投稿者: dbcheck

  • カルロス・サインツJr. アストンマーティンF1に困惑「速いのになぜ僕たちが前?」

    カルロス・サインツJr. アストンマーティンF1に困惑「速いのになぜ僕たちが前?」

    カルロス・サインツJr.は、2026年F1オランダGPでアストンマーティン勢より前のグリッドを確保したことに驚きを示した。直近のレースではアストンマーティンの方が明らかに高いペースを発揮しているだけに、「なぜ僕たちが前にいるのか理解できない」と語っている。

    サインツJr.自身もザントフォールトではマシンバランスに苦しみ、予選17番手に終わった。

    それでもアストンマーティンの2台はさらに後方。サインツJr.は、予選で両チームの力関係が逆転した理由として、アストンマーティンの予選用エンジンマップやストレートでのモードが影響している可能性にも言及した。

    「すごく速いのに、どうして僕たちが前なのか分からない」
    アストンマーティンは直近2戦でウィリアムズを上回るペースを見せており、特にレースでのコーナリング性能について、サインツJr.は明確な差を感じているという。

    それだけに、オランダGPのスターティンググリッドで自分がアストンマーティン勢より前にいることは意外だった。

    「なぜなのか分からない。彼らはすごく速いし、レースではコーナーで僕たちよりずっと速い」

    「でも、予選用のエンジンマップの問題なのか、それともストレートモードがうまく機能していないのかは分からないけど、不思議だ。彼らはすごく速いのに、どうして僕たちが前にいるのか理解できない」

    一方、サインツJr.自身の予選17番手という結果も、本来のウィリアムズのパフォーマンスを十分に反映したものではなかった。

    週末を通じてバランス問題に悩まされており、その原因のひとつとなったのがフロアだった。フリー走行で使用していたフロアが損傷したことで交換を余儀なくされたが、同じ仕様のスペアを装着したにもかかわらず、マシンの挙動が変化したという。

    同じ仕様のフロアでも性能にばらつき
    「スペアパーツがそれほど多くない。それに、それぞれが少しずつ勝手な動きをするんだ……」

    サインツJr.はスペイン『AS』にそう語り、ウィリアムズが抱えている問題は単なるセットアップだけではないと説明した。

    「これはチームとして抱えている最大の弱点のひとつだ。スペアパーツの品質管理と生産だね」

    「来年に向けて最も改善しなければならない部分だと思う。重量の問題以上にね。チームには過去から残っている“亡霊”がまだあって、それを取り除かなければならない」

    「今回のような週末ではかなり苦しくなるし、来年はこんなことを繰り返すわけにはいかない」

    サインツJr.によれば、交換前後のフロアは異なるアップデート仕様ではなく、設計上は同じスペックだった。それにもかかわらず、実際にはパフォーマンスとマシンバランスに違いが生じていた。

    「ここまでは本当に難しい週末だった。ようやくいくつか機能するものを投入できたけど、もう遅すぎた」

    「セットアップをあまりにも多く変更していた。でも、最後のセクターまではとてもいいラップだった。シケインで少し失って、それにストレートではバッテリーでさらに0.1秒失った。それでQ2に進めなかった」

    ただし、試行錯誤を重ねたことで、週末序盤から抱えていた問題については原因が見え始めている。

    「ようやく今シーズンずっと乗ってきたマシンに戻った感じだし、なぜそうなっていたのかも分かった。これから理解しなければならないのは、なぜマシンのスペアパーツによってこれほど大きなばらつきがあるのかということだ」

    決勝はポイントより2027年に向けたテストを優先
    17番グリッドから迎える決勝について、サインツJr.は通常の展開でポイントを獲得するのは難しいと考えている。わずかに雨の可能性も予想されているが、ポイント圏まで浮上するには大きくレースが荒れる必要があるとの見方だ。

    「僕たちは17番手、16番手、15番手あたりを争っている。ポイントを獲るには雨が降って、とんでもない大混乱にならないと無理だろう」

    「だから学ぶことに集中して、投資して、来年の改善につながるものを試す。F1で勝利を争ってきた人間にとって、こういう順位を争うのはあまりにも物足りない。それなら将来に投資したい」

    ウィリアムズ自身が厳しい週末を送っているにもかかわらず、そのサインツJr.より後方に沈んだアストンマーティン。レースでのコーナリングスピードを高く評価しているからこそ、サインツJr.にとって両チームの予選順位はなおさら不可解に映っているようだ。

  • 角田裕毅をレーシングブルズF1首脳が高評価「驚くほど早くマシンを理解」

    角田裕毅をレーシングブルズF1首脳が高評価「驚くほど早くマシンを理解」

    レーシングブルズのチーフテクニカルオフィサーを務めるティム・ゴスは、2026年F1オランダGPの土曜日を「ポジティブな一日」と総括。特に8カ月ぶりの実戦復帰を果たした角田裕毅について、新世代F1マシンへの適応の速さを高く評価した。

    角田裕毅はスプリントを13位で終えた後、予選ではQ1を突破。Q2でも中団上位を争うペースを示し、ピエール・ガスリーにわずか0.01秒届かない12番手となった。一方、チームメイトのアービッド・リンドブラッドはQ3に進出し、10番手を獲得している。

    ティム・ゴス「角田裕毅は素晴らしい仕事を続けている」
    「全体として、VCARBにとって今日もポジティブな一日だった。まずスプリントでは堅実なパフォーマンスを見せることができた」

    「角田裕毅は引き続き素晴らしい仕事をしている。この新世代マシンの複雑さを、驚くほど早く理解している」

    角田裕毅はスプリントで14番グリッドから好スタートを決め、一時は順位を上げた。最終的には13位でフィニッシュしたものの、8カ月にわたって実戦から離れていたことを考えれば、決勝に向けて貴重な走行経験を積む機会となった。

    ゴスも、スプリントで得られたデータと経験の重要性を強調している。

    「2台とも良いスタートを切り、1周目以降は周囲のマシンに対してポジションを維持した。我々にとってスプリント自体は比較的何事もないレースだったが、日曜日の決勝に向けて貴重な学びを得ることができた」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) オランダグランプリ

    予選ではガスリーとわずか0.01秒差
    レーシングブルズはスプリント終了後、予選に向けてセットアップをさらに煮詰めた。PUのエネルギーマネジメントにも手を加え、特に中高速域でのマシンバランス改善を目指したという。

    「予選に向けては、セットアップとPUのエネルギーマネジメントを引き続き調整し、特に中高速域でのマシンバランス改善を目指した」

    「2台ともQ1は余裕を持って通過した。より競争が激しくなる次のセッションに向けてドライバーの学習を最大化するため、3回のランを行うことを選択した」

    Q2では角田裕毅が1分12秒627をマーク。Q3進出には届かなかったものの、10番手のガスリーとの差はわずか0.01秒という僅差だった。

    「Q2では、角田裕毅が中団の先頭を争えることを再び証明した。ガスリーからわずか0.01秒差の12番手だった」

    一方のリンドブラッドはQ3に進出。ユーズドのソフトタイヤで好タイムを記録したが、雨の可能性によって最後の新品ソフトでのアタックに向けた準備が十分に整わなかった。

    「アービッドはQ3でユーズドタイヤを使った最初のラップで素晴らしい走りを見せたが、最後の新品ソフトタイヤで完璧なラップをまとめることはできなかった」

    「雨の可能性があったため、我々はランプランを素早く変更する必要があり、それによってアービッドの準備が少し妥協を強いられた。それでも10番手からスタートできる。日曜日も我々の好調なポイント獲得の流れを維持できると確信している」

