カテゴリー: F1イタリアGP

  • F1イタリアGPに『カーズ』登場 マックィーン走行&特別セーフティカー

    F1イタリアGPに『カーズ』登場 マックィーン走行&特別セーフティカー

    F1は、ディズニーおよびメルセデスAMGと共同で、2026年F1イタリアGPが開催されるモンツァにディズニー&ピクサーの『カーズ』を登場させる。映画公開20周年を記念した特別企画として、ライトニング・マックィーンが名誉ラップを行うほか、FIA公式F1セーフティカーには『カーズ』をテーマとしたモンツァ限定の特別リバリーが施される。

    今回の企画は、F1とディズニーが進めるグローバルコラボレーションの一環だ。

    両者は提携を2028年まで延長し、ディズニー&ピクサーの『カーズ』を初めてグローバルプログラムに加えることを発表しており、その新たな展開の舞台としてF1を代表する伝統の一戦、イタリアGPが選ばれた。

    ライトニング・マックィーンがモンツァを走行
    2006年に劇場公開された『カーズ』は、2026年で20周年を迎える。その主人公であるライトニング・マックィーンが、F1とディズニーのコラボレーションをイメージした新たな姿でモンツァに登場する。

    作中で7度のピストン・カップ王者に輝いているライトニング・マックィーンは、イタリアGPのレースウイーク中に特別出演し、モンツァで名誉ラップを行う予定だ。F1、ディズニー、ピクサーの世界が実際のグランプリの舞台で交わる象徴的な企画となる。

    ライトニング・マックィーン

    F1セーフティカーも『カーズ』特別仕様に
    さらに、FIA公式F1セーフティカーを務めるメルセデスAMG GT 63 PRO 4MATIC+にも、『カーズ』をモチーフとした特別リバリーが施される。

    このデザインはイタリアGPのためだけに制作されたモンツァ限定仕様で、F1、ディズニー、ピクサーの世界観を融合させながら、『カーズ』20周年を祝うものとなる。

    メルセデスAMG GT 63 PRO 4MATIC+は、2026年F1ハンガリーGPで新たな公式セーフティカーとして導入された。FIA公式F1セーフティカーとして初めて完全可変式四輪駆動システムを採用したモデルであり、メルセデスのスリーポインテッドスターを掲げる14台目のF1公式セーフティカーでもある。

    通常はグランプリの安全を支える役割を担うマシンが、モンツァでは『カーズ』20周年を象徴する特別な姿でコースに登場することになる。

    セーフティカー カーズ特別リバリー

    『カーズ』×F1コレクションもイタリアGPで展開
    モンツァを訪れるファンに向けて、ディズニー&ピクサーの『カーズ』とF1によるコラボレーションコレクションもレースウイークを通して販売される。

    ラインナップにはアパレル、アクセサリー、コレクターズアイテムに加え、マテルによる『カーズ』とF1をテーマとしたダイキャストカーなどが含まれる。現地を訪れないファン向けにも、一部商品はF1公式オンラインストアやDisneyStore.comで販売される予定だ。

    F1とディズニーの提携を2028年まで拡大
    F1とディズニーはグローバルコラボレーションを2028年まで継続することを決めており、『カーズ』の参加によって提携の範囲をさらに広げている。

    モンツァでの企画は単なる映画20周年の記念イベントではなく、F1がレース以外のエンターテインメント分野を通じて新たなファンとの接点を広げる取り組みのひとつでもある。

    2006年の公開から20年を経てなお世界的な人気を持つライトニング・マックィーン。そのキャラクターが実際のF1イタリアGPに登場し、名誉ラップを披露するとともに、F1公式セーフティカーまで『カーズ』仕様となることで、2026年のモンツァはF1とディズニー&ピクサーのコラボレーションを象徴する週末となる。

  • F1イタリアGPに「ヒートハザード」宣言 モンツァで35度予報 冷却ベスト使用可能

    F1イタリアGPに「ヒートハザード」宣言 モンツァで35度予報 冷却ベスト使用可能

    FIAは、2026年F1第13戦イタリアGPを「ヒートハザード(Heat Hazard)」対象イベントに指定した。モンツァでは週末を通して厳しい暑さが予想されており、ドライバーの安全を守るため、冷却ベストを含む特別な暑熱対策が適用される。

    イタリアGPの週末は平年を大きく上回る気温となる見通しで、金曜日は最高34度、土曜日は35度、日曜日も34度まで上昇すると予想されている。

    FIAの規定では、イベント中に気温が31度を超えることが予想され、定められたヒートインデックスの条件を満たした場合、ヒートハザードを宣言することができる。

    FIAがイタリアGPを「ヒートハザード」に指定
    ヒートハザードは、極端な暑さによってドライバーの健康や安全が脅かされる可能性がある場合に適用される制度だ。

    今回のイタリアGPは、2025年のシンガポールGPとアメリカGP、2026年のオーストリアGPに続き、F1で4例目のヒートハザード指定となる。

    モンツァではグリッド上でファンやアイスベスト、日よけなどの暑熱対策が強化されるほか、マシンにはFIAが承認したドライバー冷却システムを搭載することが認められる。

    冷却ベストは着用を選択可能
    ヒートハザードが宣言されると、ドライバーは液体冷却式のベストを使用できる。耐火性のアンダーウェアにチューブを組み込み、冷却された液体を循環させることで、走行中の体温上昇を抑える仕組みだ。

    システムではグリコールなどの液体を使用し、ドライアイスを入れたタンクを通して冷却したうえでドライバーの身体周辺に循環させる。

    ただし、冷却ベストの着用自体は義務ではない。ドライバーは快適性などを理由に使用しないことも選択できる。

    一方、冷却システムを使用しないことで重量面のアドバンテージを得ることは認められない。そのため、ヒートハザードが適用された場合には冷却システム搭載を考慮してマシンの最低重量が5kg引き上げられ、システムを使用しないドライバーも相当するバラストを搭載しなければならない。

