カテゴリー: F1イタリアGP

  • 角田裕毅 2027年F1復帰へ他チームから接触「電話はあった」

    角田裕毅 2027年F1復帰へ他チームから接触「電話はあった」

    角田裕毅は、2027年のF1レギュラーシート獲得に向けて他チームから接触があったことを明かした。F1オランダGPでレーシングブルズから復帰し、急きょ実戦に臨みながらも印象的なパフォーマンスを見せたことで、その将来を巡る動きにも変化が生まれ始めているようだ。

    F1イタリアGPを前に行われたインタビューで、角田裕毅は当初「まだ他チームから電話はない」と冗談交じりに答えていたが、その後、実際には「電話があった」と告白。

    具体的な相手については明かさなかったものの、2027年にF1グリッドへ戻ることが最優先の目標だと改めて強調した。

    「電話はあった」2027年に向けて動き
    インタビュアーから「ザントフォールトの後、来年に向けて他チームから電話はあった?」と尋ねられた角田裕毅は、最初は笑いながらこう答えた。

    「いいえ、まだないです。なのでフリーです(笑)。でも、そういう電話が来たらうれしいですね。ぜひ聞きたいですけど、まだないです」

    しかし、ザントフォールトで慣れていないマシンに乗りながら印象的なパフォーマンスを見せたことを踏まえ、2027年の目標について改めて質問されると、角田裕毅は先ほどとは違う答えを口にした。

    「実は、そうですね。ちょっと電話はありました」

    インタビュアーが「電話はあったんだね」と確認すると、角田裕毅は交渉がまだ具体的な決定に至っているわけではないと説明した。

    「はい。でも、まだ何かが決まったわけではないです。ただ、少なくともいい方向には進んでいると思います」

    「もちろん僕の第一目標はF1にいることです。なので、どうなるか見てみたいですね」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) イタリアグランプリ

    モンツァも「自分を証明する」重要な一戦
    角田裕毅は、今季中にさらにF1へ出場する可能性についても含みを持たせた。アイザック・ハジャーの欠場に伴い、ザントフォールトに続いてモンツァでもレーシングブルズをドライブする角田裕毅にとって、今回のイタリアGPは2027年に向けた重要なアピールの場となる。

    「あと数レースあるかもしれないですし、もしかしたら1レースだけかもしれません。そこは分からないです」

    「でも、このモンツァも自分を証明するためのいいレースだと思っています。ベストを尽くしますし、それが来年F1に戻るための将来につながってくれればと思っています」

    電話の相手は明かさず「父です(笑)」
    当然ながら、インタビュアーは角田裕毅が明かした「電話」の詳細を追及した。

    「どんな電話だった?」と聞かれると、角田裕毅は「普通のものですよ。お互いを知ったり、状況がどうなっているのかを確認したり、そういう感じです」と説明した。

    さらに「誰から?」と聞かれると、角田裕毅は一瞬の間を置いてこう答えた。

    「父です(笑)」

    その場には笑いが起こり、インタビュアーも「それはうまいね。誰かは教えてくれないということだね」と返した。

    角田裕毅は接触したチーム名を伏せたものの、「状況を確認する」ための話し合いが行われたことは認めている。ザントフォールトで突然のF1復帰を果たし、続くモンツァでも実戦機会を得たことは、2027年のシート争いにおいて大きな意味を持つ。

    現時点で何も決まってはいない。それでも角田裕毅自身が「いい方向に進んでいる」と語ったように、F1復帰を目指す動きは水面下で始まっている。イタリアGPは、その可能性をさらに広げるための重要な一戦となる。

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1の勝利を確信「必要なものは揃っている」

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1の勝利を確信「必要なものは揃っている」

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1イタリアGPを前に、フェラーリがモンツァへ投入するパワーユニットのアップデートに期待を示し、「僕たちには勝つために必要なものがあると強く信じている」と語った。

    昨年はフェラーリ加入初年度としてモンツァを迎えたハミルトンだが、今年はチームの開発方針がより明確になったと実感している。

    新たなエンジンアップデートだけでライバルとの差がすべて埋まるわけではないと認めながらも、マラネロで進む取り組みに確かな手応えを感じている。

    フェラーリドライバーとして迎える特別なモンツァ
    ハミルトンは木曜日、最近手に入れたクラシックなフェラーリF40を自ら運転してモンツァのパドックに登場。黒のスーツにブラウン系のオーバーコートを合わせ、多くのカメラマンの注目を集めた。

    その後に出席したF1の記者会見では、フェラーリのドライバーとしてイタリアGPを戦うことへの思いを語った。

    「フェラーリのドライバーでいることは最高の気分だよ。この象徴的なレースに、世界で最も象徴的で最高のチームとともにイタリアへ来られることは、本当に名誉であり特別なことだ」

    「2年連続でこれを経験できるのは本当に素晴らしいし、今でも新鮮に感じている。だから、慣れてしまうようなものではないよ」

    モンツァ投入の新エンジン「少しの改善でも助けになる」
    フェラーリは今週末のF1イタリアGPで、パワーユニットに新たなアップデートを投入する予定だ。高速区間の比率が高く、エンジン性能が重要になるモンツァだけに、その効果には大きな注目が集まる。

    アップデートによって優勝争いに加われるかと問われたハミルトンは、まず今季これまで抱えてきた性能差を説明した。

    「少しでも改善されれば助けになる。どんな小さなものでもね」

    「今年はここまでずっと失ってきた。前回のレースでさえ、あれだけ短いサーキットなのに、決勝では1周につきコンマ4秒を失っていた。それはものすごく大きな差だし、今年はここまでずっとその差を抱えてきた」

