カテゴリー: スクーデリア・フェラーリ

  • ルイス・ハミルトン 2026年F1前半戦を自己評価「平均より少し上」

    ルイス・ハミルトン 2026年F1前半戦を自己評価「平均より少し上」

    ルイス・ハミルトンは、フェラーリで復活を印象づけている2026年F1シーズン前半戦について、自身のパフォーマンスを「平均より少し上」と控えめに評価した。

    2025年はフェラーリ移籍初年度でグランプリ表彰台を一度も獲得できなかったハミルトンだが、2026年は状況が一変。第9戦スペインGPでは移籍後31戦目にしてフェラーリでのグランプリ初勝利を挙げ、さらに4度の表彰台を獲得している。

    それでも7度のF1ワールドチャンピオンは、ここまでの出来に高い点数をつけようとはしていない。

    フェラーリ2年目で取り戻した自信
    ハミルトンにとって、フェラーリでの最初のシーズンとなった2025年は厳しいものだった。中国GPのスプリントでは勝利を挙げたものの、グランプリでは一度も表彰台に立てず、20年に及ぶF1キャリアで初めて表彰台なしのシーズンを経験した。

    メルセデスからフェラーリへの移籍に伴う仕事の進め方や環境の変化への適応に加え、ハミルトンはグラウンドエフェクト世代のマシンと自身のドライビングスタイルとの相性にも苦しんだ。

    その経験を踏まえ、ハミルトンは2025年を通じてフェラーリのチームワークを「最適化」する必要性を訴え、2026年に向けてチームとの連携を深めてきた。

    その成果はSF-26で明確に表れている。2026年のハミルトンはマシンへの自信を取り戻し、オーバーテイクでも積極性を見せ、限界までマシンをプッシュできるようになった。

    最大の成果となったのがスペインGPだ。ハミルトンはバルセロナで力強い走りを披露し、フェラーリ加入後初となるグランプリ優勝を達成した。

    さらに4度の表彰台を獲得し、今季ここまで一度も6位以下でフィニッシュしていない。リタイアもなく、その安定感によってフェラーリのチームメイトであるシャルル・ルクレール、そしてメルセデスのジョージ・ラッセルをドライバーズランキングで上回っている。

    好成績でも自己評価は「平均より少し上」
    それでもハミルトン自身は、2026年前半戦のパフォーマンスを高く評価しているわけではない。

    ここまでの自分のシーズンを採点するよう求められたハミルトンは、簡潔にこう答えた。

    「平均より少し上、くらいかな」

    スペインGPで勝利し、安定して上位フィニッシュを続けている実績を考えれば、意外なほど控えめな自己評価だ。

    現在ハミルトンは、メルセデスで自身の後任となったランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリから50ポイント差につけている。シーズン後半の展開次第では、史上最多となる8度目のF1ワールドタイトルを争う可能性も残されている。

    しかし、ハミルトンはタイトル争いを意識して先を見過ぎることはないという。

    ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

    8度目のタイトルより「1レースずつ」
    「僕は1レースずつ考えている。毎週末、どうすれば最大限の結果を引き出せるのかを考えているだけだから、基本的に10レース先のことを考えたりはしていない」

    フェラーリが今季、メルセデスと争える速さを何度も示しているなかでも、ハミルトンの視線は目の前のレースに向けられている。

    また、2026年にはF1のテクニカルレギュレーションが大幅に変更されたが、新世代マシンへの対応についても、自分だけが特別な変更を強いられたとは感じていない。

    「特定の誰かにとって、よりやりがいのあるものになったとは思わない」

    「僕たちは全員、何らかの調整をしなければならなかった。でも、これまでのどの世代のマシンと比べても、僕が他のドライバー以上に大きな調整をしなければならなかったとは感じていない」

    2025年にはグラウンドエフェクトカーへの適応に苦しんだハミルトンだが、2026年の新規則は必ずしも自身に有利に働いたわけではなく、他のドライバーと同じように新しいマシンへ適応した結果だという認識だ。

    復活を遂げても変わらないハミルトンの基準
    フェラーリ加入初年度の苦戦から一転し、2026年は優勝と安定した上位フィニッシュによってタイトル争いに踏みとどまっているハミルトン。それでも本人の自己評価は「平均より少し上」にとどまる。

    スペインGPでフェラーリ初勝利を達成しても、目標を8度目のタイトルに置いて先を見据えるのではなく、目の前の週末で最大限の結果を引き出すことに集中する。その姿勢は、2025年の苦しいシーズンを経て再び競争力を取り戻した現在も変わっていない。

    シーズンはまだ半分を残している。首位アントネッリとの50ポイント差を縮め、フェラーリで初のF1タイトル争いを本格化させられるか。ハミルトンにとって後半戦は、自ら「平均より少し上」と評した前半戦を、さらに上の評価へ変える機会となる。

  • FIA会長の「独立系F1エンジン」構想 フェラーリ代表「現実的か分からない」

    FIA会長の「独立系F1エンジン」構想 フェラーリ代表「現実的か分からない」

    FIAのモハメド・ビン・スレイエム会長が、カスタマーチーム向けにFIAが選定した独立系エンジンサプライヤーを導入する構想を打ち出したことについて、フェラーリF1チーム代表のフレデリック・バスールが見解を示した。

    バスールは「何でも可能だ」としながらも、独立系メーカーがF1エンジンそのものを製造することより、限られた予算のなかで既存メーカーと競争できる性能を実現することの方が大きな問題になると指摘。「本当に現実的なのかは分からない」と慎重な姿勢を示している。

