カテゴリー: スクーデリア・フェラーリ

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1のメルセデス追撃に自信「それほど遠くない」

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1のメルセデス追撃に自信「それほど遠くない」

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1シーズン後半戦に向け、フェラーリがメルセデスとの差を縮められるとの自信を示した。マシンへの理解が深まり、さらなるアップデートも予定されていることから「それほど遠くない」と手応えを口にしている。

    2026年はフェラーリ加入2年目を迎えたハミルトンにとって、苦戦した2025年から大きく前進するシーズンとなっている。第6戦スペインGPではフェラーリ移籍後初優勝を飾り、さらに3度の表彰台を獲得。

    ここまで全レースウイークでポイントを獲得している唯一のドライバーであり、ドライバーズランキングでは首位アンドレア・キミ・アントネッリから50ポイント差の2位につけている。

    一方で、メルセデスのジョージ・ラッセルがわずか9ポイント差に迫り、サマーブレイク直前にはマクラーレンとレッドブル・レーシングも大きなパフォーマンス向上を見せた。41歳のハミルトンは、後半戦では4チームによる接戦が続くと予想している。

    フェラーリの開発に手応え「正しい方向に進んでいる」
    F1オランダGPを前にしたメディアデーで、ルイス・ハミルトンはフェラーリの開発状況について前向きな見通しを示した。

    「開発面でこれからも前進し続けられることを願っている。チームは本当に懸命に取り組んでいて、今週末には最初の小さなステップがあると思う。それには本当に感謝している」

    「どのチームもそうだけど、新しいパーツを投入するために全員がものすごいプレッシャーの中で働いている。でも、僕たちはマシンに関して正しい方向へ進んでいる」

    現時点でコンストラクターズ選手権をリードするのはメルセデスだが、フェラーリはシーズンが進むにつれてその差を縮めてきた。さらにマクラーレンとレッドブル・レーシングも上位争いに加わり、勢力図は接近している。

    「もちろんメルセデスはまだ首位にいる。マクラーレンもそこに加わってきたし、レッドブルもものすごく速い。4チームが本当に接近している」

    「でも、僕たちは自分たちの仕事をできる限りうまくやることだけに集中している。後半戦ではもっといい仕事ができると思っているし、それが目標だ」

    「メルセデスとの差はそれほど遠くない」
    ハミルトンは現在の戦いを、シーズンを通した「開発競争」と表現する。開幕から主導権を握ってきたメルセデスに対し、フェラーリは継続的なアップデートによって追いつこうとしてきた。

    「常に開発競争だ。メルセデスは一年を通してリードしてきたから、僕たちは開発で追いつこうとしてきた。常にマシンへ少しずつ新しいものを加えてきたけど、もちろん他のみんなも同じように新しいものを加えている」

    「だから、僕たちはギャップを縮め続けなければならない。でも、それは本当に可能だと信じている。それほど遠くないと思う」

    フェラーリはここまで307ポイントを獲得。メルセデスを追うコンストラクターズランキング2位につけており、後半戦でどこまで差を詰められるかが焦点となる。

    ハミルトンは、シーズン前半を通じて蓄積したデータによってマシンへの理解も大きく進んだと説明する。

    「今はマシンのことをずっとよく理解しているし、すべてを分析してきた」

    前半戦で得た知見を後半戦のセットアップと開発へ反映し、タイトル争いでメルセデスにプレッシャーをかけることがフェラーリの次の課題となる。

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    ルクレール「メルセデスが依然として本命」
    チームメイトのシャルル・ルクレールも2026年に1勝を挙げている。第9戦イギリスGPで勝利を飾ったルクレールは、オランダGPでのフェラーリの競争力について慎重な姿勢を示した。

    ザントフォールトはテクニカルな特性を持つ一方、フェラーリにとって歴史的に相性の良いサーキットとは言えない。2025年にはハミルトンとルクレールがそれぞれ別のクラッシュによってリタイアしている。

    「もちろんメルセデスが依然として本命だ。でも、これだけテクニカルなサーキットなら、理論上は僕たちもかなり強いはずだ」

    「ただ同時に、歴史的にここはチームにとって非常に難しいサーキットでもある。だから、その2つの予想の間で少し迷っている」

    ルクレールは結果を予測することよりも、週末へ向けた準備に集中していると強調した。

    「期待について考えることにはあまり時間を使っていない。今週末に向けてできる限り準備を整える、そのプロセスにずっと集中している。僕たちはやるべきことをやってきたと思う」

    「数週間の休暇を終えてコースに戻れるのはうれしいし、今週末を楽しみにしている」

    メルセデスが前半戦で築いた優位を維持する一方、フェラーリ、マクラーレン、レッドブル・レーシングが差を縮め、2026年F1シーズンの上位争いはさらに接近している。フェラーリにとってオランダGPは、ハミルトンが語る「それほど遠くない」というメルセデスとの差を実際にどこまで縮められたのかを測る重要な一戦となる。

  • フェラーリF1 マクラーレンの台頭を警戒せず「週末ごとに勢力図は大きく変わる」

    フェラーリF1 マクラーレンの台頭を警戒せず「週末ごとに勢力図は大きく変わる」

    2026年F1ハンガリーGPでマクラーレンが今季初勝利を挙げたが、フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールは、後半戦に向けて新たな脅威として警戒する考えを否定した。週末どころかセッション間でもパフォーマンスが「大きく変動する」と指摘し、ライバルではなくSF-26の改善に集中する姿勢を強調している。

    一方、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、フェラーリが依然としてグリッド最高のシャシーを持っていると評価。

    特に低速コーナーで明確な優位が残っているとしており、ハンガリーでの勝利だけをもって勢力図が変わったとは考えていない。

    マクラーレン今季初勝利でもバスールは動じず
    2026年シーズン序盤はメルセデスが圧倒的な強さを見せたが、第7戦スペインGPでルイス・ハミルトンが勝利し、その連勝を止めた。その後、フェラーリはさらに1勝を追加し、第11戦ハンガリーGPではランド・ノリスがマクラーレンに今季初勝利をもたらした。

