カテゴリー: FIA F2

  • コルトン・ハータ F1昇格に暗雲も2027年のF2残留を否定「もう1年やる気はない」

    コルトン・ハータ F1昇格に暗雲も2027年のF2残留を否定「もう1年やる気はない」

    コルトン・ハータは、F1参戦への道を切り開くために今季F2へ挑戦しているが、2027年にもう1シーズンF2を戦う考えはないと明言した。

    インディカーで9勝を挙げたハータは今季、ハイテックからF2に参戦するとともに、新規参戦したキャデラックF1で開発ドライバーを務めている。しかし、欧州での挑戦は厳しいものとなっており、残り3ラウンドの時点でドライバーズランキング19位。F1昇格に向けて難しい状況に置かれている。

    F2参戦は1年限りと明言
    キャデラックF1は将来的にアメリカ人ドライバーを起用したい意向を示しており、その候補のひとりとしてハータの名前が挙げられてきた。

    しかし、24歳のハータは今季のF2で苦戦。シーズン序盤には何度かポイントを獲得したものの、直近13レースではわずか1度しかポイントを獲得できていない。

    さらにF1スペインGPと併催されたマドリードでの前戦では、予選中のクラッシュによって週末の2レースを欠場することになった。

    こうした状況から、2027年にはアメリカへ戻る可能性も取り沙汰されている。今後についてまだ結論を出していないハータだが、少なくともF2に残る選択肢については明確に否定した。

    「どうなるかは待ってみないと分からないと思う」

    ハータは『F1 Insider』にそう語った。

    「でも、もう1年F2をやることにはまったく興味がない」

    コルトン・ハータ FIA フォーミュラ2選手権

    苦戦してもF2への敬意はさらに深まる
    自身にとって厳しいシーズンとなっている一方、ハータはF2そのものに対する評価を下げてはいない。カテゴリーを離れた後もレースを見続けるつもりだと語った。

    「間違いなく見るよ。レーシングカテゴリーとして、これからもF2を追いかけるのを楽しむと思う」

    「たぶん過去10年くらいF2のレースを見てきたし、これからも見続ける。レースのスタイルもレースそのものも本当に好きなんだ」

    「ここで戦っているドライバーたちには大きな敬意を持っている。彼らに何ができるのかを知っているからね」

    「それは以前から分かっていたけど、自分自身が実際に経験したことで、今はさらによく分かる。みんながどれだけ高いレベルで戦っているのかも理解している」

    2027年にはF2で新たなマシンが導入される予定であり、ハータは自身が参戦しなくても、その技術面にも関心を持っているという。

    「もちろんマシンには興味がある。どんなものになるのか、ダウンフォースの数値がどうなるのか、来年どれだけレースに適したマシンになるのかを見てみたい」

    「間違いなくこれからも追いかけるよ」

    F1昇格を目指してインディカーからF2へと活動の場を移したハータだが、現時点では期待した成績を残せていない。2027年の進路はまだ決まっていないものの、本人の発言によって少なくともF2での2年目という選択肢は消えたことになる。

  • 山越陽悠 FIA F2デビュー決定 バクーでVARから参戦

    山越陽悠 FIA F2デビュー決定 バクーでVARから参戦

    山越陽悠が、FIA F2のアゼルバイジャン大会でF2デビューを果たすことが決定した。ファン・アメルスフォールト・レーシング(VAR)が発表し、ニコ・バローネに代わってバクーでマシンを走らせる。

    日本人ドライバーの山越陽悠は、2026年にVARからFIA F3に参戦。ルーキーシーズンながら3度の表彰台と1度のポールポジションを獲得し、ドライバーズランキング9位でシーズンを終えた。その走りが評価され、バクー市街地サーキットでF2へのステップアップを果たすことになった。

    F4から歩んできたVARとともにF2デビュー
    山越陽悠にとってVARは長く関係を築いてきたチームだ。F4時代から所属しており、F3を経てF2デビューも同じチームから迎える。

    「VARと一緒にF2デビューを果たす機会をいただけて、とてもうれしいです。F4の頃からこのチームと一緒にやってきたので、一緒にF2へステップアップできることは、とても特別な瞬間です」

    「週末を通してできるだけ多くのことを学び、チームと一緒に取り組み、この経験を最大限に生かしたいと思っています」

    舞台となるバクー市街地サーキットは、高速区間と狭い市街地区間が組み合わされた難易度の高いコースだ。F2マシンで初めてレース週末を迎える山越にとって、大きな挑戦となる。

