投稿者: dbcheck

  • ニコ・ヒュルケンベルグ 同僚ボルトレトとのニアミスに戦慄「パッセンジャーだった」

    ニコ・ヒュルケンベルグ 同僚ボルトレトとのニアミスに戦慄「パッセンジャーだった」

    アウディF1のニコ・ヒュルケンベルグは、2026年F1オランダGP決勝でチームメイトのガブリエル・ボルトレトが高速スピンを喫した際、間一髪で接触を回避した瞬間について「怖かった。パッセンジャーだった」と振り返った。

    ヒュルケンベルグはザントフォールトで8位に入り、2戦連続のポイント獲得を達成。アウディに貴重な4ポイントを持ち帰った一方、レース序盤にはチームメイトとの大事故につながりかねない危険な場面に遭遇していた。

    ボルトレトが360度スピン ヒュルケンベルグが間一髪で回避
    F1オランダGP決勝は、スタート前の雨によって路面の一部が濡れた難しいコンディションで始まった。

    オープニングラップではマックス・フェルスタッペンが高速の最終コーナーでコントロールを失い、バリアに激突。このクラッシュによってレースは赤旗中断となったが、その後方ではボルトレトもマシンのコントロールを失っていた。

    ボルトレトのアウディは高速で360度スピン。その直後を走っていたヒュルケンベルグの進路上にマシンが滑り込み、両者はあわや接触という状況になった。

    ヒュルケンベルグは、その瞬間について次のように説明した。

    「怖かったし、危険だった。パッセンジャーだった」

    「できるだけ遅くまで反応するのを待って、それから本能的にどちらか一方を選んだ。もちろん、彼が上側に滑っていくのか、下側に滑っていくのかを見極めようとしていた」

    「濡れた路面では危険だし、難しい。幸運にも避けることができた」

    高速域かつ濡れた路面では、スピンしたマシンがどちらへ動くかを予測することは難しい。ヒュルケンベルグはボルトレトの動きを可能な限り見極めた上で、最後は本能的に回避方向を選択し、接触を免れた。


    ガスリーを攻略して8位 アウディに貴重な4ポイント
    危険な序盤を切り抜けたヒュルケンベルグは、その後のレースでアルピーヌのピエール・ガスリーをオーバーテイク。トップチーム勢に続く8位でフィニッシュし、アウディに4ポイントをもたらした。

    ヒュルケンベルグにとっては2戦連続のポイント獲得。金曜日と土曜日に苦戦していたことを考えれば、価値のある結果となった。

    「チームにとってもチャンピオンシップにとってもすごく重要だ。でも、チームの雰囲気という意味でも、みんなを元気づけてくれる」

    「これまで取り組んできたことが正しくて、僕たちが正しい方向に進んでいることを確認できた。とても満足している」

    「個人的にも、金曜日と土曜日は決して楽な週末ではなかった。最後にこうして何かを持ち帰って、いい形で終えられたのは本当にうれしいし、格別な気分だ」

    アウディはランキング8位 ハースとの差は5ポイント
    ヒュルケンベルグの8位によって、アウディはコンストラクターズランキング8位を維持した。

    7位ハースとの差は5ポイントに縮まり、同時に9位ウィリアムズとの差を5ポイントに広げた。僅差の中団争いにおいて、今回ヒュルケンベルグが獲得した4ポイントは大きな意味を持つ。

    また、ヒュルケンベルグは今回の結果が、アウディが進めてきた取り組みとマシン開発の方向性を裏付けるものだと受け止めている。苦戦した金曜日と土曜日を経て、決勝で結果につなげたこともチームにとってポジティブな材料となった。

    ボルトレトとの接触を紙一重で回避する緊迫したオープニングラップから、最後は8位入賞。ヒュルケンベルグは難しいコンディションのザントフォールトで貴重なポイントを持ち帰り、アウディの中団争いを後押しした。

  • フェルナンド・アロンソ ホンダF1新PUに厳しい評価「振り出しに戻った」

    フェルナンド・アロンソ ホンダF1新PUに厳しい評価「振り出しに戻った」

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1オランダGPで9位入賞を果たした一方、アストンマーティンに投入されたホンダの新スペック・パワーユニットについて、まだ本来の性能を引き出すには時間が必要だと語った。

    ホンダのスペック2は初期仕様で積み上げてきた改善の一部が失われ、「振り出しに戻ったようなもの」とアロンソは表現している。

    一方、エイドリアン・ニューウェイのもとで進められているシャシー開発については明確な手応えを感じている。アロンソは、今回のアップデートによって進むべき方向が見えたことを前向きに捉えている。

    ホンダ新PUは「振り出しに戻った」
    アストンマーティンはオランダGPにホンダの新スペックPUを投入。アロンソは9位でフィニッシュし、今季2度目のポイント獲得を果たした。

    しかし、新PUはまだ期待された完成度には達していない。アロンソはレース後、母国スペインの『AS』に対し、初期仕様で改善してきた部分について、再び最適化する必要が生じていると説明した。

    「エンジンについてはもう少し待たなければならない。今週末の結果は、僕たちが期待していたものではなかったと思う。あのハンドリングやギアチェンジが得られていない」

    「最初のエンジンで改善したものが、この2基目ではある意味、振り出しに戻ってしまった。だから、これを最適化するために今後2~3レースが必要になる」

    新スペックではパフォーマンス向上が図られた一方、それまで積み重ねてきたドライバビリティなどの調整を改めて煮詰める必要が生じている。アロンソは、その最適化には数戦を要すると見ている。

