カテゴリー: F1モナコGP

  • ランド・ノリス F1モナコGP初スプリントに警戒「1回の練習で即予選は挑戦」

    ランド・ノリス F1モナコGP初スプリントに警戒「1回の練習で即予選は挑戦」

    ランド・ノリスは、2027年F1モナコGPで初めて導入されるスプリントについて、わずか1回のフリー走行からすぐに予選へ臨むことが最大の難しさになると指摘した。

    2027年のF1カレンダーでは全24戦のうち10大会でスプリントが実施され、モナコGPも初めて対象に加わる。通常以上に準備時間が限られるモンテカルロでは、ドライバーがどこまで早い段階から限界に迫れるかが重要になりそうだ。

    FP1から即予選「モナコではおそらく前例がない」
    モナコGPにスプリントが導入される理由のひとつとして、週末に2回の予選セッションを設けられることが挙げられる。オーバーテイクが難しいモナコでは、予選が週末最大の見どころになることも少なくない。

    一方、スプリントフォーマットでは、金曜日のスプリント予選までにドライバーが走行できるフリー走行は60分間のFP1だけとなる。通常のグランプリでは3回のフリー走行を経て予選に臨むため、その違いは大きい。

    2025年F1モナコGPの勝者であるノリスも、この点に真っ先に注目した。

    「興味深いね。面白そうだ」

    ノリスはSky Sports F1にそう語り、続けた。

    「一番大きいのは、金曜日にFP1をやって、そのまま予選になることだと思う。そこがチャレンジだ。それに、日曜日のレースでもスプリントでも、当然それほど多くのことは起こらない」

    「でも、チャレンジになるのは、フリー走行が1回しかなくて、そのまま予選に入ることだと思う。モナコでは、おそらくこれまで一度もなかったことじゃないかな」

    ランド・ノリス(マクラーレン) モナコグランプリ

    限界を探る時間なし リスクとリターンの判断が鍵
    モナコの予選では、リスクとリターンをどのようにバランスさせるかがドライバーの技量を測る大きな要素となる。

    市街地コースでは限界を超えれば即座にウォールへの接触につながる。その一方で、予選では限界まで攻めなければ上位グリッドを獲得できない。

    スプリント導入によって準備時間が減れば、その判断はさらに難しくなるとノリスは考えている。

    「今年のデータにこれまで以上に頼ることになるだろうし、もちろん僕たちドライバーにとってはさらに難しくなる」

    「徐々にペースを上げていくための時間があまりない。だから、おそらくもっと早い段階から少しリスクを取らなければならなくなる」

    「そこでドライバーによる違いがもっと見えるかもしれない。快適なところまで持っていって、いろいろ試して99%で走る人と、103%や104%まで行こうとする人の違いだ」

    「モナコでは、その限界を超えてしまったらゲームオーバーだからね」

    モナコでは通常でも、ドライバーがセッションを重ねながらマシンとコースへの自信を高め、予選で限界に迫っていく。2027年はその準備がわずか60分に圧縮されることになり、初のスプリント開催はモナコ特有のリスクと予選の重要性をさらに際立たせる週末となりそうだ。

  • F1モナコGP 2027年にスプリント開催へ 水曜にも正式発表との報道

    F1モナコGP 2027年にスプリント開催へ 水曜にも正式発表との報道

    F1は2027年のモナコGPで、史上初めてスプリントを開催する見通しとなった。GPblogが独占情報として報じたもので、F1は2027年カレンダーの発表に合わせ、9月16日(水)にも正式発表するとみられている。

    伝統的に日曜の決勝を中心としてきたモナコGPだが、近年はマシンの大型化と重量増加によってオーバーテイクが極めて難しくなり、決勝がタイヤを管理しながら順位を維持する展開になりやすいことが課題として指摘されてきた。

    スプリント導入が実現すれば、モナコの週末フォーマットは大きく変わることになる。

    モナコGPで史上初のスプリント開催へ
    GPblogによると、F1とモナコ自動車クラブは2027年モナコGPへのスプリント導入に向けて動いており、F1側は水曜日に計画を正式発表する見込みだという。

    現在のスプリントフォーマットに沿えば、金曜日はフリー走行1回のみとなり、その後にスプリント予選を実施。土曜日にはスプリントと決勝のグリッドを決める予選が行われ、日曜日にグランプリ決勝を迎える。

    これにより、モナコの市街地コースでは2回の予選と2回のレースが行われることになる。

    モナコはF1を代表する歴史的な開催地であり、予選ではドライバーがガードレールぎりぎりを攻める走りが大きな見どころとなっている。一方、決勝ではコース幅の狭さから追い抜きが困難で、近年はレース内容を改善する方法が議論されてきた。

    F1と主催者側は、ひとつの長い競技セッションだけでなく、短い競争セッションを複数配置することで、週末を通して緊張感を高めることを狙っているとされる。

    土曜日のスプリントは新たなリスクも
    モナコでスプリントが開催されれば、通常以上にアクシデントのリスクが高まる可能性もある。

    モンテカルロのコースはランオフエリアがほとんどなく、カジノスクエア、スイミングプール、ラスカスなど、多くの区間でガードレールがコースのすぐ脇に迫る。短距離のスプリントではドライバーが序盤から積極的にポジションを争うことになるため、接触やセーフティカーが展開を左右する可能性がある。

    さらに、土曜日午前のスプリントでマシンを大きく損傷すれば、その日の決勝予選までに修復しなければならない。スペースが限られるモナコのガレージ環境も含め、チームのメカニックにとって厳しい週末になることが予想される。

    一方で、中団勢にとってはチャンスが広がる可能性がある。短いレース、地中海沿岸特有の天候変化、そしてセーフティカーが入りやすいコース特性が組み合わされれば、通常の決勝とは異なる順位変動が生まれることも考えられる。

