カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • アストンマーティンF1の2028年PU変更構想 メルセデスとレッドブルは消極的

    アストンマーティンF1の2028年PU変更構想 メルセデスとレッドブルは消極的

    アストンマーティンが将来的なF1パワーユニット供給先の変更を検討するなか、メルセデスは同チームへの再供給に消極的な姿勢へと転じているという。ローレンス・ストロールはメルセデスとレッドブル・パワートレインズに接触したと報じられているが、いずれも前向きな反応を示していないとされる。

    アストンマーティンは2026年からホンダF1とワークス体制を構築したものの、新レギュレーション初年度は厳しい戦いが続いている。

    オランダGPで待望のアップデートが投入された後も、ホンダF1のパワーユニットによってラップあたり約1秒を失っているとの見方もあり、ストロールは2028年以降を視野に代替案を探っているという。

    メルセデスはアストンマーティンへの再供給に消極的
    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフは、2026年シーズン開幕戦オーストラリアGPを前に行われたチーム代表会見で、メルセデスとしてはアストンマーティンとのパートナーシップを2026年以降も継続する用意があったと説明していた。

    メルセデスは、アストンマーティンの前身であるフォース・インディア時代の2009年からパワーユニットを供給してきた。しかし、ローレンス・ストロールはカスタマーチームではなく事実上のワークスチームになる道を選択し、ホンダF1との提携に踏み切った。

    一方、アルピーヌは自社製パワーユニットによるワークス体制を終了し、メルセデスとのカスタマー契約を締結した。

    「アストンマーティンは長年にわたってメルセデスのカスタマーであり、パートナーでもあった。現在もロードカー部門にはエンジンやその他のコンポーネントを供給している。だから、アストンマーティンとの関係を終わらせるというのはメルセデス側の決定ではなかった」とヴォルフは語っている。

    「彼らはホンダ、そしてパートナーのアラムコとともにワークスチームになるという意識的な決断をしたのだと思う。だから我々は彼らを手放さなければならなかった」

    しかし、その後の状況は変化したようだ。

    イタリア版Motorsport.comのジャーナリスト、フランコ・ヌニェスによれば、現在のヴォルフはアストンマーティンとの新たなパートナーシップに積極的ではなく、レッドブル側も供給契約を結ぶ「意思」を示していないという。

    メルセデスは次のレギュレーションサイクルでカスタマーチームを2チームに限定したい意向とされており、ここからアストンマーティンを供給先に追加することは、その方針と一致しない。

    ストロールは2028年を視野に他メーカーへ接触
    ヌニェスは、ホンダF1側も現状を受けて大幅な改善が必要だと認識したと説明する。

    「私が把握しているところでは、ホンダはクオリティ面で大きな飛躍が必要だと認識した」

    「リスクとしてあったのは、ローレンス・ストロールが別のエンジンを探しに行く可能性だ。2027年ではない。すでにマシンの開発段階に入っており、すぐにエンジンを変更することは問題外だからだ。しかし、2028年を見据えた動きだ」

    「ストロールはあらゆるドアをノックしてみたが、他のメーカー側にはエンジンを供給しようという意思がそれほどなかった」

    仮にアストンマーティンがホンダF1との関係を終了し、新たな供給元を確保できなかった場合、レギュレーション上の仕組みによってパワーユニットメーカーが割り当てられる可能性もある。

    ヌニェスによれば、その場合には供給チーム数が最も少ないメーカーとしてアウディが候補になるという。ただし、アウディのパワーユニットについても現時点では競争力の面で大きく遅れているとの見方を示している。

    「レギュレーション上では、アストンマーティンにエンジンを供給する役割はアウディに回ることになる。供給しているチーム数が最も少ないメーカーだからだ。ただし、ドイツのエンジンもかなり遅れている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    メルセデスとレッドブルへの接触はホンダへの圧力だった可能性
    一方で、ストロールがメルセデスやレッドブル・パワートレインズと接触した背景には、実際のパワーユニット変更だけでなく、ホンダF1にプレッシャーをかける狙いがあったとの見方も出ている。

    その動きが一定の効果をもたらした可能性もある。ホンダF1では最近、F1プロジェクトの責任者を務めてきた角田哲史氏が退任し、副責任者だった深尾洋一郎氏が10月から後任を務めることが発表された。

    ヌニェスは、シーズン終了を待たずに行われる今回の人事変更は、ホンダF1のさくら拠点における組織文化にも変化をもたらす可能性があると指摘する。

    「これは非常に重要なニュースだと思う」

    「通常、彼らがシステムや組織構造を変更するのはシーズン終了後だ。チャンピオンシップがまだ続いている段階で責任者を交代させたという事実は、明確な戦略変更を示している」

    さらに、前任者のマネジメントスタイルにも言及した。

    「前任の責任者は、あらゆることを完全にコントロールしたい人物だったと言われていたことも覚えておくべきだ。副責任者を昇格させることで、組織内部のエネルギーを解放し、新たなアイデアの波を生み出すことができるかもしれない。それはホンダにとってプラスになる可能性がある」

    アストンマーティンとホンダF1の契約は、2026年から始まったばかりだ。フェルナンド・アロンソもホンダF1の施設、人材、プロジェクトへの投資を挙げて「100%」信頼していると強調している。一方で、現在のパフォーマンス不足が長期化することへの懸念から、ストロールが2028年以降に向けた選択肢を探っているとの報道は続いている。

    かつてアストンマーティンとの関係継続に前向きだったメルセデスも、現在はカスタマー数を絞る方針から再提携に消極的とされ、レッドブル・パワートレインズも供給に前向きではないという。ホンダF1が組織変更と今後の開発によって性能差をどこまで縮められるかは、アストンマーティンの長期的なF1計画を左右する重要な要素になりそうだ。