    FIAが検討するカスタマーチーム向け共通エンジン
    ビン・スレイエムは先月、ロイターのインタビューでF1への給油復活を検討していることを明らかにした。そのなかで、さらに注目を集めたのが、FIAが選定するエンジンをカスタマーチームに供給するという構想だった。

    ビン・スレイエムは、ワークスチームがエンジン供給を通じてカスタマーチームに政治的な影響力を行使する状況を防ぎたいとの考えを示している。

    「Aチームが、エンジンを供給しているBチームを支配するようなことはなくなる」

    「手頃な価格で実現できるのであれば、残りのBチーム向けにひとつのエンジンを用意する。そうすれば、誰かが『こちらに投票しなければ、いいエンジンを供給しない』などと言って影響力を行使することはできなくなる」

    現行レギュレーションでは、パワーユニットメーカーはカスタマーチームに対し、ワークスチームが使用するものと同等仕様のパワーユニットを供給することが義務付けられている。

    現在フェラーリは、自社のワークスチームに加えて、ハースとキャデラックにもパワーユニットを供給している。

    また、ビン・スレイエムは将来的なF1パワーユニットについて、持続可能燃料を使用し、電動要素を限定したV8エンジンへの回帰も推進している。

    バスール「何でも可能だが現実的かは分からない」
    ビン・スレイエムの独立系エンジン構想について質問されたバスールは、技術的に不可能なアイデアではないと語った。

    「何でも可能だ。誰かが今日エンジンを造りたいと思えば、造ることはできる」

    一方で、問題になるのは単純にエンジンを完成させることではなく、その性能だという。

    「問題はパフォーマンスだ。V8ならほかのものより簡単だと考えることもできる」

    「ただ、それがものすごく現実的なのかどうかは分からない」

    バスールは、独立系メーカーにとってF1エンジンを設計・製造する技術そのものが最大の障壁になるとは考えていない。むしろ、パワーユニットメーカーにも適用されているコストキャップが大きなハードルになるとの見方を示した。

    現在のF1ではシャシー側だけでなく、パワーユニットメーカーの開発費についても上限が設定されている。また、内燃エンジン(ICE)のアップグレード機会については、FIAのADUOシステムによって決定される。

    F1 エンジン

    コスワースのような独立系メーカーでも「造ること自体は複雑ではない」
    コスワースのような独立系エンジンメーカーにとって、このプロジェクトは複雑すぎるのではないかと問われると、バスールは技術的な製造能力と競争力を分けて考える必要があると説明した。

    「エンジンを造ること自体は複雑ではない」

    「複雑なのは、求められるパフォーマンスレベルだ」

    「コストキャップのことを考えれば、この条件のなかで競争力を発揮するのは非常に難しいと思う」

    つまりバスールが疑問視しているのは、独立系メーカーがF1エンジンを「造れるか」ではなく、限られた予算でフェラーリやメルセデスといった既存メーカーに匹敵する性能のエンジンを「造れるか」という点だ。

    現在F1に参戦するパワーユニットメーカーは、フェラーリ、メルセデス、レッドブル・フォード、ホンダ、アウディの5社。FIAが構想する独立系サプライヤーが実現すれば、ワークスメーカーとの関係を持たない新たなエンジン供給ルートが生まれることになる。

    ただしバスールの発言が示すように、その実現には技術的な参入障壁以上に、コストと競争力をどのように両立させるかという難題が残されている。

  • フェラーリF1 12歳のアントネッリの獲得を逃す「マールボロが拒否」説

    フェラーリF1 12歳のアントネッリの獲得を逃す「マールボロが拒否」説

    フェラーリが少年時代のアンドレア・キミ・アントネッリを育成ドライバーとして獲得しなかった背景には、当時チームと強い関係を持っていたフィリップモリスの意向があったと、F1ジャーナリストのロジャー・ブノワが明かした。

    現在メルセデスでF1タイトルを争うアントネッリは、12歳でメルセデスの育成プログラムに加入した。しかし、その前に本人が加入を希望していたのはフェラーリだったという。

    ブノワによれば、フェラーリ側が獲得を見送った理由のひとつは、未成年のアントネッリをたばこ関連のプロモーションに活用できなかったことにあった。

    12歳のアントネッリを「マールボロが拒否」
    アントネッリがメルセデスと契約したのは12歳のときだった。当時からカート界で高く評価されていた逸材だったが、その才能に最初に目を付けたチームのひとつがフェラーリだった。

    Motorsport MagazinのYouTubeチャンネルで、長年F1を取材してきたスイス人ジャーナリストのロジャー・ブノワは、当時の経緯についてこう語っている。

    「アントネッリは当時12歳だった。フェラーリ・アカデミーに断られて、それからメルセデスに行った」

    「フェラーリは彼を獲得できる立場にあった。何より本人がフェラーリに行きたがっていたからね。しかし、フェラーリは彼を断った。より正確に言えば、マールボロが断ったんだ。広告に使うことができなかったことなどが理由だった。それに、当時はまだアカデミーの体制も整っていなかった」

    マールボロを展開するフィリップモリスとフェラーリの関係は1980年代までさかのぼり、長年にわたってF1チームの主要スポンサーとして大きな存在感を持ってきた。

    ブノワの主張では、12歳だったアントネッリは成人向け商品の広告活動に起用できないため、スポンサー側にとって十分なマーケティング価値を持たせることが難しかったという。

    なお、これはブノワによる証言であり、フェラーリやフィリップモリスが公式に認めた説明ではない点には留意する必要がある。

    フェラーリ側は「受け入れる体制がなかった」と説明
    一方、フェラーリ側からは異なる説明も示されている。

    当時のフェラーリのチーム代表は、アントネッリを獲得しなかった理由について、将来的にF1ドライバーになれるだけの体格まで成長するかを疑問視したからではなく、若いカートドライバーを受け入れて育成するための「ストラクチャー」がチームになかったためだと説明している。