    モナコグランプリ F1

    モナコでは決勝の活性化策を継続
    モナコGPではすでに、決勝を活性化させるためのフォーマット変更が試みられてきた。タイヤ交換を通じて戦略の幅を広げ、順位変動を生み出すことがその狙いだった。

    F1のステファノ・ドメニカリCEOも、グランプリ週末の各日に競争上の意味を持たせることや、スプリントフォーマットの活用に前向きな姿勢を示してきた。

    ただし、スプリントを追加しただけでモナコ特有の追い抜きの難しさそのものが解消されるわけではない。短いスプリントも隊列走行となる可能性がある一方、接触によるマシンの損傷や修復作業が増えることも考えられる。

    それでも2027年に計画通り導入されれば、長い歴史を持つモナコGPにとって大きな転換点となる。伝統の市街地コースで初めて2つの予選と2つのレースが行われる週末が誕生することになる。

  • FIA国際控訴裁判所 ブリアトーレの判事批判に反論「手続きと判事の公正性に自信」

    FIA国際控訴裁判所 ブリアトーレの判事批判に反論「手続きと判事の公正性に自信」

    FIA国際控訴裁判所(ICA)が、F1モナコGPの裁定を巡ってアルピーヌのフラビオ・ブリアトーレが判事の独立性に疑問を呈したことを受け、強い内容の声明を発表した。

    ICAは判事の選任と審理への参加がFIAの司法手続きに従って行われたと説明し、「手続きの健全性と判事の誠実性に自信を持っている」と反論した。

    ブリアトーレは、ピエール・ガスリーへの2件の5秒ペナルティを復活させた控訴審について、担当判事の1人がマクラーレンと「深いつながり」を持っていると主張。さらに審理中に「検察官のように振る舞っていた」と批判していた。

    これにマクラーレンF1代表のアンドレア・ステラが「侮辱的だ」と反発するなか、今度はICA自身が審理の独立性と公正性を擁護した。

    ICA「最高水準に基づいた司法手続き」
    ICAは声明で、今回の判事の選任と審理への参加について、通常のFIA司法手続きから外れたものではなかったと強調した。

    「FIA裁判所は、今回の件における判事の選任および参加について、他のあらゆる案件と同様、適用されるFIAの司法手続きおよび通常の慣行に従って行われたことを明確にしたい」

    「これらは、国際仲裁における利益相反に関するIBAガイドラインなど、最高水準の基準に基づいたものである」

    さらにICAは、FIAの裁判所で審理を担当する判事がどのように選任され、独立性を確保しているのかについて説明した。

    「すべての判事はFIA総会によって選出されており、その一部はFIA定款に従い、少なくとも5つのF1チームからなるグループの推薦を受けている」

    「すべての判事にはFIA司法・懲戒規則に定められた独立性および守秘義務が課されている。また、毎年FIAコンプライアンス・オフィサーに利益関係を開示し、それぞれの案件について、争点および関係当事者を考慮した個別の独立性宣言に署名している。この宣言は当事者にも提示される」

    「審理中に異議は一切出されなかった」
    ブリアトーレは、アルピーヌが判事とマクラーレンとの関係を把握したのは審理終了後だったと説明していた。

    これに対してICAは、審理の開始時と終了時の双方で、裁判所の構成や手続きについて異議を申し立てる機会が当事者に与えられていたと指摘した。

    「審理の開始時と終了時の双方で、当事者には手続きまたは裁判所の構成に関する問題があれば提起するよう求められた。しかし、いずれの当事者からもそのような指摘はなかった」

    「また、裁判所による証人への質問の方法や、審理の進め方についても、審理中に異議が申し立てられることはなかった」

    ブリアトーレは判事の1人が審理中に「非常に悪意のある」態度を取り、「検察官のように振る舞っていた」と批判していたが、ICAは当時、その質問方法や手続きに対する正式な異議はなかったとしている。

    異なる文化や地域の判事で構成する重要性も強調
    ICAはさらに、国際的な裁判機関として、異なる文化的、地理的背景を持つ判事によって審理パネルを構成することの重要性を強調した。

    「ICAは、異なる文化的および地理的背景を持つ判事によってパネルを構成することの重要性を強調する」

    「それによって審議や議論に多様な法的伝統、視点、アプローチが反映され、公正性、独立性、プロセスの信頼性、そして公正な裁判を受ける機会がさらに強化される」

    ICAとしては、判事の背景や経歴の違いは審理の公正性を損なうものではなく、むしろ多様な法的視点を確保するために重要な要素だとの立場を示した形だ。

    「判決への批評は認めるが判事の誠実性には自信」
    ICAは、判決そのものについて異なる解釈や法的な批判が生じることは当然だと認めている。一方で、判事の独立性や司法手続きそのものへの疑念については明確に一線を引いた。

    「裁判所の判断について、その法的妥当性を巡ってさまざまな解釈や意見が生じる余地がある。それは公正なことであり、すべての判事が受け入れている」

    「裁判所は、今回の手続きの健全性と判事の誠実性に自信を持っている」

    「FIA裁判所は今後も、判事の独立性と公平性、そして司法プロセスの健全性を守ることに尽力していく」

    今回の声明は、ブリアトーレが提起した疑念に対し、ICAが判事の選任方法、利益関係の開示、案件ごとの独立性宣言、そして審理中に異議が出されなかった事実を挙げて正面から反論したものとなった。

    モナコGPの裁定を巡っては、ブリアトーレの発言にステラが「マクラーレンに対して侮辱的だ」と反発していたが、ICAも公式に独立性と公平性を強調したことで論争はさらに拡大した。ガスリーの順位を巡る法的判断から始まった問題は、今やFIAの司法制度と判事の独立性を巡る議論へと発展している。