    一方で、ハミルトンが強調したのは、マラネロで開発を続けるスタッフたちの姿勢だった。

    「僕が言えるのは、ファクトリーへ戻って、みんながどれだけ懸命に働いているかを見ると、本当に誇らしく思うということだ。みんな黙々と仕事に取り組んでいるし、すごく熱意がある」

    昨年との最大の違い「今はノーススターがある」
    ハミルトンによれば、2026年のフェラーリには昨年には感じられなかった明確な開発目標が存在する。

    「今年は昨年とは違う集中力を感じている。昨年は本当の意味での『ノーススター』がなかったように感じていた。僕たちはできる限りのことをしていたと思うけど、正確にどこを目指しているのかが、はっきりしていなかった」

    ここでハミルトンが使った「ノーススター」は、チーム全体が共有する明確な目標や進むべき方向を意味する。

    「今はノーススターがある。どこに向かって取り組む必要があるのか分かっているし、ファクトリーのみんなは本当に素晴らしい仕事をして、一丸となって成果を届けてくれたと思う」

    今回のエンジンアップデートについても、ハミルトンは現状を一変させるものではなく、継続的な改善の一部として捉えている。

    「これは一歩前進だ。僕たちが埋めなければならない差のすべてではないけど、それは最初から分かっていた」

    「でも、毎週末少しずつ新しいものが投入されて、マシンに加わっていくのを見るのはワクワクする。僕たちがプッシュしていることが分かるからね。僕は今でも、僕たちには勝つために必要なものがあると強く信じている」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    フェラーリでモンツァ初勝利なら歴史的な6勝目
    ハミルトンにとって今週末は、自身のF1キャリアに新たな記録を加える可能性もある。

    ハミルトンはこれまでモンツァで5勝を挙げており、ミハエル・シューマッハと並んでいる。フェラーリのドライバーとしてイタリアGPを制すれば、モンツァ通算6勝目となり、シューマッハを上回ることになる。

    難しいフェラーリ加入初年度を経て迎えた2度目のホームグランプリだけに、ハミルトン自身も「初めてのことが待っているかもしれない」と意識している。

    ただし、勝利への自信について改めて問われると、それは単純にエンジンアップデートだけを根拠にした発言ではないと説明した。

    「僕が言いたかったのは、このチームには勝つために必要なものがあると強く信じているということだ」

    「このレベルでは上位の差は本当に小さい。僕たちが今週末に勝つためにも、どの週末に勝つためにも、チーム全体がひとつにならなければならない」

    「ひとつの要素だけじゃない。最初からすべてがうまく流れていかなければならないんだ」

    ティフォシの期待と母親の応援を力に
    フェラーリにとってモンツァは単なる1戦ではない。チームの母国であり、ティフォシから結果を求められる特別なグランプリだ。

    ハミルトンも、その期待が大きなプレッシャーになることを認めている。

    「プレッシャーは大きい。チームのために結果を出したいと思う。ファクトリーにはたくさんの人たちがいて、その多くがこのレースにも来る」

    「ティフォシも本当に大勢来てくれるし、その情熱は他とは比べものにならない。彼らのためにも結果を届けたい」

    さらに今週末は、ハミルトンの母親もモンツァを訪れているという。

    「今週末は母も来ている。モンツァに来たことはなかったと思うし、特にフェラーリの週末を経験したことはない。だから、この雰囲気を体験してほしかったんだ。それに、母が持っている幸運を少しでも持ってきてもらえたらと思っているよ」

    2026年のフェラーリは、ハミルトンが語る「ノーススター」のもとで開発の方向性を明確にし、段階的な改善を続けている。モンツァで投入されるエンジンアップデートもその一環であり、単独で大きな性能差を消し去るものではない。

    それでもハミルトンは、ファクトリーの取り組みとチーム全体の進歩を根拠に勝利の可能性を信じている。フェラーリのホームで自身通算6度目のモンツァ制覇を達成できれば、ティフォシにとってもハミルトンにとっても特別なF1イタリアGPとなる。

  • リアム・ローソン 2台並行のF1イタリアGP準備「水曜まで決まらなかった」

    リアム・ローソン 2台並行のF1イタリアGP準備「水曜まで決まらなかった」

    リアム・ローソンは、2026年F1イタリアGPで2戦連続となるレッドブル・レーシングからの出場が決まるまで、レッドブルとレーシングブルズという「まったく異なる」2台を想定して準備を続けていたことを明かした。

    左手首の負傷から回復途上にあるアイザック・ハジャーの欠場が正式に決まったのは水曜日。ローソンにとっては直前の決定となったが、シミュレーターでRB22を走らせる時間を確保し、モンツァに向けた準備を整えたという。

    水曜日に決定「かなり遅く感じた」
    ローソンは、ハジャーに代わって再びレッドブルをドライブすると知った時期について「水曜日」と答えた。

    「この1週間は、どうなるのかをずっと待っているような状態だった。当然、アイザックにも回復するための最大限のチャンスを与えようとしていた」

    「心のどこかでは、まだ僕が乗る可能性があることは分かっていた」

    「でも、水曜日になってようやく決まったので、かなり遅く感じた。ただ、それでもシミュレーターのセッションをこなして、週末に向けた通常の準備をするだけの時間はあった」

    ハジャーの状態次第では、ローソンが通常通りレーシングブルズから出場する可能性も残されていた。そのため、決定が下されるまでは両チームを想定した準備が必要だった。

    レッドブルとレーシングブルズの2台を並行して準備
    ローソンは、ハジャーを担当するレッドブル側のエンジニアと、自身を担当するレーシングブルズ側のエンジニアの双方と作業しながら、どちらのマシンに乗ることになっても対応できるよう準備を進めていた。

