投稿者: dbcheck

  • 2027年F1開幕戦に中国GP案 中東情勢次第で日本GPとのアジア連戦

    2027年F1開幕戦に中国GP案 中東情勢次第で日本GPとのアジア連戦

    F1は2027年シーズンの開幕戦について、中東情勢が改善せずバーレーンGPとサウジアラビアGPでの開幕が困難になった場合、中国GPを開幕戦とする代替案を検討している。The Raceが報じた。

    F1は現在、2月に米国とイランの間で勃発した紛争を受け、中東情勢を慎重に見守っている。今後数週間で下される判断は2026年シーズン終盤のカレンダーだけでなく、まだ発表されていない2027年のスケジュールにも大きな影響を及ぼすことになる。

    9月末に中東開催を判断
    中東情勢の緊迫化によって、2026年はすでにバーレーンGPとサウジアラビアGPが中止となった。その代替として、バーレーン側の資金提供を受けたマレーシアGPが10月上旬に組み込まれている。

    さらに、シーズン終盤に予定されているカタールGPとアブダビGPについても、現時点では開催が確定したわけではない。

    F1は以前から、この2戦を予定通り実施できるかどうかについて9月末までに判断する方針を示している。

    F1のステファノ・ドメニカリCEOはオランダGPの週末、F1公式チャンネルに対してカレンダーは「確定している」と発言した。しかし、これはカタールGPとアブダビGPの開催について最終決定が下されたという意味ではなく、現時点では予定通り開催することを前提として準備を進めているという意味だとThe Raceは伝えている。

    「カレンダーは確定している。だから、アブダビではまだ販売できるチケットがいくつか残っている」

    「すべて順調に進んでいるし、シーズン当初に約束したカレンダーを実現することに集中している」

    ただし、9月末までに米国とイランの紛争が終結していない場合、F1はカタールGPとアブダビGPの開催を断念する可能性が高い。

    その場合、2026年シーズン最終戦は12月のイモラになる見通しで、ラスベガスGPから2週間後の開催が最有力とされている。

    2027年のプランAはバーレーン開幕
    中東情勢は2027年のF1カレンダーにも直接影響している。

    F1は例年であれば夏の段階で翌年のカレンダーを発表してきたが、2027年については暫定カレンダーの公表を見合わせている。このため、各グランプリのプロモーターにとってはチケット販売を本格化させにくい状況となっている。

    The Raceによると、F1が現在想定している2027年の「プランA」は、3月14日のバーレーンGPを開幕戦とし、翌週3月21日にサウジアラビアGPを開催するものだ。

    その後、4月4日のオーストラリアGP、4月11日の日本GP、4月18日の中国GPという3週連続開催につなげる計画となっている。

    つまり、現時点で想定されている序盤5戦は以下の順番となる。

    3月14日 バーレーンGP
    3月21日 サウジアラビアGP
    4月4日 オーストラリアGP
    4月11日 日本GP
    4月18日 中国GP

    しかし、9月末になっても中東情勢が改善していなければ、このスケジュールを組み替える必要が生じる。

    日本グランプリ(鈴鹿サーキット)

    代替案では中国GPが2027年F1開幕戦
    その場合の有力な代替案として浮上しているのが、中国GPを2027年F1シーズンの開幕戦とするプランだ。

    The Raceによると、バーレーンとサウジアラビアでシーズンを開始できない場合、F1は3月に中国GPを開催し、その後に日本GPを続けることを有力な選択肢として検討している。

    通常であれば、過去に何度もF1開幕戦を務めてきたオーストラリアGPを前倒しすることも考えられる。しかし、2027年のメルボルンでは新しいピットビルディングの建設工事が行われる予定で、現在想定されている4月の開催時期から大幅に前倒しすることができない。

    このため、中国GPと日本GPを先に開催し、オーストラリアGPをその後に組み込む案が浮上している。

    オーストラリアGPについては、中国GP、日本GPと合わせた3週連続開催の最終戦とするか、アジア2連戦の後に単独で開催する可能性がある。

    バーレーンとサウジアラビアを4月以降へ延期する選択肢も
    中国、日本、オーストラリアでシーズンをスタートすることになった場合、次に問題となるのがバーレーンGPとサウジアラビアGPの扱いだ。

    F1は両レースを完全に断念するのではなく、4月まで延期して中東情勢が改善することを待つ選択肢も検討することになる。

    もうひとつの可能性は、他のグランプリを前倒しし、バーレーンとサウジアラビアをさらにシーズン後半へ移動させる方法だ。

    いずれにしても、2027年のカレンダーを確定するうえで、2026年9月末の中東情勢が重要な判断材料となる。

    ドメニカリ「2027年も24戦を維持する」
    ドメニカリは夏休み中、中東で何が起きたとしても、2027年は予定しているフルカレンダーを実施する方針を明言している。

    「さまざまな状況に対応できるよう、異なる選択肢を持った複数のプランをすでに用意している」

    「いずれにしても、来年も24グランプリという目標を維持できるように対応していく」

    F1としては、中東2戦が当初予定された時期に開催できなくなったとしても、日程を組み替えることで年間24戦を維持する考えだ。

    一方、2026年シーズンについては、カタールGPとアブダビGPの開催可否によって年間22戦または23戦となる見通しだ。

    2027年F1カレンダーは、バーレーンとサウジアラビアで開幕する現在の「プランA」を基本としながら、中東情勢次第では中国GPを開幕戦、日本GPを第2戦とする代替案が準備されている。9月末に予定される2026年終盤戦の判断は、同時に2027年シーズン序盤の構成を左右する重要な節目となりそうだ。

  • 日産フォーミュラE ローランド&マロニーをシーズン13に起用 GEN4新時代へ

    日産フォーミュラE ローランド&マロニーをシーズン13に起用 GEN4新時代へ

    日産自動車は8月26日、ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン13(2026/27)のドライバーラインアップを発表し、オリバー・ローランドとゼイン・マロニーを起用することを明らかにした。

    新世代マシン「GEN4」が導入される大きな転換期を迎えるフォーミュラEで、日産フォーミュラEチームは世界チャンピオン経験を持つローランドと、若手として成長を続けるマロニーという組み合わせで新時代に挑む。

    ローランドが残留 マロニーが新加入
    ローランドは、日産フォーミュラEチームで4年連続の参戦となる。

    日産がフォーミュラEに初参戦したシーズン5(2018/19)にルーキードライバーとしてチームに加わり、その後一度チームを離れたものの、シーズン10(2023/24)に復帰。シーズン11(2024/25)にはドライバーズチャンピオンに輝いた。

    シーズン12(2025/26)はモナコでの優勝を含む6回の表彰台を獲得し、ドライバーズランキング4位でシーズンを終了。シーズン10以降は3年連続でランキングトップ4に入り、日産のフォーミュラEプロジェクトを支える中心的な存在となっている。