  • アンドレア・ステラ ブリアトーレのマクラーレンF1批判に反論「侮辱的だ」

    アンドレア・ステラ ブリアトーレのマクラーレンF1批判に反論「侮辱的だ」

    マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラが、F1モナコGPの裁定を巡ってアルピーヌのフラビオ・ブリアトーレが示した「判事とマクラーレンに深いつながりがある」との主張に強く反論した。ステラは一連の発言を「マクラーレンに対して侮辱的」と表現し、公の場で重大な主張をする以上、その発言には責任を負わなければならないと警告した。

    マクラーレンとレッドブルの控訴が認められ、ピエール・ガスリーに科されていた2件の5秒ペナルティが再適用されたことで、アルピーヌはモナコGPの3位を失った。

    判決後、ブリアトーレは国際控訴裁判所(ICA)の審理を担当した判事の1人とマクラーレンとの関係を問題視。これに対し、同じF1イタリアGPのチーム代表記者会見に出席していたステラが真っ向から反論した。

    ステラ「マクラーレンに対して侮辱的だ」
    モンツァで行われた記者会見には、ブリアトーレとステラに加え、フェラーリF1代表のフレデリック・バスールも出席していた。

    ブリアトーレは、ICAの審理を担当した4人の判事のうち1人がマクラーレンと関係を持っていると主張。その判事が審理中に「検察官のように振る舞っていた」と述べ、中立性に疑問を投げかけた。

    ステラは当初、この主張について反応することは「適切ではない」としてコメントを控えていた。しかし、記者から改めて質問を受けると、強い言葉でマクラーレンを擁護した。

    「この記者会見がこういう方向に進んでいることは、マクラーレンにとって、そして十分な敬意を受けるに値するチームの評判にとって、かなり侮辱的だと感じている」

    「そして、もし誰かがこのような主張をするのであれば、それはかなり重大な主張に見える以上、公の場で自分が発言したことに対して責任を負わなければならない」

    ステラはさらに、ICAで行われた審理そのものについても全面的に擁護した。

    「審理、そして国際控訴裁判所のすべてのプロセスは最高水準で実施された。このような形で、その場の正当性に疑問を投げかけるべきではない」

    モナコGP裁定を巡って両者の主張が真っ向から対立
    今回の対立の発端となったのは、モナコGPでガスリーに科された2件の5秒ペナルティだった。

    モナコのピットレーンでは、FOMが管理するタイミングループに問題があり、実際には速度違反をしていないにもかかわらず、速度超過として検出されるケースが発生していた。

    ガスリーに対するペナルティはいったん取り消されたものの、マクラーレンとレッドブルがICAに控訴。ICAは両チームの主張を認め、ペナルティを復活させた。

    これによってガスリーは3位から後退し、レッドブルのアイザック・ハジャーが最終結果で3位に戻った。

    判決を受けたブリアトーレは、決定自体については「受け入れる」としながらも、審理を担当した判事の1人とマクラーレンとの関係について強い疑念を表明していた。

    一方のステラは、問題を判事と特定チームとの関係ではなく、F1におけるルール適用の一貫性と公平性という観点から捉えている。

    マクラーレンが控訴した理由「スポーツ上の平等と公平性」
    ステラはICAの判決を歓迎し、マクラーレンが控訴に踏み切った理由についても説明した。

    「我々にとって間違いなく歓迎すべき決定だ」

    「非常に重要なものだ。まず第一に、FIA国際スポーティングコード第1.1.1条の適用について明確さが加わったからだ。これは根本的な条項であり、そこから派生するあらゆるものの基礎となる」

    マクラーレンにとって、今回の控訴は単純に選手権ポイントを取り戻すためのものではなかったとステラは強調する。

    「我々が控訴したのは、この点について明確な判断を得る必要があると考えたからだ。我々が抱いていた懸念は、選手権の2ポイントを失う可能性があるということを超えたものだった」

    「おそらく、この2ポイントが最終的に何かを左右することはないだろう。我々が懸念していたのは、スポーツ上の平等と公平性がどのように適用されるのかということだった。それが重要なんだ」

    アンドレア・ステラ(マクラーレン)とフラビオ・ブリアトーレ(フェラーリ)がF1イタリアGPの記者会見に参加

    全F1チームが審理に参加
    ステラによれば、今回の問題に関心を持っていたのはマクラーレンとレッドブルだけではなかった。

    「これはマクラーレンだけにとって重要なことではない。実際、控訴したのはレッドブルと我々だが、審理にはすべてのチームが出席していた」

    「ルールをどのように適用するのか、一貫性をどのように確保するのかを明確にするという意味で、非常に重要な機会だったからだ」

    「そして今回の具体的なケースでは、レースウイークを通じて有効とされる手法について、一貫性をどのように保つのかという問題でもあった」

    つまりステラは、今回のICA判決にはガスリーの順位だけでなく、F1全体における計測方法とスポーティングレギュレーションの適用基準を明確化する意味があったと主張している。

    ブリアトーレの発言はFIA法務部門が確認か
    ブリアトーレの発言は、単なる裁定への批判からさらに踏み込み、審理を担当した判事の独立性を問題視するものだった。それに対してステラは、ICAの手続きが「最高水準」で行われたと強調し、マクラーレンへの疑惑を明確に否定した。

    PlanetF1.comによると、ブリアトーレの一連の発言についてはFIAの法務部門に報告され、確認の対象になっているとみられている。

    現時点でFIAがブリアトーレの発言について何らかの正式な措置を取るかは明らかになっていない。また、ブリアトーレが主張した判事とマクラーレンとの過去の関係が、ICAの審理における利益相反に当たると認定されたわけでもない。

    モナコGPの順位を巡る争いはICAの判決によって決着した一方、その後に飛び出したブリアトーレの主張によって、新たに審理の独立性を巡る論争へと発展した。ステラが「発言には責任を負わなければならない」と強く牽制したことで、今後はFIAがこの問題をどのように扱うのかにも注目が集まる。