    ハンガロリンクではノリスがポールポジションから優勝。マックス・フェルスタッペンが2位、キミ・アントネッリが3位に入り、フェラーリ勢はシャルル・ルクレールが4位、ハミルトンが5位だった。

    フェラーリにとって完璧なレースではなかったものの、表彰台を争えるだけのペースは示していた。

    マクラーレンがメルセデス、フェラーリと並ぶトップ争いの一角に加わったのではないかと問われたバスールは、その見方自体にあまり意味はないと語った。

    「私はそういう質問を自分自身にはしていない。週末ごとに状況が違うからだ」

    「自分たち自身に集中して、マシンにパフォーマンスをもたらすことに取り組まなければならない」

    さらにバスールは、同じグランプリの中でも勢力関係が大きく変化する可能性を指摘する。

    「FP1からFP2の間だけでも、パフォーマンスには大きな振れ幅がある。勢力バランスについて考えるなら、それは興味深いことだ」

    つまり、ハンガリーでマクラーレンが勝ったという一つの結果から、後半戦の勢力図を固定的に判断することはできないという考えだ。

    スクーデリア・フェラーリ

    バスール「ランドは飛ぶように走っていた」
    バスールは、マクラーレンの勝利にはハンガロリンクでノリスが発揮した個人的な速さも大きく影響したとみている。

    「明らかなのは、ランドが非常に速かったということだ。オスカーよりもかなり速かった」

    「我々がオスカーの後ろで詰まっていたとき、おそらく我々の方が彼より速かったと思う。一方でランドは、単独で走っているときには飛ぶように速かった」

    ノリスは前年のハンガリーGPでも勝利しており、ハンガロリンクとの相性の良さを改めて示した形となった。

    この発言からも、バスールが今回の結果を単純な「マクラーレンのマシンがフェラーリを上回った」という構図では捉えていないことが分かる。

    フェラーリとマクラーレンがメルセデスを追う展開
    ハンガリーGPは、フェラーリとマクラーレンの双方がメルセデスを上回るポイントを獲得した今季2度目のレースとなった。最初はスペインGPだった。

    ただし、コンストラクターズ選手権では依然としてメルセデスが大きくリードしている。ハンガリーGP終了時点でフェラーリは72ポイント差、マクラーレンは159ポイント差を追う立場にある。

    メルセデスが序盤ほど圧倒的ではなくなっている一方で、フェラーリとマクラーレンがその差を一気に縮められる状況にはまだ至っていない。

    特にマクラーレン側は、ハンガリーで勝利したからといって、今後すべてのサーキットでフェラーリと互角に戦えるとは考えていない。

    ステラ「フェラーリにはまだ最高のシャシーがある」
    マクラーレン代表のアンドレア・ステラは、SF-26について極めて高い評価を示している。

    「フェラーリは、コーナーでグリップを生み出すという意味では、依然として最高のシャシーを持っていると思う」

    その差が特に表れているのが、ブレーキングから低速コーナーへ進入する局面だという。

    「それはブレーキングで非常に明確だ。ターン1やターン12のように、ブレーキをかけながら低速コーナーへターンインするところでは、依然として他の全チームよりかなり先にいる」

    ハンガロリンクのターン1とターン12はいずれも、強いブレーキングからマシンを旋回させる必要がある。そこでフェラーリはSF-26の強みを発揮していたというのがステラの分析だ。

    マクラーレンは中高速域でフェラーリとの差を縮小
    一方で、マクラーレンもシーズンを通して弱点を改善している。

    「我々は中高速域でマシンを改善することができた。そこではフェラーリとより近いところまで来ている」

    ただし、低速域については依然として差がある。

    「ターン1やターン12を見ると、まだかなりのタイムを失っている」

    ハンガロリンクはコーナリング性能が重要なサーキットだが、興味深いことにマクラーレンがフェラーリに対して稼いでいた部分のひとつはストレートだったという。

    「ハンガリーはコーナーでのパフォーマンスが非常に重要なコースだが、実際にはフェラーリとのラップタイム差の一部をストレートで稼いでいた」

    「いくつかの領域では改善できていて、少なくともここハンガリーではフェラーリと比較できるレベルになった。ただ、低速ではさらに改善する必要がある」

    メルセデスHPP製PUもマクラーレンの武器
    ステラはストレートでの改善について、メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)製パワーユニットの恩恵もあると説明した。

    「パフォーマンスの一部はストレートから来ていた。これはHPPのパワーユニットを使っているメリットだと思う」

    2026年の新パワーユニット規則下では、エネルギーマネジメントや電気エネルギーの使い方がラップタイムを大きく左右する。ハンガリーではマクラーレンがコーナリングだけでなく、ストレートでタイムを稼げたことも勝利につながった。

    ただし、ステラ自身が認めるように、低速コーナーでのSF-26の性能は依然としてマクラーレンを上回っている。

    後半戦の焦点は「誰が速いか」より開発競争
    ハンガリーGPだけを見ればマクラーレンが勝者となったが、フェラーリとマクラーレン双方の分析は、単純な序列変更を示してはいない。

    バスールが強調するのは、FP1からFP2だけでもパフォーマンスが大きく変化するほど、現在のF1ではマシンのセットアップやサーキット特性による振れ幅が大きいという点だ。そのためフェラーリは、マクラーレンを新たな脅威として意識するよりも、SF-26からさらに性能を引き出すことを優先している。

    一方のマクラーレンも、中高速域やストレートではフェラーリとの差を縮めたものの、低速コーナーでは依然としてSF-26に優位があると分析している。

    メルセデスを追うフェラーリとマクラーレンにとって、後半戦の争点は一戦ごとの勝敗だけではない。サーキットごとに大きく変化する勢力図の中で、それぞれの弱点をどこまで減らせるかが、シーズン終盤に向けた競争力を左右することになりそうだ。

  • オリバー・ベアマン ハミルトン復調に複雑「僕のF1での将来には理想的ではない」

    オリバー・ベアマン ハミルトン復調に複雑「僕のF1での将来には理想的ではない」

    オリバー・ベアマンは、ルイス・ハミルトンが2026年のF1で復調を遂げたことについて、将来的なフェラーリ昇格を目指す自身にとっては「理想的ではない」と認めた。一方で、21歳という年齢を考えれば焦る必要はなく、現在所属するハースで経験を積むことにも大きな価値があると考えている。

    フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)出身のベアマンは、現在ハースでF1に参戦している。

    将来的なフェラーリのレギュラードライバー候補として以前から名前が挙がっているが、ハミルトンの復活によって、そのタイミングは遠のく可能性がある。

    ハミルトン復活を喜ぶ一方で「僕の将来には理想的ではない」
    ハミルトンは2025年、フェラーリ加入初年度に苦しいシーズンを過ごした。その状況から、ベアマンが早い段階で後任候補になるのではないかとの見方も強まっていた。

    しかし、2026年にF1のテクニカルレギュレーションが大きく変更されると、ハミルトンは競争力を取り戻した。バルセロナではフェラーリ加入後初となるグランプリ優勝を達成し、現在はアンドレア・キミ・アントネッリに次ぐドライバーズランキング2位につけている。

    ベアマンはF1公式ポッドキャスト『Beyond the Grid』で、ハミルトンの復活について次のように語った。

    「F1ファンとして、それに僕はルイスのファンでもあるから、彼が今のようなレベルで走っているのを見るのはすごくクールだ」

    「バルセロナで彼が表彰台の一番上に立つ姿を見られたのは、イギリスのF1にとってもかなり特別な瞬間だった。表彰台にはイギリス人が3人いて、僕たちがこれまで見てきたなかで最高のドライバーが1位だった。本当に特別なことだと思う」

    ただし、その活躍が自身のフェラーリ昇格という観点では歓迎すべき材料ばかりではないことも理解している。

    「もちろん、僕の将来という意味では理想的ではない。でも、僕はまだ若い。まだ21歳だし、それほど急いでいるわけじゃない」

    「当面ハースに残ることも、僕にとって悪いことではないと思っている。このチームで学べることはたくさんあるし、まだ達成できることもたくさんある」

    ベアマンにとって、ハースでの時間は単なるフェラーリ昇格までの待機期間ではない。F1ドライバーとして成長し、自身の価値を高める重要な過程でもある。

    2024年にフェラーリからF1デビュー
    ベアマンとフェラーリの関係は、育成ドライバーという枠だけにとどまらない。

    2024年F1サウジアラビアGPでは、虫垂炎によって欠場したカルロス・サインツJr.の代役として急きょフェラーリのマシンをドライブ。これがベアマンにとってF1デビューとなった。

    準備時間がほとんどない状況での参戦だったが、ベアマンはその機会を生かし、将来のフェラーリ候補として存在感を高めた。その後ハースでフル参戦を開始し、フェラーリとの関係を維持しながらF1で経験を積んでいる。

    現状では、2027年もハースで戦う可能性が高いとみられている。ハミルトンが2026年に復調していることを考えれば、フェラーリが短期的にドライバーラインアップを変更する必要性も薄れている。

    それでもベアマン自身の最終目標は変わっていない。

    オリバー・ベアマンとルイス・ハミルトン

    「目標はいつかフェラーリのドライバーになること」
    ベアマンは、いつの日かフェラーリのレギュラードライバーになることが自身の目標だと明言する。

    「僕の目標は、いつかフェラーリのドライバーになること。それは変わらない」

    ただし、フェラーリのシートが空くまで無期限に待ち続けるつもりもない。

    「もちろん、シートが空くのを3年、4年、5年と座って待ち続けたいわけではない。何の保証もないからね。それでは自分の一番いい時期を無駄にしてしまう可能性がある」

    その発言からは、フェラーリへの強い思いと同時に、F1ドライバーとして自らのキャリアを最優先する姿勢もうかがえる。

    「僕の究極の目標は、少し利己的かもしれないけど、それでいいと思っている。それが僕がここにいる理由だから。僕はワールドチャンピオンシップを争いたい」

    「だから、それがどこであっても、そのチャンスを得られるなら僕はつかむ」

    フェラーリだけを待つつもりはないベアマン
    ベアマンの発言で重要なのは、フェラーリ昇格への意欲を改めて示しながらも、それを唯一のキャリアパスとは考えていない点だ。

    ハミルトンが2025年の苦戦から立ち直り、2026年に優勝争いへ戻ったことで、ベアマンが近い将来フェラーリへ昇格するための空席は見えにくくなった。だが、21歳のベアマンにはまだ時間があり、ハースで経験を重ねること自体が将来の選択肢を広げることにつながる。

    フェラーリの赤いレーシングスーツを着てF1世界選手権を戦うことは今も最大の目標だ。しかし、数年間にわたってただその機会を待つのではなく、タイトルを争えるチャンスが別の場所に現れれば、それを選ぶ覚悟もある。

    ハミルトンの復活によってフェラーリへの最短ルートは狭まったかもしれない。それでもベアマンにとって最終的に重要なのは「フェラーリに乗ること」だけではなく、「F1ワールドチャンピオンを争うこと」である。

  • ルイス・ハミルトン F1グラウンドエフェクト時代の苦戦説に反論「大半より勝った」

    ルイス・ハミルトン F1グラウンドエフェクト時代の苦戦説に反論「大半より勝った」

    ルイス・ハミルトンは、F1のグラウンドエフェクト時代のマシンに適応できなかったとの見方に反論した。2026年に復調を遂げている7度のF1ワールドチャンピオンは、2022年から2025年までの成績について「それでも大半のドライバーより多く勝っていた」と強調している。

    2014年からF1を席巻したハミルトンは、7年間で6度のドライバーズタイトルを獲得。その圧倒的な時代は、2021年にレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンにタイトルを奪われたことで終わりを迎えた。

    2021年の激しいタイトル争いを経て、ハミルトンが2022年にF1へ戻るかどうかは一時不透明だった。そして実際にコックピットへ戻ると、それまでと比べて成績は明らかに低下した。

    その一因として前年のタイトル争いによる影響も考えられたが、最大の問題はメルセデス側にあった。チームが採用した独特なゼロサイドポッド・コンセプトは、風洞で示されていたレベルのダウンフォースを実際のコース上で生み出すことができなかった。