    VAR「3年間一緒に仕事をして能力を理解している」
    VARのチーム代表ブラッド・ジョイスは、山越陽悠にF2デビューの機会を与えられることを喜んだ。

    「バクーで陽悠にF2デビューの機会を与えられることをうれしく思う。彼は今季、大きな進歩を遂げ、ルーキーとしてF3でいくつもの好結果を残して、その速さを示した」

    「我々は陽悠と3年間仕事をしてきたので、彼がどのように取り組み、どれだけ学ぶ能力があるかを理解している。彼にとって新たな挑戦になるが、週末を通して一緒に仕事をすることを楽しみにしている」

    一方、VARは山越と交代するニコ・バローネに対しても、今季の貢献に感謝を示した。

    「同時に、今季チームのために仕事をしてくれたニコにも感謝したい。彼は我々のF2ラインナップにおいて大切なメンバーであり、チームの一員として迎えられたことを本当にうれしく思っている」

    「スポーツカーレースからF2への転向は大きな変化だったが、ニコはシングルシーターの要求に非常によく適応した。彼はその挑戦を受け入れ、非常に短期間でF2に適応できることを示した。今後のキャリアでの成功を願っている」

    山越陽悠は、F3でランキング9位に入ったルーキーシーズンを経て、バクーで新たなカテゴリーに挑む。F4時代からともに歩んできたVARと迎えるF2デビューで、どのような走りを見せるか注目される。

    山越陽悠 FIA フォーミュラ2選手権

  • アウディF1育成フレディ・スレーター 2027年F2昇格 インヴィクタ加入が決定

    アウディF1育成フレディ・スレーター 2027年F2昇格 インヴィクタ加入が決定

    アウディのドライバー育成プログラムに所属するフレディ・スレーターが、2027年にFIA F2へ昇格することが決定した。インヴィクタ・レーシングから参戦し、F1へのステップアップを目指してキャリアを進める。

    18歳のイギリス人ドライバーであるスレーターは、2026年にトライデントからFIA F3に参戦。ルーキーながら最終戦までタイトルを争い、ウーゴ・ウゴチュクウに次ぐランキング2位でシーズンを終えた。

    2027年は近年F2で圧倒的な実績を残しているインヴィクタに加入し、新たな挑戦に臨む。

    F3ルーキーイヤーでランキング2位
    スレーターは2026年シーズンを前に、アウディ・ドライバー・デベロップメント・プログラムの最初の契約ドライバーとして発表された。

    同年はトライデントからFIA F3にステップアップすると、早い段階からトップグループに定着。シーズンを通してタイトル争いに加わり、最終戦マドリードまでチャンピオン獲得の可能性を残した。

    最終的にはウゴチュクウにタイトルを譲ったものの、フィーチャーレース1勝、ポールポジション3回、表彰台8回を記録し、ルーキーシーズンをランキング2位で終えた。

    2027年に所属するインヴィクタは、近年のF2で高い競争力を示しているチームだ。2024年と2025年には2年連続でドライバーズタイトルとチームタイトルを獲得している。

    スレーターはF2のポストシーズンテストで初めてインヴィクタと本格的に作業し、2027年シーズンに向けた準備を開始する。

    アウディF1 フレディ・スレーター FIA フォーミュラ2選手権

    アラン・マクニッシュ「F2昇格は自然な次のステップ」
    アウディ・ドライバー・デベロップメント・プログラムのディレクターを務めるアラン・マクニッシュは、スレーターのF2昇格について、育成過程における重要なステップだと説明した。

    「F2への昇格はフレディにとって自然な次のステップであり、ドライバーとしての成長における重要な新しい段階だ」

    「彼は素晴らしいF3シーズンを送り、最終戦までタイトルを争った。シーズンを通してスピード、レースクラフト、そして成長を示してくれた」

    「我々はフレディが今シーズン成し遂げたこと、そしてその過程で見せた成長を非常に誇りに思っている。インヴィクタ・レーシングは近年素晴らしい実績を残しており、彼らと一緒に仕事ができることをうれしく思う」

    「彼にとって理想的な環境だと考えているし、2027年にこの新たな挑戦に臨む彼をサポートしていくことを楽しみにしている」

    フレディ・スレーター「まだ学ぶべきことはたくさんある」
    スレーター自身も、F3での経験を土台としてF2でさらに成長していきたいと語った。

    「来年、インヴィクタ・レーシングとともにF2へステップアップできることに本当に興奮している。今シーズンのF3では多くのことを学んだし、1年を通してドライバーとしても人間としても成長できたと感じている」

    「インヴィクタはF2で素晴らしい実績を持っている。チームと仕事を始め、一緒にシーズンへ向けた準備を進めるのが待ちきれない」

    「アウディ・ドライバー・デベロップメント・プログラムから引き続きサポートしてもらえることにも、とても感謝している。まだ学ぶべきことはたくさんあるし、この新しい挑戦を本当に楽しみにしている」

