アレックス・パロウが、2026年インディカー・シリーズのチャンピオンに輝いた。ミルウォーキー・マイルで行われたレースを10位で終え、最終戦を残して4年連続、通算5度目となるタイトルを確定させた。
4年連続のシリーズ制覇は、セバスチャン・ブルデーが2004年から2007年にかけて達成した記録に並ぶものだ。さらに通算5度のタイトル獲得は、A.J.フォイト、スコット・ディクソンに続く史上3人目の快挙となった。
パロウが4年連続でアスター・カップ獲得
チップ・ガナッシ・レーシングのパロウは、日曜日に行われたミルウォーキーでの「Snap-On Makers and Fixers 250」を10位でフィニッシュ。これにより、カリフォルニア州ラグナ・セカで行われる最終戦を待たずして2026年のシリーズチャンピオンを決めた。
29歳のスペイン人ドライバーは2021年に初タイトルを獲得。その後、2023年から2026年まで4シーズン連続で頂点に立ち、通算タイトル数を5に伸ばした。
インディカー史上、5回以上のタイトルを獲得したドライバーはわずか3人。最多はA.J.フォイトの7回で、現チームメイトのスコット・ディクソンが6回、パロウが5回で続く。
また、4年連続タイトルはセバスチャン・ブルデーがチャンプカー時代の2004年から2007年に記録して以来となる。ブルデーは4連覇を達成した翌年の2008年にF1へ転向している。
2026年も圧倒的な安定感
パロウは今季17レースで6勝を挙げ、トップ5フィニッシュ12回、トップ10フィニッシュ14回を記録した。
ミルウォーキーでは土曜日に予定されていた250周のレースが、90周を消化したところで雨とウエットコンディションのため中断。残りのレースは日曜日に再開され、パロウは10位でフィニッシュした。
さらに、同日に行われた当初の日曜日開催予定のレースでも5位に入り、過酷なダブルヘッダーを安定した成績で乗り切った。
パロウの強さを象徴しているのが、その驚異的な安定感だ。過去2シーズンの33レースで、トップ10圏外が2戦連続したことは一度もない。
前戦ワシントンD.C.のフリーダム250グランプリでは20位に終わったが、過去2年間で20位以下となったのはわずか3回だった。

2年間で14勝 インディ500制覇も達成
2025年のパロウは8勝を挙げ、自身初となるインディアナポリス500制覇も達成した。2026年の6勝を合わせると、わずか2シーズンで14勝を挙げたことになる。
ライバルたちも、パロウとチップ・ガナッシ・レーシングの完成度を認めている。
ランキング3位につけるカイル・カークウッドは、ポートランドでパロウについて次のように語っていた。
「彼らはすべてを正しくやっている。あいつには不運がほとんどないし、4年か5年にわたって、すべてを完璧にやり続けている。彼らには脱帽だ。本当に素晴らしい仕事をしている。僕たちにとっては地獄だけどね」
ランキング2位のクリスチャン・ルンガードも、開幕戦セントピーターズバーグでパロウが優勝した際、その圧倒的な強さについて冗談交じりに語っていた。
「僕が表彰台で2位か3位になるたびに、彼が1位にいる。かなり鬱陶しいよ」
チップ・ガナッシも最多18度目のタイトル
パロウのタイトル獲得によって、チップ・ガナッシ・レーシングにとっても歴史的な記録が生まれた。
同チームのインディカーにおけるドライバーズタイトルは通算18回となり、17回で並んでいたチーム・ペンスキーを抜いて歴代最多となった。
パロウは8月のポートランドで優勝した際、現在の成功が永遠に続くものではないと理解していることが、チーム全体のモチベーションにつながっていると話していた。
「僕たちは、このポジションにいられることが本当に幸運なんだ。すべてが揃っている。これが次の週末に終わるのか、来年なのか、2028年なのかは分からない。いつかは終わる。永遠に続くことなんてあり得ないからね」
「僕たちは、自分たちがどれだけ恵まれているのかを理解しながら、すごくいい仕事ができていると思う。“僕たち”というのはチームも、10号車のみんなも、CGR全体も含めてだ。それが僕たちのモチベーションを維持しているんだと思う」
マクラーレンとの訴訟を経てガナッシと長期契約
2026年のパロウは、コース外では大きな問題を抱えた状態でシーズンを迎えていた。
ロンドンの高等法院は、パロウがマクラーレン・レーシングとの2つの契約を履行しなかったことを巡る訴訟で、1200万ドル(約17億円)を超える支払いを命じた。
それでもパロウはチップ・ガナッシ・レーシングに残留。2021年に同チームへ加入して以来、インディカーを代表するドライバーへと成長した。2026年5月には、それまで2027年末までとなっていた契約をさらに延長する複数年契約を結んでいる。
4年連続、そして通算5度目のシリーズタイトル。2025年にはインディ500も制し、2シーズン続けて最終戦を待たずに王座を決めたパロウは、30歳を迎える前にインディカー史上最多タイトルを持つフォイトとディクソンに次ぐ位置まで到達した。
