インディカー・シリーズで5度のチャンピオンに輝くアレックス・パロウが、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)で行われた2028年導入予定の次世代マシン「IR-28」のオーバル検証テストを完了した。
チップ・ガナッシ・レーシングのホンダ陣営を代表して走行したパロウは、予定されていたテスト項目をすべて消化。セッション終了予定時刻を15分残して走行を切り上げるなど、順調なテストとなった。
IR-28のオーバル検証をパロウが担当
IR-28のオーバル検証テストは2日間にわたって実施された。初日の水曜日には、シボレー陣営を代表してエド・カーペンター・レーシング(ECR)のアレクサンダー・ロッシがステアリングを握り、木曜日の2日目をパロウが引き継いだ。
2025年のインディ500ウイナーでもあるパロウは、ホンダ勢を代表する形でIR-28をドライブした。
ロッシが走行した初日は気温が華氏90度(約32度)に達し、湿度も高い厳しいコンディションだった。一方、寒冷前線が接近した2日目は気温が約10度下がったことで、インディカーとシャシーを製造するダラーラは異なる環境条件でデータを収集することができた。
今回のテストで重視されたのは、純粋なラップタイムではない。さまざまなエアロダイナミクス仕様を評価するとともに、車高を大幅に変化させた際のマシンの挙動を確認することが主な目的だった。
それでもパロウによれば、IR-28は走行を重ねるにつれて自然にスピードを上げていったという。
「天候を考えると、予想していたよりもかなり多くの周回を走ることができたし、マシンのフィーリングもよかった」
「実際、かなりスピードも出た。1日を通して2mph(約3.2km/h)以上速くなったけど、そのためにそれほど多くの作業をしたわけではなかった」

「現行車にかなり近い」
パロウは、前月にIMSのロードコースでIR-28を初めて走らせた際との違いについても説明した。
ロードコースでは現行マシンとは明確に異なる特性を感じていたが、今回のオーバル仕様については、現在インディカーで使用されているマシンにかなり近い印象を受けたという。
「ロードコースでは、もっとマシンと格闘しているような感じで、かなり違っていた」
「ここではスムーズに感じたし、現行車にかなり近いと思う」
テスト終盤には、チームがドラッグを減らした仕様を試し、IR-28はさらに1mph(約1.6km/h)以上スピードアップした。
パロウにとって意外だったのは、本格的な予選仕様に仕上げたわけではないにもかかわらず、セットアップ変更によって明確な速度向上が確認できたことだった。

ロッシが指摘したコックピットの暑さも改善
今回のテストでは、初日にロッシが指摘していたコックピット内部の暑さについても対策が施された。
IR-28には現行マシンにはない冷却機能が用意されており、パロウの走行ではそのシステムを利用。結果は良好だったという。
「昨日はロッシにとって温度が問題だったと思う。でも、僕たちは変更を加えて、このマシンで利用できる冷却を開放することができた。現行車にはないものだ」
「それはとてもよかった。だから、細かい部分はいくつかあるけど、ロードコースのときのようなパフォーマンス面の問題ではない」
インディカーとダラーラにとって、今回のIMSテストでは異なる気温条件でエアロ、車高、冷却など幅広いデータを収集することに成功した。
ロードコースでは現行車との違いを強く感じていたパロウだが、オーバルでは「現行車にかなり近い」と評価。2028年の実戦投入に向けたIR-28の開発は、重要なオーバル検証のひとつを順調に終えた。














