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  • F1イタリアGP フリー走行2回目 詳報:ラッセル最速 角田裕毅トップ10入り

    F1イタリアGP フリー走行2回目 詳報:ラッセル最速 角田裕毅トップ10入り

    2026年F1第13戦イタリアGPのフリー走行2回目がモンツァ・サーキットで行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が1分22秒559でトップタイムを記録した。2番手にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手にはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が続いた。

    FP1で1-2を記録したフェラーリに対し、FP2ではメルセデスが速さを見せた。

    角田裕毅(レーシングブルズ)はトップから0.896秒差の10番手。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はマシンの挙動に苦しんで9番手にとどまり、アストンマーティン・ホンダ勢は下位に沈んだ。

    路面温度56度の猛暑でFP2スタート
    現地時間16時、60分間のFP2がスタート。モンツァは厳しい暑さに見舞われ、路面温度は開始時点で56度に達した。ピレリが持ち込んだタイヤはC3、C4、C5で、多くのドライバーがミディアムを選択する一方、オスカー・ピアストリ、ランド・ノリス、アンドレア・キミ・アントネッリらはハードで走行を開始した。

    FP1では岩佐歩夢にマシンを譲ったマックス・フェルスタッペンも、このセッションから週末の本格的な走行を開始。ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレスもFP1を欠場しており、FP2では22人のレギュラードライバーがそろってコースに出た。

    日曜日の決勝でPUコンポーネント交換による後方グリッドスタートが見込まれているアントネッリは、序盤からハードでペースを上げ、開始10分の時点で1分23秒417をマークしてトップに立った。この段階ではチームメイトのラッセル、ルクレールまでの3台がわずか0.055秒以内に収まり、メルセデスとフェラーリが早くも接近したタイムを並べた。

    ルクレールはその序盤、第1シケインへのブレーキングでロックアップし、ランオフエリアへ飛び出す場面もあった。

    ラッセルがハードで先行 フェルスタッペンはダウンフォース不足
    その後はラッセルがハードタイヤでトップに浮上し、アントネッリに約0.2秒の差をつけた。アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)も3番手につけ、中団勢の中で早い段階から好位置につけた。

    一方、フェルスタッペンはダウンフォース不足を訴え、フロントウイング交換のためピットへ戻った。FP1を走っていなかっただけに走行時間を確保したいところだったが、マシンのバランスを探りながらのセッションとなった。その後ミディアムでタイムを記録したものの、上位勢に迫るペースは示せなかった。

    FP1を欠場したペレスは開始から約12分が経過してようやくコースイン。午前のセッションでは代役のコルトン・ハータが油圧系とみられるトラブルで走行を止めており、ペレスにとっては金曜日の走行時間が限られる展開となった。

    ノリスがストロールを「危険だ」と非難
    序盤にはトラフィックを巡る危険な場面もあった。第1シケインのブレーキングゾーンへ向かっていたランド・ノリスの前で、ランス・ストロールがレーシングライン側へ移動。ノリスは接触を避けるため芝生側へ逃げ、「危険だ」と無線で不満を示した。

    このインシデントはスチュワードに記録され、セッション後の審議対象となった。モンツァでは長いストレートでトウを得ようとするマシンが接近しやすく、金曜日を通じてトラフィックが大きな要素となった。

    ソフト投入でアントネッリが最初に1分23秒を突破
    セッション開始から20分を過ぎると、各チームは徐々にソフトタイヤを投入し、予選を想定したアタックへ移行した。

    アントネッリはソフトでの最初のアタックをパラボリカでのトラフィックによって中止。それでも2回目のアタックでは1分22秒700を記録し、このセッションで最初に1分23秒の壁を破った。

    ラッセルもソフトでの最初のランを途中で切り上げ、フロントウイングの調整のためピットに戻った。それでも再びコースへ戻ると1分22秒686までタイムを短縮し、アントネッリを0.014秒上回ってトップに立った。

    この時点ではメルセデス勢が後続に0.7秒以上の差をつけ、予選シミュレーションで先行する形となった。

    ルクレールが一時トップ 角田裕毅も上位へ
    続いてフェラーリもソフトを投入。FP1ではソフトを使用していなかったルクレールが1分22秒679を記録し、ラッセルを0.007秒上回ってトップに浮上した。

    この段階では上位3台が0.021秒以内にひしめき、メルセデスとフェラーリの力関係が極めて接近していることを示した。

    角田裕毅もソフトでタイムを伸ばし、一時は3番手へ浮上。チームメイトのリンドブラッドを0.010秒上回る場面もあった。だがリンドブラッドはその後の2回目のアタックでさらにタイムを縮め、再び角田裕毅の前に出た。

    ラッセルが1分22秒559でトップ奪還
    ラッセルはソフトタイヤで再びアタックに入ると、1分22秒559をマーク。ルクレールを0.120秒上回り、トップの座を奪い返した。

    ランド・ノリスが4番手、ルイス・ハミルトンが5番手、オスカー・ピアストリが6番手に続き、予選シミュレーションではメルセデスとフェラーリが前方、マクラーレンがその後ろにつける形となった。

    アントネッリは最終的に3番手となったが、走行中にはアンダーステアも訴えていた。日曜日は後方グリッドからのスタートとなる見込みながら、予選ではQ3進出を狙い、状況によってはラッセルにトウを与える可能性もある。

    イタリアグランプリ

    リンドブラッド7番手 角田裕毅は10番手
    中団ではレーシングブルズが好調だった。リンドブラッドは2回目のソフトで1分23秒349までタイムを伸ばし、7番手へ浮上。オリバー・ベアマン、フェルスタッペンを上回った。

    角田裕毅は1分23秒455で10番手。リンドブラッドとの差は0.106秒で、レーシングブルズの2台がそろってトップ10に入った。

    ベアマンは8番手。ハースはモンツァに大規模な空力アップデートを持ち込み、ベアマンにはそれに加えてフェラーリのアップグレード版PUコンポーネントも搭載されている。一方、エステバン・オコンは空力アップデートのみを使用し、18番手となった。

    後半は決勝想定のロングランへ
    セッション後半に入ると、各チームはミディアムやハードへ戻し、高燃料でのロングランに移行した。

    モンツァでは路面温度が55度前後まで上昇し、日曜日も気温35度前後の暑さが予想されている。ソフトは決勝で長く使うには厳しいとみられ、現時点ではミディアムでスタートしてハードへつなぐ1ストップが本線と考えられている。

    一部にはハードでスタートしてスティントを長く延ばし、セーフティカーなどの展開を待つ戦略も考えられる。各チームはロングランを通じて、ミディアムとハードのデグラデーションや高燃料時の挙動を確認した。

    アロンソは走行量不足 アストンマーティン・ホンダは下位
    アストンマーティン・ホンダは厳しいセッションとなった。フェルナンド・アロンソは全22台の中で最後にコースインし、残り12分の時点でも13周にとどまるなど、十分な走行量を確保できなかった。

    アストンマーティンはハンガリーで大規模なアップデートを投入し、前戦オランダGPではホンダのPUアップデートも加わったが、FP2ではそのパッケージを十分に生かすところまで至らなかった。

    最終的にアロンソは1分25秒027で19番手。トップのラッセルから2.468秒差だった。ランス・ストロールは1分25秒253で22番手となり、トップから2.694秒差。アストンマーティン・ホンダ勢は2台とも下位でセッションを終えた。


    ルクレールが第2シケインでスピン
    残り10分を切ったところで、ルクレールが第2シケインでリアを失ってスピンした。幸いマシンはコース上にとどまり、大きなダメージを負うことなく走行を続けた。

    予選シミュレーションでは速さを見せたルクレールだったが、序盤の第1シケインでのロックアップに続き、終盤にもミスが出る形となった。

    それでもFP1でトップ、FP2でもラッセルから0.120秒差の2番手と、フェラーリの競争力そのものは高かった。フェラーリはモンツァでアップグレード版PUを投入しており、これまでストレートで抱えていた不利を縮小している可能性を示した。

    ボルトレトにエンジントラブル コラピントもコースオフ
    終盤にはガブリエル・ボルトレトのアウディにエンジン関連とみられるトラブルが発生し、走行を早めに切り上げることになった。

    アウディはシーズン序盤に信頼性問題を抱えたが、直近では改善し、ボルトレトとニコ・ヒュルケンベルグによって4戦連続でポイントを獲得していた。土曜日に向けてトラブルの原因確認が必要となる。

    フランコ・コラピントもセッション終盤、アスカリ・シケイン出口で大きくコースを外れてグラベルへ飛び出したが、バリアへの接触は回避。最終的には11番手でセッションを終えた。

    フェルスタッペンは最後までマシンに不満
    フェルスタッペンはセッションを通じてマシンのバランスに苦しみ、終盤には「マシンがさらに跳ねるようになった」と無線で訴えた。

    序盤にはダウンフォース不足を指摘してフロントウイングを交換したが、状況を大きく改善することはできず、トップから0.818秒差の9番手。リンドブラッドとベアマンにも先行された。

    FP1を欠場したことで比較できるデータが少ない中、レッドブルは土曜日に向けてセットアップを詰める必要がある。

    ラッセル首位で金曜日終了
    そのままラッセルの1分22秒559を上回るドライバーは現れず、チェッカーフラッグ。ルクレールが0.120秒差の2番手、アントネッリが0.141秒差の3番手となった。

    4番手ノリス、5番手ハミルトン、6番手ピアストリ、7番手リンドブラッド、8番手ベアマン、9番手フェルスタッペン、10番手角田裕毅というトップ10となった。

    FP1ではフェラーリがルクレール、ハミルトンの1-2を記録したが、FP2ではメルセデスのラッセルがトップ。フェラーリ、メルセデス、マクラーレンの力関係は依然として接近しており、土曜日のFP3と予選に向けて、各チームがどこまでマシンを仕上げてくるかが焦点となる。

  • F1イタリアGP フリー走行2回目 結果・タイムシート:角田裕毅は10番手

    F1イタリアGP フリー走行2回目 結果・タイムシート:角田裕毅は10番手

    F1イタリアGP フリー走行2回目の結果・タイムシート。9月4日(金)にモンツァ・サーキットで2026年のF1世界選手権 第13戦 イタリアグランプリのフリープラクティス2が行われた。

    トップタイムを記録したのはジョージ・ラッセル(メルセデス)。2番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が続いた。角田裕毅(レーシングブルズ)は10番手。アストンマーティン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが19番手、ランス・ストロールが22番手だった。

