カテゴリー: インディカー

  • パト・オワード F1への夢に終止符 マクラーレンに「リザーブを解任してほしい」

    パト・オワード F1への夢に終止符 マクラーレンに「リザーブを解任してほしい」

    パト・オワードが、マクラーレンのF1リザーブドライバーとしての活動を終了するようチームに申し入れていたことを明かした。長年抱いてきたF1参戦への夢に自ら区切りをつけ、今後はインディカーに専念する考えを鮮明にしている。

    オワードは近年、マクラーレンのリザーブ兼テストドライバーとしてメキシコシティGPやアブダビGPのフリー走行、ポストシーズンテストなどに参加してきた。

    しかし27歳となった現在は、F1よりもインディカーでタイトル獲得とインディ500制覇を目指すことを最優先に考えているという。

    マクラーレンに「解任してほしい」と申し入れ
    オワードはコナー・デイリーのポッドキャスト『Speed Street』で、F1関連の活動から離れる決断を説明した。

    「この5年間、オフシーズンなんて一度もなかった。レース以外の人生も楽しみたいんだ。ここ5年間は本当にレース中心の生活だった」

    「F1の世界で経験できたことや学べたことには感謝している。特にここ数年は、あのマシンがどれだけ素晴らしいかを体感できた。本当に素晴らしい経験だった」

    しかし、その一方で現在の心境は大きく変化したという。

    「でも今は人生の違う段階にいると思う。正直、もうそこまで気にしていない」

    「F1のリザーブを続けたいという気持ちは、もう自分の中にはない。インディカーで素晴らしい環境にいるし、このシリーズが大好きだ。僕がいたい場所はここなんだ」

    さらに現在のF1マシンにも以前ほど魅力を感じていないと率直に語った。

    「今のF1マシンを見ても、それほど乗りたいとは思わない。だからF1での役割については、丁重に『解任してほしい』とお願いしたんだ」

    パト・オワード マクラーレン F1

    F1への憧れよりインディカーを選択
    オワードは幼い頃からF1参戦を夢見ていたことを認めながらも、実際にその世界を経験したことで考え方が変わったと明かした。

    「『いつF1に行くの?』と何度も聞かれてきた。もちろん子どもの頃からの夢だった」

    「でも何年もその世界の近くにいて、フルタイムドライバーではなかったけれど、その世界がどんなものか十分に感じることはできた」

    その結果、現在はF1が自分の目指す場所ではないと結論づけている。

    「正直、あれは自分に向いている世界じゃないと思う。インディカー以上に楽しめる場所だとは感じなかった」

    「今の時点では、自分の未来をF1に見ていない」

    インディカーへの愛着も強調した。

    「僕にとってインディカーは世界最高のモータースポーツだ。違う意見の人もいるだろうけど、僕はここで幸せなんだ」

    「これ以上有名になる必要も、お金がもっと必要なわけでもない。若い頃には想像もできなかった場所まで来ることができた」

    2027年は新チームメイトとタイトル獲得へ
    2027年のマクラーレン・インディカーは大きくラインアップを変更する。

    クリスチャン・ルンガードとノーラン・シーゲルに代わり、インディ500優勝経験を持つスコット・ディクソンとフェリックス・ローゼンクヴィストが加入する予定だ。

    オワードはディクソンとの共闘を特に楽しみにしている。

    「ザク(ブラウン)とトニー(カナーン)から話を聞いた瞬間、『あのスコットから学べるなんて信じられない』と思った」

    「スコットは史上最高だ。本当に特別な存在だし、素晴らしいチームで培った経験も持っている」

    「彼のようなレベルのドライバーと仕事ができること、その知識を学べることが本当に楽しみなんだ」

    また、2021年から2023年までチームメイトだったローゼンクヴィストとの再共演も歓迎した。

    「フェリックスとは以前一緒に戦った。素晴らしいチームメイトだったし、今でも親しい友人だ」

    「パドックの外で一番会う相手かもしれない。彼もチームにとって大きな戦力になる」

    「インディ500を勝ったことで、以前よりさらに経験を積んで戻ってきた」

    マクラーレンのF1リザーブとして将来を目指してきたオワードだが、自らその道に終止符を打った。今後はインディカーを自身のキャリアの舞台と定め、新体制となるマクラーレンで悲願のシリーズタイトルとインディ500制覇を目指していく。

  • パト・オワード F1断念を明言「もう気にしていない」 インディカー専念へ

    パト・オワード F1断念を明言「もう気にしていない」 インディカー専念へ

    インディカーで活躍するパト・オワードが、F1参戦への夢を追い続ける考えはなくなったと明かした。マクラーレンF1のリザーブドライバーも務めてきたオワードだが、現在はインディカーでのキャリアに満足しており、今後もアメリカを舞台に戦う意向を示している。