  • フェルナンド・アロンソの新たな愛車 クローム仕様のブガッティ・ヴェイロンが納車

    フェルナンド・アロンソの新たな愛車 クローム仕様のブガッティ・ヴェイロンが納車

    フェルナンド・アロンソが、新たな愛車としてブガッティ・ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセを手に入れた。モナコで納車された一台は、塗装ではなく磨き上げられたアルミニウムのボディを持つ、世界に1台の特別仕様だという。

    2026年F1シーズンをアストンマーティンで戦うアロンソだが、サーキットを離れれば世界屈指の希少なスーパーカーを所有するコレクターとしても知られる。今回、そのガレージに極めて希少なヴェイロンが加わった。

    世界に1台のヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセ
    今回アロンソが受け取ったのは、ブガッティ・ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセ(シャシー8100)。ワンオフで製作された世界に1台の車両とされている。

    最大の特徴は、鏡のような輝きを放つボディだ。一見するとクローム仕上げに見えるが、実際にはボディワークが塗装されているわけではないという。

    ほぼすべてのボディパネルは、アルミニウムの無垢材から削り出して製作され、その表面を磨き上げることで独特の輝きを生み出している。さらに、製作には溶接を使用していないとされる。

    その希少性もあって、このヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセの価値は500万~650万ドル(約7億5000万~9億7500万円)と評価されている。

    その姿はモナコで撮影され、写真や動画がSNSで拡散。F1ファンだけでなく、スーパーカーファンからも大きな注目を集めている。


    希少車が並ぶアロンソのコレクション
    ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセは、8.0リッターW16クワッドターボエンジンを搭載するヴェイロンの高性能オープントップモデルだ。

    アロンソは以前から希少なロードカーを数多く所有している。コレクションにはメルセデス・ベンツ CLK GTR、アストンマーティン・ヴァリアント、パガーニ・ゾンダなどが含まれており、今回のワンオフ仕様のヴェイロンも、その豪華なラインアップに加わることになった。

    とりわけCLK GTRやゾンダ、ヴェイロンはいずれもコレクター市場で高い評価を受けるモデルであり、アロンソのガレージには自動車史に名を残す希少車が並んでいる。

    SNSでは、アロンソが希少なハイパーカーを次々と集めていることについて、「ポケモンカードのように集めている」といったファンの反応も見られた。

    2026年のF1ではアストンマーティンとともに厳しい戦いを続けているアロンソだが、モナコでのプライベートでは、世界に1台とされる磨き上げられたアルミニウムボディのブガッティ・ヴェイロン・グランスポーツ・ヴィテッセという、特別な一台を新たな愛車として迎え入れた。

  • アストンマーティンF1 辛辣発言ニューウェイの露出抑制「マイクの前に立たせない」

    アストンマーティンF1 辛辣発言ニューウェイの露出抑制「マイクの前に立たせない」

    アストンマーティンF1のチーム代表を務めるエイドリアン・ニューウェイは、グランプリの現場に姿を見せる機会が少なく、サーキットを訪れた際にもメディアの前で発言することはほとんどない。その背景には、開幕戦オーストラリアGPで行われた記者会見での率直すぎる発言があるという。

    ニューウェイはもともと表舞台に立つことを好まず、チーム代表として対外的な役割を担うよりも、マシン設計に集中するスタイルを取っている。

    そのため不在時には、チーフ・トラックサイド・オフィサーのマイク・クラックやアンバサダーのペドロ・デ・ラ・ロサが、苦戦するチームの主なスポークスマンを務めている。

    ニューウェイの「極めて批判的」な会見で広報戦略を変更
    ニューウェイは2026年F1開幕戦オーストラリアGPで、シーズン最初のチーム代表記者会見に出席した。しかし、その場での発言がアストンマーティンにとって広報上の問題になったとされている。

    ニューウェイは、レッドブル時代に成功を支えたホンダF1のパワーユニット技術者について、その一部が「ソーラーパネルか何かの仕事に移ってしまった」と明かした。

    しかもアストンマーティン側がその状況を把握したのは、シーズン開幕のわずか5カ月前に日本を訪問した際だったという。

    さらにニューウェイは、バッテリーの損傷率について「恐ろしい」と表現。問題への対応によってチームのエネルギーが奪われ、メカニックたちが「疲弊しきっている」と率直に語った。

    ニューウェイの発言については、ホンダF1に対するコストキャップ上の救済措置をFIAから引き出すため、意図的に厳しい状況を公にしたとの見方もある。

    しかし、少なくともアストンマーティンの広報部門にとって、その率直さは想定外だったとされる。通常、F1チーム代表はこうした問題について、より慎重かつ外交的な表現を選ぶ。

    スペインのAutoNocionによると、この「極めて批判的」な記者会見を受け、アストンマーティンはニューウェイを「マイクの前に立たせない方がいい」と判断したという。

    その後、ハンガリーGPでニューウェイがメディア対応を行った際には、オーストラリアでの会見とは対照的に、はるかに控えめな内容となった。

    また、ニューウェイ自身からの情報発信についても、現在はチームの公式チャンネルを中心に行われている。アストンマーティンの公式サイトに掲載されるロングインタビューなど、発言内容を管理しやすい形が中心となっている。

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ライバル勢はホンダF1の2027年の進歩に懐疑的との報道
    一方、アストンマーティン内部ではホンダF1の開発状況に対する懸念も伝えられている。

    チームの匿名の「上級幹部」が、ホンダF1の進歩の遅さにいら立ちを強めているとされる。F1オランダGPで投入された待望のパワーユニットのアップグレードについても、その成果は期待を下回ったと受け止められているという。