    一方、マロニーはシーズン13から日産フォーミュラEチームに初加入する。

    シーズン11からフォーミュラEに参戦し、シーズン12にはサンパウロ、モナコ、東京でトップ10フィニッシュを記録した。

    フォーミュラ2でも実績を残しており、2023年と2024年の2シーズンで計11回の表彰台を獲得。そのうち2勝を挙げ、2024年にはドライバーズランキング4位となった。フォーミュラEで2シーズンを経験したマロニーにとって、日産への加入はキャリアにおける新たなステップとなる。

    GEN4で最高出力600kWへ
    シーズン13は、フォーミュラEにとって技術面でも大きな節目となる。新世代マシン「GEN4」が導入され、従来のGEN3から大幅な性能向上が図られる。

    レース中の最高出力は300kWから450kWへと引き上げられ、アタックモードでは従来の350kWから最大600kWまで使用可能になる。

    さらに、アクティブ4輪駆動システムを採用。加速性能だけでなく、コーナリングスピードも大幅に向上することになり、ドライバーに求められるマシンへの適応もこれまで以上に重要になる。

    日産は、経験豊富なローランドと若いマロニーという異なる強みを持つ2人で、このGEN4時代に臨む。

    トマソ・ヴォルペ「非常に魅力的なラインアップ」
    日産フォーミュラEチームのマネージングディレクター兼チームプリンシパルを務めるトマソ・ヴォルペは、ローランドの経験とマロニーの将来性を高く評価している。

    「シーズン13のドライバーラインアップにローランドとマロニーを発表できることを大変うれしく思います」

    「ローランドはシーズン5にルーキーとして加入して以来、チームの成長を支えてきた重要な存在です。そして今では世界チャンピオンとなった彼と、GEN4時代も一緒に戦えることを大変うれしく思います」

    「また、マロニーは若さと将来性にあふれたドライバーです。すでにフォーミュラEで2シーズンの経験を積んでおり、フォーミュラ2でも高い実力を示してきました。GEN4の導入は彼にとって大きな飛躍の機会になると考えています」

    「ローランドの経験とマロニーの若さが組み合わさることで、非常に魅力的なラインアップになりました。この体制でGEN4時代を力強くスタートできると確信しています」

    オリバー・ローランド「今シーズンの成績をさらに上回りたい」
    ローランドにとって、日産と戦うシーズンは通算7シーズン目となる。日産フォーミュラEチームでは4年連続の参戦だ。

    「日産とともに7シーズン目、そして日産フォーミュラEチームとの4年連続のシーズンを迎えられることをうれしく思います。GEN4マシンの導入によってマシンの性能は大きく向上するので、今からとても楽しみにしています」

    新たなチームメイトとなるマロニーについても歓迎の言葉を送った。

    「マロニーがチームに加わることを歓迎します。彼は既にフォーミュラ2で素晴らしい実績を残しており、フォーミュラEでも2シーズンの経験があります。その経験は、シーズン13を戦う上で大きな力になるはずです」

    「来シーズンも日産フォーミュラEチームとともに上位を目指して戦えることをうれしく思います。今シーズンの成績をさらに上回れるよう全力を尽くします」

    ゼイン・マロニー「キャリアにおける大きなステップアップ」
    日産への加入が決まったマロニーは、トップチームで戦う機会を得たことへの喜びを語った。

    「日産フォーミュラEチームに加入できることを大変うれしく思います。私がフォーミュラEに参戦した頃、チームはローランドとともにチャンピオンシップを制しており、そのようなトップチームの一員になれることを光栄に思います」

    「この2シーズンはフォーミュラEで経験を積みながら、自分自身の成長と結果の追求に取り組んできました。今回の移籍は、キャリアにおける大きなステップアップになると考えています」

    また、世界チャンピオン経験を持つローランドとのコンビにも大きな期待を寄せている。

    「世界チャンピオンの経験を持つローランドとチームメイトになることを非常に楽しみにしています。彼は私が目標としてきたドライバーの一人です。フォーミュラ2、そしてフォーミュラEで結果を残してきた彼からは、多くのことを学べると思っています」

    「GEN4の導入は、すべてのチームとドライバーにとって新たなスタートとなります。開幕戦からベストな状態で臨めるよう準備を進めていきます。私を信頼して迎え入れてくれた日産フォーミュラEチームに感謝するとともに、チームの成功に貢献できるよう全力を尽くします」

    11月のハラマでGEN4プレシーズンテスト
    ローランドとマロニーは、11月16日から20日にスペインのハラマ・サーキットで開催されるプレシーズンテストに向けて準備を進める。

    GEN4への移行によってマシンのパワー、駆動方式、コーナリング性能が大きく変わるシーズン13。日産フォーミュラEチームは、チャンピオン経験を持つローランドと新加入のマロニーというラインアップで、新たなフォーミュラE時代のスタートを切る。

  • ハースF1 オコン後任へ3人を“オーディション” カマラ、フォルナローリ、平川亮

    ハースF1 オコン後任へ3人を“オーディション” カマラ、フォルナローリ、平川亮

    ハースが2027年F1シートを巡る事実上の“オーディション”を実施すると報じられている。エステバン・オコンの後任候補として、ラファエル・カマラ、レオナルド・フォルナローリ、平川亮の3人がポルティマオでテストに臨むという。

    ブラジル『UOL』のジュリアン・セラソリによれば、テストは水曜日と木曜日に行われる予定で、フェラーリとマクラーレンがそれぞれの有望株を2027年のF1グリッドに送り込もうとするなか、トヨタの支援を受ける平川亮も候補に加わる。

    オリバー・ベアマンも走行し、3人を評価するための比較対象になるとされている。

    オコン後任へポルティマオで“オーディション”
    今回のテストに参加すると報じられているのは、フェラーリ・ドライバー・アカデミーのブラジル人ドライバー、ラファエル・カマラ、マクラーレンのリザーブドライバーを務めるレオナルド・フォルナローリ、そしてトヨタの支援を受け、現在ハースのリザーブドライバーを務める平川亮だ。

    ハースは2027年にベアマンと組むドライバーとしてオコンに代わる候補を見極めるため、非公式なオーディションを行うとされている。

    ベアマン自身もテストに参加するが、シートを争う候補ではなく、3人のパフォーマンスを判断するための比較対象という位置づけになる。

    フェラーリとマクラーレンはいずれも、自らが推すドライバーを2027年に残された数少ないF1シートのひとつに送り込もうと強く働きかけているという。

    フェラーリが推しているのがカマラで、キャデラックの候補としても名前が挙がっている。一方、マクラーレンはフォルナローリを支援している。

    さらに、32歳の平川亮についても、トヨタがF1グリッド入りを望んでいると報じられている。

    平川亮(ハースF1チーム)

    フェラーリはカマラを全面支援
    なかでもフェラーリは、カマラのF1昇格に向けて大規模な支援を行っている。

    フェラーリF1チーム代表のフレデリック・バスールは『UOL』に対し、カマラへの投資について次のように語った。

    「我々はラファエルを全面的に支援している。単なる金銭的な支援という話ではない。資金面での支援も行ってきたが、今年は旧型車を使ったトレーニングにも多額の投資をしてきた」

