満たすために必要な最低限の数量しか用意できないということです」

    F1規則ではカスタマーへの「最低1基」で条件を満たす
    ハースが新PUを1基しか受け取っていない背景には、F1技術規則がある。

    新しいホモロゲーション仕様を導入する場合、PUメーカーは、その仕様を初めて使用する大会で「PUメーカーが供給する各F1チームに対して、新しいホモロゲーション仕様のパワーユニットを少なくとも1基」利用可能にすることが求められている。

    つまり、カスタマーチームにも新仕様を提供する義務はあるものの、最初の大会から2台分を揃える必要はない。

    少なくとも1基の供給を義務づけることで、ワークスチームだけが新仕様を使用し、カスタマーチームが性能面で取り残されることを防いでいる。一方ですべてのカスタマーチームに2基ずつ用意することを義務づければ、多数のチームにPUを供給するメーカーほど製造面の負担が増し、新仕様そのものの投入時期が遅れる可能性がある。

    フェラーリは規則上必要な新仕様をハースにも供給したが、その数が1基だったことで、チーム内でどちらのドライバーに割り当てるかを決める必要が生じた。

    小松礼雄「隠された意図はありません」
    こうした状況では、PUの性能差以上にチーム内の公平性が問題になり得る。

    小松礼雄は、オコンが新PUをすぐに使用できないことを喜ばないのは当然だと認めた。そのうえで、重要なのは判断基準を両ドライバーに明確に説明することだと強調した。

    「こういうことについては、透明性を保つしかありません」と小松礼雄は語った。

    「私たちは可能な限り透明で、公平な方法でチームを運営しています」

    「もちろん、毎回すべての人を満足させることはできません。ただ、私たちには隠された意図はありませんし、どちらか一方のドライバーを個人的に優遇するような考えもありません」

    「そういう関係をこれまで築いてきました。当然、エステバンはPU4をすぐに使えないことを喜んではいないでしょう。でも、これがチームにとってベストですし、私たちができる最も公平な方法です」

    今回ベアマンが選ばれたのは、単純にどちらかのドライバーを優遇した結果ではない。ブレーキやパワーステアリングなど直近の開発ではオコンが先行していたため、その履歴まで含めて機会を均等化した形だ。

    オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)

    オコンは旧PUで「かなりの損失」と予想
    では、ADUO 2による性能差はどれほどなのか。

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、大幅な勢力図の変化につながるようなアップデートではないとの姿勢を示している。

    「これは正しい方向への一歩だ。今年は小さなゲインの積み重ねが非常に重要だということは分かっている」とバスールは語った。

    一方、旧仕様を使うオコンは、自身が聞いている情報から、新旧PUの差を無視できないものと受け止めている。

    「僕は古いエンジンで走ることになる。だから、かなりの損失になると思う」とオコンは語った。

    フェラーリのアップグレード版PUには、より大型のターボが採用され、そのほかにも出力向上を目的とした重要な設計変更が施されているとみられている。

    フェラーリは2026年シーズン開幕時、レスポンスを重視して比較的小型のターボを選択していた。特にレーススタート時に、レスポンスに優れたPUが大きなアドバンテージをもたらすと考えていたためだ。

    しかし、その後スタート手順に変更が加えられたことで、ライバルが抱えていたターボラグによる不利が大幅に縮小した。その結果、小型ターボによってフェラーリが得ていた相対的なアドバンテージも失われた。

    そこで今回の新仕様では、より大型のターボを採用することで、全体的な出力を高める方向へと進んだと考えられている。

    その差が勢力図を一変させるほど大きなものになる可能性は低いものの、パワー感度の高いモンツァでは、旧仕様と新仕様の違いが通常以上に表れやすい。

    ハミルトン「必要な差のすべてではない」
    ハミルトンも、新PUだけでフェラーリのパフォーマンス不足がすべて解消されるわけではないと認めている。

    「少しでも助けになる」とハミルトンは語った。

    「ここまでのシーズンでは、前戦のような短いサーキットでさえ、レースでは1周あたり4コンマを失っていた。それはものすごく大きな差だし、今年はここまでずっとそれを抱えてきた」

    「これは前進だ。僕たちが必要としている差のすべてを埋めるものではないけど、そうなることは分かっていた。でも毎週末、少しずつ新しいものが投入されてマシンに加わっていくのを見るのはうれしい。僕たちがまだプッシュし続けていることが分かるし、勝つために必要なものを持っていると今も強く信じている」

    異なるPU仕様が生むモンツァでの比較
    ハースがモンツァで選んだのは、2基が揃うまで待つという意味での完全な平等ではなく、限られた1基をすぐに投入してチーム全体のパフォーマンスを最大化することだった。

    前回のADUOアップデートでは2台分が揃うまで待ったが、モンツァではPU性能の重要度が高い。新仕様によって得られる可能性のあるゲインを使わずに週末を戦うことは、ハースにとって得策ではないとの判断だ。

    一方で、新PUをベアマンだけに与えれば、オコンとの間に性能差が生じる可能性がある。オコン自身が「かなりの損失」と表現している以上、予選や決勝で両者の結果を単純に比較する際にはPU仕様の違いを考慮する必要がある。

    同時に、同じハースのマシンで新旧フェラーリPUが走ることで、ADUO 2が実戦でどれほどの効果をもたらすのかを確認できる貴重な機会にもなる。

    高速・高出力型のモンツァで新仕様がどこまでラップタイムに寄与するのか。ベアマンとオコンの「PU分割」は、ハースのチーム内事情だけでなく、フェラーリがADUO 2で実際にどれほどの性能向上を果たしたのかを測るうえでも注目すべきポイントとなる。

  • F1イタリアGPでドライバー警戒 モンツァのエネルギー管理は「カオス」

    F1イタリアGPでドライバー警戒 モンツァのエネルギー管理は「カオス」

    2026年F1第13戦イタリアGPでは、新世代マシン特有のエネルギー管理がこれまで以上に大きな焦点となる。長いストレートが連続するモンツァは電気エネルギーの消費量に対して回生機会が少なく、マックス・フェルスタッペンは「かなり苦痛」、オスカー・ピアストリは決勝が「カオスになる」と予想している。