    「両方と作業していた。どちらになっても準備できているようにするためだ。当然、両チーム、両方のマシンを理解しておく必要があった」

    「2台はドライビングの感覚がかなり違うので、行ったり来たりするのは簡単ではない。シミュレーターの中だけでもそうだ。それが一番大きなチャレンジだった」

    「でも、水曜日にようやく答えが出て、これからは基本的にこのマシンだけに集中できる。それはよかった」

    レッドブルとレーシングブルズは同じパワーユニットを使用しているものの、ローソンによれば、ドライバーが感じるマシンの特性はほぼ全面的に異なるという。

    「すべてが違う」RB22で際立つ高速グリップ
    レッドブルとレーシングブルズのマシンは具体的にどこが違うのか。そう問われたローソンは、「すべて」と端的に答えた。

    「もちろんパワーユニット以外は、ドライビングという点ではかなり違う。特にレッドブルで一番印象的なのは高速コーナーでのグリップだと思う。僕が普段乗っているマシンから乗り換えると、そこが特に印象的だ」

    「でも、マシンの走らせ方もバランスも本当に大きく違う。あまり詳しく言うことはできないけど、ドライビングするうえではまったく違うマシンだ」

    「ステアリングを通じて得られるフィードバックも、マシンの感触も、動き方も、すべてがかなり違う」

    同じパワーユニットを搭載していても、ローソンが「すべて」と表現するほど両車のフィーリングには大きな隔たりがある。なかでも、普段レーシングブルズをドライブするローソンが真っ先に挙げたRB22の高速グリップは、モンツァでも重要な要素となる。

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング) イタリアグランプリ

    ザントフォールトで得たRB22の経験
    一方、今回のローソンには前戦より有利な材料もある。F1オランダGPですでにRB22を実戦で経験していることだ。

    ハジャーの負傷を受けて急きょレッドブルに招集されたローソンは、ザントフォールトで同チーム加入後初となるQ3進出を果たし、決勝では7位でフィニッシュ。6ポイントを獲得した。

    しかもオランダGPはスプリントフォーマットだったため、通常よりフリー走行が少なく、RB22への適応に使える時間は限られていた。

    対してモンツァは通常フォーマットで行われ、金曜日のFP1とFP2、土曜日のFP3と3回のフリー走行が用意される。ローソンは、前戦よりも落ち着いてマシンへの理解を深められると考えている。

    「とにかく、この機会を最大限に生かしたい。今回も僕にとっては興味深い立場だ」

    「ザントフォールトはスプリント週末だったので、かなりストレスを感じる場面もあった。でも、全体としてはいい週末だった」

    「少なくとも今回は、その経験がある。だから適応するのは少し楽になるはずだ。それに、ここでは3回のフリー走行がある。ずっと通常に近い週末だ」

    「だから、またいいチャンスだと思っている」

    ローソンがレッドブル 角田裕毅はレーシングブルズ
    ローソンが引き続きレッドブルでマックス・フェルスタッペンと組むことになったため、レーシングブルズでは角田裕毅が2戦連続で代役を務める。

    角田裕毅はアービッド・リンドブラッドとコンビを組み、モンツァでVCARB-03をドライブする。

    前戦では急な招集にもかかわらずRB22でQ3進出と7位入賞を果たしたローソン。今回は出場決定までレッドブルとレーシングブルズという特性の大きく異なる2台への準備を並行して進める難しさがあったが、水曜日以降はRB22に集中できる状況となった。3回のフリー走行を使えるモンツァで、ザントフォールト以上にマシンへの理解を深められるかがポイントとなる。

  • ホンダF1 新PUで想定以上の燃焼変化「HRC Sakuraで制御対策」

    ホンダF1 新PUで想定以上の燃焼変化「HRC Sakuraで制御対策」

    ホンダ・レーシング(HRC)は、F1オランダGPで投入した新スペックのパワーユニット(PU)について、狙い通りの性能向上を確認する一方、予想以上に大きな燃焼特性の変化によってドライバビリティに課題が生じたことを明らかにした。

    HRCはザントフォールトで得た走行データとドライバーからのフィードバックを栃木県さくら市の開発拠点に持ち帰り、制御面の改善作業を実施。

    パワーへの要求が非常に高いモンツァで行われる2026年F1イタリアGPでは、その対策が狙い通り機能するかを確認することが最大の焦点となる。

    新スペックで性能向上もドライバビリティに課題
    アストンマーティンは前戦オランダGPでホンダの新しいPUスペックを投入した。フェルナンド・アロンソは決勝で9位に入り、ポイント獲得を果たしている。

    HRCの折原伸太郎はイタリアGPを前に、Motorsport Weekを含むメディアに対し、新スペックではダイナモで確認していた性能向上を実際のコース上でも確認できたと説明した。

    「オランダでエンジンに新しいスペックを投入しました。性能面で一歩前進したことを確認しています。ダイナモで確認していた通りの結果だったので、そこはポジティブな点でした」

    一方で、新スペックへの変更によってPUの特性も変化し、ドライバビリティについて新たに改善すべき部分が明らかになった。

    「その一方で、ドライバビリティについて改善できる部分が見つかりました。そのため、変換特性をアップデートして準備しています」

    ホンダ・レーシング

    予想以上だった燃焼特性の変化
    ホンダは2026年シーズン開幕戦でもドライバビリティの問題に直面しており、その後、パワーデリバリーを滑らかにするための専用の制御ツールを開発してきた。

    しかし、今回の新スペックでは燃焼特性の変化が想定以上に大きく、それまでに用意していた制御では十分に対応できなかったという。

    「燃焼の違いが我々の予想よりもはるかに大きかったです。そのため、新しい燃焼に対してより適切に制御できるよう、制御用の新しいツールを調整する必要がありました」

    HRCはザントフォールトで収集したデータとドライバーからのフィードバックをさくらの開発拠点に持ち帰り、ダイナモを使って対策を進めた。

    「データの設定と新しいツールを準備し、新しい変換特性に適応させて、より良いドライバビリティを得られるようにしました。ただ、それでも満足できるドライバビリティには十分ではありませんでした。そこがオランダで見つかった明確な改善ポイントです」