    「そのコストは、金銭的な支援そのものよりもはるかに大きい。来週のテスト、そして来シーズンに向けて彼を可能な限り準備させるためだ。パートナーであるハースも、来年彼をF1に送り込むための最善の方法を見つけようとしている」

    フェラーリは資金面でカマラを支援するだけでなく、旧型F1マシンを使ったトレーニングにも多額の費用を投じ、今回のテストとその先を見据えた準備を進めている。

    カマラはリザーブ起用にとどまる可能性も
    ただし、カマラが今回のテストで最もF1への準備が整ったドライバー、あるいは最も即戦力としての可能性を示したとしても、2027年のレギュラーシート獲得が保証されるわけではない。

    カマラの2027年の役割がハースのテスト兼リザーブドライバーにとどまる可能性も十分にあるという。

    ハースはF1グリッドのなかでも資金力が比較的小さいチームであり、別のドライバーがスポンサーや投資という形でより多くの資金をもたらすことができると判断すれば、別の選択肢に向かう可能性もあるとされている。

    マクラーレンはF3&F2王者フォルナローリを後押し
    その対抗候補となるのがフォルナローリだ。

    マクラーレンはフォルナローリの将来に大きく投資してきた。フォルナローリは2024年のFIA F3、2025年のFIA F2で2年連続タイトルを獲得しており、今回のテストでハースのシート候補として評価を受けることになる。

    フェラーリが全面的に支援するカマラ、マクラーレンが投資してきたフォルナローリ、そしてトヨタの支援を受け、すでにハースのリザーブを務める平川亮。3人が参加するとされるポルティマオでのテストは、オコンの後任を巡る2027年のF1シート争いを占う重要な機会となりそうだ。

  • マドリンク F1スペインGP開催へ前進 F3テストで安全確認を完了

    マドリンク F1スペインGP開催へ前進 F3テストで安全確認を完了

    2026年F1スペインGPの舞台となる新サーキット「マドリンク(Madring)」で、FIA F3による2日間の公式テストが行われた。9月11~13日のF1開催を前に実施された重要な実走確認となり、FIAから安全要件やマーシャルの対応について問題は報告されなかった。

    マドリードに建設されたマドリンクで公式カテゴリーのマシンが走行するのは今回が初めて。FIA F3のドライバーたちは新コースの評価を行うと同時に、サーキット側にとっても安全設備や運営手順を実戦に近い環境で確認する機会となった。

    F1スペインGPを前にマドリンクで初の公式テスト
    FIA F3のテストは月曜日と火曜日の2日間にわたって行われた。2026年F1スペインGPの開催まで3週間を切るなか、マドリンクにとっては本番に向けた重要な準備段階のひとつとなった。

    今回の走行では単にFIA F3各チームがマシンのテストを行っただけではなく、コースが求められる安全要件を満たしているかについても確認が行われた。

    さらに、コース上でインシデントが発生した場合のマーシャルの反応や各種手順についてもチェックされた。Mundo Deportivoによれば、FIAからこれらの安全面や運営面に関する問題は公式には報告されていない。

    F1開催に向けて最終的な準備が続く新設サーキットにとって、実際のフォーミュラカーを使った2日間のテストを大きな問題なく終えたことは重要なステップとなる。

    スレーター「走ったことがある中で最高のサーキットのひとつ」
    ドライバーからもマドリンクには好意的な評価が寄せられた。

    FIA F3選手権リーダーで、初日のテストで最速タイムを記録したアウディの育成ドライバー、フレディ・スレーターは、月曜日の最終セッションを終えた後、FIA F3公式サイトで新コースへの強い印象を語った。

    「全部が大好きだよ」

    「素晴らしいと思う。僕がこれまで走ったサーキットの中でも最高のひとつだと思う」

    スレーターは、マドリンクの特徴としてコースそのものが持つ「キャラクター」を挙げた。

    「マカオやモナコのような最高のサーキットには、どれもキャラクターがある。ここで彼らが作り上げたものの中で、それが一番特別な部分だと思う」

    「お気に入りの場所をひとつ選ぶことはできないけど、ターン5とターン6のシケインはすごく気に入っている」

    市街地コースとして独特の個性を持つマドリンクを、マカオやモナコと比較しながら高く評価した。

    マドリンク F1 スペイングランプリ

    ウゴチュクウが2日間の総合最速
    2日目となった火曜日は、カンポス・レーシングのウーゴ・ウゴチュクウが午前のセッションで1分49秒034を記録。このタイムが2日間を通じた最速タイムとなった。

    午後のセッションではトライデントのスレーターが1分49秒685でトップに立ったが、この日は午前中のコンディションの方が速く、1日の上位9タイムはいずれも午前のセッションで記録された。

    VARの山越陽悠が1分49秒227で2番手、同じくVARのエンツォ・デリニーが1分49秒501で3番手につけた。

    以下、4番手にカンポス・レーシングのエルネスト・リベラ、5番手にMPモータースポーツのトゥーカ・タポネン、6番手にVARのブルーノ・デル・ピノ、7番手にAIXレーシングのイェヴァン・デイビッド、8番手にARTグランプリのりー海夏澄、9番手に同じくARTグランプリの加藤大翔が続いた。

    スレーターのタイムはこの日の10番手だった。

    F1初開催へ実走によるチェックを完了
    マドリンクでは9月11~13日に2026年F1スペインGPが開催される。新設サーキットだけに、F1マシンが本格的に走行する前に、安全設備だけでなくマーシャルを含めた運営体制を実走環境で確認することは重要な意味を持つ。

    今回のFIA F3テストでは、ドライバーからコースレイアウトに好意的な評価が寄せられ、安全面や運営手順についてもFIAから問題は報告されなかった。

    FIA F3による史上初の公式テストを終えたマドリンクは、2026年F1スペインGP開催に向けて重要な事前確認をひとつ完了した。

  • FIA コラピントのスポンサーによる「F1の公正性を壊している」批判に声明

    FIA コラピントのスポンサーによる「F1の公正性を壊している」批判に声明

    FIA(国際自動車連盟)は、F1オランダGP後にフランコ・コラピントの主要スポンサーからスチュワードに厳しい批判が向けられたことを受け、正式な声明を発表した。

    発端となったのは、アルピーヌのコラピントがザントフォールトの決勝で受けたペナルティだ。コラピントの主要スポンサーであるメルカド・リブレのCMO(最高マーケティング責任者)ショーン・サマーズは、スチュワードについて「F1の公正性を壊している」とSNSで痛烈に批判。

    FIAはこれに対し、判定への異議とスチュワード個人への攻撃は区別されるべきだとの立場を示した。

    コラピントにドライブスルーペナルティ
    オランダGPの決勝1周目、マックス・フェルスタッペンがクラッシュし、さらに最終コーナーではガブリエル・ボルトレトがスピン。コース上には黄旗が提示された。