    2026年F1マシンでは、ストレートで電気エネルギーをどこまで使い、どこで温存するかがラップタイムだけでなくバトルにも直結する。

    モンツァではその特徴が極端に表れる可能性があり、従来のようにアクセル全開でブレーキングポイントまで加速し続ける「スピードの殿堂」の走り方そのものが変わろうとしている。

    モンツァで顕在化する2026年F1のエネルギー問題
    モンツァは4本の長いストレートを持つ一方、コーナー数が少ない。つまり、ストレートで大量の電気エネルギーを使うにもかかわらず、それを補充するための回生機会が限られている。

    ドライバーは必要な場所で最大限のエネルギーを展開しながら、重要な局面で電力を使い果たさないよう管理しなければならない。

    マックス・フェルスタッペンは、木曜日の段階ですでに厳しい週末になることを覚悟している。

    「そうだね、かなり苦痛だと思う。とにかくエネルギー効率がすごく悪い。でも、これについてあまりネガティブなことばかり言いたくはない。そういうものだからね」

    「僕はもう精神的には受け入れている。少し違った週末になることに備えているよ。ずっと全開でプッシュすることはできない。言ってみれば、アクセルペダルを優しく扱わなければならない」

    重要なのは、これが決勝だけの問題ではないことだ。予選でも、従来のモンツァで象徴的だった全開加速と限界まで遅らせたブレーキングという組み合わせが成立しにくくなる可能性がある。

    ルクレール「以前とはまったく違うサーキットになる」
    フェラーリのシャルル・ルクレールも、シミュレーターで確認したデータから大きな変化を予想している。

    「変化は大きいと思う。本当にかなり大きい。データを見て、シミュレーターでも走ってみたからね」

    一方で、ルクレールは実際にコースを走れば印象が改善する可能性も指摘した。

    「スパとシルバーストンを振り返ると、データやシミュレーターを見た段階では、あの2つのサーキットでのマシンのフィーリングについて少し懐疑的な状態で週末を迎えた。でも、実際にコースを走ってみると、予想していたよりずっと良かった」

    「だから、ここでも同じようになることを願っている。ただ、机上では以前とはまったく違うサーキットになるように見える」

    この発言が示しているのは、単純な最高速不足ではない。エネルギーをどのストレートで使い、どこで温存するかによって、1周の組み立てそのものが変化するということだ。

    モンツァでも大きなリアウイングを使える2026年F1
    もうひとつ従来のモンツァと大きく異なるのが空力設定だ。

    かつてのモンツァでは、ドラッグを極限まで減らした専用のローダウンフォース仕様のリアウイングが象徴的だった。しかし2026年F1マシンでは、ストレートモードによって直線区間でドラッグを減らせるため、コーナーでより大きなダウンフォースを確保する設定が可能になっている。

    ルイス・ハミルトンは、その結果としてモンツァ特有の感覚まで変化すると説明する。

    「ここに来てこういう状況になるのは、ちょっとクレイジーだね」

    「例えばストレートではドラッグ低減システムを使えるから、前戦で使ったのと同じようなウイングを走らせることができる。そのため、コーナーでは昨年よりダウンフォースが大きいかもしれない」

    「もちろんストレートではドラッグを減らすシステムがあるから速い。でも、その後にパワーを失っていく。コーナーへの進入では、過去より20~30km/hくらい遅い速度で到達するかもしれない。それには少し慣れる必要があると思う」

    ブレーキングポイントに届く前にシフトダウン
    ハミルトンが特に違和感を覚えているのは、ストレート終盤で加速が鈍っていくことだ。

    「以前はここに来ると、ストレートの最後までエンジンが叫ぶような音を立てて、ブレーキングポイントまでずっと加速し続けるのを感じられた。それが本当に素晴らしかった」

    「今週末はそうならないだろうね。おそらくドライバーはブレーキングゾーンに到達する前からシフトダウンすることになる。僕にとって、それが最高の感覚だとは今でも思えない。でも、これが今あるものだからね」

    さらに、2026年F1ではアクセル操作そのものがエネルギー戦略と密接につながっている。

    「アクセルをどう踏んでフルパワーに持っていくか、そしてシステムをどう作動させるかを最適化しなければならない。すごく技術的で難しい。でも、全員が同じ問題に直面している」

    つまりドライバーは単純にアクセルを踏み続けるのではなく、電気エネルギーを最大限有効に使えるよう、加速の仕方まで調整する必要がある。

    イタリアグランプリ

    ピアストリは決勝序盤の「カオス」を予想
    ドライバーにとって複雑な状況は、一方でレースを劇的なものにする可能性がある。

    各車が異なる場所でエネルギーを展開すれば、あるストレートでは攻撃側だったマシンが次のストレートでは防御側に回るといった展開が起こり得る。さらにモンツァではスリップストリームの効果も大きく、エネルギー残量との組み合わせによって抜きつ抜かれつの展開が増える可能性がある。

    マクラーレンのオスカー・ピアストリは、特に決勝序盤が激しくなるとみている。

    「決勝はカオスになると思う。特に序盤はね」

    「ここは明らかにものすごくエネルギーが不足するサーキットだし、エネルギーを使えるストレートもたくさんある。レースはかなり特別なものになる可能性があると思う。どうなるか見てみよう」

    実際にどのようなエネルギー配分が最適になるかについては、フリー走行で各チームが確認していくことになる。

    「それまでに走行時間はたくさんあるから、みんながどんなデプロイメントを使うのか、最終的にどう落ち着くのかを見ることになる」

    「でも、かなりカオスでエキサイティングなものになると予想しているよ。それをどちらの視点で見るかは自由だけど、いずれにしても何かが起きるレースになると思う」

    「スピードの殿堂」がエネルギー戦略の舞台へ
    2026年F1イタリアGPでは、モンツァの代名詞だった純粋な最高速とは異なる能力が問われることになりそうだ。

    フェルスタッペンが語るようにアクセルを「優しく」扱い、どのストレートで電力を使うかを判断する必要がある一方、その判断はライバルとの位置関係によって刻々と変化する。温存したマシンが次のストレートで攻撃し、先に電力を使ったマシンが防御に回るという展開も考えられる。