    モンツァは「ポイント獲得のチャンスはない」
    今後についてアロンソは、サーキットの特性によってアストンマーティンの競争力には大きな差が出ると予想している。

    「今年の残りについては、僕たちがより良いパフォーマンスを発揮できるサーキットもあれば、悪くなるサーキットもある」

    次戦イタリアGPの舞台となるモンツァについては、厳しい見通しを示した。

    「モンツァは最悪の部類に入るだろうし、ポイントを獲得するチャンスはないと思う。それでも、このハンドリング面を改善しようとしていく」

    高速区間と長いストレートが特徴となるモンツァだけに、アロンソは現状のパッケージではオランダGPと同じような結果を期待するのは難しいと考えている。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    シャシーは「また一歩前進」
    一方で、アロンソのシャシーに対する評価は対照的に前向きだ。アストンマーティンはザントフォールトにも新たなパーツを持ち込み、AMR26の改善を進めた。

    「ここにはさらに多くのパーツを持ち込んだし、マシンを改善できた。シャシーも改善した。その意味では、また一歩前進だと思う」

    特にアロンソが評価しているのが、タイヤのグリップだけに頼れなくなった状況でのマシンのパフォーマンスだ。

    「レースではタイヤが摩耗して、タイヤそのもののグリップにそれほど頼れなくなったときに、マシンの質が見えてくると思う。そこでアストンは少し際立っている。だから、シャシーで進んでいる方向には満足している」

    「今は明確な方向性がある」
    アロンソにとって大きな収穫は、アップデートによってシャシー開発の方向性が確認できたことだ。

    「もしこのパッケージを持ち込んで、コーナーで速くないことが分かったなら心配だっただろう。でも今は明確な方向性がある。あとはこのパッケージを最適化して、全力で取り組むだけだ。今はみんな、とてもモチベーションが高い」

    「今回の結果によって、明日の8時には両方のファクトリーでみんなが仕事に取りかかることになると思う。全員がもっと上を望んでいるからね」

    オランダGPでの9位は、アストンマーティンにとって単なる2ポイント以上の意味を持つ結果となった。シャシーでは進むべき方向が見え始めた一方、ホンダの新PUについては再び最適化を進める必要がある。アロンソが挙げた今後2~3戦でどこまで完成度を高められるかが、シーズン後半戦の鍵となりそうだ。

  • トト・ヴォルフ メルセデスF1のチームオーダーを説明「厳しい決断も必要」

    トト・ヴォルフ メルセデスF1のチームオーダーを説明「厳しい決断も必要」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが、2026年F1オランダGP終盤にジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリの順位を入れ替えたチームオーダーについて説明した。フェラーリ勢が背後に迫るなか、チームとして最大限のポイントを確保するための「論理的な判断」だったと強調している。

    アントネッリはランド・ノリスに次ぐ2番手を走行していたが、終盤のバーチャル・セーフティカー(VSC)でソフトタイヤに交換。ステイアウトしたノリスとラッセルの後ろ、3番手でコースへ戻った。

    新品タイヤのアントネッリを前へ「最も安全な方法だった」
    ハードタイヤで走り続けるラッセルに対し、新しいソフトタイヤを履いたアントネッリは明らかに速く、すぐにチームメイトの背後まで接近した。

    残り8周となった65周目、メルセデスはラッセルにアントネッリを先行させるよう指示。ラッセルは無線で不満を示し、「ダブル表彰台を失うかもしれない」と懸念したものの、最終的には指示に従った。

    その背後にはルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールのフェラーリ勢が急接近しており、順位交換によってラッセルが攻撃にさらされるリスクもあった。

    ヴォルフは『Sky Sports F1』に対し、チームオーダーの狙いについて次のように説明した。

    「ノリスを捕まえられる状況だったとは思わない。ポイントを獲得するという意味で、あれが最も安全な方法だった」

    「オーバーテイクモードを使わせたままにすることもできたかもしれない。でも、そうすればリスクを取りすぎることになる。後ろには2台のフェラーリが迫っていた」

    「だから厳しい決断ではあったが、コンストラクターズ選手権とドライバーズ選手権を戦いたいのであれば、そういう決断も必要になる」

    「誰が選手権で前にいるかは関係ない」
    今回の順位交換によってアントネッリはラッセルより3ポイント多く獲得し、両者のドライバーズランキングでの差は59ポイントに拡大した。

    しかしヴォルフは、選手権でどちらが上位にいるかは判断に影響していないと強調する。

    「これが我々のやり方だ。2人のドライバーもそれを理解している。他のチームで見られるような、こういうことが明確に話し合われていない状況を我々は避けている」

    「これは厳しい世界だ。2500人がチャンピオンシップのために働いている。ひとりだけのゲームではない。過去15年間、我々はそうやってきた」

    外から見れば難しい決断だったのではないかと問われると、ヴォルフは否定した。

    「外から見れば難しく映るかもしれないが、内部ではそうではない」

    「これは何度も話し合ってきた状況だし、今日の朝にも話した。『お互いに争ってタイムを失い、2台のフェラーリに背後まで迫られるようなことはしない』とね」

    「逆の状況だったとしても、まったく同じことをしていた。誰が選手権で前にいるかは関係ない。可能な限り良い順位を守ることだけが目的だ」

    『F1 TV』でもヴォルフは、アントネッリがVSC前までラッセルより前を走っていたことを判断材料として挙げた。

    「これは常に我々が採用している方針だ。何度も話し合っているし、朝にも確認していた。チームメイト同士でタイムを失って、フェラーリ勢に首筋まで迫られるようなことはしない」

    「順位を入れ替える前、キミはもともと前にいた。彼はピットに入る必要もなかった。その結果としてジョージがあの位置にいて、当然ながらフェラーリの脅威もあった。だから順位交換は論理的な結果だった」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ラッセルも最終的に納得「キミは前でフィニッシュするに値した」
    ラッセルはその後、ハミルトンとルクレールからのプレッシャーをしのぎ切って3位を確保。アントネッリも2位を守り、メルセデスはダブル表彰台を達成した。

    レース後、ラッセル自身もチームの判断は正しかったと認めている。

    「キミはもともと僕の前にいたから、僕より前でフィニッシュするに値した」

    「レースをしていれば、すべてのポジションを争いたいと思うものだ。でも、あのペースと新品タイヤなら、いずれにしても彼は僕を抜いていただろう。だから正しい判断だった」