    この状況でコラピントは角田裕毅をオーバーテイクしたと判断され、スチュワードからドライブスルーペナルティと2点のペナルティポイントを科された。

    さらにコラピントは別の黄旗区間で十分に減速しなかったとして、追加で1点のペナルティポイントを科されている。

    コラピント自身はレース後、この裁定について「極めて厳しい」と不満を示した。角田裕毅を抜かないために急ブレーキを踏む方が、むしろ危険だったとの考えを説明している。

    「ものすごく強くブレーキを踏んで抜かないようにする方が危険だったと思う。あの判断は極めて厳しかった」

    同じオープニングラップで同様のペナルティを受けたレーシングブルズのアービッド・リンドブラッドも、スチュワードの判断に疑問を呈した。

    リンドブラッドは、個々のインシデントの状況を評価するというよりも、スチュワードが今後に向けた「前例を作ろうとしている」と感じたと語っている。

    主要スポンサーがFIAを痛烈批判
    レース後、コラピントの主要スポンサーであるメルカド・リブレのCMO、ショーン・サマーズはXを通じてFIAスチュワードを強く批判した。

    「FIAのスチュワードはF1の公正性を壊している」

    「今シーズン、彼らはひどい仕事をしており、レース結果に影響を及ぼしていることを証明している。無能なのか? 不誠実なのか? それとも両方なのか? あの組織の文化には何か深刻な問題がある」

    単なる判定への異議にとどまらず、FIAの組織文化そのものに疑問を投げかける厳しい内容だった。

    FIA(国際自動車連盟)

    FIAが正式声明「脅迫や個人攻撃を正当化するものではない」
    これを受け、FIAはオランダGP後にスチュワードへ向けられたオンライン上の攻撃について声明を発表した。

    「オランダGP後、FIAスチュワードはFIAのレギュレーションに従ってスポーティングペナルティを適用したことで、オンライン上で誹謗中傷の標的となりました」

    「United Against Online Abuse連合は、あらゆる形態の誹謗中傷やハラスメントを非難します。判定に対する意見の相違はスポーツの一部ですが、それが脅迫や個人攻撃を正当化することは決してありません」

    さらにFIAは、今回が初めての問題ではないことも強調した。

    「2023年、アメリカGP後にスチュワードのひとりが標的を絞った誹謗中傷を受けたことをきっかけに、FIAはUnited Against Online Abuse連合を立ち上げました」

    「私たちのスポーツに関わるすべての皆様に、オンライン、オフラインを問わず、敬意と責任を持って行動していただくようお願いします」

    判定そのものへの反論には踏み込まず
    一方で、今回のFIA声明は、コラピントに対するペナルティが妥当だった理由を改めて説明する内容ではない。

    コラピントやリンドブラッドが主張した黄旗下での状況判断や、サマーズが提起したスチュワードの判定基準そのものへの批判について、FIAは具体的な反論を示していない。

    FIAが声明で焦点を当てたのは、スポーツ上の判定に対する意見の相違は認められる一方、それがスチュワード個人への誹謗中傷や脅迫に発展してはならないという点だ。

    オランダGPでは黄旗を巡る裁定がコラピントとリンドブラッドのレース結果に大きな影響を及ぼし、両ドライバーから厳しすぎるとの声が上がった。その議論はレース後、スポンサーによるFIAへの異例の批判、そしてFIAによる正式声明へと発展する形となった。

  • ミハエル・シューマッハ 衝撃のF1デビューから35年 スパで始まった伝説

    ミハエル・シューマッハ 衝撃のF1デビューから35年 スパで始まった伝説

    ミハエル・シューマッハがF1の舞台に鮮烈な第一歩を刻んでから35年。1991年8月25日のベルギーGPでジョーダンからデビューした若きドイツ人は、わずか1戦でパドックの評価を一変させ、その後7度のF1ワールドチャンピオンに輝く伝説への道を歩み始めた。

    当時、多くのファンにとってシューマッハは、巡ってきた幸運なチャンスを手にした無名に近い若手ドライバーだった。しかし、彼の走りを間近で見ていたF1関係者の受け止め方は違った。

    スパ・フランコルシャンで初めてF1の公式セッションを走った段階から、その才能が本物であることを強く印象づけていた。

    突然巡ってきたジョーダンでのF1デビュー
    シューマッハがベルギーGPでF1デビューすることになった背景には、偶然ともいえる事情があった。

    ジョーダンのレギュラードライバーだったベルトラン・ガショーが出場できなくなり、その代役として当時22歳だったシューマッハにチャンスが巡ってきた。

    当時のシューマッハはメルセデスのスポーツカープログラムで頭角を現していたものの、F1では未知数の存在だった。だが、その評価はスパで瞬く間に変わった。

    予選7番手でF1パドックに衝撃
    シューマッハは初めて迎えたF1の予選でセンセーショナルな7番手を獲得した。

    さらに注目されたのが、経験豊富なチームメイト、アンドレア・デ・チェザリスとの比較だった。シューマッハはデ・チェザリスを0.774秒も上回り、F1デビュー戦とは思えない速さを見せつけた。

    難コースとして知られるスパ・フランコルシャンで、経験のない若手がいきなりこれほどのパフォーマンスを披露したことは、F1関係者に強烈な印象を残した。

    表面的には「幸運によってF1シートを手にした若者」だったシューマッハだが、その週末を現場で見ていた人々にとって、もはや単なる代役ではなかった。

    ミハエル・シューマッハ

    決勝は数百メートルで終わるも評価は揺るがず
    一方、シューマッハのF1初レースそのものは、極めて短いものとなった。

    スタートからわずか数百メートルを走ったところでクラッチトラブルが発生。シューマッハはマシンを止め、デビュー戦は事実上スタート直後に終わった。

    しかし、その結果はほとんど重要ではなかった。

    F1の世界で彼の将来を判断する立場にあった人々にとって、シューマッハはすでに予選で十分なものを見せていたからだ。速さ、適応力、そして初めてのF1という状況に動じないパフォーマンス。そのすべてが、新たなスターの誕生を予感させるものだった。

    スパから始まった7度のF1王者への道
    そして、スパでのデビューはシューマッハの運命を大きく動かすことになる。

    ベルギーGPで示した圧倒的なインパクトをきっかけに、その才能を巡る動きは急速に進み、シューマッハはF1で本格的なキャリアを築いていくことになった。

    その後の歩みはF1史そのものとなった。シューマッハはベネトンで1994年と1995年にワールドチャンピオンを獲得。さらにフェラーリでは2000年から2004年まで5年連続でタイトルを手にし、通算7度のF1ワールドチャンピオンという金字塔を打ち立てた。