    ホンダは10月1日付でF1パワーユニット開発体制を変更する。LPL(ラージ・プロジェクト・リーダー)は角田哲史から、現在アシスタントLPLを務める深尾洋一郎へ交代する予定で、パワーユニット開発の加速と次世代への移行を図る。

    また、ローレンス・ストロールが将来のパワーユニット供給を巡ってメルセデスやレッドブル・パワートレインズと接触したとの報道もあり、今回の体制変更との関連も取り沙汰されている。

    ライバルチームの間では、ホンダF1が2027年に大幅な性能向上を実現できるかについて「懐疑的」な見方もあるという。過去にマクラーレンと組んだ際も、競争力のある水準に到達するまでには数年を要したことが、その根拠として挙げられている。

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、ホンダF1を支援するための規則面での対応について言及しており、その背景にはフェルナンド・アロンソをF1に引き留めたいという意向も示している。

    メルセデスのトト・ヴォルフも、公平性が保たれる範囲であれば調整を受け入れる姿勢を示しており、レッドブル側からも救済措置への支持が伝えられている。

    開幕時にホンダF1の置かれた状況を極めて率直に語ったニューウェイだが、その発言を境にアストンマーティンはメディア対応の方法を変えたとされる。2027年に向けてホンダF1の競争力が大きな焦点となるなか、ニューウェイ自身は表舞台で多くを語るのではなく、マシン開発に集中する姿勢を続けている。

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1で2027年続投を示唆「将来に楽観的」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1で2027年続投を示唆「将来に楽観的」

    フェルナンド・アロンソが、自身のF1での将来について新たなヒントを示した。アストンマーティンの2027年に向けたプロジェクトについて「楽観的」と語り、来季もチームに残る可能性をうかがわせている。

    F1スペインGPでは、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムが、アロンソを2026年限りで引退させないために働きかける考えを示した。

    一方、ホンダF1側からはビン・スライエムの発言に慎重な見方も示されているが、アストンマーティン内部では2度のF1ワールドチャンピオンが2027年もチームに残ることへの期待がある。

    アロンソ「チーム全員が楽観的だと思う」
    アストンマーティン公式YouTubeチャンネルのインタビューで、チームアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサから将来への見通しを尋ねられたアロンソは、2027年に向けたチームの状況について語った。

    アロンソによれば、アストンマーティンは当初想定していたほどの競争力を発揮できず、その現実はチームにとって大きなショックだったという。しかし、問題が明らかになったことで、むしろチーム内の結束は強まったと説明している。

    「チーム全員が楽観的だと思う。僕たちは予想していたほど競争力がなかった。それが事実だ。正しい方向に進めていないと感じたことは、最初はショックだった」

    「でも、このチームとプロジェクトのいいところは、本当に、本当に優秀な人材がいることだ。最高の施設があるし、将来タイトルを争える存在になろうというモチベーションもある」

    2026年シーズン序盤に問題を把握した段階で、改善へ向けた方向性は明確になったとアロンソは振り返る。

    「初日を終えた時点で、どの方向へ進むべきかは明確だった。状況を改善するためなら何でもやるという姿勢で、全員がひとつになった」

    「マシンを正しい位置に持っていくために、シーズン後半まで待とうということで意見が一致した」

    「厳しいスタートになったけど、それは状況を改善するためにみんなが努力しなかったからではない。ただ時間が必要だったということだ。僕は将来について楽観的だ」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    2027年もアストンマーティンでF1継続か
    アロンソとアストンマーティンの双方から2027年について正式な発表はまだない。しかし、今回の発言は、アロンソ自身が現在のプロジェクトの先にある将来を見据えていることを示すものとなった。

    アロンソは2013年F1スペインGP以来、グランプリで勝利を挙げていない。近年は自身の引退時期について繰り返し質問を受けてきたものの、競争力を失ったシーズンを最後にF1を去ることを望んでいないことも示している。

    一部ではアロンソが2026年限りでF1キャリアに終止符を打つ可能性も取り沙汰されてきたが、最近では2027年もアストンマーティンに残留し、さらにその先まで現役を続ける可能性が報じられている。

    2026年は期待通りのスタートとはならなかったアストンマーティンだが、アロンソの「将来について楽観的」という言葉は、チームの再建だけでなく、自身のF1キャリアが2027年にも続く可能性を改めて示唆するものとなっている。

  • ランス・ストロール F1参戦10年で学んだこと「自信と感覚が大きな部分を占める」

    ランス・ストロール F1参戦10年で学んだこと「自信と感覚が大きな部分を占める」

    ランス・ストロールは、F1デビューから間もなく10年を迎えるなかで、自身がドライバーとしてどのように成長してきたのかを振り返った。また、苦戦が続く2026年のアストンマーティンについても語り、チームの将来を「固く信じている」と強調した。

    2017年に18歳でウィリアムズからF1デビューを果たしたストロールは、マックス・フェルスタッペンに次ぐ当時史上2番目の若さでF1に参戦。ルーキーイヤーには表彰台とフロントロウスタートも記録した。

    2019年にレーシングポイントへ移籍すると、翌2020年にはF1初ポールポジションを獲得し、さらに2度の表彰台を記録。2021年にチームが父ローレンス・ストロールが率いるアストンマーティンのワークスチームへ移行した後も在籍を続けている。

    しかし、その後の数シーズンは浮き沈みを経験し、F1のレギュレーションが大幅に変更された2026年は、新たにホンダF1と組んだアストンマーティンにとって特に厳しいシーズンとなっている。

    F1で学んだ「自信と感覚」の重要性
    アストンマーティンF1公式サイトのインタビューで、ストロールは18歳でデビューした当時から27歳となった現在までに、自身がどのように変化したのかについて語った。