    角田裕毅は12番グリッドから決勝をスタートする。ポイント圏まではわずか2ポジション。8カ月ぶりのF1実戦復帰ながら、ゴスから「驚くほど早く理解している」と評価された新世代マシンへの適応力を、決勝でポイント獲得につなげられるかが注目される。

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGP決勝1周目に大クラッシュ 赤旗中断

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGP決勝1周目に大クラッシュ 赤旗中断

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が、2026年F1オランダGP決勝の1周目にクラッシュ。最終コーナーでマシンのコントロールを失い、激しくバリアに衝突したことでレースは赤旗中断となった。

    母国ザントフォールトで7番グリッドからスタートしたフェルスタッペンにとって、まさかの展開となった。大きな衝撃を伴うクラッシュだったが、フェルスタッペンは直後に無線で自身が無事であることを伝え、その後メディカルカーで現場を離れた。

    1周目の最終コーナーでフェルスタッペンがクラッシュ
    事故が起きたのはスタート直後の1周目。雨の影響で路面の一部に濡れた箇所が残る難しいコンディションのなか、フェルスタッペンは最終コーナーでイン側のラインを通過しようとした。

    その際、タイヤが白線に乗ったところでリアのグリップを失い、マシンはスピン。そのままバリアへ激しく衝突した。

    F1公式ライブでは、事故が表示された時点ですでに先頭が2周目に入っていたため「LAP 2/72」となっていたが、後方を走っていたフェルスタッペン自身は1周目の最終コーナーを走行していた。

    クラッシュ直後、フェルスタッペンはチーム無線で無事を報告。事故の衝撃が大きかったこともあり、その後はメディカルカーに乗って現場を離れた。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) オランダグランプリ

    赤旗提示で全車がピットレーンへ
    フェルスタッペンのクラッシュを受けて赤旗が提示され、各車はピットレーンへ戻った。タイミングモニター上では3周目に入った段階でレースが中断された形となった。

    フェルスタッペンのマシンはコース脇から撤去され、安全確認とバリアのチェックが進められることになった。

    ザントフォールトで最後の開催となるF1オランダGPで、地元の大声援を受けていたフェルスタッペンがスタート直後に戦列を離れるという衝撃的な展開となった。

    ボルトレトもスピン 角田裕毅は11番手に浮上
    フェルスタッペンの事故とほぼ同じタイミングでは、ガブリエル・ボルトレトも別の場所でスピン。ボルトレトは大きく順位を落としたものの、マシンをコースへ戻すことに成功し、赤旗が提示された時点でもレースに残っている。

    一方、12番グリッドからスタートした角田裕毅(レーシングブルズ)は11番手に浮上。ポイント圏の10番手フランコ・コラピントまであと1ポジションという位置で、赤旗後の再スタートを迎えることになった。

    スタート直後から濡れた部分が残る難しいコンディションとなった2026年F1オランダGP。母国での最後のオランダGPを迎えたフェルスタッペンが1周目でクラッシュするという、波乱の幕開けとなった。

  • F1オランダGP決勝戦略 1ストップが本命もソフトタイヤに逆転の可能性

    F1オランダGP決勝戦略 1ストップが本命もソフトタイヤに逆転の可能性

    2026年F1第12戦オランダGPの決勝は、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションからスタートする。予選ではマクラーレンが速さを示した一方、土曜日のスプリントでは長いスティントでリアグリップに苦しむ場面もあり、決勝ではタイヤ戦略が勝敗を左右する可能性がある。

    ピレリの分析では、最速と予想されているのはミディアムからハードにつなぐ1ストップ戦略だ。

    ただし、ソフトスタートとの差はわずかで、2ストップも大きく不利ではない。さらにフェラーリとマックス・フェルスタッペンは新品ソフトを残しており、各チームのタイヤ在庫の違いも戦略に影響する。

    本命はミディアム→ハードの1ストップ
    ピレリがスプリントまでのデータを分析した結果、現時点で最も速いと予測されているのはミディアムでスタートし、ハードへ交換して最後まで走る1ストップだ。

    理想的なピットウインドウは27~33周目。タイヤのデグラデーション、摩耗、そしてザントフォールトでのオーバーテイクの難しさを総合すると、これが最もリスクの小さい戦略になる。

    ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキは次のように説明する。

    「デグラデーションの状況、パフォーマンス、摩耗に関するすべてのデータをまとめると、1ストップ戦略が有力になると考えている」

    「1ストップなのは、オーバーテイクがかなり難しそうだからだ。2ストップにするとトラフィックに引っかかる問題が出てくる可能性がある」

    つまり純粋なタイヤ性能だけでなく、コース上のポジションを守ることが重要になる。

    新世代F1マシンでオーバーテイクはどう変わる?
    ザントフォールトでは、F1復帰初年度の2021年にはオーバーテイクが非常に難しいと考えられていた。しかし、グラウンドエフェクトカーが導入された2022年以降、さらに最終コーナーまでDRSゾーンが拡大されたことで追い抜きは増加した。

    2026年は状況が再び変わっている。マシンのダウンフォースが減少し、DRSに代わってオーバーテイクモードが導入されたためだ。

    決勝で実際に追い抜きが可能なら、フレッシュタイヤを生かせる2ストップの価値が高まる。一方で抜くことが難しければ、タイヤ交換回数を減らしてトラックポジションを維持する1ストップが圧倒的に重要になる。

    この判断が各チームの戦略を分けるポイントになる。

    オランダグランプリ タイヤパフォーマンス

    ソフト→ハードもほぼ同等の速さ
    興味深いのは、ミディアムスタートが圧倒的に有利というわけではないことだ。

    シミュレーションでは、ミディアム→ハードの1ストップと、ソフト→ハードの1ストップとの差はレース全体で約1秒しかない。

    ソフトスタートの場合、理想的なピットウインドウは26~32周目。スタート直後のグリップが高いため、特に上位グリッドでは1コーナーまでの攻防で大きな武器になる可能性がある。

    その代わり、ソフトはミディアムほど第1スティントを延ばす自由度がない。セーフティカーなどが入らず、予定より長く走らなければならなくなった場合には不利になる。

    さらにタイヤ在庫にも違いがある。

    フェラーリ勢とマックス・フェルスタッペンは新品ソフトを残している一方、マクラーレンとメルセデスには新品ソフトが残っていない。

    予選までの段階で新品ソフトを温存しなかったことからも、マクラーレンとメルセデスが決勝でソフトスタートを最優先に考えていないことがうかがえる。

    オランダグランプリ 持ちタイヤ数

    2ストップならミディアム→ハード→ソフト
    2ストップはトラフィックのリスクを伴うものの、シミュレーション上の総レースタイムでは1ストップと大きな差がない。