    インヴィクタ「次の挑戦への準備はできている」
    インヴィクタ・レーシングのCEO兼チーム代表を務めるジェームス・ロビンソンも、F3初年度からタイトル争いを演じたスレーターのパフォーマンスを高く評価している。

    「2027年にフレディをインヴィクタ・レーシングへ迎えられることをうれしく思う。FIA F3参戦初年度でランキング2位になるのは素晴らしい成果だ。特に、このカテゴリーの競争レベルを考えればなおさらだ」

    「1勝、3回のポールポジション、8回の表彰台というシーズンを通した結果は、彼が示してきた速さと安定感を物語っている」

    「フレディは次の挑戦に進む準備ができていることを証明した。彼がF2への次のステップを踏み出す手助けができることを、とても楽しみにしている」

    急速に駆け上がるジュニアカテゴリー
    スレーターは2022年に四輪レースへ転向し、ジネッタ・ジュニア・ウインター・シリーズで史上最年少チャンピオンとなった。翌2023年にはジネッタ・ジュニア選手権を制している。

    2024年にはイタリアF4とUAE F4の両タイトルを獲得。2025年にはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権でチャンピオンに輝き、フォーミュラ・リージョナル・ミドルイースト選手権でもランキング2位となった。

    そして2026年はFIA F3でランキング2位。2027年にはF1直下のFIA F2へと進むことになる。

    F2参戦中もアウディ・ドライバー・デベロップメント・プログラムからコース内外で継続的な支援を受ける。アウディF1の育成ドライバーとして、スレーターにとって2027年はF1への道を占う重要なシーズンとなる。

  • 宮田莉朋 F2マドリードのフィーチャーレースで3位「戦略もペースも良かった」

    宮田莉朋 F2マドリードのフィーチャーレースで3位「戦略もペースも良かった」

    宮田莉朋は、2026年FIA F2第11戦マドリードのフィーチャーレースで9番グリッドから3位まで順位を上げ、前日のスプリントレースに続いて2日連続となる表彰台を獲得した。

    ハイテックから参戦する宮田莉朋は、戦略とセーフティカーのタイミングを生かしながら着実にポジションを上げた。レース後の記者会見では、運にも助けられたことを認めつつ、表彰台を可能にしたのはチームの戦略とマシンのペースだったと振り返った。

    9番手から3位「戦略も良かったしペースもあった」
    FIA F2の公式記者会見に出席した宮田莉朋は、まず再び表彰台に戻ってこられた喜びを語った。

    「また表彰台に戻ってこられて最高です。9番手からスタートして3位でフィニッシュしました」

    「戦略も良かったですし、セーフティカーによってポジションを上げることもできました。でも、僕たちには良いペースもありました。だからこそ、ここにいられるのだと思います」

    マドリードの新設コース、マドリンクではタイヤ戦略がレースを大きく左右した。宮田は9番手という中団からのスタートだったが、ハイテックはレース展開を見ながら戦略を組み立て、セーフティカーも味方につけて上位へ進出した。

    ただし、宮田自身が強調したように、単に展開に恵まれただけではない。レースペースそのものにも競争力があり、それが3位という結果につながった。

    ラ・モニュメンタル(La Monumental)は「かなり厳しかった」
    一方で、宮田莉朋がレース後に強調したのが身体的な厳しさだった。特にターン12の長いバンク区間、ラ・モニュメンタルは大きな負担になったという。

    「ターン12とバンクは間違いなくかなり厳しかったです。ステアリングからのフィードバックが重かったです」

    「僕はスーパーフォーミュラから来ましたが、あちらにはパワーステアリングがあります。F2はステアリングがかなり重いので、身体的に厳しいです。今日は昨日とはかなり違いました。プライムタイヤでのスティントは身体的にかなり厳しかったです」

    スーパーフォーミュラとは異なり、F2マシンにはパワーステアリングが装備されていない。高速かつ長時間にわたって横方向の荷重が続くラ・モニュメンタルでは、その違いがドライバーの身体に大きく影響した。

    2位に入ったアレクサンダー・ダンも同区間について、200km/hを超える速度で走行し、バンクと高いダウンフォースによってステアリングが非常に重くなると説明しており、マドリンク特有の難しさが表れたレースとなった。

    宮田莉朋 FIA フォーミュラ2選手権

    限界の一歩手前に抑えてターン12を攻略
    タイヤのデグラデーション自体については、宮田莉朋は大きな問題ではなかったと説明する。一方、タイヤが厳しくなる以上に、身体的な負担によって限界で走り続けることが難しくなったという。

