アストンマーティンF1のランス・ストロールが、夏休み中のモナコで極めて希少な「アストンマーティン DBR22」を運転する姿が目撃された。
世界でわずか22台しか生産されなかったオープンコックピットのV12スピードスターで、現在の市場価値は最大300万ポンド(約5億9000万円)とも推定されている。F1で苦しいシーズンを送るストロールだが、束の間の休暇を特別な1台とともに過ごしているようだ。
世界22台限定のアストンマーティン DBR22
ストロールがモナコの公道で運転していたのは、アストンマーティン DBR22。2022年、同社のビスポーク部門「Q by Aston Martin」の設立10周年を記念して発表されたモデルだ。
デザインの着想源となったのは、1959年のル・マン24時間レースで総合優勝を飾った名車DBR1。フロントウインドスクリーンを最小限に抑えたオープンコックピットを採用し、アストンマーティンのレーシングヘリテージを現代的に再解釈している。
搭載されるのは5.2リッターV12ツインターボエンジンで、最高出力705馬力、最大トルク752Nmを発生する。0-60mph(約96km/h)加速は3.5秒、最高速度は198mph(約319km/h)に達する。
生産台数はわずか22台。新車時の価格はカスタマイズ費用を除いて約150万ポンドだったが、その希少性から現在では250万~300万ポンドの価値があると推定されている。
ストロールが所有する高級車コレクション
27歳のストロールは、DBR22以外にも複数の高性能車を所有しているとされる。
VIP Fortunesによれば、そのコレクションにはアストンマーティン・ヴァンテージ、メルセデスAMG GT R、フェラーリ・カリフォルニア、ランボルギーニ・ウラカンなどが含まれている。
その中でもDBR22は、生産台数とブランドの歴史的背景を考えれば別格の存在だ。単純な高級車というだけではなく、アストンマーティンのレーシング史を象徴するモデルをモチーフとしたコレクターズカーでもある。
F1では苦戦が続くストロールとアストンマーティン
一方、ストロールが所属するアストンマーティンは、2026年のF1世界選手権で厳しい前半戦を強いられている。
今季からホンダとのワークス体制がスタートし、エイドリアン・ニューウェイの指揮下で初めて開発されたマシンとしてAMR26には大きな期待が寄せられていた。
しかし、開幕後はマシンとパワーユニットの双方で問題に直面。フェルナンド・アロンソとストロールを合わせ、シーズン前半だけでグランプリにおけるリタイアまたは完走扱いとならなかったケースが11回に達した。
状況を改善するため、アストンマーティンはハンガリーGPで大幅に改良されたBスペックのマシンを投入。ハンガロリンクではストロールが13位、アロンソが14位でフィニッシュし、一定のパフォーマンス向上を示した。
それでも、アストンマーティンはコンストラクターズ選手権で1ポイントにとどまり10位。新規参戦のキャデラックを上回っているだけという厳しい位置にいる。
夏休み明けにはさらなる巻き返しが求められるストロールだが、その前にモナコでは、F1マシンとはまったく異なる希少なV12マシンのステアリングを握り、ひとときのオフを楽しんでいる。