    予選では1周を通じたエネルギー配分、決勝ではスリップストリームと他車のデプロイメントまで含めた駆け引きが重要になる。「スピードの殿堂」モンツァは、2026年F1のエネルギーマネジメントがレースそのものをどこまで変えるのかを測る、これまでで最も厳しい試金石となりそうだ。

  • F1イタリアGP FP1で4人の若手ドライバーが出走 岩佐歩夢はレッドブルRB22

    F1イタリアGP FP1で4人の若手ドライバーが出走 岩佐歩夢はレッドブルRB22

    2026年F1第13戦イタリアGPのフリー走行1回目(FP1)では、4人の若手ドライバーがレギュラードライバーに代わってマシンを走らせる。レッドブルでは岩佐歩夢がマックス・フェルスタッペンのRB22をドライブする。

    モンツァでは通常の3回のフリー走行が行われるため、レッドブル、ウィリアムズ、アルピーヌ、キャデラックの4チームが、若手ドライバーをFP1に起用する義務を消化する機会として利用する。

    2026年は1台につき2回の若手起用が義務
    現行のF1レギュレーションでは、各チームはシーズン中、グランプリ出走経験が2戦以下のドライバーをFP1で起用しなければならない。

    2026年は各マシンにつき2回、チーム全体では計4回の若手ドライバー起用が必要となっており、通常フォーマットで行われるイタリアGPは、その義務を消化しやすい週末のひとつとなる。

    岩佐歩夢がフェルスタッペンのRB22をドライブ
    レッドブルでは、岩佐歩夢がフェルスタッペンに代わってRB22をドライブする。

    岩佐歩夢にとってF1のFP1出走は珍しいものではない。2024年以降、レッドブルとレーシングブルズで計7回のFP1を経験しており、今回のモンツァが8回目となる。

    高速かつ低ダウンフォース仕様が求められるモンツァで、岩佐歩夢がRB22からどのようなフィードバックを持ち帰るかも注目される。

    ブラウニングはアルボンのFW48を担当
    ウィリアムズでは、アカデミードライバーのルーク・ブラウニングがアレクサンダー・アルボンに代わってFW48を走らせる。

    ブラウニングはこれまでに6回のFP1出走を経験しており、今回もウィリアムズの若手ドライバー起用プログラムの一環として走行する。

    アルピーヌはポール・アロンを起用
    アルピーヌでは、ポール・アロンがピエール・ガスリーのA526をドライブする。

    アロンは2025年にアウディとアルピーヌで合計8回のFP1を経験しており、今回の4人の中でもF1マシンでの金曜走行経験が豊富なドライバーのひとりだ。

    コルトン・ハータ(キャデラック)

    キャデラックはコルトン・ハータ
    キャデラックでは、インディカーで実績を残してきたアメリカ人ドライバー、コルトン・ハータがセルジオ・ペレスに代わってマシンをドライブする。

    ハータは2026年にF1でFP1デビューを果たしており、今回が今季3回目のFP1出走となる。初出走はシーズン序盤のバルセロナだった。

    インディカーのトップドライバーとして知られるハータだけに、F1マシンへの適応という点でも4人の中で特に注目を集める存在となる。

    F1イタリアGP FP1 若手ドライバー
    レッドブル:岩佐歩夢(マックス・フェルスタッペンに代わって出走)
    ウィリアムズ:ルーク・ブラウニング(アレクサンダー・アルボンに代わって出走)
    アルピーヌ:ポール・アロン(ピエール・ガスリーに代わって出走)
    キャデラック:コルトン・ハータ(セルジオ・ペレスに代わって出走)

    4人はいずれも金曜のFP1のみレギュラードライバーのマシンを担当する予定で、各チームにとっては若手起用義務の消化だけでなく、モンツァ特有の高速レイアウトに向けたデータ収集も重要な目的となる。

  • キミ・アントネッリ F1イタリアGPでロッシ仕様ヘルメット 2002年ムジェロに敬意

    キミ・アントネッリ F1イタリアGPでロッシ仕様ヘルメット 2002年ムジェロに敬意

    F1世界選手権リーダーとして母国イタリアGPを迎えるアンドレア・キミ・アントネッリが、バレンティーノ・ロッシへの敬意を込めたスペシャルヘルメットをモンツァで使用する。

    デザインのモチーフとなったのは、MotoGPのレジェンドであるロッシが2002年のイタリアGP(ムジェロ)で使用したヘルメットだ。ロッシ本人との親交も深いアントネッリにとって、母国で走る特別な週末に実現させたかった個人的なトリビュートでもある。

    2002年ムジェロのロッシのヘルメットを再解釈
    今回のヘルメットは、ロッシの数々のヘルメットを手掛けてきたアルド・ドルディが、ロッシとの協力のもとでデザインしたものだ。

    ベースとなったのは2002年のムジェロでロッシが使用したデザインで、イタリア国旗を象徴するトリコローレを取り入れながら、2026年のアントネッリ仕様として再構成されている。

    アントネッリはSNSで「ホームではスペシャルカラーで走る」と紹介し、このデザインが実現した経緯を明かした。

    「僕にとって特別な願いだった。Vale(ロッシ)が使っていたヘルメットからインスピレーションを得たものをかぶって走りたかったんだ」

    「2002年のムジェロのヘルメットを提案してもらったとき、すぐにこれが正しいものだと分かった」

    「ドルディ・パフォーマンスが、今年のホームレース用としてこのバージョンに作り直す素晴らしい仕事をしてくれた。この特別な機会を与えてくれたValeには本当に感謝している。光栄だよ」

    ロッシはMotoGP最高峰クラスで7度、全クラスを合わせて9度の世界タイトルを獲得したイタリアを代表するライダーだ。最高峰クラスで89勝、全クラス通算では115勝を記録し、2021年シーズン限りでMotoGPから引退した。