    イタリアグランプリ

    ラッセルは冷却システムを評価
    GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)のディレクターを務めるジョージ・ラッセルは、2025年シンガポールGPで冷却ベストを着用して優勝しており、このシステムを評価している。

    「全員がこのトップを快適だと感じるわけではないけど、人によっては他の人より快適に感じると思う。もちろん、時間が経てば自分の好みに合わせて調整できるようになるだろう」

    「でも、コンセプトはいい。湿度90%のなかでレースをして、コックピットが60度近くになると、マシンの中はちょっとしたサウナみたいになる。だから、僕たちはみんな歓迎していると思う」

    一方で、冷却ベストへの評価はドライバーによって異なる。マックス・フェルスタッペンはこれまで、ベストの着心地やシステムに問題があるとして否定的な見解を示している。

    また、冷却に使用するドライアイスが走行中になくなる可能性も課題のひとつだ。その場合、十分に冷却されなくなった液体がシステム内を循環し、ドライバーにとって逆に不快になる可能性がある。

    きっかけは2023年カタールGPの過酷なレース
    FIAがこうした暑熱対策を導入する大きなきっかけとなったのが、2023年F1カタールGPだった。

    極端な高温と高湿度のなかで行われた決勝では、複数のドライバーが深刻な体調不良に陥った。エステバン・オコンはヘルメット内で嘔吐しながら走行を続け、ローガン・サージェントは体調悪化によってリタイア。ランス・ストロールやアレクサンダー・アルボンもレース後に暑さによる体調不良の処置を受けた。

    複数のドライバーが高速走行中に意識を失いかけるほどだったことから、FIAは同様の事態を防ぐための暑熱対策を制度化した。

    2026年はスプリントと決勝を別々に指定可能
    2026年にはヒートハザード規定にも変更が加えられ、スプリントと決勝について、それぞれ個別に宣言できるようになった。

    FIAは規定について、「ヒートハザードの宣言は、スプリントと決勝で分けることができるようになった。ヒートハザードはスプリント、決勝、またはその両方について、競技開始24時間前までに宣言される」と説明している。

    これにより、週末途中で気象予報が変化した場合にも、実際のコンディションに応じて柔軟に暑熱対策を適用できる。

    最高35度という厳しい暑さが予想される2026年F1イタリアGPでは、純粋なマシン性能だけでなく、コックピット内の温度管理とドライバーの体調管理も重要な要素となる。特に高速コースのモンツァで長時間にわたって集中力を維持するため、各ドライバーが冷却システムを使用するかどうかも注目点となりそうだ。

  • ホンダF1 折原慎太郎「スペック2は失敗ではない」パワー向上も挙動に課題

    ホンダF1 折原慎太郎「スペック2は失敗ではない」パワー向上も挙動に課題

    ホンダは、2026年F1オランダGPで投入した新パワーユニット(PU)「スペック2」について、期待された効果が得られなかったとの見方を否定した。HRC(ホンダ・レーシング)の折原伸太郎は、ベンチテストで確認していたパワー向上を実際の走行でも確認できたと説明している。

    一方で、燃焼仕様の変更に伴ってエンジンブレーキやトルクデリバリーの不安定さが再び表面化したことも認めた。

    フェルナンド・アロンソとランス・ストロールから厳しい評価が出たものの、ホンダは改善可能な問題だと捉えており、「スペック2を失敗とは考えていない」と強調している。

    ベンチで確認したパワー向上をサーキットでも確認
    ホンダはオランダGPが行われたザントフォールトで、2026年型PUの新仕様「スペック2」を投入した。事前には30~40馬力程度の向上を目標としているとの情報もあったが、各チームのGPSデータを基にした推定では、実際の向上幅は20馬力未満だったとも伝えられている。

    さらにアストンマーティンのドライバーからは、絶対的なパワー以上にPUの扱いにくさを指摘する声が上がった。

    しかし、ホンダ側はスペック2によるパワー向上そのものについては、当初の想定通りだったとしている。

    イタリアGPを前に折原は、「パフォーマンスに関しては、ベンチで確認していた数値が実際の走行でも再現できていることをデータで確認しています」と説明した。

    信頼性についても大きな問題は発生しなかった。

    「はい。信頼性については、問題なく週末を走り切ることができました。その点では、すべて予定通りに進みました」

    燃焼変更でドライバビリティの問題が再発
    一方、ホンダが認めている最大の課題がドライバビリティだ。

    スペック2では燃焼仕様に変更が加えられたが、その影響によってシーズン前半に改善を進めてきたPUの挙動に関する問題が再び現れた。

    アロンソはオランダGPで新PUについて「振り出しに戻った」と厳しく評価していた。

    それでも折原は、スペック2そのものが失敗だったとの見方を否定した。

    「エンジンの挙動について難しい部分があるのは確かです。ただ、対策を施し、改善するためのプロセスを進めていけばパフォーマンスを向上させられることは確認できています。ですから、スペック2が失敗だったとは考えていません」

    つまり、絶対的なパワー向上は実現しているものの、それをドライバーが安定して引き出せる状態にはまだ達していないということだ。

    「パフォーマンス面では一定の進歩が確認できています。ただ、安定したトルクを供給し、アクセル操作やブレーキング時のPUの反応にドライバーが自信を持てるレベルにはまだ到達していません」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    エンジンブレーキとトルク応答にばらつき
    ザントフォールトでアロンソとストロールが特に問題視していたのが、エンジンブレーキとアクセル操作に対するトルクの応答だった。

    折原は、その症状について具体的に説明している。

    「具体的には、ブレーキング時のエンジンブレーキに問題があり、ラップごとに挙動が一定ではありませんでした」

    「アクセルを踏んだ量に対して想定したトルクが出なかったり、逆にトルクが出すぎたりすることがありました。そうなるとコーナー出口で突然ホイールスピンが発生する可能性があり、ドライバーは自信を持って攻めることができません」