    最大のポイントは、フレッシュタイヤによるペース差を使ってコース上でオーバーテイクできるかどうかだ。

    最も有力な2ストップ戦略は、

    ミディアム→ハード→ソフト

    という組み合わせになる。

    最初のピットウインドウは24~30周目、2回目は46~52周目と予想されている。終盤にソフトを投入できれば、大きなタイヤデルタを使って攻撃することが可能になる。

    もうひとつの選択肢が、

    ソフト→ミディアム→ミディアム

    だ。

    この場合は21~27周目に最初の交換を行い、45~51周目に2度目のピットストップを行うのが理想とされている。

    グリッド後方など、トラックポジションを守るよりも積極的に順位を上げる必要があるドライバーにとっては魅力的な戦略となる。

    オランダグランプリ タイヤ戦略

    ルクレールのスプリントで浮上した「ミディアム→ソフト」
    土曜日のスプリントによって、さらに興味深い選択肢が浮上した。

    シャルル・ルクレールが中古ソフトで強力なペースを見せたことで、ミディアムからソフトにつなぐ1ストップも現実的な候補となっている。

    この戦略では、ミディアムで35~41周目まで走り、その後ソフトへ交換する必要がある。

    ソフトで走る距離はかなり長くなるものの、交換直後にはハードを履くライバルに対して約0.6秒のペースアドバンテージが見込まれている。

    タイヤを最後まで持たせられるなら、終盤に強力な攻撃力を得られる戦略だ。特にフェラーリは新品ソフトを残しているため、状況次第では有力なカードになる。

    2025年はセーフティカーが戦略を大きく変えた
    前年のオランダGPでは、オスカー・ピアストリがミディアム→ハード→ハードの2ストップで優勝した。

    ただし、これは通常のレース展開によるものではない。

    当初は上位勢の多くが1ストップを想定していたが、ルイス・ハミルトンが小雨のなかターン3でウォールに接触。23周目にセーフティカーが導入され、上位勢が一斉にピットへ向かった。

    さらに51周目にはアントネッリが2度目のピットストップを敢行。これに反応したルクレールが翌周にピットへ入り、コースへ戻った直後に両者がターン3で接触した。

    再びセーフティカーが導入され、トップ勢は53周目にもう一度タイヤを交換した。

    そのため2025年の結果だけから、ザントフォールトでは2ストップが有利だったと判断することはできない。一方で、セーフティカーが入れば戦略が大きく変化することは証明されている。

    オランダグランプリ

    雨の可能性は低いが「海岸特有のにわか雨」に注意
    決勝の天気予報では、基本的に雨は予想されていない。

    ただし、北海沿岸に位置するザントフォールトでは「シーエフェクト」と呼ばれる現象によって局地的な雨雲が発生することがある。

    冷たい空気が比較的暖かい海面上を通過すると、下層の空気が急速に暖められて水分を取り込み、対流雲が発達する。その結果、沿岸部で突然強い雨が降る可能性がある。

    スプリント終盤にも雨粒が落ち始めており、完全に無視できる要素ではない。

    鍵はトラックポジションとセーフティカー
    基本戦略はミディアム→ハードの1ストップ。しかし、その優位性は決して大きくない。

    ソフト→ハードとの差はレース全体で約1秒にすぎず、2ストップもタイヤデルタを生かしてオーバーテイクできれば十分に成立する。さらにルクレールのスプリントでのペースから、ミディアム→ソフトという攻撃的な1ストップも候補に加わった。

    ポールのノリスを筆頭にマクラーレンとメルセデスが新品ソフトを持たない一方、フェラーリとフェルスタッペンには新品ソフトが残されている。この違いがセーフティカーやレース終盤の展開で大きな意味を持つ可能性もある。

    ザントフォールトでオーバーテイクがどこまで可能なのか。そしてセーフティカーや突然の雨が入るのか。2026年F1オランダGPは、単純な1ストップ勝負に見えて、状況次第で複数の戦略が成立するレースになりそうだ。

  • リアム・ローソン レッドブルF1でマシンの違いに驚き「身体的にかなりキツい」

    リアム・ローソン レッドブルF1でマシンの違いに驚き「身体的にかなりキツい」

    リアム・ローソンは、2026年F1オランダGPでレッドブル・レーシングのRB22をドライブするなか、レーシングブルズのVCARB 03では今季一度も経験していなかった身体的な厳しさに直面していると明かした。

    アイザック・ハジャーの負傷により、今週末限定でレッドブルに復帰したローソン。スプリント予選では11番手にとどまったものの、土曜日の予選ではQ3進出を果たして8番手を獲得。

    7番手のマックス・フェルスタッペンとはわずか0.115秒差まで迫った。一方で、RB22特有のステアリングフィールやコーナーへの入り方に適応するだけでなく、身体面でも想定以上の負担を強いられているという。

    予選Q3のオンボード映像では、高速の右コーナーであるターン8に進入する際、ローソンが頭を左側のヘッドレストに預けるような場面も確認された。ローソンによれば、これはRB22をドライブする際の首への負担に対応するためだった。

    「正直、エルゴノミクス的に違うポジション、違うシートに座っていることが大きいと思う。クルマに乗っているだけでも、身体的にはかなり苦労している」

    「クレイジーだよ。自分のクルマでは今年ずっと、こんなことで苦労したことはなかったからね」

    レーシングブルズでシーズンを戦ってきたローソンにとって、RB22は同じパワーユニットを搭載していても、ドライバーが受ける感覚は大きく異なるという。ダウンフォース量の違いも身体的な負担を増している可能性がある。

    「もちろん、こっちの方が少しダウンフォースが大きいから、それも助けにはなっていないのかもしれない。すべてが違う。同じなのは基本的にパワーユニットくらいで、コーナーへの入り方も違う」

    最大の違いはステアリングフィール
    なかでも、ローソンがRB22への適応で最も大きな違いとして挙げたのがステアリングだった。

    「正直、一番違うのはステアリングだ。ステアリングの感触がかなり違う。どれくらいステアリングを切り込むかというところも含めてね」

    「僕にとっては、それを理解することが今週末で一番大きな課題だった」

    その難しさは、金曜日のスプリント予選でも表れていた。ローソンはSQ1で6番手につけ、フェルスタッペンを上回る滑り出しを見せたものの、SQ2では11番手に後退。「Q2で何が起きたのかまったく分からない」と無線で訴えていた。

    当時、Sky Sports F1でオンボード映像を分析していた元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンは、ローソンがRB22のアンダーステアと格闘していることを指摘していた。

    「彼にはかなりのアンダーステアがあった。オンボードを見るたびに、それが確認できた。クルマを曲げるために、本当に格闘しなければならなかった」

    デビッドソンは、RB22を熟知するフェルスタッペンとの比較についても、ローソンにとって極めて難しい条件だったと評価した。

    「フェルスタッペンは当然ながらクルマを限界まで絞り上げ、さらに多くを引き出して魔法を使うことができる」

    「でも、自分が一度も走らせたことのないクルマに突然乗って、このサーキットでフェルスタッペンから0.4秒差だったとしたら、僕ならかなり満足すると思う」

    スプリント予選の段階ではフェルスタッペンとの差が約0.4秒あったローソンだが、その後の予選では差を0.115秒まで縮めた。限られた走行時間のなかで、RB22への理解を着実に深めていることがうかがえる。

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング) オランダグランプリ

    予選ではフェルスタッペンに0.115秒差
    今回のオランダGPでローソンがRB22を実車で走らせる機会を得たのは、金曜日のフリー走行が初めてだった。事前のシミュレーター走行もわずか1セッション。スプリントフォーマットのためフリー走行は1回しかなく、その直後から競争力を求められる厳しい状況だった。

    それでも予選ではQ3まで進出し、1分11秒733で8番手。フェルスタッペンは1分11秒618で7番手となり、両者の差は0.115秒だった。

    ローソンはレーシングブルズのVCARB 03を開幕前テストから約7カ月にわたって走らせており、その感覚が身体にも染み付いている。そこからシートポジション、ステアリングフィール、ダウンフォース特性、コーナー進入時の挙動まで異なるRB22へ突然乗り換えることは、単純に速さだけでは測れない適応を要求する。