  • フラビオ・ブリアトーレ F1モナコGP裁定に激怒「判事はマクラーレンと深い関係」

    フラビオ・ブリアトーレ F1モナコGP裁定に激怒「判事はマクラーレンと深い関係」

    アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレが、F1モナコGPの結果を巡る国際控訴裁判所(ICA)の審理について、判事の1人とマクラーレンとの関係を問題視した。ブリアトーレは判決を受け入れるとしながらも、審理の公平性に疑問を呈している。

    マクラーレンとレッドブルの控訴が認められたことで、アルピーヌのピエール・ガスリーには2件の5秒ペナルティが再適用され、モナコGPで獲得していた3位を再び失うことになった。

    アルピーヌは判決後、今後取り得る対応について検討している。

    ブリアトーレがICA判事とマクラーレンの関係を問題視
    モンツァで行われたF1イタリアGPのFP1終了後、ブリアトーレは記者会見でICAの判断について言及。4人で構成された審理パネルのうち、フィリッポ・マルキーノ判事について、マクラーレンとの過去の関係があったと主張した。

    「まず第一に、非常に不公平だと思う。ただし、我々は決定を受け入れる」とブリアトーレは語った。

    「非常に奇妙だったのは、パネルの4人目の判事だ。判事の1人がまるで検察官のように振る舞っていた」

    ブリアトーレが問題視したのは、審理での態度だけではない。マルキーノ判事とマクラーレンとの過去の接点についても具体的に言及した。

    「それ自体は大きな問題ではない。問題なのは、彼がマクラーレンという会社と非常に深いつながりがあることだ。2018年にMSOビバリーヒルズで行われたマクラーレンのイベントで、彼がスピーチしている写真もある」

    「彼は『One Drop Foundation』という財団を設立している。そしてマクラーレンは、その財団に2台か3台のマクラーレン車を提供している。我々に対する抗議に関与しているチームとつながりのある人物が判事の1人だったというのは、かなり不公平だと思う」

    ここでブリアトーレが述べている内容は、あくまでアルピーヌ側から示された主張である。今回の発言だけをもって、マルキーノ判事の独立性やICAの判断に実際の問題があったと断定できるものではない。

    「判事は完全に独立していなければならない」
    ブリアトーレはさらに、マルキーノ判事の審理中の態度について強い不満を表明した。

    「不公平なのは、判事の1人がマクラーレンとつながっていたことだ。判事は通常、完全に独立していなければならない」

    「この判事は、イタリア系の名前だがアメリカ人で、フィリッポ・マルキーノという。審理中の態度は非常に悪意のあるものだった」

    「彼はまるで検察官のように振る舞っていた。そして審理が終わってから、『なぜ彼はあれほど攻撃的だったのか』という話になった。彼はマクラーレンと非常に深いつながりがある」

    ブリアトーレが名指ししたマルキーノ判事を含む4人の判事によって審理された今回の控訴では、マクラーレンとレッドブルの主張が認められた。

    その結果、ガスリーに科されていた2件の5秒ペナルティが復活。ガスリーはコース上では3位でフィニッシュしていたものの、最終的な結果から表彰台を失うことになった。

    ピエール・ガスリー(アルピーヌF1チーム)

    アルピーヌは審理後に関係を把握 今後の対応を検討
    ブリアトーレによれば、アルピーヌがマルキーノ判事とマクラーレンとの関係を把握したのは審理が終了した後だったという。

    「判事の1人がマクラーレンと非常に良好な関係、仕事上の関係とも言えるものを持っていたと後になって知り、我々は非常に失望した」

    「パネルは完全に独立している必要があると思う。特定のチームとつながりのある人物が入るべきではない。ましてや今回のように、そのチームが我々と争っている当事者であればなおさらだ」

    そして、アルピーヌがこのまま問題を終わらせるとは限らないことも示唆した。

    「これから我々が何をするのかを考えているところだ」

    現段階でアルピーヌが具体的にどのような手続きを検討しているのかは明らかになっていない。ただし、ブリアトーレの発言は単なる判決への不満にとどまらず、審理を担当した判事の独立性そのものに疑問を投げかける内容となった。

    一方で、ブリアトーレ自身もICAの判決については「受け入れる」と明言している。したがって焦点は、ガスリーへのペナルティの是非とは別に、アルピーヌが主張する判事とマクラーレンとの関係が利益相反に当たるのか、そして今後アルピーヌが正式な手続きに踏み切るのかに移ることになる。

  • アルピーヌF1 モナコGP裁定混乱の再発防止を要求「二度と起きないように」

    アルピーヌF1 モナコGP裁定混乱の再発防止を要求「二度と起きないように」

    アルピーヌF1のマネージングディレクターを務めるスティーブ・ニールセンは、ピエール・ガスリーの2026年F1モナコGPでのペナルティが再適用されたことを受け、F1とFIAに対して同様の混乱を二度と繰り返さないための対応を求めた。

    ガスリーは5月のモナコGPを3位でフィニッシュしたものの、ピットレーンでの速度違反を理由にレース後10秒ペナルティを科され、7位へ降格。

    その後、アルピーヌの再審請求によって一度はペナルティが取り消されたが、レッドブルとマクラーレンによる上訴を受け、再び10秒ペナルティが適用される異例の展開となった。

    アルピーヌは「ガスリーは速度超過していなかった」と主張
    問題の発端となったのは、モナコGPでガスリーに科されたピットレーン速度違反のペナルティだった。

    ガスリーは3位でチェッカーを受けたが、レース後に10秒ペナルティが加算された。このレースではほかのドライバーにも同様のペナルティが科されていたものの、ガスリーだけはレース中に消化していなかったため、アルピーヌには裁定を争う余地が残されていた。

