カテゴリー: FIA F2

  • FIA F2が2027年新型マシンを発表 F1に近い空力デザインと車載スターター採用

    FIA F2が2027年新型マシンを発表 F1に近い空力デザインと車載スターター採用

    FIA F2選手権は、2027年から2029年まで使用する新型マシンをF1イタリアGPが開催されているモンツァで発表した。

    新型F2マシンでは、現在のダラーラ製シャシーを継続使用しながらフロントウイングとリアウイングを全面的に再設計。F1の現在のデザイン哲学に近づけるとともに、接近戦を促進することを目指した。

    また、新たに車載スターターを導入し、ドライバーがコース上でスピンやストールを喫した場合でも自力でエンジンを再始動できるようになる。

    F2は、若手ドライバーがF1への昇格を目指して実力を示す重要なカテゴリーとして位置づけられている。近年では、2026年F1選手権のランキング首位に立つキミ・アントネッリをはじめ、レッドブルのアイザック・ハジャー、レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドらがF2を経てF1へステップアップしている。

    今回発表された新型車も、その役割をさらに強化することを念頭に開発された。

    FIA フォーミュラ2選手権 2027年マシンFIA フォーミュラ2選手権 マシン

    現行シャシーを維持してコストを抑制
    新型車では完全な新設計シャシーへの切り替えは行わず、現在使用しているダラーラ製シャシーを継続する。これによってチーム側のコストを管理しながら、空力面を中心にマシンを進化させる方針が採られた。

    最大の変更点となるのが、フロントウイングとリアウイングの再設計だ。F1マシンに近い外観と空力コンセプトを採り入れる一方で、F2の重要な特徴である接近戦をさらに促進することを狙っている。

    また、アラムコが供給する先進的なサステナブル燃料とピレリタイヤについても引き続き使用する。

    ブレーキ性能、ステアリング操作に必要な力、コックピットのエルゴノミクスに関する仕様は変更されない。そのため、さまざまな体格や身体的特性を持つドライバーが参戦できる現在のアクセシビリティも維持される。

    車載スターターを新たに導入
    2027年型F2マシンのもうひとつの大きな変更が、車載スターターの採用だ。

    これまでコース上でスピンなどによってエンジンが停止すると、そのままリタイアにつながるケースもあったが、新型車ではドライバー自身がエンジンを再始動できるようになる。

    F2側は、これによってチームのオペレーションを簡素化できるだけでなく、不必要なリタイアを減らし、レースを継続できる可能性を高められるとしている。

    FIA フォーミュラ2選手権

    ステファノ・ドメニカリ「次世代F1ドライバーにとって究極の試験場」
    F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、新型F2マシンについて次のように語った。

    「F2は次世代のF1ドライバーにとって究極の試験場だ。最高の若手才能がホイール・トゥ・ホイールで競い合い、モータースポーツの頂点に到達するために必要なスキルを磨く場所だ」

    「この新しいマシンは、ドライバーが自らの能力を示せる公平な競争環境を維持しながら、イノベーション、安全性、そしてより接近したレースを組み合わせた、もうひとつの重要な前進となる」

    「モハメド・ビン・スレイエム会長とFIA、ブルーノ・ミシェルと彼のチーム、そしてこれを実現するために協力してくれたすべての技術パートナーとチームに感謝したい」

    「このマシンがグリッドに並ぶ姿を見ること、そして才能あふれるこの世代のドライバーたちがF1で自らの足跡を残すチャンスを求めて戦い、それぞれの物語を作っていく姿を見ることを楽しみにしている」

    ブルーノ・ミシェル「F1への完璧な準備ツールであり続けることが第一目標」
    FIA F2選手権CEOのブルーノ・ミシェルは、開発において最も重視したのはF1への準備カテゴリーとしての役割だったと説明した。

    「この新しいマシンに取り組むにあたって、我々の第一の目標は、F1に向けてドライバーを準備するための完璧なツールであり続けることだった」

    「FIAとともに、我々は現在のシャシーを継続使用し、フロントウイングとリアウイングの再設計に重点を置くことを選択した。これによってコストを管理しながら、F1マシンにより近い外観にすると同時に、F2マシンが接近したレースを生み出す能力を向上させることができる」

    「車載スターターも追加した。これによってチームのオペレーション面が簡素化され、ドライバーはコース上でスピンしたりストールしたりした後でも、自分でマシンを再始動できるようになる」