    アントネッリにとってロッシは単なる憧れの存在ではなく、親しい友人でありメンターでもある。そのロッシを象徴するデザインを、自身がF1世界選手権首位として迎える母国GPで使用することになった。


    選手権首位で迎える母国モンツァ
    2026年のアントネッリは、メルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセル、そしてフェラーリのルイス・ハミルトンに59ポイント差をつけてドライバーズ選手権をリードしている。

    前年とは大きく異なる立場でモンツァに戻ってきたアントネッリは、母国GPを選手権首位として迎えることについて特別な感情があると語った。

    「とても特別な気分だ。去年とは間違いなく大きく違うし、最後尾からのスタートになるとはいえ、この週末を本当に楽しみにしている」

    ただし、レース週末には大きなハンディキャップが待っている。2026年シーズンに認められたパワーユニットの使用基数を超えたことで、アントネッリはグリッド降格ペナルティを受け、決勝を最後尾からスタートする。

    それでも本人は、この状況をプレッシャーから解放される機会として前向きに捉えている。

    「僕にとって大きなチャンスでもあるし、本当に楽しみにしている。すごく楽しめると思う。以前よりもずっと週末を楽しめるだろうし、それでも素晴らしいレースができればと思っている」

    「最後尾からスタートすることで、ある意味ではプレッシャーが軽くなると思う。もちろん、本当ならポールポジションを争って前からスタートしたいけどね。でも、ある意味では週末に向けて少しリラックスできる」

    「だからこそ、ドライビングも週末そのものも、もっと楽しめると思う」

    最後尾スタートを逆手に取った週末
    予選でどれだけ上位に入っても決勝グリッドでは後方に下がることから、メルセデスとアントネッリには通常とは異なるアプローチを試す余地も生まれる。

    特にフリー走行では、予選での一発の速さだけに重点を置くのではなく、決勝での追い上げを見据えたセットアップやタイヤの使い方を検証できる。

    「違うことを試すチャンスでもある。特にフリー走行では、普段とは違う仕事の進め方を試すことができるからね。そういう意味でも、とても興味深い週末になると思う」

    F1世界選手権リーダーとして初めて迎える母国イタリアGP。最後尾スタートという難題を背負う一方で、アントネッリは自身に大きな影響を与えたロッシへの敬意を示す特別なヘルメットとともにモンツァを走る。

  • 2026年F1イタリアGP モンツァの基本データと攻略ポイント

    2026年F1イタリアGP モンツァの基本データと攻略ポイント

    2026年F1第13戦イタリアGPが、”スピードの殿堂”モンツァで開催される。

    9月4日にフリー走行1・2回目、5日にフリー走行3回目と予選、そして6日に決勝レースが行われる。高速サーキットならではの攻略ポイントや戦略、注目データをまとめた。

    開催スケジュール
    フリー走行1・2:9月4日(金)
    フリー走行3・予選:9月5日(土)
    決勝:9月6日(日)

    モンツァ基本データ
    初開催:1950年
    コース全長:5.793km
    コーナー数:11
    ラップレコード:1分20秒901(ランド・ノリス/2025年)
    最多ポールポジション:ルイス・ハミルトン(7回)
    最多優勝:ミハエル・シューマッハ、ルイス・ハミルトン(各5勝)
    ポールポジションからターン1のブレーキングポイントまで:476m
    2025年のオーバーテイク数:47回
    セーフティカー出動率:50%(過去8戦)
    VSC出動率:38%(過去8戦)
    ピットストップによるタイムロス:24.14秒

    イタリアGPは1950年のF1世界選手権創設以来、毎年カレンダーに組み込まれている。モンツァ以外で開催されたのは1980年のみで、この年はイモラが舞台となった。

    モンツァ・サーキット

    ドライバーが語るモンツァ攻略のポイント
    元ルノーF1ドライバーのジョリオン・パーマーは、モンツァについてF1カレンダーの中でも唯一無二のサーキットである一方、ある意味では非常にシンプルなコースだと説明する。

    「モンツァはカレンダーの中でも唯一無二だけど、多くの意味では最もシンプルなサーキットでもある。低ダウンフォースで、セクター1ではシケインへのブレーキングからすべてが始まる。ターン1に向けて、いかにうまくマシンを止められるか。それが鍵になる」

    中盤のレスモ1とレスモ2については、見た目以上にドライビングを楽しめるコーナーだという。

    「ミドルセクターのレスモは、見た目以上に走っていて楽しい。わずかにカントがついているので、ある程度スピードを維持して進入し、ラインを選びながら軽くブレーキを使う。レスモ2も同じだ」

    アスカリではターン8への進入が重要になる。スピードを持ち込みすぎればグラベルにつかまる可能性があり、路面のバンプにも注意が必要だ。

    「ターン8、9、10のアスカリでは、スピードを持ち込みすぎるとグラベルが待っている。最初の部分が重要で、路面もかなりバンピーだ。ターン8をうまく決められれば、9と10は全開で抜け、そのままパラボリカ、現在のクルバ・アルボレートへ向かう」

    最終コーナーは、亡くなったミケーレ・アルボレートにちなんでクルバ・アルボレートと改称されている。

    「残念ながら最終コーナーの魅力のひとつだったグラベルはなくなってしまったけど、それでも素晴らしいチャレンジだ。攻めて、アウト側いっぱいまで使ってスピードを維持し、できるだけ早くアクセルを踏んでメインストレートへ飛び出していく」

    「以前はアウト側にグラベルがあって危険だった。今はアスファルトのランオフになったことで、少しスリルが失われたかもしれない。それでもクラッシュする可能性はあるし、モンツァが素晴らしい高速サーキットであることに変わりはない」

    過去5年のイタリアGPポールシッター
    2025年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    2024年:ランド・ノリス(マクラーレン)
    2023年:カルロス・サインツJr.(フェラーリ)
    2022年:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    2021年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

    過去5年のイタリアGP優勝者
    2025年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    2024年:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    2023年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    2022年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    2021年:ダニエル・リカルド(マクラーレン)