    オワードはポッドキャスト番組『Speed Street』で、F1への思いが以前とは大きく変化したことを告白。2027年もアロー・マクラーレンから参戦することが決まっており、自身のキャリアの軸は完全にインディカーへ移ったと強調した。

    F1への憧れは「もうなくなった」
    パト・オワードは、これまでマクラーレンF1でテストやフリー走行を経験できたことには感謝しているとしながらも、現在はF1を目指すモチベーションは失われたと率直に語った。

    「F1で経験したことや学んだことには本当に感謝している。特にここ数年は実際にマシンをドライブできて、あのクルマがどれほど素晴らしいものなのか体感できた」

    「でも今は人生の違う段階にいる。もう気にしていない。F1でリザーブドライバーを続けたいという気持ちは自分の中にはない。今のインディカーは本当に充実しているし、このカテゴリーが大好きなんだ。僕がいたい場所はここだ」

    2027年のアロー・マクラーレンは、スコット・ディクソン、フェリックス・ローゼンクヴィスト、そしてオワードというラインアップで戦う予定となっている。

    現行F1マシンにも魅力を感じず
    オワードは現在のF1マシンそのものにも魅力を感じていないことを明かした。

    「今の世代のF1カーには乗りたいという気持ちが湧かない。だからF1でのすべての役割から外してほしいと丁寧にお願いした」

    その一方で、インディカーこそ自分が求めるレースができる環境だと語る。

    「最高のレースをするならインディカーが一番だ。もちろん違う意見の人もいるだろう。でも僕にとって幸せなのはここなんだ」

    近年のF1では2026年導入の新世代マシンに対し、エネルギーマネジメントの難しさやドライビングの自由度について、複数のドライバーから厳しい意見が上がっている。オワードもそうしたマシンには魅力を感じていないようだ。

    「名声もお金も十分にある」
    オワードは、F1を目指す理由としてよく挙げられる名声や高額報酬についても、自身には必要ないと断言した。

    「これ以上有名になる必要はないし、お金もこれ以上必要ない。若い頃には想像もできなかったような立場まで来ることができた。本当に恵まれていると思う」

    マクラーレンとの大型契約を結び、インディカー屈指の人気ドライバーとして活躍するオワードにとって、F1はもはや目標ではなくなった。今後はインディカーでタイトル獲得を目指すことが、キャリア最大の目標となりそうだ。

  • スコット・ディクソン 2027年から複数年契約でアロー・マクラーレンに加入

    スコット・ディクソン 2027年から複数年契約でアロー・マクラーレンに加入

    スコット・ディクソンとフェリックス・ローゼンクヴィストが、2027年シーズンからアロー・マクラーレンに加入することが決定した。両者は複数年契約を締結し、パト・オワードとともに3台体制のフル参戦ラインアップを構成する。

    また、2014年のインディ500ウイナーであるライアン・ハンター-レイも、第111回インディアナポリス500では4台目のマシンをドライブすることが発表された。

    アロー・マクラーレンは、3人のインディ500優勝経験者とシリーズ屈指のオーバル巧者を揃え、1976年以来となるインディ500制覇を目指す。

    チャンピオンとインディ500王者を獲得
    アロー・マクラーレンは、インディカー史上屈指の実績を誇るスコット・ディクソンと、現インディ500王者のフェリックス・ローゼンクヴィストを迎え、2027年へ向けて大幅な戦力強化を実現した。

    マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、今回のラインアップに大きな期待を寄せた。

    「インディカー・チームは素晴らしい勢いを見せている。このラインアップはプログラムのあらゆる面を強化してくれるだろう」

    「チャンピオンシップ獲得とインディアナポリス500優勝、そしてパパイヤ時代のトリプルクラウン達成を目標にしている。この4人は豊富な経験と優れたチームワークを持ち、チーム全体に良い影響をもたらしてくれるはずだ」

    ディクソン「キャリアの新たな一歩」
    45歳のディクソンは、2003年、2008年、2013年、2015年、2018年、2020年の6度にわたりインディカー王座を獲得。シリーズ通算59勝は歴代2位で、2008年にはインディ500も制している。

    所属するチップ・ガナッシ・レーシングは先週、ディクソンが2027年はチームに残留しない意向を伝えたと発表していた。

    ディクソンは今回の移籍について次のように語った。

    「これは僕のキャリアにおける新たな一歩で、とてもワクワクしている」

    「自分自身や家族にとっても大きな決断だった。ザクやトニーが築いているチームに貢献できることを楽しみにしている」

    「ニュージーランド出身の僕にとって、ブルース・マクラーレンの遺産の一部になれることは特別だ。彼の精神や挑戦する姿勢はいまもチームに根付いており、その伝統を受け継げることを誇りに思う」