    アルピーヌがFIAに証拠を提出して再審を求めた結果、速度判定に用いられた計測区間が規定された距離より77cm短く、それによって誤った速度が算出されたとして、ガスリーのペナルティはいったん取り消された。

    しかし、レッドブルとマクラーレンがこの判断を上訴。上訴審では両チーム側の主張が認められ、ガスリーへの10秒ペナルティが復活したことで、最終的に3位から7位へと順位を落とすことになった。

    ニールセン「我々は正しいと確信していた」
    上訴審の決定を受け、ニールセンはSky Sportsにアルピーヌの見解を説明した。

    「もちろん失望している。こうした案件に絶対的な確信を持って臨むことはできないが、我々には正当性があると確信していた」

    「FIAの公式タイムキーパーによる裏付けもあり、実際に10号車は速度超過をしていなかったと確信していた。それは今も我々の見解であり、10号車は速度超過していなかったと考えている。しかし、審査パネルは異なる結論に達した。だから我々は失望している」

    アルピーヌにとって重要なのは、単に表彰台を失ったことだけではない。公式の計測システムをめぐる技術的な問題によって一度は裁定が覆り、その後の上訴によって再び元のペナルティへ戻るというプロセスそのものが問題となっている。

    スティーブ・ニールセン(アルピーヌF1チーム)

    100ページ超の裁定文書「非常に単純でありながら、とてつもなく複雑」
    今回の決定については100ページを超える文書が作成された。その内容を簡単に説明するよう求められたニールセンは、F1らしい複雑な案件だったと表現した。

    「とてつもなく単純でありながら、同時に途方もなく複雑な話だ。こんなことができるのはF1くらいだろうね」

    「何が正しくて何が間違っているのかという議論には入りたくないし、タイミングシステムがどのように機能しているのかを説明して、みんなを退屈させるつもりもない」

    ニールセンは、すでに結論が出た裁定をさらに争うことよりも、同じ状況を発生させないための制度整備へ焦点を移すべきだと強調した。

    「二度と起きないように」規則の小変更を要求
    「ただ、このスポーツが今集中すべきなのは、こうしたことが二度と起きないようにすることだと思う。そして実際、それに必要なのはレギュレーションのごく小さな変更だけだ。今はそこに力を注ぐべきだ」

    今回の一件では、ピットレーンの速度計測という通常なら明確な数値で判断される違反をめぐり、当初のペナルティ、アルピーヌの再審請求による取り消し、さらにレッドブルとマクラーレンの上訴による再適用と、結論が二転三転した。

    最終的な裁定によってガスリーのモナコGPでの順位は7位となったが、アルピーヌは裁定への不満だけを訴えるのではなく、その原因となった計測方法と規則の整合性を改善することを要求している。ニールセンは、同様の混乱を防ぐために必要な修正は大規模なものではなく、レギュレーションの「ごく小さな変更」で対応できるとの考えを示した。

  • ピエール・ガスリー F1モナコGP表彰台を再び失う FIA控訴審で裁定覆る

    ピエール・ガスリー F1モナコGP表彰台を再び失う FIA控訴審で裁定覆る

    ピエール・ガスリーは、2026年F1モナコGPで一度取り戻していた3位表彰台を再び失うことになった。FIA国際控訴裁判所(ICA)が、マクラーレンとレッドブル・レーシングによる控訴を認め、ガスリーに科されていた2件の5秒タイムペナルティを復活させた。

    これにより、レッドブルのアイザック・ハジャーが3位に復帰し、オスカー・ピアストリが4位、リアム・ローソンが5位、アービッド・リンドブラッドが6位へ繰り上がる。ガスリーは合計10秒のペナルティによって7位に再分類される。

    FIAは9月4日、8月25日にパリで行われた審理の裁定を正式に発表した。

    ガスリーの2件の5秒ペナルティが復活
    6月7日に行われたモナコGPで、ガスリーはコース上では3位でフィニッシュした。しかしレース中にピットレーンの制限速度違反が2度あったとして、それぞれ5秒、合計10秒のタイムペナルティを受けた。

    当初の計測では、ガスリーは60km/hの制限に対して60.1km/hと60.4km/hを記録したとされていた。ガスリーはレース中にペナルティを消化していなかったため、チェッカー後に10秒が加算され、暫定結果では7位に降格。ハジャーが3位へ繰り上がっていた。

    ところがアルピーヌはレース後、FIA国際スポーティングコード第14条に基づく「再審査請求(Right of Review)」を提出した。

    チームが新たな証拠を提示した結果、ピットレーン速度を算出する際に使用された計測に問題があり、実際にはガスリーが制限速度を超えていなかったことを示すデータが明らかになった。

    スチュワードは6月12日、この情報が当初の裁定時には入手できなかった「重要かつ関連性のある新たな要素」に該当すると判断。2件の5秒ペナルティを取り消し、ガスリーを3位へ戻した。

    マクラーレンとレッドブルが控訴
    しかし、この裁定にマクラーレンとレッドブルが異議を唱えた。

    特に問題となったのは、同じピットレーン速度違反でペナルティを受けた他のドライバーとの公平性だった。

    オスカー・ピアストリはレース中に5秒ペナルティを消化済み。一方、ジョージ・ラッセルもペナルティに関連してレース中にタイムを失っていた。すでに消化されたペナルティによって失った時間を、レース後になって結果から取り除く仕組みはF1の規則には存在しない。