    1991年のベルギーGPで走った決勝の距離は、わずか数百メートル。それでも、その週末に残したインパクトは十分だった。

    35年前のスパ・フランコルシャンで、ミハエル・シューマッハというF1史を代表する存在の物語が始まった。

  • HRC渡辺康治社長 アロンソの2027年F1継続を熱望「ホンダにとって極めて重要」

    HRC渡辺康治社長 アロンソの2027年F1継続を熱望「ホンダにとって極めて重要」

    ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は、フェルナンド・アロンソが2027年もF1参戦を続け、アストンマーティン・ホンダのプロジェクトに残ることを強く望んでいる。「アロンソと一緒に仕事ができることは、私たちにとって極めて重要です」と語り、開発面でもその存在が大きな力になっていることを強調した。

    2026年F1オランダGPの週末、渡辺康治社長はスペイン紙『Mundo Deportivo』の独占インタビューに応じた。

    そこで語られたのはアロンソの将来だけではない。ホンダが直面しているPU開発の遅れ、スペック2投入の意味、ADUOを活用した挽回、人材不足の解消、レッドブルとのプロジェクトを経験した重要なエンジニアの復帰、エイドリアン・ニューウェイとの協力、2027年への見通し、さらには2031年以降のF1エンジン規則まで、現在と将来のホンダF1プロジェクトについて幅広く明かした。

    セナとフェルスタッペンに続く新たな挑戦
    ホンダはF1の歴史のなかで、アイルトン・セナ、そしてマックス・フェルスタッペンとともに困難な挑戦を乗り越え、大きな成功を収めてきた。現在はアストンマーティン、そしてアロンソとともに新たな挑戦に臨んでいる。

    渡辺康治社長は、そうした困難そのものがホンダを強くしてきたと説明する。

    「基本的に、一つひとつの挑戦が私たちをより強くしてきました。そして、あらゆる成功の裏には数え切れないほどの挑戦があります」

    「セナのときもそうでしたし、マックスのときもそうでした。成功は一つひとつの挑戦を乗り越えた先にやってきます。そのことを私たちの誰も疑っていません」

    現在は日本のHRC Sakura、英国のHRC UK、そしてシルバーストンに本拠を置くアストンマーティンが一体となり、競争力向上へ向けて作業を続けている。

    「HRC Sakura、HRC UK、そしてシルバーストンのアストンマーティンのメンバーが一緒になって、困難を乗り越えるために取り組んでいます」

    「私たちはまさに挑戦の真っただ中にいます。そして、成功へ向かっているところです」

    ホンダ新PU「何をすべきなのかは分かっています」
    アロンソはホンダが現在抱えている問題を解決し、トップレベルのPUを作り上げることについて「時間の問題」だとして、その技術力への信頼を公に示してきた。

    ホンダはその期待に応えるため、開発のペースを上げている。渡辺康治社長によれば、少なくとも改善すべき方向性について迷いはない。

    「私たちは今、そこへ到達するまでの時間を短くする、そのプロセスの真っただ中にいます」

    「パワーユニット、つまりエンジンと電気系について、開発で何をしなければならないのかは分かっています。ですから今は、それを実現するために取り組んでいます」

    ただし、どれほどの時間が必要なのかについては慎重だった。

    「正確にいつとは言えません(笑)」

    「では、ホンダが最高のエンジンのひとつを作れるようになるのはいつだと思うか」と改めて問われても、答えは変わらなかった。

    「これは誰に聞かれても同じ答えになります。いつになるのかは言えません」

    スペック2は「状況改善への最初の一歩」
    その一方で、オランダGPで投入した新仕様PU、いわゆるスペック2は、ホンダにとって重要な転換点になる。

    2026年序盤から苦戦してきたホンダにとって、このアップデートは単純な性能向上だけを意味するものではない。今後トップレベルへ近づいていくための開発の出発点でもある。

    「もちろんです。今回のスペック2は、状況を改善するための最初の一歩です」

    「そして、毎年少しずつ近づいていきます。私たちの目標は勝つことです」

    ホンダはザントフォールト投入の新PUで、燃焼室やプレチャンバー、潤滑システムなどICE内部を中心に手を入れ、性能だけでなく信頼性の改善にも取り組んでいる。

    開発開始の遅れ「追いつくのは簡単ではありません」
    渡辺康治社長は、2026年シーズン序盤にホンダが厳しい状況に陥った背景についても率直に認めた。

    大きな要因のひとつは、新しいF1パワーユニットの開発開始がライバルより遅かったことだ。

    「私たちは開発を始めたのが非常に遅かったので、その遅れを取り戻す必要があります」

    しかし、現在のF1では単純に資金や人員を大量投入すれば追いつけるわけではない。

    「遅れを取り戻すのは簡単ではありません。予算制限がありますし、それ以外にもさまざまな制約があります」

    そこで重要になるのが、メーカー間の性能差に応じて追加開発機会を認めるADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)だ。

    「もちろん、ADUOのレギュレーションを活用しながら開発を加速させて、近づいていかなければなりません」

    人材不足は解消「今はもう問題ありません」
    ホンダのF1復帰プロジェクトでは、PUそのものだけでなく、開発を担う人材の確保も大きな課題だった。

    だが、渡辺康治社長によれば、その問題については状況が変わったという。

    「はい、以前は問題がありました。しかし、今はもう問題ではありません」

    「人数という意味でも、能力という意味でも、十分なエンジニアを採用することができました。ですから、今は大丈夫です」

    HRCのF1プロジェクトでは新たな人材を増強すると同時に、過去にレッドブルとのプロジェクトに携わった経験者も戻ってきている。

    レッドブル時代の重要エンジニアがF1プロジェクトに復帰
    レッドブルとのパートナーシップ時代にホンダはF1タイトルを獲得し、そのプロジェクトには多くの経験豊富な技術者が携わっていた。

    渡辺康治社長は、当時の人材が現在のアストンマーティンとのF1プロジェクトに戻ってきていることを認めた。

    「はい、そうです」

    ただし、当時のスタッフ全員が戻ったわけではない。

    「全員ではありません。ただ、当時そこで仕事をしていた重要な人たちはF1プロジェクトに戻ってきています」

    HRCの新太郎・折原エンジニアも、レッドブルとのプロジェクト経験者が復帰し、新たに加わった人材も2026年のテストや実戦を通して経験を積んでいると説明しており、ホンダは2027年から2028年に向けた開発体制に自信を深めている。

    「私たちは完全に準備できています」
    人材面の立て直しを終えたことで、ホンダは成功へ向けて必要な体制が整ったと考えている。

    「もちろんです。私たちは完全に準備できています」

    ただし、準備が整ったことと、すぐにライバルへ追いつけることは別問題だ。

    「すべてのチームが毎日進化しています」

    「追いつくということは、相手よりも速いペースで進化しなければならないということです。それは簡単なことではありません」

    トップメーカーも開発を止めることはない。現在あるギャップを縮めるには、ホンダ自身がライバルを上回る開発速度を維持する必要があるという認識だ。

    2027年「今よりはるかに上にいるはずです」
    アストンマーティンではニューウェイ主導によるシャシー開発も進み、2026年シーズン途中からマシンの競争力に改善が見え始めている。