    フェラーリ・ドライバー・アカデミーが正式に設立されたのは2009年末。初期の代表的な所属ドライバーを見ても、ジュール・ビアンキとセルジオ・ペレスは20歳、シャルル・ルクレールは18歳で加入しており、12歳という非常に若い段階から育成する現在のメルセデスのような仕組みとは異なっていた。

    したがって、アントネッリを逃した経緯については、フェラーリ側が説明する「育成体制の不足」と、ブノワが証言する「スポンサー側の事情」という複数の要素が存在していた可能性がある。

    現在はフェラーリがアントネッリ獲得を熱望?
    結果としてアントネッリを獲得したのはメルセデスだった。12歳から長期的に育成を続け、その後F1へと昇格させた。

    そして状況は大きく変わった。ブノワによれば、かつて獲得を見送ったフェラーリは現在、アントネッリを将来的に迎え入れることを強く望んでいるという。

    「だから今では、もちろん彼を何としてでも欲しがっている。ただし、今後3年間で彼がフェラーリにいる姿を見ることはないだろう」

    アントネッリ自身も過去にフェラーリを「巨大なチーム」と表現し、将来的にフェラーリで走る可能性を否定してはいない。

    ただし、現時点でメルセデスを離れることは考えていない。幼少期から自らを支えてF1まで導いたメルセデスとの関係は深く、現在はタイトルを争えるマシンも手にしている。

    フェラーリが逃したイタリアの逸材
    イタリア人ドライバーであり、本人もフェラーリ入りを望んでいたというアントネッリ。それでも12歳の少年はマラネロではなくメルセデスの育成プログラムを選ぶことになった。

    当時フェラーリに低年齢のドライバーを育成する十分な体制がなかったことは、フェラーリ側の説明とも一致する。一方でブノワの証言が事実なら、そこには長年チームを支えてきたスポンサーの商業的事情も影響していたことになる。

    かつて獲得できる立場にありながら見送ったアントネッリが、いまやF1を代表する存在へと成長し、フェラーリ側が将来の獲得を望んでいるとされるのは皮肉な巡り合わせだ。現時点ではメルセデスとの結び付きが極めて強いものの、イタリア人スターとフェラーリという組み合わせは、今後もF1ドライバー市場の大きなテーマになりそうだ。

  • ミハエル・シューマッハ フェラーリF1加入時にアレジとベルガー放出を要求か

    ミハエル・シューマッハ フェラーリF1加入時にアレジとベルガー放出を要求か

    ミハエル・シューマッハが1996年にフェラーリへ加入した際、当時のレギュラードライバーだったジャン・アレジとゲルハルト・ベルガーの残留を認めないことを契約条件としていたと、アレジ本人が明かした。

    シューマッハはベネトンで1994年、1995年とF1ワールドチャンピオンを連覇した後、低迷からの脱却を目指していたフェラーリへ移籍した。

    その舞台裏についてアレジは、シューマッハがチームメイトの選択を含め、チームの仕事の進め方に大きな権限を持つ契約を結んでいたと振り返っている。

    シューマッハ加入をトッドに直接確認
    1995年当時、フェラーリではシューマッハ獲得の噂が広がっていた。しかし、アレジによれば、当時チーム代表だったジャン・トッドから本人への説明はなかったという。

    『High Performance Podcast』で当時について質問されたアレジは、シューマッハ加入の噂を知った際、トッドに直接確認したと明かした。

    「僕は彼のところへ行って、直接聞いた。でも彼は『違う』と言ったんだ。その後、本当のことを知って、僕たちの関係はあまり良くなくなった」

    当時のフェラーリは長くタイトルから遠ざかっていた。1995年はアレジとベルガーが合わせて14回のリタイアを喫し、ドライバーズランキングではアレジが5位、ベルガーが6位。アレジはカナダGPで自身唯一のF1勝利を挙げたものの、マシンの競争力と信頼性には依然として課題が残っていた。

    一方、シューマッハはベネトンで2年連続のタイトルを獲得。フェラーリにとって、王者の加入はチーム再建を加速させる大きな転換点となった。

    ミハエル・シューマッハ(スクーデリア・フェラーリ)

    「僕たちに残留の可能性はなかった」
    アレジによれば、シューマッハがフェラーリからのオファーを受け入れた段階で、自身とベルガーがチームを離れることは事実上決まっていたという。

    「それはミハエル・シューマッハの希望だった。彼がフェラーリに加入するオファーを受け入れたとき、その点は完全に明確だった」

    さらにアレジは、シューマッハに与えられていた権限について説明した。

    「彼の立場では、チームメイトを選ぶことも、仕事の進め方を選ぶこともできた。当時はスペアカーもあったからね。すべてが彼を中心に決められることになっていて、僕たちに残るチャンスはなかった」

    「『ミハエルが来るなら、君たちは残るのか?』という話ではなかったんだ」

    ポッドキャストのホストを務めるF1ジャーナリストのトム・クラークソンが、「つまり、ミハエルが来れば、あなたは出ていくということですね」と確認すると、アレジはその理由を明確にした。

    「そうだ。それがミハエルの契約に入っていたからだ」

    これはアレジ本人による証言であり、シューマッハの契約書そのものが公開されて確認されたものではない。ただし、アレジの説明では、少なくとも当時のフェラーリ内部ではシューマッハ加入と既存ドライバー2人の退団が一体のものとして扱われていたことになる。