    モンツァで対策効果を確認
    高速のモンツァは、2026年型PUにとってシーズンでも特に厳しいサーキットのひとつとなる。長い全開区間によって内燃エンジン(ICE)への要求が高く、電気エネルギーの展開を含めたPU全体の性能がラップタイムに大きく影響する。

    折原は、新スペックによる性能向上を確認しているものの、モンツァでは現実的な期待値を持つ必要があると語った。

    「ここモンツァでは内燃エンジンに対する要求がかなり大きいです。エンジンに新しいスペックを投入して性能向上を確認できたとしても、このコースでは現実的に考える必要があります。内燃エンジンにとって非常にチャレンジングなコースになると思います」

    そのうえで、イタリアGPではザントフォールト後に準備したドライバビリティ改善策の確認を最優先する。

    「すべてのデータをダイナモに持ち帰り、ドライバーからのフィードバックもダイナモに反映しました。HRC Sakuraでは制御を改善し、より良いドライバビリティを得るためのテストを行っています。ですから、モンツァでの我々の主な焦点は、その対策を確認することです」

    信頼性を犠牲にした性能追求はせず
    「スピードの神殿」と呼ばれるモンツァでは最高速性能が重要になるが、ホンダはラップタイムを求めるために信頼性を犠牲にしてPUを限界以上まで攻める考えはない。

    折原は、現在の信頼性には満足しており、性能を最大化するためにリスクを取る必要はないと強調した。

    「我々は常に信頼性と性能の間で良いバランスポイントを見つける必要があります。信頼性テストの結果を見る限り、現時点では信頼性に満足していますし、性能面でも最大限を引き出すためにリスクを取る必要はありません」

    ホンダにとってモンツァは、新スペックで得た純粋な性能向上を生かしながら、ザントフォールトで表面化したドライバビリティの問題をどこまで解消できたかを見極める重要な週末となる。

  • フェルナンド・アロンソ F1イタリアGPで特別ヘルメット 恩師カンポスに敬意

    フェルナンド・アロンソ F1イタリアGPで特別ヘルメット 恩師カンポスに敬意

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1イタリアGPで自身のキャリアを支えた故エイドリアン・カンポスに敬意を表する特別仕様のヘルメットを着用する。普段のブルーとイエローを基調としたデザインから一変し、レッドとイエローが主役となる。

    アロンソにとってエイドリアン・カンポスは、単なる元F1ドライバーやチームオーナーではない。若き日の才能を見いだし、シングルシーターの世界へと導いた最初のマネージャーであり、その後のF1キャリアにつながる道筋を作った重要な存在だった。

    モンツァで蘇るエイドリアン・カンポスのヘルメット
    今回のヘルメットは、カンポスが現役時代に使用していたデザインへのオマージュとなっている。レッドとイエローを中心に、後部にはホワイトを配色。アロンソが現在契約するスポンサーのロゴを組み合わせながら、カンポスの特徴的なカラーリングを再現した。

    アストンマーティンF1チームは、この特別なヘルメットについて次のように説明した。

    「エイドリアンはフェルナンドの才能を最初に見いだした人物で、彼の最初のマネージャーとなり、シングルシーターの世界へ進む手助けをした」

    「そして今、彼を象徴するヘルメットがモンツァのコースに戻ってくる。彼の家族もこの瞬間を一緒に分かち合う」

    アロンソ自身も、カンポスへの思いを明かしている。

    「エイドリアンとカンポス家のみんなに捧げる、とても特別なヘルメットだ。エイドリアンは僕をカートのレースで見て、シングルシーターに乗るべきだと言ってくれた」

    「僕を信じて最初のチャンスを与えてくれて、数年後にはF1まで連れてきてくれた。僕のため、そして僕たちのモータースポーツのために彼がしてくれたすべてのことに、これからもずっと感謝している。カンポス・レーシングへと受け継がれている、比類のないレガシーだ」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム) イタリアグランプリ

    アロンソの才能を見いだした最初のマネージャー
    エイドリアン・カンポス自身は1987年と1988年にミナルディからF1に参戦。その後はチーム運営と若手育成に活動の軸を移し、多くのドライバーのキャリアを支えた。

    その代表的な存在がアロンソだった。カンポスはカート時代のアロンソの才能に目を留め、シングルシーターへの転向を後押し。1999年には自身のチームからユーロ・オープン・バイ・ニッサンに参戦させ、アロンソはタイトルを獲得した。その後、ミナルディでのテストなどを経てF1への道を切り開いていった。

    カンポスが築いたチームは現在もカンポス・レーシングとして活動し、若手ドライバーの育成を続けている。アレックス・パロウらもその道を歩み、スペインのモータースポーツ界に大きな足跡を残してきた。

    カンポスは2021年1月に死去したが、その功績と若手育成への情熱は現在のチームにも受け継がれている。

    アロンソ自身もミナルディからF1デビュー
    カンポスとアロンソには、F1でのキャリアにも興味深いつながりがある。カンポスが1987年にF1デビューを果たしたミナルディは、アロンソが2001年にF1デビューしたチームでもある。

    さらにモンツァは、アロンソがF1に到達する以前から走ってきたサーキットでもある。1999年のユーロ・オープン・バイ・ニッサン時代にも、カンポスのチームのドライバーとしてこの地を訪れていた。

    普段は故郷アストゥリアスを象徴するブルーとイエローをヘルメットに取り入れているアロンソだが、2026年F1イタリアGPではレッド、イエロー、ホワイトを基調としたカンポスのカラーリングで走る。