    それに対し、ガスリーはペナルティをレース中に消化していなかったため、チェッカー後に加算された10秒を取り消すだけで元の3位へ戻ることができた。

    マクラーレンは控訴に際し、問題は特定のライバルを対象にしたものではなく、「スポーツ上の公平性、規則適用の一貫性、競技の完全性」に関わるものだと説明していた。

    マクラーレンとレッドブルは6月16日、スチュワードが6月12日に下した裁定をFIA国際控訴裁判所へ正式に控訴。8月25日にパリで審理が行われた。

    2026年 モナコグランプリ

    FIA国際控訴裁判所がアルピーヌの裁定を覆す
    FIA国際控訴裁判所は9月4日、マクラーレンとレッドブルの控訴を認める裁定を発表した。

    裁判所は、両チームの控訴を受理可能と認定したうえで、6月12日にスチュワードが下したガスリーの2件のペナルティ取り消し決定を破棄した。

    さらに、当初ガスリーに科されていた2件の5秒タイムペナルティは有効であるとし、FIA司法・懲戒規則の権限に基づいてこれを再び科すことを決定した。

    FIAは裁定について次のように発表している。

    「控訴を認め、2026年モナコGPのスチュワードが2026年6月12日付文書99で下した決定1および2を破棄する」

    「文書73および75によって10号車のドライバー、ピエール・ガスリーに科された2件の5秒タイムペナルティは有効であると宣言し、司法・懲戒規則第14.12.1条および第14.12.2条によって与えられた権限を行使して、これを再び科す」

    また、FIAは管轄するスポーツ当局に対し、最終レース結果とチャンピオンシップポイントを含め、今回の裁定を反映した修正を行うよう命じた。

    ハジャーがレッドブル加入後初表彰台を取り戻す
    この裁定によって、6月7日のモナコGPの順位は再び変更される。

    優勝したメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリと2位ルイス・ハミルトンに変更はないが、ハジャーが3位へ復帰。レッドブル加入後初となる表彰台を改めて手にすることになった。

    ピアストリは4位、ローソンは5位、リンドブラッドは6位へそれぞれ繰り上がり、ガスリーは7位となる。

    ガスリーにとっては、モナコでチェッカーを3位で受けた後、一度はペナルティによって7位へ降格し、アルピーヌの再審査請求によって3位へ復帰。そして約3カ月後の国際控訴裁判所の裁定によって、再び7位へ戻される異例の展開となった。

    2026年F1モナコGPの結果をめぐる長期の法的手続きは、マクラーレンとレッドブルの控訴が認められたことで決着。ガスリーの表彰台は取り消され、ハジャーの3位が正式に復活することになった。

  • 1962年F1モナコGPが現代に復活 『オーシャンズ11』前日譚を大規模撮影

    1962年F1モナコGPが現代に復活 『オーシャンズ11』前日譚を大規模撮影

    ブラッドリー・クーパーとマーゴット・ロビーが出演する映画『オーシャンズ11』前日譚の撮影がモナコで行われ、街中が1962年F1モナコGP当時の姿へと変貌した。

    ワーナー・ブラザースが製作する新作は、ジョージ・クルーニーが演じたダニー・オーシャンの両親を描く物語で、1962年モナコGPを舞台に大規模な強盗計画が展開される。8月24日から28日にかけて行われた撮影では、ヴィンテージF1マシンのレプリカやクラシックカー、当時の衣装をまとった300人以上のエキストラが投入された。

    1962年F1モナコGPを現代のモナコで再現
    撮影のため、モナコの有名な市街地コースは約60年前の姿に作り替えられた。撮影は5日間にわたってモナコ公国内各地で行われ、300人以上のエキストラと大規模な撮影クルーが参加した。

    ルイ2世トンネルを抜けたレーシングカーがポール・エルキュールへ飛び出し、J.F.ケネディ通りを加速していく。コース脇には1960年代のF1を思わせるヘイベイルが並べられ、その後方では当時の衣装をまとった観客役がマシンに声援を送った。

    現代であることを感じさせるのは、カメラを搭載した撮影車両とレーシングカーを追う撮影用ドローンくらいだった。ドローンはモナコのF1市街地コースを走るマシンを追跡するため、約100km/hで飛行したという。

    撮影はポール・エルキュールから始まり、モナコおよびモンテカルロ中心部、アベニュー・プランセス・グレースなどへと移動。カジノ・ド・モンテカルロ前のカジノ広場も封鎖して撮影が行われ、最終日にはポルティエ、ラルヴォット、再びポール・エルキュール周辺が使用された。

    コース上には1960年代を再現したヴィンテージF1マシンが並び、観客役だけでなく、メカニックやレーシングドライバー、消防士、ミュージシャン、船員など、当時のグランプリを再現するためのさまざまな役柄のエキストラも参加した。

    今回の作品でモナコは単なる背景ではない。物語の中心となる強盗そのものが1962年モナコGP開催中に実行される設定となっている。

    ロビーは4月のCinemaConで作品について、「ダニー・オーシャンがラスベガスに足を踏み入れるずっと前、彼にすべてを教えた2人の天才がいた。それが彼の両親です」と紹介している。

    ブラッドリー・クーパーとマーゴット・ロビーがダニー・オーシャンの両親役
    現在『Sandcastles(サンドキャッスルズ)』というワーキングタイトルで撮影されている作品は、クーパーが監督、脚本、主演、製作を兼任する。

    クーパーは『アリー/スター誕生』『マエストロ:その音楽と愛と』『Is This Thing On?』に続き、4作目の長編監督作品として本作を手掛ける。

    ロビーとクーパーは、シリーズでクルーニーが演じた犯罪の天才ダニー・オーシャンの母親と父親を演じるとみられている。ただし、ワーナー・ブラザースは両キャラクターの名前をまだ正式発表していない。

    共演者にはワグネル・モウラ、モニカ・バルバロ、ジョシュ・ギャッド、ヴィッキー・クリープス、ジョージ・マッケイ、ローレン・リドロフ、ジャック・ホールデン、オマール・シーらが名を連ねる。モウラは物語の主要な敵役を務めると報じられている。