    「また、ドライバーの準備、サステナビリティ、そしてファンに素晴らしいショーを提供するという点で、パートナーであるアラムコ、ピレリとの取り組みも継続している」

    「ファンはF2のレースに非常にエキサイティングで安全なものを期待している。この新しいキットは、まさにそれを実現するものになる」

    2027年型F2マシンは、既存シャシーを活用して参戦コストの上昇を抑えながら、F1に近い空力デザイン、接近戦の促進、車載スターターによる実用性の向上を図った進化型となる。2027年シーズンから投入され、2029年までの3シーズンにわたって使用される予定だ。

  • ランド・ノリス 若手をF1へ導く新チーム「LN4 Fusion」設立 2027年F3参戦

    ランド・ノリス 若手をF1へ導く新チーム「LN4 Fusion」設立 2027年F3参戦

    ランド・ノリスが、若手ドライバーをF1へと送り出すことを目的とした新レーシングチーム「LN4 Fusion」を共同設立した。2027年からイタリアF4、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権、FIA F3への参戦を予定し、将来的なFIA F2進出も目指す。

    チーム代表には、ジュニアカテゴリーの名門プレマで長年チームを率いてきたルネ・ロシンを招聘。さらに、才能ある若手を資金面から支援する「LN4 Legacy Programme」も立ち上げ、レーシングチームと育成プログラムという2つの柱から次世代のF1ドライバーを支援する。

    ノリスが若手育成に本格参入
    LN4 Fusionは、モータースポーツ界で経験を積んだ人材を集めて新たに設立されたチームだ。2027年シーズンにはイタリアF4、FIAフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権、FIA F3に参戦する計画で、すでに英国F4への参戦を視野に入れたテストプログラムも開始している。

    さらに将来的にはFIA F2への参戦を目指しており、すでに参戦申請のプロセスをスタートさせている。

    ノリスは、新プロジェクトについて「次の世代のために、コース上でもコース外でも機会を作りたい。そして、このスポーツで上を目指している若いドライバーたちに、本当の意味で違いを生み出せたらと思っている」と説明した。

    ノリス自身、家族からの支援を受けてジュニアカテゴリーを戦い、その後マクラーレンのサポートを得ながらF1まで到達した。その経験から、速さだけではF1への道を切り開けないことを理解しているという。

    「僕はキャリアを通じて、本当に素晴らしい人たちに恵まれてきた。F1にたどり着くためには、才能だけでは足りないということも分かっている。周囲に適切な人たちがいて、適切なサポートがあり、そして適切なタイミングでチャンスを得る必要がある。この2つのプロジェクトは、まさにそのためのものなんだ」

    ランド・ノリス LN4 Fusion

    元プレマ代表ルネ・ロシンがチーム代表
    LN4 Fusionの競争力を支える中心人物となるのがルネ・ロシンだ。ロシンは、世界有数のジュニアフォーミュラチームとして知られるプレマで長年チーム運営を担い、さまざまなカテゴリーで40以上のタイトル獲得に関わってきた。2026年にプレマを離れた後、その去就が注目されていたが、LN4 Fusionのチーム代表に就任することになった。

    さらに、プレマで長年エンジニアとして活動してきたギヨーム・カピエットも加入する。

    ノリスはチームの狙いについて、「LN4 Fusionでは、ジュニアモータースポーツのトップチームと競えるレーシングチームを作りたい。優秀な人たちを集め、ドライバーが成長できる素晴らしい環境を作ることが目標だ」と語った。

    AIX RacingのF3関連資産を取得
    LN4 Fusionには、ダン・リチャーズが率いる投資グループも参画している。チームはAIX Racingから一部資産を取得しており、その中には2027年末まで有効なFIA F3参戦ライセンスに関連するものも含まれる。新規チームがゼロから参戦枠を確保するのではなく、既存のF3参戦基盤を活用する形でトップジュニアカテゴリーへ進出する。

    欧州の本拠地はイタリア北部ベネト州に置かれ、現在新施設を建設している。一方、英国ではケンブリッジシャーに拠点を構え、これまで国内外のカート選手権で実績を残してきたFusion Motorsportを率いるダン・ヘイズルウッドが運営を担当する。

    LN4 FusionのCEOを務めるリチャーズは、「さまざまな要素をひとつにまとめるために、非常に大きなチームワークが必要だった。しかし、最初からの目標は、正しい方法で組織を作り、長期的に発展させていくことだった」と語った。