    「表彰台に立てたことがうれしい。僕にとっては少し久しぶりだった。週末全体として強かったので、ポジティブな部分を受け取りたい」

    アントネッリも「ジョージは素晴らしいチームプレーヤーだった。彼も3位を守ることができて本当にうれしい」とラッセルの対応を称えた。

    メルセデスはフェラーリを上回るポイントを獲得
    一方でヴォルフは、メルセデスにはオランダGPを勝てるだけのペースがあると考えていたものの、ハードタイヤに交換してから期待したパフォーマンスを発揮できなかったことを課題として挙げた。

    「良い週末だったが、厳しい時間帯もあった。今日はレースに勝てるペースがあると思っていた。でも、ハードタイヤに履き替えたところで、それが消えてしまった」

    「なぜなのかはまだ理解できていない。ただ、ほろ苦い面から見ても2位と3位でフィニッシュできた。ポイントではフェラーリを上回ったので、それは悪くない」

    ノリスが勝利した一方、メルセデスはアントネッリとラッセルによる2台揃っての表彰台を確保した。ヴォルフは今後について、アップデート投入までの期間を確実なレース運びで乗り切る必要があると語った。

    「これは開発競争だ。そして現時点では、我々は少し停滞している。アップデートが入るまではもう少し時間があるので、とにかくパフォーマンスを発揮し、週末をしっかり実行していかなければならない」

    タイトル争いを続けるメルセデスにとって、ドライバー同士を自由に争わせることよりもチーム全体の結果を優先する方針は明確だ。オランダGPでの順位交換は、その原則を改めて示すチームオーダーとなった。

  • トランプ大統領 インディカー初のワシントン市街地戦でグリーンフラッグ

    トランプ大統領 インディカー初のワシントン市街地戦でグリーンフラッグ

    ドナルド・トランプ米大統領が、ワシントンD.C.の公道を舞台に初開催されたインディカー・シリーズ「フリーダム250グランプリ」でグリーンフラッグを振り、歴史的なレースのスタートを告げた。

    米国建国250周年を記念するイベントとして行われた一戦では、トランプ大統領が大統領専用リムジン「ザ・ビースト」でコースを走行するセレモニーにも参加。レースではアメリカ人のカイル・カークウッドが優勝し、約20万人の観客が見守った首都決戦を制した。

    トランプ大統領が「ザ・ビースト」でコースを周回
    8月23日(日)に開催されたフリーダム250グランプリは、インディカーとして初めて米国の首都ワシントンD.C.の市街地を走るレースとなった。

    レース前にはトランプ大統領が会場を訪れ、大統領専用リムジンとして知られる「ザ・ビースト」に乗ってコースを周回。その後、自らグリーンフラッグを振ってレース開始を告げた。

    米国を代表する政治都市の中心部で、大統領自らがモータースポーツイベントのスタートを演出する異例の光景となった。

    ナショナル・モールとペンシルベニア・アベニューを走行
    舞台となった市街地コースは、ナショナル・モールとペンシルベニア・アベニュー周辺を縫うように設定された全長1.7マイル(約2.7km)のレイアウト。アメリカを象徴する首都の景観を背景にインディカーが高速で駆け抜けた。

    主催者側は米国建国250周年を祝う大規模イベントのひとつとして開催し、約20万人の観客が集まることが見込まれていた。

    観戦チケットは無料で提供される一方、コースサイドのプライベートクラブには5000ドル(約73万円)のパスも設定された。ペンシルベニア・アベニューのストレートでは、最高速度185mph(約298km/h)に達すると予想されていた。

    当初の計画ではコースを米連邦議会議事堂の敷地内まで延ばす構想もあったが、実現には議会の承認が必要で、計画は議会で停滞。最終的には周辺道路を利用するレイアウトとなった。

    イベント開催に伴い、ワシントンD.C.警察は歩行者の移動や警備上の理由からダウンタウンの主要道路を閉鎖するなど、大規模な交通規制も実施した。

    インディカー トランプ大統領 ザ・ビースト

    カークウッドが歴史的な初開催レースを制覇
    レースでは、アンドレッティ・グローバルのカイル・カークウッドが序盤から主導権を握った。

    カークウッドは2周目にチャンピオンシップ首位のアレックス・パロウを抜いてトップに浮上。その後もレース中の中断やリスタートを乗り越えながら首位を守り、ワシントンD.C.で初開催されたフリーダム250グランプリのウイナーとなった。

    「信じられない。もう泣きそうだ。本当に厳しいレースだった」

    カークウッドはFOXのインタビューで、地元アメリカの観衆の前で歴史的な一戦を制した喜びを語った。

    2位にはアロー・マクラーレンのクリスチャン・ルンガード、3位にはアンドレッティ・グローバルのウィル・パワーが入った。

    ランキング首位パロウはペナルティとクラッシュで失速
    一方、6勝を挙げてチャンピオンシップ首位としてワシントン入りしたチップ・ガナッシ・レーシングのアレックス・パロウにとっては厳しいレースとなった。

    パロウはコーション中にピットボックスを離れる際にタイヤと接触したことでドライブスルーペナルティを科され、大きく順位を落とした。その後には時間のかかるピットストップもあり、さらに後退を強いられた。

    それでも21番手から7番手まで挽回したが、残り25周でターン4のウォールにクラッシュ。そこでレースを終え、最終的に20位となった。

    カークウッドはパロウのトラブルを尻目に首位を維持してチェッカーを受け、この勝利によってランキング首位パロウとの差を91ポイントまで縮めた。

    次戦は翌週にミルウォーキーで開催される。

    米国建国250周年を象徴するモータースポーツイベントに
    フリーダム250グランプリは、単なるインディカーの新規市街地レースではなく、米国建国250周年を祝うイベントのひとつとして開催された。