    ローゼンクヴィストも古巣復帰
    ローゼンクヴィストは先月、今季限りでメイヤー・シャンク・レーシングを離れることを発表していた。

    スウェーデン出身の34歳は、この3年間でチームのエースとして活躍し、今季のインディ500ではデビッド・マルーカスとの歴史的な僅差の争いを制して優勝を飾った。

    2021年から2023年まで所属したアロー・マクラーレンへ復帰する形となり、2023年には同チームでインディ500のポールポジションも獲得している。

    ローゼンクヴィストは復帰を歓迎した。

    「知っている顔ぶれがたくさんいるし、スコットが加わり、ライアンもインディ500で戻ってくる。本当に素晴らしいラインアップだ」

    「全員の経験がチームにとって大きな力になると思う」

    アロー・マクラーレンは、インディカー屈指の実績を持つディクソンと現インディ500王者のローゼンクヴィストを迎え、2027年に向けた戦力を大幅に強化した。オワード、ハンター-レイを含む強力な布陣で、シリーズタイトルと50年ぶりのインディ500制覇に挑む。

  • スコット・ディクソン チップ・ガナッシ離脱を正式発表 24年の黄金時代に幕

    スコット・ディクソン チップ・ガナッシ離脱を正式発表 24年の黄金時代に幕

    スコット・ディクソンが2026年シーズン限りでチップ・ガナッシ・レーシングを離れることが正式に発表された。北米モータースポーツ史上でも屈指の長期タッグとして知られた両者の24年間にわたる関係が終わりを迎える。

    チームオーナーのチップ・ガナッシは、ディクソンには複数年契約を提示し、チームで現役生活を終える道も用意していたことを明かしたが、本人は別の道を選択したという。

    24年間で6度の王座と58勝を達成
    チップ・ガナッシは声明で、ディクソンから2027年以降はチームに残らない意向を伝えられたことを公表した。

    「スコット・ディクソンから、2027年にはチームへ戻らないという意思を伝えられました」

    「この24年間、スコットはチップ・ガナッシ・レーシングにとってかけがえのない存在でした。ともにシリーズチャンピオンを獲得し、多くの勝利を重ね、この組織を象徴する数え切れない瞬間を築いてきました」

    「彼が築き上げた功績とレガシーを考えれば、チップ・ガナッシ・レーシングで現役生活を終えられる機会を提供することが重要だと考え、複数年契約を提示しました」

    「しかし、彼は別の道を選ぶ決断をしました。その意思を尊重するとともに、今後の成功を心から願っています。スコットはこれからもチームの歴史において特別な存在であり続けます」

    「我々は残るシーズンを9号車PNCチームとともに全力で戦い抜くとともに、チップ・ガナッシ・レーシングの未来への準備も進めていきます」

    ディクソンは2002年シーズン途中にチームへ加入。2003年にインディカーへ転向した初年度からシリーズ王者を獲得すると、その後2008年、2013年、2015年、2018年、2020年と計6度のタイトルを獲得した。

    さらに2008年にはインディアナポリス500も制覇。通算59勝のうち58勝をチップ・ガナッシ・レーシングで挙げており、24年間にわたるパートナーシップは北米モータースポーツを代表する成功例として語り継がれてきた。

    2027年はアロー・マクラーレン移籍が有力
    現在45歳のディクソンは、2026年シーズン第9戦終了時点でランキング10位につけている。今季最高成績はロングビーチでの3位で、22年連続優勝という自身のインディカー記録更新も懸かっている。

    今週にはディクソンが2027年からアロー・マクラーレンへ移籍することで合意したと報じられており、今回の正式発表によってチップ・ガナッシ・レーシング退団は確定した。

    24年間に及ぶ名門チームとの歴史に幕を下ろしたディクソンが、2027年から新天地でどのようなキャリアを歩むのか、大きな注目が集まる。

    【関連】
    ・角田裕毅 F1復帰は厳しい情勢か ホンダ支援でインディカー転向が浮上

  • 角田裕毅 F1復帰は厳しい情勢か ホンダ支援でインディカー転向が浮上

    角田裕毅 F1復帰は厳しい情勢か ホンダ支援でインディカー転向が浮上

    角田裕毅のF1キャリアが大きな転機を迎える可能性が浮上した。2026年はレッドブルのリザーブドライバーを務める角田裕毅だが、2027年のフルタイム復帰は極めて厳しい状況にあると報じられている。

    GPblogによると、角田裕毅はF1以外の選択肢としてインディカーへの転向を視野に入れており、長年支援を受けてきたホンダとの関係がその実現を後押しする可能性があるという。