    アレジとベルガーはそろってベネトンへ
    結果として1996年、シューマッハはフェラーリへ移籍し、そのチームメイトにはエディ・アーバインが起用された。一方のアレジとベルガーは、シューマッハが離れたベネトンへそろって移籍した。

    フェラーリ加入直後から、シューマッハはチームの改革で中心的な役割を担った。非常に熱心にテストや開発へ取り組み、ジャン・トッド、ロス・ブラウン、ロリー・バーンらとともに、後にF1史上屈指の成功を収める体制を築いていった。

    ただし、その成果がすぐにタイトルへ結びついたわけではない。1996年と1997年はウィリアムズ、1998年と1999年はマクラーレンがドライバーズタイトルを獲得。シューマッハとフェラーリが頂点に立つまでには数年を要した。

    2000年、シューマッハは日本GPで勝利し、フェラーリに1979年のジョディ・シェクター以来となるドライバーズタイトルをもたらした。その後も2004年まで5年連続でワールドチャンピオンに輝き、フェラーリ黄金時代を築いた。

    アレジの証言は、その歴史的な成功へ向けた改革の出発点で、フェラーリがシューマッハを絶対的な中心に据えるために大きな体制変更を行っていたことを改めて示すものだ。シューマッハの加入は単なるドライバー交代ではなく、チームそのものの方向性を変える決断だったと言える。

  • カルロス・サインツJr. フェラーリF1加入の舞台裏「6年分のデータ分析に驚いた」

    カルロス・サインツJr. フェラーリF1加入の舞台裏「6年分のデータ分析に驚いた」

    カルロス・サインツJr.が、2021年にフェラーリへ加入する際に行われた選考の舞台裏を振り返った。フェラーリはサインツJr.の過去6年間にわたるパフォーマンスを詳細に分析し、ダニエル・リカルドを含む候補者と比較。そのデータの細かさに本人も驚いたという。

    セバスチャン・ベッテルが2020年限りでフェラーリを離れることが決まると、その後任をめぐってドライバー市場は大きく動いた。

    当時マクラーレンに所属していたサインツJr.が最終的にそのシートを獲得し、2021年からシャルル・ルクレールのチームメイトを務めることになった。

    ドライバー契約に至るまでのチーム内部の選考過程が公になることは少ない。しかしサインツJr.は、フェラーリがなぜリカルドを含む他の候補者ではなく自分を選んだのか、その背景にあった徹底的なデータ分析について明かした。

    フェラーリが用意した「過去6年間」の詳細データ
    サインツJr.によれば、契約前の段階で当時フェラーリのチーム代表だったマッティア・ビノットと、スポーティングディレクターを務めていたローラン・メキースから、自身のパフォーマンスを分析した資料を見せられたという。ビノットは現在アウディ、メキースはレッドブルのチーム代表を務めている。

    「フェラーリに行ったときのことを覚えている。当時、マッティア(ビノット)とローラン(メキース)が、過去6年間の僕のパフォーマンスをチームメイトと比較した資料を見せてくれたんだ」

    その内容はサインツJr.の想像をはるかに超えるものだった。

    「彼らが僕についてどれだけ多くのことを把握していたのか、本当に驚いた。マクラーレン、ルノー、トロロッソにいた頃のことまで、彼らが知っているとは思っていなかった」

    「ウエット、ドライからウエットへの変化、ドライ、予選といった細かいデータまで持っていた。彼らは僕を徹底的に分析していて、それが理由で僕を選んだんだ」

    フェラーリは単純なレース結果や獲得ポイントだけではなく、コンディションやセッションごとのパフォーマンスまで細分化してサインツJr.を評価していた。

    さらに、フェラーリ側が分析によって導き出した弱点も、サインツJr.自身の認識と一致していたという。

    「その後、彼らが僕に改善できると考えている統計上のポイントも見せてくれた。それを見て、『それは僕自身も改善しなければならないと思っていた部分だ』と感じたよ」

    リカルドらとの比較を経てサインツJr.を選択
    当時、フェラーリの候補にはサインツJr.だけでなく、ダニエル・リカルドをはじめ複数のドライバーが含まれていた。

    ベッテルの離脱が決まったことで注目を集めたフェラーリのシート争いだったが、最終的にチームは詳細な分析をもとにサインツJr.を選択した。

    「チームが実際にここまで細かいレベルで見ているということに、僕はまったく心の準備ができていなかった」

    「フェラーリのようなチームが僕を分析して、ダニエル・リカルドや他のフェラーリのシート候補よりも僕を選んだ。そのことには驚いたよ」

    「トップチーム、あるいはそれだけのツールを持っているチームが、ここまで細かい部分を見ることができるんだと知って、いい意味ですごく驚いた」

    サインツJr.は2015年にトロロッソからF1デビューし、その後ルノー、マクラーレンを経て2021年にフェラーリへ加入。マラネロでは4シーズンを過ごし、グランプリ4勝を挙げた。

    フェラーリのドライバー選考では、知名度や単純な成績だけではなく、複数チームで積み重ねた6年間の膨大なパフォーマンスデータが判断材料となっていた。サインツJr.がリカルドらとの競争を制して名門のシートを手にした背景には、本人さえ想像していなかったほど詳細な分析が存在していた。

  • ルイス・ハミルトン 愛犬“ヘイロー”と夏休み満喫「休んで回復して充電」

    ルイス・ハミルトン 愛犬“ヘイロー”と夏休み満喫「休んで回復して充電」

    フェラーリF1のルイス・ハミルトンが、夏休みに新たな家族を迎えた。ゴールデンレトリバーの子犬で、その名前はF1で多くのドライバーの命を守ってきた安全装置にちなんだ「ヘイロー(Halo)」だ。