    F1で過ごしてきた時間のなかでどれほど多くを学んだかと問われ、ストロールは次のように答えた。

    「たくさんある。さまざまなドライビングの戦術、マシンセットアップに関すること、変化するコンディションへの対応、それぞれのサーキットでラップタイムを稼ぐためのコツなどだ」

    「F1で過ごす時間が長くなるほど、このスポーツでは自信と感覚がどれほど大きな部分を占めているのかが分かってくる。それは常にある課題のひとつだ。毎シーズン状況が違うからね。常に学び、適応し、マシンや周囲のチームと一緒に進化しようとしている」

    さらに、肉体面でも経験によって理解が深まったという。

    「フィジカル面もそうだ。レースウイークエンドで自分が最高の状態になるために何が必要なのか、シーズンを通して精神的、肉体的にどう管理していくのかを理解すること。そういったことはすべて、時間とともに向上していく」

    ランス・ストロール(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    苦しい時期こそ「物事を大局的に見る」
    困難な時期にどのように対処しているのかについて、ストロールは感情に左右されすぎないことが重要だと説明した。

    「地に足をつけて、物事を大局的に見る必要がある。F1では状況がものすごく速く変化する。数カ月で状況が完全に変わることもある。だから、良いときも悪いときも感情的になりすぎると、本当に重要なことに集中し続けるのが難しくなる」

    「ドライバーなら誰だってトップで戦いたい。厳しい時期を過ごしているときは、もちろんフラストレーションがたまる。チームのみんなが信じられないほど懸命に働いていて、もっと良い結果を望んでいるからだ。でも、そういう時期も何かを築き上げていく過程の一部なんだ」

    「仕事を続け、自分たちがどこを改善しなければならないのかについて正直であり続け、すぐに結果が出なくても、そのプロセスを信頼しなければならない」

    苦戦するアストンマーティンの将来を「固く信じている」
    ストロールは、2026年シーズン序盤から苦しい戦いを強いられているアストンマーティンについても言及。最終的にレース優勝やF1世界タイトルを争うという目標を実現できると信じている理由を説明した。

    「AMRテクノロジーキャンパスには信じられないほど才能のある人たちがいるし、新しいCoreWeave AIRトンネルやシミュレーターといった設備にも非常に大きな可能性がある」

    「勝てるチームになるための要素はすべて揃っている。あとは、そのポテンシャルを引き出すだけだ」

    そしてストロールは、現在の苦戦にもかかわらず、アストンマーティンのプロジェクトに対する信頼は揺らいでいないと強調した。

    「今は厳しい時期を経験しているけど、僕はこのプロジェクトを固く信じている。未来はとても明るい。この苦しい時期を乗り越えて、僕たちが進んでいるこの旅の一員でありたい」

    2017年のF1デビューから多くの経験を積んできたストロール。2026年はアストンマーティンとホンダF1にとって厳しい戦いとなっているが、27歳となったストロールは、これまで培ってきた経験を生かしながらチームとともに苦境を乗り越える姿勢を示している。

  • アストンマーティンF1 AMR26Bで劇的改善 カルディレ「以前のマシンは壊れていた」

    アストンマーティンF1 AMR26Bで劇的改善 カルディレ「以前のマシンは壊れていた」

    アストンマーティンF1は、2026年シーズン途中に投入したAMR26Bによってマシンの性格を大きく変えることに成功した。テクニカルディレクターのエンリコ・カルディレは、従来型のAMR26について、ドライバーの視点では「ある意味で壊れていた」と表現している。

    AMR26Bの進歩は単純なダウンフォース増加だけではない。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールがセットアップ変更に対して予測可能な反応を得られるようになり、ドライバビリティそのものが大幅に改善されたという。

    1ポイントから巻き返したアストンマーティンF1
    アストンマーティンは2025年のコンストラクターズ選手権を7位で終え、5位だった2024年から後退した。そして、新しいF1レギュレーションが導入された2026年は、さらに厳しいスタートを切った。

    エイドリアン・ニューウェイの設計思想のもとで開発され、カルディレが技術面を統括したAMR26は、重量超過に加えてダウンフォースが不足。さらにホンダF1のパワーユニットも出力不足と振動の問題を抱えていた。

    ハンガリーGPを迎えるまで、アストンマーティンが獲得していたポイントはわずか1点。アロンソがF1モナコGPで記録した10位が唯一の入賞だった。

    そこでアストンマーティンは、複数のレースにわたって小規模から中規模のアップデートを投入するのではなく、リソースをひとつの大規模パッケージに集中させる方針を選択した。

    カルディレ自身が「勇気のある決断」と表現したこの計画では、シャシーを再ホモロゲーションして新たなクラッシュテストを受ける必要があり、ノーズ、空力サーフェス、リアサスペンションなどにも大幅な変更が加えられた。

    その結果として誕生したのがAMR26Bだった。

    「僕たちは、いわば2つのステップを同時に踏み出した。純粋なパフォーマンスを大きく向上させると同時に、ドライバビリティも大幅に改善した」

    「以前のマシンはある意味で壊れていた」
    カルディレは、シーズン序盤にアロンソとストロールが直面していた問題の深刻さを隠そうとはしない。

    「以前は、彼らの視点からすれば、ある意味でマシンが『壊れていた』。一貫した反応をしてくれなかった」

    AMR26ではセットアップを変更しても、その効果が予測できないケースがあり、ドライバーが自分の好みに合わせてマシンを仕上げることが難しかった。

    AMR26Bでは、まさにその部分が改善されたという。

    「今のマシンはより予測しやすくなっている。セットアップ変更に対して正しく反応するので、彼らはその変更を使って自分の好みに合わせてマシンを調整できる」

    カルディレにとって、それは単なるラップタイム以上に重要な進歩だった。

    「率直に言って、彼らのためにも本当にうれしく思っている。彼らが望むようにドライブできるマシンに近づけることは、我々にとって重要だった」

    シーズン序盤、カルディレはアロンソとストロールの苦悩を間近で見ていた。

    「シーズン序盤には、彼らのフラストレーションを見たし、私自身もそれを感じていた。このレベルでは簡単なことではない」

    F1では、ドライバーがマシンを信頼できるかどうかがパフォーマンスに大きく影響する。また、挙動に一貫性がなければドライバーから得られるフィードバックの精度も低下し、開発そのものが難しくなる。