    グラウンドエフェクト時代の4年間で2勝
    その後、メルセデスがマシンを改善していっても、ハミルトンは安定したパフォーマンスを取り戻すことができなかった。

    2025年にフェラーリへ移籍すると、新たなチームメイトとなったシャルル・ルクレールに大きく後れを取った。ルクレールが7度の表彰台を獲得した一方、ハミルトンは一度も表彰台に立つことができなかった。

    2022年から2025年までのグラウンドエフェクト時代を通じても、ハミルトンが挙げた勝利は2勝にとどまった。

    しかし、2026年にF1マシンのレギュレーションが一新されると状況は変化した。より軽量で機敏になった新世代マシンでハミルトンは復調し、現在はフェラーリ勢をリードするパフォーマンスを見せている。

    「以前の世代のマシンに少し近い感覚でドライブできる」とハミルトンは語った。

    「前の世代のマシンで勝ったレースでも、僕は今とまったく同じようにドライブしていた。だから、あの世代のマシンは僕に合っていなかったという話がいろいろあるけど、それでもあの期間に、おそらく大半のドライバーより多くのレースで勝っている」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    「今のマシンは少し扱いやすく寛容」
    ハミルトンは、2026年型マシンでは軽量化やバウンシングの解消によって扱いやすさが増した一方、パワーユニットのエネルギー展開という新たな難しさが加わったと説明する。

    「今のマシンは少し扱いやすくて、より寛容だし、軽くなっている。それにバウンシングもない」

    「ただ、スロットルやパワーの使い方にはかなり取り組む必要がある。それをエンジニアと一緒に調整していく必要があって、またひとつ別の要素が加わっている」

    2026年のF1では、ドライバーのスロットル操作がエネルギー展開にも大きな影響を与える。ハミルトンは、これまで以上に細かなスロットル操作とエネルギーマネジメントへの理解が重要になっていると語った。

    「以前は純粋にドライバビリティの問題だった。でも今は、ドライバビリティがエネルギーをどこで展開するかにも関係していて、それを常に変えている」

    「実際、ハーフスロットルにしたり、スロットルを戻したり、踏み直したり、10%だけ戻したりすることで、ラップを通じたエネルギー展開が変わる。だから、それを理解することは以前よりさらに重要になっている」

    グラウンドエフェクト時代にメルセデスとフェラーリで苦戦したことで、その特性がハミルトンのドライビングスタイルに合わなかったとの評価も根強い。しかし本人は、その見方を否定。2026年の復調についても自身のドライビングを大きく変えた結果ではなく、軽量で寛容になった新世代F1マシンの特性が影響しているとの考えを示した。

  • シャルル・ルクレール F1新世代マシンの難しさ語る「データだけでは答えが出ない」

    シャルル・ルクレール F1新世代マシンの難しさ語る「データだけでは答えが出ない」

    フェラーリのシャルル・ルクレールは、2026年のF1新世代マシンがドライバーに突きつけている難題について語った。以前のようにデータを見れば改善すべきポイントが明確になるわけではなく、パワーユニットや各種制御を含めた多数の要素が複雑に絡み合っているという。

    2026年の新レギュレーション導入後、ドライバーからは激しいスーパークリッピングや、レース中に加速と減速を繰り返すような走り方について不満の声が上がっている。

    一方、ルクレールは新世代マシンを単純に否定するのではなく、その特性を理解しようとする姿勢を崩していない。

    「以前のようにデータを見れば分かるわけではない」
    ドライビングスタイルを新しいマシンにどう適応させているのかと問われたルクレールは、単純な答えは存在しないと説明した。

    「パワーユニットや、すべてがどう設定されているかにも大きく左右されると思う」

    「だから、このマシンはすごく難しい。さまざまな変数があまりにも多い。以前ならデータを見て、『ここで明らかにタイムを失っている。だから自分のドライビングをここで変えなければならない』とはっきり判断できた。でも、今はそうではない」

    「自分のドライビングを変えても、プログラミングがそれとは逆の方向に働いていたら、最初よりもずっと悪くなってしまうことがある」

    ルクレールによれば、これこそが現在のマシンと過去のF1マシンとの大きな違いだという。

    「だから、本当にいろいろな変数がある」

    こうした複雑さは、チームやドライバーが2026年型マシンの「正しい」走らせ方をなかなか見つけられない理由のひとつでもある。サーキットによってアプローチが変わるだけでなく、同じコースでもコーナーごとに求められるものが異なる場合がある。

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

    新世代マシンへの評価は「白か黒ではない」
    プレシーズンテストが始まる前から、2026年型マシンのドライビングについてはさまざまな懸念が語られていた。しかし、ルクレールはそうした事前の評価をあまり気にしなかったという。

    「すごくオープンな考え方で臨む必要があると思う」

    実際、ルクレール自身の2026年シーズンも、新世代マシンに対する印象が短期間で大きく変化することを示している。

    「シーズン序盤はマシンにすごく乗りやすさを感じていたし、かなり強かった。でも、モナコとモントリオールではこのマシンにかなり苦しんだ。その後、かなり多くのことを変更して、少しずつ戻ってきた」

    ルクレールは、こうしたパフォーマンスの変動を単純にドライバーの走りの良し悪しだけで説明することはできないと考えている。

    「でも、このマシンでは物事がそれほど白か黒かではっきりしているとは思わない。さまざまな変数があるし、少しうまくいかなくなったときに、それが全体にどんな影響を及ぼしているのかを理解するのは、見た目以上にずっと難しい」

    「アグレッシブに走れば速い」とも限らない
    この複雑さは、2026年型マシンではアグレッシブなドライビングほどラップタイムを引き出せるという見方についても、ルクレールを慎重にさせている。

    「このマシンでは、とにかくアグレッシブに走ればうまくいくという意見には、僕はあまり賛成できない。少なくとも僕たちのマシンではそうだ。でも、別のマシンならそれが機能するかもしれない」