    2027年のF1復帰は不透明
    2026年シーズン開幕前、角田裕毅はマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして苦戦した後、レッドブルのレギュラーシートを失い、アイザック・ハジャーにその座を譲った。現在はレッドブルとレーシングブルズのリザーブドライバーを務める一方、マネジメントはF1復帰に向けた活動を続けている。

    しかし、昨年のシリーシーズンでは複数チームとの関連が報じられていたのに対し、現在は候補が大幅に減少しているという。

    最近ではハース加入の可能性がたびたび取り沙汰されてきたが、GPblogは「ハースは2027年の候補として角田裕毅を考えていない」と報じている。

    同メディアによると、ハースは日本人ドライバーの起用を検討しているものの、その場合は提携先であるトヨタ陣営のドライバーが前提になるという。一方、長年ホンダの育成・支援を受けてきた角田裕毅は、その条件に当てはまらないとされる。

    さらにハースの候補としては、オリバー・ベアマンの残留に加え、エステバン・オコン、ラファエル・カマラ、レオナルド・フォルナローリらの名前が挙げられている。

    ホンダとの関係がインディカー転向を後押し
    こうした状況を受け、角田裕毅はF1以外にも目を向け始めているという。

    その有力候補がインディカーだ。ホンダはインディカーでエンジンサプライヤーを務めており、パドック内で大きな影響力を持つことから、角田裕毅の参戦を支援できる立場にある。

    GPblogは、インディカーではF1ほどトップドライバーへの戦力集中がなく、優勝を狙える環境が整っていることに加え、経済的なメリットも大きいと指摘している。

    また、日本人ドライバーの成功例として佐藤琢磨を紹介。F1では大きな成功を収められなかった一方で、インディ500を2度制覇し、多額のスポンサー収入や報酬を得た実績があることから、角田裕毅も同様のキャリアを築ける可能性があるとしている。

    有力候補はチップ・ガナッシか
    GPblogは、角田裕毅の移籍先候補としてチップ・ガナッシにも言及している。

    同チームは現在ホンダ製パワーユニットを使用し、現王者アレックス・パロウを擁する強豪として知られる。

    さらに、ベテランのスコット・ディクソンが引退した場合にはシートが空く可能性があり、ホンダの支援を受ける角田裕毅にとって魅力的な選択肢になり得ると伝えている。

    現時点で具体的な交渉が進んでいるとの情報はないものの、F1復帰の道が狭まる中、ホンダとの強固な関係を生かしたインディカー転向が、角田裕毅の次なるキャリアとして現実味を帯び始めているようだ。

    【関連】
    ・角田裕毅 ハースF1加入説に新証言 Sky Sports解説者「第一候補」

  • 佐藤琢磨がミック・シューマッハを称賛「前方争いできる力がある」

    佐藤琢磨がミック・シューマッハを称賛「前方争いできる力がある」

    ミック・シューマッハのインディカー挑戦を支えているのが、インディ500を2度制した佐藤琢磨だ。F1からアメリカン・オープンホイールへ転向した経験を持つ佐藤琢磨は、インディ500の特殊性について語りながら、ルーキーイヤーを戦うミック・シューマッハへの評価と期待を明かした。

    2026年のインディアナポリス500を前に行われたメディア対応で、佐藤琢磨は「レースを愛するドライバーなら誰でもインディ500を好きになる」と語りつつも、その難しさは実際に経験しなければ理解できないと強調した。

    F1とはまったく異なる500マイルの戦い
    F1で育ったドライバーにとって、インディ500はまったく別の競技だと佐藤琢磨は説明する。

    「アドバイスなんてないですよ」と笑いながら切り出した佐藤琢磨は、かつて挑戦したフェルナンド・アロンソを例に挙げながら、インディ500の魅力について語った。

    「フェルナンドのように興味を持っている人なら、きっと好きになることは保証できます。違うタイプのレースですが、レースを愛する人なら間違いなく楽しめます」

    しかし、その後の説明ではインディ500の難しさが次々と明かされた。

    「初めてインディ500を走るドライバーは理解できません。本当に理解できないんです」

    「これは500マイルのレースです。7回か8回のピットストップがありますし、そんな経験はこれまでの人生でないでしょう。しかも午後1時にスタートして午後3時に終わることもあれば、午後3時スタートで5時や6時に終わることもある。コンディションは常に変化しています」

    「最初のスティントと最後のスティントではクルマの感触もまったく違います。徐々にクルマを作り上げていかなければなりません。アグレッシブに攻めるためにはクルマを深く理解する必要がありますが、ルーキーイヤーではそれに時間がかかります」