    では、PU側のホンダは2027年をどのように見ているのか。

    渡辺康治社長はまず、インタビューが行われたオランダGPで投入した新PUを確実に機能させることが先決だとした。

    「まずは今日、そしてこの日曜日に集中するべきだと思っています。このザントフォールトでのレースはかなり重要ですから」

    そのうえで、今後については明確な期待を示した。

    「その後、一歩ずつトップチームに近づいていきます」

    「ですから来年は、もちろん現在の状況と比べれば、はるかに、はるかに上のところにいるはずです」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    アロンソによるホンダ擁護「私たちにとって非常に重要でした」
    ホンダが苦しい状況に置かれてきたなか、アロンソはメディアに対して繰り返しホンダへの信頼を表明してきた。

    渡辺康治社長は、その姿勢がホンダにとって非常に大きな意味を持っていたと明かした。

    「ホンダにとって、それは非常に重要でした」

    「アロンソは素晴らしいドライバーです。そして、彼と一緒に仕事ができることは、私たちにとって極めて重要です」

    ホンダが高く評価しているのはアロンソの速さや経験だけではない。PUを含めたマシンの挙動を分析し、それを技術陣へ正確に伝える能力も重要視している。

    「彼のクルマについてのコメントは非常に正確です」

    「そして、そのコメントが本当に私たちの開発を前に進める助けになっています」

    実際、アロンソはシーズン前半からPUのドライバビリティやエネルギー供給、シフト操作などについて細かなフィードバックを行い、ホンダ側もそのデータを新仕様PUの最適化につなげてきた。

    ホンダはアロンソの2027年F1継続を熱望
    そのアロンソは、2027年もF1ドライバーとして参戦を続けるかどうかをまだ決めていない。

    アストンマーティン側もアロンソの判断を待っている状況だが、ホンダの希望は明確だ。

    「はい、もちろんです。私たちはアロンソと一緒に仕事を続けたいと思っています」

    渡辺康治社長は、アロンソが持つ並外れた情熱についても強調した。

    「これほど素晴らしい情熱を持ったドライバーと一緒に挑戦できることは、ホンダにとって非常に、非常に重要です」

    そして、現在の競争力がホンダの求める水準ではないことも認めながら、その状況をアロンソとともに変えていきたいと語った。

    「今はまだ私たちが望んでいるポジションにはいません」

    「しかし、アロンソと一緒に、F1のトップチームのひとつになることが私たちの目標です」

    「2027年も続けてくれることを期待しています」
    さらに「アロンソは2027年も続けると思うか」と問われると、渡辺康治社長は率直に希望を口にした。

    「はい、そう願っています。彼が続けてくれることを期待しています」

    アロンソとホンダがともに勝利を手にした場合、それがどのような意味を持つのかという質問への答えも明快だった。

    「私たちは歴史を作ることになります」

    「アロンソにとっての歴史ですし、ホンダにとっての歴史にもなります」

    アロンソは2027年の去就について、自身がF1マシンを運転していて競争力や楽しさを感じられるかなどを判断材料にするとしており、ドライバーを続けるかどうかは本人の決断に委ねられている。

    ニューウェイとの連携「非常に緊密に仕事をしています」
    アストンマーティン・ホンダのもうひとつの重要な存在がニューウェイだ。

    ニューウェイとの協力によってチームはさらに強くなるのかと問われた渡辺康治社長は、これまで語ってきた「挑戦によって強くなる」というホンダの考え方を改めて示した。

    「チームをもっと強くできると思います」

    「先ほども申し上げたように、一つひとつの挑戦が私たちをより強くしてきました。そして間違いなく、エイドリアンとチームと一緒に、私たちはさらに強くなっています」

    ニューウェイとの実際の仕事についても、良好な関係を築けているという。

    「私たちは非常に緊密に、そして非常にうまく一緒に仕事をしています」

    新規則 新パートナー 新燃料「最初からひとつのチームになるのは簡単ではない」
    ただし、アストンマーティンとホンダが最初から完全にひとつの組織として機能できたわけではない。

    2026年にはF1の技術規則が大きく変わり、ホンダにとってアストンマーティンは新たなパートナーとなった。さらに新しい燃料への対応も必要だった。

    「もちろん、現在の新しいレギュレーション、新しいパートナー、そして新しい燃料があります」

    「そういう状況ですから、最初からひとつのチームになるのは簡単ではありません」

    実際、シーズン序盤は両者にとって非常に厳しいスタートとなった。しかし、その困難が逆にコミュニケーションを深めるきっかけにもなったという。

    「非常に難しいスタートになりましたので、そうした状況を乗り越えるために、私たちは非常に緊密で、深い話し合いを続けてきました」

    「その結果、私たちのコミュニケーションはずっと良くなりました」

    アロンソとF1王座獲得「そのためにこのプロジェクトにいるのです」
    渡辺康治社長は、現在の厳しい状況だけを見ているわけではない。

    その先には、アストンマーティン、ホンダ、そしてアロンソによるF1ワールドチャンピオン獲得という大きな目標がある。

    「もちろん夢見ています」

    「そのために私たちはこのプロジェクトを開発していますし、アストンマーティン、そしてアロンソとのパートナーシップを築いたのです」

    「なぜそう思わないのでしょうか?」

    では、アストンマーティンとアロンソとともに勝てると100%確信しているのか。

    渡辺康治社長は、結果そのものを保証することはできないとしながらも、目標については一切の曖昧さを残さなかった。

    「100%保証できる人は誰もいません」

    「ただ、私たちの目標が勝つことであることは100%確かです」

    ホンダ・レーシング

    2031年V8案「F1の技術は最先端で持続可能であるべき」
    インタビューでは、2031年以降のF1パワーユニット規則についても質問が及んだ。

    議論されているV8エンジン復活の可能性について、渡辺康治社長はまず正式な提案が届いていないことを強調した。

    「あなたはどう思いますか?(笑)」

    「非常にシンプルです。まず、私はまだFIAから正式な提案を何も受け取っていません」

    「もちろんニュースは読んでいます。ただ、その段階ですので、今は明確な回答をすることはできません」

    一方で、将来のPU規則を考えるうえでホンダが重視する基本的な考え方については説明した。

    「F1は世界最高峰のモータースポーツカテゴリーです」

    「ですから、私たちはF1の技術は最先端であるべきだと考えていますし、持続可能でなければならないとも考えています。それは重要なことです」

    ただし、V8を含めた将来のPUコンセプトそのものを拒絶しているわけではない。

    「ただ、そのようなパワーユニットをどのように実現していくのかについて議論することには、私たちは完全にオープンです」

    「まず競争力を取り戻し その先のさらに大きなものを目指します」
    最後に渡辺康治社長は、現在の厳しい状況でもホンダ、アストンマーティン、アロンソを応援するファンに向けてメッセージを送った。