    2026年のF1では電動化の比率が大幅に高まり、PUとエネルギーの制御がマシンパフォーマンスを左右する重要な要素となっている。そのため、ドライバーがアクセルやブレーキ操作に対する反応を予測できないことは大きなハンディキャップとなる。

    ただし、折原はスペック1でも同様の問題を改善してきた実績があることから、今回も解決できるとの見通しを示した。

    「PUの反応を正確に予測できないことは大きな問題です。ただ、良い点としては、スペック1のときと同じように、これについても少しずつコントロールして改善していけるということです」

    「スペック1より確実に向上」もトップには届かず
    ホンダはスペック2によって前仕様から前進したと評価している一方、現時点でライバルPUに追いついたとは考えていない。

    折原は「パフォーマンスはスペック1と比較して確実に向上しています」と述べた。

    その一方で、次戦イタリアGPについては厳しい戦いになることを覚悟している。

    モンツァは長いストレートが特徴で、PUの絶対的な性能とエネルギーマネジメントがラップタイムに大きく影響する。新仕様の実力を測るうえでも、ザントフォールト以上に厳しいテストになる。

    「残念ながら、PUをアップデートしたとはいえ、まだベストのPUではありません。そのため、モンツァでは厳しい戦いになると考えて準備しています」

    ホンダにとってスペック2のザントフォールト投入は、狙ったパワー向上を確認できた一方、その代償としてドライバビリティの課題を再び浮き彫りにする結果となった。アストンマーティンがその性能を最大限に引き出すためには、エンジンブレーキとトルクデリバリーの安定化が急務となる。

    最高速とPU効率が重要になるモンツァでは、スペック2による純粋なパワー向上と、ザントフォールトで露呈した挙動面の改善がどこまで進んでいるかが改めて試されることになる。

  • ルイス・ハミルトン 愛車フェラーリF40でF1イタリアGPに登場「夢が叶った」

    ルイス・ハミルトン 愛車フェラーリF40でF1イタリアGPに登場「夢が叶った」

    ルイス・ハミルトンが、2026年F1第13戦イタリアGPを前にモンツァのパドックへ希少なフェラーリF40を自ら運転して登場し、大きな注目を集めた。

    フェラーリ加入2年目を迎えているハミルトンにとって、F40は幼いころから憧れ続けてきた「夢のクルマ」だという。今回モンツァに持ち込んだ車両は、30年以上ガレージに眠っていた個体を入手し、マラネロのフェラーリでレストアした特別な一台だ。

    ハミルトンがF40でモンツァ入り
    木曜日のメディアデー、ハミルトンは黒のスーツにタンカラーのオーバーコートという装いで、自身のフェラーリF40を運転してモンツァに姿を現した。

    F40は、フェラーリが1987年から1992年にかけてわずか1,311台を生産したスーパーカーで、現在では状態によって300万ドル(約4億円)前後の価格が付くこともある希少なモデルだ。

    ハミルトンのF40には、自身がF1で使用するカーナンバー「44」を取り入れたパーソナライズされたナンバープレートも装着されている。

    ハミルトンは2025年に、それまで所有していた自動車コレクションをすべて売却したことを明らかにしていた。しかし、フェラーリF40だけは別だった。41歳のハミルトンにとって、このクルマを所有することは長年抱き続けてきた夢だったという。

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    「これが僕の夢のクルマ」
    ハミルトンは自身のSNSで、F40を手に入れるまでの経緯と、この一台に対する特別な思いを明かした。

    「僕自身のF40。これは僕の夢のクルマで、物心ついたころからずっとそうだった」

    「子どものころ、自分のF40を持つことを夢見ていた。昨年フェラーリに加入したときも、マラネロでの初日にF40を用意してもらった。それくらい僕にとって大きな意味を持つクルマなんだ」

    今回ハミルトンが手に入れたF40は、長期間にわたって走らせることなく保管されていた個体だった。

    「こうしたクルマは芸術作品で、本当に希少なものだ。だから、30年以上ガレージに置かれたまま埃をかぶっていたこの一台を見つけたとき、絶対に連れて帰らなければと思った」

    購入後、F40はフェラーリの本拠地マラネロへ運ばれ、ファクトリーのエンジニアとメカニックによって復活作業が行われた。

    「まずマラネロに運び、ファクトリーの素晴らしいエンジニアとメカニックたちが何週間もかけて、このクルマを生き返らせてくれた。このプロジェクトに携わってくれた全員に心から感謝している。本当に夢が叶ったよ」

    昨年はドゥカティ 今年はフェラーリF40
    ハミルトンがモンツァへの登場方法で注目を集めるのは今回が初めてではない。2025年のF1イタリアGPでは、イタリア国旗のトリコローレをまとったドゥカティのバイクでサーキットに姿を現して話題となった。

    そして2026年は、フェラーリを象徴する歴史的なロードカーのひとつであるF40を選んだ。

    フェラーリにとってイタリアGPはティフォシの前で戦う最重要レースのひとつだ。チームが最後にモンツァで勝利したのは2024年で、シャルル・ルクレールが地元ファンの前で優勝を飾っている。

    ハミルトンは現在、F1ドライバーズ選手権3位。ジョージ・ラッセルと同ポイントにつけ、首位アンドレア・キミ・アントネッリとは59ポイント差となっている。

    幼いころから憧れてきたF40を自ら走らせてモンツァ入りしたハミルトン。フェラーリのホームレースでは、今度はF1マシンのステアリングを握り、ティフォシの前で結果を残すことを目指す。

  • フェラーリF1 イタリアGPで新PU投入を正式確認 ADUOで性能向上

    フェラーリF1 イタリアGPで新PU投入を正式確認 ADUOで性能向上

    フェラーリは、2026年F1第13戦イタリアGPでSF-26にアップデートされたパワーユニットを投入することを正式に認めた。ADUO(追加開発・アップグレード機会)の枠組みを利用した今季2度目のアップグレードで、約15馬力の向上が見込まれている。