    8回目の挑戦でつかんだ勝利の意味
    佐藤琢磨自身の歩みも、その考えを裏付けている。

    インディ500初挑戦からの成績は20位、33位、17位、13位、13位、19位、26位。そして2017年、8回目の挑戦で初優勝を成し遂げた。

    佐藤琢磨によれば、500マイルのレース全体をマネジメントできる感覚を得たのは長年の経験を積んだ後だったという。

    現在では各スティントで何をすべきか、どの位置にいるべきかを正確に理解しているが、それは経験によってしか身につかない能力だと考えている。

    ミック・シューマッハを高評価「極めて良い仕事をしている」
    2026年、佐藤琢磨とミック・シューマッハはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングでチームメイトとなった。

    ホンダ製パワーユニットを使用する同チームで、佐藤琢磨はシューマッハを積極的にサポートしている。

    「僕は毎日ミックと話しています。15分前にもクルマについてデブリーフをしました。情報を共有して、できる限り彼をサポートしています」

    「でも先ほど言ったように、ルーキーイヤーではすべてを理解するのは本当に難しい。経験していなければ説明するのも難しいんです」

    それでも佐藤琢磨は、元ハースF1チームのドライバーであるシューマッハの適応力を高く評価した。

    「ミックは極めて良い仕事をしています。非常によく対応できています」

    「ここまで大きなミスはほとんどなく、それがレースでの自信につながっています。レースを重ねる中でさらに多くを学び、前方争いに加わっていけることを期待しています」

    ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得が示した将来性
    実際にシューマッハは2026年インディ500でルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

    決勝では18位でフィニッシュしたものの、内容は順位以上に印象的だった。終盤にはトップ5圏内を走行し、残り4周となる196周目には上位争いに加わっていた。

    しかしターン1でコースを膨らみ、外側のウォールに軽く接触。このアクシデントが最終コーションを引き起こし、フェリックス・ローゼンクビスト、マーカス・エリクソン、デビッド・マルーカスによる1周勝負の決着へとつながった。

    それでもシューマッハはリードラップを維持したまま完走を果たしている。

    佐藤琢磨が繰り返し強調した「経験」の重要性を考えれば、ルーキーイヤーでこれだけの走りを見せたミック・シューマッハの将来は明るいと言える。トップ5争いを演じた2026年の経験は、今後インディ500制覇を目指すうえで大きな財産になるはずだ。

  • デレック・デイリー 衝撃自伝で告白「オピオイド依存地獄」とF1人生

    デレック・デイリー 衝撃自伝で告白「オピオイド依存地獄」とF1人生

    デレック・デイリーの自伝『Serial Survivor』が、大きな反響を呼んでいる。元F1ドライバーとして知られるデイリーは、自身のキャリアだけでなく、1984年の大事故後に苦しんだオピオイド依存や崩壊した私生活まで包み隠さず明かした。

    デレック・デイリーは1978年から1982年にかけてF1で49戦に出場。ウィリアムズ、ティレル、マーチなど複数チームを渡り歩き、その後はアメリカへ活動の場を移してインディカーや耐久レースで成功を収めた。現在ではインディカードライバー、コナー・デイリーの父として知るファンも多い。

    “未加工”で描いた壮絶な人生
    デレック・デイリーは今回の自伝について、意図的に“飾らない表現”を選んだと説明している。

    「かなり率直な内容だ。直接的で、時にはショッキングだと思う」

    「でも、それはフィルターをかけなかったからだ。読者にその瞬間の感情を一緒に体験してほしかった」

    「旅を共にしてほしかったんだ。だからこそ率直で、だからこそ未加工なんだ」

    「正直に言えば、何人かは僕が書いた内容に衝撃を受けていた」

    350km/h超の大事故とオピオイド依存
    本の中でも特に衝撃的なのが、1984年のインディカー事故後の薬物依存についての記述だ。

    ミシガン・インターナショナル・スピードウェイで、デイリーのマシンは350km/h以上でウォールに激突。マシンは大破し、デイリーは足首粉砕、骨盤骨折、肋骨骨折、火傷など重傷を負った。