    ランド・ノリス フォーミュラ3 LN4 Fusion

    若手を完全支援する「LN4 Legacy Programme」
    ノリスが立ち上げるもうひとつの柱が「LN4 Legacy Programme」だ。これは才能を持ちながら、資金面などの理由で十分なチャンスを得られない若手ドライバーを対象とする完全支援型の育成プログラムで、元アルピーヌのスポーティングディレクターであるジュリアン・ラウズが責任者を務める。

    ノリスは、「LN4 Legacy Programmeは、才能ある若いドライバーに、普通なら得られないかもしれないチャンスを与えるためのものだ」と説明している。

    現在のジュニアフォーミュラでは、ドライバーの能力だけでなく、F4、フォーミュラ・リージョナル、F3、F2とカテゴリーを上がるごとに必要となる多額の参戦資金を確保できるかどうかもキャリアを左右する。自身もジュニア時代から支援を受けてF1まで進んだノリスが、今度は支援する側に回ることになる。

    F1の育成ピラミッド強化にも期待
    LN4 Fusionの設立には、F1のステファノ・ドメニカリCEOも期待を寄せている。

    ドメニカリは、「ランド・ノリスがこの新しいプロジェクトに関わるということは、F3とF2のピラミッドがF1の未来にとってどれほど重要なのかを示す素晴らしいメッセージだ。ランドの投資と経験を通じて、新しいドライバー、エンジニア、メカニックを育て、モータースポーツファンに受け継がれていく新しい伝統を築いていくことができる」と語った。

    LN4 Fusionが特徴的なのは、単に現役F1ドライバーが自身の名前を冠したチームを設立するだけではない点にある。プレマで実績を残したロシンをチーム代表に据え、F4からF3まで実際の参戦基盤を構築し、その先にはF2まで見据えている。

    さらにLN4 Legacy Programmeを組み合わせることで、才能の発掘、資金支援、実戦環境の提供までを一体化する構想となっている。

    現役F1ドライバーであるノリスの経験と知名度に、ジュニアカテゴリーで実績を積んだロシンらのノウハウを融合したLN4 Fusion。2027年から始まるプロジェクトが、将来のF1ドライバーを生み出す新たな育成ルートとなるか注目される。

  • ニコラ・ツォロフ F1昇格に自信「今やるべきはF2王座獲得」

    ニコラ・ツォロフ F1昇格に自信「今やるべきはF2王座獲得」

    レッドブル育成ドライバーのニコラ・ツォロフは、レーシングブルズの2027年シート争いが激化する中でも、将来的にF1昇格のチャンスは必ず訪れると自信を示した。

    現在FIA F2選手権でランキング首位を走る19歳のブルガリア人は、今季の好調なパフォーマンスによってレッドブル育成の有力候補として評価を高めている。一方で、レーシングブルズではリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドが好成績を残しており、2027年のドライバー選考は難しい状況となっている。

    チーム代表のアラン・パーメインは先日、ツォロフを「次の候補(next in line)」と表現し、F1昇格候補として注目していることを明かしていた。

    「いつか必ずチャンスは来る」と確信
    ハンガリーGP週末、将来について何か進展があったかと問われたツォロフは、まだ具体的な話はないと認めた。

    「残念ながら、まだ何もない。でも、まだ時期としては早い。まずは夏休みを終える必要がある」

    今季はツォロフが2027年からレーシングブルズ入りするとの憶測も一部で流れたが、そうした報道は時期尚早だったとみられている。

    それでもツォロフは、自身の結果を積み重ねれば道は開けると確信している。

    「僕は今やっていることを続ける必要がある。もちろん、すべてが今と同じように進めば、いつか必ずチャンスをもらえると信じている」

    ニコラ・ツォロフ FIA フォーミュラ2選手権

    F2タイトル獲得が最優先
    ツォロフは現在、F2ランキングでガブリエーレ・ミニに20ポイント差をつけて首位に立っている。

    F1昇格の可能性よりも、まずはF2タイトル獲得に集中することが重要だと強調した。

    「僕にとって大事なのはそこだ。今はF2に集中しているし、今日のF2でより良い結果を残せば残すほど、自分自身により多くのチャンスを与えることになる」

  • レッドブルF1 ウーゴ・ウゴチュクウ獲得へ F2昇格を支援との報道

    レッドブルF1 ウーゴ・ウゴチュクウ獲得へ F2昇格を支援との報道

    2026年FIA F3選手権でタイトル争いを繰り広げるウーゴ・ウゴチュクウが、2027年からレッドブルの支援を受けてFIA F2へ参戦する見通しとなった。

    PlanetF1.comによると、2025年限りでマクラーレン育成プログラムを離れたウゴチュクウは、現在所属するカンポス・レーシングに残留したままF2へ昇格し、レッドブルの育成ドライバーとして新たなキャリアを歩む見込みだという。