    「タイヤのデグラデーションはかなりフラットで、それほど大きくありませんでした。でも、ターン12は身体的にどんどん厳しくなりました」

    「限界で走るのは難しかったです。プッシュしすぎるとマシンがスライドして予測しにくい動きになる可能性がありますし、ステアリングがとても重いので、そこからさらに舵角を加えるのも難しかったです」

    そのため宮田は、ターン12ではリスクを抑え、別の区間でタイムを稼ぐアプローチを取った。

    「だから、あそこでは限界の少し手前にとどめて、セクター1とセクター3でプッシュするようにしました」

    マシンと自身の身体的な限界を見極めながら、ラ・モニュメンタルでは余裕を残し、それ以外の区間で攻める。宮田の冷静なレースマネジメントも9番手から3位への追い上げを支えた。

    優勝はディノ・ベガノビッチ、2位はアレクサンダー・ダンが獲得。宮田莉朋は3位でフィニッシュし、F2マドリードで連日のトップ3入りを果たした。戦略だけでなくレースペースにも手応えを示した宮田にとって、マドリンクでの週末は今後につながる大きな結果となった。

  • 宮田莉朋 F2マドリードで3位表彰台 初優勝に続き連日のトップ3

    宮田莉朋 F2マドリードで3位表彰台 初優勝に続き連日のトップ3

    宮田莉朋が、2026年FIA F2第11戦マドリードのフィーチャーレースで3位表彰台を獲得した。前日のスプリントレースでF2初優勝を飾った宮田は、日曜日のフィーチャーレースでも上位争いを展開。マドリンクで2日連続の表彰台を手にした。

    フィーチャーレースはディーノ・ベガノビッチが優勝し、アレクサンダー・ダンが2位。Hitech TGRの宮田莉朋は3位でチェッカーを受け、好調な週末を表彰台で締めくくった。

    宮田莉朋が3番手をキープ
    ポールポジションからスタートしたベガノビッチがターン1で首位を守り、ダンが2番手。宮田は序盤から上位グループでレースを進めた。

    レースは5周目、クッシュ・マイニがターン18でシアン・シールズと接触してバリアにクラッシュしたことでセーフティカーが導入された。

    一部のドライバーがこのタイミングを利用して早めのピットストップを選択する一方、ベガノビッチら上位勢はステイアウト。宮田も上位でレースを続けた。

    10周目にはガブリエレ・ミニが宮田に仕掛ける場面もあった。ミニはターン13でオリバー・ゲーテを抜いた勢いのまま宮田にも迫ったが、宮田はターン14のアウト側から反撃し、ポジションを守った。

    セーフティカーで上位勢がピットイン
    レース中盤には各車のタイヤ交換が進み、戦略の違いによって順位が大きく変動した。

    17周目にはゲーテがピットストップを終えてコースに復帰。その後、ラファエル・カマラとゲーテが接触し、ゲーテがターン2出口でウォールにクラッシュしたことで、この日2度目のセーフティカーが導入された。

    このタイミングで首位ベガノビッチと2番手ダンがピットイン。両者は順位を維持したままコースに復帰し、上位10台がピットストップを終えた段階で、ベガノビッチ、ダン、宮田莉朋の順となった。

    22周目にレースが再開されると、ベガノビッチが首位をキープ。ダンが2番手、宮田が3番手につけ、表彰台圏内を維持した。

    スプリント初優勝から連日の表彰台
    終盤は後方で激しいポジション争いが繰り広げられたが、トップ3の順位は変わらなかった。

    レースは規定周回数ではなく時間制限によって終了。ベガノビッチがマドリードのフィーチャーレースを制し、ダンが2位、宮田莉朋が3位でチェッカーを受けた。

    宮田にとっては、前日のスプリントレースで待望のF2初優勝を飾ったのに続く表彰台となった。スプリントでは好スタートを生かして勝利をつかみ、フィーチャーレースではピットストップや2度のセーフティカーが絡む展開のなかで3位を守り切った。

    シーズンを通じて特にショートランのパフォーマンスに苦しんできた宮田だが、前日の記者会見では、夏休み中にチームと問題を分析したことで「モンツァからは自分たち本来のレベルに戻ってきています」と手応えを語っていた。