    金曜日には強いアンダーステアに苦しみ、土曜日には首への身体的な負担も明らかになった。それでもローソンはセッションを重ねるごとにRB22への適応を進め、最終的にはフェルスタッペンのすぐ後ろとなる8番グリッドを確保した。

    決勝では、身体的な負担を抱えながらRB22をレースディスタンスで走らせることになる。予選で急速に縮めたフェルスタッペンとの差とともに、慣れないマシンで長距離をどう乗り切るかもローソンにとって大きな試金石となる。

  • ランド・ノリス F1オランダGPでポール「僕が一番タマがデカいのかも(笑)」

    ランド・ノリス F1オランダGPでポール「僕が一番タマがデカいのかも(笑)」

    ランド・ノリスは、2026年F1オランダGPの予選でポールポジションを獲得。高速コーナーで際立った速さを見せたマクラーレンについて「僕たちのマシンが高速域で一番いい。それとも僕が一番タマがデカいのかも(笑)」とジョークを飛ばした。

    スプリントでは低速コーナーでの弱点に苦しみ3位に終わったノリスだが、予選では一転して速さを発揮。Q3最後のアタックで1分11秒163を記録し、ジョージ・ラッセルを0.102秒差で退けた。前戦ハンガリーGPに続く2戦連続、通算18回目のポールポジションとなった。

    「これ以上はないね。正直、少し驚いているけど、いいラップだった」

    「どれだけ僅差か分かっていたからプッシュしていた。100分の1秒、200分の1秒が最後には大きな違いになるからね」

    「今日の序盤は少し苦戦していると感じていたけど、そこからうまく立て直すことができた。予選では間違いなくかなり強かった。チームがいい仕事をして、マシンからもう少し引き出そうとしてくれた。それが今日は間違いなく助けになった」

    スプリント後に変更「何かを試す必要があった」
    ノリスはスプリントを3位で終えた後、マクラーレンの低速域でのパフォーマンスについて「十分とは程遠い」と厳しく評価していた。

    予選までに施した変更は大幅なものではなかったが、ノリスはそのままの状態ではメルセデス勢に対抗できないと考えていた。

    「何かを試す必要があった。それまでの状態では十分ではなかったからね」

    「いくつか小さな変更をした。コンマ2秒とか、コンマ1秒を稼げるようなものではなかったけど、僕にもう少し自信を与えてくれる程度のものだった」

    「ザントフォールトのようなコースでは、マシンへの自信が必要だし、かなり攻めていきたい。今日はそれがもっとできると感じたし、それが結果につながった」

    もっとも、予選でマクラーレンの弱点そのものが消えたわけではない。ノリスによれば、低速コーナーでタイムを失う傾向はスプリントから変わっていなかった。

    「苦戦していた場所でマシンがそれほど良くなったとは感じなかった。最大のロスがあったのは、今朝と同じ場所、同じコーナーだった」

    「新品タイヤと少ない燃料によって、いくつかの問題が隠れたように思う。それが今日も当てはまったんだと思う。それに僕自身もうまく走れた。いろいろなものをうまくまとめることができた」

    「僕が一番タマがデカいのかも(笑)」高速コーナーで圧倒
    マクラーレンが特に強さを発揮したのが高速コーナーだった。その速さについて問われたノリスは、マシンの性能を認めつつ、自身のドライビングを絡めてジョークを飛ばした。

    「そこは変わっていない。僕たちのマシンが高速域で間違いなく一番いい。それとも、僕が一番タマがデカいのかも(笑)。分からないけどね」

    「でも、高速域ではものすごく強い。一方で低速では、まだ自信を持てないくらい苦戦している。少しは前進したと思うけど、明日の決勝でもそこが難しい部分になるだろう」

    ランド・ノリス(マクラーレン) オランダグランプリ

    雨の最終アタック「失うものは何もない」
    Q3最後のアタックでは雨粒が落ち始めていた。それでもノリスは、雨がラップタイムに悪影響を及ぼしたとは考えていない。むしろ路面やタイヤがわずかに冷えたことで、パフォーマンスが向上した可能性もあると分析した。

    「雨がどれだけ影響したのかは分からない。ラップタイムは予想していたより少し良かったし、もしかすると路面が少し冷えて、タイヤがラップを通してうまく機能したのかもしれない」

    一方で、ポールを決めたラップは本人の感覚として完璧なものではなかった。特にターン1では今週末でも最悪の出来だったという。

    「ターン1はかなりひどかった。今週末でほぼ最悪のターン1だったと思う。それ以外も、とんでもなくいいと感じるようなラップではなかった」

    「ただ、どれだけ僅差になるか分かっていたから、すべてにコミットするしかなかった。Q3最初のアタックを見ても、どれだけ接近しているか分かっていたからね」

    「かなり攻めたことで、むしろミスも増えそうになった。でも、そのミスのなかでも強く攻め続けたことで、失った以上に得られたところがあったと思う」

    ノリスには走行中にデルタタイムが分からなかったため、自分がどこでタイムを稼ぎ、どこで失っているのかも把握できていなかった。

    「どこで速かったのか、どこで遅かったのかは分からなかった。でも『失うものは何もない』と思って走った。それがうまくいった。こういうラップは気持ちがいい」

    スプリントではラッセルに勝利を許したものの、予選ではノリスが逆転。低速域という弱点を抱えながらも、高速コーナーでのマクラーレンの強さと自身の思い切ったアタックを武器にポールをもぎ取った。

    最後の開催となるザントフォールトで、ノリスは前戦ハンガリーGPに続く2戦連続優勝を狙う。

  • F1オランダGP 決勝スターティンググリッド:角田裕毅はガスリーの隣12番手

    F1オランダGP 決勝スターティンググリッド:角田裕毅はガスリーの隣12番手

    2026年F1 オランダGP 決勝の暫定スターティンググリッド。ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得し、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が2番手、ポイントリーダーのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が3番手からスタートする。

    8カ月ぶりにF1のレースに復帰した角田裕毅(レーシングブルズ)は12番グリッド。ポイント圏まで2ポジションという位置から決勝に臨む。

    。奇しくも、そのひとつ前の11番グリッドには元チームメイトのピエール・ガスリー(アルピーヌ)。アルファタウリ時代からパドックで有名な“ブロマンス(男の友情)”で知られる2人が、決勝では隣り合う形でスタートする。

    予選ではノリスが1分11秒163をマークし、ラッセルを0.102秒、アントネッリを0.133秒上回って2戦連続のポールポジションを獲得。オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が4番手、フェラーリ勢はルイス・ハミルトンが5番手、シャルル・ルクレールが6番手に並んだ。

    地元で最後のオランダGPを迎えるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は7番手。負傷したアイザック・ハジャーの代役としてレッドブル・レーシングをドライブするリアム・ローソンが8番手に続き、ガブリエル・ボルトレト(アウディ)が9番手、アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)が10番手でトップ10を締めくくった。

    ホンダの新仕様パワーユニットを投入したアストンマーティンは苦戦し、フェルナンド・アロンソが18番手、ランス・ストロールが19番手。ウィリアムズ勢もアレクサンダー・アルボンが16番手、カルロス・サインツJr.が17番手と後方からのスタートとなる。