    タイヤと戦略
    ピレリは2026年F1イタリアGPにC3、C4、C5の3種類のコンパウンドを持ち込む。C3がハード、C4がミディアム、C5がソフトとなる。

    ピレリは週末のプレビューで、「11のコーナーを持つ全長5.793kmのサーキットは、長いストレートもあってF1カレンダーで最も高速なコースのひとつだ。今年は新しいパワーユニットによるエネルギーマネジメントという新たな課題も加わる」と説明している。

    各チームのシミュレーションでは、2026年のラップタイムは前年より約2秒速くなると予測されている。

    「タイヤの観点では、ブレーキングゾーンへの進入速度が低くなると予想されるため、フロントアクスルにかかるブレーキング時の負荷は小さくなるはずだ。一方、パワーユニットのフルパワーを使用する加速局面では、リアアクスルへの要求が高くなる」

    低ダウンフォース仕様で最高速を重視するモンツァでは、ブレーキング時の安定性とコーナー出口でのトラクションが重要になる。特に第1シケインとアスカリがライバルとの差を生み出すポイントになるという。

    2024年に全面的な再舗装が行われ、比較的滑らかなアスファルトが敷かれたため、走行初期から十分なグリップが期待できる。今年はターン1、4、8の縁石が作り直され、ターン5ではグラベルエリアがアスファルトのランオフへ変更された。

    決勝ではリアタイヤのオーバーヒートを管理する必要があるとみられるが、デグラデーションはタイヤ性能を大きく損なうほど深刻にはならないと予想されている。

    そのため、ピレリは日曜日の決勝について1ストップ戦略が最も可能性の高い選択肢になるとみている。ただし、モンツァはオーバーテイクが難しいサーキットではなく、展開次第では異なる戦略を採用する余地もある。

    イタリアグランプリ

    2026年F1タイトル争いの現在地
    キミ・アントネッリはドライバーズランキング首位として母国イタリアGPを迎える。メルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセル、フェラーリのルイス・ハミルトンに対して59ポイントのリードを築いている。

    アントネッリは前戦オランダGPで2位に入ったが、メルセデスはザントフォールトを終え、ライバルとの戦いを続けるためにはマシンのペースを改善する必要があると認識している。

    そのライバルのひとつで、最近大きく前進しているのがマクラーレンだ。

    ランド・ノリスは夏休み明けのオランダGPで2戦連続となる勝利を挙げた。今週末はモンツァで3連勝を狙う。

    ノリスは現在ドライバーズランキング4位。F1ワールドチャンピオンのタイトルを防衛するためには差を縮める必要があり、そのひとつ上にはハミルトンがいる。

    フェラーリにとってモンツァは母国レースであり、ティフォシの前でマクラーレンやメルセデスに対抗できるかが大きな焦点となる。

    一方、レッドブルはザントフォールトで厳しい週末を送った。マックス・フェルスタッペンは序盤のクラッシュでリタイアし、代役としてRB22をドライブしたリアム・ローソンは7位だった。

    フェルスタッペンは2025年のイタリアGPでポールポジションから優勝している。レッドブルが相性の良いモンツァで巻き返せるかも注目される。

    中団争いも激しい。オランダGPでポイントを獲得したアルピーヌは、コンストラクターズランキング6位を争うレーシングブルズとの差を縮めた。アウディも8位争いでポイントを積み重ね、アストンマーティンはフェルナンド・アロンソが9位に入ったことで得点を加えている。

    モンツァを彩った名場面 セバスチャン・ベッテルの2008年初優勝
    1950年から長い歴史を持つイタリアGPでは、数々のF1史に残るドラマが生まれてきた。その中でも特別なレースのひとつが2008年だ。

    当時トロロッソからF1に参戦していたセバスチャン・ベッテルは、雨に見舞われたモンツァで衝撃的なパフォーマンスを披露した。

    F1フル参戦開始からまだ1年余りだったベッテルは、難しいウエットコンディションの予選を制して自身初のポールポジションを獲得。決勝でもその速さを維持し、F1初優勝を成し遂げた。

    レッドブルの姉妹チームだったトロロッソが、フェラーリやマクラーレンといった強豪を破って達成した歴史的勝利だった。

    このモンツァでの勝利を皮切りに、ベッテルはその後さらに52勝を積み重ね、4度のF1ワールドチャンピオンに輝くことになる。

    2026年のモンツァでは、母国レースを迎えるランキング首位のアントネッリ、連勝中のノリス、ティフォシの期待を背負うフェラーリ、そして前年の勝者フェルスタッペンとレッドブルが激突する。新世代パワーユニットで初めて挑む”スピードの殿堂”で、最高速だけでなくブレーキング、トラクション、そしてエネルギーマネジメントが勝敗を分けることになりそうだ。

  • フランコ・コラピント アルピーヌF1との契約延長に感謝「最初から信頼してくれた」

    フランコ・コラピント アルピーヌF1との契約延長に感謝「最初から信頼してくれた」

    フランコ・コラピントは、2027年もアルピーヌF1チームから参戦することが決まったことを受け、チームから寄せられてきた「信頼」に感謝を示した。F1イタリアGPではアップデート仕様が自身のマシンにも投入され、コンストラクターズランキング5位争いでレーシングブルズを逆転することを目指す。

    アルピーヌは先日、コラピントとの契約延長を発表。2027年もピエール・ガスリーとのラインナップを継続することが決まった。

    23歳のコラピントは今季ここまで19ポイントを獲得し、ドライバーズランキング12位につけている。

    アルピーヌとの2027年契約延長「この旅を続けられることに興奮している」
    イタリアGP開幕前の木曜日、コラピントはアルピーヌとの契約延長について喜びを語った。

    「とてもうれしいし、本当に幸せだ。これから起こること、そしてチームとこの旅を続けていけることにすごく興奮している」

    コラピントにとって今回の契約延長は、アルピーヌとの関係をさらに長期的なものへと発展させる決定となった。チームで過ごしてきた期間を振り返り、マシンだけでなく組織全体が前進してきたと感じているという。

    「この1年間に与えてもらったチャンスには本当に感謝している。一緒に大きく成長してきたし、今では大きな家族のようになっている」

    「チームとして一緒に多くのステップを踏んできた。マシンのさまざまな部分を改善して、チームのみんなのパフォーマンスも向上してきた。うれしいし、これからも続けていくのが楽しみだ」