    F2初優勝と3位表彰台。宮田莉朋はマドリンクで開催された第11戦マドリードを2戦連続のトップ3で終え、シーズン終盤に向けて復調を強く印象づける週末とした。

    FIA F2第11戦マドリード フィーチャーレース

  • 宮田莉朋 F2初優勝に喜び「ようやく勝てた」日本人1204日ぶりの勝利

    宮田莉朋 F2初優勝に喜び「ようやく勝てた」日本人1204日ぶりの勝利

    宮田莉朋が、2026年FIA F2第11戦マドリードのスプリントレースで待望のF2初優勝を飾った。レース後の記者会見では、苦戦が続いたシーズンを振り返りながら「ようやく勝てた」と喜びを語った。

    Hitech TGRから参戦する宮田莉朋は、好スタートから首位に立つと、その後もレースをコントロール。エマーソン・フィッティパルディ、ローレンス・ファン・フーペンを抑え、F2参戦3年目で初めてトップチェッカーを受けた。

    今回の勝利は、日本人ドライバーにとって1204日ぶりとなるF2での優勝でもある。

    「本当にうれしい。ようやく勝つことができた」
    レース後の公式記者会見で、宮田莉朋はまず初優勝の率直な気持ちを語った。

    「本当にうれしいです。今シーズンはずっと苦戦してきたので、ようやくレースに勝つことができました。ついに勝てたというのは、本当にいい気分です」

    勝利への大きなポイントとなったのがスタートだった。宮田は発進直後から前を狙い、序盤でレースの主導権を握った。

    「スタートではオーバーテイクするチャンスがあると思っていたので、ローンチにかなり集中していました。そこからはうまくレースをマネジメントすることができました」

    夏休み中の分析が復調につながる
    Hitechにとっても今回が久々のF2勝利となった。チームの前回勝利は2025年のバクーまでさかのぼる。

    宮田莉朋は、2026年シーズンを迎える段階ではもっと高いパフォーマンスを期待していたものの、特に予選などのショートランで苦戦してきたと説明する。

    「今年はもっといい結果を期待していましたが、シーズン中は苦戦していました。特にショートランのパフォーマンスが厳しかったです」

    その状況を変えるきっかけとなったのが夏休みだった。

    「夏休みの間にすべてを分析して、ようやく強いパフォーマンスを発揮できる状態で戻ってくることができました。それが今日勝てた理由だと思いますし、モンツァからは自分たち本来のレベルに戻ってきています」

    宮田莉朋 FIA フォーミュラ2選手権

    日本人ドライバーが1204日ぶりにF2の頂点へ
    宮田莉朋の勝利は、日本のモータースポーツにとっても大きな意味を持つものとなった。F2公式SNSはレース後、「JAPAN IS BACK ON TOP!」と投稿し、日本人ドライバーが1204日ぶりに表彰台の最上段へ戻ってきたことを紹介した。

    宮田は2024年にF2へステップアップ。2023年にはスーパーフォーミュラとSUPER GTの国内最高峰2カテゴリーでダブルタイトルを獲得して欧州へ渡ったが、F2では思うような結果を残せない時期が続いていた。

    それだけに、マドリードで手にした初勝利は大きな一歩となる。

    夏休み中の分析を経て、モンツァから本来のパフォーマンスを取り戻してきたという宮田莉朋。苦しいシーズンを乗り越えてつかんだF2初優勝は、今後の巻き返しにつながる重要な勝利となった。

  • 宮田莉朋 悲願のF2初優勝 マドリード初レースを制す

    宮田莉朋 悲願のF2初優勝 マドリード初レースを制す

    宮田莉朋が、マドリードのマドリンクで行われた2026年FIA F2第11戦スプリントレースで優勝。F2参戦以来初となる勝利を挙げるとともに、マドリードで開催されたF2レースの初代ウイナーとなった。

    ハイテックGPの宮田莉朋はスタートでエマーソン・フィッティパルディをかわして首位に浮上。その後2度のセーフティカーを乗り越え、最後までトップを守り切った。

    宮田莉朋がスタートで首位奪取
    F1スペインGPのFP3で中断が相次いだ影響により、F2スプリントレースのスタートは遅延。現地時間14時35分にフォーメーションラップが開始された。

    なお、コルトン・ハータはスプリントレースを欠場。ハイテックGPがレース前に撤退を発表している。

    大半のドライバーがハードタイヤを選択するなか、ガブリエレ・ミニら一部はソフトタイヤを装着してスタートした。

    シグナルが消えると宮田莉朋が好スタートを決め、ターン1までにフィッティパルディを攻略して首位を奪った。

    一方、後方では波乱が発生。ニコ・バローネが第1セクターでウォールにクラッシュし、セーフティカーが導入された。リプレイではクッシュ・マイニとの接触によってバローネがターン7のウォールへ弾き出される形となっていた。

