2026年F1第12戦オランダGPの予選がザントフォールトで行われ、ランド・ノリスがポールポジションを獲得した。ピレリは日曜日の決勝について、ソフト、ミディアム、ハードの3種類すべてが戦略上の選択肢になると分析している。
予選ではノリスが1分11秒163を記録して最速。ジョージ・ラッセルが1分11秒265で2番手、キミ・アントネッリが1分11秒296で3番手に続いた。地元オランダのマックス・フェルスタッペンは7番手となった。
予選終盤には雨粒が落ち始めたことで、各チームはアタックのタイミングを前倒しした。路面温度は約27度、気温は19度で推移し、決勝でも同様のコンディションが予想されている。
同日に行われたスプリントではラッセルが優勝。シャルル・ルクレールを抑えてトップチェッカーを受け、ノリスが3位に入った。
注目されたのはタイヤ選択だ。ラッセルとノリスがミディアムを使用した一方、ルクレールはソフトを選択。オリバー・ベアマンもソフトを履き、それ以外のドライバーはミディアムを使用した。
ルクレールはソフトの高いグリップを生かしてノリスとの差を縮め、長いスティントでも大きなペース低下は見られなかった。この結果から、ピレリは決勝でソフトも現実的な選択肢になると判断している。
ピレリ「3種類すべてが決勝の選択肢」
ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキは、スプリントで得られたデータについて次のように説明した。
「フェラーリとハースが今日のスプリントでソフトタイヤを使用したことで、赤いマーキングのコンパウンドも日曜日の選択肢になり得ることが示された。ハードとミディアムが最も多く選ばれると予想しているが、3種類すべてが決勝の選択肢になる」
「C4は優れたグリップによって、ルクレールがノリスとの差を縮めるために必要としていたパフォーマンスを発揮した。長いスティントでもペース低下はなかった。比較的低い気温も、コンパウンドを最適な作動領域に保つ助けになった」
一方、ザントフォールトではオーバーテイクが難しいこともスプリントで改めて確認された。ピットストップによってトラックポジションを失うことの代償が大きく、戦略を考えるうえで重要な要素になる。

最速はミディアム→ハードの1ストップ
ピレリのシミュレーションでは、決勝の最速戦略はミディアムでスタートし、27~33周目まで走ってからハードに交換する1ストップとなっている。
「最速の戦略は1ストップだ。ミディアムでスタートし、27~33周目まで走ったあと、残りをハードで走る」
もうひとつの有力な選択肢がソフトスタートだ。こちらは理論上、最速戦略との差が約1秒しかないという。
「代替案としては、ソフトでスタートして26~32周目まで走り、その後ハードでフィニッシュする戦略がある。こちらは約1秒遅い」
2ストップについても、クリアエアを確保できれば計算上は競争力がある。ただし、オーバーテイクが難しいザントフォールトでは、追加のピットストップによって順位を落とした場合のリスクが大きい。
「クリアエアであれば2ストップも理論上は競争力がある。ただし、先ほど触れたように、このサーキットではオーバーテイクの機会が限られていることを考慮する必要がある」
レース中にバーチャルセーフティカー(VSC)が導入された場合や、トラフィックの状況次第でアンダーカットを狙える場合には、3スティント目を追加する可能性もあるという。
スプリントで確認されたデグラデーションは主に熱によるものだったが、そのレベルは限定的だった。決勝ではドライバーがタイヤをより管理して走ると予想されるため、少なくともミディアムとハードについては、デグラデーションが戦略を決定づける要因にはならないとピレリは見ている。
ポールポジションからスタートするノリスを筆頭に、各チームが基本となるミディアム→ハードの1ストップを選ぶのか、それともスプリントで可能性を示したソフトを投入するのか。オーバーテイクが難しいザントフォールトだけに、タイヤ性能だけでなくトラックポジションをどう守るかが決勝戦略の大きなポイントとなりそうだ。