    トランプ大統領による「ザ・ビースト」でのコース周回とグリーンフラッグ、そしてナショナル・モールやペンシルベニア・アベニューを舞台にインディカーが走るという組み合わせは、初開催ならではの光景となった。

    トランプ大統領は建国250周年と自身の2期目を象徴するイベントとして、モータースポーツ以外の大型スポーツイベントにも積極的に姿を見せている。

    そして、記念すべきワシントンD.C.初開催の一戦を制したのはアメリカ人ドライバーのカークウッドだった。米国の首都を舞台にしたインディカーの新たな市街地レースは、大統領による華やかなセレモニーとカークウッドの勝利によって、その歴史の第一歩を刻んだ。

  • 松井沙羅&佐藤こころ F1アカデミーのルーキーテスト選出 新育成キャンプにも参加

    松井沙羅&佐藤こころ F1アカデミーのルーキーテスト選出 新育成キャンプにも参加

    F1アカデミーは、2026年のルーキーテストを9月9日から11日にスペインのナバラ・サーキットで開催すると発表した。昨年初開催されたテストをさらに拡充し、英ラフバラー大学の支援による新たな「ルーキー・トレーニングキャンプ」も導入する。

    将来F1アカデミーへの参戦資格を持つ女性ドライバー18名が選出され、日本からは佐藤こころと松井沙羅の2名が名を連ねた。

    参加者は8月25日から27日までラフバラー大学でトレーニングキャンプに参加した後、ナバラでF1アカデミーマシンによる実走テストに臨む。

    佐藤こころと松井沙羅が18名のルーキーに選出
    2025年に実施された初のF1アカデミー・ルーキーテストの成功を受け、シリーズは2026年も同テストを開催することを決定した。さらに今回は、ラフバラー大学の支援を受けたルーキー・トレーニングキャンプが新たに加わる。

    今回のプログラムには、将来的にF1アカデミーへ参戦する資格を持つ18名の女性ドライバーが選出された。そのなかには日本人ドライバーの佐藤こころと松井沙羅も含まれている。

    8月25日から27日にラフバラー大学でルーキー・トレーニングキャンプを実施し、その後9月9日から11日にナバラ・サーキットで行われるルーキーテストでプログラムを締めくくる。

    参加ドライバーは以下の18名。

    アレクシア・ダニエルソン(Alexia Danielsson)
    ロザンヌ・デン・ドライバー(Rosanne Den Drijver)
    ジョーディン・デザ=マーティン(Jordyn Deza-Martin)
    エヴァ・ドレステイン(Eva Dorrestijn)
    ヴィクトリア・ファルフス(Victoria Farfus)
    オータム・フィッシャー(Autumn Fisher)
    ゾーイ・フロレスク(Zoe Florescu)
    ルナ・フルーシャ(Luna Fluxa)
    ヤナ・カプール(Yana Kapoor)
    カリーン・カウル(Kareen Kaur)
    カルメン・クラーヴ(Carmen Kraav)
    エラ・ラハデマー(Ella Lähdemaa)
    松井沙羅(Sara Matsui)
    ジネヴラ・パンゼリ(Ginevra Panzeri)
    佐藤こころ(Kokoro Sato)
    ミラ・ショーストランド(Milla Sjöstrand)
    クララ・シュティーブライヒンガー(Clara Stiebleichinger)
    ソフィア・ザンファリ(Sofia Zanfari)

    F1アカデミー

    F1アカデミーとラフバラー大学が育成プログラムを共同構築
    F1アカデミーによれば、トレーニングキャンプとルーキーテストは、競争が激しさを増し、世界各地へと広がっている女性ドライバーの人材プールから、特に高い可能性を持つ才能を発掘、育成、支援することを目的としている。

    F1アカデミーとラフバラー大学は共同で、次世代の女性ドライバーがサーキット内外で成長を加速させるために必要となる知識とスキルを身につけるプログラムを構築した。

    また、女性アスリートの育成、パフォーマンス向上、次のカテゴリーへ移行する際に直面する課題について、科学的根拠に基づいたデータや知見を得ることも狙いのひとつとなる。これにより、女性ドライバー育成についてモータースポーツ界全体の理解を深めることを目指す。

    身体能力から認知能力まで科学的に評価
    ラフバラー大学で行われるルーキー・トレーニングキャンプでは、ドライバーたちがさまざまな評価プログラムを受ける。

    内容には、生理学的プロファイリング、認知能力テスト、VALDによるパフォーマンススクリーニングなどが含まれる。

    さらに、ラフバラー大学の専門家によるセミナーや参加型ワークショップも実施される。ストレングス&コンディショニング、競技生活におけるパフォーマンス管理、レジリエンス、エリートスポーツで成功するために重要となる行動特性などがテーマとなる。

    実走での速さだけではなく、身体的、認知的、行動的な要素まで対象とすることで、将来F1アカデミーで戦うために必要となる能力を多角的に評価し、参加ドライバー自身の成長につなげることが狙いだ。

    ナバラではF1アカデミーチームの実戦環境を体験
    9月のルーキーテストでは、参加者がF1アカデミーのチーム環境に入り、実際のレース活動に近い環境を経験する。

    ドライバーブリーフィングやエンジニアリングセッションを見学し、ジュニア・シングルシーターのトップレベルで戦う際に求められるチーム運営やドライバーの役割について直接学ぶ。

    さらに、プロのレーシングキャリアにおいてサーキット外で求められる責任への準備として、メディアブリーフィングや各種評価にも参加する。

    一連のプログラムの最後には、佐藤こころ、松井沙羅を含む参加ドライバーがF1アカデミーマシンのステアリングを握り、ナバラ・サーキットで実走テストを行う。

    F1アカデミー「2025年の成功からさらに一歩進める」
    F1アカデミーのパフォーマンス&タレント・デベロップメント・マネージャーを務めるケイティ・デンバーは、2025年の初開催で女性ドライバーの層の厚さを確認できたことが、今回のプログラム拡大につながったと説明した。