    重要なのは、ひとつのドライビングスタイルがすべての2026年型F1マシンに当てはまるわけではないという点だ。パワーユニットの制御やエネルギーマネジメント、マシン側の設定とドライバーの操作が相互に影響するため、あるチームで有効な走らせ方が別のチームでも通用するとは限らない。

    ルクレールの言葉からは、2026年のF1ではドライバーが単純にマシンへ適応するだけでは足りず、技術面を含めた複雑な要素をチームとともに理解しながら最適解を探し続ける必要があることが浮かび上がっている。

  • キャデラックF1新代表 フェラーリPUの「隠されたノウハウ」に注目

    キャデラックF1新代表 フェラーリPUの「隠されたノウハウ」に注目

    キャデラックF1の新チーム代表に就任するマルチン・ブコウスキーは、チームがフェラーリ製パワーユニット(PU)の性能を最大限に引き出せているのかを精査する考えを示した。

    2026年のF1では、新世代PUのエネルギーマネジメントが大きなパフォーマンス要因となっている。ブコウスキーは、ワークスとカスタマーに同一のハードウェアが供給されていても、その使い方に関するすべてのノウハウが共有されるとは限らないと指摘。

    フェラーリを非難する意図はないと強調したうえで、キャデラック側にも改善できる余地があるとの認識を示した。

    新代表ブコウスキーがフェラーリPUの活用法を精査
    キャデラックは将来的にゼネラルモーターズ(GM)製PUを投入してワークスチームとなる計画だが、F1参戦初年度となる2026年はフェラーリからPUの供給を受けている。

    チームはサマーブレイク中に首脳陣を刷新。グレアム・ロードンをチーム代表から解任し、アルピーヌF1でエグゼクティブディレクターを務めたブコウスキーを後任に起用した。

    ブコウスキーが着任後に確認したいポイントのひとつが、フェラーリPUの使い方だ。

    2026年シーズン前半には、ワークスとカスタマーチームの間で新世代PUに関する知識の差が話題となった。特にマクラーレンは序盤戦で、メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズから提供される情報が十分ではないとの問題意識を示していた。

    新規則では電気エネルギーの管理がこれまで以上に重要となっており、同じPUを搭載していても、その制御や運用方法によって実際に引き出せるパフォーマンスには差が生じる。

    「もちろん、我々はフェラーリのカスタマーだ。レギュレーションに従って、同じハードウェア、同じエンジンを供給してもらっている」とブコウスキーは語った。

    「ただ、今年はフェラーリに限った話ではなく、特にメルセデスのエンジンを見ても分かるように、主にエネルギーマネジメントの細かな部分を理解することで、まだ多くのパフォーマンスを引き出せることが分かっている。それがパフォーマンスを左右する要素になっている」

    「これは我々のチームでも確認しなければならないことだと思う。供給されているハードウェアを本当に最大限に活用できているのか、ということだ」

    「すべての秘訣を共有するとは限らない」
    ブコウスキーは、フェラーリPUそのものの競争力には疑問を持っていない。むしろ重要なのは、キャデラックがその能力をどこまで引き出せているかだと考えている。

    「エンジンには競争力がある。ADUOによるアップグレードで、さらに競争力を増していくだろう。ただ、我々が本当にそのポテンシャルを最大限に使えているのかという問題がある」

    2026年から導入されたADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)は、PUメーカー間の性能差に応じて追加開発の機会を認める仕組みだ。シーズン中の性能評価に基づいて開発機会が与えられるため、フェラーリPUにも今後さらなる性能向上の余地がある。

    一方で、ブコウスキーはPUメーカーとカスタマーチームの関係には、単純なハードウェア供給だけでは説明できない部分が存在すると指摘する。

    「もちろん、サプライヤーとの関係は重要だ。ただ、最大限のパフォーマンスを引き出すための『商売上の秘訣』を、サプライヤーが必ずしもすべて共有するわけではないという部分は常にある」

    「それはフェアなゲームだし、チーム側が取り組むべきことだ。フェラーリや、グリッド上の誰かを責めているわけではない」

    つまり、フェラーリには規則で定められた同等のPUを供給する責任がある一方、そのPUをどう使いこなし、エネルギーマネジメントを最適化するかはキャデラック自身の技術力に委ねられるという考えだ。

    「可能な限り最高のエンジンを供給するという部分があり、もうひとつには、それを可能な限りうまく使うという部分がある」

    「これは間違いなく、僕がチームに加わったときに確認していくことのひとつだ」

    同じPUでも差を生む2026年F1のエネルギーマネジメント
    2026年のF1では、PUに占める電動システムの重要性が大幅に高まったことで、エネルギーの回収、蓄積、放出をどのように管理するかがラップタイムを左右する重要な要素となった。

    そのため、同じメーカーのPUを搭載するチームであっても、ハードウェアが同じだからといって必ずしも同じ性能を発揮できるわけではない。PUの制御方法だけでなく、車体側との統合、ドライバーの操作、レース中のエネルギー配分などを含めた総合的な最適化が必要になる。

    ブコウスキーが例に挙げたメルセデスとマクラーレンの関係は、その難しさを象徴している。2026年序盤には、マクラーレンが新PUの運用に必要な情報についてメルセデス側との間に課題があることを認めており、カスタマーチームが同一ハードウェアから最大性能を引き出す難しさが浮き彫りとなった。

    キャデラックも同じ課題に直面している可能性がある。11戦を終えた段階でチームはまだ今季初ポイントを獲得できておらず、バルテリ・ボッタスが中国GPで記録した13位がここまでの最高成績となっている。

    ブコウスキーにとって、フェラーリとの関係を強化することだけが解決策ではない。供給されたPUについてキャデラック自身が理解を深め、フェラーリが持つすべての運用ノウハウを知らなくても最大限の性能を引き出せる体制を構築することが重要になる。

    将来的にGM製PUを自社で扱うワークス体制への移行を目指すキャデラックにとっても、PUのハードウェアだけでなく、その性能を引き出すための知識と技術をチーム内部に蓄積することは欠かせない。ブコウスキーの着任後、その作業がどこまでキャデラックの競争力向上につながるかが注目される。