    b style=”font-size:1.1em;”>レッドブル育成入りでF2昇格へ
    19歳のアメリカ人ドライバーであるウーゴ・ウゴチュクウは、F3参戦2年目となる2026年シーズンで大きく飛躍した。

    現在はアウディ育成のフレディ・スレーターをわずか1ポイント差で抑え、ランキング首位に立っている。その活躍が評価され、2027年からレッドブルの支援を受けてF2へステップアップする方向で話が進んでいるという。

    PlanetF1.comは、ウゴチュクウが引き続きカンポスから参戦する予定だと伝えている。

    本人はF1よりF3タイトルを優先
    F1昇格への期待が高まるなか、ウゴチュクウ本人は現時点ではF3タイトル獲得に集中していると強調している。

    「いろいろな話があるのは分かっているけど、今の僕にとって一番大事な話題ではない」

    「まずはF3シーズンを最高の形で終えたい。その次のステップはF2で、それが先に来る。だから今はそこに集中している」

    来季については次のようにも語っている。

    「毎年この時期になると、みんな翌シーズンについて決め始める」

    「僕のほうではまだ何も決まっていないし、発表できることもない」

    ウーゴ・ウゴチュクウ

    レッドブル育成の将来像にも影響
    今回の動きは、レッドブルの若手育成体制にも新たな変化をもたらしそうだ。

    マックス・フェルスタッペンにはマクラーレン移籍の可能性が取り沙汰されており、ハンガリーGP終了後には契約解除条項を行使できる状況になると報じられている。

    一方で、レッドブル育成にはF2ランキング首位のニコラ・ツォロフも所属している。レーシングブルズ昇格候補として名前が挙がっているものの、PlanetF1.comによればリアム・ローソンの後任に関する具体的な協議はまだ行われていないという。

    現在のレーシングブルズはリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドのコンビが好結果を残しており、すぐにシートが空く状況ではない。

    そのため、ウゴチュクウがレッドブル育成に加わることで、将来的なF1シート争いに向けた有力な選択肢がもう一人増えることになる。

    なお、ウゴチュクウは今年6月にモンツァで実施されたアルピーヌのTPC(旧型車テスト)で、初めてF1マシンをドライブしている。

  • F2で異例の失格処分 ノエル・レオンがチームゲストの無線違反で制裁

    F2で異例の失格処分 ノエル・レオンがチームゲストの無線違反で制裁

    FIA F2選手権ベルギー大会(スパ・フランコルシャン)のフィーチャーレースで7位入賞を果たしたカンポス・レーシングのノエル・レオンが、レース後に失格処分を科された。

    処分の原因となったのは、チームゲストが規則で認められていない無線ヘッドセットを着用していたことだった。これによりレオンは失格、チームには2万ユーロの罰金に加え、コンストラクターズ選手権25ポイント減点という厳しい制裁が科された。

    チームゲストが誤って禁止ヘッドセットを着用
    FIAスチュワードによると、問題となったのはチームの「非運営スタッフ(non-operational personnel)」に分類される人物が、マイク付きの無線ヘッドセットを装着していたことだった。

    FIA F2スポーティングレギュレーション付則5および第21.5条では、非運営スタッフが所持できるのは受信専用(リッスンオンリー)のヘッドセットのみと定められている。マイク付きヘッドセットは送信機能を備えている可能性があるため、規則違反と判断された。

    審理でチームマネージャーは、当該人物はチームゲストであり、誤って別の種類のヘッドセットを持ち出してしまったと説明した。

    しかしスチュワードは、車検担当者が「そのヘッドセットは認められない」と本人に伝えたにもかかわらず、ゲストが再び装着して使用を続けたことも確認している。

    チームの管理責任を問う厳しい裁定
    スチュワードは「規則は明確であり、非運営スタッフが所持できるのは受信専用ヘッドセットのみである」と指摘。そのうえで、非運営スタッフやチームゲストに配布する無線機材が規則に適合していることを確認する責任はチーム側にあると結論づけた。