    自身のF1キャリアの原点を作った人物への感謝を込め、アロンソはモンツァでエイドリアン・カンポスの象徴的なヘルメットを再びサーキットに蘇らせる。

  • キミ・アントネッリ フェラーリF1移籍説を一蹴「メルセデスでとても幸せ」

    キミ・アントネッリ フェラーリF1移籍説を一蹴「メルセデスでとても幸せ」

    アンドレア・キミ・アントネッリは、2026年F1イタリアGPを前に将来的なフェラーリ移籍をめぐる憶測について言及し、現在所属するメルセデスで「とても幸せ」だと強調した。

    母国モンツァにドライバーズ選手権首位として乗り込んだ20歳のアントネッリは、チームメイトのジョージ・ラッセルに59ポイント差をつけている。一方、パワーユニットの年間使用上限を超えたことで、決勝では最後尾からスタートすることが決まっている。

    それでも、イタリア人ドライバーがF1世界選手権をリードして母国GPを迎えるという状況は、ティフォシにとって大きな注目材料だ。アントネッリがフェラーリではなくメルセデスをドライブしているとはいえ、2026年の躍進とともに、将来的にマラネロへ移籍する可能性をめぐる話題も増えている。

    「フェラーリは巨大で素晴らしいブランド。でも僕はメルセデスで幸せ」
    イタリア人である以上、キャリアを通じてフェラーリと結びつけられることは避けられないと受け入れているかと質問されたアントネッリは、「もちろん」と答えた。

    「僕自身がイタリア人だから、僕たちがどれだけ感情的で、物事にどれだけ熱くなるかは分かっている。時には熱くなりすぎることもある」

    「だから、もちろん、こういう話はこれからもずっと出てくると思う」

    「でも結局のところ、フェラーリが巨大で素晴らしいブランドであるのと同じくらい、僕は今いる場所でとても幸せだ。メルセデスでとても幸せだよ。僕が子どものころからチャンスを与えてくれたのは彼らだからね。僕には彼らに恩返しできることがまだたくさんあると感じている」

    メルセデスの育成プログラムでキャリアを築き、F1への道を切り開いてきたアントネッリにとって、現在の成功は長年支えてきたチームとの関係の延長線上にある。フェラーリへの敬意を示しながらも、現時点で移籍を考えていないことを明確にした形だ。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) イタリアグランプリ

    最後尾スタートが母国GPのプレッシャーを軽減
    アントネッリは日曜日の決勝で、新たなパワーユニットを搭載したW17により最後尾からスタートする。

    母国ファンの前でポールポジションや優勝を争いたかったという思いはあるものの、アントネッリはグリッド降格によって週末にかかるプレッシャーが多少軽くなるという意外な側面も認めた。

    「ある意味では、プレッシャーを和らげる助けになると思う」

    「もちろん、本当ならポールポジションを争って前方からスタートしたい。でも、ある意味では、この週末に入るにあたって少しリラックスできるような気がしている」

    「だからこそ、ドライビングそのものや週末をもっと楽しめると思う」

    さらに、最後尾スタートが決まっていることで、メルセデスにはフリー走行で通常とは異なるセットアップや作業方法を試す余地も生まれる。

    「もちろん、これは違ったチャンスでもある。週末を通して違うことを試したり、特にフリー走行では普段とは違う作業方法を試したりする機会になる。今回はそれができるからね」

    選手権首位として初めて母国F1イタリアGPを迎えるアントネッリ。フェラーリ移籍を期待する声が今後も消えることはなさそうだが、本人の視線はメルセデスでのタイトル争いと、最後尾から挑むモンツァでの戦いに向けられている。

  • 2026年F1イタリアGPでオーバーテイク記録更新か「MotoGPのようになる」

    2026年F1イタリアGPでオーバーテイク記録更新か「MotoGPのようになる」

    2026年F1第13戦イタリアGPでは、モンツァならではの高速レイアウトと2026年型パワーユニットのエネルギー制約が重なり、例年以上に激しいオーバーテイク合戦が繰り広げられる可能性がある。

    アストンマーティンのトラックサイドエンジニアリング責任者を務めるマイク・クラックは、エネルギーマネジメントとスリップストリームが大きな役割を果たすことで、抜いては抜き返す展開が増え、「史上最多」のオーバーテイクを記録する可能性があると予想。「F1というよりMotoGPのようになる」と表現した。

    モンツァで深刻になる2026年F1のエネルギー問題
    超高速サーキットとして知られるモンツァは、2026年F1カレンダーのなかでも特にエネルギー面で厳しいサーキットになるとみられている。

    2026年型F1マシンでは電動パワーの重要性が大幅に高まっており、長い全開区間が続くモンツァでは、ラップ全体にわたって十分な電気エネルギーを供給し続けることが難しくなる。

    そのため、ドライバーは単純にアクセルを踏み続ければいいわけではなく、どこでエネルギーを使い、どこで温存するかを考えながら走る必要がある。

    このエネルギー管理によって、2026年シーズン序盤の高速サーキットで見られた、前後のマシンの位置関係が頻繁に入れ替わる、いわゆる「ヨーヨー」のようなレース展開がモンツァでより顕著になる可能性がある。

    スリップストリームが予選でも重要に
    クラックは、エネルギー不足を補う手段としてスリップストリームの重要性が高まると考えている。

    木曜日にモンツァで、今年はトウ(スリップストリーム)が重要になるかと質問されたクラックは「そう思う」と答えた。

    「ここでは予選ラップでも基本的にエネルギーが不足する。その影響によって、みんながトウを探すことになると思う」

    「2019年のような状況にならないことを願っている。少なくともQ1ではそうならないと思うが、その先で何が起こるかは分からない」

    2019年のイタリアGP予選では、各ドライバーがスリップストリームを得ようとしてコース上で位置取りを争った結果、Q3終盤に大半のマシンが時間内に最後のアタックを開始できない異例の事態が発生した。