    14回の手術と長期リハビリを経て復帰したが、本当の苦しみはその後に始まった。

    デイリーは鎮痛剤への依存について、極めて生々しく記している。

    「渇望感はあまりにも酷く、うめき声を上げ、ときには苛立ちで叫んだ」

    「一時的にでも楽になるから、泣くこともあった」

    原稿の校正担当者でさえ衝撃を受けたという。

    「事故後にオピオイド依存に陥った章を読んだ校正担当者は、“これは凄惨だ”と言っていた」

    「彼らはみんなレースファンだった。でも誰も知らなかったんだ」

    デレック・デイリー

    F1前に経験した“鉱山労働”と薬物体験
    自伝では、F1以前の知られざる過去も描かれている。

    若き日のデイリーはレース資金を得るため、西オーストラリアの鉄鉱石鉱山で働いていた。そこでは犯罪者、薬物依存者、暴力が渦巻く過酷な環境に身を置いていたという。

    さらに、同僚に勧められて初めてアヘンを経験した際の描写も赤裸々だ。

    「燃えた火かき棒を体の中心に押し込まれているようだった」

    デイリーは、このエピソードについて「今まで誰にも話したことがなかった」と語っている。

    3度の離婚と崩壊した私生活
    本書ではレースだけでなく、3度の離婚を含む私生活についても深く掘り下げている。

    デイリーは「最も書くのが辛かったのは私生活だった」と認めた。

    「僕は3回結婚して、3回離婚した。そこには必ず原因と結果がある」

    当初、序文を書いたF1ジャーナリストのモーリス・ハミルトンからは「ここまで詳細を書くべきではない」と止められたという。

    しかしデイリーは考えを変えなかった。

    「苦味や恨みはない。でも、人生で最も精神的に破壊された時期だったからこそ、詳細に書く必要があった」

    「だから、その感情を残したかったんだ」

    “Serial Survivor”というタイトルに込めた意味
    デレック・デイリーは、本を書き終えたことで初めて、自分が何度も人生を立て直してきたことに気づいたという。

    「何度も横から殴られ、人生を狂わされてきた」

    「でも、そのたびに前を向いて乗り越えてきた」

    「どんなことが起きても、自分を脱線させることは許さなかった」

    「だからタイトルは“Serial Survivor”になった」

    「倒されても、人はそこで負けるわけじゃない。本当に負けるのは、倒れたまま立ち上がらない時なんだ」

    F1からインディカー、放送界へ
    デレック・デイリーは1953年にアイルランド・ダブリンで生まれ、フォーミュラ・フォード王者からわずか13か月でF1へ到達した。

    1977年にはイギリスF3王座を獲得。F1ではウィリアムズ、ティレル、マーチ、エンサイン、セオドール、ヘスケスから参戦し、通算15ポイントを獲得した。

    F1後はアメリカで再起を果たし、インディカーやスポーツカーで活躍。1990年と1991年にはセブリング12時間レースを連覇した。

    その後はESPNで放送キャリアを築き、アメリカ・モータースポーツ界を代表する解説者の一人となった。

    今回の『Serial Survivor』は、単なるレーサー自伝ではなく、“何度壊されても前へ進み続けた男”の人生そのものを描いた作品となっている。

    Source: speedcafe.com

  • 佐藤琢磨 インディ500勝利の“方程式”を解説「100周までにトップ5が必要」

    佐藤琢磨 インディ500勝利の“方程式”を解説「100周までにトップ5が必要」

    インディ500を2度制している佐藤琢磨が、“世界最大のレース”を勝ち抜くために必要な条件を詳細に語った。

    元F1ドライバーでもある佐藤琢磨は、2017年と2020年にインディアナポリス500を制覇。近年もトップ争いを演じ続けており、2026年大会でもラハル・レターマン・ラニガン・レーシング勢最上位となる10位でフィニッシュした。

    「最初から前にいる方がいい」
    ホンダ主催のメディア向けラウンドテーブルで佐藤琢磨は、インディ500で勝利するための基本条件について語った。

    「最初から前方にいる方がいいのは間違いないです」と佐藤琢磨は笑いながら語った。

    実際、インディ500では11列33台のグリッドのうち、前2列からスタートしたドライバーが勝利するケースが多い。ただし、佐藤琢磨はスターティングポジションだけでは勝てないと強調する。

    「特にここ数年は競争レベルが非常に高い。パドック全体でパフォーマンス差が非常に小さいんです」

    「今はみんながマシン性能の99.9%を引き出している。だから競争が激しい」

    「オーバーテイクは非常に難しい。特に気温が低いコンディションでは“バンドエイド”のような状態になる。前方の乱気流によって莫大なダウンフォースが発生するからです」

    「マシンバランスを取れたドライバーは速く走れる。でも暑い日になると、“ゲームオン”になる」

    経験こそ最大の武器
    佐藤琢磨は、インディ500では経験値が極めて重要だと繰り返し語った。

    ルーキーが勝つことは不可能ではないものの、8回に及ぶピットストップ、2.5マイルオーバル、ドラフティング、トラフィックの中での戦いを経験してきたドライバーこそが、“勝つためのツール”を持っているという。