    ハンガリーGPとオランダGPでマクラーレンが連勝する一方、フェラーリは直近の勢力図でマクラーレンやメルセデスに後れを取っている。しかし、パワーが重要となる高速のモンツァを前に、マラネロには巻き返しへの期待が高まっている。

    ADUOを活用してモンツァでPUをアップグレード
    今回のアップグレードは、F1のADUO制度によって認められた追加開発機会を利用したものだ。最新のADUO評価では、レッドブル・パワートレインズの内燃エンジンが基準となっており、フェラーリには開発機会が与えられている。

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、ホームレースとなるイタリアGPを前に、アップデートされたパワーユニットを投入することを明らかにした。

    「モンツァはフェラーリにとって常に非常に特別な週末だ」とバスールは語った。

    「ティフォシの前でレースをすることはチーム全体に信じられないほどのエネルギーを与えてくれる。今年はさらに、ミハエル・シューマッハと、彼が我々の会社に残したレガシーを称えるという感情的な意味も加わる」

    「絶え間なく改善を追求する姿勢、細部へのこだわり、そしてチームワークに対する強い信念。これらは現在も我々にとって重要な価値観であり続けている」

    そして、パフォーマンス面についてバスールは次のように説明した。

    「パフォーマンス面では、ADUOで利用可能な開発機会の一環として、アップデートされたパワーユニットを投入する。これは正しい方向への一歩であり、我々も理解しているように、今年はまさに小さな改善を積み重ねていくシーズンだ」

    スクーデリア・フェラーリ

    約15馬力向上 モンツァで効果に期待
    今回のアップグレードによる出力向上は約15bhpと報じられている。実際の効果はエネルギーマネジメントやマシン側のセットアップにも左右されるが、長いストレートと低ドラッグ性能が重要となるモンツァでは、その恩恵を引き出しやすい。

    シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンにとって、ストレートでのパフォーマンス向上は大きな武器となる可能性がある。

    また、今回の動きで注目されるのがADUOによるメーカー間の開発機会の違いだ。最新評価で基準となっているレッドブル側には同制度による追加アップグレードの機会が与えられない一方、フェラーリを含む基準を下回ったメーカーには性能差に応じた開発機会が認められている。

    そのため、フェラーリにとって今回のアップグレードは単なるモンツァ専用の強化ではなく、シーズン後半に向けてパワーユニットの差を縮める重要な一歩となる。

    シューマッハへのオマージュとともにホームGPへ
    フェラーリはイタリアGPで、ミハエル・シューマッハへのオマージュを込めたスペシャルカラーリングも採用する。シューマッハがフェラーリ加入初年度の1996年にドライブしたF310から着想を得たデザインとなる。

    ホームのティフォシ、シューマッハへのトリビュート、そして約15馬力とされるパワーユニットのアップグレード。フェラーリは複数の要素を携え、モンツァでマクラーレンとメルセデスへの反撃を狙う。

  • キミ・アントネッリ F1イタリアGPで挑む「60年の呪い」最後の母国優勝は1966年

    キミ・アントネッリ F1イタリアGPで挑む「60年の呪い」最後の母国優勝は1966年

    キミ・アントネッリが、2026年F1第13戦イタリアGPで60年間破られていない記録に挑む。モンツァで開催されたF1イタリアGPでは、1966年のルドヴィコ・スカルフィオッティを最後にイタリア人ドライバーが優勝していない。

    2026年に飛躍を遂げたアントネッリは、12戦を終えてドライバーズ選手権首位に立っている。2位のジョージ・ラッセル、3位のルイス・ハミルトンに59ポイント差をつけており、母国モンツァで「60年の呪い」を終わらせる最有力候補として期待を集めている。

    1966年以来イタリア人が勝てないモンツァ
    イタリアGPの歴史は1921年までさかのぼる。初期には複数の場所で開催されたが、1949年以降はサーキット改修のためイモラで開催された1980年を除き、モンツァがその舞台となってきた。

    1922年から1952年までには、イタリア人ドライバーがイタリアGPで14勝を記録している。しかし、その後は状況が大きく変わった。

    最後に母国イタリアGPを制したイタリア人は、1966年のルドヴィコ・スカルフィオッティだ。フェラーリを駆ったスカルフィオッティの勝利以来、モンツァの表彰台中央にイタリア人ドライバーが立つことはなく、2026年でちょうど60年となる。

    エリオ・デ・アンジェリスやリカルド・パトレーゼはキャリア中にイタリア国内で開催されたサンマリノGPを制しているが、モンツァでのF1勝利という意味ではスカルフィオッティが最後のままだ。

    アルボレートやパトレーゼも届かなかった母国優勝
    この60年間、何人かのイタリア人ドライバーが記録を途切れさせるところまで迫った。

    ミケーレ・アルボレートは1984年、フェラーリで2位に入り、マクラーレンのニキ・ラウダに次いでフィニッシュした。さらに1988年にも2位となり、このときはフェラーリのチームメイトであるゲルハルト・ベルガーからわずか0.5秒あまりの差だった。

    1992年にはパトレーゼが残り6周までトップを走行していたものの、油圧系のトラブルに見舞われて5位に後退。母国優勝を目前で逃した。

    その後、モンツァで表彰台に上がったイタリア人ドライバーは、2005年にルノーで3位となったジャンカルロ・フィジケラだけだ。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) イタリアグランプリ

    アントネッリがイタリアの新たな希望
    そして2026年、イタリアが待ち続けた新たな優勝候補としてモンツァに戻ってくるのがアントネッリだ。

    昨年のイタリアGPでは9位だったが、今季は状況がまったく異なる。20歳になったばかりのアントネッリはF1世界選手権をリードしており、史上最年少ワールドチャンピオンも視野に入れている。

    モンツァはアントネッリにとって特別な場所でもある。メルセデスから初めてF1公式セッションに出走した2024年のイタリアGPのFP1では、激しいクラッシュを喫し、衝撃は52Gを記録した。それから2年、今度は選手権リーダーとして同じサーキットに戻る。