    ■ ラッセルが最速 メルセデスがFP2で主導権 ■
    ジョージ・ラッセルが1分22秒559でトップタイムを記録。FP1ではフェラーリ勢に先行を許したメルセデスだが、FP2ではラッセルがシャルル・ルクレールを0.120秒差で抑え、アンドレア・キミ・アントネッリも0.141秒差の3番手につけた。予選を前にメルセデスが速さを示す結果となった。

    ■ フェラーリはルクレール2番手 ハミルトン5番手 ■
    FP1で1-2を飾ったフェラーリは、ルクレールが2番手、ルイス・ハミルトンが5番手。ルクレールは一時トップに立つ速さを見せたものの、終盤にはリアを失ってスピンする場面もあった。それでもラッセルとの差は0.120秒にとどまり、ホームレースで上位争いを続けている。

    ■ 角田裕毅10番手 リンドブラッドに0.106秒差 ■
    レーシングブルズの角田裕毅は1分23秒455で10番手。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは1分23秒349で7番手に入り、角田裕毅との差はわずか0.106秒だった。セッション中盤には角田裕毅が一時リンドブラッドを上回る場面もあり、2台は僅差のペースを示した。

    ■ レーシングブルズが中団トップ争い リンドブラッド7番手 ■
    リンドブラッドはトップから0.790秒差の7番手につけ、オリバー・ベアマンやマックス・フェルスタッペンを上回った。レーシングブルズはフェラーリ発祥の回転式リアウイングに類似するHウイングも投入しており、高速モンツァで中団上位を狙えるパッケージを示している。

    ■ フェルスタッペン9番手「マシンがさらに跳ねている」 ■
    FP1を岩佐歩夢に譲ったマックス・フェルスタッペンは、FP2で1分23秒377の9番手。トップから0.818秒差と上位勢から離され、走行中には「マシンがさらに跳ねるようになった」と無線で不満を訴えた。レッドブルは土曜日に向けてセットアップ改善を迫られる。

    ■ アストンマーティン・ホンダは下位 トップから2秒以上 ■
    アストンマーティン・ホンダはフェルナンド・アロンソが19番手、ランス・ストロールが22番手。アロンソはトップのラッセルから2.468秒差、ストロールは2.694秒差だった。アロンソはセッション序盤の走行開始が遅れ、18周にとどまるなど、十分な周回を重ねられないFP2となった。

    ■ ベアマン8番手 ハースの大型アップデートに手応え ■
    オリバー・ベアマンは1分23秒370で8番手に入り、トップ10に食い込んだ。ハースはモンツァに大規模な空力アップデートを持ち込み、ベアマンにはフェラーリの新しいPUコンポーネントも搭載。空力アップデートのみのエステバン・オコンは18番手となり、両車に大きな順位差がついた。

    ■ ボルトレトにエンジントラブル アウディの走行に影響 ■
    ガブリエル・ボルトレトは15番手につけたものの、終盤にエンジン関連とみられるトラブルが発生し、走行を早めに切り上げた。アウディは直近4戦でヒュルケンベルグとボルトレトがポイントを獲得していただけに、土曜日を前に信頼性面の確認が必要となる。

    ■ 猛暑のモンツァ 決勝はミディアム→ハードの1ストップが本線 ■
    FP2では路面温度が55度前後まで上昇。各チームは後半にミディアムとハードを使ったロングランを行い、決勝に向けたデータ収集を進めた。日曜日も高温が予想され、ソフトはデグラデーションが大きいとみられることから、ミディアムからハードへつなぐ1ストップ戦略が現時点で有力となっている。

    イタリアグランプリ

    F1イタリアGP フリー走行2回目 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム タイム GAP LAP
    1 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1分22秒559   28
    2 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1分22秒679 0.120 27
    3 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1分22秒700 0.141 30
    4 1 ランド・ノリス マクラーレン 1分22秒943 0.384 23
    5 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1分23秒016 0.457 25
    6 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン 1分23秒028 0.469 24
    7 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 1分23秒349 0.790 26
    8 87 オリバー・ベアマン ハース 1分23秒370 0.811 27
    9 3 マックス・フェルスタッペン レッドブル 1分23秒377 0.818 28
    10 22 角田裕毅 レーシングブルズ 1分23秒455 0.896 27
    11 43 フランコ・コラピント アルピーヌ 1分23秒619 1.060 26
    12 30 リアム・ローソン レッドブル 1分23秒660 1.101 35
    13 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1分23秒732 1.173 28
    14 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ 1分23秒773 1.214 25
    15 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ 1分23秒776 1.217 22
    16 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ 1分23秒853 1.294 29
    17 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ 1分23秒900 1.341 28
    18 31 エステバン・オコン ハース 1分24秒407 1.848 28
    19 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 1分25秒027 2.468 18
    20 11 セルジオ・ペレス キャデラック 1分25秒082 2.523 26
    21 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 1分25秒149 2.590 26
    22 18 ランス・ストロール アストンマーティン 1分25秒253 2.694 26
  • アルピーヌF1 モナコGP裁定混乱の再発防止を要求「二度と起きないように」

    アルピーヌF1 モナコGP裁定混乱の再発防止を要求「二度と起きないように」

    アルピーヌF1のマネージングディレクターを務めるスティーブ・ニールセンは、ピエール・ガスリーの2026年F1モナコGPでのペナルティが再適用されたことを受け、F1とFIAに対して同様の混乱を二度と繰り返さないための対応を求めた。

    ガスリーは5月のモナコGPを3位でフィニッシュしたものの、ピットレーンでの速度違反を理由にレース後10秒ペナルティを科され、7位へ降格。

    その後、アルピーヌの再審請求によって一度はペナルティが取り消されたが、レッドブルとマクラーレンによる上訴を受け、再び10秒ペナルティが適用される異例の展開となった。

    アルピーヌは「ガスリーは速度超過していなかった」と主張
    問題の発端となったのは、モナコGPでガスリーに科されたピットレーン速度違反のペナルティだった。

    ガスリーは3位でチェッカーを受けたが、レース後に10秒ペナルティが加算された。このレースではほかのドライバーにも同様のペナルティが科されていたものの、ガスリーだけはレース中に消化していなかったため、アルピーヌには裁定を争う余地が残されていた。

    アルピーヌがFIAに証拠を提出して再審を求めた結果、速度判定に用いられた計測区間が規定された距離より77cm短く、それによって誤った速度が算出されたとして、ガスリーのペナルティはいったん取り消された。

    しかし、レッドブルとマクラーレンがこの判断を上訴。上訴審では両チーム側の主張が認められ、ガスリーへの10秒ペナルティが復活したことで、最終的に3位から7位へと順位を落とすことになった。

    ニールセン「我々は正しいと確信していた」
    上訴審の決定を受け、ニールセンはSky Sportsにアルピーヌの見解を説明した。

    「もちろん失望している。こうした案件に絶対的な確信を持って臨むことはできないが、我々には正当性があると確信していた」

    「FIAの公式タイムキーパーによる裏付けもあり、実際に10号車は速度超過をしていなかったと確信していた。それは今も我々の見解であり、10号車は速度超過していなかったと考えている。しかし、審査パネルは異なる結論に達した。だから我々は失望している」

    アルピーヌにとって重要なのは、単に表彰台を失ったことだけではない。公式の計測システムをめぐる技術的な問題によって一度は裁定が覆り、その後の上訴によって再び元のペナルティへ戻るというプロセスそのものが問題となっている。

    スティーブ・ニールセン(アルピーヌF1チーム)

    100ページ超の裁定文書「非常に単純でありながら、とてつもなく複雑」
    今回の決定については100ページを超える文書が作成された。その内容を簡単に説明するよう求められたニールセンは、F1らしい複雑な案件だったと表現した。

    「とてつもなく単純でありながら、同時に途方もなく複雑な話だ。こんなことができるのはF1くらいだろうね」

    「何が正しくて何が間違っているのかという議論には入りたくないし、タイミングシステムがどのように機能しているのかを説明して、みんなを退屈させるつもりもない」

    ニールセンは、すでに結論が出た裁定をさらに争うことよりも、同じ状況を発生させないための制度整備へ焦点を移すべきだと強調した。

    「二度と起きないように」規則の小変更を要求
    「ただ、このスポーツが今集中すべきなのは、こうしたことが二度と起きないようにすることだと思う。そして実際、それに必要なのはレギュレーションのごく小さな変更だけだ。今はそこに力を注ぐべきだ」

    今回の一件では、ピットレーンの速度計測という通常なら明確な数値で判断される違反をめぐり、当初のペナルティ、アルピーヌの再審請求による取り消し、さらにレッドブルとマクラーレンの上訴による再適用と、結論が二転三転した。

    最終的な裁定によってガスリーのモナコGPでの順位は7位となったが、アルピーヌは裁定への不満だけを訴えるのではなく、その原因となった計測方法と規則の整合性を改善することを要求している。ニールセンは、同様の混乱を防ぐために必要な修正は大規模なものではなく、レギュレーションの「ごく小さな変更」で対応できるとの考えを示した。

  • F1 2027年シーズン開幕イベントをミラノで開催 11チーム集結「F1 The Show」

    F1 2027年シーズン開幕イベントをミラノで開催 11チーム集結「F1 The Show」

    F1は、2027年シーズンの開幕を前に、イタリア・ミラノで大規模イベント「F1 Live Milan」を開催することを発表した。2027年2月18日から20日までの3日間にわたってファンフェスティバルを展開し、初日には全11チームのドライバーとチーム代表が集結する「F1 The Show」が行われる。

    2025年にロンドンのO2アリーナで開催された「F1 75 Live」の成功を受けたもので、2026年は新レギュレーション導入や複数回のプレシーズンテストによる過密日程もあり同様のイベントは実施されなかった。

    2027年は開催地をロンドンからミラノへ移し、1夜限りだった従来の形式から3日間へと規模を拡大する。

    全11チームが2月18日の「F1 The Show」に集結
    「F1 Live Milan」の中心となるのが、2月18日に一夜限りで開催される「F1 The Show」だ。会場はミラノ市内の「象徴的な会場」とされているが、具体的な場所は今後発表される。

    当日は2027年F1世界選手権に参戦する全11チームからドライバーとチーム代表が出演。音楽やエンターテインメントを組み合わせ、シーズン開幕前にF1の主要メンバーが一堂に会するイベントとなる。