    「これはとても重要なことです」

    「皆さんの応援が私たちに力を与えてくれています。ですから、スペインのファンの皆さんのサポートと声援に感謝しています」

    そして、現在地を率直に認めたうえで、ホンダが進もうとしている道筋を示した。

    「今は明らかに、私たちが望んでいるポジションにはいません」

    「しかし、まずはもう一度戦えるところまで戻り、競争力のある状態を取り戻します」

    「そしてその後も、さらに大きなものを目指して取り組み続けます」

    ホンダは2026年の苦戦を一時的な失敗として片づけるのではなく、開発開始の遅れや人材面の問題を認めたうえで立て直しを進めている。スペック2はその「最初の一歩」であり、ADUOによる追加開発、人員増強、レッドブル時代の経験者の復帰、アストンマーティンやニューウェイとの連携強化を通じて、2027年には「はるかに上」の位置を目指す。

    そして、その挑戦の中心にホンダが残ってほしいと願っているのがアロンソだ。正確なフィードバックと豊富な経験、そして渡辺康治社長が繰り返し強調する「並外れた情熱」を持つアロンソとともにトップへ戻り、勝利し、最終的にはF1タイトルを獲得する。それが現在のアストンマーティン・ホンダが描く将来像であり、渡辺康治社長はその実現によって「アロンソにとっても、ホンダにとっても歴史を作る」ことを目指している。

  • リアム・ローソン レッドブルF1の“不文律”破りフェルスタッペンに真っ向勝負

    リアム・ローソン レッドブルF1の“不文律”破りフェルスタッペンに真っ向勝負

    リアム・ローソンは、F1オランダGPの決勝スタート直後にチームメイトのマックス・フェルスタッペンへ果敢に仕掛けた。その姿勢について、元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは「最大限の敬意」を示している。

    アイザック・ハジャーの負傷によりレッドブル・レーシングから1戦限りで出場したローソンは、4列目でフェルスタッペンのひとつ後方からスタート。

    序盤から4度のF1ワールドチャンピオンに対して遠慮することなく勝負を挑み、レッドブル内にあるとされる“不文律”を意に介さないような走りを見せた。

    ローソンがフェルスタッペンに真っ向勝負
    スタート直後、フェルスタッペンはルイス・ハミルトンとの接触によって2輪を芝生に落とし、ローソンはその隙を突いて接近した。

    ローソンはターン3でフェルスタッペンのアウト側にマシンを並べ、大胆なオーバーテイクを試みた。しかし、フェルスタッペンも簡単にはポジションを譲らず、ローソンの進路を封じた。

    レッドブルではフェルスタッペンが明確なエースとして位置づけられており、チームメイトが必要以上に激しくレースを仕掛けないという“不文律”があるとみられている。それでも、ローソンは1戦限りのチームメイトを相手に躊躇しなかった。

    F1TVで解説を務めたジョリオン・パーマーは、その場面を見ながらローソンらしい積極性を称賛した。

    「ローソンがチャンスを狙っている。なんてことだ、ターン3のアウト側からマックス・フェルスタッペンを抜こうとしている! 無理だ!」

    「ローソンには最大限の敬意を払うよ。彼は仕掛けることを決してためらわないよね。その日だけのチームメイトに対して大技が決まるか試していた。まあ、長くは続かなかったけどね」

    フェルスタッペンはその後、オープニングラップ終盤にクラッシュしてリタイア。結果としてローソンがレッドブルの上位フィニッシュへの期待を背負うことになった。

    リアム・ローソン vs マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    クルサード「自分の役割を思い出した」
    一方、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、ローソンが最終的にはフェルスタッペンとの直接対決から引いたことに注目した。

    チャンネル4のハイライト番組でクルサードは、ローソンが途中で自分がレッドブルに1戦限りで起用された立場であることを思い出したように見えたと語った。

    「彼は1戦限りのチャンスだということを忘れているね。フェルスタッペンと少し接触して、それから『ああ、チームメイトだった。ちゃんと後ろについていかないと』という感じになった」

    ローソンにとって今回のオランダGPは、単なる代役参戦以上の意味を持つ一戦だった。ハジャーの負傷によって巡ってきた機会は、今後のレッドブルでの立場を再びアピールする重要なチャンスでもあった。

    それだけに、チームの絶対的エースであるフェルスタッペンとの接触によって両者がレースを失うような事態は避ける必要があった。

    チャンドック「フェルスタッペンが誰がボスか示した」
    Sky Sports F1の解説者カルン・チャンドックも、ターン3での攻防を分析。フェルスタッペンがローソンに対し、レッドブルでの力関係を明確に示した場面だったと指摘した。

    「最初のコーナーを立ち上がるところでは、接触する寸前まで近づいていた。そして次のいくつかのコーナーでもリアムは彼についていった。ターン3ではアウト側から仕掛けようとしている」

    「そこでフェルスタッペンは『いやいや、僕が示してやる』という感じで、少しステアリングを開いた。接触したとき、彼はリアム・ローソンに対して、このチームのボスが誰なのかをかなり明確に示した」

    それでもローソンはすぐには諦めず、可能性を探り続けたという。

    「リアムはそのまま勝負しようとしたけど、最終的には『分かった。ここではリスクを取り除いて後ろにいよう』と判断したんだ」

    1戦限りの代役で7位フィニッシュ
    フェルスタッペンとの本格的な接触事故は、ローソンにとって最悪の結果になりかねなかった。ハジャーの負傷によって突然巡ってきたレッドブル復帰の機会は、自身の将来を左右する重要なアピールの場でもあったからだ。

    それでもローソンはスタート直後から守りに入ることなく、フェルスタッペンを相手にオーバーテイクを狙った。パーマーが評価したのも、まさにその攻撃的な姿勢だった。

    最終的にローソンは7位でフィニッシュ。急きょ決まった1戦限りのレッドブル復帰でポイントを獲得し、フェルスタッペンにも臆することなく仕掛ける積極性と、必要な場面ではリスクを抑える判断力の両方を示す週末となった。

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1への無線発言を謝罪「最高の自分ではなかった」

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1への無線発言を謝罪「最高の自分ではなかった」

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1オランダGPでフェラーリの戦略をめぐって口にしたチーム無線やテレビインタビューでの発言について公に謝罪した。「あれは最高の自分ではなかった」と振り返り、自らの言動に責任を取る姿勢を示している。

    ザントフォールトで4位に終わったハミルトンは、レース中にフェラーリの判断の遅さに苛立ちをあらわにしていた。

    しかし、レース後に自身の発言を聞き返したことで考えを改め、「次はもっといい自分でいるよ」と誓った。

    フェラーリの戦略判断に無線で苛立ち
    オランダGPでハミルトンの不満が表面化したのは、前を走るチームメイトのシャルル・ルクレールとのポジションをめぐる判断だった。

