ブラッドリー・クーパーとマーゴット・ロビーが出演する映画『オーシャンズ11』前日譚の撮影がモナコで行われ、街中が1962年F1モナコGP当時の姿へと変貌した。
ワーナー・ブラザースが製作する新作は、ジョージ・クルーニーが演じたダニー・オーシャンの両親を描く物語で、1962年モナコGPを舞台に大規模な強盗計画が展開される。8月24日から28日にかけて行われた撮影では、ヴィンテージF1マシンのレプリカやクラシックカー、当時の衣装をまとった300人以上のエキストラが投入された。
1962年F1モナコGPを現代のモナコで再現
撮影のため、モナコの有名な市街地コースは約60年前の姿に作り替えられた。撮影は5日間にわたってモナコ公国内各地で行われ、300人以上のエキストラと大規模な撮影クルーが参加した。
ルイ2世トンネルを抜けたレーシングカーがポール・エルキュールへ飛び出し、J.F.ケネディ通りを加速していく。コース脇には1960年代のF1を思わせるヘイベイルが並べられ、その後方では当時の衣装をまとった観客役がマシンに声援を送った。
現代であることを感じさせるのは、カメラを搭載した撮影車両とレーシングカーを追う撮影用ドローンくらいだった。ドローンはモナコのF1市街地コースを走るマシンを追跡するため、約100km/hで飛行したという。
撮影はポール・エルキュールから始まり、モナコおよびモンテカルロ中心部、アベニュー・プランセス・グレースなどへと移動。カジノ・ド・モンテカルロ前のカジノ広場も封鎖して撮影が行われ、最終日にはポルティエ、ラルヴォット、再びポール・エルキュール周辺が使用された。
コース上には1960年代を再現したヴィンテージF1マシンが並び、観客役だけでなく、メカニックやレーシングドライバー、消防士、ミュージシャン、船員など、当時のグランプリを再現するためのさまざまな役柄のエキストラも参加した。
今回の作品でモナコは単なる背景ではない。物語の中心となる強盗そのものが1962年モナコGP開催中に実行される設定となっている。
ロビーは4月のCinemaConで作品について、「ダニー・オーシャンがラスベガスに足を踏み入れるずっと前、彼にすべてを教えた2人の天才がいた。それが彼の両親です」と紹介している。
ブラッドリー・クーパーとマーゴット・ロビーがダニー・オーシャンの両親役
現在『Sandcastles(サンドキャッスルズ)』というワーキングタイトルで撮影されている作品は、クーパーが監督、脚本、主演、製作を兼任する。
クーパーは『アリー/スター誕生』『マエストロ:その音楽と愛と』『Is This Thing On?』に続き、4作目の長編監督作品として本作を手掛ける。
ロビーとクーパーは、シリーズでクルーニーが演じた犯罪の天才ダニー・オーシャンの母親と父親を演じるとみられている。ただし、ワーナー・ブラザースは両キャラクターの名前をまだ正式発表していない。
共演者にはワグネル・モウラ、モニカ・バルバロ、ジョシュ・ギャッド、ヴィッキー・クリープス、ジョージ・マッケイ、ローレン・リドロフ、ジャック・ホールデン、オマール・シーらが名を連ねる。モウラは物語の主要な敵役を務めると報じられている。
プロジェクトは2022年に発表されて以来、何度か体制が変更されてきた。当初はジェイ・ローチ、その後はリー・アイザック・チョンが監督候補となり、男性主演にはライアン・ゴズリングの名前も挙がっていた。チョンの離脱後、2026年にクーパーが監督を引き継いだ。

クーパーはモナコ・ヒストリックGPで事前調査
クーパーは撮影に先立ち、4月に開催された第15回モナコ・ヒストリックGPを訪れていた。
パドックやグランドスタンドを歩きながらヴィンテージレーシングカーを撮影し、コース上に寝そべって低いアングルからマシンを撮影する姿も目撃されている。1962年のF1グランプリを再現するため、現地で入念なリサーチを行っていたことがうかがえる。
実際の1962年F1モナコGPはブルース・マクラーレンが優勝
物語の舞台となる1962年F1モナコGPは6月3日に開催され、ブルース・マクラーレンがクーパー・クライマックスを駆って優勝した。
ポールポジションはジム・クラークが獲得したものの、決勝ではリタイア。グラハム・ヒルが勝利目前までレースをリードしたが、100周で争われたレース終盤にBRMのエンジンが故障した。
これによってマクラーレンが勝利を手にし、フェラーリのフィル・ヒルが2位、ロレンツォ・バンディーニが3位に入った。当日はモナコ公国のレーニエ3世とグレース公妃も会場を訪れ、優勝トロフィーを授与している。
映画では、この実在したF1モナコGPの華やかな雰囲気を背景に、架空の強盗計画が描かれることになる。
公開は2027年6月25日を予定
撮影はモナコだけでなくパリでも行われている。モナコ入りする直前にもロビーとクーパーがパリの撮影現場で目撃されており、ロビーは1960年代を思わせる黒と白を基調とした衣装を着用していた。モナコでの撮影後は、ニースを含むフレンチ・リヴィエラの別の場所でも撮影が続けられる予定だ。
モナコで1962年当時のグランプリを再現するため、エキストラの募集は6月から進められていた。対象は18歳から90歳までと幅広く、カジノのディーラー、ソムリエ、コンシェルジュ、メカニック、レーシングドライバー、消防士、ダンサー、ミュージシャン、船員など、F1開催時の街全体を再現するための多彩な役柄が用意された。
正式タイトルはまだ発表されておらず、『Sandcastles』はあくまで撮影時のワーキングタイトルとなる。『オーシャンズ11』につながる物語として製作される新作映画は、2027年6月25日の公開が予定されている。