    「2025年に初めて開催したルーキーテストの成功によって、この育成経路から非常に多くの女性レーシングドライバーの才能が育ってきていること、そしてドライバーが自分の可能性を示す機会を提供することの重要性、その両方が明確になった」

    「2026年はラフバラー大学とともに実施するルーキー・トレーニングキャンプを導入し、このプログラムをさらに一歩進める」

    「これによって、サーキット上だけではなく、科学的根拠に基づいたアスリート育成というアプローチからもドライバーを支援することができる。自分自身の身体的、認知的、行動的なパフォーマンスについて、より深く理解する手助けになる」

    「世界トップレベルの専門知識、研究、そしてサーキットでの経験を組み合わせることで、ドライバーが成長を加速させ、サーキット内外で成功するために何が必要なのかをより深く理解できる環境を作っている」

    ラフバラー大学「女性レーサーの次世代育成で価値観を共有」
    ラフバラー大学スポーツ部門ディレクターのルー・ギアも、F1アカデミーとの協力について、トップレベルのアスリート育成で培ってきた大学側の専門知識を生かす機会になると強調した。

    「F1アカデミーとそのルーキードライバーたちをラフバラーに迎えられることを、私たちは非常に誇りに思っている。このコラボレーションは、才能、努力、機会、そして世界最高水準のパフォーマンス環境が並外れた可能性を引き出す力になるという共通の信念を持つ2つの組織を結びつけるものだ」

    「ラフバラー・スポーツでは、何世代にもわたってアスリートが世界の舞台で卓越した成果を追求できるよう支援してきた。次世代の女性レーシングドライバーの才能を育てようとするF1アカデミーの取り組みには、私たちと共通する価値観が数多くある」

    「私たちはともに、大きな目標を持つ若者が成長し、卓越性を追求し、自らの可能性を実現できる環境を作ることに情熱を注いでいる」

    「私たちの専門知識を共有し、お互いから学び、この素晴らしいドライバーたちがエリートレベルの競争で求められるものに備えられるよう支援することを楽しみにしている」

    「そして何より、このコラボレーションは、スポーツ界で女性を後押しし、才能ある女性アスリートが活躍できる機会をさらに増やし、次世代に自分たちが達成できることに限界はないと信じてもらうという、私たち共通の決意を示すものだ」

    2026年のF1アカデミー・ルーキープログラムは、実走による才能発掘だけではなく、スポーツ科学、認知能力、プロとしての振る舞いまで含めた総合的な育成の場へと発展する。日本から選出された佐藤こころと松井沙羅にとっても、世界各国から集まった有望な女性ドライバーとともに能力を示し、将来のF1アカデミー参戦へとつなげる重要な機会となる。

  • ランス・ストロール 赤信号無視のライバルに厳罰要求「ルールではストップ&ゴー」

    ランス・ストロール 赤信号無視のライバルに厳罰要求「ルールではストップ&ゴー」

    ランス・ストロールは、2026年F1オランダGPの赤旗中断後の再スタートを前に、ピット出口の赤信号を無視してコースへ出たオリバー・ベアマンとガブリエル・ボルトレトに対し、ストップ&ゴーペナルティを科すべきだと無線で繰り返し訴えた。

    通常であれば「非常に重大なペナルティ」が科される違反だったが、スチュワードは特殊な状況だったことや、両者がアドバンテージを得ていなかったことなどを考慮。最終的にベアマンとボルトレトには戒告処分が下されるにとどまった。

    赤旗後のピット出口で信号が突然赤に
    問題の場面は、マックス・フェルスタッペンのクラッシュによる赤旗中断からレースが再開される際に発生した。

    各車がピットレーンからコースへ向かい始めた時点では、ピット出口の信号はグリーンだった。しかし、フェルナンド・アロンソが通過した後、信号は点滅する赤へと変わった。

    その直後、オリバー・ベアマンとガブリエル・ボルトレトは赤信号を通過。そのままグリッドへ向かった。ベアマンはその後、パワーユニットのトラブルに見舞われ、グリッドに到達する前にマシンを止めることになった。

    一方、2台の後方にいたストロールは赤信号を確認すると、ピット出口で停止した。

    ストロール「赤だよね? 僕はグリーンになるまで行かない」
    ストロールはすぐにレースエンジニアのゲイリー・ギャノンに状況を伝えた。

    ストロール:「ライトが赤だよね? 赤だ」

    ギャノン:「確認している。今確認している」

    ストロール:「グリーンになるまで僕は行かないよ」

    ギャノン:「ああ、了解した、ランス」

    それから約10秒後、まだ赤信号が続くなかでストロールは再び確認を求めた。

    ストロール:「行っていいのか、ダメなのか教えて」

    ギャノン:「FIAからの返答を待っている」

    その後、信号がグリーンに変わり、ストロールはようやくピット出口からコースへと向かった。

    「赤で出た全員にペナルティだ。ストップ&ゴー」
    ストロールが強く問題視したのは、赤信号を無視して先に出ていったドライバーへの処分だった。

    F1のペナルティガイドラインでは、レース中にピット出口の赤信号を通過した場合、10秒間のストップ&ゴーペナルティが基本的な処分とされている。ストロールはその点を認識しており、無線で繰り返しチームに訴えた。