    最後列にはキャデラック勢が並び、バルテリ・ボッタスが21番手、セルジオ・ペレスが22番手から決勝をスタートする。

    ザントフォールトでのオランダGPは2026年をもってF1カレンダーから外れる予定で、今回が当面最後の開催となる。72周で争われる決勝は8月23日(日)現地時間15時、日本時間22時にスタートする。なお、スターティンググリッドはFIAによる正式発表まで暫定となる。

    オランダグランプリ

    2026年F1 オランダGP 決勝スターティンググリッド

    Grid No ドライバー チーム 予選
    1 1 ランド・ノリス マクラーレン 1 (-)
    2 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 2 (-)
    3 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 3 (-)
    4 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン 4 (-)
    5 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 5 (-)
    6 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 6 (-)
    7 3 マックス・フェルスタッペン レッドブル 7 (-)
    8 30 リアム・ローソン レッドブル 8 (-)
    9 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ 9 (-)
    10 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 10 (-)
    11 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ 11 (-)
    12 22 角田裕毅 レーシングブルズ 12 (-)
    13 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 13 (-)
    14 43 フランコ・コラピント アルピーヌ 14 (-)
    15 31 エステバン・オコン ハース 15 (-)
    16 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ 16 (-)
    17 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ 17 (-)
    18 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 18 (-)
    19 18 ランス・ストロール アストンマーティン 19 (-)
    20 87 オリバー・ベアマン ハース 20 (-)
    21 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 21 (-)
    22 11 セルジオ・ペレス キャデラック 22 (-)
  • F1オランダGP 予選:全22名ドライバーコメント

    F1オランダGP 予選:全22名ドライバーコメント

    2026年F1第12戦オランダGPは22日(土)、ザントフォールトでスプリントと決勝に向けた予選が行われた。スプリントではジョージ・ラッセルが勝利を飾り、午後の予選ではランド・ノリスが1分11秒163を記録して2戦連続のポールポジションを獲得した。

    予選ではラッセルが2番手、キミ・アントネッリが3番手に入り、メルセデス勢がノリスに続いた。8カ月ぶりにF1実戦へ復帰した角田裕毅はレーシングブルズで12番手につけ、ポイント圏を狙える位置から決勝を迎える。

    1番手:ランド・ノリス(マクラーレン)
    「2戦連続でポールを獲得できてとてもうれしい。今日はドライビングが一番大きな違いだった。最後のラップは完全に攻め切った。これまでで一番クリーンなラップではなかったけど、それだけプッシュしてリスクを取っていたということだし、その攻める姿勢が報われて最高のスタート位置を手にできた。スプリントは少し難しくて、リアグリップに苦しみながら3位を守るために戦わなければならなかった。単純にレースペースが十分ではなく、低速コーナーでは明らかに不足していた。でも予選までにそこへ取り組んで、今日の午後にポールを獲得する助けになるものを見つけることができた。決勝については、ブダペストのときほど自信はない。ライバルがとても強いことは分かっているし、明日はもっと大きなチャレンジになると思う。今夜はエンジニアたちとしっかり作業して、スプリントからできる限り多くを学び、決勝に向けて準備する。厳しいレースになるだろうけど、P1からクリーンエアでスタートできることは僕たちに戦うチャンスを与えてくれる」

    2番手:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    「今日はスプリントで勝利してスタートできたのは良かった。主にタイヤと後方とのギャップを管理する、コントロールされたレースだった。トップ争いがどれほど僅差か分かったし、だからこそトラックポジションが重要だった。全体として、夏休み明けから良いペースで戻ってこられたのはポジティブだし、僕自身にもチームにも自信を与えてくれた。午後の予選終盤はかなり激しかった。Q3終盤に雨が来ることが分かっていたので、走行プログラムを前倒しすることにした。最後のアタックではラップ前半がとても良く、この週末でベストだった。ただ後半で小さなミスをしてタイヤ温度を上げてしまい、少しラップタイムを失った。それは残念だった。ポールは可能だったと思う。明日は興味深いレースになる。スプリントではマクラーレンが速かったし、ノリスは良いトラックポジションにいる。フェラーリも速かったので、彼らが僕たちの後ろからスタートするのは良いことだ。トラックポジションは重要だけど、グランプリは長く、面白い戦略の選択肢もたくさんある。日曜日がどうなるか見てみよう」

    3番手:キミ・アントネッリ(メルセデス)
    「今日は僕にとって簡単な一日ではなかった。特に予選Q1ではマシンに完全には快適さを感じられず、リズムをつかむのが難しかった。Q3に向けて徐々にフィーリングを取り戻していったけど、残念ながら最後のアタックのターン1でミスをしてしまった。セクター1だけで約0.2秒失ったので残念だ。セクター2と3では少し取り戻して、それでもP3に入れるラップをまとめることはできたけど、ポール争いにも加われたはずだ。2列目スタートは悪い位置ではないし、明日はまだ何でも可能だ。フィールドは信じられないほど僅差なので、難しい状況のなかでもまずまずのグリッドを確保できたことには満足している。明日はチャンスが来たら攻める。ただし賢くやらなければならない。表彰台は十分に狙えるけど、僕たちは結果を最大化して、訪れるチャンスをすべて生かすことに集中する」

    4番手:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    「両方のセッションを通して、全体としてはまずまずの一日だった。スプリントと予選の最終結果は望んでいたものではなかったけど、マシンの感触は良かったし、進歩していてトップ争いができることが分かったのは励みになる。このポジティブな兆候を持ち帰って、スプリント後半は望んでいたほど強くなかったので、決勝ペースを改善するためにチームと何ができるか取り組んでいく。ここではオーバーテイクが簡単ではないことは分かっているので、明日はスタートが重要になる。メルセデスやフェラーリと争える位置にいるし、今回施した変更によって表彰台を争ううえで、より強いポジションに立てることを願っている」

    5番手:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    「スプリント後にバランスを改善して予選でより良いウインドウを見つけるため、いくつか調整を加えた。マシンはより快適になったけど、それでも難しいセッションだった。タイヤを思いどおりに機能させることが最大の課題で、すべてをまとめるのが難しかった。まだ改善しなければならない部分があることは分かっているけど、より上位で戦える位置にいるのは良いことだ。新しいセットアップで予選への自信を取り戻すことも重要だったし、それは決して簡単ではない。マシンに取り組み続けてくれているチームのみんなに感謝しているし、明日何ができるのか楽しみにしている」

    6番手:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    「このレースでは予選がどれほど重要か分かっているので、P6からのスタートは難しいものになる。スプリントではレースペースがしっかりしていて、ソフトタイヤでスタートするリスクを取ったけど、最終的にはそれが報われた。オーバーテイクが難しいサーキットなので、適切なタイミングでチャンスを生かしてひとつ順位を上げることができた。予選についてはいくつか見直さなければならない部分があるけど、今日はポールを狙える状況ではなかったと思う。スタートを最大限に生かして、戦略でライバルの前に出るために何ができるか見てみる」

    7番手:マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
    「この週末はマシンにさまざまなセットアップ変更を試したけど、それほど大きな違いにはならなかった。それは残念だ。特にコーナーではバランス面で少し制限があり、グリップ不足によってプッシュするのが難しかった。完全に満足できるウインドウにマシンを入れられていない。明日に向けては、自分たちに何ができるのか現実的に考える必要があると思う。少しペースが足りていない。自分たちのレースをしっかり管理して、どうなるか見ながら、もう少しパフォーマンスを引き出せればと思う。もちろんザントフォールトでの最後のレースなので特別なものになるし、週末を通して観客の雰囲気とエネルギーは素晴らしかった。最後にもう一度ファンと一緒に楽しみたい」