    ハミルトンは異なる戦略を採っており、その前方にはメルセデスのジョージ・ラッセルがいた。ハミルトンはルクレールの前に出てラッセルを追うことを望んだが、フェラーリはすぐには決断しなかった。

    その際、ハミルトンは無線で皮肉を込めて「時間を無駄にする素晴らしい方法だね。みんな、よくやったよ」と発言した。

    最終的に4位でフィニッシュした後も不満は収まらず、無線で「僕たちは不運だったわけじゃない」と語り、フェラーリの決断の遅れについて「それで3位を失った」と主張した。

    レース後にはF1公式サイトに対し、勝利への強い思いを口にしていた。

    「僕は勝ちたい。勝つためにここにいる」

    「前を見ていて、メルセデスの2人が指示を受けたら、それがすぐに実行されるのを見るのは難しいよ」

    「彼らはキミを前に出して、そのままレースをさせた。僕は違う戦略だったし、ここでは同じようにはいかなかった」

    メルセデスはレース終盤、ラッセルにキミ・アントネッリを先行させるよう指示し、ポジションを速やかに入れ替えていた。ハミルトンは、それとフェラーリの対応を対比させていた。

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    「あれは最高の自分ではなかった」
    しかし、レースを終えて時間が経ったことで、ハミルトンは自身の言動を改めて振り返った。

    ハミルトンはInstagramを更新し、厳しい週末だったと認めながらも、まずはフェラーリのスタッフへの感謝を記した。

    「厳しい週末だったけど、チームにとって貴重なポイントを持ち帰ることができたし、僕たちが正しい方向に進んでいる手応えもあった」

    「ファクトリーでアップデートを投入し続け、パフォーマンスを引き出し、僕たちを前進させるために努力してくれているみんなを心から誇りに思っている」

    「サーキットにいるチームのみんなにも感謝している。その献身と努力を当たり前だと思ったことはない。特に1周のパフォーマンスではまだやるべきことがあるけど、これからも取り組み続け、学び、一緒に改善していく」

    そのうえで、オランダGPでの自身の無線やテレビでの発言について触れた。

    「自分の無線やテレビでのコメントをいくつか聞き返した。ああいう瞬間はフラストレーションが出てしまうこともある。特に僕はそれだけ強い思いを持っているからね」

    「でも、あれは最高の自分ではなかった。その責任は僕にある。次はもっといい自分でいるよ」

    フェラーリへの信頼を強調「僕たちはこれからだ」
    ハミルトンは、自身がそこまで感情をあらわにした背景には、フェラーリへの強い信頼があることも強調した。

    「それだけ熱くなるのは、このチームと、ここにいるみんな、そして僕たちが一緒に築いているものを信じているからだ」

    「進むべき方向は明確だ。信じる気持ちもある。そして戦いは間違いなくまだ続いている」

    「僕たちを、そして僕を支え続けてくれてありがとう。これからも築き続け、プッシュし続け、戦い続ける」

    「僕たちはこれからだ」

    ハミルトンはオランダGPを4位で終え、ドライバーズランキングでは3位に後退。ランキング首位のキミ・アントネッリとの差は59ポイントとなった。

    フェラーリの戦略判断に対してレース直後は厳しい言葉を並べたハミルトンだが、冷静になった後には自らの発言を聞き返し、その責任を認めた。一方で勝利への強い意欲とフェラーリへの信頼は変わっておらず、今回の謝罪でもチームとともに巻き返す意思を明確にしている。

  • Netflix『Drive to Survive』シーズン9制作決定 2026年F1の舞台裏に密着

    Netflix『Drive to Survive』シーズン9制作決定 2026年F1の舞台裏に密着

    Netflixは、F1の舞台裏に迫るドキュメンタリーシリーズ『Formula 1: 栄光のグランプリ(Formula 1: Drive to Survive)』のシーズン9を制作することを正式に発表した。2019年の配信開始から世界的なヒット作となったシリーズが、2026年のF1世界選手権を題材に再びパドックの内側を描く。

    シーズン9では、史上最年少でF1選手権リーダーとなったキミ・アントネッリの台頭をはじめ、開発競争によって勢力図が変化してきた2026年シーズンのさまざまなストーリーが取り上げられる。

    制作陣は「これまで以上に深く」F1の知られざる領域に踏み込むとしている。

    Netflixがシーズン9を正式発表
    『Formula 1: Drive to Survive』は2019年にNetflixで配信がスタート。F1のレースそのものだけでなく、チーム内部の人間関係やドライバーの葛藤、契約交渉、チーム間の争いなど、通常のグランプリ中継では見ることのできない舞台裏を描いてきた。

    8シーズンにわたって制作されてきた同シリーズについて、Netflixはシーズン9への継続を正式に決定。2026年のF1世界選手権を追った新シリーズが制作されることになった。

    2026年シーズンもすでに数多くのドラマが生まれている。なかでも大きなテーマのひとつとなるのが、キミ・アントネッリの躍進だ。若きメルセデスF1ドライバーは史上最年少で選手権リーダーとなり、タイトル争いの中心人物へと成長した。

    また、シーズンを通じたマシン開発競争によって各チームの力関係も変化。シーズン後半に向けても勢力図が動く可能性があり、そうした表舞台の戦いと、その裏側で繰り広げられるチームの決断がシーズン9の題材となる。

    制作陣「これまで以上に深くF1の隠された場所へ」
    番組を制作するBox to Box Filmsのエグゼクティブプロデューサー、ジェームズ・ゲイ=リースとポール・マーティンは、シーズン9の制作決定について期待を語った。

    「この象徴的な番組のシーズン9を制作できることに、とても興奮している」

    「今年は、この素晴らしいスポーツの隠された場所へ、これまで以上に深く踏み込んでいく」

    『Drive to Survive』は、チーム代表やドライバーへの密着取材を通じ、レース結果だけでは見えてこないF1の人間ドラマを映し出してきた。制作陣の発言からは、シーズン9ではさらにチーム内部へ踏み込んだ内容になることがうかがえる。

    世界的ヒット作となった『Drive to Survive』
    『Formula 1: Drive to Survive』は、F1とNetflixが協力して制作するドキュメンタリーシリーズとして2019年にスタートした。

    各シーズンのF1世界選手権を振り返りながら、コース上でのバトルだけでなく、チーム内部での競争やプレッシャー、ドライバー同士の関係、シートを巡る争いなどに焦点を当てる構成が特徴となっている。

    これまでの8シーズンを通じて世界的な人気を獲得し、従来F1との接点が少なかった層にもグランプリの世界を広げる作品となった。

    シーズン9のNetflixでの配信時期については現時点で明らかにされていない。2026年のF1世界選手権はまだ後半戦を残しており、今後起こる出来事も含めて新シーズンが構成されることになる。

    タイトル争い、各チームの開発競争、ドライバー市場、そしてパドック内部で下されるさまざまな決断。シーズン9では、激動の2026年F1シーズンがコース上とは異なる視点から描き出されることになりそうだ。