    2025年のF1 75 Liveでは、当時参戦していた全10チームと20人のドライバーがロンドンに集まり、各チームの2025年リバリーを一斉に披露した。コメディアンのジャック・ホワイトホールが司会を務め、音楽ライブなども組み込まれたF1初の合同シーズンローンチとして開催された。

    F1によれば、このイベントは世界37地域で配信され、ライブ放送の視聴者数は750万人に達した。2027年のミラノ開催は、その成功をさらに発展させる位置付けとなる。

    ミラノ全体で3日間のF1ファンフェスティバル
    今回は一夜限りのショーだけではない。2月18日から20日までの3日間、「Milan Fan Festival」が開催され、F1はミラノをシーズン開幕前のファンイベントの舞台へと変える。

    具体的なプログラムはまだ明らかにされていないが、F1は世界各地のグランプリ開催都市で展開してきたファンフェスティバルの雰囲気と、より深くF1の世界を体験できる企画を組み合わせるとしている。

    F1会長兼CEOのステファノ・ドメニカリは「我々は常に大きく考え、限界を押し広げようとしている。F1 Live Milanは、ファンを中心に据えて作り上げる素晴らしい体験になる」と説明する。

    「ファンには、単にスポーツを見ているのではなく、その中に本当に入り込んでいると感じてもらいたい。F1をこれまで以上にファンへ近づけ、ヒーローたちを間近で見てもらい、F1を特別なものにしているエネルギー、革新性、感動を体験してもらうという我々の継続的な目標の重要な一部だ」

    さらにドメニカリは、ロンドンでのF1 75 Liveを土台として、ミラノでは街を3日間にわたるF1フェスティバルへ変えていく考えを示した。

    F1 The Show

    ロンドンからミラノへ F1が選んだ新たな舞台
    開催地となるミラノは、F1イタリアGPの舞台であるモンツァから近く、フェラーリを中心にF1への強い情熱を持つ地域でもある。文化、ファッション、デザインの世界的中心地という性格も、F1がシーズン開幕イベントの新たな舞台として選んだ理由のひとつだ。

    実際、2026年F1イタリアGPを前にした今週もミラノでは複数のフェラーリ関連イベントが行われ、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールの登場には多くのファンが集まった。

    F1は2027年について、ロンドンからミラノへ「バトンを渡す」と表現しており、F1 75 Liveの単純な再演ではなく、都市を巻き込んだイベントへ発展させる構想を打ち出している。

    チケットは2026年後半に発売へ
    F1 Live Milanのチケットは2026年後半に発売される予定で、ファン向けの事前登録も行われる。「F1 The Show」の出演者や音楽アーティスト、Milan Fan Festivalの各日のプログラムなど、詳細は今後数カ月をかけて順次発表される。

    現地を訪れることができないファン向けにも幅広いチャンネルを通じてイベントを届ける予定で、2025年のF1 75 Liveと同様、世界中から視聴できる形になる。

    2025年に初めて全チームを一堂に集めたシーズンローンチを実現したF1は、2027年にはその枠組みを3日間の都市型イベントへ拡大する。11チーム体制となったF1の新シーズンは、ミラノを舞台とする「F1 Live Milan」から本格的に動き出すことになる。

  • フェルナンド・アロンソ ホンダF1を「100%信頼」も猶予は最大3年

    フェルナンド・アロンソ ホンダF1を「100%信頼」も猶予は最大3年

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1シーズンで苦戦が続くホンダに対して「100%信頼している」と強調した。一方で、過去のF1プロジェクトのように競争力を得るまで5年、6年と待つことはできず、「2年か3年が最大」と明確な期限も示している。

    アストンマーティンとホンダは2026年からワークスパートナーとして新たな時代をスタートさせたが、ここまでは信頼性とパフォーマンスの両面で期待した水準に届いていない。

    「ホンダを100%信頼している」
    「そう、100%だ。ホンダのコミットメントは非常に大きいと思っている」

    アロンソはF1イタリアGPを前にした木曜日、ホンダへの信頼についてそう語った。

    「日本にある施設は世界でも最高レベルのひとつだ」

    「パワーユニットの人員やマネジメントも、ホンダが言っているように強化されているし、以前のプロジェクトに携わっていた多くの人たちも今回のプロジェクトに戻ってきている」

    「だから僕には疑いはない。ホンダを100%信頼している。ただ、そのプロセスを何とか短縮する必要がある」

    ホンダは2015年にマクラーレンとのパートナーシップでF1に復帰した際、厳しいスタートを経験した。その後、レッドブルとの協力を通じて競争力を高め、最終的にはタイトルを争えるパワーユニットへと成長した。

    しかし、45歳となったアロンソにとって、今回も同じだけの時間を待つという選択肢はない。

    「残念ながら、僕たちは出だしでつまずいた。このレギュレーションが始まった時点で、望んでいたレベルにはいなかった。でも、ホンダが最終的にそこへ到達することに疑いはない」

    「ただ、これまで何度も言ってきたように、前回のように5年や6年も待ちたくはない」

    「2年、あるいは最大でも3年でそこまで行きたい」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ザントフォールトの新PU「大きな改善ではなかった」
    ホンダは前戦F1オランダGPで新スペックのパワーユニットを投入。アロンソは18番グリッドから9位まで順位を上げてポイントを獲得した。

    一方、アストンマーティンもハンガリーGPから大幅に改良したマシンを投入しており、特にコーナリング性能については前進が見られている。

    それでもアロンソは、9位という結果を成功として受け止めるつもりはない。

    「僕たちは9位だけで満足することはできないし、チームの誰も満足していないと思う」

    「ただ、少なくとも自分たちが進んでいる方向が正しいと分かったことは、全員にとっていい後押しになった」

    「ブダペスト以降、マシンでは多くのことを変更した。そしてコーナーでは、かなりいいところまで来ていることが分かっているし、そう感じている」

    「この哲学と戦略を維持して、この開発ペースで進んでいけば、最終的にはコーナーで最速のマシンのひとつになれるという希望を、シルバーストンにいる全員に与えてくれる」

    シャシー側について一定の手応えを感じる一方、ホンダがザントフォールトに投入した新しいパワーユニットについて、アロンソの評価はより厳しいものだった。

    「ひとつの項目にはチェックを入れられた。でもエンジン側について言えば、正直なところザントフォールトでは大きな改善ではなかった」

    「ドライバビリティに問題があったし、追加されたパワーもザントフォールトでは感じるのが難しかった」

    モンツァがホンダ新PUの「本当のテスト」
    アロンソは、高速サーキットのモンツァがホンダのアップデートをより正確に評価できる舞台になると考えている。

    「モンツァはエンジンにとって、より本当の意味でのテストになるかもしれない」

    長い全開区間を持つモンツァでは、ザントフォールト以上にパワーユニットの絶対的な性能やエネルギーマネジメントが重要になる。そのため、ホンダが新スペックで実現したパワー向上をどこまで実際のラップタイムにつなげられるかが焦点となる。

    ただし、アロンソは2027年に向けてホンダだけが改善すればいいとは考えていない。アストンマーティン側にもさらなる進歩が必要だと強調した。

    「まだ長い道のりがある。来年に向けてシャシーとエンジン、その両方を改善しなければならない。それは絶対に必要なことだ」

    「そこが一番重要だ」

    アロンソはホンダが最終的に競争力を取り戻すことについて「疑いはない」と繰り返している。その一方で、求めているのは長期的な可能性だけではない。アストンマーティンとホンダがF1で勝利を争うためには、その成長過程を大幅に短縮し、今後2〜3年以内に結果へ結びつける必要があるとの考えを明確にした。

  • F1イタリアGP フリー走行1回目 詳報:ルクレール最速 フェラーリが1-2発進

    F1イタリアGP フリー走行1回目 詳報:ルクレール最速 フェラーリが1-2発進

    2026年F1第13戦イタリアGPのフリー走行1回目がモンツァで行われ、シャルル・ルクレールが1分23秒008でトップタイムを記録した。2番手にはルイス・ハミルトンが0.173秒差で続き、フェラーリがティフォシの前で1-2発進を決めた。

    3番手はジョージ・ラッセル、4番手は負傷中のアイザック・ハジャーに代わってレッドブルをドライブするリアム・ローソン。レーシングブルズの角田裕毅は12番手、マックス・フェルスタッペンに代わってレッドブルのRB22を走らせた岩佐歩夢は17番手だった。

    猛暑のモンツァでFP1開始 4人の若手ドライバーが出走
    セッション開始時のモンツァは気温約30度、路面温度50度という厳しい暑さとなった。今週末は「ヒートハザードイベント」に指定されており、FP1からタイヤやマシンの熱管理が重要なテーマとなった。

    このセッションでは4チームがルーキー走行義務を消化。レッドブルでは岩佐歩夢がフェルスタッペン、ウィリアムズではルーク・ブラウニングがアレクサンダー・アルボン、アルピーヌではポール・アロンがピエール・ガスリー、キャデラックではコルトン・ハータがセルジオ・ペレスに代わって出走した。

    一方、レッドブルでは前戦オランダGPに続いてローソンがハジャーの代役を務め、それに伴って角田裕毅もレーシングブルズでアービッド・リンドブラッドとコンビを組んだ。

    ピレリはC3、C4、C5を用意。スタート直後から多くのマシンがコースへ向かい、大半がハードを選択した一方、一部はミディアム、ローソンはソフトで走行を開始した。岩佐歩夢は隊列の先頭でコースインし、フロントタイヤ後方に大型のエアロレーキを装着して空力データの収集を進めた。

    ローソンが序盤をリード トップ6が0.187秒以内
    各車がタイムを出し始めると、ソフトを履いたローソンが1分24秒383でトップに浮上。ミディアムのオスカー・ピアストリを0.011秒上回った。

    その後方も僅差で、ルクレール、アンドレア・キミ・アントネッリ、ランド・ノリス、ラッセルまでトップ6がわずか0.187秒以内に収まった。

    ノリスはハンガリーGPとオランダGPで2連勝を飾ってモンツァ入りしており、好調を維持したままイタリアGPを迎えた。マクラーレンはモンツァで回転式の「Hウイング」を実戦投入し、ノリス車ではリアウイングにフロービズを塗ってその挙動を確認。オンボード映像ではウイングが大きく動く様子も見られ、チームはデータを収集しながら走行を重ねた。