    クラックは、今年も前を走ることを避けようとする動きが強まる可能性があるとみている。

    「おそらく誰も先頭を走りたくないだろう。近年よりも、そういう場面は増えると思う」

    トウの有無でエネルギー戦略も変化
    問題をさらに複雑にするのが、単純にスリップストリームの効果を計算するだけでは十分ではないという点だ。

    チームは単独走行時と前車を追走している状況の両方について、エネルギーの展開方法を最適化する必要がある。

    「モデルを検証するという意味でも間違いなく興味深い作業になる。しかし、運用面でどう管理するかを見ることも重要だ」

    「効果が大きい、小さいと言うだけなら簡単だが、実際には誰かの後ろを走れる位置にいなければならない」

    「今週末はエネルギー面でかなり多くの制約がある。各チームがどう対処するのかを見るのは興味深い」

    クラックによれば、まずチームはトウを使わない状態でのエネルギーデプロイメントを決め、そのうえでスリップストリームに入った場合の設定や運用を考える必要がある。

    イタリアグランプリ MotoGP

    決勝は「抜いて抜き返す」展開か
    こうした特徴は予選だけでなく、決勝のオーバーテイクにも大きな影響を与える可能性がある。

    前車のスリップストリームに入れば空気抵抗を減らすことができ、ストレートで必要となるエネルギーを抑えながら速度を伸ばせる。一方、先頭に出たマシンは自ら空気抵抗を受けるため、エネルギー面で不利になる可能性がある。

    その結果、一度オーバーテイクを成功させても、次のストレートでは今度は抜かれた側がトウを利用して反撃するという展開が生まれやすくなる。

    クラックは決勝について次のように予想した。

    「レースではどれだけ簡単にオーバーテイクできるのか。そして特に、抜いたり抜き返したりする展開は、おそらくここで史上最多になると思う。F1というよりMotoGPのようになるだろう」

    MotoGPではスリップストリームを利用した順位変動が頻繁に発生し、同じライダー同士が何度もポジションを入れ替える展開も珍しくない。クラックは、2026年のモンツァではF1でもそれに近い状況が生まれると考えている。

    高速モンツァで再び問われる2026年F1の特性
    直近のハンガリーGPとオランダGPでは、サーキット特性からエネルギーマネジメントの影響は比較的小さかった。

    一方、全開区間の長いベルギーGPでは、エネルギー管理によってマシンの挙動やレースの戦い方が大きく左右され、一部のドライバーから批判も出ていた。

    そしてモンツァは、その問題がさらに明確に表れる可能性のある舞台だ。

    長いストレートで電気エネルギーをどう配分するのか。単独走行とスリップストリーム走行で戦略をどう変えるのか。そして先頭に立つことが本当に有利なのか。2026年F1イタリアGPでは、従来のモンツァ以上にエネルギーマネジメントと位置取りが勝負を左右することになりそうだ。

    クラックの予想通りなら、今年のモンツァでは単純に「抜けるレース」になるだけではない。オーバーテイクした直後に立場が逆転し、再び抜き返される――そんなMotoGPを思わせる激しいポジション争いが、2026年F1の新たな特徴として浮き彫りになる可能性がある。

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGPで深刻な体調不良「週末全体が酷かった」

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGPで深刻な体調不良「週末全体が酷かった」

    マックス・フェルスタッペンは、F1オランダGPで深刻な体調不良に苦しんでいたことを明かした。インフルエンザのような症状はレース後も数日間続いたが、1週間の休養を経て、今週末のイタリアGPを前に完全に回復したという。

    一方、体調面の不安が解消されたフェルスタッペンは、モンツァでのレッドブル・レーシングの競争力について厳しい見通しを示している。

    長いストレートを持つモンツァでは2026年型F1マシンのエネルギー管理が大きな課題となり、「奇跡は期待していない」と語った。

    オランダGPでは「かなり体調が悪かった」
    母国ザントフォールトで行われたオランダGPで、フェルスタッペンは週末を通して万全の状態ではなかった。

    決勝ではオープニングラップに大クラッシュを喫してリタイアしたが、事故による身体へのダメージよりも、週末を通して続いた体調不良の方がつらかったという。

    「かなり体調が悪かった。でも完全に治ってみると、普通に元気でいられることがどれだけ素晴らしいか、あらためて実感するよ」

    「ザントフォールトでは週末全体がひどかったし、終わってからも数日間はまだ調子が良くなかった」

    「だから、回復するための1週間があって、また元気になれたのは本当に良かった。あれほど体調が悪くなったのは本当に久しぶりだったからね」

    クラッシュの衝撃については、大きな問題はなかった。

    「衝撃という意味では大丈夫だった。SAFERバリアだったからね。あれに当たったのは初めてだったけど、実際にかなりうまく機能してくれた」

    オランダGP後もしばらく症状が残っていたフェルスタッペンだが、イタリアGPを迎える現在は回復しており、体調面での懸念はなくなっている。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) イタリアグランプリ

    モンツァでは一転してマシンのエネルギー問題を警戒
    体調面では万全に戻った一方、フェルスタッペンはイタリアGPについて楽観視していない。

    最大の理由は、長いストレートが特徴のモンツァで求められるエネルギー管理だ。2026年のF1では電気エネルギーへの依存度が高まっており、モンツァのようなエネルギー効率の厳しいコースでは、その使い方がラップタイムやレースでの攻防に大きく影響する。