    しかし、現在ではドライバーとの会話の内容も変化しているという。

    「今では、彼らとの会話の多くが将来についてのものになっている。2026年型マシンにはどんな制約があり、2027年に向けてどうすればもう一度大きなステップを踏み出せるのか。それを考えている」

    2025年のアップデートとは根本的に違うAMR26B
    カルディレは、今回のアップデートと2025年に投入した大型パッケージには決定的な違いがあると説明する。

    「昨年、大規模なアップデートパッケージを投入したときは、その限界も分かっていた。改善幅という意味では、根本的な変化ではなかった」

    2025年のアップデートでも競争力は向上したが、マシンそのものの性格までは変えられなかったという。

    「少し競争できるようにはなったが、マシンのキャラクターを根本的に変えるものではなかった。ドライバーにとっては基本的に同じマシンで、ただ少しダウンフォースが増えただけだった。ドライブする楽しさが本当に変わったわけではなかった」

    だが、AMR26Bは違う。

    「今回は違う。全体的なダウンフォースという意味でも、このパッケージはベース車両と比較して非常に大きなステップになっている」

    さらに重要なのは、単に空力性能が向上しただけではないことだ。

    「マシンの挙動も変わっている。ドライバーへの情報の伝え方、コーナー中盤での反応、荷重変化への対応も変わった」

    「だから、いわば2つのステップを踏み出した。純粋なパフォーマンスが大幅に向上し、それと同時にドライバビリティも大きく改善した。それがドライバーにとって感覚が大きく違う理由であり、彼らから非常にポジティブなフィードバックが得られている理由でもある」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    シャシー改善でも隠せないホンダF1の出力不足
    AMR26Bの進歩は、空力性能やメカニカルバランスが重要になるサーキットでは明確に表れている。

    テクニカルなレイアウトでストレートが比較的短いザントフォールトでは、アロンソが9位に入り、シーズン2度目のポイント獲得を果たした。

    一方、パワーユニットへの依存度が高いモンツァとマドリンクでは、シャシーでは補えない弱点が露呈した。

    F1イタリアGPではアストンマーティンの2台が予選最後列に沈み、ポールポジションから約4秒遅れとなった。ストレートでは、トップチームだけでなくキャデラックなどに対しても大きなタイムを失った。

    続くF1スペインGPでは、アロンソが17位でフィニッシュ。優勝したアンドレア・キミ・アントネッリから2周遅れとなり、ストロールはブレーキトラブルによってリタイアした。

    原因のひとつがホンダF1のRA626Hだ。

    ホンダF1のパワーユニットは、FIAが基準としているレッドブルのパワーユニットに対して推定約70馬力の出力差を抱えているとされる。

    さらにレースではエネルギーマネジメントの問題も加わる。アロンソは上海で、予選では1周の約75%でパワーユニットの性能を最大限使用できる一方、ロングランではそれが約半分にまで低下すると説明していた。

    ホンダF1はザントフォールトで第2仕様のパワーユニットを投入したものの、トラックサイドのチーフエンジニアを務める折原伸太郎も、依然としてライバルに対して総合的なパワーで遅れていることを認めている。

    つまりAMR26Bによってダウンフォースが増え、ドライバビリティが改善され、以前の「壊れていた」状態から予測可能なマシンへと変貌しても、パワーが支配的なサーキットではその進歩が覆い隠されてしまう。

    シャシーは改善した。しかし、そのシャシーだけでパワーユニットの不足分を埋めることはできない。

    HRCの渡辺康治社長も、パワーユニットの問題を今シーズン中に完全に解決することは難しいとの認識を示している。

    AMR26Bを土台に2027年型マシンを開発
    アストンマーティンはすでに視線を2027年へと移している。

    カルディレによれば、ドライバーからも2027年型マシンについての質問が出るようになり、チームの開発リソースも来季プロジェクトへと重点が移されている。

    ハンガリーで投入されたAMR26Bの大型パッケージと、ザントフォールトで加えられた小規模な修正が、AMR26に予定されている最後の空力アップデートになるという。

    2027年型マシンは、AMR26Bによって確立された方向性を発展させるものになる。ただし、単純に現在のマシンを継続使用するのではなく、各コンポーネントは新たに設計される。

    その意味でAMR26Bには2つの役割がある。

    ひとつは、アロンソとストロールが自分の好みに合わせてセットアップできる予測可能なマシンを提供し、2026年シーズンの競争力を改善すること。そしてもうひとつは、2027年型マシンにつながる技術的な方向性を実戦で検証することだ。

    「これは我々にとって大きな意味を持っている。数字が変わっただけでなく、フィーリングそのものが変わったことを示している」

    シーズン序盤にはAMR26の挙動に苦しみ、フラストレーションを募らせていたアロンソとストロールだが、現在の議論はすでに2027年へと移っている。

    AMR26BによってアストンマーティンF1は、単なるダウンフォース増加以上の成果を手にした。予測不能だったマシンをドライバーが調整できるマシンへと変え、その方向性を次のF1マシンへとつなげようとしている。