    モンツァでは各チームがストレートスピードを重視したロードラッグ仕様を投入。フェラーリ、マクラーレン、レッドブル、レーシングブルズなどがそれぞれ特徴的なリアウイングを持ち込み、高速サーキットに合わせたセットアップの確認を進めた。

    ハミルトンが一時トップ フェラーリは新PUを実戦投入
    セッション序盤から存在感を示したのがフェラーリだった。ハミルトンがトップタイムを記録し、ルクレールも上位につけるなど、ホームチームが早い段階からペースを示した。

    フェラーリはモンツァに合わせた特別リバリーでホームレースに臨み、さらに新しいPUを投入。ルクレールとハミルトンはハードからミディアムへとつなぐプログラムで、新PUとロードラッグ仕様のパッケージを確認した。

    ハミルトンに代わってノリスが1分23秒719でトップに立つと、ラッセルが0.083秒差で続いた。各チームがまだ異なるタイヤとプログラムを使用していたものの、上位勢のタイムは徐々に1分23秒台へと入っていった。

    トラフィックも問題に 岩佐歩夢と角田裕毅がアロンに遭遇
    全22台が早い段階から走行したことで、全長5.793kmのモンツァではトラフィックも問題となった。

    岩佐歩夢はレーシングライン上を低速で走っていたアロンに遭遇。自身はエアロレーキを装着した計測走行中でアタックラップではなかったものの、無線で不満を伝えた。

    その後、角田裕毅もアロンに行く手を阻まれ、無線で反応。アロンはFP1でレギュラードライバーのガスリーに代わって走行していたが、短時間に2台からトラフィックについて不満を示される形となった。

    ハータが油圧系トラブル VSCから赤旗へ
    セッション開始から20分に満たないところで流れが止まった。ハータのキャデラックがコース上にストップし、まず黄旗、続いてVSCが導入された。

    チームからマシンを止めるよう指示されたハータはバリアの開口部に近い場所までマシンを運んだものの、自力で再始動することはできなかった。マーシャルによる撤去作業が必要となったため、セッションは赤旗中断となった。

    キャデラックは油圧系のトラブルを疑っており、マシンがギアに入った状態で止まっていた可能性もあった。ハータにとって今季3回目となったF1のFP1走行は、わずか5周で終了した。

    岩佐歩夢(レッドブル・レーシング) イタリアグランプリ

    再開後にソフト投入 ラッセルがトップへ
    残り30分あまりでセッションが再開されると、各チームは本格的なパフォーマンスランに移った。

    ラッセル、フランコ・コラピント、ローソンらが新品ソフトを装着。アントネッリも赤旗直前に履いていた使用歴の少ないソフトでコースへ戻った。

    ラッセルは最初のアタックで1分23秒312を記録してトップに浮上。だが、そのタイムは長く首位には残らなかった。

    ルクレールがミディアムで1分23秒008 ソフト勢を上回る
    ラッセルがトップに立った直後、ルクレールが1分23秒008を記録して首位を奪った。

    注目されたのはタイヤの違いだった。ラッセルがソフトを履いていたのに対し、ルクレールはミディアムのまま0.304秒上回った。この段階ではすでに9台がソフトを使用していたが、それでもルクレールのタイムが全体の基準となった。

    新PUを実戦投入したフェラーリにとっては好材料となり、ロードラッグ仕様との組み合わせもFP1では順調な滑り出しを見せた。

    母国GPを迎えたアントネッリもソフトで上位につけた。今週末は親交の深いMotoGPレジェンド、バレンティーノ・ロッシをモチーフにした特別ヘルメットを使用している。

    ただし、チャンピオンシップを59ポイント差でリードするアントネッリは、これまでの信頼性トラブルの影響でPUコンポーネントの年間使用上限を超えており、決勝は最後尾からスタートする予定。母国でのFP1は純粋な速さだけでなく、決勝での追い上げを見据えた準備も重要となった。

    終盤はグラベルに苦しむドライバーも
    セッション終盤にはコースオフも相次いだ。ルクレールはグラベルに片輪を落として砂煙を上げ、オリバー・ベアマンもコーナーをカットした後にグラベルを横切った。

    フェルナンド・アロンソもタイヤをグラベルへ落とし、リアが流れかけたものの、アクセルを大きく戻すことなくマシンをコントロールしてコースにとどまった。

    路面温度は最終的に53度まで上昇。高温の路面に加えてグラベルがコース上に持ち込まれる場面もあり、最後まで難しいコンディションが続いた。

    ハミルトンが2番手に浮上 フェラーリ1-2でセッション終了
    残り時間が少なくなってもルクレールの1分23秒008は破られなかった。ハミルトンは終盤に最終セクターでスリップストリームの恩恵も受けながら1分23秒181までタイムを縮め、0.173秒差の2番手に浮上した。

    これでフェラーリが1-2。ラッセルが0.304秒差の3番手、ローソンが0.425秒差の4番手となり、アントネッリが5番手、ノリスが6番手に続いた。

    7番手はレーシングブルズのリンドブラッド。アウディのガブリエル・ボルトレトが8番手、アルピーヌのコラピントが9番手、アロンが10番手となった。

    ピアストリは11番手、角田裕毅は1分24秒571で12番手。ニコ・ヒュルケンベルグ、ベアマン、ブラウニング、カルロス・サインツJr.が続き、岩佐歩夢は24周を走行して1分24秒873の17番手でFP1を終えた。

    エステバン・オコンが18番手、バルテリ・ボッタスが19番手。アストンマーティン・ホンダ勢はランス・ストロールが20番手、アロンソが21番手となり、トップからともに3秒以上の差がついた。トラブルで早々に走行を終えたハータが22番手だった。

    フェラーリがティフォシの前で理想的なスタートを切った一方、FP1だけで勢力図を断定するのは早い。メルセデス勢は異なるプログラムを消化し、マクラーレンもHウイングを含むテストを実施していた。さらにフェルスタッペン、アルボン、ガスリー、ペレスはFP1を走行していない。

    FP2では4人のレギュラードライバーがマシンに戻り、各チームの予選シミュレーションやロングランも本格化する。ルクレールがミディアムで示した速さがどこまで本物なのか、金曜日午後の走行でモンツァの勢力図がさらに鮮明になりそうだ。

  • F1イタリアGP フリー走行1回目 結果・タイムシート:角田裕毅は12番手

    F1イタリアGP フリー走行1回目 結果・タイムシート:角田裕毅は12番手

    F1イタリアGP フリー走行1回目の結果・タイムシート。9月4日(金)にモンツァ・サーキットで2026年のF1世界選手権 第13戦 イタリアグランプリのフリープラクティス1が行われた。

    トップタイムを記録したのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手にルイス・ハミルトン(フェラーリ)、3番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続いた。角田裕毅(レーシングブルズ)は12番手。アストンマーティン・ホンダは、ランス・ストロールが20番手、フェルナンド・アロンソが21番手だった。

    ■ フェラーリが1-2発進 ルクレールがミディアムで最速
    シャルル・ルクレールが1分23秒008でトップタイムを記録し、ルイス・ハミルトンが0.173秒差の2番手に続いた。特にルクレールはソフトではなくミディアムタイヤで最速タイムをマークしており、低ドラッグ仕様のマシンと新PUを投入したフェラーリがホームのモンツァで好スタートを切った。ハミルトンも最終セクターでスリップストリームを活用し、フェラーリがセッションを1-2で締めくくった。

    ■ 角田裕毅は12番手 リンドブラッドとは0.769秒差
    レーシングブルズの角田裕毅は1分24秒571で12番手。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは1分23秒802で7番手に入り、両者のベストタイム差は0.769秒となった。角田裕毅はハードとミディアムを使用し、途中には前方を走るポール・アロンのトラフィックに無線で不満を示す場面もあった。リンドブラッドはトップ10に入り、レーシングブルズがモンツァで競争力を発揮できる可能性を示した。

    ■ アストンマーティン・ホンダは下位 トップから3秒以上
    アストンマーティン・ホンダはランス・ストロールが20番手、フェルナンド・アロンソが21番手と厳しい滑り出しとなった。ストロールはトップから3.058秒差、アロンソは3.064秒差で、2台ともベストタイムでは3秒以上離された。アロンソは走行中にグラベルへタイヤを落としながらもアクセルを戻さずマシンを立て直す場面があった。高速ストレートが連続するモンツァで、新PUを含めたパッケージの仕上がりがFP2以降の焦点となる。

    ■ 岩佐歩夢は17番手 フェルスタッペンのRB22で24周
    マックス・フェルスタッペンに代わってレッドブルをドライブした岩佐歩夢は、1分24秒873で17番手。トップのルクレールから1.865秒差で24周を走り込んだ。序盤にはフロントタイヤ後方に大型のエアロレーキを装着してデータ収集を行い、ポール・アロンがレーシングライン上を低速走行していたことについて無線で不満を伝える場面もあった。

    ■ FP1出走の若手ではアロンが10番手 ブラウニング15番手
    FP1でレギュラードライバーに代わって出走した若手では、アルピーヌのポール・アロンが1分24秒177で10番手と最上位。ウィリアムズのルーク・ブラウニングは15番手、岩佐歩夢は17番手となった。一方、キャデラックのコルトン・ハータはわずか5周で走行を終え、22番手にとどまった。

    ■ ハータのマシントラブルで赤旗 キャデラックは油圧系を疑う
    セッション中盤にはコルトン・ハータがコース上にストップ。黄旗からVSCとなり、その後マーシャルがマシンを回収するため赤旗が提示された。キャデラックは油圧系のトラブルを疑っており、マシンがギアに入ったままになっていた可能性もあった。ハータはこのトラブルで十分な周回を重ねることができなかった。

    ■ ローソンが4番手 レッドブル代役で再び存在感
    負傷したアイザック・ハジャーに代わってレッドブルをドライブするリアム・ローソンは、1分23秒433で4番手。トップから0.425秒差につけ、ジョージ・ラッセルに続く位置に入った。ローソンが今週末もレッドブルをドライブすることが正式に決まったのは水曜日だったが、限られた準備時間の中で再び上位につけた。

    ■ 低ドラッグ仕様のリアウイングが焦点 マクラーレンは挙動を確認
    モンツァでは各チームがストレートスピードを重視した低ドラッグ仕様を投入。フェラーリ、マクラーレン、レッドブル、レーシングブルズなどが反転したような形状のリアウイングを持ち込んだ。ランド・ノリスのマクラーレンにはフロービズが塗布され、リアウイングのフラップ機構の動きを確認。オンボード映像ではウイングが大きく動く様子も見られ、FP2までに調整が加えられる可能性がある。