    8番手:リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)
    「ここまでは難しい週末だったけど、自分がどう適応できたかには満足しているし、予選はポジティブなセッションだったと感じている。スプリントは良い学習になった。オーバーテイクが難しかったので、スタートした位置でフィニッシュしたのが今日の最大限だったと思う。短い時間のなかで適応しなければならないことがたくさんあるけど、チームは僕ができるだけ快適にマシンを走らせられるよう素晴らしい仕事をしてくれた。みんなが注いでくれた努力に感謝している。明日は厳しくなるだろうけど、目標はポジションを守ってポイントを争いながら、さらに学んでいくことだ。今のところマックスが明らかに僕にとって最も強力な基準なので、これだけ近づけているのは良いことだ。でもまだ縮められるタイムはあるし、決勝に向けてマシンからもう少しペースを引き出したい」

    9番手:ガブリエル・ボルトレト(アウディ)
    「難しい予選だったけど、同時に素晴らしい予選でもあった。Q1では苦戦して、もう少しで敗退するところだったけど、集中を切らさずに必要なラップをまとめて突破し、最終的にトップ10まで進むことができた。最後はP9が今日できる最大限だったし、マシンからすべてを引き出せたことには本当に満足している。スプリントを振り返ってもペースにはかなり満足していたけど、さらに順位を上げるにはもう少し何かが必要だった。明日また良いスタートを切ることができれば、良い結果を争うチャンスがあるかもしれない」

    10番手:アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
    「また土曜日をQ3で終えられたのは本当に良いことだ。ザントフォールトは僕にとって初めてのサーキットだけど、週末の最初からここを走るのを楽しんでいる。予選全体としては堅実なセッションだったけど、Q3については少し残念に思っている。中古ソフトでの最初のアタックではビルドアップラップで良いものを見つけたけど、最後のラップでは雨が来てしまって、それを実行できなかった。それでも明日に向けて良いスタート位置だ。チームの仕事と、予選でいつでもプッシュすることを楽しめるマシンを用意してくれたことに感謝している。裕毅が素晴らしい仕事をして、すぐにペースをつかんでいるのを見るのも良いことだ。明日は良い位置にいる。良いスタートを切ることが重要になるし、そこからポイントを狙っていく」

    11番手:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
    「スプリントでポイントを獲得できたのは素晴らしかった。ポイントから少し遠ざかっていたからね。昨日のペースを今日のスプリントでも発揮できたのはポジティブだった。トラックポジションも確かに助けになったし、すべてを管理してP8でフィニッシュすることだけを考えていた。それには満足しているけど、予選にはそれほど満足していない。僕にとってはまとまりのないセッションで、昨日と比べて低燃料では少し苦戦したように思う。ただ、自分たちに厳しくなりすぎる必要はない。Q3まで0.1秒未満だったし、ペース自体はあった。何を改善できるか見直す。新しいパーツについてはまだ初期段階で、パッケージ全体を最大限に生かし、最適なセットアップウインドウに入れる方法をまだ学んでいるところだ。明日の中団も再び僅差になると思う。僕たちは前のマシンだけを見ていて、ポイントを目指して戦いを挑むことに完全に集中している」

    オランダグランプリ 角田裕毅

    12番手:角田裕毅(レーシングブルズ)
    「今日の結果には本当に満足しています。8カ月ぶりにちゃんとマシンに戻ってきて、すべての瞬間を楽しめました。セッションを通して、自分自身と、どこを改善できるかということに本当に集中していました。限界を探して、どこまでプッシュできるのかを理解していくプロセスを本当に楽しめました。Q3に進めればよかったですが、予選終盤は信じられないくらい僅差でした。明日はポイント圏にかなり近いところからスタートするので、最大限プッシュして、あらゆるチャンスを生かし、できる限り楽しむことが目標です」

    13番手:ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
    「ここまでは僕たちにとって簡単な週末ではない。スプリントのスタート直後にパワーの問題が出たので、そこでほぼチャンスを失ってしまった。それでも予選までには問題を解決することができた。自分のラップには不満はないけど、最後のアタックではターン1を抜けたところで少し追い風を受けて、それが難しくしてラップタイムを失った。それ以外はかなりクリーンなラップだった。このサーキットではリズムと自信が非常に重要だけど、今週末はまだそれを一貫して見つけられていない」

    14番手:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
    「チーム全体がとても良い仕事をしてくれたおかげで、今日の予選ではマシンを最大限に生かすことができた。最後のラップはトラフィックのせいで完走できなかったけど、それまでは僕たちにとってとても強いセッションだった。すでに良いラップを出していたし、レーシングブルズやアウディに近づけたのはポジティブだ。午前のスプリント後にマシンへ小さな変更を加えて、午後はそのパフォーマンスをさらに積み上げることができた。進歩には満足しているし、マシンもより良く、一貫して感じられた。もちろん僕の側にはまだ新しいアップグレードが来るのを待つ必要があるけど、今日は予選を最大限に生かせたので満足している。明日の目標は順位を上げることだ。ドライでは難しくなるので少し雨が降ってくれれば歓迎だけど、ベストを尽くす」

    15番手:エステバン・オコン(ハース)
    「スプリントではレーシングブルズに少し足りなかったと思う。彼らは僕たちから離れていって、僕たちは後ろのウィリアムズを引き離していたので、オリーと僕は少し誰もいないところを走っていた。戦略を分けたので、明日に向けてどのタイヤがベストなのかを選ぶうえで興味深いデータになる。雨が最後の1周だけだったのは少し残念だった。見ている人にとってはもっと降った方が面白かっただろうね。予選ではこれ以上速く走れたとは思わない。前のマシンとは0.3秒差だった。かなり良いラップで、しっかり最適化できたし、本当にこれ以上できることはなかった。それが今のパフォーマンスだと言うのは厳しいけど、もっと上位で戦うにはできるだけ早くアップデートが必要だ。次のレースには来るはずだ。マシンが健全なら僕たちは戦えるし、ここ2戦は健全な状態なので、それが続くことを願っている」

    16番手:アレックス・アルボン(ウィリアムズ)
    「Q2のラップには満足している。スプリントと予選の間にいくつか変更を加えて、それがうまく機能したのでバランスは良くなった。ただ、純粋なダウンフォース不足にはまだ苦しんでいる。Q1では最大限を引き出せなかったと思うけど、Q2では間違いなく引き出せたし、ここしばらくで最も完成度の高いラップだったかもしれない。今日はよりリズムに乗れて、ラップも一貫していた。少なくとも明日に向けてハース1台とアストンマーティン2台の前に出ることができた。最初のセットアップがなぜあれほど外れていたのかはまだ理解する必要がある。それは今後につなげられる部分だ。より良いセットアップならタイヤもうまく管理できるかもしれないし、スプリントではデグラデーションが大きかったので明日は重要になる。ザントフォールトではオーバーテイクが難しいので、決勝ではタイヤを巡る駆け引きや複数回のピットストップがあると思う。日曜日がどうなるか見てみよう」

    17番手:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    「スプリント週末は問題の原因を突き止める時間があまりないので、スプリントレースをほぼプラクティスセッションとして使い、バランスを改善するためにいろいろなことを試した。午後はマシンの感触が良くなって、変更によってより快適にドライブできるようになった。自分のラップもまずまずだったし、本当にわずかな差でQ2進出を逃した。明日はすべてをまとめてクリーンなレースをし、マシンから最大限を引き出して、それがどこまで僕たちを連れていってくれるか見てみる」