    しかし、母国初優勝を目指すアントネッリには大きな障害が待っている。

    PU交換で最後尾スタートへ
    メルセデスはイタリアGPでアントネッリのパワーユニット(PU)コンポーネントを交換する予定で、年間使用上限を超えることからグリッド降格ペナルティを受ける。

    これにより、アントネッリは最後尾から決勝をスタートする見通しとなっており、本来なら優勝候補のひとりとして迎えるはずだった母国GPで極めて厳しい戦いを強いられる。

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、「彼にとっても、母国レースで前方を争う姿を見たいファンにとっても残念なことだ。しかし、このスポーツは感情を考慮してはくれない」と語った。

    アントネッリにとって、まず重要になるのは後方からどこまで順位を取り戻し、選手権争いで最大限のポイントを持ち帰れるかだ。

    それでも、1966年以来途絶えているイタリア人によるモンツァ制覇という歴史がある以上、アントネッリの母国GPには特別な意味が加わる。最後尾スタートという大きなハンディを背負う2026年に「60年の呪い」を破るのは容易ではないが、イタリアの期待を背負う新たな主役であることに変わりはない。

  • ホンダF1 メルセデスに「70馬力差」報道 実際の課題はドライバビリティ改善

    ホンダF1 メルセデスに「70馬力差」報道 実際の課題はドライバビリティ改善

    アストンマーティンとともに2026年のF1新時代に挑んでいるホンダのパワーユニットをめぐり、メルセデスに約70馬力の差をつけられているとの報道がイタリアから浮上した。ただし、この数字を単純なICE(内燃エンジン)の出力差として受け取るには注意が必要だ。

    ホンダ自身も、現時点でライバルに対して総合的なパワーで後れを取っていることは認めている。

    一方、オランダGPでスペック2を投入した現在の重点課題として挙げているのはドライバビリティであり、HRC Sakuraでは燃焼制御の安定化を中心とした作業が進められている。

    パワーへの依存度が高いモンツァは、その成果を確認する重要な舞台となる。

    イタリアメディアが「70馬力差」と報道
    イタリアメディア『Autoracer.it』は、オランダGPでスペック2が投入された後も、ホンダのパワーユニットはメルセデスに対して約70馬力の差があると報じた。

    同メディアは、この差が平均して1周あたり約1.2秒のタイムロスに相当するとし、フェラーリのエンジニアの見解として、ホンダがギャップを完全に埋めるまでには複数年を要する可能性があるとも伝えている。

    ただし、約70馬力という数字はホンダやアストンマーティンが公表したものではない。また、具体的にどの条件で算出された出力差なのかも明確ではない。

    2026年のF1パワーユニットでは、ICEだけでなく大幅に強化された電動システムの性能が実際の加速や最高速に大きく影響する。そのため、「70馬力」という数字だけをもってホンダのICEそのものがメルセデスより常時70馬力低いと断定することはできない。

    2026年F1では単純な「馬力差」では測れない
    2026年のF1では、パワーユニットの競争力を従来のような最高出力だけで評価することが難しくなっている。

    ICEの性能に加え、MGU-Kによる電気エネルギーの供給、バッテリーの状態、回生効率、そして限られたエネルギーをラップのどこで使用するかというデプロイメントが実際のパフォーマンスを左右するためだ。

    例えば、ストレート前半ではライバルと同等の加速を示していても、電気エネルギーを早い段階で使い切れば、後半では出力差が急激に拡大する可能性がある。逆に、エネルギーを温存すれば別の区間でタイムを失うことになる。

    さらに、車体側の空気抵抗やギア比、コーナーからの立ち上がり速度などもストレートでの速度に影響する。このため、外部から観測された速度差をそのままパワーユニットの馬力差に置き換えることは難しい。

    『Autoracer.it』が伝えた「約70馬力」「1周約1.2秒」という数字についても、現時点ではホンダとメルセデスの絶対的なICE出力差を示す確定値ではなく、あくまでイタリアから伝えられた推定値として扱う必要がある。

    ホンダ自身は「総合的なパワー不足」を認める
    一方で、ホンダがライバルとの差そのものを否定しているわけではない。

    Honda F1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、イタリアGPを前に、スペック2による前進を認めながらも、総合的なパワーでは依然としてライバルに後れを取っているとの認識を示している。

    「今週末の舞台となるモンツァは、長いストレートと11のコーナーで構成され、2026年カレンダーの中でも全開率が最も高いサーキットのひとつです。このコースでは、限られたエネルギーを各区間にどう配分するかが重要で、特に予選ではその影響が大きくなります。モンツァのラップタイムはパワーに非常に敏感です」

    「ザントフォールトでスペック2エンジンを導入し、パフォーマンス面では一歩前進することができました。ただ、総合的なパワーという点ではまだライバルに遅れていることは分かっていますので、今週末については現実的に考える必要があります」

    重要なのは、折原が「総合的なパワー」と表現している点だ。

    ホンダは具体的な馬力差には言及しておらず、70馬力という数字を認めたわけでもない。ICEだけでなく電動システムやエネルギーマネジメントまで含めた2026年型パワーユニット全体として、まだ競争力を高める必要があるというのがHRC側から示されている現状認識となる。

    スペック2で浮上したドライバビリティの課題
    ホンダはオランダGPで、ADUO(追加開発・アップグレード機会)による開発を反映したスペック2のパワーユニットを投入した。

    性能面では前進した一方、ザントフォールトでは新たな課題も表面化した。特に問題となったのがドライバビリティだった。

    フェルナンド・アロンソは週末を通じて、ダウンシフトやエンジンブレーキの挙動に一貫性がない状況に苦しんだ。最終的には18番グリッドから9位まで追い上げて2ポイントを獲得したものの、スペック2の性能を完全に引き出せたとは言い難い週末となった。