  • ホンダF1 フェルナンド・アロンソのマドリンクでの検証を経て開発方針を転換

    ホンダF1 フェルナンド・アロンソのマドリンクでの検証を経て開発方針を転換

    ホンダF1は、2026年型パワーユニット(PU)の開発で重要な段階をクリアしたとみている。第2仕様PUの投入後に課題となっていたドライバビリティの改善が進み、今後は純粋なパフォーマンス向上へ開発の重点を移す方針だ。

    F1スペインGPではアストンマーティン・ホンダが再び厳しい週末を過ごしたものの、ホンダF1はマドリンクで収集したデータに前向きな兆候を確認。フェルナンド・アロンソが決勝中に行った複数のテストも、開発の方向性が正しいことを裏付ける材料になったという。

    第2仕様PUのドライバビリティ改善に手応え
    ホンダF1はF1オランダGPで第2仕様のパワーユニットを投入し、アストンマーティンAMR26のパフォーマンス改善を図った。

    ザントフォールトではアロンソが9位に入り、アストンマーティンとホンダのパートナーシップ開始後では当時のベストリザルトを記録した。しかし、その後のモンツァでは、エンジンパワーへの要求が特に高いサーキット特性によってアストンマーティン・ホンダは大きく苦戦した。

    初開催となったマドリンクでのF1スペインGPでも、チームはポイントに届かなかった。アロンソは優勝者から2周遅れの17位でフィニッシュし、ランス・ストロールはブレーキペダルの問題によってリタイアした。

    ストロールにとっては週末を通じて厳しい展開だった。アストンマーティンはパワーユニット交換を決断したため、ストロールは40グリッド降格ペナルティを抱えて予選を迎えたが、AMR26に水圧の問題が発生し、タイムを記録できなかった。それでもFIAスチュワードから決勝への出走を許可された。

    結果だけを見れば、ホンダF1にとって満足できるF1スペインGPではなかった。しかし、パワーユニット開発という観点では重要な前進があった。

    第2仕様PUの投入時、アロンソはそのドライバビリティと扱いやすさについて懸念を示しており、この部分ではホンダが事実上「振り出しに戻った」と感じるほどだった。

    それから3戦を経て、ホンダF1トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、この問題について十分な改善が進み、今後はより多くのリソースをパフォーマンス向上に振り向けられる段階に入ったと説明した。

    「マドリードの結果は我々が望んでいたものではありませんが、今後のレースに向けて、そこから得られる学びや改善点をしっかり確認する必要があります」

    「過去3戦を通じて、F1オランダGPで投入した第2仕様パワーユニットのドライバビリティを改善してきました。その問題を軽減できたことで、これからはパフォーマンス面に集中できるようになります」

    アロンソが決勝中にエンジン設定を検証
    ホンダF1の取り組みはマドリンクでも続けられた。折原伸太郎によれば、週末を通じてパワーユニットのキャリブレーションを変更し、その効果をセッションごとのデータで確認していったという。

    「例えば今週末も、その部分を改善するためにいくつかのキャリブレーションを変更しました。セッションを重ねるごとに、データから良い兆候を確認することができました」

    「フェルナンドも決勝中に別のテストを行い、それを確認してくれました。これは我々全員にとって、正しい方向に進んでいることを示すものです」

    アストンマーティン・ホンダにとってF1スペインGPの決勝はポイント争いから大きく離れた展開となったが、その状況を逆に利用して、パワーユニットに関するさまざまな検証を実施した。

    アロンソ自身も、マドリンクでレース終盤まで異なるエンジン設定やエネルギーのデプロイメント戦略を試し、今後につながるデータ収集を続けていたことを明らかにしている。

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    バクーはパワーユニットの新たな試金石
    一方、次戦F1アゼルバイジャンGPは、ホンダF1にとって現在地を測る新たなテストとなる。

    バクー市街地サーキットはパワーユニットへの要求が非常に高く、約2.2kmに及ぶ長い全開区間を持つ。最高速とエンジンパワーがラップタイムに大きく影響するため、モンツァに続いてホンダF1のパワーユニット性能が明確に試される舞台となる。

    アロンソは、バクーでも再び厳しい週末になる可能性について問われたが、先を決めつけることはせず、1戦ずつ取り組む姿勢を強調した。

    「週末ごとに進んでいかなければならない」

    「ザントフォールトのようにポイントを獲得できる可能性が少しでもあれば、それを生かさなければならない。でも、難しくなることは分かっている」

    さらにアロンソは、結果を狙うだけでなく、2026年シーズン終盤までパワーユニットとマシンへの理解を深め続ける必要があると語った。

    「学び続けなければならない。マドリードでも争えるものは何もなかったけど、いろいろなことを試した。異なるエンジン設定や、最後の数周ではデプロイメント戦略も試して、学習のプロセスを続けた。それをシーズン終了まで続けなければならない」

    第2仕様PU投入後の大きな課題だったドライバビリティについて、ホンダF1は改善に手応えを得た。マドリンクでアロンソが行った実走テストでもデータとの相関が確認され、開発の焦点はいよいよ純粋なパフォーマンス向上へと移る。次戦バクーは、その進歩がどこまで結果につながるかを測る重要な機会となる。

  • フェルナンド・アロンソ ホンダF1のPU問題に不満「エンジンは非常に悪かった」

    フェルナンド・アロンソ ホンダF1のPU問題に不満「エンジンは非常に悪かった」

    フェルナンド・アロンソは、F1スペインGPの決勝でホンダF1のパワーユニット(PU)に深刻な問題を抱えたとして、アストンマーティンに原因を詳しく調査するよう求めた。