    さらにターン1ではセバスチャン・モントーヤとジョン・ベネットが接触。モントーヤは一度コースへ復帰したものの2周遅れとなり、その後ピットへ戻ってレースを終えた。

    宮田莉朋がリスタートでも首位を維持
    5周目にレースが再開されると、宮田莉朋はフィッティパルディを抑えてトップをキープ。レオン、ローレンス・ファン・ホーペン、ニコラ・ツォロフ、マルティニウス・ステンスホーンが続いた。

    その後、3番手を巡ってレオンとファン・ホーペンが激しい攻防を展開。9周目、ファン・ホーペンがターン5で仕掛けて前に出たものの、レオンがターン8で抜き返した。

    しかし、レオンはポジションを取り戻す際にターン5をカットしていたことが確認され、11周目にファン・ホーペンへ3番手を譲った。

    その背後では選手権リーダーのツォロフもレオンを攻め、13周目から14周目にかけてターン5でサイド・バイ・サイドの攻防を展開。ツォロフは一度4番手に出たものの、シケインをショートカットしたためポジションを返した。

    選手権首位ツォロフがクラッシュ
    レース終盤に大きな展開が待っていた。ツォロフがスピンを喫してストップし、選手権リーダーがリタイアとなった。

    リプレイでは、ツォロフがターン20進入時にイン側のウォールへ接触し、そのままマシンがスピン。再スタートすることができず、再びセーフティカーが導入された。

    18周目にレースが再開。宮田莉朋はここでもフィッティパルディの追撃を封じ、首位を守った。19周目にはDRSも再び使用可能となり、残り3周のスプリント勝負へ入った。

    宮田莉朋がF2初優勝
    ファイナルラップでは2番手フィッティパルディにファン・ホーペンが迫ったものの、オーバーテイクには至らず。その前方を走る宮田莉朋は最後まで危なげなくトップを守り、チェッカーフラッグを受けた。

    宮田莉朋にとって待望のFIA F2初優勝。さらに、新設されたマドリンクで行われた史上初のF2レースを制したことで、マドリード初代F2ウイナーとして歴史に名を刻んだ。

    2位はエマーソン・フィッティパルディ、3位はローレンス・ファン・ホーペン。レオンが4位、ステンスホーンが5位、ラファエル・カマラが6位、アレクサンダー・ダンが7位、マリ・ボヤが8位に入り、ポイント獲得圏を形成した。

    FIA F2のフィーチャーレースは、9月13日(日)の現地時間11時25分から行われる。

    宮田莉朋 FIA フォーミュラ2選手権

    2026年FIA F2第11戦スプリントレース
    1位 宮田莉朋
    2位 エマーソン・フィッティパルディ
    3位 ローレンス・ファン・ホーペン
    4位 ノエル・レオン
    5位 マルティニウス・ステンスホーン
    6位 ラファエル・カマラ
    7位 アレクサンダー・ダン
    8位 マリ・ボヤ
    9位 ガブリエレ・ミニ
    10位 ディノ・ベガノビッチ
    11位 ロマン・ビリンスキー
    12位 オリバー・ゲーテ
    13位 ラファエル・ビジャゴメス
    14位 ジョシュア・デュルクセン
    15位 タサナポル・イントラプワサック
    16位 セバスチャン・モントーヤ
    17位 ニコラ・ツォロフ
    18位 ジョン・ベネット
    19位 クッシュ・マイニ
    20位 ニコ・バローネ

    コルトン・ハータは出走せず。

  • F2で珍罰則 セバスチャン・モントーヤの妹の服装違反でPREMAに500ユーロ罰金

    F2で珍罰則 セバスチャン・モントーヤの妹の服装違反でPREMAに500ユーロ罰金

    FIA F2選手権のマドリード大会で、セバスチャン・モントーヤが所属するPREMA Racingに珍しい理由で500ユーロ(約9万円)の罰金が科された。原因となったのはマシンでもドライバーでもなく、チームのゲストとしてピットレーンに入っていたモントーヤの妹の服装だった。

    FIAスチュワードが9月11日に発表した裁定によると、F2予選中、11号車モントーヤのマシンに隣接する立入制限区域のワーキングレーンで、女性が規則で義務付けられている長ズボンを着用していなかった。

    複数の海外メディアは、この女性がモントーヤの妹パウリナ・モントーヤだったと報じている。

    モントーヤのクラッシュ後に妹がワーキングレーンへ
    問題が起きたのは、マドリードのマドリンクで行われたF2予選だった。

    セバスチャン・モントーヤはセッション中にPREMAのマシンでバリアに接触し、サスペンションにダメージを負った。それでもマシンをピットレーン入口まで戻すことに成功している。F2公式も、この接触によってモントーヤ車がサスペンションを損傷したと伝えている。