    ストロール:「じゃあ、赤信号で出ていった全員がペナルティを受けるべきだ」

    ギャノン:「ああ、そうだ」

    ストロール:「ストップ&ゴーだ」

    ギャノン:「了解した。報告する」

    ストロール:「それがルールだ」

    ストロールは、実際に赤信号を通過したベアマンとボルトレトだけでなく、さらに多くのドライバーが違反したと考えていたようで、その後も追及を続けた。

    ストロール:「明らかに全員が赤で出ていったんだったら、全員がペナルティを受けるべきだ」

    ギャノン:「今確認している」

    ストロール:「ストップ&ゴーだ」

    ギャノン:「ああ、今確認している」

    ストロール:「全員だよ」

    ギャノン:「最初はグリーンだった。それから赤になった。誰が赤で通過したのか確認して、できるだけ早く報告している。間違いなく対応しているよ、ランス」

    F1 オランダグランプリ

    エンジニアが「レースに集中して」と促す場面も
    ストロールの主張はフォーメーションラップに入ってからも続いた。

    前方ではベアマンがマシントラブルによってスローダウンしており、ギャノンはストロールに注意を促した。しかし、ストロールはなおも赤信号の件を気にしていた。

    ギャノン:「ベアマンがターン10から11の間で遅い。前方イエロー、ベアマンが止まっている。ターン10から11の間だ。ベアマンに注意して……」

    ストロール:「それがルールだ」

    ギャノン:「……そこにいる。ベアマンに注意して」

    ストロール:「ルールでは、赤だったら……」

    ここでギャノンは、すでにチームからFIAへ報告済みであることを強調し、ストロールに再スタートへ集中するよう求めた。

    ギャノン:「ランス、もう報告した。報告済みだ。今はグリッドに向かうことに集中しよう、いいね? こちらから報告してあるし、彼らが対処する」

    スチュワードは「非常に重大なペナルティ」の可能性を認める
    しかし、スチュワードが下した裁定は、ストロールが求めていたストップ&ゴーではなかった。

    ベアマンとボルトレトはともにピット出口の赤信号を無視した違反について戒告処分を受けた。スチュワードは、通常のレース中に同様の違反が起きれば非常に重大なペナルティの対象になると認めた一方、今回は特殊な状況だったと説明した。

    スチュワードによれば、ピット出口の信号は両ドライバーが赤旗中断後の再スタートに向けてコースへ合流しようとしていたタイミングで赤に変わった。

    「このような違反がレース中に発生した場合、ドライバーは常に信号に従う義務があるため、通常は非常に重大なペナルティが必要となる」

    その一方で、今回については通常の意味でレースが進行している最中ではなかったことを考慮した。

    「しかし今回、この違反はレースがライブの状態で発生したものではなく、再スタートに向けた準備段階で発生した。ただし、レース自体は第B5.15.2g条に従い、技術的にはすでに再開されていた」

    さらにスチュワードは、ベアマンとボルトレトの行為によって競技上の利益や危険な状況が生じなかったことも軽減要素とした。

    「加えてスチュワードは、いずれのドライバーもアドバンテージを得ておらず、潜在的に危険または安全ではない状況も生み出していなかったことを認める。したがって、軽減すべき事情と今回の特殊な状況を考慮し、ドライバーへの戒告が適切であると判断した」

    この結果、ベアマンとボルトレトにはそれぞれ今季初となるドライビングに関する戒告が科された。

    ピット出口の信号がなぜ突然グリーンから赤に変わったのかについて、公式な説明は出されていない。信号システム上のミスだった可能性も指摘されている。

    ストロールは赤信号を確認して正しく停止し、「それがルールだ」「ストップ&ゴーだ」と無線で何度も主張したが、スチュワードは通常のレース中とは異なる特殊な再スタート手順だったことを重視。規則上は重大な違反になり得る行為だったものの、最終的には戒告という軽い処分で決着した。

  • シャルル・ルクレール フェラーリF1の戦略に疑問「ラッセルの後ろがほぼ確定」

    シャルル・ルクレール フェラーリF1の戦略に疑問「ラッセルの後ろがほぼ確定」

    シャルル・ルクレールは、2026年F1オランダGPでフェラーリが採った戦略に疑問を呈した。ジョージ・ラッセルのピットストップとほぼ同じタイミングでタイヤ交換を行った判断について、「ラッセルの後ろでフィニッシュすることを決めたようなものだった」と振り返った。

    フェラーリはザントフォールトでルイス・ハミルトンとルクレールに異なる戦略を採用したが、その判断を巡って両ドライバーから不満の声が上がった。ハミルトンに続き、ルクレールもレース後にチームの戦略について理解できなかった部分があったことを明かしている。

    ラッセル直後のピットインに疑問
    レース中盤、ハミルトンはルクレールよりも新しいタイヤを履いており、大きなタイヤデルタを生かしてチームメイトの背後まで接近した。

    しかし、フェラーリはすぐに2台の順位を入れ替えることはせず、ハミルトンはルクレールの後方で数周にわたってタイムを失った。その後、フェラーリはルクレールをピットに呼び込んだが、そのタイミングについてルクレール自身も疑問を抱いていた。

    「なぜジョージのピットストップとあれほど近いタイミングで僕たちもピットに入らなければならなかったのか、本当に理解できなかった」

    ルクレールはSky Sportsにそう語った。

    「だって、それはある意味、ジョージの後ろでフィニッシュすることにサインしたようなものだったからね」

    「2周か3周しか違わなければ、僕にできることはほとんどなかった」

    ルクレールとしては、タイヤにはまだ走り続けられるだけの余力が残されていると感じていた。

    「僕のタイヤにはもう少し余力があると感じていた。もちろん、その時点でルイスと僕は違う戦略を採っていたけど、僕としてはもう少し長くコース上に留まるのが正しいと思っていた」

    「でも、結局のところ、そうなってしまったものは仕方がない」

    VSCのタイミングにも恵まれず
    一方で、ルクレールはフェラーリの戦略だけを敗因として挙げたわけではない。バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングにも恵まれなかったとしながら、そもそも予選で十分な結果を残せなかったことがレースを難しくした最大の要因だったと分析した。

    「バーチャル・セーフティカーのタイミングについては、僕たちは少し運がなかったと思う」

    「そして何より、昨日の予選で僕たちは良い仕事ができなかった。その代償として、後方からスタートすることになった」

    フェラーリにとって、オランダGPは戦略面で課題を残す週末となった。ハミルトンもレース後、ルクレールの後方で走らされたことで「タイムを無駄にして3位を失った」とチームの判断への苛立ちを示している。