    「かなり厳しくなると思う。このサーキットはエネルギー効率がすごく悪い。でも、あまりネガティブなことばかり言いたくはない。こういうものだからね。もう精神的には受け入れている」

    「少し違った週末になることを想定して準備してきた。ずっと全開でプッシュできるわけではないし、アクセルペダルを優しく扱わなければならない。そういう言い方になるかな」

    フェルスタッペンは2023年の段階から、2026年レギュレーションではモンツァのようなサーキットでエネルギー管理が問題になる可能性を指摘していた。

    その後、FIAとF1は状況を改善するための変更を進めてきたものの、フェルスタッペンは根本的な問題が解決したわけではないと考えている。

    「良くするために変更はいろいろ行われている。でも、良くなったからといって問題が解決したという意味ではない。解決にはまだ程遠い」

    「みんなできる限りのことをやっている。FIAもF1も、今の状況に対応しようとしている」

    特に決勝では、エネルギーをどこで使い、どこで温存するのかが重要になる。前車を追いかけたり、オーバーテイクを仕掛けたりする際にも制約が生じる可能性がある。

    「進入から走行中、立ち上がりまでどう管理するのか、みんなにとってかなり難しい経験になると思う。実際に誰かを抜くためにどこまでプッシュできるのか、僕にも分からない」

    レッドブルの競争力にも慎重「奇跡は期待していない」
    エネルギー管理の難しさに加え、フェルスタッペンは現在のレッドブルの競争力そのものについても現実的な姿勢を示している。

    「現時点でチームがどの位置にいて、どんなパフォーマンスなのかについて現実的になる必要がある。ただ、いい週末にできるように努力するだけだ」

    「ここではエネルギーの面ですでにかなり複雑になることは分かっている。まずそこを理解して、それから勢力図のどこにいるのかを見ることになる」

    「ここ数戦を見れば、現実的にならなければならない」

    特にレッドブルは、エネルギー効率が厳しいサーキットで十分な強さを発揮できていないとフェルスタッペンは認める。

    「エネルギー効率の悪いサーキットでは、僕たちはエネルギー面で特に良かったわけではない。だから、ここで奇跡が起きるとは期待していない。厳しくなるだろうね」

    さらに、ライバル勢がシーズン中のアップデートによって前進していることも懸念材料となっている。

    「周囲の他チームは今アップデートを持ち込んでいて、前進している。僕たちはその前からすでに遅れていたから、今になってそれが変わるとは思っていない」

    「ただ、マシンについてもっと学んでいく。来年に向けて変えたいことについても理解を深めていきたい」

    オランダGPでの体調不良からは完全に回復したフェルスタッペンだが、イタリアGPではモンツァ特有のエネルギー管理とレッドブルの現在の競争力という別の難題に直面する。本人も大幅な状況改善には慎重で、まずは2026年型マシンへの理解を深めながら、現実的な結果を目指す週末となりそうだ。

  • リンドブラッド レッドブルF1起用見送りに納得「ローソン継続の方が理にかなう」

    リンドブラッド レッドブルF1起用見送りに納得「ローソン継続の方が理にかなう」

    アービッド・リンドブラッドは、2026年F1イタリアGPでレッドブル・レーシングが自身ではなくリアム・ローソンを継続起用した判断について、「パフォーマンスを最大化することにはならない」として、ドライバーを入れ替えない決定に理解を示した。

    負傷したアイザック・ハジャーの欠場に伴い、レッドブルはオランダGPに続いてローソンをマックス・フェルスタッペンのチームメイトに起用。レーシングブルズでは角田裕毅がリンドブラッドとコンビを組む。

    リンドブラッドにもレッドブルをドライブする機会を与える案が考えられたが、本人は2戦で異なるドライバーを起用することは最適ではないとの考えを示している。

    リンドブラッド「2人を別々の週末に乗せても最適化できない」
    ハジャーの欠場が決まった際、レッドブルは2026年ルーキーのリンドブラッドではなく、F1で50戦近い経験を持つローソンを代役に選んだ。

    イタリアGPのメディアデーでは、Sky Sports F1のクレイグ・スレーターがリンドブラッドに対し、ローソンとリンドブラッドを1戦ずつレッドブルに乗せ、フェルスタッペンを基準に両者を比較するという考え方について質問した。

    スレーターは『Paddock Uncut』で、そのやり取りを次のように説明している。

    「レーシングブルズの2人について、アービッド・リンドブラッドに聞いた。2人をそれぞれ1回ずつレッドブルに乗せるという考えはなかったのか、とね。少しナイーブな質問だとは思った」

    「彼は『そうだね。別々の週末に2人の異なるドライバーをマシンに乗せても、パフォーマンスを最大化することにはならない。だから今回の方が理にかなっている』と答えた」

    オランダGPでローソンを起用した以上、モンツァでも同じドライバーを継続する方が、マシンへの習熟やエンジニアとの連携という点で合理的だというのがリンドブラッドの見方だ。

    一方でスレーターは、リンドブラッドにもレッドブルをドライブする資格があることを本人も意識しているようだったと付け加えた。

    「ただ、あのマシンで週末を走る権利という意味では、自分もリアム・ローソンとほぼ同じくらい強い立場にいるという指摘を、彼は評価していたと思う」

    アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    2027年のレーシングブルズを巡る競争
    今回ローソンがレッドブルに抜擢された一方、2027年のドライバー争いではローソン自身も安泰とは限らないとの見方がある。

    F2選手権をリードするニコラ・ツォロフが2027年のレーシングブルズ昇格候補として浮上しており、スレーターはローソンがシート争いで最も厳しい立場に置かれる可能性を指摘した。