    その後、メカニックが11号車の作業を行っていた際、チームのゲストとして入場していた女性がマシン付近のワーキングレーンにいた。

    FIAの裁定文では違反内容を「11号車に隣接する立入制限区域(ワーキングレーン)で長ズボンを着用していなかった」と説明している。

    スチュワードはチーム代表者を召喚して事情を聴取するとともに、映像証拠を確認した。

    PREMA側は、問題となった女性について、ショートパンツを着用していた人物はチームのゲストであり、実務に携わるチームスタッフではなかったと説明した。

    しかし、この主張は処分を回避する理由とは認められなかった。

    パウリナ・モントーヤ

    「ゲスト」でもチーム側に管理責任
    FIAはマドリード大会のコンペティションノートですでに、ゲストについても国際モータースポーツ競技規則(ISC)で定められた対象に含まれることを各チームに注意喚起していた。

    また、ISC第9.15条では、競技者が立入制限区域へのアクセスを認めた人物による行為や不作為について、競技者側が責任を負うと規定されている。

    さらにF2スポーティングレギュレーション第22.15条では、プラクティスセッションおよびレース中、ピットレーンにいるチームおよび技術スタッフに長ズボンの着用を義務付けている。

    スチュワードはこれらを踏まえ、「セッション中、11号車付近にいたチーム関係者が長ズボンを着用していなかった」と判断。PREMA Racingに500ユーロの罰金を科した。

    罰金は通知から48時間以内にFIAへ支払う必要がある。

    妹パウリナの服装が思わぬ罰金に
    海外メディアによれば、問題となった女性はファン・パブロ・モントーヤの娘で、セバスチャンの妹にあたるパウリナ・モントーヤだった。

    パウリナは普段からモータースポーツの現場に足を運んでおり、2026年にはF1のホスピタリティ関連の仕事に携わりながら、弟セバスチャンが参戦するF2のPREMAにも帯同していると報じられている。

    今回の裁定で重要なのは、セバスチャン・モントーヤ本人に500ユーロの罰金が科されたわけではないという点だ。

    FIAの文書では対象車両として11号車とモントーヤの名前が記載されているものの、「Decision(決定)」では罰金を支払う主体を「Competitor」と明記しており、この場合はPREMA Racingを指す。

    したがって、モントーヤにグリッド降格やタイム抹消などの競技上のペナルティはなく、妹の服装を巡る規則違反によってPREMA Racingが500ユーロを支払うという、F2では珍しい裁定となった。

  • F1初開催マドリンクでF2炎上クラッシュ 燃料タンク破裂で赤旗

    F1初開催マドリンクでF2炎上クラッシュ 燃料タンク破裂で赤旗

    F1スペインGPが初開催されるマドリンクで9月11日(金)、F2のフリー走行中にタサナポル・イントラプワサクが激しいクラッシュを喫し、マシンが炎上。セッションは赤旗中断となった。

    新設されたマドリンクではF3に続いてF2も初めてコースを走行。だが、セッション開始からわずか数分で大きなアクシデントが発生し、消火とコース清掃のため長時間の中断を余儀なくされた。

    ターン19でスピン、後方からバリアに激突
    F3のフリー走行終了後、シングルシーターのステップアップカテゴリーであるF2のマシンがコースイン。ドライバーたちにとって、今回が新設マドリンクを実際に走る最初の機会となった。

    しかし、走行開始からわずか数分後、イントラプワサクがターン19でスピン。マシンはリア側から激しくバリアに衝突した。

    衝撃の直後、燃料タンクが破裂してマシンは炎に包まれた。イントラプワサクはすぐにマシンから脱出したものの、コースサイドのマーシャルが炎を完全に消し止めるまでには時間を要した。

    この事故によってセッションは赤旗となり、現場では消火作業に加えて長時間の清掃作業が必要となった。

    F2ドライバーにとってはさらに厳しい状況となる。このフリー走行は、この日の後半に行われる予選を前にマドリンクを習熟できる唯一のセッションだからだ。

    マドリンクではこの日2度目の赤旗
    イントラプワサクのクラッシュは、この日のマドリンクで2度目の赤旗となった。

    直前に行われたF3のフリー走行でも、セッション終盤にニコラ・ラコルテがバリアに接触。赤旗が提示されていた。

    初開催のF1スペインGPを迎えたマドリンクでは、F1の走行開始を前にジュニアカテゴリーで相次いでアクシデントが発生。特にF2では炎を伴う大クラッシュとなり、新設コースの難しさを改めて印象づけるスタートとなった。