    特にコラピントが強調したのが、エグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレをはじめとしたアルピーヌからの信頼だった。

    コラピントは、自身にチャンスを与えたブリアトーレと「最初からの信頼」に感謝するとともに、最近のチームの改善についても満足感を示している。

    「チームの努力にはとても満足している。最近どれだけ改善してきたか、そして家族として一緒に積み重ねてきたステップをうれしく思っている」

    モンツァではアップデートを両車に投入
    契約延長を決めたコラピントにとって、次の焦点はイタリアGPでのパフォーマンスだ。

    アルピーヌは前戦オランダGPでガスリー車にアップデートパッケージを投入。モンツァでは同じ仕様がコラピント車にも導入され、2台が最新パッケージを使用する。

    コラピント自身、もともとモンツァを好んでおり、新パーツによってさらに競争力を引き上げられることを期待している。

    「アップデートがあるかどうかに関係なく、モンツァはいつも走るのが好きなサーキットだ。それがあることで、いい方向に行くと思う」

    「僕たちに合ったサーキットになってくれることを願っている。金曜日にどんな感じになるか見てみるよ」

    一方、高速かつ低ダウンフォース仕様となるモンツァでは、アップデートの効果を最大限に引き出すセットアップ作業も重要になる。

    「作業を続けて、予選でマシンからすべてを引き出すことが重要になる」

    フランコ・コラピント(アルピーヌF1チーム)

    レーシングブルズとの差は3ポイント
    アルピーヌにとってイタリアGPは、単に新パーツの評価を行う週末ではない。コンストラクターズランキング5位をめぐる争いでも重要な一戦となる。

    オランダGPでポイントを獲得したことで、アルピーヌは5位レーシングブルズとの差を3ポイントまで縮めた。コラピントは、前戦で投入されたアップデートによってパフォーマンス面で明確な前進があったと評価している。

    「本当に僅差だ。前回のアップデートによって、パフォーマンス面ではかなりいいステップを踏めたし、彼らとの差も縮まった。それが僕たちの目標だった」

    「大きなステップを期待していたけど、実際にそうなった。アップデートはうまく機能している。ただ、彼らの前に出るためには作業を続けて、すべてをまとめ上げなければならない」

    ただし、警戒しているのはレーシングブルズだけではない。コラピントはアウディの競争力にも言及し、モンツァではライバルもアップデートを投入すると見ている。

    「彼らは速いし、アウディも速い。ここではリアウイングのアップデートを持ち込むと思うから、少し速くなるはずだ」

    「でも、僕たちは今持っているパッケージを信頼している。そこからすべてを引き出して、彼らの前に出られることを願っている」

    2027年のシートを確保したことで、コラピントにとって将来をめぐる不確定要素のひとつは解消された。今後は結果に集中できる環境のなか、アルピーヌが前戦で確認したアップデートの効果を自身のマシンでも引き出せるかが焦点となる。

    わずか3ポイント差となったコンストラクターズランキング5位争いを考えても、モンツァで両車に最新仕様がそろう意味は大きい。コラピントはチームから受けた「信頼」に結果で応えるべく、アルピーヌのさらなる浮上を狙う。

  • アイザック・ハジャー F1スペインGPも欠場の見通し バクーで復帰を目標

    アイザック・ハジャー F1スペインGPも欠場の見通し バクーで復帰を目標

    レッドブル・レーシングのアイザック・ハジャーは、左手首の負傷により、モンツァに続いてマドリードで開催されるF1スペインGPも欠場する見通しだという。フランス紙『L’Équipe』が報じている。

    ハジャーはオランダGPを欠場し、今週末のイタリアGPも出場を断念。回復状況を確認しながら復帰を目指しているものの、次戦スペインGPへの出場も難しいとみられており、レッドブルとハジャー陣営は9月24~26日にバクーで行われるアゼルバイジャンGPでの復帰を目標としている。

    シミュレーターで復帰の可能性を確認
    ハジャーは夏休み中に左手首を負傷し、8月のオランダGPを欠場した。レッドブルは代役としてリアム・ローソンを起用し、ローソンはマックス・フェルスタッペンとともにレッドブルからレースに出場した。

    当初、ハジャーはイタリアGPでの復帰を目指していた。『L’Équipe』によると、ハジャーは今週、レッドブルの本拠地であるミルトンキーンズでシミュレーターを走らせ、負傷した手首がF1マシンをドライブする負荷に耐えられるかを確認した。

    しかし、イタリアGPへの出場許可を得られる状態には至らず、レッドブルは2戦連続でローソンを代役として起用することを決定した。

    レッドブルはハジャーの状態について「チームは彼の回復を注意深く見守っており、レース復帰に関して不必要なリスクを冒すことはない」と説明している。

    マドリードでのスペインGPも欠場濃厚
    さらにハジャーの離脱は、モンツァだけでは終わらない可能性が高まっている。

    『L’Équipe』の報道を引用したSport365によると、ハジャーは9月11~13日にマドリードで開催されるF1スペインGPも欠場する見通しだという。

    イタリアGPとスペインGPは2週連続で開催されるため、モンツァでレースを戦える状態まで回復していないハジャーにとって、わずか数日後に始まるマドリードでの週末も復帰には早すぎると判断される可能性が高い。

    現時点でレッドブルからスペインGP欠場について正式発表はなく、最終的な判断は今後の回復状況次第となる。ただし、チーム側が復帰を急がせない方針を明確にしていることから、ハジャーがマドリードを欠場する可能性は高いとみられている。

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    バクーでの復帰が現実的な目標に
    次の復帰候補となるのが、9月24~26日に開催されるF1アゼルバイジャンGPだ。

    スペインGPからアゼルバイジャンGPまでは約2週間の間隔があり、ハジャーにとって手首の回復をさらに進める時間を確保できる。『L’Équipe』の報道では、レッドブルとハジャー陣営はバクーでの復帰を目標としているとされる。