  • 元フェラーリ育成マヤ・ウィーグ苦境 F1アカデミー卒業後「レース予定がない」

    元フェラーリ育成マヤ・ウィーグ苦境 F1アカデミー卒業後「レース予定がない」

    フェラーリの育成ドライバーとしてF1アカデミーでタイトルを争ったマヤ・ウィーグが、わずか1年でレース参戦の機会を失う厳しい状況に直面している。

    昨季までF1アカデミーのフロントランナーとして活躍したウィーグは、今季に向けて準備していた計画が開幕直前に崩壊したことを明かした。現在は今後出場するレースが決まっておらず、「キャリアで最も厳しい1年」と現在の心境を語っている。

    F1アカデミーでタイトル争いも一転
    オランダのライセンスで参戦するウィーグは、かつてフェラーリ・ドライバー・アカデミーに所属。2025年のF1アカデミーではフェラーリのカラーを背負い、3勝を挙げてランキング2位となった。

    表彰台争いを続けていた当時から、まだ1年も経っていない。しかし現在の状況は大きく異なる。

    ウィーグは自身のSNSで、これまで表には出してこなかった苦境について明かした。

    「これをどう書けばいいのか、本当に分からない。シーズンを通してポジティブな部分を見せようとしてきたけど、実際には今年は間違いなく私のキャリアで最も厳しい1年になっている」

    「1年前、私はチャンピオンシップを争っていて、勝利を挙げ、ほぼ毎週末のように表彰台に立っていた。それから1年も経たないうちに、こんな状況になるなんて思ってもいなかった」

    開幕直前に「素晴らしい計画」が崩壊
    ウィーグによれば、2026年に向けて当初は明確なレースプログラムが用意されていた。しかし、シーズン開始直前になって計画そのものが消滅したという。

    「今シーズンに向けては素晴らしい計画があった。でも、シーズンが始まる少し前に、私にはどうすることもできない理由ですべてが崩れてしまった」

    「その時点では別のプランを組み立てるにはあまりにも遅かったし、自分ひとりでレースに出る機会を確保するのは本当に難しかった」

    モータースポーツでは、実績だけで翌年のシートが保証されるわけではない。カテゴリーをステップアップするほど参戦予算やメーカー、チームとの関係が重要になり、F1アカデミー卒業後のキャリア形成も大きな課題となる。

    ウィーグはベルギーの耐久シリーズ「Belcar」で3レースに出場する機会を得た。ART RacingからGTカーでデビューし、初戦で表彰台を獲得している。

    「Belcarで3レースに出場できたのは幸運だったし、その機会を与えてくれたART Racingには本当に感謝している。GTカーでのデビュー戦では表彰台にも上がることができた」

    しかし、その数少ない参戦機会も続かなかった。

    「でも、出場する予定だったゾルダー24時間もなくなってしまった。だから今のところ、これから出場するレースは何もない」

    マヤ・ウィーグ(F1アカデミー)

    F1アカデミー卒業生で分かれる進路
    ウィーグの苦境は、F1アカデミー卒業後のキャリアが一様ではないことも浮き彫りにしている。

    F1アカデミー王者のドリアーヌ・ピンは、メルセデスF1の開発ドライバーを務めるほか、プジョーのハイパーカー開発ドライバー、フォーミュラEのシトロエンでも開発ドライバーを担当。2026年にはル・マン24時間レースにも出場するなど、耐久レースを含めて活動の場を広げている。

    また、2024年王者のアビー・プリングは、フォーミュラEの日産でルーキー兼シミュレータードライバーを務めながらGB3に参戦。今季はすでに1勝を挙げ、ランキング7位につけている。

    一方、ウィーグはフェラーリの育成プログラムを離れた後も、現在F1アカデミーでフェラーリ代表を務めるアルバ・ラーセンのメンターとして活動してきた。だが、自身が求めているのはサーキットの外から後輩を支えることだけではない。

    「見ていたいんじゃない。レースがしたい」
    レースから離れる時間が増えたことで得たものもあるとしながら、ウィーグはドライバーとして走り続けたいという思いを強調した。

    「今年はものすごく多くのことを学んだし、人間としても大きく成長した。でも、私は見ていたいんじゃない。レースがしたい」

    「最高レベルの舞台で再びコースに戻って、自分に本当は何ができるのかを示したい」

    「それが残りの人生でやりたいこと。もう一度マシンに乗るために、毎日努力している」

    ウィーグにとって特に受け入れがたいのは、F1アカデミーを含め、これまで積み重ねてきた結果が次のチャンスにつながらなかったことだ。

    「モータースポーツは厳しい世界。これまで何年も積み上げてきた結果が、何かにつながると思っていたんだと思う」

    それでも、復帰への希望を失ったわけではない。

    「厳しい時期を支えてくれているみんなに感謝している。身近な人たちは、ひとつの扉が閉じれば別の扉が開くとずっと言ってくれている。私はそれを信じることにしている」

    F1アカデミーで勝利を重ね、フェラーリの有望株として将来を期待されたウィーグ。それでも次のシートを確保できない現状は、若手ドライバーがカテゴリー卒業後に直面するモータースポーツの厳しい現実を示している。再びレースに戻るための「次の扉」を開けることができるか、23歳のウィーグにとって重要な時期が続く。

  • フェラーリF1技術責任者ロイック・セラ SF-26を「自分のマシン」と呼ばない理由

    フェラーリF1技術責任者ロイック・セラ SF-26を「自分のマシン」と呼ばない理由

    フェラーリのシャシー部門テクニカル・ディレクターを務める54歳のロイック・セラは、2026年F1マシン「SF-26」の競争力に一定の手応えを感じながらも、現状に満足する姿勢を見せていない。

    メルセデスからフェラーリに加入し、シャシーおよび空力部門を率いるセラにとって、SF-26はマラネロで開発の全サイクルに深く関与した最初のマシンとなる。

    それでも本人は「自分のマシン」と表現することを避け、現在の成果は組織全体によるものだと強調した。

    ロイック・セラが重視する「アップデートの相対性」
    2024年、フェラーリF1チーム代表のフレデリック・バスールが人材補強について「トップガイ」の加入を語った際、その中心人物のひとりとみられていたのがロイック・セラだった。

