FIA ピエール・ガスリーのF1モナコGPペナルティ巡る控訴審を8月25日に開催

FIA ピエール・ガスリーのF1モナコGPペナルティ巡る控訴審を8月25日に開催

FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1モナコGPでピエール・ガスリーに科されたペナルティが取り消された問題を巡り、マクラーレンとレッドブル・レーシングが申し立てた控訴について、8月25日(火)に審理を行うことを決定した。

焦点となるのは、アルピーヌによる再審請求(Right of Review)が認められたことでガスリーの5秒ペナルティのひとつが取り消され、最終結果が変更された一件だ。

ガスリーは7位から3位へ復帰し、その影響でアイザック・ハジャーやオスカー・ピアストリらの順位がひとつずつ繰り下がった。今回の控訴審は、その判断を維持するのか、それとも当初のペナルティを復活させるのかを決める重要な手続きとなる。

FIAが8月25日にパリで控訴審
審理は8月25日(火)の現地時間9時からパリで行われる。マクラーレンとレッドブル・レーシングは、2026年モナコGPのDocument 99に記された決定#1および#2を対象として控訴している。

両チームが求めているのは、ガスリーに対するペナルティ取り消しの撤回、つまり当初科されていた5秒ペナルティの復活だ。

控訴は6月16日に正式に提出されており、審理はオランダGP終了後の火曜日に設定された。FIAによれば、審理は一般およびメディアには公開されない。

モナコGPで複数ドライバーにピットレーン速度違反
問題の発端となったモナコGPでは、ガスリーを含む複数のドライバーがピットレーンの速度制限違反としてタイムペナルティを受けた。

当時モナコのピットレーンでは60km/hの速度制限が設定されており、ガスリーのほか、ルイス・ハミルトン、ジョージ・ラッセル、フランコ・コラピント、ピアストリにも5秒ペナルティが科された。

ガスリーには2件のペナルティが科されており、そのうちひとつについてはピットストップ時に5秒間停止することで消化していた。しかし、もうひとつの5秒がレースタイムに加算されたことで、当初の最終結果では7位となっていた。

アルピーヌの再審請求で計測方法に問題が発覚
その後、アルピーヌはガスリーに対する2件のペナルティについて再審請求を提出した。

審理の過程で判明したのが、タイムキーパーによるピットレーンの距離の計測に問題があったことだった。

速度違反の判断では、ピット入口や出口に設けられた単一の計測地点だけではなく、速度、距離、時間を用いた計算式によってピットレーン内の平均速度が算出されていた。しかし、その計算の基礎となるピットレーンの距離が正しく測定されていなかったことが明らかになった。

この情報は、モナコGP当日にスチュワードが最初の裁定を下した時点では入手できなかった。そのためFIAは、再審請求を成立させるために必要となる「重要かつ新しい証拠」の条件を満たしていると判断した。

結果としてガスリーに残されていた5秒ペナルティが取り消され、順位は7位から3位へと戻された。

ガスリー3位復帰でハジャーとピアストリが降格
この裁定によってモナコGPの最終順位は大きく変わった。

ガスリーが3位に復帰したことで、レッドブル・レーシングのハジャーは3位から4位、マクラーレンのピアストリは4位から5位へ後退。さらにレーシングブルズのリアム・ローソンもひとつ順位を落として6位となった。

つまり今回の控訴は、ガスリーだけでなく複数のドライバーとチームのF1選手権ポイントにも直接影響する案件となる。

特にレッドブル・レーシングにとってはハジャーの表彰台、マクラーレンにとってはピアストリの4位がかかっており、両チームが控訴に踏み切った背景には明確な競技上の利害がある。

メルセデスは控訴を見送る
ガスリーのペナルティが取り消されたことで、同じモナコGPでピットレーン速度違反の裁定を受けた他のドライバーにも波紋が広がった。

メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、バルセロナGPでガスリーの裁定変更が発表された後、ラッセルのペナルティについても何らかの対応が可能か検討していることを示唆していた。

ただし、ラッセルのケースには別の事情があった。

ラッセルは5秒ペナルティを消化する際、ピットで5秒間待機する前に作業を開始してしまったため、ペナルティを正しく消化したとは認められなかった。その結果、自動的にドライブスルーペナルティへ変更され、終盤の赤旗後にこれを消化。最終的に12位まで順位を落としていた。

メルセデスは最終的に正式な手続きを取らないことを選択した一方、マクラーレンとレッドブル・レーシングは控訴を継続した。

モナコGPの最終結果が再び変わる可能性
8月25日の審理で最大の焦点となるのは、アルピーヌの再審請求を受けて下されたペナルティ取り消しが法的・競技的に妥当だったのかという点だ。

FIAが現在の裁定を維持すれば、ガスリーの3位はそのまま確定する。一方、マクラーレンとレッドブル・レーシングの主張が認められ、5秒ペナルティが復活すれば、モナコGPの最終順位が再び変更される可能性がある。

モナコGPから約3カ月を経てもなお確定を巡る争いが続く異例の展開となっており、ガスリーの表彰台だけでなく、ハジャー、ピアストリ、ローソンの順位と各チームの獲得ポイントにも関わるFIAの判断が注目される。