    つまりホンダにとって現在必要なのは、単純に最高出力を積み増すことだけではない。ドライバーがアクセル操作に対して予測可能なレスポンスを得られ、コーナー進入から立ち上がりまで安定してパワーユニットを使える状態を作る必要がある。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    HRC Sakuraで燃焼制御の安定化に集中
    オランダGP以降、ホンダが重点的に取り組んできたのが、このドライバビリティの改善だ。

    折原はイタリアGPに向けた作業について説明している。

    「イタリアGPでの重要なテーマは、ドライバビリティを改善することです」

    「オランダGP以降、HRC Sakuraのダイナモで多くの作業を行ってきました。特に、安定して一貫性のある燃焼制御を実現することに取り組んでいます」

    「モンツァではその作業の効果を確認しながら、さらにチューニングを進めていきます。それによって、今後のレースでより高い競争力につなげていきたいと考えています」

    スペック2でハードウェア側の性能を引き上げても、燃焼状態やトルクの出方にばらつきがあれば、ドライバーはその性能を安定して利用できない。特にコーナー進入時のエンジンブレーキや、立ち上がりでのICEと電動システムの協調は、ラップタイムだけでなくドライバーのマシンに対する信頼にも直結する。

    そのため現在のホンダにとって、燃焼制御の安定化は単なる扱いやすさの改善ではなく、スペック2が本来持つ性能を引き出すための重要な開発項目となっている。

    モンツァでホンダの現在地が見える
    イタリアGPの舞台となるモンツァは、ホンダにとって厳しい一方で、その現在地を測るには適したサーキットでもある。

    長い全開区間ではICEの性能だけでなく、電気エネルギーをどこまで効率的に使い続けられるかが問われる。折原が指摘するように、特に予選では限られたエネルギーを1周のどこに配分するかが重要になる。

    したがって、モンツァで注目すべきなのは「本当に70馬力遅れているのか」という数字だけではない。

    スペック2によって総合的なパワー差がどこまで縮まったのか。そしてオランダGP後にHRC Sakuraで進められた燃焼制御の安定化によって、ドライバビリティがどこまで改善されるのか。アストンマーティンのストレートでの競争力と実際のラップタイムは、その成果を判断する重要な材料になる。

    約70馬力という衝撃的な数字の真偽を外部から正確に確認することは難しい。しかし、ホンダ自身が総合的なパワーでライバルに後れを取っていることを認めているのも事実だ。高速のモンツァは、その差の大きさとスペック2の改善効果をより鮮明に映し出す週末となりそうだ。

  • 岩佐歩夢 F1イタリアGPのFP1に出走 フェルスタッペンのRB22をドライブ

    岩佐歩夢 F1イタリアGPのFP1に出走 フェルスタッペンのRB22をドライブ

    岩佐歩夢が、2026年F1第13戦イタリアGPのフリー走行1回目(FP1)にレッドブル・レーシングから出走することが決まった。マックス・フェルスタッペンに代わってRB22をドライブする。

    レッドブルとレーシングブルズのリザーブドライバーを務める岩佐歩夢にとって、2026年シーズン3度目のFP1出走となる。レッドブルはF1レギュレーションで義務付けられているルーキードライバーのフリー走行起用枠を消化する目的で、モンツァで岩佐歩夢を起用する。

    岩佐歩夢は自身のSNSでイタリアGPでのFP1出走に反応し、再びRB22をドライブできることへの期待を示した。

    「モンツァで再びRB22に乗れることをとても楽しみにしています!」

    岩佐歩夢がフェルスタッペンのRB22をドライブ
    岩佐歩夢は今季、第6戦スペインGPでもフェルスタッペンのRB22を担当。バルセロナで21周を走行し、FP1を14番手で終えている。

    その翌週に行われた第7戦オーストリアGPではレーシングブルズのVCARB 03をドライブし、レッドブル・リンクで19周を走行して15番手だった。

    今回のイタリアGPでは再びレッドブルのマシンに乗り込み、超高速サーキットとして知られるモンツァでRB22を走らせることになる。

    24歳の岩佐歩夢は、すでにF1のFP1経験を豊富に積んでいる。初めて公式セッションに出走したのは2024年日本GPで、当時レーシングブルズのダニエル・リカルドに代わってマシンをドライブ。角田裕毅との日本人コンビが実現した。

    同年のアブダビGPでもFP1に出走し、2025年バーレーンGPでは初めてフェルスタッペンのマシンを担当。その後もレーシングブルズからメキシコシティGPなどでFP1に出走し、2026年シーズン開幕前までに計5回のフリー走行経験を積んでいた。

    岩佐歩夢(レッドブル・レーシング) イタリアグランプリ

    ローソンは引き続きレッドブルからイタリアGPに出場
    一方、イタリアGPのレース週末ではリアム・ローソンが引き続きレッドブル・レーシングから出場し、フェルスタッペンのチームメイトを務める。

    アイザック・ハジャーはサマーブレイク中のトレーニングで左手首を負傷し、前戦オランダGPを欠場。レッドブルは復帰の可能性を検討していたが、モンツァでも欠場させることを決めた。

    オランダGPでハジャーの代役を務めたローソンは、予選8番手から決勝7位に入り6ポイントを獲得。イタリアGPでもそのままレッドブルのシートに座る。

    これにより、モンツァのFP1ではフェルスタッペンに代わって岩佐歩夢がRB22をドライブし、その後フェルスタッペンがマシンを引き継ぐ。岩佐歩夢にとっては、レッドブルの2026年型マシンで経験をさらに積む重要な機会となる。

  • 角田裕毅 F1イタリアGPもレーシングブルズから参戦 ハジャー欠場で続投決定

    角田裕毅 F1イタリアGPもレーシングブルズから参戦 ハジャー欠場で続投決定

    角田裕毅が、2026年F1第13戦イタリアGPでもレーシングブルズから出場することが決まった。レッドブル・レーシングは、左手首を負傷しているアイザック・ハジャーの欠場を正式に決定し、リアム・ローソンを再び代役として起用する。

    ハジャーはサマーブレイク終盤に左手首を骨折し、前戦オランダGPを欠場。レッドブルは9月2日(水)まで回復状態を見極めていたが、モンツァで復帰させるにはリスクがあると判断した。