    ■ 路面温度50度超の猛暑 タイヤとエネルギー管理も重要に
    FP1は気温約30度、路面温度50度を超える非常に暑いコンディションで行われた。ピレリはC3、C4、C5という比較的ソフト寄りの組み合わせを持ち込み、週末は「ヒートハザードイベント」に指定されている。高速区間が長くエネルギー管理も難しいモンツァ

    イタリアグランプリ

    F1イタリアGP フリー走行1回目 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム タイム GAP LAP
    1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1分23秒008   29
    2 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1分23秒181 0.173 26
    3 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1分23秒312 0.304 27
    4 30 リアム・ローソン レッドブル 1分23秒433 0.425 26
    5 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1分23秒644 0.636 27
    6 1 ランド・ノリス マクラーレン 1分23秒719 0.711 26
    7 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 1分23秒802 0.794 29
    8 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ 1分24秒006 0.998 21
    9 43 フランコ・コラピント アルピーヌ 1分24秒028 1.020 27
    10 61 ポール・アロン アルピーヌ 1分24秒177 1.169 23
    11 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン 1分24秒184 1.176 26
    12 22 角田裕毅 レーシングブルズ 1分24秒571 1.563 27
    13 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1分24秒626 1.618 27
    14 87 オリバー・ベアマン ハース 1分24秒646 1.638 28
    15 46 ルーク・ブラウニング ウィリアムズ 1分24秒740 1.732 25
    16 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ 1分24秒827 1.819 25
    17 36 岩佐歩夢 レッドブル 1分24秒873 1.865 24
    18 31 エステバン・オコン ハース 1分25秒852 2.844 26
    19 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 1分25秒984 2.976 27
    20 18 ランス・ストロール アストンマーティン 1分26秒066 3.058 23
    21 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 1分26秒072 3.064 21
    22 25 コルトン・ハータ キャデラック 1分29秒922 6.914 5
  • ピエール・ガスリー F1モナコGP表彰台を再び失う FIA控訴審で裁定覆る

    ピエール・ガスリー F1モナコGP表彰台を再び失う FIA控訴審で裁定覆る

    ピエール・ガスリーは、2026年F1モナコGPで一度取り戻していた3位表彰台を再び失うことになった。FIA国際控訴裁判所(ICA)が、マクラーレンとレッドブル・レーシングによる控訴を認め、ガスリーに科されていた2件の5秒タイムペナルティを復活させた。

    これにより、レッドブルのアイザック・ハジャーが3位に復帰し、オスカー・ピアストリが4位、リアム・ローソンが5位、アービッド・リンドブラッドが6位へ繰り上がる。ガスリーは合計10秒のペナルティによって7位に再分類される。

    FIAは9月4日、8月25日にパリで行われた審理の裁定を正式に発表した。

    ガスリーの2件の5秒ペナルティが復活
    6月7日に行われたモナコGPで、ガスリーはコース上では3位でフィニッシュした。しかしレース中にピットレーンの制限速度違反が2度あったとして、それぞれ5秒、合計10秒のタイムペナルティを受けた。

    当初の計測では、ガスリーは60km/hの制限に対して60.1km/hと60.4km/hを記録したとされていた。ガスリーはレース中にペナルティを消化していなかったため、チェッカー後に10秒が加算され、暫定結果では7位に降格。ハジャーが3位へ繰り上がっていた。

    ところがアルピーヌはレース後、FIA国際スポーティングコード第14条に基づく「再審査請求(Right of Review)」を提出した。

    チームが新たな証拠を提示した結果、ピットレーン速度を算出する際に使用された計測に問題があり、実際にはガスリーが制限速度を超えていなかったことを示すデータが明らかになった。

    スチュワードは6月12日、この情報が当初の裁定時には入手できなかった「重要かつ関連性のある新たな要素」に該当すると判断。2件の5秒ペナルティを取り消し、ガスリーを3位へ戻した。

    マクラーレンとレッドブルが控訴
    しかし、この裁定にマクラーレンとレッドブルが異議を唱えた。

    特に問題となったのは、同じピットレーン速度違反でペナルティを受けた他のドライバーとの公平性だった。

    オスカー・ピアストリはレース中に5秒ペナルティを消化済み。一方、ジョージ・ラッセルもペナルティに関連してレース中にタイムを失っていた。すでに消化されたペナルティによって失った時間を、レース後になって結果から取り除く仕組みはF1の規則には存在しない。

    それに対し、ガスリーはペナルティをレース中に消化していなかったため、チェッカー後に加算された10秒を取り消すだけで元の3位へ戻ることができた。

    マクラーレンは控訴に際し、問題は特定のライバルを対象にしたものではなく、「スポーツ上の公平性、規則適用の一貫性、競技の完全性」に関わるものだと説明していた。

    マクラーレンとレッドブルは6月16日、スチュワードが6月12日に下した裁定をFIA国際控訴裁判所へ正式に控訴。8月25日にパリで審理が行われた。

    2026年 モナコグランプリ

    FIA国際控訴裁判所がアルピーヌの裁定を覆す
    FIA国際控訴裁判所は9月4日、マクラーレンとレッドブルの控訴を認める裁定を発表した。

    裁判所は、両チームの控訴を受理可能と認定したうえで、6月12日にスチュワードが下したガスリーの2件のペナルティ取り消し決定を破棄した。

    さらに、当初ガスリーに科されていた2件の5秒タイムペナルティは有効であるとし、FIA司法・懲戒規則の権限に基づいてこれを再び科すことを決定した。

    FIAは裁定について次のように発表している。

    「控訴を認め、2026年モナコGPのスチュワードが2026年6月12日付文書99で下した決定1および2を破棄する」

    「文書73および75によって10号車のドライバー、ピエール・ガスリーに科された2件の5秒タイムペナルティは有効であると宣言し、司法・懲戒規則第14.12.1条および第14.12.2条によって与えられた権限を行使して、これを再び科す」

    また、FIAは管轄するスポーツ当局に対し、最終レース結果とチャンピオンシップポイントを含め、今回の裁定を反映した修正を行うよう命じた。

    ハジャーがレッドブル加入後初表彰台を取り戻す
    この裁定によって、6月7日のモナコGPの順位は再び変更される。

    優勝したメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリと2位ルイス・ハミルトンに変更はないが、ハジャーが3位へ復帰。レッドブル加入後初となる表彰台を改めて手にすることになった。

    ピアストリは4位、ローソンは5位、リンドブラッドは6位へそれぞれ繰り上がり、ガスリーは7位となる。

    ガスリーにとっては、モナコでチェッカーを3位で受けた後、一度はペナルティによって7位へ降格し、アルピーヌの再審査請求によって3位へ復帰。そして約3カ月後の国際控訴裁判所の裁定によって、再び7位へ戻される異例の展開となった。

    2026年F1モナコGPの結果をめぐる長期の法的手続きは、マクラーレンとレッドブルの控訴が認められたことで決着。ガスリーの表彰台は取り消され、ハジャーの3位が正式に復活することになった。

  • F1イタリアGP 木曜会見PART2:アントネッリ 母国GPで最後尾から逆襲へ

    F1イタリアGP 木曜会見PART2:アントネッリ 母国GPで最後尾から逆襲へ

    2026年F1第13戦イタリアGPを前に行われた木曜記者会見のPART2には、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリ、レッドブル・レーシングのリアム・ローソン、アストンマーティンのランス・ストロールが出席した。

    母国GPを選手権リーダーとして迎えるアントネッリは、グリッド降格によってむしろプレッシャーから解放されたと説明。フェラーリ移籍説やメルセデスへの思い、モンツァをペナルティ消化の舞台に選んだ理由にも言及した。

    Q:母国モンツァに世界選手権首位として戻ってきました。どれほど特別に感じていますか?
    アンドレア・キミ・アントネッリ: とても特別だ。去年とは間違いなく大きく違う。最後尾からのスタートにはなるけど、今週末をとても楽しみにしている。大きなチャンスもあると思っているし、以前よりずっと楽しめると思う。いいレースができればと思っている。

    Q:ファンのために特別なヘルメットを用意していますか?
    アントネッリ: うん。今夜発表するスペシャルヘルメットがある。僕にとって特別な人で、親しい友人でもある人とのコラボレーションによる、とても特別なヘルメットだ。すごくクールだと思うよ。

    Q:グリッドペナルティによって最後尾からスタートします。それは今週末への考え方をどう変えますか?
    アントネッリ: ある意味ではプレッシャーを軽減してくれると思う。もちろん本当ならポールを争ってフロントからスタートしたい。でも少しリラックスして週末に入れるし、ドライビングや週末そのものをもっと楽しめると思う。それに、いつもとは違うチャンスでもある。特にフリー走行では普段とは違うやり方や作業方法を試せる。とても興味深い週末になると思う。

    Q:このサーキットはマシンにどれくらい合うと思いますか? 最後尾からどこまで順位を上げられるでしょうか?
    アントネッリ: 僕たちにかなり合う可能性のあるサーキットだと思う。ただ、マクラーレンがどれだけ強いか、過去2戦でどれだけ強かったかは見てきた。フェラーリも、特に新しいエンジンがあるから間違いなく上位に来るだろう。僕たちのマシンはカナダ以降アップデートがないけど、それでも非常に強い。このコースは僕たちに合う可能性があるけど、フェラーリ、マクラーレン、それにレッドブルも速いかもしれない。特にフェラーリとマクラーレンが前方にいることは考慮しなければならない。

    Q:リアム、アイザック・ハジャーの欠場によって、再びレッドブルで走る機会が巡ってきました。今週末はどんな気持ちで臨みますか?
    リアム・ローソン: とにかく最大限に生かしたい。僕にとって興味深い立場だ。ザントフォールトはスプリント週末でかなりストレスのかかる場面もあったけど、全体的にはいい週末だった。少なくとも一度経験しているから、今回はもう少し適応しやすいはずだ。それに今回は3回のフリー走行があり、もっと通常の週末になる。だから、またいいチャンスだ。

    Q:今週末にレースへ出場すると知ったのはいつですか?
    ローソン: 水曜日だ。この1週間はずっと、どうなるか待っているような状態だった。もちろんアイザックにも回復するための最大限のチャンスを与えようとしていた。でも心のどこかでは、自分が走る可能性がまだあることは分かっていた。水曜日になってようやく決まったからかなり遅く感じたけど、それでもシミュレーターセッションを行い、通常どおり週末の準備をする時間はあった。