    プロジェクトは2022年に発表されて以来、何度か体制が変更されてきた。当初はジェイ・ローチ、その後はリー・アイザック・チョンが監督候補となり、男性主演にはライアン・ゴズリングの名前も挙がっていた。チョンの離脱後、2026年にクーパーが監督を引き継いだ。

    モナコグランプリ 『オーシャンズ11』前日譚

    クーパーはモナコ・ヒストリックGPで事前調査
    クーパーは撮影に先立ち、4月に開催された第15回モナコ・ヒストリックGPを訪れていた。

    パドックやグランドスタンドを歩きながらヴィンテージレーシングカーを撮影し、コース上に寝そべって低いアングルからマシンを撮影する姿も目撃されている。1962年のF1グランプリを再現するため、現地で入念なリサーチを行っていたことがうかがえる。

    実際の1962年F1モナコGPはブルース・マクラーレンが優勝
    物語の舞台となる1962年F1モナコGPは6月3日に開催され、ブルース・マクラーレンがクーパー・クライマックスを駆って優勝した。

    ポールポジションはジム・クラークが獲得したものの、決勝ではリタイア。グラハム・ヒルが勝利目前までレースをリードしたが、100周で争われたレース終盤にBRMのエンジンが故障した。

    これによってマクラーレンが勝利を手にし、フェラーリのフィル・ヒルが2位、ロレンツォ・バンディーニが3位に入った。当日はモナコ公国のレーニエ3世とグレース公妃も会場を訪れ、優勝トロフィーを授与している。

    映画では、この実在したF1モナコGPの華やかな雰囲気を背景に、架空の強盗計画が描かれることになる。

    公開は2027年6月25日を予定
    撮影はモナコだけでなくパリでも行われている。モナコ入りする直前にもロビーとクーパーがパリの撮影現場で目撃されており、ロビーは1960年代を思わせる黒と白を基調とした衣装を着用していた。モナコでの撮影後は、ニースを含むフレンチ・リヴィエラの別の場所でも撮影が続けられる予定だ。

    モナコで1962年当時のグランプリを再現するため、エキストラの募集は6月から進められていた。対象は18歳から90歳までと幅広く、カジノのディーラー、ソムリエ、コンシェルジュ、メカニック、レーシングドライバー、消防士、ダンサー、ミュージシャン、船員など、F1開催時の街全体を再現するための多彩な役柄が用意された。

    正式タイトルはまだ発表されておらず、『Sandcastles』はあくまで撮影時のワーキングタイトルとなる。『オーシャンズ11』につながる物語として製作される新作映画は、2027年6月25日の公開が予定されている。

  • FIA ピエール・ガスリーのF1モナコGPペナルティ巡る控訴審を8月25日に開催

    FIA ピエール・ガスリーのF1モナコGPペナルティ巡る控訴審を8月25日に開催

    FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1モナコGPでピエール・ガスリーに科されたペナルティが取り消された問題を巡り、マクラーレンとレッドブル・レーシングが申し立てた控訴について、8月25日(火)に審理を行うことを決定した。

    焦点となるのは、アルピーヌによる再審請求(Right of Review)が認められたことでガスリーの5秒ペナルティのひとつが取り消され、最終結果が変更された一件だ。

    ガスリーは7位から3位へ復帰し、その影響でアイザック・ハジャーやオスカー・ピアストリらの順位がひとつずつ繰り下がった。今回の控訴審は、その判断を維持するのか、それとも当初のペナルティを復活させるのかを決める重要な手続きとなる。

    FIAが8月25日にパリで控訴審
    審理は8月25日(火)の現地時間9時からパリで行われる。マクラーレンとレッドブル・レーシングは、2026年モナコGPのDocument 99に記された決定#1および#2を対象として控訴している。

    両チームが求めているのは、ガスリーに対するペナルティ取り消しの撤回、つまり当初科されていた5秒ペナルティの復活だ。

    控訴は6月16日に正式に提出されており、審理はオランダGP終了後の火曜日に設定された。FIAによれば、審理は一般およびメディアには公開されない。

    モナコGPで複数ドライバーにピットレーン速度違反
    問題の発端となったモナコGPでは、ガスリーを含む複数のドライバーがピットレーンの速度制限違反としてタイムペナルティを受けた。

    当時モナコのピットレーンでは60km/hの速度制限が設定されており、ガスリーのほか、ルイス・ハミルトン、ジョージ・ラッセル、フランコ・コラピント、ピアストリにも5秒ペナルティが科された。

    ガスリーには2件のペナルティが科されており、そのうちひとつについてはピットストップ時に5秒間停止することで消化していた。しかし、もうひとつの5秒がレースタイムに加算されたことで、当初の最終結果では7位となっていた。

    アルピーヌの再審請求で計測方法に問題が発覚
    その後、アルピーヌはガスリーに対する2件のペナルティについて再審請求を提出した。

    審理の過程で判明したのが、タイムキーパーによるピットレーンの距離の計測に問題があったことだった。

    速度違反の判断では、ピット入口や出口に設けられた単一の計測地点だけではなく、速度、距離、時間を用いた計算式によってピットレーン内の平均速度が算出されていた。しかし、その計算の基礎となるピットレーンの距離が正しく測定されていなかったことが明らかになった。

    この情報は、モナコGP当日にスチュワードが最初の裁定を下した時点では入手できなかった。そのためFIAは、再審請求を成立させるために必要となる「重要かつ新しい証拠」の条件を満たしていると判断した。

    結果としてガスリーに残されていた5秒ペナルティが取り消され、順位は7位から3位へと戻された。

    ガスリー3位復帰でハジャーとピアストリが降格
    この裁定によってモナコGPの最終順位は大きく変わった。

    ガスリーが3位に復帰したことで、レッドブル・レーシングのハジャーは3位から4位、マクラーレンのピアストリは4位から5位へ後退。さらにレーシングブルズのリアム・ローソンもひとつ順位を落として6位となった。