    今回の違反はレオンの車両のみに関連するものと判断され、チームメイトのニコラ・ツォロフに処分は及ばなかった。

    なお、審理が行われた時点でレオンはすでにサーキットを離れており、ヒアリングにはツォロフとカンポス・レーシングの代表者が出席した。

    ランキング争いにも影響
    この裁定によりレオンはベルギー大会で獲得した7位のポイントを失うことになった。また、カンポス・レーシングはコンストラクターズ選手権で25ポイントを失い、2万ユーロの罰金も科される結果となった。

    F2は今季8大会を終えた時点で、カンポス・レーシングのニコラ・ツォロフがランキング首位を維持。MPモータースポーツのガブリエレ・ミニが27ポイント差で追いかけており、レオンはランキング5位につけている。

  • キャデラックF1候補 ハータ F2苦戦を認める「結果は言い訳できない」

    キャデラックF1候補 ハータ F2苦戦を認める「結果は言い訳できない」

    2026年のFIA F2選手権に参戦しているコルトン・ハータは、シーズン前半の厳しい戦いを率直に認め、「結果は期待外れだ」と語った。一方で、F1参戦を見据えた経験は将来に向けて大きな財産になると前向きな姿勢も示している。

    キャデラックF1の有力候補の一人と目されるハータは、インディカーからF2へ転向。ピレリタイヤやヨーロッパのサーキット、FIAの育成カテゴリーへの適応を目的とした挑戦だったが、開幕から5戦連続ノーポイントと苦戦が続き、ランキング17位に沈んでいる。

    結果への失望は隠せない
    ハータは『RACER』の取材で、学べている部分と結果が伴わない現実の両方があると語った。

    「良い部分もあれば悪い部分もある。タイヤやコースについて学べていること、その理解が深まっていることは将来に向けて本当に重要だと思う」

    「もちろん結果は期待外れだし、それを隠すつもりはない。僕はこれまでのキャリアで常に勝利を争ってきたから、今年は多くの感情をもう一度学び直しているような気分なんだ」

    「状況を好転させようとチームと一緒に努力している。でも僕は競争して、レースをして、勝ちたい性格なんだ。だから競争できていないことは本当に悔しい」

    これまで成功を重ねてきたハータにとって、F2は実績だけでは通用しない厳しい世界であることを改めて突きつけられるシーズンとなっている。

    F2のレベルは想定通りだった
    一方で、ハータはF2のレベルを甘く見ていたわけではないと強調する。

    「F2のドライバーたちは本当に高く評価していた。インディカーで対戦したことのある選手も多いし、彼らの実力はよく分かっている」

    クリスチャン・ルンガーについても例に挙げた。

    「クリスチャン・ルンガーが一番分かりやすい例だと思う。彼は今週末のインディカーでポールポジションを獲得した」

    「こっちにいる多くのドライバーがどれほど速いか、みんな知っている。純粋なスピードだけを見れば、その多くはF1に乗る準備ができている。だからこのレベルの高さや、みんなの能力について驚きはなかった」

    「ただ、自分たちのパフォーマンスや、ここまでチャンスを生かせていないことには少し驚いている」

    F1昇格を目指す立場として、ライバルの強さよりも、自身が力を発揮できていない現状を問題視していることがうかがえる。

    コルトン・ハータ キャデラック F1

    目標は今も勝利
    それでもハータは、目標を引き下げる考えはない。

    「今は小さな改善を積み重ねるしかない。マシンバランスやチームの仕事、そして僕自身も一歩ずつ良くしていきたい」

    「でもレーサーとしての僕は勝ちたいんだ。それが最終的な目標だよ。今の状況では現実的かどうか分からないけど、それでも僕の考えは変わらない」

    キャデラックF1入りを目指すハータにとって、F2で得られる経験は確かに貴重な財産となる。しかし、その経験を結果へと結びつけられなければ、F1昇格に向けた評価は厳しさを増していくことになりそうだ。

  • ニコラ・ツォロフ F2史上初の3連勝「今が最高の状態」 予選改善に意欲

    ニコラ・ツォロフ F2史上初の3連勝「今が最高の状態」 予選改善に意欲

    ニコラ・ツォロフは、FIA F2イギリス大会のスプリントレースとフィーチャーレースを制し、F2史上初となる3連勝を達成した。カンポス・レーシングのドライバーは、今季ここまでの成長を振り返り、現在の好調ぶりはチームとの強力な連携によって生まれていると語った。