    サスペンションやタイヤ分野を専門としてメルセデスで経験を積んだセラはフェラーリ加入後、エンリコ・カルディレの後任としてシャシー部門テクニカル・ディレクターの役割も担うことになった。

    2026年のSF-26は、パワーユニット側に課題を抱えながらもシャシー面では高い競争力を示している。しかし、セラはAutosprintのインタビューで、現時点でフェラーリの仕事に評価を下すのは早すぎるとの考えを示した。

    「このフェラーリに点数をつけるのか? それはシーズンが終わってからでなければできない。まだシーズンの半分であり、結論を出すには本当に早すぎる」

    「私が満足しているのは、チーム内部のダイナミクスだ。シーズン序盤から見てきたように、各チームは段階的に進歩し、それぞれ異なるタイミングでアップデートを投入している。このプロセスは同期していない」

    F1では、アップデートによる純粋な性能向上が、そのままライバルとの順位差として表れるわけではない。自分たちが速くなっていても、同じタイミングでライバルも同等以上の改善を果たせば、相対的なポジションは変わらないためだ。

    「あるマシンが開発を投入すれば、通常は直接のライバルに対して一歩前進する。したがって、今日前にいるチームでも、他がマシンをアップデートすれば相対的には一歩後退することになる」

    「だからこそ、本当の基準が得られ、自分たちを評価できるのはシーズン終了時だと考えている。F1では明日に集中していない者は、必然的に後れを取ることになる」

    スクーデリア・フェラーリ

    マイアミとバルセロナの大型アップデートは「期待通り」
    フェラーリは2026年シーズン前半、マイアミとバルセロナでSF-26に大規模なアップデートパッケージを投入した。

    セラによれば、いずれもファクトリーで予測していた性能向上を実際のコース上で確認できており、開発そのものは狙い通りに進んでいるという。

    「我々は2つの大きなパッケージを投入した。マイアミとバルセロナだが、どちらも期待していた通りに機能した」

    ただし、セラが重要視するのはアップデート単体の効果ではなく、ライバルとの開発競争の中でどれだけ優位性を生み出せたかという点だ。

    「マシンをアップデートするときには、一定のパフォーマンス向上を期待する。しかし、他のチームも同じことをすれば、外から見たときの効果はゼロになる」

    「パッケージの効果は、常に他のチームが何をしているかとの相対的なものだ」

    その具体例としてセラが挙げたのが、バルセロナとオーストリアでの競争力の違いだった。

    「2回目のアップグレードを投入したとき、おそらく他のチームは同じタイミングでは我々ほど開発を進めていなかった。重要なのは開発がどのように進んでいくかだ」

    「バルセロナでは我々は良かった。しかし、オーストリアでは同じではなかった。その間に他のチームも成長していたからだ」

    つまりSF-26の開発を評価するには、単純にアップデート前後のラップタイムを見るだけでは不十分ということになる。投入時期やライバルの開発サイクルまで含めて評価する必要があるというのがセラの考えだ。

    「SF-26は私のマシンではない」
    SF-26は、セラがフェラーリ加入後に最も多くのエネルギーを注いだF1マシンでもある。

    2026年にはシャシーとパワーユニットの技術規則が大幅に変更され、従来型マシンを発展させるのではなく、基本コンセプトから新たに構築する必要があった。その意味では、セラがこれまでフェラーリで最も深く関与してきたマシンといえる。

    しかし、セラ自身はSF-26を自らの作品として捉えることには明確に距離を置いている。

    「このマシンを私のものだとは考えていない。むしろ、多くの専門家で構成された大きなチームの仕事によって生まれたものだ」

    「もちろん、マラネロに来てから最も多くのエネルギーを注いできたマシンではある。完全に新しいマシンであり、新しいレギュレーション時代の始まりでもあるため、我々は白紙の状態からスタートしなければならなかった」

    SF-26の開発は、前年型のコンセプトを継承しながら改良を積み重ねる通常のシーズンオフの開発とは性質が異なっていた。

    「ある年のコンセプトを翌年に向けて発展させるのとは違う。あらゆる面でゼロから始めたプロジェクトだった」

    「そして、それは今も常に書き換えられている。継続的に開発されているプロジェクトだ」

    フェラーリ復活でもセラは満足せず「常にその先を目指す」
    2026年のフェラーリは、SF-26のシャシー性能を武器にタイトル争いへ加わり、シーズン中も継続的にアップデートを投入している。

    一方でセラの発言からは、現在の競争力そのものよりも、開発速度をシーズンを通して維持できるかを重視していることが読み取れる。

    F1の開発競争では、一度成功したアップデートが長期間にわたってアドバンテージを保証するわけではない。マイアミとバルセロナで得た前進も、ライバルが追随すれば相対的な優位性は失われる。セラが強調するように、重要なのは個々のアップデートではなく、シーズンを通じた開発の進歩そのものだ。

    また、SF-26を「私のマシンではない」とする言葉には、ひとりの技術者の成果としてではなく、フェラーリの多くの部門とスタッフが共同で作り上げたプロジェクトとして評価する姿勢も表れている。

    そして「このフェラーリに満足しているか」と問われたセラは、現在の立場を端的に表現した。

    「完全に満足することは決してない。我々は常にその先を追求し、さらに前へ進んでいかなければならない」

  • フェラーリF1 モンツァでADUO第2弾投入へ 15馬力向上で0.2秒短縮か

    フェラーリF1 モンツァでADUO第2弾投入へ 15馬力向上で0.2秒短縮か

    フェラーリは、2026年F1シーズン後半戦に向けてSF-26の開発攻勢をさらに強める。イタリアGPが行われるモンツァでは、パワーユニット(PU)にADUOを活用した2度目のアップデートを投入し、約15馬力の向上を狙うと報じられている。