    Q:ザントフォールト以降はどちらのチームのエンジニアと話をしていたのですか?
    ローソン: 正直に言えば両方だ。どちらになっても準備できるように、両方やっていた。両チーム、両方のマシンを理解しておく必要がある。ドライブした感じはかなり違うから、シミュレーターでさえ2台を行き来するのは簡単ではない。正直、それが最大のチャレンジだった。でも水曜日にようやく答えが出て、今はこのマシンだけに集中できる。それはよかった。

    Q:2台はドライブした感じが違うとのことですが、具体的にどこが違うのでしょうか?
    ローソン: すべてだ。パワーユニット以外はかなり違う。レッドブルで最も印象的なのは、僕のマシンから乗り換えたときに感じる高速域のグリップだ。でもマシンの走らせ方やバランスも大きく違う。あまり多くは言えないけど、本当に違うマシンだ。ステアリングを通じて得られるフィードバック、マシンの感触、動き方、すべてがかなり違う。

    Q:ランス、アストンマーティンはここ数戦で3秒近く改善しました。ハンガリー以前と比べて、マシンはどれくらい違って感じますか?
    ランス・ストロール: ずっと良くなった。ハンガリー以降、間違いなく大きく改善している。いい感じだ。

    Q:具体的にどこが良くなりましたか?
    ストロール: すべてだ。ダウンフォースが増えた。だから、より速くコーナーを回れる。

    Q:前戦ではホンダが新しいパワーユニットを投入しました。ドライバビリティについて、まだどの部分を改善する必要がありますか?
    ストロール: まだパワーでは劣っている。だから、もっとパワーが必要だ。それとドライバビリティにも取り組んでいる。複雑なものだから、少しずつ改善していくしかない。

    Q:スロットルオンだけでなく、オフスロットルでも課題がありますか?
    ストロール: ああ。すべてだ。コーナーに向けたシフトダウン、エンジンブレーキ、そういうすべてだ。ザントフォールトでは週末を通じて改善したけど、まだやるべきことはたくさんある。

    Q:残りのシーズンに向けて、チームはどんな目標を持っていますか?
    ストロール: 僕たちのマシンに合うサーキットで最大限の結果を出さなければならない。パワーでは劣っているから、モンツァのように長いストレートがある場所はより難しくなる。だからエンジンよりシャシーの比重が大きいサーキットでチャンスを生かさなければならない。ドライバビリティやシャシー側の開発にも取り組む必要がある。ただ、今は徐々に開発を落として2027年により集中し始めている。主なものはドライバビリティとパワーだ。そこを改善していく必要がある。

    Q:最後尾スタートによってプレッシャーは軽くなりますか? それでも優勝を狙えると思いますか?
    アントネッリ: 勝てたら最高にうれしいよ! 間違いなくプレッシャーは減る。さっきも言ったように、ほとんど何も考えず、自由な状態でマシンに乗ってドライビングと週末を楽しめると思う。もちろん目標はいつもと同じで、結果を最大限にしたい。理想的な世界なら、現実的にはトップ5まで行ければかなりいいと思う。ただ、すべては自分たちのペースとマシン同士の差次第だ。僕たちが速くても、フェラーリやマクラーレン、レッドブルとの差が小さければ、レース中に追いつくには十分ではないかもしれない。でも、やってみないと分からない。精神的には本当に自由だし、すごくワクワクしている。プレッシャーはない。

    Q:成功を重ねるほど、いつかフェラーリで走るという期待や憶測が強くなることについてどう考えていますか?
    アントネッリ: もちろん、そういうことはあると思う。僕自身イタリア人だから、僕たちがどれだけ感情的で、物事にどれだけ興奮するか分かっている。時には興奮しすぎることもあるよね。だから、そういう話は常に出てくると思う。でもフェラーリが巨大で素晴らしいブランドである一方、僕は今いる場所でとても幸せだ。メルセデスには本当に満足している。僕が子どものころからチャンスを与えてくれたのは彼らだからね。僕には彼らに返したいものがたくさんある。だから、そういう話とは付き合っていかなければならないね。

    Q:昨年から今年にかけて、精神面で最も変わったことは何ですか?
    アントネッリ: 去年ほど自分を証明する必要がなくなったことだ。昨年は難しい時期を経てここに来ていたし、自分がF1にいる資格があることを証明しなければならないと感じていた。それで自分自身に大きなプレッシャーをかけ、緊張した状態でドライブしていた。昨年はマシンに乗っていることを本当の意味では楽しめていなかった。今年は違う。素晴らしいマシンに乗れているのは幸運だけど、1年間の経験も大きな違いを生んでいる。自分自身もずっと成熟し、状況をよりコントロールできるようになった。良い結果が出れば、証明しなければならないことも減っていく。僕は勝てること、結果を出せることを証明した。だから今週末はホームレースだけど、結局は他と同じひとつのレースだ。1年間の経験がアプローチに大きな違いを生んでいる。

    Q:グリッドペナルティがあるため、自分の予選を犠牲にしてジョージ・ラッセルにスリップストリームを与える用意はありますか?
    アントネッリ: うん。チームとは話し合ったし、いくつかのことについて合意している。セッションがどう展開するかを見てみよう。チームから求められれば、もちろんやるよ。ポールを取れたらうれしいけど、最後尾からスタートすることに変わりはない。だからチームを助けるためにできることがあるならやるつもりだ。

    Q:ロジャー・フェデラーから「常にその瞬間にとどまり、次の一歩だけに集中すること」と助言されていました。どんなメンタル面のアプローチをしていますか?
    アントネッリ: そのアドバイスはしっかり受け止めた。「その瞬間にとどまる」ということだ。未来や、自分でコントロールできないことに集中しても意味はない。違いを生み出せるのは、自分でコントロールできることだ。その瞬間に集中して今を生き、自分にできるベストを尽くす。そのあと何が起きるかを見る。それも昨年と比べて大きく変わったところだし、とても役に立っている。

    Q:このマシンで最高速域を走ることはどれほど大変になりそうですか? また、ドライビングスタイルを変える必要はありますか?
    アントネッリ: 正直、シミュレーターで走った感じでは予想していたほど悪くなかった。スーパークリップもそれほど多くない。他のレースと比べてハーベストの制限を少し変更し、スーパークリップを減らしているからね。速度が頭打ちになる感じは増えるけど、大きく減速することはない。それはポジティブだ。それでも難しいコーナーはある。アスカリ・シケインはかなり難しくなると思う。大きなパワーがあって、ずっと加速し続けるから簡単ではない。レスモもいつだってチャレンジだ。このマシンはブレーキングも簡単ではないから、どうなるか興味深い。でも全体としては、僕たちが予想していたよりかなり良くなると思う。

    ローソン: それほど付け加えることはない。過去に慣れていたものとはかなり違うし、ミスをしたときの代償はより大きくなるかもしれない。エネルギーを使いすぎるのは簡単だし、特に他のコースより影響が大きくなる。ただ、予想していたより少し良くなりそうだ。実際にコースを走ってみないと分からないけどね。

    Q:フェルスタッペンはレッドブルと非常に長い契約を結びました。ひとつのチームでキャリア全体を過ごすのと、複数のチームで自分を試すのでは、どちらがいいと思いますか?
    アントネッリ: 僕はキャリアを始めたばかりだから、この質問をする相手としては一番適していないと思う。でもマックスとレッドブルには素晴らしい関係がある。彼を非常に若い年齢でマシンに乗せ、信頼したのも彼らだった。外から見る限り、彼はチームで幸せだと思うし、このプロジェクトを信じているんだと思う。だからレッドブルに残る理由も権利もすべてある。いつか変えたいと思えば、それは彼次第だ。でも今いる場所で幸せなら、なぜ変える必要がある? 僕もメルセデスで同じようにすると思う。僕には彼らに返したいものがたくさんあるし、この先ずっと彼らと一緒にいて幸せなら、キャリア全体をメルセデスで過ごすかもしれない。もちろん何が起こるかは分からないけどね。

    Q:イタリア人ドライバーが選手権首位で母国GPを迎えるのは1953年のアルベルト・アスカリ以来です。この瞬間はどんな意味がありますか?
    アントネッリ: 信じられないような瞬間だ。こういう状況が実際に起こるとは思っていなかった。でも今、自分がその状況にいる以上、パフォーマンスを発揮し、結果を出し続けなければならない。僕にとっても、チーム、家族、応援してくれるすべての人にとっても素晴らしい瞬間だ。でもプッシュし続け、さらに基準を引き上げなければならない。まだ先は長いからね。

    Q:モンツァではエネルギー配分が非常に厳しくなります。それは最後尾から追い上げるうえで有利になりますか?
    アントネッリ: 非常にエネルギーが厳しいサーキットだから、オーバーテイクのチャンスがたくさん生まれると思う。だからペナルティを受ける場所としてここを選んだ。他にもオーバーテイクできるコースはあるけど、ここはエネルギーが厳しく、場所によって異なるやり方もできる。それが集団の中から順位を上げる最大のチャンスを与えてくれると考えている。それが最善だと判断した。日曜日にうまくいくことを願っている。

    Q:高速で走っているとき、F1が危険なスポーツであり、重大な事故では命を落とす可能性もあることを考える時間はありますか?
    アントネッリ: うわ、強烈な質問だね。高速コーナーを走っているときにそういうことを考えるかってこと? いや、速すぎてそんな時間はない。ただ行くだけだ。それでうまくいけばいいし、そうでなければ衝撃に備える。僕たちはこのスポーツがどれだけ危険なのか分かっている。でも結局、これが大好きなことなんだし、リスクの一部であることも分かっている。F1とFIAは安全性について素晴らしい仕事をしてきた。今のマシンは昔よりはるかに安全で、それによってコース上でさらに自信を持ってプッシュできる。もちろんリスクがあることは十分理解している。だって……あ、くそ。ごめん。ああ、ごめん、ごめん。さらにまずいことになった。何をやってるんだ、僕は(笑)。今度は罰金が来るんじゃないかって心配になってきたよ。何を話してたっけ? そうだ。リスクは常に存在する。それは十分認識しているけど、これが僕たちの大好きなことだから、そのリスクとともに生きていく。