    マドリンクで行われた決勝で、アロンソは優勝したアンドレア・キミ・アントネッリから2周遅れの17位でフィニッシュ。レース後には「今日のエンジンは非常に悪かった」と語り、特にブースト制御や低速からのパワー回復に問題があったことを明かした。

    アロンソ「エンジンは非常に悪かった」
    アストンマーティンは、パワー不足が課題となっているホンダF1のPUにとって高速のモンツァでは苦戦を予想していた。一方、初開催となったマドリンクでのF1スペインGPは、チームにとって未知数の部分が多い週末だった。

    ザントフォールトでポイントを獲得した勢いを再現することはできず、アロンソは17位。決勝ではホンダF1のPUに複数の問題を感じていたという。

    「今日のエンジンは非常に悪かった。ブーストコントロールが難しかったと思うし、ピットストップでは危うくエンストしそうになった」

    「ブルーフラッグで他のマシンを先に行かせるために減速したときも同じだった。その後、エンジンがなかなか回復してくれなかったので、ブルーフラッグのたびにかなりタイムを失っていた」

    「何が起きていたのか分析する必要がある」

    ホンダF1はスペインGP後、ドライバビリティ面で十分な進歩を遂げたことで、今後はPUのパフォーマンス向上に全面的に集中できる段階に入ったとの認識を示している。しかし、今回アロンソが訴えた症状については、アストンマーティンとホンダF1にとって新たな検証項目となる。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム) ホンダF1

    ストロールはデブリでダウンフォースを大幅に喪失
    一方、もう1台のアストンマーティンAMR26を駆るランス・ストロールは完走できなかった。

    ストロールはスタート直後にデブリを踏み、その影響で大幅なダウンフォースを失ったと説明。さらにレース中にはブレーキペダルが奥まで入る問題も発生し、エスケープロードでマシンを動かせなくなったことでリタイアを余儀なくされた。

    「1周目の後にダメージがあった。デブリに当たって、40~50ポイントくらいのダウンフォースを失った」

    「それからレース中にブレーキの問題も出た。ペダルがものすごく奥まで入るようになって、それでロックアップした。長いブレーキペダルの問題があって、ダメージもあった」

    「マシンの向きを変えようとしたけど、回転させるだけのパワーがなかった。そこから僕たちのレースは徐々に悪化していった」

    マドリンクではフェラーリのルイス・ハミルトンも同様にブレーキペダルが長くなる症状を訴え、最終的にリタイアしている。

    ストロールは予選でも水圧系の問題が疑われるトラブルによってタイムを記録できなかった。また、アストンマーティンがPUを交換したことで40グリッド降格ペナルティを抱えており、今回が今季9度目のリタイアとなった。

    「大幅にパワーが足りず、信頼性の問題もあって、ダウンフォースも望んでいるレベルに達していない。そういう状況なら、常に難しくなる」

    「これらすべてを改善するまでは、厳しい状況が続くだろう」

    アストンマーティンは現在、コンストラクターズ選手権で3ポイントの最下位10位。ホンダF1がPUのパフォーマンス開発へ重点を移すなか、アロンソがマドリンクで経験したブースト制御とパワー回復の問題についても、原因究明が急がれる。

  • フェルナンド・アロンソ F1現役続行に含み「契約更新なら何年も続ける」

    フェルナンド・アロンソ F1現役続行に含み「契約更新なら何年も続ける」

    フェルナンド・アロンソが、自身のF1での将来についてこれまでとはやや異なる姿勢を示した。アストンマーティンとの契約を更新するかどうかはまだ決断していないものの、身体的にもパフォーマンス面でも現役を続ける準備はできていると強調している。

    44歳のアロンソは、引退を決断する基準について「他のドライバーより遅くなったと感じたとき」と明言。その瞬間はまだ訪れていないとし、もし契約更新を選択した場合には、単なる「あと1年」ではなく、その先も複数年にわたってF1で走り続ける可能性があると語った。

    「他のドライバーより遅くなったと感じたら辞める」
    アロンソの将来を巡っては、2026年シーズンを通じて引退の可能性がたびたび話題になってきた。一方で、本人が判断材料として重視しているのは年齢そのものではなく、自身の競争力だ。

    F1スペインGPでは厳しい結果に終わったものの、アロンソは自分自身の速さがライバルに対して衰えたとは考えていない。

    「他のドライバーより遅くなったと感じたら辞める。その瞬間はまだ来ていない」

    アロンソにとって、これは現役続行を判断するうえで明確な基準となっている。自身が最高レベルで戦える限り、年齢だけを理由にF1を離れるつもりはないという姿勢だ。

    一方、契約更新を決める際には、自身のパフォーマンス以外にも複数の要素が関係する。なかでも重要になるのが、アストンマーティンの競争力と今後のF1レギュレーションの方向性だ。

    2026年からアストンマーティンはホンダF1とワークス体制を開始したが、期待された結果にはまだ結びついていない。アロンソは今後、チームがどこまで競争力を高められるのかを見極めながら、自身の将来を判断することになる。

    契約更新なら「あと1年」とは限らない
    さらにアロンソは、契約を更新した場合の期間についても興味深い発言を残した。

    F1スペインGPが開催されたマドリンクでは、地元ファンからアロンソに対して「もう1年」という声が送られた。しかし本人は、次の契約が必ずしも1シーズンだけになるとは考えていない。