    これにより、ローソンがハジャーに代わってマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務め、角田裕毅が再びレーシングブルズのシートに収まる。

    角田裕毅が2戦連続でレーシングブルズから出場
    レッドブルはイタリアGPを前に、ハジャーの欠場とローソンの起用を正式発表した。

    「リアムはモンツァで行われるイタリアGPでマックスとともに走る。一方、アイザックはサマーブレイク中に負った手首の負傷から、引き続き順調な回復を見せている」

    「チームは彼のリハビリを注意深く見守っており、競技復帰について不必要なリスクを冒すことはない。一日も早い回復を願っている」

    この決定によって生じるもうひとつのドライバー変更が角田裕毅の起用だ。

    角田裕毅は2026年シーズンをレッドブルのリザーブドライバーとして過ごしていたが、ハジャーが欠場したオランダGPでレーシングブルズからF1復帰。今回も同じ体制が採用され、ローソンがレッドブルに移り、空いたレーシングブルズのシートを角田裕毅が担当する。

    つまりイタリアGPでは、レッドブルがフェルスタッペンとローソン、レーシングブルズが角田裕毅とアービッド・リンドブラッドという布陣になる。

    レッドブルがハジャーのモンツァ復帰を見送った理由
    ハジャーについては、イタリアGPでの復帰を目指して回復が進んでいた。しかし、レッドブルは水曜日に行われた最終的な状態確認を経て、まだF1マシンでレースを戦わせるべき段階ではないと判断した。

    特に懸念材料となるのがモンツァのレイアウトだ。

    モンツァは時計回りのサーキットであり、右コーナーでは左手首に大きな負荷がかかる。高速域から強烈なブレーキングを行う場面も多く、まだ完全に治癒していない骨折箇所を悪化させる可能性がある。

    ハジャーを無理に復帰させた結果、負傷を悪化させれば、イタリアGPだけではなく2026年シーズンの残りのレースにも影響しかねない。そのためレッドブルは、1戦の復帰を急ぐよりも完全な回復を優先した。

    ローソンはオランダGPで7位 代役として結果
    ローソンにとっては2戦連続となるレッドブルでのレース出場となる。

    前戦オランダGPでは、突然の代役起用ながらRB22をドライブして7位でフィニッシュ。6ポイントを獲得し、限られた準備時間のなかで代役として求められた役割を果たした。

    2025年にレッドブルで短期間を過ごした後、レーシングブルズへ戻ったローソンにとって、今回の2戦は自身の評価を改めて高める機会にもなっている。

    一方で、これがそのまま2027年のレッドブル昇格につながるとは限らない。

    ドイツ誌『Auto Motor und Sport』の報道では、レッドブル内部ではハジャーとの契約延長に向けた動きが進んでおり、その将来について近く決定が下される可能性があるという。

    ハジャーは2025年のレーシングブルズでのルーキーシーズンを経て、2026年にレッドブルへ昇格。フェルスタッペンのチームメイトとして高い評価を得ており、チームが長期的な戦力として残す方向に傾いているとみられている。

    角田裕毅に再び訪れたF1アピールの機会
    そして今回の決定は、角田裕毅にとっても重要な意味を持つ。

    角田裕毅はオランダGPで約8カ月ぶりとなるF1実戦復帰を果たし、予選ではQ2に進出して12番手。Q3進出を果たしたチームメイトのリンドブラッドとの差はわずか0.102秒だった。

    決勝では11位でフィニッシュし、ポイントには届かなかったもののリンドブラッドを上回った。長期間レースから離れ、VCARB-03で初めてグランプリを戦うという条件を考えれば、短期間で競争力を取り戻した週末だったと言える。

    特に予選後には「限界を探す感覚を取り戻した」と手応えを語り、決勝後にも「できることはすべてやりました」と振り返っていた。

    その直後にイタリアGPでも出場機会が巡ってきたことで、今度は前戦で得た感覚をそのまま次のグランプリへ持ち込むことができる。

    これは角田裕毅にとって大きな違いだ。

    オランダGPでは急きょ実戦に戻る形だったが、モンツァではすでにVCARB-03で予選と決勝を経験した状態からスタートできる。マシンへの理解だけでなく、エンジニアとのコミュニケーションやセットアップの方向性という面でも、前戦より準備された状態で週末を迎えられる。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) イタリアグランプリ

    2027年F1シート争いへモンツァでも存在感を示せるか
    さらに角田裕毅にとって重要なのが、2027年のF1シートをめぐる状況だ。

    レーシングブルズではローソンとリンドブラッドがレギュラードライバーを務めている一方、F2ランキング首位を走るニコラ・ツォロフもF1昇格候補として存在している。

    ツォロフがF2タイトルを獲得すれば、規則上F2に残留することはできない。レッドブルは2027年に向けてスーパーフォーミュラやインディカーを含む別カテゴリーで経験を積ませる選択肢も検討していると報じられている。

    ローソンについてもレーシングブルズの2027年シートが完全に保証されているわけではなく、レッドブル系4台をめぐるドライバー市場は依然として流動的だ。

    そこへ再び実戦機会を得た角田裕毅が加わる。

    オランダGP後、角田裕毅は2027年のF1シートを求めていることを隠さず、「Call me, please!(僕に電話してください!)」と各チームに向けてアピールした。

    実際、オランダGPでの走りを受けて、角田裕毅が2027年のハースのドライバー候補として再び検討対象に入ったとの報道も出ている。つまり、今回のモンツァでの出場はレーシングブルズのシートだけを争う機会ではない。

    角田裕毅にとって重要なのは、現在のF1パドックに対して、自身がブランクを経てもすぐに競争力を発揮できるドライバーであることを示し続けることだ。

    ザントフォールトでは約8カ月の実戦ブランクを経ながら、予選でリンドブラッドに0.102秒まで迫り、決勝ではそのリンドブラッドを上回った。モンツァでも同様に結果を残せれば、オランダGPでのパフォーマンスが一過性ではなかったことを証明できる。