    7度のF1ワールドチャンピオンであるハミルトンは、SNSで新しい相棒との写真と動画を公開。「休んで、回復して、充電する」と夏休みの過ごし方を表現した。フェラーリでタイトル争いを続けるシーズン後半戦を前に、ヘイローとの時間が大切なリフレッシュになっているようだ。

    新たな家族はゴールデンレトリバーの「ヘイロー」
    ハミルトンが新たに家族へ迎え入れたのは、ゴールデンレトリバーの子犬だ。その名前は「ヘイロー」。F1では2018年からコックピット保護装置として装着が義務化され、重大事故からドライバーの命を守ってきた安全装置と同じ名前である。

    ハミルトンは8月7日、自身のSNSで夏休み中の様子をまとめて公開。そのなかにはヘイローを抱いた写真に加え、新しい相棒の愛らしい姿を収めた動画も含まれている。

    動画では、まだ幼いヘイローが自分の前足をかじろうとするなど、子犬らしい無邪気な姿を披露。サーキットで見せるハミルトンとはひと味違う、リラックスした時間が伝わってくる投稿となった。

    メイン州からロサンゼルスへ ヘイローを迎え入れ
    実はヘイローの存在は、ハミルトン自身が今回の写真を公開する以前の7月に、米国を拠点とするブリーダーによって明らかにされていた。

    ブリーダーは当時、「ミス・ヘイローをF1フェラーリドライバーのルイス・ハミルトンのもとへ、ロサンゼルスまで飛行機で送り届けることを楽しみにしている」と投稿。動物トレーナーのカースティン・マクミリアンが、ヘイローを迎えるために米メイン州へ向かったことも明かしていた。

    マクミリアンは3世代にわたる動物トレーナー一家の人物で、ハミルトンにとっても以前から信頼を寄せてきた存在だ。

    ハミルトンがこれまで飼っていたイングリッシュ・ブルドッグのロスコーとココのトレーニングにも携わっており、新たに家族となったヘイローも同じ人物に託されることになった。

    愛犬ココとの別れを経て迎えた新たな家族
    ハミルトンにとって、愛犬は長年にわたって生活の大切な一部だった。

    特にロスコーはF1パドックにもたびたび姿を見せ、世界中のファンから親しまれてきた。ハミルトンのSNSにも頻繁に登場し、レース活動とは異なる一面を伝える存在として知られている。

    一方、もう1匹のイングリッシュ・ブルドッグだったココは2025年9月に死去。ハミルトンにとって大切な家族とのつらい別れとなった。

    それから約1年。新たに迎え入れたのがゴールデンレトリバーのヘイローだ。

    かつてロスコーとココを担当した同じトレーナーにヘイローを託したことからも、ハミルトンが新しい家族を迎えるにあたって信頼できる環境を選んだことがうかがえる。

    「休んで、回復して、充電する」夏休みを満喫
    ハミルトンは今回のSNS投稿に「Resting, restoring, recharging」と短いメッセージを添えた。

    「休んで、回復して、充電する」

    投稿ではヘイローと過ごす時間だけでなく、トレーニングに取り組む姿など、夏休みを満喫する様子も紹介されている。

    F1のシーズンは長く、夏休みはドライバーにとって貴重なリセット期間となる。特に2026年は新世代マシンとパワーユニットが導入され、ドライバーにも例年以上に大きな負担がかかっている。

    41歳のハミルトンにとっても、タイトル争いが本格化するシーズン後半戦を前に、心身を整える重要な時間だ。新しい相棒ヘイローとの生活は、その充電期間にさらなる喜びを加えている。


    フェラーリで初勝利 ランキング2位で後半戦へ
    ハミルトンは、フェラーリで迎えた2026年シーズンにドライバーズタイトルを争っている。

    シーズン前半にはバルセロナでフェラーリ加入後初となるグランプリ優勝を達成。スクーデリアの赤いレーシングスーツをまとって初めて表彰台の頂点に立つ、本人にとってもチームにとっても大きな意味を持つ勝利となった。

    現在はドライバーズランキング2位につけ、ランキング首位を走るメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリを追っている。一方で、ジョージ・ラッセルとの争いも続いており、シーズン後半戦も気の抜けない戦いが待っている。

    直近の数戦では必ずしもすべてが思い通りに進んだわけではない。それでもフェラーリでの初タイトルを目指すハミルトンにとって、夏休み明けからの戦いが重要になることに変わりはない。

    “命を守る”ヘイローとともにタイトル争いへ
    F1の「ヘイロー」は、導入当初こそ外観をめぐって賛否を呼んだものの、その後はいくつもの重大事故でドライバーを保護し、現在ではF1を象徴する安全装置のひとつとなった。

    そんな“命を守る存在”と同じ名前を与えられたゴールデンレトリバーのヘイローが、ハミルトンの新たな家族となった。

    愛犬ココとの別れを経て、新しい相棒を迎えたハミルトン。「休んで、回復して、充電する」という言葉通り、ヘイローと過ごす時間からもしっかりとエネルギーを受け取っているようだ。

    フェラーリでの初タイトルを目指すハミルトンは、新たな家族とともに束の間の夏休みを過ごし、首位アントネッリを追う2026年F1シーズン後半戦へと向かう。

  • メルセデスF1 PU最強説をヴォルフ否定「フェラーリは文句を言い続けている」

    メルセデスF1 PU最強説をヴォルフ否定「フェラーリは文句を言い続けている」

    メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、2026年F1のパワーユニット(PU)勢力図について、メルセデスが他メーカーを圧倒しているとの見方を否定した。FIAの評価では内燃エンジン(ICE)単体でレッドブル・フォードが最強だと指摘し、総合的にはメルセデスがわずかに優位な可能性を認めながらも「ほぼ横並び」との見解を示した。