    「決断しなければならない。でも、もし契約を更新するなら、それを『あと1年』だと考える必要はない。契約を更新したら、何年も続けるかもしれない」

    この発言は、アロンソがF1でのキャリアを短期的な延長だけで考えているわけではないことを示している。

    現在のところ、アロンソは身体面でも精神面でもF1を続けられる状態にあると考えており、自身のドライビングについても競争力を失ったという感覚は持っていない。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    決断を左右するアストンマーティンの将来
    その一方で、アロンソが残留を決めるには、自分自身の状態だけでなく、アストンマーティンのプロジェクトがどの方向へ進むのかも重要になる。

    新しいパワーユニット規則が導入された2026年は、チームにとって大きな転換点となった。ホンダF1とのワークス体制、新しい技術規則、そしてチームの開発力が今後どのような結果につながるのかは、アロンソの決断にも影響するとみられる。

    また、今後F1の技術規則がどのように変更されていくかについても、アロンソは関心を示している。マシンの特性やレースのあり方を含め、F1が向かう方向そのものも、自身が現役を続けるかどうかを考える材料になる。

    現時点で契約更新について正式な決断は下されておらず、発表時期も明らかになっていない。ただし、「遅くなったら辞める」という本人の基準に照らせば、少なくともアロンソ自身はまだ引退すべき段階には達していないと感じている。

    これまで「あと何年走るのか」が焦点となってきたフェルナンド・アロンソだが、今回の発言では、契約を更新する場合にはさらに複数年にわたってF1に参戦する可能性まで明確に残した。最終的な判断を左右するのは年齢ではなく、自身の競争力、アストンマーティンの将来性、そしてF1そのものが今後どの方向へ進んでいくかになりそうだ。

  • アストンマーティン・ホンダF1 2027年型は「完全に新しいマシン」全パーツを刷新

    アストンマーティン・ホンダF1 2027年型は「完全に新しいマシン」全パーツを刷新

    アストンマーティンF1は、2027年型マシンの開発を本格化させている。最高技術責任者(CTO)のエンリコ・カルディレは、来季マシンについて「すべてのパーツが新しくなる」と明言し、2026年型AMR26から何かを引き継ぐことを前提としない「完全に新しいマシン」になると説明した。

    ただし、すべてを白紙に戻すわけではない。2026年シーズン途中に大幅な改良を受けたAMR26で見いだした開発の方向性は正しいと判断しており、そのコンセプトを進化させながら、さらに大きなステップを目指す。

    2026年から得られる情報を2027年型へ
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤に苦戦したものの、ハンガリーGPで大規模なアップデートを投入。カルディレによれば、チーム史上最大規模となる改良によってシャシーのパフォーマンスを大きく引き上げた。

    ザントフォールトでは、そのパッケージがハンガロリンクとは異なる特性のコースでも機能することを確認。CFD、風洞、実際のコースという3つの領域で相関関係が取れていることも、今後の開発にとって重要な成果になった。

    そして現在、チームの視線はすでに2027年へ向けられている。

    「今の我々の仕事は、2026年からできる限り多くの情報を引き出すことだ。そのすべてが2027年のプロジェクトを導くことになる」

    「これからはあらゆる領域で毎日がチャレンジになる。より多くのダウンフォースを見つけ、重量を削減し、エンジニアリンググループが風洞を使える時間を増やし、コンセプトを再検討し、コンポーネントを磨き上げていく」

    カルディレは、シーズン終了時には2026年の結果そのものより、そこから何を学び、それが2027年型マシンにどう反映されているかが最大のテーマになっているはずだと語る。

    「年末までには、我々の会話のほとんどが、何を学び、それが2027年型マシンをどのように形作っているのかという話になっていると思う」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「すべてのパーツが新しくなる」
    では、2027年型マシンは現在のAMR26からどの程度変わるのか。

    カルディレの答えは明確だった。

    「すべてのパーツが新しくなる。すべてが改善される」

    一方、基本的な開発思想については、現在のマシンで見いだした方向性を発展させる。

    「ただ、コンセプトとしては今年のマシンで採った方向性を進化させたものになる」

    「我々は今、正しい道を進んでいる。ただし、その道に縛られているわけではない」

    アストンマーティンは2026年型マシンの大規模アップデートによって、単純なダウンフォース量だけでなく、マシンの挙動そのものを改善した。

    カルディレは、アップデート後のAMR26について「生のパフォーマンス」と「ドライバビリティ」の両方で大きな前進を果たしたと評価。セットアップ変更に対してマシンがより一貫して反応するようになり、ドライバーが自分の好みに合わせて調整できるようになったことを重要視している。

    こうした特性が2027年型マシンの出発点になる。

    AMR26からの流用を前提とせず
    ただし、現在の方向性を進化させることと、AMR26の設計をそのまま受け継ぐことは別だ。

    カルディレは、2027年プロジェクトでは既存マシンから何かを流用しなければならないという制約を設けていないと強調した。

    「こう言えばいいだろう。2027年のプロジェクトに取り組むにあたって、以前のマシンから何かを引き継ごうという点で、我々は自分たちに何の制約も設けていない」

    「そういう意味では、完全に新しいマシンになる。それによって、我々が望むものを実現するための自由と考え方を手にすることができる」

    つまり、AMR26で確認した開発方向を土台としながらも、既存部品やレイアウトを残すこと自体を目的にはしない。必要であれば、あらゆる領域を変更できる自由度を確保して2027年型を設計するということだ。

    2026年型AMR26については、予定されていた空力開発がすでに終了し、今後は軽量化プログラムを進めながらシーズンを戦う。一方、ファクトリーでは2027年型マシンの開発が中心になりつつある。

    大幅改良によってAMR26でようやく見つけた「正しい道」を維持しながら、それに縛られることなく全パーツを刷新する。アストンマーティンにとって2026年シーズン後半は、目の前の結果を追うだけでなく、2027年に向けた実戦での検証期間という意味合いを強めていく。