    「例えば、ニュータイヤの最初の5周は誰でも速い。でもその後は全員がバランス変化に苦しむんです」

    しかし経験豊富なドライバーは、その変化を事前に予測し、レース展開に織り込むことができると説明した。

    佐藤琢磨 インディ500

    “100周までにトップ5”が勝利への条件
    佐藤琢磨はさらに、自身が考えるインディ500勝利への具体的な戦略を明かした。

    「僕が普段やっているのは、100周までに間違いなくトップ5にいる必要があるということです」

    「そして単独走行をして、自分たちの純粋なスピードがどれくらいあるか確認する必要がある。そうすれば戦えるクルマになる」

    「もし遅いなら、トリムしなければいけない」

    さらに佐藤琢磨は、先頭集団とそれ以外ではレースの難易度が大きく異なると説明した。

    「2番手なら比較的簡単にオーバーテイクできる。半周以内に抜き返したり、また抜き返されたりできる。でもそれはトップ2だけです」

    「3番手以下になると乱気流の影響で非常に難しくなる」

    そのため、終盤へ向けたマシン調整も極めて重要になるという。

    「理想的には最後の2スティントではマシンに触りたくない。つまりタイヤ内圧やフロントウイング、リアウイングの調整は4回目のピットストップまでに終えておきたいんです」

    「最後のスティントではトップ3以内にいる必要がある」

    「そうでなければ、イエローコーションなどがない限り勝てる可能性は非常に小さい。ここ数年ずっとそういうレースになっている」

    「だから各スティントの終わりに向けて、少しずつでも前進していかなければいけないんです」

    ローゼンクヴィストが“琢磨理論”を証明
    2026年のインディ500では、メイヤー・シャンク・レーシングのフェリックス・ローゼンクヴィストが優勝を飾った。

    佐藤琢磨自身は勝利を逃したものの、そのレース展開はまさに佐藤琢磨が語った“勝利の方程式”を裏付けるものだった。

    フロントロウからスタートしたローゼンクヴィストは、レースを通じてトップ10圏内を維持。終盤のコーションと赤旗によって、異なるピット戦略を採っていたパト・オワードとともに優勝候補となった。

    そして最後のリスタート時、3番手につけていたローゼンクヴィストは、チームメイトのマーカス・アームストロングとデビッド・マルーカスをかわして優勝を手にした。

    一方の佐藤琢磨も、スポット参戦ながらチーム最上位フィニッシュを記録。インディ500で再び優勝争いを演じるだけの実力を示した。

    2027年、再びインディアナポリスで佐藤琢磨が勝利へ挑む可能性は十分にありそうだ。

  • F1王者ランド・ノリス インディ500参戦に含み「ノーとは言いたくない」

    F1王者ランド・ノリス インディ500参戦に含み「ノーとは言いたくない」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、2026年F1カナダGPでギアボックストラブルによるリタイアを喫した直後、インディアナポリスへ飛び、インディ500の現場を視察した。そこで語った“否定しない姿勢”が、将来的なインディ500挑戦の可能性として注目を集めている。

    マクラーレンは現在、F1に加えてインディカー、そして耐久レース最高峰への本格参戦も進めており、ランド・ノリスの発言は“トリプルクラウン”への布石としても受け止められている。

    フェルナンド・アロンソの挑戦を間近で見てきた世代だからこそ、その世界への憧れを隠さなかった。

    カナダGP直後にインディ500の世界へ
    カナダGPで無念のリタイアを喫したランド・ノリスは、その直後にインディアナポリスへ移動。マクラーレンのホスピタリティで時間を過ごし、元チームメイトのダニエル・リカルドや、インディ500完走者のコナー・デイリーとも再会した。

    さらにノリスは、アロー・マクラーレン代表トニー・カナーン運転のコルベットでインディアナポリス・モーター・スピードウェイのオーバルを走行。2026年インディ500勝者フェリックス・ローゼンクヴィストを祝福し、ザク・ブラウンやロジャー・ペンスキーとともに博物館も訪問した。

    その体験は単なる観光ではなく、“もうひとつのキャリア”を意識させるほど濃密なものだったようだ。

    「ノーとは言いたくない」 ノリスが示した含み
    インディ500が将来的な目標になり得るかを問われたランド・ノリスは、完全否定を避けた。

    「どうなるか分からない。ノーとは言いたくない」とノリスは語った。

    さらにノリスは、F1以外への興味を率直に明かしている。

    「僕は間違いなくF1以外のことにも挑戦してみたいと思っている。F1は何よりも大好きだけど、同時にレース全般が好きなんだ」

    「バイクも好きだし、ラリーも好き。インディカーも好きだ。インディ500だけじゃなく、インディカー全体に興味がある」

    現時点で具体的な参戦計画があるわけではない。しかし、“否定しなかった”こと自体がパドックでは大きな意味を持つ。

    マクラーレンの“トリプルクラウン構想”とも重なる発言
    マクラーレンは現在、F1、インディカー、そして耐久レースへの拡大を進めている。そのため、ランド・ノリスの発言は自然と“トリプルクラウン”の文脈とも結びつく。