    Q:メカニックたちが誕生日をケーキで祝っていました。今週末、何か仕返しを計画していますか?
    アントネッリ: 分からない。むしろ彼らが何を計画しているのか怖いよ。まだ終わっていないからね。今日のはこれから出てくるメニューの前菜にすぎなかったと思う。今朝はかなりひどくやられた。顔に何個ケーキをぶつけられたか分からないけど、本当にたくさんだった。クリームと匂いを落とすために少なくとも15分はシャワーを浴びなきゃいけなかった。本当に臭かったよ。どうなるか見てみよう。予告はしたくない。その瞬間の気分と状況を見て行動すると思う。でも念のため、ポケットには何か用意してあるよ(笑)。

    Q:2年前、ここモンツァのFP1でパラボリカにクラッシュしました。そのとき「2年後、選手権をリードして母国GPに戻ってくる」と言われたら、どう答えていましたか?
    アントネッリ: 「黙ってくれ」って言ったと思う(笑)。冗談はやめてくれってね。あの日は僕にとってすごく難しい一日だった。ああいう形でこのスポーツに自分を紹介したかったわけではない。あれほど早くクラッシュしてしまった。確かにプッシュしていて、うまくいっていたけど、あまりにも短かった。僕がすべてを始めたかった形ではなかった。その後もしばらく難しい時期が続いた。特に最初の段階では、ああいうことを乗り越えるのは簡単ではない。だからグラベルを歩いていた僕に誰かが「2年後のまさにこの瞬間、世界選手権をリードしている」と言っていたら、「冗談だろう」と答えていたと思う。でも、それが実際に起きている。本当にうれしいし、感謝している。あとはプッシュし続けるだけだ。

  • F1イタリアGP 木曜会見PART1:ハミルトン フェラーリ改革と新PUへの期待語る

    F1イタリアGP 木曜会見PART1:ハミルトン フェラーリ改革と新PUへの期待語る

    2026年F1第13戦イタリアGPを前に、モンツァで木曜記者会見が行われ、フェラーリのルイス・ハミルトン、ハースのオリバー・ベアマン、アルピーヌのピエール・ガスリーが出席した。

    フェラーリのホームレースを迎えたハミルトンは、ミハエル・シューマッハへの思いや新パワーユニットへの期待、チーム内部で進めてきた改革について説明。また、モンツァに乗ってきたフェラーリF40にまつわる特別なエピソードも明かした。ベアマンはハースの大型アップデート、ガスリーはアルピーヌの進歩について語った。

    Q:フェラーリのホームレースとなるモンツァで、フェラーリドライバーとして走ることはどれほど特別ですか?
    ルイス・ハミルトン: フェラーリのドライバーでいられることは最高の気分だ。この象徴的なレースに、世界で最も象徴的で最高のチームの一員としてイタリアに来られることは名誉であり特権だ。2年連続で経験できるのは素晴らしいし、それでもまだ新鮮に感じる。慣れてしまうようなものではないね。

    Q:今週末はミハエル・シューマッハをイメージしたカラーリングも登場します。それについて、そしてミハエルがあなたにとってどんな存在だったのか教えてください。
    ハミルトン: 実はまだカラーリング自体は見ていないんだけど、僕が着ているシャツには7つの星がある。僕にも7つの星があるから、かなりぴったりだよね。僕のものでもあるような感じがする。昨年は親しい友人だったニキを称えた。ミハエルについては、子どものころの日曜日の朝を覚えている。F1が始まるときに昔使われていた、今よりずっと良かった音楽が階下から聞こえてきて、「よし」と興奮して走って下りていった。『The Chain』だったかな? そう、ずっと良かったよ。そして、いつも覚えているのは赤いマシンに乗ったミハエルの姿だ。コンピューターゲームでもいつもフェラーリのミハエルを選び、彼の立場ならどんな気分なのか想像していた。そして今、僕にはそれを実際に経験できる特権がある。彼は本当にリーダーだったし、キャリアを通じて素晴らしい仕事を成し遂げた。彼がまだ現役だった時代に僕もレースをして、同じコースを走れたことも大きな意味があった。

    Q:パフォーマンス面では、ここでパワーユニットがアップグレードされます。勝利を争うには十分でしょうか?
    ハミルトン: 小さな改善でもすべて助けになる。今年ここまで、前戦のような短いサーキットでさえ、決勝では1周あたりコンマ4秒を失っていた。それは大きな差で、今年はずっとその不足を抱えてきた。ファクトリーに戻ってみんながどれだけ懸命に働いているかを見ると誇らしく思う。みんな仕事に集中していて熱意がある。今年は昨年とは違う集中力を感じる。昨年は本当の意味での「北極星」がなかったように感じていた。できる限りのことはしていたけど、正確にどこを目指しているのか分かっていなかった。今は北極星があり、どこに向かって取り組むべきか分かっている。みんなが一丸となって成果を出すために素晴らしい仕事をしてくれた。これは前進だ。必要な差をすべて埋めるものではないし、それは最初から分かっていた。でも毎週末、新しいものがマシンに加わっていくのを見るのはエキサイティングだ。僕たちはまだプッシュしているし、勝つために必要なものを持っていると強く信じている。

    Q:オリバー、ハースはモンツァに大規模なアップデートを持ち込みました。どれくらいのラップタイム向上を期待していますか?
    オリバー・ベアマン: 今週末、もう少しパフォーマンスが上がることを期待している。ここ数戦はライバルに置いていかれていた。大きなアップデートを投入してからかなり時間が経っているから、今回には大きな期待を寄せている。かなり大規模なものだし、チームも自信を持っている。もちろんモンツァはアップデートを持ち込む場所として必ずしも最適ではない。このコースは先週などと比べてドラッグへの感度が高く、効果を完全には確認できないからだ。それでも長い間待っていたものだ。チームは懸命に働いてきた。小さなチームである以上、アップデートを完成させるまでの時間も課題のひとつだ。前回の大きなアップデートはカナダだったから、かなり前だ。いい週末になることを願っている。

    Q:シミュレーターでアップデートを試す機会はありましたか?
    ベアマン: ああ。シミュレーターで走らせた感じは良かった。でも僕はシミュレーターについてはいつもかなり懐疑的なんだ。僕たちにはシミュレータードライバーもいないから、実車との相関について完全に確信しているわけではない。実際にコースで走らせるまでは判断を保留するよ。

    Q:ヨーロッパラウンドはあなたとチームにとってフラストレーションのたまるものになっています。シーズン後半でどれくらい挽回したいですか? 昨年と同じことができると思いますか?
    ベアマン: 昨年の後半戦はとても強かった。でも、それは他のチームがあまりアップデートをしていない時期に、僕たちがアップデートを投入した結果でもあった。ただ、それが今年の序盤に僕たちを苦しめたわけでもない。このチームを完全に信頼している。過去にも素晴らしいことを成し遂げてきた。僕たちはスタッフ全員が最大限の能力を発揮できるよう、必要なリソースと環境を与えようとしている。それこそが小松さんが懸命に取り組んでいることだ。きっとそこに到達できる。今回のアップデートは大きな一歩だし、それがポイントという形で報われることを願っている。それが目標だ。

    Q:ピエール、あなたはミラノに住んでいます。ある意味ではホームレースのように感じますか?
    ピエール・ガスリー: もちろん。サーキットに向かう前に自分のベッドで目を覚まし、自宅でコーヒーを飲めるのは最高だ。いつもとは違う感じがするから、ある意味ではホームレースだね。チームにはフラビオもいるし、モンツァは特別だ。ここで初優勝を挙げたこともあって、サーキットやパドックに入るといつも特別なエネルギーを感じる。

    Q:ハミルトンとベアマンにはアップデートについて聞きました。アルピーヌは前戦ザントフォールトで多くのアップデートを投入しました。今週末にはどれくらい期待していますか?
    ガスリー: ザントフォールトでは良い前進だった。スプリントで8位、日曜日の決勝で10位だった。スプリント週末だったから、それを最大限に生かすのは難しかったと思う。でも多くのことを学んだし、マシンでもより快適に感じていて、ポテンシャルも増えている。夏休み前にはトップ10から後退し、ポイントを争えるポテンシャルがなくなっていた。でも今はそこに戻ってきた。今週末が楽しみだ。

    Q:前戦以降、チームからフランコ・コラピントが2027年も残留するという発表がありました。もう1シーズン彼と一緒に戦うことについてどう思いますか?
    ガスリー: フランコのことをうれしく思う。僕たちはチームと一緒にうまく仕事ができているし、チームを前進させるための取り組み方もいい。彼はこの2年間のF1で多くのことを学んだと思う。これからもチームにポイントをもたらし、最高のパフォーマンスを発揮できればと思う。

    Q:ミハエル・シューマッハがフェラーリで成し遂げたことから、どんなインスピレーションを得ましたか? また、12カ月前にはなかったという明確な方向性をチームにもたらすため、舞台裏でどんなことをしてきましたか?
    ハミルトン: その意味でミハエルのやり方をそのまま参考にしたわけではない。僕はミハエルがチームを立て直したと言われている時代にフェラーリにいたわけではない。でも結局、それは多くの人たちによるものだ。チームに「僕」だけというものはない。巨大な船のようなもので、ドライバーの仕事は上層部と協力しながら正しい方向へ導くことだと思う。経験を持つ新しいドライバーが加入する利点は、僕が2つの異なるチームを経験してきたことだ。外から来ることで見えるものがある。内部にいると、木を見て森を見ずという状態になることもある。新しいエンジニアが別の場所から来た場合でも「僕たちはこういうやり方をしていた」と言う。それが必ずしもより良いわけではなく、単に違うアプローチであることもある。考えてみれば、全チームが同じレギュレーションで戦っているのにやり方はすべて違い、それでもコース上ではコンマ1秒以内にいる。それがこのスポーツの素晴らしさだと思う。僕はマシンの多くの変更を強く求めた。昨年はコストキャップの問題と、「これまでずっとこうしてきたのに、なぜ変える必要がある?」という考え方があってできなかった。いくつかの変更にはかなり説得が必要だったし、一部は費用がかかって実現まで時間も必要だった。僕はまずシミュレーター用に設計してほしいと頼み、昨年テストした。それがその後、毎週末実車で使える選択肢として追加された。外から来た人間の視点で、彼らがうまくやっていることと、そうでない部分を見て、「ここはレベルアップする必要がある」と伝えることが僕の目標だった。フレッドも、リストの中には費用が高すぎてできないものがあると言っていた。でも実現を認めてくれたものには感謝しているし、僕たちの進歩を誇りに思う。

