F1アカデミーは、2026年のルーキーテストを9月9日から11日にスペインのナバラ・サーキットで開催すると発表した。昨年初開催されたテストをさらに拡充し、英ラフバラー大学の支援による新たな「ルーキー・トレーニングキャンプ」も導入する。
将来F1アカデミーへの参戦資格を持つ女性ドライバー18名が選出され、日本からは佐藤こころと松井沙羅の2名が名を連ねた。
参加者は8月25日から27日までラフバラー大学でトレーニングキャンプに参加した後、ナバラでF1アカデミーマシンによる実走テストに臨む。
佐藤こころと松井沙羅が18名のルーキーに選出
2025年に実施された初のF1アカデミー・ルーキーテストの成功を受け、シリーズは2026年も同テストを開催することを決定した。さらに今回は、ラフバラー大学の支援を受けたルーキー・トレーニングキャンプが新たに加わる。
今回のプログラムには、将来的にF1アカデミーへ参戦する資格を持つ18名の女性ドライバーが選出された。そのなかには日本人ドライバーの佐藤こころと松井沙羅も含まれている。
8月25日から27日にラフバラー大学でルーキー・トレーニングキャンプを実施し、その後9月9日から11日にナバラ・サーキットで行われるルーキーテストでプログラムを締めくくる。
参加ドライバーは以下の18名。
アレクシア・ダニエルソン(Alexia Danielsson)
ロザンヌ・デン・ドライバー(Rosanne Den Drijver)
ジョーディン・デザ=マーティン(Jordyn Deza-Martin)
エヴァ・ドレステイン(Eva Dorrestijn)
ヴィクトリア・ファルフス(Victoria Farfus)
オータム・フィッシャー(Autumn Fisher)
ゾーイ・フロレスク(Zoe Florescu)
ルナ・フルーシャ(Luna Fluxa)
ヤナ・カプール(Yana Kapoor)
カリーン・カウル(Kareen Kaur)
カルメン・クラーヴ(Carmen Kraav)
エラ・ラハデマー(Ella Lähdemaa)
松井沙羅(Sara Matsui)
ジネヴラ・パンゼリ(Ginevra Panzeri)
佐藤こころ(Kokoro Sato)
ミラ・ショーストランド(Milla Sjöstrand)
クララ・シュティーブライヒンガー(Clara Stiebleichinger)
ソフィア・ザンファリ(Sofia Zanfari)

F1アカデミーとラフバラー大学が育成プログラムを共同構築
F1アカデミーによれば、トレーニングキャンプとルーキーテストは、競争が激しさを増し、世界各地へと広がっている女性ドライバーの人材プールから、特に高い可能性を持つ才能を発掘、育成、支援することを目的としている。
F1アカデミーとラフバラー大学は共同で、次世代の女性ドライバーがサーキット内外で成長を加速させるために必要となる知識とスキルを身につけるプログラムを構築した。
また、女性アスリートの育成、パフォーマンス向上、次のカテゴリーへ移行する際に直面する課題について、科学的根拠に基づいたデータや知見を得ることも狙いのひとつとなる。これにより、女性ドライバー育成についてモータースポーツ界全体の理解を深めることを目指す。
身体能力から認知能力まで科学的に評価
ラフバラー大学で行われるルーキー・トレーニングキャンプでは、ドライバーたちがさまざまな評価プログラムを受ける。
内容には、生理学的プロファイリング、認知能力テスト、VALDによるパフォーマンススクリーニングなどが含まれる。
さらに、ラフバラー大学の専門家によるセミナーや参加型ワークショップも実施される。ストレングス&コンディショニング、競技生活におけるパフォーマンス管理、レジリエンス、エリートスポーツで成功するために重要となる行動特性などがテーマとなる。
実走での速さだけではなく、身体的、認知的、行動的な要素まで対象とすることで、将来F1アカデミーで戦うために必要となる能力を多角的に評価し、参加ドライバー自身の成長につなげることが狙いだ。
ナバラではF1アカデミーチームの実戦環境を体験
9月のルーキーテストでは、参加者がF1アカデミーのチーム環境に入り、実際のレース活動に近い環境を経験する。
ドライバーブリーフィングやエンジニアリングセッションを見学し、ジュニア・シングルシーターのトップレベルで戦う際に求められるチーム運営やドライバーの役割について直接学ぶ。
さらに、プロのレーシングキャリアにおいてサーキット外で求められる責任への準備として、メディアブリーフィングや各種評価にも参加する。
一連のプログラムの最後には、佐藤こころ、松井沙羅を含む参加ドライバーがF1アカデミーマシンのステアリングを握り、ナバラ・サーキットで実走テストを行う。
F1アカデミー「2025年の成功からさらに一歩進める」
F1アカデミーのパフォーマンス&タレント・デベロップメント・マネージャーを務めるケイティ・デンバーは、2025年の初開催で女性ドライバーの層の厚さを確認できたことが、今回のプログラム拡大につながったと説明した。
「2025年に初めて開催したルーキーテストの成功によって、この育成経路から非常に多くの女性レーシングドライバーの才能が育ってきていること、そしてドライバーが自分の可能性を示す機会を提供することの重要性、その両方が明確になった」
「2026年はラフバラー大学とともに実施するルーキー・トレーニングキャンプを導入し、このプログラムをさらに一歩進める」
「これによって、サーキット上だけではなく、科学的根拠に基づいたアスリート育成というアプローチからもドライバーを支援することができる。自分自身の身体的、認知的、行動的なパフォーマンスについて、より深く理解する手助けになる」
「世界トップレベルの専門知識、研究、そしてサーキットでの経験を組み合わせることで、ドライバーが成長を加速させ、サーキット内外で成功するために何が必要なのかをより深く理解できる環境を作っている」
ラフバラー大学「女性レーサーの次世代育成で価値観を共有」
ラフバラー大学スポーツ部門ディレクターのルー・ギアも、F1アカデミーとの協力について、トップレベルのアスリート育成で培ってきた大学側の専門知識を生かす機会になると強調した。
「F1アカデミーとそのルーキードライバーたちをラフバラーに迎えられることを、私たちは非常に誇りに思っている。このコラボレーションは、才能、努力、機会、そして世界最高水準のパフォーマンス環境が並外れた可能性を引き出す力になるという共通の信念を持つ2つの組織を結びつけるものだ」
「ラフバラー・スポーツでは、何世代にもわたってアスリートが世界の舞台で卓越した成果を追求できるよう支援してきた。次世代の女性レーシングドライバーの才能を育てようとするF1アカデミーの取り組みには、私たちと共通する価値観が数多くある」
「私たちはともに、大きな目標を持つ若者が成長し、卓越性を追求し、自らの可能性を実現できる環境を作ることに情熱を注いでいる」
「私たちの専門知識を共有し、お互いから学び、この素晴らしいドライバーたちがエリートレベルの競争で求められるものに備えられるよう支援することを楽しみにしている」
「そして何より、このコラボレーションは、スポーツ界で女性を後押しし、才能ある女性アスリートが活躍できる機会をさらに増やし、次世代に自分たちが達成できることに限界はないと信じてもらうという、私たち共通の決意を示すものだ」
2026年のF1アカデミー・ルーキープログラムは、実走による才能発掘だけではなく、スポーツ科学、認知能力、プロとしての振る舞いまで含めた総合的な育成の場へと発展する。日本から選出された佐藤こころと松井沙羅にとっても、世界各国から集まった有望な女性ドライバーとともに能力を示し、将来のF1アカデミー参戦へとつなげる重要な機会となる。