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ) オランダグランプリ

    モンツァにはアップグレード投入
    F1の次戦はフェラーリの母国レースとなるイタリアGP。モンツァはスクーデリアにとってシーズンでも特に重要な一戦となるが、ルクレールは現時点で楽観的な見通しを持っているわけではない。

    「もちろん、フェラーリのドライバーとしてモンツァはものすごく特別だ。キミ(アントネッリ)にとってもそうだと思う」

    「正直、何を期待すればいいのかは分からない。シルバーストンとスパを振り返ると、紙の上ではモンツァと少し似ていて、僕たちは苦戦すると予想していた。でも、実際には予想していたよりずっと強かった」

    「モンツァでも同じことが起きてほしい。でも、今の時点で聞かれれば、おそらく難しい週末になると答えると思う」

    それでも、フェラーリはホームレースに向けてマシンに新たなアップグレードを投入する予定であり、ルクレールはその効果に期待を寄せている。

    「でも、いくつかアップグレードが入る。それがうまく機能してくれることを願っている」

    オランダGPではハミルトンだけでなくルクレールも戦略判断に疑問を示す結果となったフェラーリ。次戦モンツァではアップグレードの効果に加え、ホームレースで戦略面の課題を解消できるかも重要なポイントとなる。

  • 角田裕毅 F1オランダGP後にSNSで心境「夢のようだった。またすぐ戻ってきたい」

    角田裕毅 F1オランダGP後にSNSで心境「夢のようだった。またすぐ戻ってきたい」

    角田裕毅が、2026年F1第12戦オランダGPを終えた後、自身のSNSを通じて約8カ月ぶりとなったF1レースへの思いを語った。レーシングブルズから代役参戦した角田裕毅は決勝を11位で終え、ポイント獲得には届かなかったものの、「夢のようだった」と特別な週末を振り返った。

    角田裕毅はファンから寄せられた多くのメッセージにも感謝。「またできるだけ早く戻ってこられたら」と語り、再びF1のグリッドに立つことへの思いを明かした。

    「本当に夢のようでした」
    「みなさん、こんにちは。レースについては、ポイントを獲得できなかったので残念でした。でも、この週末は本当に楽しむことができました」

    角田裕毅はSNSに投稿した動画で、オランダGPをそう振り返った。

    2026年はレッドブルのリザーブドライバーを務めている角田裕毅にとって、今回のオランダGPは久々のF1実戦。負傷したアイザック・ハジャーに代わってレーシングブルズのマシンをドライブし、限られた時間で2026年型マシンへの適応を求められた。

    「できるだけ早くペースをつかめるように助けてくれたチームには本当に感謝しています。正直、本当に楽しかったです」

    そして、角田裕毅が特に感謝したのが、久々のF1参戦を見守ったファンからの反響だった。

    「ファンのみなさんからも本当にたくさんの温かいメッセージをいただきました。本当に夢のようでした」

    角田裕毅 オランダグランプリ

    「またできるだけ早く戻ってこられたら」
    オランダGPでは予選12番手からスタートし、決勝ではポイント圏を巡って中団勢とバトル。ピエール・ガスリーをオーバーテイクするなど見せ場を作り、最終的にはポイントまであと1ポジションとなる11位でチェッカーを受けた。

    結果には悔しさを残しながらも、角田裕毅にとって何より大きかったのは、再びF1でレースをする機会を得られたことだった。

    「またできるだけ早く戻ってこられたらと思っています。でも、正直、一番大切なのは本当に楽しめたことです」

    「この機会を与えてくれたレッドブル、そしてもちろんレーシングブルズにも感謝しています」

    角田裕毅は最後に、自身に代わって欠場することになったハジャーの回復を願った。

    「アイザックがしっかり回復して、できるだけ早く戻ってこられることを願っています」

    オランダGP後の公式インタビューでも、2027年のF1グリッド復帰について「期待しています。できることはすべてやったと思います」と語っていた角田裕毅。今回のSNSではさらに率直に、久々にF1で戦った週末を「夢のようだった」と表現した。

    ポイントには届かなかった。それでも、再びF1マシンでライバルと戦い、多くのファンから声援を受けたザントフォールトでの数日間は、角田裕毅にとって特別なものとなった。そして「またできるだけ早く戻ってこられたら」という言葉には、次のF1参戦を待ち望む思いが込められていた。

  • エイドリアン・ニューウェイ F1オランダGP入賞は「アロンソのタイヤ管理が奏功」

    エイドリアン・ニューウェイ F1オランダGP入賞は「アロンソのタイヤ管理が奏功」

    アストンマーティンのチーム代表エイドリアン・ニューウェイは、2026年F1オランダGP決勝でフェルナンド・アロンソが18番グリッドから9位まで挽回したレースを振り返り、赤旗後に採用したタイヤ戦略とアロンソのマネジメントを高く評価した。

    アロンソは9位でフィニッシュして2ポイントを獲得。一方、ランス・ストロールはマシンにダメージを負ったとみられるハンドリング問題によってリタイアした。

    ニューウェイは、今回のポイントがここ数カ月にわたってマシン改善に取り組んできたシルバーストンのスタッフにとって「価値ある報酬」だと語った。

    赤旗後に新品ソフトを投入
    アロンソは18番グリッドという厳しい位置からレースをスタートしたが、序盤の混乱と赤旗によって状況が変化した。

    アストンマーティンは赤旗後、アロンソに新品のソフトタイヤを装着。ニューウェイによれば、このタイヤを可能な限り長く持たせることがポイント獲得への最善策だと判断していたという。

    「赤旗後、フェルナンドには新品のソフトタイヤを履かせた。うまくマネジメントしたことで、彼はそのタイヤでレースのほぼ半分を走ることができた」

    「それによって効果的な1ストップレースを組み立てることができた。ポイント圏内でフィニッシュするためには、それが我々にとって最善のチャンスだと考えていた」

    アロンソ自身も、レース後にアストンマーティンの戦略判断を絶賛。「戦略は正しかったし、スタートタイヤの選択も正しかった」と振り返り、バーチャルセーフティカー時にステイアウトした判断も含めて「チームが下した判断はすべて正しかった」と語っている。