    18番手:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    「Q2進出にはかなり近かったし、持っているものはほぼ最大限に生かせたと思う。マシンのドライバビリティを改善して、今後さらにラップタイムを取り戻すために取り組む必要がある。全体としては、数戦前にはトップチームから平均4秒遅れていたのに、Q1でトップから1.3秒差まで来られたことには満足しなければならないと思う。明日何ができるか見てみよう。そしてザントフォールトでの最後のレースを楽しみたい」

    19番手:ランス・ストロール(アストンマーティン)
    「今日も昨日と似たような問題に苦しんだ。マシンのドライバビリティとバランスには改善しなければならない部分があり、そこに集中する必要がある。レースペースは予選ペースより良さそうだ。予選ではもっとプッシュして、本当にラップを攻められるようにする必要がある。それでも僕たちは進歩しているし、懸命に取り組んでいる。さらに一歩前進できるようプッシュし続ける」

    20番手:オリバー・ベアマン(ハース)
    「正直に言えばスプリントの感触はかなり良かった。タイヤも良く感じたし、ペースもまずまずだった。このタイプのサーキットでは、僕たちが抱えている問題がレースではそれほど目立たないように感じるので、今朝のバランスにはずっと満足していた。それだけに予選を終えた今は本当に混乱している。昨日や今朝と比べても感触はずっと良くて、マシンの中でもより快適だった。自信もあったと思う。でもラップタイムを引き出すのはさらに難しくなっていた。マシンからタイムを出すのにより苦労したので、かなり不可解だ。明日はベストを尽くす」

    21番手:バルテリ・ボッタス(キャデラック)
    「スプリントではアストンマーティンと戦えることを期待していたけど、彼らの方が優勢だったように見えた。明日はもっと長い距離でのレースペースがどこにあるのか見てみるけど、彼らやウィリアムズに挑戦できればと思っている。予選については、最後尾にいるのを見るのは決して気分の良いものではない。でもギャップはそれほど大きくないので、マシンを改善するために少しずつ取り組み続けて、明日はベストを尽くす」

    22番手:セルジオ・ペレス(キャデラック)
    「今朝は油圧系の問題があったけど、チームが素晴らしい仕事をしてスプリントでマシンをコースに戻してくれて、有望なペースを示すことができた。今朝はマシンからかなり引き出せていたのに、その後に施した変更によって少し競争力を失ってしまったのは残念だ。明日何ができるか見なければならないけど、今日示したペースには励まされている。マルチンがチームに加わってまだ本当に間もないけど、彼は豊富な経験と強いリーダーシップをもたらしてくれている。これから数戦で僕たちを正しい方向へ進める助けになってくれると確信している」

  • F1オランダGP予選 ピレリ総括:3種類のタイヤが決勝の選択肢 1ストップが最速予測

    F1オランダGP予選 ピレリ総括:3種類のタイヤが決勝の選択肢 1ストップが最速予測

    2026年F1第12戦オランダGPの予選がザントフォールトで行われ、ランド・ノリスがポールポジションを獲得した。ピレリは日曜日の決勝について、ソフト、ミディアム、ハードの3種類すべてが戦略上の選択肢になると分析している。

    予選ではノリスが1分11秒163を記録して最速。ジョージ・ラッセルが1分11秒265で2番手、キミ・アントネッリが1分11秒296で3番手に続いた。地元オランダのマックス・フェルスタッペンは7番手となった。

    予選終盤には雨粒が落ち始めたことで、各チームはアタックのタイミングを前倒しした。路面温度は約27度、気温は19度で推移し、決勝でも同様のコンディションが予想されている。

    同日に行われたスプリントではラッセルが優勝。シャルル・ルクレールを抑えてトップチェッカーを受け、ノリスが3位に入った。

    注目されたのはタイヤ選択だ。ラッセルとノリスがミディアムを使用した一方、ルクレールはソフトを選択。オリバー・ベアマンもソフトを履き、それ以外のドライバーはミディアムを使用した。

    ルクレールはソフトの高いグリップを生かしてノリスとの差を縮め、長いスティントでも大きなペース低下は見られなかった。この結果から、ピレリは決勝でソフトも現実的な選択肢になると判断している。

    ピレリ「3種類すべてが決勝の選択肢」
    ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキは、スプリントで得られたデータについて次のように説明した。

    「フェラーリとハースが今日のスプリントでソフトタイヤを使用したことで、赤いマーキングのコンパウンドも日曜日の選択肢になり得ることが示された。ハードとミディアムが最も多く選ばれると予想しているが、3種類すべてが決勝の選択肢になる」

    「C4は優れたグリップによって、ルクレールがノリスとの差を縮めるために必要としていたパフォーマンスを発揮した。長いスティントでもペース低下はなかった。比較的低い気温も、コンパウンドを最適な作動領域に保つ助けになった」

    一方、ザントフォールトではオーバーテイクが難しいこともスプリントで改めて確認された。ピットストップによってトラックポジションを失うことの代償が大きく、戦略を考えるうえで重要な要素になる。

    オランダグランプリ

    最速はミディアム→ハードの1ストップ
    ピレリのシミュレーションでは、決勝の最速戦略はミディアムでスタートし、27~33周目まで走ってからハードに交換する1ストップとなっている。

    「最速の戦略は1ストップだ。ミディアムでスタートし、27~33周目まで走ったあと、残りをハードで走る」

    もうひとつの有力な選択肢がソフトスタートだ。こちらは理論上、最速戦略との差が約1秒しかないという。

    「代替案としては、ソフトでスタートして26~32周目まで走り、その後ハードでフィニッシュする戦略がある。こちらは約1秒遅い」

    2ストップについても、クリアエアを確保できれば計算上は競争力がある。ただし、オーバーテイクが難しいザントフォールトでは、追加のピットストップによって順位を落とした場合のリスクが大きい。

    「クリアエアであれば2ストップも理論上は競争力がある。ただし、先ほど触れたように、このサーキットではオーバーテイクの機会が限られていることを考慮する必要がある」

    レース中にバーチャルセーフティカー(VSC)が導入された場合や、トラフィックの状況次第でアンダーカットを狙える場合には、3スティント目を追加する可能性もあるという。

    スプリントで確認されたデグラデーションは主に熱によるものだったが、そのレベルは限定的だった。決勝ではドライバーがタイヤをより管理して走ると予想されるため、少なくともミディアムとハードについては、デグラデーションが戦略を決定づける要因にはならないとピレリは見ている。

    ポールポジションからスタートするノリスを筆頭に、各チームが基本となるミディアム→ハードの1ストップを選ぶのか、それともスプリントで可能性を示したソフトを投入するのか。オーバーテイクが難しいザントフォールトだけに、タイヤ性能だけでなくトラックポジションをどう守るかが決勝戦略の大きなポイントとなりそうだ。

  • 角田裕毅 レーシングブルズF1の“メディア対応指示書”が流出 想定問答にローソン

    角田裕毅 レーシングブルズF1の“メディア対応指示書”が流出 想定問答にローソン

    F1オランダGPでレーシングブルズから実戦復帰を果たした角田裕毅に用意されていた「メディア対応メモ」の内容が明らかになった。パドックで撮影された写真に資料が偶然写り込み、チームが角田裕毅に伝えていたキーメッセージや記者からの想定質問、その回答方針の一部が読み取れる状態になっていた。