    しかも今回は、VCARB-03で1戦を経験した直後の連戦となる。角田裕毅にとっては、オランダGP以上のパフォーマンスを期待できる条件が整っている。

    ハジャーの回復を最優先したレッドブルの判断によって実現した2戦連続の代役体制。ローソンが再びレッドブルでフェルスタッペンと組む一方、角田裕毅にはモンツァでも自身のF1キャリアを左右し得る重要なアピールの機会が与えられた。

    2027年のグリッドを目指す角田裕毅にとって、イタリアGPは単なる代役としての2戦目ではない。ザントフォールトで取り戻した感覚と評価を、具体的な結果へつなげられるかが注目される。

  • リアム・ローソン F1イタリアGPもレッドブルから参戦 ハジャー欠場で2戦連続代役

    リアム・ローソン F1イタリアGPもレッドブルから参戦 ハジャー欠場で2戦連続代役

    リアム・ローソンが、2026年F1第13戦イタリアGPでもレッドブル・レーシングから出場することが決まった。左手首を負傷しているアイザック・ハジャーの欠場が正式に決定し、前戦オランダGPに続いてローソンがマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務める。

    ハジャーはサマーブレイク終盤に左手首を骨折し、オランダGPを欠場。レッドブルはイタリアGPでの復帰を目指して回復状態を見極めてきたが、9月2日(水)の最終的なチェックを経て、モンツァで復帰させるにはリスクがあると判断した。

    これによりローソンに2戦連続でレッドブルをドライブする機会が巡ってきた。

    ローソンがモンツァでもレッドブルをドライブ
    レッドブルはイタリアGPを前に、ローソンの継続起用を正式に発表した。

    「リアムはモンツァで行われるイタリアGPでマックスとともに走る。一方、アイザックはサマーブレイク中に負った手首の負傷から、引き続き順調な回復を見せている」

    「我々は彼のリハビリを注意深く見守っており、競技復帰について不必要なリスクを冒すつもりはない。一日も早い回復を願っている」

    ローソンは前戦オランダGPでもハジャーの代役としてレッドブルに招集された。今回も同じ体制が採用され、フェルスタッペンとともにRB22を走らせる。

    ローソンにとって、レッドブルで2戦連続のグランプリを戦えることは大きい。オランダGPでは急きょマシンを乗り換える形だったが、今回はすでにRB22で予選と決勝を経験した状態でモンツァへ入ることができる。

    オランダGPでは7位入賞
    ローソンはオランダGPで代役として期待に応える結果を残した。

    レッドブル復帰初戦となったザントフォールトでは7位でフィニッシュし、チームにポイントを持ち帰った。RB22のパフォーマンスを考えれば、限られた準備時間での代役として堅実な結果だった。

    2025年にレッドブルで2戦を戦った後、レーシングブルズへ戻ったローソンにとって、再びトップチームのマシンで自らの能力を示す機会となった。

    今回はさらに条件が整う。

    前戦では突然の代役だったのに対し、モンツァではRB22の特性を理解したうえで週末をスタートできる。フェルスタッペンとの比較を含め、ローソンが2戦目でどこまでパフォーマンスを引き上げられるかは注目点となる。

    ハジャーは左手首への負担を考慮して欠場
    一方、ハジャーについてはイタリアGPでの復帰が検討されていた。

    負傷後の回復は順調とされていたものの、レッドブルは水曜日の状態確認を経て、復帰を急がせないことを決めた。

    特にモンツァのコース特性が判断材料のひとつになったとみられる。

    モンツァは時計回りのサーキットで、右コーナーでは負傷している左手首への負荷が大きくなる。また、F1屈指の高速サーキットであり、長いストレートからのハードブレーキングも繰り返される。

    完全に回復していない状態でレースに出場し、骨折箇所を悪化させれば、イタリアGPだけではなく残りの2026年シーズンにも影響する可能性がある。

    そのためレッドブルはハジャーの回復を優先し、ローソンを続投させる道を選んだ。

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング) イタリアグランプリ

    2戦連続の代役はローソンに新たなアピール機会
    ローソンにとって今回のイタリアGPは、単なる代役以上の意味を持つ。

    2025年にレッドブルへ昇格したローソンは、わずか2戦でレーシングブルズへ戻された。その後は着実にパフォーマンスを立て直し、2026年にはレーシングブルズで評価を回復。そしてハジャーの負傷によって、再びレッドブルをドライブする機会を手にした。

    オランダGPで7位という結果を残した直後だけに、モンツァで再びフェルスタッペンと同じマシンを走らせることは、自身の現在地を示す絶好の機会となる。

    ただし、今回の代役起用と2027年のレッドブルのレギュラーシート争いは切り分けて考える必要がある。

    『Auto Motor und Sport』によれば、レッドブル内部ではハジャーとの契約延長に向けた動きが進んでおり、その将来について近く発表される可能性があるという。

    ハジャーは2025年にレーシングブルズで印象的なルーキーシーズンを送り、2026年にレッドブルへ昇格。フェルスタッペンのチームメイトとして高い評価を得ており、チームは今後もハジャーを起用する方向に傾いているとされる。

    その場合、ローソンが今回の代役で好成績を残したとしても、すぐにレッドブルのレギュラーシートにつながるとは限らない。

    さらにローソン自身の2027年レーシングブルズ残留についても、まだ確定していないと報じられている。F2ランキング首位のニコラ・ツォロフがF1昇格候補として控え、アービッド・リンドブラッドもルーキーシーズンで評価を高めているためだ。

    それだけに、ローソンにとってモンツァでの一戦は重要になる。

    オランダGPでは突然巡ってきたレッドブル復帰の機会を7位入賞につなげた。今度はRB22を一度経験した状態で迎える2戦目。ローソンがイタリアGPで再び結果を残せれば、2027年に向けた自身の価値をさらに高めることになる。