    ハジャーがスペインGPも欠場すれば、オランダ、イタリア、スペインと3戦連続の欠場になる。

    その場合、レッドブルのドライバー編成にも影響が続くことになる。イタリアGPではローソンがハジャーに代わってレッドブルをドライブし、それに伴って角田裕毅がレーシングブルズで2戦連続のF1出場を果たす。

    スペインGPでも同じ体制が継続されるかについては現時点で発表されていないが、ハジャーの欠場が正式に決まれば、レッドブルは再び代役ドライバーを決定する必要がある。

    ハジャーの回復は進んでいるとされるものの、F1マシンをレース距離にわたって操るには手首への大きな負荷が避けられない。レッドブルは将来を担う若手ドライバーの復帰を急がせる考えはなく、現状ではバクーが現実的な復帰目標になりつつある。

    なお、ハジャーは負傷による欠場が続くなか、欧州宇宙機関(ESA)のフランス人宇宙飛行士ソフィー・アデノと国際宇宙ステーション(ISS)を結んだ特別対談にも参加。地上約400kmを周回するISSと交信し、F1と宇宙飛行という異なる世界におけるパフォーマンスや科学、幼少期からの夢について語り合った。

  • F1イタリアGPの舞台モンツァ 全11コーナーの名前に刻まれた歴史

    F1イタリアGPの舞台モンツァ 全11コーナーの名前に刻まれた歴史

    F1イタリアGPの舞台であるモンツァ・サーキット(アウトドローモ・ナツィオナーレ・モンツァ)は、1922年に建設されたF1カレンダー屈指の歴史を持つサーキットだ。

    「スピードの神殿」と呼ばれる高速コースには、地名やコース形状、そしてイタリアを代表するレーシングドライバーに由来するコーナー名が残されている。

    現在のレイアウトは11のコーナーで構成されるが、その名称は開業当初から固定されていたわけではない。安全性向上のためにシケインが追加され、既存のコーナーも改修されるなかで名称も変化してきた。F1公式サイトが紹介した由来をもとに、モンツァの各コーナーに刻まれた歴史を整理する。

    ターン1/2:プリマ・バリアンテ(Prima Variante)
    スタート直後に待ち受ける最初のシケインが「プリマ・バリアンテ」だ。イタリア語でそのまま「第1シケイン」を意味する。

    モンツァは1922年に建設されたが、高速化するマシンへの安全対策としてコースには繰り返し改修が施されてきた。プリマ・バリアンテが設置されたのは1972年。極端に高くなっていた速度を抑えることが目的だった。

    以前は「バリアンテ・デル・レッティフィーロ(Variante del Rettifilo)」と呼ばれていた。「ストレートのシケイン」という意味で、当時のスタート/フィニッシュストレート上に設置されていたことに由来する。

    2000年には再び形状が変更され、それ以降はプリマ・バリアンテの名称が定着した。現在でもスタート直後の混戦やオーバーテイクが頻繁に発生する、モンツァを象徴する勝負どころのひとつである。

    ターン3:ビアッソーノ(Biassono)
    プリマ・バリアンテを抜けた先にある高速右コーナーがビアッソーノだ。

    かつては、その大きな弧を描く形状から「クルバ・グランデ(Curva Grande=大きなカーブ)」と呼ばれていた。しかし1970年代初頭のコース改修を経て、サーキット近郊の町「ビアッソーノ」の名が使われるようになった。

    現在でもクルバ・グランデという旧称で呼ばれることがあり、モンツァの歴史的な名称のひとつとして広く知られている。

    ターン4/5:セコンダ・バリアンテ(Seconda Variante)
    続くターン4と5は「セコンダ・バリアンテ」。文字どおり「第2シケイン」を意味し、1976年の安全対策として追加された。

    この区間には大きなランオフエリアが設けられており、高速サーキットであるモンツァが安全性を高めてきた歴史を現在のレイアウトからも確認できる。

    同時に、ブレーキングで順位を争える代表的なオーバーテイクポイントでもある。1995年にはF1タイトルを争っていたデイモン・ヒルとミハエル・シューマッハがここで接触するなど、数々のドラマの舞台となってきた。

    近くを流れる水路にちなんで「クルバ・デラ・ロッジア(Curva della Roggia)」とも呼ばれる。

    ターン6/7:レスモ1/レスモ2(Lesmo 1 & 2)
    2つの右コーナーからなるレスモは、モンツァを代表する高速区間のひとつだ。

    もともとはサーキットを囲む森林に由来して「クルバ・デラ・クエルチェ(Curva della Querce=オークのカーブ)」と呼ばれていた。その後、近隣の町レスモにちなんで「レスモ1」「レスモ2」という名称になった。

    名称の起源については、この地域に暮らしていた一族に由来するという説や、ギリシャのレスボス島との関連を指摘する説も存在する。

    特にレスモ2には複数の旧称がある。入口から出口までの距離が短かったことから「クルバ・デイ・100メトリ(Curva dei 100 Metri=100メートルカーブ)」、周辺の森林から「クルバ・デル・ボスコ・デイ・チェルビ(Curva del bosco dei Cervi=鹿の森のカーブ)」とも呼ばれていた。

    かつてのレスモ2は極めて高速で、ドライバーは最大300km/h近い速度で進入していたという。1994年の改修によって以前ほどの超高速コーナーではなくなったものの、現在もラップタイムを左右する重要な区間だ。

    さらに出口でどれだけ速度を維持できるかが、その先のオーバーテイクにも影響する。

    セルラリオ(Serraglio)
    レスモを抜けた先には、わずかに左へ曲がる「クルバ・デル・セルラリオ(Curva del Serraglio)」がある。

    公式にはコーナーとして数えられていないためターン番号は付けられていないが、モンツァの歴史を語るうえでは特徴的な名称だ。

    「セルラリオ」の名は、かつてこの付近に存在した王室の狩猟施設に由来する。ドライバーはほぼストレートとして通過し、そのままアスカリへ向かう。

    ターン8/9/10:バリアンテ・アスカリ(Variante Ascari)
    高速ストレートの先に待ち受ける3連コーナーが「バリアンテ・アスカリ」だ。

    その名はイタリアを代表するF1ドライバー、アルベルト・アスカリに由来する。アスカリは1952年と1953年にF1ワールドチャンピオンを獲得したが、1955年にモンツァでテスト走行中の事故によって命を落とした。