    Q:今朝は素晴らしいF40で華々しく登場しました。いつ、なぜ購入したのですか? あなたにとってどんな意味がありますか?
    ハミルトン: 100%、僕にとって夢のクルマだ。しばらく探していて、走行距離が少なく、物語を持った個体が欲しかった。ここ数年オークションには何台も出てきたけど、特別ではなかったり、塗装がやり直されていたりした。僕は最もオリジナルに近いものを探していて、この個体に出会った。オーナーは購入後、マラネロから自宅まで69km走って停め、それ以降一度もエンジンをかけなかった。助手席のドアも一度も開けられていなかった。カバーがかけられて埃をかぶっていたんだ。そこで芸術作品としてそのまま保存するのか、きれいにするのか悩んだけど、僕は運転したかったから最終的に整備してもらった。それで気づいたんだけど、間違っているかもしれないけど、フェラーリの歴代ドライバーでGTOやF40のような象徴的なクルマでサーキットに来た人はいないんじゃないかと思った。「これはやらなきゃいけない」と思ったよ。さらに点検のためにクルマを分解したら、年月を経てもほぼすべてが機能していて、交換するものもほとんどなかった。そしてエンジンを降ろしたとき、エンジン番号が44だと分かった。エンジンに「44」と刻印されていたんだ。信じられなかった。「知っていたの? 嘘だろ?」って感じだった。だから本当に運命のように感じる。フェラーリの母国、そのホームレースで歴史を際立たせる機会だと思った。こんなことをもう一度できる機会がいつあるか分からないからね。

    Q:イタリアでは、選手権首位のアントネッリを応援するのか、フェラーリを応援するのか、ファンの忠誠心が分かれるという話があります。将来アントネッリがあなたの後を継いでフェラーリに加入する可能性はあると思いますか?
    ハミルトン: 何だって可能だ。将来フェラーリに加入できる素晴らしいドライバーはたくさんいる。フェラーリはフェラーリだ。僕の理解では、イタリア人にとってはローマ教皇とフェラーリ、それからパスタとピザと家族だよね。彼はまだ人生の初期段階にいるし、トトがすぐに手放すことはないだろう。各チームのパフォーマンスを見ると、トップ3のようなグループがあって、その後ろに大きな差があり、さらに接近したグループがいる。キミが最後尾からスタートしても、周囲の多くのマシンよりパワーがあり、今年を通じて概して最速だったマシンの性能もある。かなり簡単に集団を抜けていけるはずだ。それも彼らがこのレースを選んだ理由のひとつだろう。8位や6位あたりまで行くのは比較的簡単なはずだ。僕たちはそこではなく、自分たちの週末を最大限に生かすことに集中し、ティフォシのエネルギーを力に変えて前方へ進みたい。

    Q:今年、勝利を挙げて選手権をリードするアントネッリについてどう思いますか?
    ハミルトン: もう何を言うことがあるだろう? 今年は信じられないほど素晴らしい仕事をしている。彼の周りには素晴らしいチームがいるし、僕がよく知るボノもいる。彼は堅実で一貫していて、キミに多くのアドバイスをしているはずだ。僕がいたころは、ある意味で僕とジョージの陰にいて、僕たちがやっていることを学び、すべて見ていた。彼は必要なことをすべてやってきた。これほど若いのに一貫して成長している姿を見るのは素晴らしい。19歳なら当然だけど余計な荷物もなく、ハングリーでフィットしている。

    Q:F40の話に関連して、レースだけでなくフェラーリの伝統そのものを受け入れることは、あなたにとってどれほど重要ですか?
    ハミルトン: 僕自身は真剣に受け止めている。このブランドの中に身を置き、それがスポーツを超えて、色やロゴ、象徴的なクルマを通じて世界中の人々に影響を与えてきたことを見るのは素晴らしい経験だ。日本で僕が運転したF40を上層部のひとりに見せたら、「来年はLuceを使えるかもしれない」と言われた。でも僕は「F40とは同じじゃないよ」と答えた。昔のクルマにあったノスタルジックで象徴的な曲線やラインには、他にはないものがある。F80もクールだしF50もあるけど、僕にとってはF40なんだ。子どものころ、いろいろなクルマを並べていた中で赤いF40が特別だった。でも自分がいつか手に入れられるなんて想像もできなかった。赤を着てレースをすることもひとつだけど、スポーツの外にもファッションなど、できることはたくさんある。僕はクリエイティブになることが好きで、他の人が考えないようなコンセプトを考えるのが好きなんだ。フェラーリで最初に撮ったイメージも僕のコンセプトだったし、今週末も同じだ。「このスタイル、このスーツ、この形で登場したい」というアイデアがあった。このスポーツへの敬意を表し、その瞬間を残したかった。二度と同じ瞬間は来ないからね。

    Q:オリバー、フェラーリの若手ドライバーとして、モンツァの週末はどれほど特別ですか? ハミルトンの姿を見ると、いつか赤いマシンで走る自分を想像しますか?
    ベアマン: モンツァに来ることは本当に特別だ。数年前、F2でレースをしていたころ、ミラノで行われたイベントに参加したのを覚えている。当時はシャルルとカルロスのためのイベントだったけど、その雰囲気を経験できただけでも特別だった。僕はここに3年ほど住んでいたし、今でも頻繁に訪れている。ここのファンの情熱は他の場所ではほとんど経験したことがない。もちろんイギリスのホームGPも特別だけど、不思議なことにここもホームのように感じる。

    ハミルトン: それを聞いていて思い出したことがある。僕がカートをやっていたころ、父と空港からサーキットへ向かうために借りた、ものすごく古いチンクエチェントで到着したことがあった。一方、ニコは黄色いランボルギーニ・ディアブロでやって来た。僕たちはチンクエチェントでついていこうとしたけど、ニコとお父さんはどんどん離れていった。僕は「あれは最高にヤバい。めちゃくちゃクールだ」と思った。そこから時間が経って、今日こういうクールなクルマで自分が到着できるようになったと考えるとね。後ろにチンクエチェントがいるのは見なかったけど(笑)。本当に特別だ。

    Q:この「スピードの殿堂」で、電気エネルギーを管理しながら走ることはどれほど難しくなりそうですか?
    ハミルトン: 分からない。このマシンではパワーユニットの管理はいつだって難しい。ここではコーナーで昨年よりダウンフォースが大きいかもしれない。ドラッグリダクションシステムがあるから、例えば前戦と同じウイングを使うこともできる。ストレートではドラッグを減らせるから依然として速いけど、そこでパワーを失っていく。コーナー進入時には過去より20~30km/hほど遅くなるかもしれない。それには慣れる必要があるだろう。以前はストレートの最後までエンジンが叫び、ブレーキングゾーンまでずっと加速していくのが最高だった。でも今週末はそうならない。おそらくブレーキングゾーンに着く前からシフトダウンする。それがベストな感覚だとは今でも思わないけど、これが僕たちに与えられているものだ。スロットルをどう使い、どうフルパワーに持っていき、システムをどう作動させるかを最適化する必要がある。非常に技術的で難しいけど、全員が同じ問題に直面している。

    ベアマン: ルイスが言ったように、みんな同じ船に乗っている。このレギュレーションには細かな要素が多く、特にここやスパ、おそらくバクーのようなコースでは、使えるエネルギー量とストレートの長さが限界に近くなる。そうなると、あらゆるものがセンシティブになって、ドライブする楽しさも少し減る。スパでは昨年と比べ、実質的に1つか2つコーナーを失ったようなものだった。プーオンがなくなってしまったような感じだったからね。モンツァでもターン1やターン4に向かうとき、これまで8速だったところが7速になるだろう。それは残念だ。でも時間とともに改善されると思う。ストレートでシフトダウンすることにも、僕たちはまだ適応している最中だ。

    Q:フェラーリでイタリアGPに勝つことにはどんな意味がありますか? 残されたキャリアで実現したいことの中で、どれほど重要ですか?
    ハミルトン: 僕が言いたかったのは、チームには勝つために必要なものがあると強く信じているということだ。トップがこれだけ接近しているレベルでは、勝つためにチーム全体がひとつにならなければならない。ひとつの要素だけではなく、最初からすべてがうまく流れる必要がある。今週末を迎えるにあたって、フェラーリのドライバーとしてこのグランプリに来る意味の大きさについて考えた。例えばモンツァでの勝利数がミハエルと並んでいることさえ知らなかった。でも、それを考えると僕の前には「初めて」がある。もし勝てれば、新しい領域に入ることになる。フェラーリで初めてモンツァに勝つということだ。2019年にシャルルが勝ったとき、僕は彼と一緒に表彰台に立ってそれを目撃した。でも自分がここにいる間に成し遂げられたら素晴らしい。もし実現すれば、おそらくイタリアでフェラーリを駆ってそれを成し遂げた史上唯一の黒人ドライバーになるだろう。そういうことが頭をよぎっている。プレッシャーは大きいし、チームのために結果を出したい。ファクトリーの人たちや、大勢で来てくれるティフォシのためにも結果を届けたい。今週末は母も来ている。彼女はモンツァを経験したことがなかったと思うし、特にフェラーリで迎える週末は初めてだ。それを経験してほしかったし、彼女が持っている幸運の粉を少しでも持ってきてもらえればね。

    Q:ランド・ノリスがプレマ創設者とともにF4とF3で自身のレーシングチームを立ち上げます。2人ともプレマで走った経験がありますが、どう思いますか?
    ガスリー: ごめん、声が出なくなってきた(笑)。でも素晴らしいことだと思う。ランドがF2やF3の世界に入ってくるのを見るのはうれしい。彼が若いドライバーたちのために作ろうとしているものは素晴らしいし、僕たちの仲間がこのスポーツに何かを還元しようとしているのを見るのはいいことだ。世界チャンピオンになったあとという意味でも、いいタイミングなんだろう。今後こういう動きはもっと増え、他のドライバーも関わるようになると思う。とてもいいニュースだ。

    ベアマン: 同感だ。ランドがやっていることは本当にクールだ。若いドライバーにチャンスを与えている。このスポーツはますますお金がかかり、手の届きにくいものになっているからね。それに、チームを一緒に運営する相手としてルネという非常に優れた人物を選んだ。彼はおそらく、いや、歴史上最も成功したジュニアチームを率いてきた人物だ。彼が戻ってくるのはうれしいし、自分自身、父親、家族のためにも、そのレガシーを引き継いでいけることを願っている。