    レッドブル・ジュニア・チームに所属するツォロフは、シルバーストンでの完全制覇によってランキング首位を固めた一方で、さらなる飛躍のためには予選での改善が必要だと自己分析している。

    史上初の3連勝に「言葉では表せない」
    ツォロフはスプリントレース、フィーチャーレースの両方を制し、FIA F2史上初となる3連勝を達成。レース後は、その快挙をまだ実感できていないと率直な思いを語った。

    「本当に最高の気分だ。この気持ちは言葉では表せない。チームとして本当に素晴らしい仕事ができたし、僕たちはまさに家族のような存在だ」

    「マシンを改善し、自分自身も磨きながら毎日成長できている。それが今年の成功の鍵になっていると思うし、それを毎週末続けられている」

    「今後改善すべきなのは予選だと思う。レースでは本当に大きく前進できた」

    タイヤマネジメントが最大の武器
    ツォロフは、今季の好調の理由としてF2マシンに最適なドライビングスタイルを見つけたことを挙げた。

    「F2マシンに合ったすごく良いドライビングのバランスを見つけられた。タイヤを長く持たせながら、それでも速く走れる。この週末は今年一番いいドライビングができたと思う」

    予選では5番手に終わったものの、決勝ではスタート直後からポジションを上げ、レースペースとタイヤマネジメントの強さを存分に発揮した。

    「予選では少し苦戦していた。ラップ自体は良かったと思ったけれど5番手だった。でも、そのセットアップがレースではさらに効果を発揮して、タイヤをうまく守ることができた」

    ニコラ・ツォロフ

    チームとの連携が現在の強さを支える
    ツォロフは、自身の速さだけでなく、カンポス・レーシングとの関係性が現在の好成績につながっていると強調した。

    「これは僕だけでもチームだけでもない。お互いがすべてをうまくやれている。それが理想的なチームを作っているんだ」

    「言ったように、僕たちは二人三脚なんだ」

    ドライバーとエンジニアが一体となってマシンを仕上げる現在の体制こそが、今季の快進撃を支えているという認識だ。

    勢いそのままにスパで4連勝を狙う
    シルバーストン完全制覇によって勢いに乗るツォロフは、次戦スパ・フランコルシャンにも強い自信を見せた。

    「理解はしている。でも、まだ完全には実感できていない。少し時間が必要だ」

    「3連勝して、さらにシルバーストンでダブル優勝できたなんて、この週末が始まる前には全く予想していなかった」

    「スパは本当に楽しみだ。素晴らしいサーキットで、カレンダーの中でも一番好きなコースのひとつなんだ」

    「いい流れが来ていると思う。この1週間のインターバルでもしっかり作業を続けて、同じ勢い、あるいはそれ以上の状態で戻ってきたい。そして予選ペースもさらに改善したい」

    シルバーストンで歴史的な3連勝を達成したツォロフは、レースペースとタイヤマネジメントではライバルを圧倒する存在となっている。一方で本人は予選を唯一の課題と位置付けており、その弱点を克服できれば、タイトル争いでさらに優位に立つ可能性は高まりそうだ。

  • ニコラ・ツォロフ レッドブルの本拠地でF2優勝「大きな意味がある」

    ニコラ・ツォロフ レッドブルの本拠地でF2優勝「大きな意味がある」

    ニコラ・ツォロフ(カンポス)が、レッドブル・リンクで開催されたFIA F2第8戦オーストリア大会のフィーチャーレースで今季3勝目を挙げた。レッドブル育成ドライバーでもあるツォロフは、レッドブルの本拠地での勝利について「大きな意味がある」と喜びを語り、昨年の失格という苦い経験を振り返りながら雪辱を果たしたことを明かした。

    ツォロフはスタート直後に首位へ浮上すると、そのままレースをコントロールして優勝。レッドブル・リンクで再び頂点に立ち、「昨年より良い結末になった」と笑顔を見せた。

    レッドブル・リンクで昨年の雪辱
    レッドブル育成ドライバーとしてレッドブル・リンクで勝利したことについて問われたツォロフは、その特別な意味を強調した。

    「大きな意味がある。昨年のことを思い出すよ。今年は昨年より良い結末になればいいと思っていた。昨年は失格になってしまったからね」

    さらに、このサーキットとの相性の良さにも触れた。

    「このコースではいつも良い思い出がある。この3年間、モナコと同じように毎年前方で戦えている。それは僕にとってとても重要なことだし、ここは特別な週末なんだ」

    首位奪取の舞台裏を明かす
    ツォロフは好スタートでアレックス・ダンをかわすと、第3コーナーでノエル・レオンを抜いて首位に立った。その場面については、自身の狙いとは異なる形でチャンスが生まれたと説明した。