    その功績をたたえ、この区間にはアスカリの名前が付けられた。

    それ以前は「クルバ・デル・プラタノ(Curva del Platano=プラタナスのカーブ)」、あるいは「クルバ・デル・ビアローネ(Curva del Vialone=大通りのカーブ)」と呼ばれていた。後者はサーキットへ通じる大きなアクセス道路の上をコースが横切っていたことに由来する。

    現在のアスカリは左、右、左と高速で切り返す区間であり、ブレーキングだけでなくマシンの方向転換性能とドライバーの正確さが問われる。

    ターン11:クルバ・アルボレート(Curva Alboreto)
    モンツァの最終コーナーが「クルバ・アルボレート」だ。

    長年にわたって「パラボリカ(Parabolica)」の名称で親しまれてきた。約180度の高速右コーナーが数学上の放物線(パラボラ)を思わせる形状をしていることが、その由来である。

    高速で進入しながら長時間にわたって横方向の負荷が続き、出口ではメインストレートへ向けて可能な限り早くアクセルを開ける必要がある。かつてはコース外側の安全設備も現在ほど充実しておらず、ドライバーの勇気が問われるコーナーとして恐れられてきた。

    現在の名称は、元F1ドライバーのミケーレ・アルボレートに由来する。アルボレートは1981年から1994年までF1に参戦し、フェラーリでも活躍したイタリア人ドライバーだ。

    その功績をたたえ、2021年にパラボリカは「クルバ・アルボレート」へ改称された。ただし、長年定着してきた歴史から現在でも「パラボリカ」と呼ばれることは多い。

    地名と英雄の記憶が残る「スピードの神殿」
    モンツァのコーナー名をたどると、このサーキットが単なる高速コースではなく、100年以上にわたって変化を続けてきた場所であることが分かる。

    プリマ・バリアンテやセコンダ・バリアンテは安全性向上を目的としたレイアウト変更の歴史を伝え、ビアッソーノやレスモには周辺地域との結びつきが残る。そしてアスカリとアルボレートには、イタリアのモータースポーツ史を築いたドライバーへの敬意が刻まれている。

    F1イタリアGPを見る際にこうした由来を知っておけば、「レスモ」「アスカリ」「パラボリカ」という実況でおなじみの名前も、それぞれ異なる歴史を背負った場所として見えてくる。

  • 角田裕毅 2027年F1復帰へ他チームから接触「電話はあった」

    角田裕毅 2027年F1復帰へ他チームから接触「電話はあった」

    角田裕毅は、2027年のF1レギュラーシート獲得に向けて他チームから接触があったことを明かした。F1オランダGPでレーシングブルズから復帰し、急きょ実戦に臨みながらも印象的なパフォーマンスを見せたことで、その将来を巡る動きにも変化が生まれ始めているようだ。

    F1イタリアGPを前に行われたインタビューで、角田裕毅は当初「まだ他チームから電話はない」と冗談交じりに答えていたが、その後、実際には「電話があった」と告白。

    具体的な相手については明かさなかったものの、2027年にF1グリッドへ戻ることが最優先の目標だと改めて強調した。

    「電話はあった」2027年に向けて動き
    インタビュアーから「ザントフォールトの後、来年に向けて他チームから電話はあった?」と尋ねられた角田裕毅は、最初は笑いながらこう答えた。

    「いいえ、まだないです。なのでフリーです(笑)。でも、そういう電話が来たらうれしいですね。ぜひ聞きたいですけど、まだないです」

    しかし、ザントフォールトで慣れていないマシンに乗りながら印象的なパフォーマンスを見せたことを踏まえ、2027年の目標について改めて質問されると、角田裕毅は先ほどとは違う答えを口にした。

    「実は、そうですね。ちょっと電話はありました」

    インタビュアーが「電話はあったんだね」と確認すると、角田裕毅は交渉がまだ具体的な決定に至っているわけではないと説明した。

    「はい。でも、まだ何かが決まったわけではないです。ただ、少なくともいい方向には進んでいると思います」

    「もちろん僕の第一目標はF1にいることです。なので、どうなるか見てみたいですね」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) イタリアグランプリ

    モンツァも「自分を証明する」重要な一戦
    角田裕毅は、今季中にさらにF1へ出場する可能性についても含みを持たせた。アイザック・ハジャーの欠場に伴い、ザントフォールトに続いてモンツァでもレーシングブルズをドライブする角田裕毅にとって、今回のイタリアGPは2027年に向けた重要なアピールの場となる。

    「あと数レースあるかもしれないですし、もしかしたら1レースだけかもしれません。そこは分からないです」

    「でも、このモンツァも自分を証明するためのいいレースだと思っています。ベストを尽くしますし、それが来年F1に戻るための将来につながってくれればと思っています」

    電話の相手は明かさず「父です(笑)」
    当然ながら、インタビュアーは角田裕毅が明かした「電話」の詳細を追及した。

    「どんな電話だった?」と聞かれると、角田裕毅は「普通のものですよ。お互いを知ったり、状況がどうなっているのかを確認したり、そういう感じです」と説明した。

    さらに「誰から?」と聞かれると、角田裕毅は一瞬の間を置いてこう答えた。

    「父です(笑)」

    その場には笑いが起こり、インタビュアーも「それはうまいね。誰かは教えてくれないということだね」と返した。

    角田裕毅は接触したチーム名を伏せたものの、「状況を確認する」ための話し合いが行われたことは認めている。ザントフォールトで突然のF1復帰を果たし、続くモンツァでも実戦機会を得たことは、2027年のシート争いにおいて大きな意味を持つ。

    現時点で何も決まってはいない。それでも角田裕毅自身が「いい方向に進んでいる」と語ったように、F1復帰を目指す動きは水面下で始まっている。イタリアGPは、その可能性をさらに広げるための重要な一戦となる。