    ガスリーの追撃を抑えて9位
    長いスティントを成立させたアロンソはポイント圏内に浮上。レース終盤にはピエール・ガスリーが背後まで迫ったものの、ポジションを守り切った。

    「最後の数周になって初めてフェルナンドはガスリーからプレッシャーを受けたが、9位と重要な2ポイントを守るだけのペースがあった」

    アロンソは今回、シャシー側に投入された新パーツについて「マシンがとても運転しやすかった」と評価しており、タイヤへの負担が小さかったことも長いスティントを可能にした要因のひとつとなった。

    ストロールはハンドリング問題でリタイア
    一方、ストロールにとっては対照的なレースとなった。序盤からマシンの挙動に苦しみ、最終的にはリタイアを余儀なくされた。

    「ランスはハンドリングの問題に苦しんでいた。マシンに何らかのダメージを負ったことが原因ではないかと考えており、最終的にはリタイアさせなければならなかった」

    ストロールによれば、マシンは空力性能で「20~30ポイント」ものダウンフォースを失っていたといい、「運転するのは不可能だった」とその深刻さを説明している。

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    「全員の努力に対する価値ある報酬」
    アストンマーティンは今季、マシンの競争力向上を目指して継続的なアップデートを進めている。オランダGPにも新しいシャシーパーツを投入し、アロンソはその効果について明確な前進を感じたと評価した。

    ニューウェイも、今回の2ポイントを単なる9位入賞以上の意味を持つ結果として受け止めている。

    「今日獲得したポイントは、全員の努力に対する価値ある報酬だ」

    「ここ数カ月、パフォーマンスを改善するために懸命に取り組んできたシルバーストンのチーム全員に感謝したい」

    18番手から9位まで追い上げたアロンソの走りと、赤旗やバーチャルセーフティカーを踏まえた戦略判断によって手にした2ポイント。アストンマーティンにとってオランダGPは、ここ数カ月にわたる開発と現場での判断が結果につながった一戦となった。

  • リアム・ローソン レッドブルF1で7位入賞「このマシンならもっと上を狙いたかった」

    リアム・ローソン レッドブルF1で7位入賞「このマシンならもっと上を狙いたかった」

    リアム・ローソンは、2026年F1オランダGP決勝を7位でフィニッシュ。レッドブル・レーシングでの代役参戦をポイント獲得という結果で締めくくったものの、「このマシンならもっと上でフィニッシュしたかった」と、満足しきれない思いを口にした。

    アイザック・ハジャーに代わってレッドブルのRB22をドライブしたローソンは、8番グリッドからスタート。序盤にマックス・フェルスタッペンがクラッシュでリタイアしたことで、チーム唯一の生き残りとなった。

    イエローフラッグ違反によるペナルティもあり、上位勢のペースには届かなかったものの、最終的に7位でポイントを持ち帰った。

    「予想以上に厳しいレースだった」
    「正直、かなり孤独なレースだった。今日は前の連中のペースについていくのに苦労した」

    ローソンはレース後、そう振り返った。

    「昨日の時点で、僕たち2人とも上位勢の後ろにいたし、予選自体は悪くなかったと思っている。自分としては、マシンから出せるものはすべて引き出せたと思っていたから、難しいレースになることは分かっていた」

    「ただ、ここまで厳しくなるとは思っていなかった。本当に前の連中のペースについていくのに苦労した。でも、そこから学べることはある。振り返って、自分にもっと何ができたのかを理解したい」

    レッドブルのRB22は週末を通じて上位勢と勝利を争えるだけのペースを示せず、フェルスタッペンもクラッシュ前から苦しい展開を強いられていた。

    それでもローソンは、慣れないマシンでの一戦でポイントを獲得。チーム公式コメントでは、限られた準備時間のなかで可能な限りの結果を引き出せたとの手応えを語っている。

    「ポイントを獲得できたことはうれしい。ザントフォールトのようにマシンへの大きな自信が必要なサーキットでは、難しい週末になることは分かっていた。でも、自分たちにできることはすべて引き出せたと思う」

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)

    フェルスタッペンのクラッシュ「かなり怖い瞬間だった」
    ローソンの目の前では、オープニングラップにフェルスタッペンが大クラッシュを喫した。雨で濡れた路面で白線に乗ったフェルスタッペンはコントロールを失い、バリアに激突。レースは赤旗中断となった。

    「マックスに起きたことは残念だった。あの場所は信じられないくらい滑りやすくて、スリックタイヤでは本当に簡単にマシンを失ってしまう状態だった」

    「僕はすぐ後ろにいたから、かなり怖い瞬間だった。彼が無事で本当によかった」

    7位にも満足せず「このマシンならもっと上に」
    ローソンは週末全体について、特に予選でRB22のポテンシャルを引き出せたことには一定の満足感を示した。一方で、決勝7位という結果だけで満足するつもりはない。

    「昨日についてはかなり満足している。予選でマシンから引き出せるものは引き出せたと思う」

    「今日の7位はまずまずの結果だけど、こういうマシンに乗っているなら、やっぱりもっと上でフィニッシュしたい」

    「まったく新しいマシンにいきなり乗るのは簡単なことではない。でも、チームは僕が快適に走れるようにいい仕事をしてくれた。この機会を与えてもらえたことに感謝している」

    急きょレッドブルのRB22を任されたローソンにとって、7位入賞は堅実な結果となった。ただし本人が求めていたのは、単にポイントを持ち帰ることではなかった。上位勢との差を肌で感じたオランダGPは、レッドブルのマシンを経験する貴重な機会であると同時に、ローソン自身に新たな課題を残す一戦となった。