    「スタートの反応がとても良かったので、アレックス・ダンをかわすことができた。ターン3では後ろからプレッシャーを感じていたので守るつもりだった」

    「実際にはあそこでノエルを抜くつもりはなかった。でも僕が遅めにブレーキングしたことで、彼は接触すると思ったのかスペースを空けた。僕はコントロールできていたので、その隙を逃さず飛び込んだ。ターン3をトップで抜けられたのは良い判断だったと思う」

    一方で、レース中には反省点もあったという。

    「ピットストップではブレーキを保持できなかった。そのせいでメカニックがリアタイヤを装着しづらくなり、2秒ほど失ってしまった。それでレースは少し難しくなった」

    ニコラ・ツォロフ レッドブル

    タイトル争いは冷静に見据える
    今回の勝利でランキング上位との差を縮めたツォロフだが、チャンピオンシップについては冷静な姿勢を崩さなかった。

    「レースごとに戦うことを大切にしている。でもランキングも見ているよ。チャンピオンシップの状況を把握していれば、自分の動きを判断しやすくなるし、無理なリスクも避けられるからね」

    「もちろん差を縮められたのは良いことだけど、まだシーズンは序盤だ。この3大会はガブリエレ・ミニと同じようなペースでポイントを重ねてきたし、僕たちはとても競争力がある。後続との差を広げられたことも良かったと思う」

    レッドブル育成ドライバーとして本拠地レッドブル・リンクで価値ある勝利を挙げたツォロフ。昨年の失格という悔しさを晴らした今季3勝目は、タイトル争いに向けても大きな意味を持つ一戦となった。

  • レッドブルF1育成ニコラ・ツォロフが今季4勝目 宮田莉朋16位 / FIA F2

    レッドブルF1育成ニコラ・ツォロフが今季4勝目 宮田莉朋16位 / FIA F2

    レッドブルの育成ドライバーであるニコラ・ツォロフ(カンポス・レーシング)が6月28日、レッドブル・リンクで開催された2026年FIA F2選手権第8戦オーストリア大会のフィーチャーレースを制した。

    今季4勝目を挙げたツォロフは、ランキング首位のガブリエレ・ミニ(MPモータースポーツ)との差を縮めた。一方、ミニも2位に入り、選手権首位を守っている。

    ツォロフが今季4勝目をマーク
    22周で争われたフィーチャーレースは、ニコラ・ツォロフがトップでチェッカーを受け、今シーズン4勝目を飾った。

    ランキング首位のガブリエレ・ミニは2位でフィニッシュし、ポイントリーダーの座を維持。MPモータースポーツのオリバー・ゲーテが3位に入り、ファステストラップも記録した。

    2024年FIA F3王者のラファエル・カマラは4位でレースを終え、ARTグランプリのタサナポン・イントラプワサックはオルタネート戦略を成功させて5位を獲得した。

    日本勢ではハイテックの宮田莉朋が16位でフィニッシュし、ポイント獲得はならなかった。一方、プレマ・レーシングのマリ・ボヤとセバスチャン・モントーヤ、ファン・アメルスフォールト・レーシングのラファエル・ビジャゴメスは完走できず、リタイアに終わった。

    2026年FIA F2第8戦オーストリア フィーチャーレース結果
    1.ニコラ・ツォロフ(カンポス・レーシング)
    2.ガブリエレ・ミニ(MPモータースポーツ)
    3.オリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ)
    4.ラファエル・カマラ(インビクタ・レーシング)
    5.タサナポン・イントラプワサック(ARTグランプリ)
    6.マルティニウス・ステンショーネ(ロダン・モータースポーツ)
    7.アレックス・ダン(ロダン・モータースポーツ)
    8.ノエル・レオン(カンポス・レーシング)
    9.ラウレンス・ファン・フープン(トライデント)
    10.ジョシュア・デュルクセン(インビクタ・レーシング)
    11.ロマン・ビリンスキー(DAMSルーカスオイル)
    12.ジョン・ベネット(トライデント)
    13.クッシュ・マイニ(ARTグランプリ)
    14.ディーノ・ベガノビッチ(DAMSルーカスオイル)
    15.エマーソン・フィッティパルディJr.(AIXレーシング)
    16.宮田莉朋(ハイテック)
    17.ニコラス・バローネ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)
    18.シアン・シールズ(AIXレーシング)
    19.コルトン・ハータ(ハイテック)