    つまり今回の控訴は、ガスリーだけでなく複数のドライバーとチームのF1選手権ポイントにも直接影響する案件となる。

    特にレッドブル・レーシングにとってはハジャーの表彰台、マクラーレンにとってはピアストリの4位がかかっており、両チームが控訴に踏み切った背景には明確な競技上の利害がある。

    メルセデスは控訴を見送る
    ガスリーのペナルティが取り消されたことで、同じモナコGPでピットレーン速度違反の裁定を受けた他のドライバーにも波紋が広がった。

    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、バルセロナGPでガスリーの裁定変更が発表された後、ラッセルのペナルティについても何らかの対応が可能か検討していることを示唆していた。

    ただし、ラッセルのケースには別の事情があった。

    ラッセルは5秒ペナルティを消化する際、ピットで5秒間待機する前に作業を開始してしまったため、ペナルティを正しく消化したとは認められなかった。その結果、自動的にドライブスルーペナルティへ変更され、終盤の赤旗後にこれを消化。最終的に12位まで順位を落としていた。

    メルセデスは最終的に正式な手続きを取らないことを選択した一方、マクラーレンとレッドブル・レーシングは控訴を継続した。

    モナコGPの最終結果が再び変わる可能性
    8月25日の審理で最大の焦点となるのは、アルピーヌの再審請求を受けて下されたペナルティ取り消しが法的・競技的に妥当だったのかという点だ。

    FIAが現在の裁定を維持すれば、ガスリーの3位はそのまま確定する。一方、マクラーレンとレッドブル・レーシングの主張が認められ、5秒ペナルティが復活すれば、モナコGPの最終順位が再び変更される可能性がある。

    モナコGPから約3カ月を経てもなお確定を巡る争いが続く異例の展開となっており、ガスリーの表彰台だけでなく、ハジャー、ピアストリ、ローソンの順位と各チームの獲得ポイントにも関わるFIAの判断が注目される。

  • ジェレミー・クラークソン アルピーヌF1にビール贈呈「俺はフランス人じゃない」

    ジェレミー・クラークソン アルピーヌF1にビール贈呈「俺はフランス人じゃない」

    元アルピーヌF1チーム代表のオトマー・サフナウアーが、2023年F1モナコGPでエステバン・オコンが表彰台を獲得した際、英国の人気テレビ司会者ジェレミー・クラークソンがチームに大量のビールを贈った舞台裏を明かした。

    アルピーヌの本拠地エンストンの近くに農場を所有するクラークソンは、同チームを自身の「地元チーム」と呼び、これまでにもグランプリを訪れている。

    2023年のモナコでは、アルピーヌが表彰台に上がった場合、チーム全員に自身のビールブランド「ホークストーン」をプレゼントすると約束していた。

    オコンの3位でクラークソンが約束を実行
    当時のアルピーヌにとって、表彰台は決して現実味の高い目標ではなかった。モナコGPを迎えるまでオコンはシーズン2度の入賞にとどまり、チームの最高位もオコンとピエール・ガスリーがそれぞれ記録した8位だった。

    しかしモナコでオコンは予選4番手を獲得。シャルル・ルクレールのグリッド降格によって3番グリッドからスタートすると、決勝でもそのポジションを守り切り、3位表彰台を獲得した。

    クラークソンも約束を忘れてはいなかった。

    「エステバンがモナコで表彰台に上がった。そのレース中、ジェレミー・クラークソンが『近所の連中が表彰台に上がったら、全員にホークストーンを6本ずつやる』と言っていたんだ」とサフナウアーは『High Performance Racing』ポッドキャストで振り返った。

    「すると本当にランボルギーニのトラクターでやって来た。後ろには巨大な農業用トレーラーを引いていて、干し草とビールが山ほど積まれていた。全員が6本パックのビールをもらったよ」

    クラークソンは自身が所有する農場「ディドリー・スクワット・ファーム」で農業を営んでおり、ホークストーンはそこで収穫された大麦などを使って展開されているブランドだ。大量のビールを農業用トラクターでアルピーヌへ届けるという、いかにもクラークソンらしい演出だった。

    エステバン・オコン(アルピーヌF1チーム) 2023年モナコGP

    「なぜなら俺はフランス人じゃないからな!」
    さらにサフナウアーによれば、ビールが届けられた際にはチームメンバーが屋外に集まり、オコンがマイクを手にクラークソンへの感謝を伝えたという。

    「僕はジェレミーの隣に立っていた。エステバンがマイクを持っていて、スピーカーも用意され、みんなが外に集まっていた。夏だったね」

    「エステバンが『ジェレミー・クラークソンには、僕たち全員に6本ずつビールをくれただけでなく、約束を守ってくれたことにも本当に感謝したい』と言ったんだ」

    その言葉を聞いたクラークソンは、隣にいたサフナウアーの前で即座にこう叫んだという。

    「なぜなら俺はフランス人じゃないからな!」

    英国人らしい皮肉を交えたクラークソンの一言により、アルピーヌにとって記念すべき表彰台祝いはさらに印象深いものとなった。

    アルピーヌとの関係は2026年も継続
    クラークソンとアルピーヌの関係は、その後も続いている。

    2026年F1イギリスGPでは、ディドリー・スクワット・ファームがアルピーヌのホスピタリティに食材を提供。モナコでのビールのプレゼントから3年が経過した現在も、クラークソンは「地元チーム」とのつながりを維持している。

    オコンがもたらした2023年モナコGPの表彰台はアルピーヌにとって貴重な成功だったが、その裏ではクラークソンがトラクターいっぱいのビールを届け、得意のジョークでチームを沸かせるという、F1パドックらしいユニークなエピソードが生まれていた。