    メルセデスは2026年シーズン前半の11戦で8勝を挙げ、ドライバーズ、コンストラクターズの両選手権をリードしている。

    しかし直近5戦ではフェラーリが2勝、マクラーレンが1勝を挙げるなど、その差は縮まりつつある。ヴォルフは、2014年の新PU時代にメルセデスが築いたような長期的な独走状態が再現される可能性は低いと考えている。

    「2014年のような支配はもう起こらない」
    2014年にV6ターボ・ハイブリッド規則が導入された際、メルセデスはPU性能でライバルを大きくリードし、その後長期間にわたってF1を支配した。

    だがヴォルフは、2026年の状況は当時とは明確に異なると説明する。

    「2014年のハイブリッド時代の初期に我々があれほど支配的だった理由は、長い間、我々のパワーユニットが圧倒的に優れていたからだ」

    「今はフェラーリが我々に非常に近いことが分かる」

    「セットアップでミスをしたり、我々にアップグレードがなくて相手にアップグレードが入ったりすれば、すぐに後手に回ることになる」

    「だから、F1であのような支配の時代が再び訪れるとは思っていない」

    実際、メルセデスはシーズン序盤に大きな結果を残した一方、夏休み前にはフェラーリやマクラーレンが勝利を重ねている。ヴォルフの発言は、現在の競争力がPUだけで決まるものではなく、シャシーや空力、セットアップ、開発競争を含めた総合力によって簡単に勢力図が変化し得ることを示している。

    FIA評価ではICE最強はレッドブル・フォード
    2026年からFIAは、基準となる性能から遅れているPUメーカーに追加の開発機会を与える「ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)」制度を導入している。

    ただし、ADUOの評価対象となるのはPU全体ではなく内燃エンジン部分だ。最初の評価では、レッドブル・フォードのICEがベンチマークとなり、最も高い性能を示した。

    ヴォルフもこの点を強調し、「メルセデスが圧倒的に最強」という見方に反論した。

    「FIAによれば、内燃エンジンではレッドブルがトップだ。彼らはそういう測定結果を出している」

    そのうえで、電動系やエネルギーマネジメントなどを含めたPU全体ではメルセデスが最も完成度の高いパッケージである可能性を認めた。

    「全体的なパッケージとして見れば、我々かもしれない」

    ただし、それは2014年当時のような決定的な性能差ではないというのがヴォルフの主張だ。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    フェラーリに皮肉「最強エンジンではないと文句を言い続けている」
    ヴォルフはさらに、メルセデスPUとの性能差をめぐるフェラーリ側の主張にも踏み込んだ。

    「フェラーリは、自分たちには最強のエンジンがないと文句を言い続けている」

    「でも、彼らには間違いなく競争力のあるパワーユニットがあると思う。しかも、エキゾーストの半分を覆うようなウイングレットを備えた、ハイダウンフォース仕様として設計されたマシンに搭載されている」

    「だから、我々はほぼ横並びだと思っている」

    フェラーリのマシン側の空力コンセプトにも言及したヴォルフは、ストレート性能などから単純にPU出力の優劣を判断することはできないとの考えを示した形だ。

    2026年F1は「PU単独」では測れない競争へ
    2026年のPU規則では電動側の比重が大幅に高まり、ICE性能だけでなく、バッテリー、MGU-K、エネルギー回生とデプロイメントの効率がラップタイムを左右する。

    そのため、FIAのADUO評価でレッドブル・フォードがICEのベンチマークになっていることと、メルセデスがPU全体で高く評価されていることは矛盾しない。

    また、メルセデスが11戦8勝という数字を残している一方、直近ではフェラーリとマクラーレンが勝利を挙げていることも、2014年当時とは異なる構図を裏付けている。

    ヴォルフ自身もメルセデスの総合パッケージが最強である可能性までは否定していない。しかし、そのアドバンテージはセットアップやアップグレードひとつで逆転し得る程度のものだと強調する。

    2026年F1のPU競争は「メルセデス一強」という単純な構図ではなく、ICEではレッドブル・フォード、総合パッケージではメルセデスがわずかに優位に立ち、フェラーリもほぼ同等の競争力を持つ――それがヴォルフの描く現在の勢力図である。

  • ルイス・ハミルトンの派手な服装 元F1チーム代表が酷評「写真を撮らせるため」

    ルイス・ハミルトンの派手な服装 元F1チーム代表が酷評「写真を撮らせるため」

    ルイス・ハミルトンがF1パドックで披露する派手なファッションが、元F1チーム代表から思わぬ酷評を浴びた。元アルピーヌF1チーム代表のオトマー・サフナウアーは、ハミルトンの服装を「ばかげている」と一蹴し、フォトグラファーが集まる時間を狙ってサーキット入りしているとまで皮肉った。

    7度のF1ワールドチャンピオンであるハミルトンは、コース上での実績だけでなく、パドックで披露する大胆なファッションでも知られる存在だ。

    しかし、そんな“F1ファッションキング”のスタイルは、すべての関係者から好意的に受け止められているわけではないようだ。

    「フォトグラファーがいる時間にやって来る」
    ハミルトンのファッションに容赦なく切り込んだのが、アルピーヌやアストンマーティンでチーム代表を務めたオトマー・サフナウアーだ。

    『High Performance Podcast』に出演したサフナウアーは、ドライバーがサーキットに到着する時間について語るなかでハミルトンを引き合いに出し、次のように語った。

    「ルイスはフォトグラファーが全員いる時間にやって来る。そうすれば、ばかげた服を着て写真を撮ってもらえるからね」

    ハミルトンはグランプリ週末になると、チームウェアではなく個性的な私服でパドックに登場することが多く、その姿はF1公式やメディア、SNSなどを通じて世界中に発信される。