    「ローソンは昇格したにもかかわらず、それでも我々は考えている。ドライバープログラムにはツォロフが控えているわけで、最も危険な立場にいるのは彼なのではないか、と」

    「それが公平には見えないかもしれない。でも、そういう状況なのかもしれない」

    ローソンにとって今回のレッドブルでの代役参戦は、単なるハジャーの穴埋めだけではない。2027年に向けて自身の評価を高める重要な機会にもなっている。

    ハジャーはマドリードGPも欠場の可能性
    ハジャーについては、次戦スペイン・マドリードGPで復帰できるかどうかもまだ確定していない。

    Sky Sports F1のナオミ・シフによれば、ハジャーはイタリアGPに出場できる可能性もあったものの、さらなる負傷のリスクを避けるため欠場という判断が下されたという。

    「彼らは今回には間に合うとほぼ確信していた。おそらく痛みを抱えながらでも走ることはできたと言っていたけど、もしさらにダメージを負えば、負傷が長引くことになる」

    「だから予防的な意味で、もう1戦休ませることにしたのだと思う」

    スレーターも、ハジャーがシミュレーターで作業を行い、医学的な検査も受けたことを明かしている。

    「彼はシミュレーター作業も行い、医学的な評価も受けた。結論としては、回復がモンツァまでに完了しなかったということだ。マドリードの前にもう一度評価される」

    さらにテッド・クラビッツは、マドリードの新コースがモンツァよりも手首への負担が大きくなる可能性を指摘した。

    「マドリードにはここよりはるかに多くのコーナーがあり、その中には負荷がずっと大きいものもある。彼が3戦を欠場する可能性もある」

    ハジャーの復帰時期が流動的ななか、レッドブルは少なくともイタリアGPではドライバーを再び入れ替えることなく、ローソンを継続起用する道を選んだ。

    リンドブラッド自身もその判断を合理的と受け止めている。レッドブル昇格の機会を逃した形ではあるものの、モンツァでは角田裕毅とともにレーシングブルズを走り、自身の評価を高める週末に臨む。

  • リアム・ローソン F1イタリアGPもレッドブル続投「RB22への理解は深まった」

    リアム・ローソン F1イタリアGPもレッドブル続投「RB22への理解は深まった」

    リアム・ローソンが、2026年F1第13戦イタリアGPでもレッドブル・レーシングのRB22をドライブすることが決まった。アイザック・ハジャーが左手首の負傷からの回復途上にあるため、ローソンは前戦オランダGPに続いてマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務める。

    オランダGPで急きょRB22に乗り込んだローソンは7位入賞を果たし、レッドブルでの初戦から6ポイントを獲得した。

    今回はすでに1週末をRB22で経験した状態でモンツァに入ることになり、ローソン自身もマシンへの理解を深めたうえで臨めることを大きなプラスと捉えている。

    ハジャー欠場でローソンが2戦連続レッドブルへ
    レッドブルは、サマーブレイク中のトレーニングで左手首を負傷したハジャーについて、イタリアGPまでにレースへ復帰できる状態には至らなかったと判断した。

    これにより、ザントフォールトで採用されたドライバー変更がモンツァでも継続される。ローソンがレーシングブルズからレッドブル・レーシングへ移り、フェルスタッペンとRB22をドライブ。リザーブドライバーの角田裕毅がレーシングブルズに入り、アービッド・リンドブラッドとVCARB-03を走らせる。

    ローソンにとって、レッドブルで2戦連続してレースに出場できることは大きい。オランダGPはスプリント形式だったため、通常のグランプリ週末よりもフリー走行の時間が限られ、RB22への適応に使える時間は十分ではなかった。

    それでもローソンは予選8番手につけ、決勝では黄旗区間で十分に減速しなかったとして10秒のタイムペナルティを科されたものの7位でフィニッシュした。

    フェルスタッペンがレース序盤のインシデントでリタイアしたため、結果的にローソンがレッドブル唯一のポイント獲得者となった。

    「もう1週末チームと過ごせるのは素晴らしい」
    ローソンは、まずハジャーの回復が順調に進んでいることを喜びながら、再びRB22をドライブできる機会を前向きに受け止めている。

    「アイザックが順調に回復していて、もうすぐマシンに戻れると聞けたのはよかった。でも、僕にとってもこのチームでもう1週末を過ごせるのは素晴らしいことだ」

    「ザントフォールトでは、このマシンについて最初のすごく有益な基準を得ることができた。スプリント週末を丸々ひとつ経験したことで、モンツァにはマシンについて、そして僕がマシンに何を求める必要があるのかを、より深く理解した状態で入ることができる」

    わずか1戦とはいえ、RB22の挙動やセットアップの方向性、自身が必要とするフィーリングについて実戦で確認できた経験は、2戦目に向けて重要な材料となる。

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング) イタリアグランプリ

    ザントフォールトとは正反対のモンツァが次の試金石
    一方、イタリアGPの舞台となるモンツァは、ザントフォールトとは大きく性格が異なる。

    長いストレートと強いブレーキングが特徴となるモンツァでは、低ダウンフォース仕様での空力効率やパワーユニット性能が重要になる。RB22への理解を深めたローソンにとっても、異なる特性のサーキットでマシンをどこまで引き出せるかが次の課題となる。

    「まったく違うサーキットだし、新しいチャレンジもある。でも、前回の週末にチームと築いたものをさらに積み重ねて、僕たちに何ができるのかを見るのを楽しみにしている」

    ザントフォールトでは限られた準備時間のなかで予選8番手、決勝7位という結果を残したローソン。2戦連続でRB22を任されたことで、モンツァでは単なる代役として適応する段階から、前戦で得た経験をパフォーマンスにつなげる段階へと移る。

    ハジャーの復帰までという期間限定の起用ではあるものの、異なるコース特性を持つ2戦でレッドブルのマシンを経験できることは、ローソンにとって自身の評価をさらに高める重要な機会となる。