    ノリス自身も、その話題を完全には避けなかった。

    「マクラーレンにとってもトリプルクラウンの一部だからね。僕はモナコで勝った。これで1つは終わったことになる」

    「今はチャンピオンシップも獲った。そして残りは2つだ」

    もっとも、ノリスは“トリプルクラウン制覇を人生目標にしてきたわけではない”とも説明している。

    「トリプルクラウン達成を本気で考えたことはない。でも1つはすでに達成している」

    「ここへ来てみて、すべてのウォームアップみたいな感じだ」

    フェルナンド・アロンソの挑戦も、ノリスに影響を与えているようだ。

    「フェルナンドが挑戦する姿を見ていると、より魅力的に感じるようになる。だから本当に分からない」

    まずは“1周” そこから未来は広がるか
    ランド・ノリスは、現時点ですぐにインディ500へ参戦する考えではないことも強調した。

    「経験してみたいとは思う。でも今すぐあのレースに出たいという意味ではない」

    「ただ、インディカーでここを1周するだけでも相当クレイジーだろうね。いつかはやってみたい」

    この発言には興味深い段階性がある。まずは体験。次にテスト。そして将来的に本格参戦――そんな未来を完全には否定していない。

    現在のノリスは依然としてF1タイトル争いの中心にいる。しかし今回のインディ訪問で明確になったのは、彼が“F1だけのドライバー”に留まる可能性が以前より小さくなったということかもしれない。

  • ミック・シューマッハ インディ500ルーキー賞獲得「信じられない体験だった」

    ミック・シューマッハ インディ500ルーキー賞獲得「信じられない体験だった」

    ミック・シューマッハが、2026年のインディ500で強烈な存在感を残した。

    ラハル・レターマン・ラニガン・レーシングから参戦したミック・シューマッハは、初挑戦となったインディアナポリス500マイルレースを18位で完走。27番グリッドから着実に順位を上げ、インディ500ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

    元ハースF1ドライバーにとって、今回のインディ500は単なる新カテゴリー挑戦ではなかった。200周に及ぶ世界最大級のレースイベントを通じて、オーバル特有の緊張感と混乱、そして巨大イベントならではの熱狂を体感した週末となった。

    “世界最大のレースショー”を実感
    ミック・シューマッハは、レース後にインディ500独特のスケール感について語った。

    「これが“世界最大のレースショー”だと言われる理由がよく分かった」とミック・シューマッハはRACERに語った。

    「本当にクレイジーだったし、このイベントの一部になれたことが信じられない。完全に圧倒されたよ」

    シューマッハはインディアナポリス・モーター・スピードウェイでのレース経験がない状態で参戦。それでも序盤の混乱をうまく切り抜け、ピットサイクル中には一時5番手まで浮上した。

    終盤にはウォールに接触する場面もあったが、そのまま走り切り、佐藤琢磨に次ぐチーム2番手で完走した。

    「イエローのタイミングが少し不運だった。あれがなければもっと前で戦えていたと思う」

    「トップ10は十分可能だったと思う。クリーンなレースをしたかったし、それはできた。ただ最後にウォールに当たったけどね……でもインディ500を完走してウォールにも当たったって言える人はそう多くないでしょ?」

    勝者ロゼンクヴィストへのオーバーテイクも話題に
    レース中のハイライトのひとつとなったのが、ミック・シューマッハがフェリックス・ローゼンクヴィストをオーバーテイクした場面だった。

    結果的にこれは周回遅れを取り戻すための動きだったが、後に大きな話題となった。

    「僕はあの場面が大好きだった。周回遅れを取り戻すためだったとしてもね。でも、使えるチャンスは使わないと」

    この積極的な走りは、インディカー経験の浅さを感じさせないものだった。特に300km/h超で続くオーバル戦で躊躇なく仕掛けた姿勢は、現地メディアからも高く評価された。

    “F1ドライバーの息子”では終わらなかった意味
    今回のインディ500は、単なる“ミハエル・シューマッハの息子”という文脈を超える意味を持ったレースでもあった。

    F1では苦戦が続き、シート喪失後にはキャリア停滞も指摘されていたミック・シューマッハだが、インディカー転向後は着実に評価を高めている。

    特に今回のインディ500では、クラッシュ多発のサバイバル戦を完走しただけでなく、冷静なレース運びと積極性の両方を示した。

    レース前には33台のマシン上空をブラックホーク・ヘリコプターが低空飛行する演出にも衝撃を受けたという。

    「本当に低かった。マシンの中でも振動を感じたくらいだった。あれはかなり印象的だったよ」

    巨大イベントの熱狂と、初挑戦ならではの緊張感。その両方を味わったミック・シューマッハにとって、2026年のインディ500はキャリアの転機になった可能性がある。