    DNF.マリ・ボヤ(プレマ・レーシング)
    DNF.ラファエル・ビジャゴメス(ファン・アメルスフォールト・レーシング)
    DNF.セバスチャン・モントーヤ(プレマ・レーシング)

    ツォロフは今季4勝目によって選手権争いでミニとの差を縮め、タイトル争いはさらに接戦となった。一方でミニも2位を確保し、ランキング首位を維持。宮田莉朋は16位でレースを終え、ポイント獲得には届かなかった。

  • フェラーリF1育成ラファエル・カマラがF2初優勝 バルセロナで戦略勝負を制す

    フェラーリF1育成ラファエル・カマラがF2初優勝 バルセロナで戦略勝負を制す

    フェラーリF1育成ドライバーのラファエル・カマラが、2026年FIA F2第5戦バルセロナのフィーチャーレースで初優勝を飾った。

    インヴィクタ・レーシングのカマラはポールポジションからスタートしたものの、ターン1までにアレクサンダー・ダンに先行を許した。しかし、ソフトタイヤでの第1スティントをライバル勢より大きく引き延ばす戦略を選択。終盤にタイヤのアドバンテージを生かして一気に順位を回復し、最終的に2位以下に約10秒差をつけてトップチェッカーを受けた。

    カマラがロングスティントで逆転勝利
    レース序盤はダンが主導権を握り、カマラは2番手で追う展開となった。オープニングラップではオリバー・ゲーテがピット出口付近でストップし、セーフティカーが導入された。

    4周目にレースが再開されると、ダンは好リスタートを決めてカマラとの差を広げた。一方、後方ではソフトタイヤ勢とハードタイヤ勢が入り乱れ、ニコラ・ツォロフ、ガブリエレ・ミニ、コルトン・ハータ、ディノ・ベガノビッチらが激しく順位を争った。

    上位勢ではラファエル・ビジャゴメスが12周目にピットインし、続いてベガノビッチもタイヤ交換を実施。ダンも13周目にピットへ向かったが、カマラはステイアウトを選び、さらにソフトタイヤで周回を重ねた。

    終盤のタイヤ差で一気に首位奪回
    カマラがようやくピットに入ったのは22周目終了時だった。コース復帰時には9番手まで順位を落としたが、前方のライバルたちに対して約10周分新しいタイヤを持っていた。

    そこからカマラは強烈なペースで追い上げを開始。ビジャゴメスをかわして3番手に浮上すると、DRS圏内に入ったミニも攻略。さらに30周目のメインストレートでダンを抜き返し、再びレースリーダーに返り咲いた。

    一方、代替戦略を採ったツォロフも終盤にソフトタイヤで猛追。ハータ、ニコ・バローネ、ベガノビッチ、ミニを次々とかわし、最後はダンをターン3からターン4にかけて攻略して2位に浮上した。

    ラファエル・カマラ(スクーデリア・フェラーリ) フォーミュラ2

    ツォロフが選手権首位に浮上
    カマラはそのまま独走態勢を築き、F2での初勝利を達成した。2位にはツォロフ、3位にはダンが入り、ミニは4位でフィニッシュした。

    5位には13番グリッドから追い上げたローランス・ファン・ホーペンが入り、6位ベガノビッチ、7位ジョン・ベネット、8位ノエル・レオン、9位クッシュ・マイニ、10位ロマン・ビリンスキーがポイントを獲得した。

    カマラはレース後、次のように語った。

    「とても嬉しい。チームに本当に感謝している。昨日も今日もクルマはとても良かった。ようやく初優勝できて良かったけど、これからも集中して作業を続け、このペースを維持できるようにしていく」

    この結果、ドライバーズランキングではツォロフが86ポイントで首位に浮上。ミニが83ポイントで2位、初優勝のカマラが69ポイントで3位に上がった。ダンは64ポイントで4位、レオンが54ポイントでトップ5を締めくくっている。

    チームランキングでは、カンポス・レーシングが140ポイントで首位を維持。ロダン・モータースポーツが112ポイントで2位、MPモータースポーツが95ポイントで3位、インヴィクタ・レーシングが90ポイントで4位につけている。