    サフナウアーは、そうしたハミルトンの登場そのものが計算されたものだと言わんばかりの見方を示した。

    共演していたジェイク・ハンフリーが、ハミルトンの服装は単に「奇抜(out there)」なのではないかとフォローすると、サフナウアーはさらに畳みかけた。

    「奇抜? それをばかげているとは言わないのか?」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    「ファッションは見る人次第」もキム・カーダシアンまで持ち出す
    もっとも、サフナウアーもハミルトンがそうした衣装を着こなせること自体は認めている。

    「ファッションは見る人次第だ。彼なら着こなせる。それに、あのファッションはキム・カーダシアンとの件でも役に立ったと思うよ」

    最後の一言は、ハミルトンとモデルで実業家のキム・カーダシアンが最近のF1モナコGPで一緒にいる姿を目撃されたことを指したものだ。

    ハミルトンはF1界でも突出したファッション好きとして知られ、モータースポーツの枠を超えてファッション業界でも存在感を示している。2025年には世界有数のファッションイベントであるメットガラ(Met Gala)の共同議長も務めた。

    F1の常識を変えてきたハミルトンのファッション
    現在ではドライバーが私服でパドックに登場すること自体は珍しくないが、ハミルトンはその文化をF1に定着させた中心人物のひとりでもある。

    本人も以前、F1で自由な服装を認めてもらうまでには時間がかかり、従来の慣例を破る必要があったと明かしている。グランプリをファッションを発信する舞台として利用するスタイルは、現在のF1ではハミルトンを象徴するものとなった。

    41歳となった2026年もフェラーリでトップ争いを続け、バルセロナ・カタルーニャGPでは自身通算106勝目を達成。夏休みを迎えた時点では、ドライバーズランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリを50ポイント差で追っている。

    華やかな衣装でカメラの前に姿を見せ続けるハミルトンに対し、「ばかげた服」とまで言い放ったサフナウアー。F1のファッション文化を大きく変えてきた7度の王者だけに、その服装をめぐっても強烈な賛否を呼ぶ存在であることに変わりはない。

  • シャルル・ルクレール フェルスタッペンとの確執「昔は嫌な奴だと思っていた」

    シャルル・ルクレール フェルスタッペンとの確執「昔は嫌な奴だと思っていた」

    シャルル・ルクレールは、マックス・フェルスタッペンが将来的にフェラーリへ加入し、自身のチームメイトとなる可能性について「心配はない」と語った。かつてカート時代には互いを「嫌な人間」だと思っていたという2人だが、現在はその関係も大きく変化している。

    フェルスタッペンのレッドブル・レーシングとの契約は2028年末まで残っているものの、その将来を巡る憶測は依然として続いている。

    ルクレールは4度のF1ワールドチャンピオンを高く評価しつつ、もしフェラーリでコンビを組むことになれば「素晴らしいストーリーになる」と語った。

    カート時代は「互いに嫌な人間だと思っていた」
    ルクレールとフェルスタッペンのライバル関係は、F1に到達するよりはるか以前までさかのぼる。2人はジュニアカテゴリー時代からカートで競い合い、激しいライバル関係を築いてきた。

    フェルスタッペンは2015年、当時17歳でトロロッソからF1デビュー。ルクレールは2018年にザウバーからF1に参戦し、翌2019年にフェラーリへ昇格した。その後もF1の舞台で何度となく勝利を争ってきた。

    Sky Italiaのインタビューで、ルクレールは若い頃のフェルスタッペンとの関係について振り返った。

    「僕たちの関係は年月とともに成熟してきた。昔の僕は、彼は嫌な人間だと確信していたし、彼も僕について同じように思っていた」

    「でも、今では僕たちの関係は変わった」

    若い頃には激しく衝突することもあった2人だが、F1でキャリアを重ねるなかで互いへの見方も変化したという。

    フェルスタッペン加入でも「心配はない」
    フェルスタッペンはレッドブル・レーシングで4度のF1ワールドチャンピオンに輝いた。一方、ルクレールはフェラーリでグランプリ9勝を挙げ、チームを再びタイトル争いへ導くことを目指している。

    フェルスタッペンの去就を巡っては、ここ2年にわたってさまざまな憶測が浮上してきた。メルセデスやマクラーレンが移籍先候補として取り沙汰されてきた一方、現時点ではレッドブル残留が有力視されている。ただし、フェルスタッペン本人は2027年の計画を正式には明らかにしていない。

    もし将来、フェルスタッペンがフェラーリへの移籍を望んだとしても、ルクレールはその挑戦を避けるつもりはない。

    「彼は4度のワールドチャンピオンに輝いた並外れたドライバーだ。でも幸いなことに、僕はこれまで素晴らしいチームメイトと一緒に走る機会に恵まれてきた。ハミルトン、セバスチャン・ベッテル、カルロス・サインツだ」

    「だから、いつかそういうことが起きたとしても、僕は心配しない」

    ルクレールにとって、トップドライバーと同じマシンで競うことは未知の状況ではない。これまでフェラーリでは4度のF1王者ベッテル、サインツJr.、そして7度のF1王者ルイス・ハミルトンとチームメイトになってきた。

    「フェラーリで一緒なら素晴らしいストーリー」
    ルクレールは、フェルスタッペンとの長い因縁を考えれば、フェラーリで同じチームになることには特別な意味が生まれるとも考えている。