    とりわけ興味深いのが、レッドブル・レーシングから出場するリアム・ローソンに関する想定問答だ。

    角田裕毅ではなくローソンがアイザック・ハジャーの代役に選ばれた経緯や、ローソンの将来について質問された場合に、どこまで答えるかまで準備されていた。

    写真に写り込んだ角田裕毅のメディア対応資料
    F1オランダGPでは、手首を負傷したアイザック・ハジャーが欠場。レッドブル・レーシングはレーシングブルズのリアム・ローソンを代役に起用し、その空いたシートにリザーブドライバーの角田裕毅が入るというドライバー変更が行われた。

    これによって角田裕毅は約8カ月ぶりにF1のレースへ復帰。突然の起用だったことに加え、なぜレッドブルのリザーブである角田裕毅がハジャーの直接の代役ではなかったのかなど、メディアから多くの質問が寄せられることが予想されていた。

    そんななか、F1フォトグラファーのマイケル・ポッツがザントフォールトで撮影した写真に、角田裕毅向けのメディア対応資料が写り込んでいた。

    資料には「YUKI」と記され、その下に「KEY MESSAGING(主要メッセージ)」と「POTENTIAL QUESTIONS(想定質問)」という項目が並んでいる。

    主要メッセージとして確認できるのは「レースに戻れてうれしい」「両チームをサポートするためにここにいる」「チームが正しい決断をしたと信じている」「いつものようにベストを尽くす」といった内容だ。

    つまり、突然の復帰を前向きに受け止める一方、レッドブルとレーシングブルズのドライバー選択についてはチームの判断を尊重し、自身の仕事に集中するという基本的なスタンスが設定されていたことになる。


    「どうやって復帰を知った?」まで想定
    資料には、実際に記者から飛んできそうな質問と、それに対する回答の方向性も細かく記されていた。

    「出場することをどのように知ったのか?」という質問には、レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースから電話があったと説明する回答が準備されていた。

    また、復帰を知らされたときの最初の反応については、当然ながらF1のレースに戻れることに興奮した一方で、準備はできているという方向で答えるよう整理されている。

    「再びF1でレースをする機会が来ると思っていたか?」という質問への回答には「F1では何が起こるか分かりません」という趣旨の文言も確認できる。

    さらに、2026年のマシンで十分な走行経験を持たないまま突然レース週末に参加する難しさについても想定されており、難しい挑戦ではあるものの、限られた時間のなかでチームから可能な限りのサポートを受けるという回答方針が示されていた。

    ローソンに関する質問には慎重な回答を準備
    特に目を引くのがリアム・ローソンについての想定質問だ。

    今回、レッドブルはリザーブドライバーの角田裕毅ではなく、レーシングブルズでレギュラー参戦しているローソンをハジャーの代役として起用した。

    そのため、角田裕毅に対して「ローソンがレッドブルのシートを得たことをどう思うか」といった質問が出ることは十分に予想できた。

    これについてメモでは、自身の焦点はレーシングブルズで与えられた役割にあり、チームが最善の判断をしたと考えているという方向へ回答を導く内容になっていた。

    さらに、ローソンは過去にもレッドブルで走った経験を持つため、その経験が今回有利になるのかという質問も想定されている。

    これに対する回答は「レギュレーションが大きく変わっていることを考えれば、そうは言えないと思います」というものだった。

    「今回はローソンが以前より良いパフォーマンスを見せると思うか?」という質問についても、「新しいレギュレーションになっているので、昨年とは比較できません」とする回答が用意されている。

    過去の状況と2026年のF1を直接結びつけず、ローソンのパフォーマンスについて角田裕毅自身に評価させない方針がうかがえる。

    ローソンの将来は「ローランに聞いてください」
    さらに踏み込んだ質問への対応も準備されていた。

    「ローソンが今週末に好成績を残した場合、レッドブルでの将来が変わる可能性はあるか?」

    この想定質問に対して用意されていた回答は極めてシンプルだった。

    「それはローランに聞いてください」

    ローランとはレッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースを指す。

    ドライバーの将来やレッドブルの人事判断については角田裕毅がコメントするのではなく、決定権を持つチーム首脳へ質問を振るという明確な線引きだ。

    また、資料上部には手書きで追加されたとみられる質問もあり、「ドライバーたちと話したか」「自分がそのシートを得るべきだったと思うか」と読める内容が確認されている。こちらについては回答までは確認できない。

    F1ドライバーのメディア対応の舞台裏
    F1チームがレース週末を前にドライバーと広報担当者の間でメディア対応について打ち合わせを行うこと自体は珍しいことではない。

    ドライバーにはスポンサー、チームの人事、技術的な問題、他のドライバーとの関係など、回答次第では大きなニュースになり得る質問が数多く投げかけられる。そのため、チームが重要なメッセージや想定される質問について事前に確認しておくのは通常の広報活動の一部だ。

    今回珍しかったのは、その具体的な内容が写真を通じて外部から確認できる状態になったことだ。

    この資料が角田裕毅に「一字一句この通りに話す」ことを求めた台本だったと断定することはできない。実際、確認できる文章も途中で隠れているものが多く、完成した回答というよりも、受け答えの方向性を整理するためのブリーフィング資料と見るのが自然だ。

    それでも、突然のF1復帰によって注目を集めた角田裕毅に対し、レーシングブルズがどのような質問を想定し、どのようなメッセージを発信しようとしていたのかが垣間見える珍しい一件となった。

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) オランダグランプリ

    角田裕毅に用意されていた実際の想定問答
    写真に写り込んだ資料から確認できる主な想定質問と回答は以下の通り。資料の一部は隠れているため、判読できる範囲をもとにしている。

    Q:今回レースに出場することを、どのように知りましたか?

    角田裕毅:「ローランから電話がありました」

    Q:出場すると聞いたとき、最初にどう思いましたか?

    角田裕毅:「もちろん、またレースに戻れることに興奮しました。(中略)準備はできていると感じています」

    Q:もう一度F1でレースをする機会があると思っていましたか?

    角田裕毅:「F1では何が起こるか分かりません」

    Q:いきなりマシンに乗るのは、どれくらい大きなチャレンジですか?

    角田裕毅:「もちろんチャレンジですが、限られた時間のなかでチームができる限りサポートしてくれています」

    Q:リアム・ローソンがレッドブルのシートを得たことについて、どう思いますか?

    角田裕毅:「僕は自分に与えられた役割に集中しています。(中略)チームが最善の決断をしたと思っています」

    Q:あなたも以前、まったく同じ状況を経験していますよね?

    角田裕毅:「いいえ、そうではありません」

    Q:ローソンが以前レッドブルで走った経験は、今回プラスになると思いますか?

    角田裕毅:「レギュレーションが大きく変わっていることを考えれば、そうは言えないと思います」

    Q:今回はローソンが以前より良いパフォーマンスを見せると思いますか?

    角田裕毅:「新しいレギュレーションになっているので、昨年とは比較できません」

    Q:ローソンが今週末に好成績を残せば、レッドブルでの将来が変わる可能性はありますか?

    角田裕毅:「それはローランに聞いてください」

    資料にはこのほかにも「ドライバーたちと話したか」「自分がそのシートを得るべきだったと思うか」といった手書きの想定質問が確認できるが、それらに対する回答は写真からは判別できない。

    普段はチームとドライバーの間だけで共有されるこうした資料が表に出ることはほとんどない。角田裕毅のF1復帰という注目度の高い状況で、レーシングブルズがどの質問を想定し、どこまで角田裕毅本人に答えさせる方針だったのか。その舞台裏を垣間見ることのできる興味深い資料となっている。