    高速区間の比率が極めて高いモンツァでは、その効果はラップタイムにして約0.2秒に相当すると試算されている。

    フェラーリはその前戦オランダGPでも大型の空力アップデートを予定しており、夏休み明けからマシンとPUの両面で性能を引き上げる構えだ。

    モンツァでADUO第2弾 約15馬力の向上を狙う
    イタリアメディア『AutoRacer.it』によると、フェラーリはモンツァでADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities=追加開発・アップグレード機会)を利用した2度目のPUアップデートを導入する予定だという。

    ADUOは2026年から導入された制度で、基準となるパワーユニットに対して内燃エンジン(ICE)の性能が一定以上劣っているメーカーに追加の開発機会を認める仕組みだ。フェラーリは今季、この制度を利用してPUの性能差を縮める開発を進めている。

    最初のADUOによるアップデートはオーストリアGPで投入された。今回のモンツァで予定される第2弾では、さらに約15馬力の性能向上が見込まれているという。

    モンツァは長い全開区間を持ち、PU性能がラップタイムに大きく影響するサーキットだ。そのため15馬力の上積みは大きな意味を持ち、約0.2秒のラップタイム短縮につながると試算されている。

    ザントフォールトではSF-26に大型空力アップデート
    フェラーリの後半戦に向けた攻勢はPUだけではない。

    夏休み明け最初のオランダGPでは、SF-26に重要な空力アップデートを投入する予定とされる。狙いは単純なダウンフォース増加ではなく、空力効率の改善とマシンの作動領域を広げることにある。

    2026年のフェラーリはシーズンを通じて継続的に新パーツを投入してきた。SF-26の基本性能を生かしながら弱点を段階的に修正する開発を続けており、夏休み明けもその方針を維持する。

    ザントフォールトでシャシー側を進化させ、その翌戦モンツァではPU側を強化するという流れになる。

    スクーデリア・フェラーリ

    最終アップデートはオースティンを予定
    さらにフェラーリは、アメリカGPが開催されるオースティンで今季最後となるアップデートパッケージを投入する計画だという。

    これによってSF-26の2026年シーズン中の主要な開発プログラムは完了する見通しだ。

    SF-26はすでに今季2勝を記録している。序盤に優位を築いたメルセデスとの差が縮まるなか、フェラーリにとって夏休み明けの一連のアップデートは、シーズン終盤の勢力図を左右する重要なものになる。

    フェラーリが狙う2008年以来のコンストラクターズ王座
    チーム代表のフレデリック・バスールはハンガリーGP後、現状ではドライバーズタイトル以上にコンストラクターズタイトルが現実的な目標であることを示唆している。

    フェラーリが最後にF1コンストラクターズ選手権を制したのは2008年。以来、タイトルから遠ざかっている。

    2026年はメルセデスが序盤戦でリードを築いた一方、フェラーリ、マクラーレン、レッドブル・レーシングが開発によって差を縮めてきた。特に後半戦ではアップデートの効果がタイトル争いを大きく左右する可能性がある。

    ザントフォールトで空力性能を引き上げ、ホームレースのモンツァではADUO第2弾によってPUを約15馬力強化する。そしてオースティンでSF-26の最終アップデートを投入する――。フェラーリは明確な開発ロードマップを組み、2008年以来となるコンストラクターズ王座獲得へ勝負をかける。

  • シャルル・ルクレール夫妻に第1子妊娠説 サルデーニャ島での休暇写真が話題

    シャルル・ルクレール夫妻に第1子妊娠説 サルデーニャ島での休暇写真が話題

    フェラーリF1ドライバーのシャルル・ルクレールと妻アレクサンドラ・ルクレールが、サルデーニャ島で休暇を過ごしている。2人は今年初め、モナコでプライベートな結婚式を挙げた。

    豪華ヨットで休暇を楽しむ2人の最近の写真をきっかけに、夫妻が第1子を授かったのではないかとの噂が広がっている。

    写真ではアレクサンドラのお腹がふっくらしているように見え、妊娠を示す「ベビーバンプ」ではないかと注目を集めている。

    現時点で夫妻から正式な発表はない。しかし、ルクレールの弟アーサーも、お腹に手を添えるアレクサンドラの写真を公開。さらにシャルル・ルクレール自身も最近のInstagram投稿のひとつで「New Dad(新米パパ)」というタイトルの楽曲を使用しており、妊娠説をさらに加速させている。


    2026年F1開幕前にモナコで結婚
    シャルル・ルクレールとアレクサンドラは約3年間の交際を経て、2026年F1シーズン開幕前に結婚した。モナコで行われた式は家族だけを招いたプライベートなもので、親しい友人や親族を招いた、より大規模な祝賀会は来年に予定されている。

    当時、ルクレールはF1.comに結婚式について「一生忘れることのない日のひとつだと思う。アレックスにとっても、僕たちの家族にとっても同じだ」と語っていた。

    「家族だけだった。本当に小規模で、ある意味では秘密の結婚式だったけど、僕たちはそれをすごく楽しんだ」

    「親しい友人全員を招いて、もう一度やる予定だけど、それは実際にはかなり先になる。きちんと準備するには時間がかかるからね」

    結婚式を終えたルクレールは、そのままF1オーストラリアGPが開催されるメルボルンへ向かった。

    「すごくよかった。当然ながら素晴らしい一日だったし、そのポジティブな気持ちをたくさん抱えたまま飛行機に乗った。結婚式が終わって、そのままここメルボルンに飛んできたからね」

    「今もすごく幸せだし、結婚したことに興奮している。そして明日のレースが始まることにもワクワクしている」

    ルクレールはF1ランキング4位
    一方、ルクレールにとって2026年のF1シーズンは、ここまで浮き沈みのある展開となっている。

    現在、ルクレールは138ポイントでドライバーズランキング4位。フェラーリのチームメイトであるルイス・ハミルトンは169ポイントで2位につけており、ランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリとは50ポイント差となっている。

    フェラーリはコンストラクターズランキングで307ポイントを獲得して2位。首位メルセデスを72ポイント差で追っている。

    サルデーニャ島での休暇写真やルクレールのSNS投稿によって注目が高まっているものの、夫妻は第1子について正式には発表していない。現段階ではあくまで妊娠説にとどまっており、2人からの発表があるかが注目される。