  • コルトン・ハータ F1参戦遠のく「スーパーライセンスまであと2点」

    コルトン・ハータ F1参戦遠のく「スーパーライセンスまであと2点」

    コルトン・ハータのF1参戦への道が、再び厳しい状況に直面している。キャデラックF1のテストドライバーを務めるハータは、スーパーライセンス取得に必要なポイントについて「まだ2ポイント足りない」と明かした。

    2026年はFIA F2に参戦しながらキャデラックF1でFP1走行を重ねているハータだが、F1イタリアGPでは油圧系のトラブルによって走行がわずか数周で終了。スーパーライセンスポイント獲得に必要な100kmを走破できず、貴重な1ポイントを取り逃した。

    モンツァのFP1で痛恨のトラブル
    ハータにとって、モンツァでの週末は厳しいものとなった。

    F2のフリー走行でクラッシュを喫した後、F1のFP1ではセルジオ・ペレスに代わってキャデラックのマシンをドライブ。しかし、わずか5周を走ったところで油圧系の問題が発生し、コース脇にマシンを止めなければならなかった。

    キャデラックも後に油圧系の問題だったと説明しており、ハータが本格的なプッシュラップを走れたのはわずか1周だった。

    このトラブルは、単にF1マシンでの貴重な走行時間を失ったというだけではない。

    FP1で100km以上を走行するなど所定の条件を満たせば、ドライバーはスーパーライセンスに向けて1ポイントを獲得できる。ハータはこの制度を利用して必要なポイントを積み上げる計画だったが、モンツァでは必要な距離に届かなかった。

    キャデラックで追加走行も「それでは足りない」
    今後、ハータにはキャデラックF1で再び走行する機会が予定されているものの、具体的な日程についてはまだ正式に発表されていないという。

    「キャデラックでの追加走行については、まだ具体的なことは何も発表されていない」

    ハータはそう説明したうえで、モンツァで予定していた走行距離を消化できなかったことが今後の計画にも影響したことを認めた。

    「モンツァで早い段階に走行を終えることになったことで、当然ながら僕たちの計画にはブレーキがかかった。現時点では、もう1回のセッションが予定されている」

    だが、その1回だけではスーパーライセンス取得条件を満たせない可能性が高い。

    追加のFP1走行で必要なポイントをすべて獲得できるのかと尋ねられたハータは、次のように答えた。

    「そうは思わない。僕が把握している限りでは、スーパーライセンスまでまだ2ポイント足りない」

    キャデラックは当初、2026年にハータを4回のFP1で起用する計画を発表していた。FP1はF1経験を積ませるだけでなく、スーパーライセンス取得に向けた重要な機会として位置づけられている。

    F2でもポイント獲得に苦戦
    もうひとつのルートとなるF2での成績も、ハータにとって思うようなものにはなっていない。

    インディカーで実績を残してきた26歳のアメリカ人は、2026年にF2へと舞台を移した。その大きな目的のひとつが、F1参戦に必要なスーパーライセンスポイントの確保だった。

    しかし、シーズンを通じて期待した成績を残せず、モンツァでもF2のフリー走行でクラッシュ。決勝レースもリタイアに終わり、ポイント獲得への道はさらに厳しくなった。

    ハータは現在の状況について、チームのパフォーマンス不足も大きな要因になっていると語った。

    「ほとんどすべての領域で十分な速さがない。それは僕にとってフラストレーションがたまることだ」

    「結果が出なくて、必要なペースを見つけるのも難しい状況はフラストレーションがたまる」

    F2でスーパーライセンスポイントを補うことができれば状況は変わるものの、現在の成績を考えれば簡単な道ではない。

    コルトン・ハータ F1 スーパーライセンス

    2027年もF2継続する考えはなし
    スーパーライセンス取得が不透明になるなか、ハータの2027年の去就にも注目が集まっている。

    キャデラックF1での将来的なレースシート獲得を目指して欧州へ渡ったハータだが、現時点では来季の具体的なプログラムは決まっていない。

    2026年シーズン終了後について尋ねられると、ハータは「待って、どうなるかを見る必要があると思う」と話すにとどめた。

    一方で、ひとつだけ明確に否定した選択肢がある。

    「でも、もう1年F2をやることには興味がない」

    キャデラックF1で追加のFP1を走り、スーパーライセンスポイントを獲得できる可能性は残されている。しかし、モンツァで本来得られるはずだった1ポイントを逃したことで、ハータにはなお2ポイントが必要だという。

    F2での苦戦も続くなか、スーパーライセンスをどのように確保するのか。そして2027年にどこでレースをするのか。キャデラックF1での将来的なレギュラー参戦を目指すハータにとって、残されたシーズンの走行機会がこれまで以上に重要になっている。