    「それに、素晴らしいストーリーになると思う。僕たちは2010年に一緒にスタートして、カートのあらゆるカテゴリーで一緒に戦ってきたからね」

    ただし、現在のフェラーリにはハミルトンがいる。ルクレールはフェルスタッペン加入の可能性を否定しなかった一方で、現時点でそれ以上の憶測を広げることには慎重な姿勢を示した。

    「彼がフェラーリに来る? 今はルイスとの時間を楽しもうよ」

    フェルスタッペン「フェラーリに行くなら勝つため」
    フェラーリでF1を戦うことは、多くのドライバーにとって特別な意味を持つ。しかしフェルスタッペンは過去に、ブランドへの憧れだけを理由にフェラーリへ移籍する考えはないと明言している。

    フェルスタッペンは、フェラーリについて次のように語っている。

    「フェラーリは巨大なブランドだと思う。どのドライバーもフェラーリを見て、『いつかフェラーリで走りたい』と自分を重ねるものだと思う」

    「でも、ただフェラーリで走ることだけを目的にするのは間違いだと思う」

    「もし僕がいつかフェラーリに行きたいと思うなら、単にフェラーリで走るためには行かない。勝てるチャンスがあると思うから行く」

    「そしてフェラーリで勝てたら、それはさらに素晴らしいことだ」

    「だから、ブランドに対する感情や情熱だけに導かれるべきではないと思う。そこが自分にとって正しい場所だと感じるから行くべきなんだ」

    フェルスタッペンとレッドブル・レーシングの現行契約は2028年末まで。現時点でフェラーリ移籍が具体化しているわけではないが、ルクレールは将来的に実現したとしても正面から受けて立つ姿勢を示した。ジュニア時代には互いを快く思っていなかった2人が、いつかフェラーリでチームメイトになることがあれば、長年のライバル関係に新たな章が加わることになる。

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1後半戦に自信「PU改善でさらに勝てる」

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1後半戦に自信「PU改善でさらに勝てる」

    2026年シーズン前半を終え、ルイス・ハミルトンはフェラーリF1の後半戦でさらなる飛躍を期待している。最大の課題として挙げたのは、メルセデス勢に対して劣勢となっているパワーユニット(PU)の性能差であり、この改善が実現すれば優勝争いの機会はさらに増えるとの見方を示した。

    フェラーリは今季ここまで11戦で2勝を挙げているものの、コンストラクターズ首位のメルセデスとの差を縮めるには、ストレートスピード不足の解消が不可欠だ。チームは今後も車体とPUの両面で開発を続ける方針を明らかにしている。

    ハミルトン「後半戦はもっと強くなれる」
    現在ドライバーズランキング2位につけるハミルトンは、首位キミ・アントネッリに50ポイント差をつけられて夏休みに入る。今季はスペインGPで1勝を挙げ、チームメイトのシャルル・ルクレールもイギリスGPを制した。

    一方で、フェラーリはシーズンを通じてストレートスピードでメルセデスに後れを取っており、ハミルトンは1周あたり0.3〜0.4秒を失っていると繰り返し指摘してきた。

    フェラーリはオーストリアGPでPUアップグレードを投入したが、FIAのADUO(Additional Development Upgrade Opportunity)制度により、今季中にもう1回のPUアップグレードを投入できる余地を残している。

    ハミルトンは、その次の改良が優勝争いの鍵になるとの期待を示した。

    「シーズン前半を振り返ると、ストレートでおそらく0.3〜0.4秒は遅く、パワー面でも不利な状況だったことを考えれば、本当に素晴らしかったと思う」

    「ファクトリーのみんなは、その改善に向けて本当に懸命に取り組んでくれている」

    「僕たちは毎週のようにアップグレードを投入してきたし、後半戦にはさらに投入できるものが残っている。だから、ただ前進し続けるだけだ」

    さらに、自身にとってシーズン後半は伝統的に好成績を残してきた時期だと語った。

    「後半戦はもっと強くなれると思う。僕は昔から後半戦の方が強いことが多い」

    「だから、この休みをしっかりリセットの時間にして、より強く、よりフィットした状態で、精神的にも万全の準備をして戻ってきたい」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    フェラーリ代表「PU改善には時間が必要」
    チーム代表フレデリック・バスールは、フェラーリがシーズン終了まで継続的にアップグレードを投入する方針を明らかにした。

    ただし、空力パーツとは異なり、PU開発には長い準備期間が必要だと説明する。

    「エンジン面で改善が必要なのは分かっているし、それは実行していく。ただ、エンジンはシャシーに比べて開発サイクルがはるかに長い」

    その上で重要なのは、開発の勢いを維持することだと強調した。

    「最も重要なのは、この開発ペースを維持することだ」

    「マクラーレンはハンガリーで大きく前進した。彼らはマイアミやカナダで大規模なアップグレードパッケージを投入するという、我々とは異なる哲学を採っている」

    「彼らは新しいパッケージを投入するたびに大きく前進している。一方、我々は毎戦少しずつ新しいパーツを投入するアプローチだ」

    「まだ12戦残っている。11戦か10戦かもしれないが、いずれにしても多くのレースが残っている。シャシーにも改善の余地は至るところにあるし、この勢いを維持しなければならない」

    PU開発が後半戦のタイトル争いを左右
    フェラーリは今季、シャシー開発を継続的に進めながらも、最大の弱点であるストレートスピード不足の改善を最優先課題としている。ADUO制度を利用した2度目のPUアップグレードが期待どおりの成果を発揮すれば、メルセデスとの差を縮め、ハミルトンとルクレールが後半戦で優勝争いに絡む可能性は高まる。

    ハミルトン自身も、例年好調となるシーズン後半で巻き返しを狙っており、フェラーリにとっても今後のPU開発がタイトル争いの行方を左右する重要な要素となりそうだ。