マックス・フェルスタッペンが、F1マシンをカートに乗り換え、100人のライバル全員をオーバーテイクする前代未聞のチャレンジに挑む。9月16日にシルバーストン・サーキットで「Max vs 100」と題した世界最大級のカートレースが開催される。
4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンは最後尾からスタートし、レッドブルのアスリートや著名人、コンテンツクリエイター、一般ファンなど世界各地から集まった100人を相手に、全員を抜くことを目指す。
イベントはDisney+で世界に向けてライブ配信される。
フェルスタッペンがカートの原点へ
フェルスタッペンにとってカートは、F1へとつながるレーシングキャリアの原点だ。
4歳でカートを始め、7歳から選手権に参戦。ベルギーとオランダで実績を積み、その後は世界選手権やヨーロッパ選手権で数々のタイトルを獲得した。特に2013年にはカート界で圧倒的なシーズンを送り、その後フォーミュラカーへとステップアップ。2015年にはF1デビューを果たした。
今回の「Max vs 100」では、その原点であるカートに戻り、通常のレースとは大きく異なる条件で自らの技術を試すことになる。
「カートでは、スタート、ディフェンス、オーバーテイクといったすべての基本を学ぶ」
フェルスタッペンはそう語る。
「もちろん、僕は人生の長い期間をカートに費やしてきたから、戻ってくるのはいつだって楽しい」
「重要なのはカートのグリップを理解することだ。何年もカートをやってきたから、かなり自然に感覚を取り戻せると思う。目の前で繰り広げられる大混乱を見るのを楽しみにしているよ」
最後尾から100人全員をオーバーテイク
今回フェルスタッペンに課されるミッションは単純明快だ。101台が並ぶグリッドの最後尾からスタートし、自分より前にいる100人すべてをオーバーテイクする。
対戦相手はプロのレーシングドライバーだけで構成されるわけではない。レッドブルのアスリート、著名人、コンテンツクリエイターやパーソナリティ、さらに世界各地から招待された一般ファンなど、多彩な100人が参加する。
参加者には、ウルトラランナーのアルダ・サーチ、バスケットボールのシューティングスペシャリストとして知られるクリス“リーサル・シューター”マシューズ、英国のフリースタイル・マウンテンバイクライダー、マット・ジョーンズらレッドブルのアスリートも含まれる。
通常はF1でグリッド前方からスタートすることの多いフェルスタッペンだが、今回は100台のカートが行く手を阻む。純粋な速さだけでなく、トラフィックを読み、どこで仕掛けるかを瞬時に判断する能力が試される。
101台のためにシルバーストンに専用コース
100人対フェルスタッペンという異例のレースを実現するため、シルバーストンには今回のイベント専用レイアウトが用意された。
コース設計を担当したのは、レースディレクターを務めるフランス人レーシングドライバーのデビッド・テリエン。カートデザイナーとしても知られ、ユース時代にはカートの世界チャンピオンに輝いた経歴を持つ。
「101人のドライバーが同時に走るためのコースを作るなんて、これまで行われたことも、見たこともない。だから、とてもエキサイティングだ」
テリエンは語った。
「マックス・フェルスタッペンが全員を追いかけてくるとなれば、参加するドライバー全員にとって一生に一度の経験になると思う」
「マックスがトラフィックの先を見ながら、どこでオーバーテイクできるのかを準備し、計画する。そのスキルをすべて見ることができるだろう。前を走るドライバーたちを逃がしたくないわけだから、可能な限り速いスピードでトラフィックを抜けていくことになる」
レース本番に先立ち、シルバーストンではテリエンとテストドライバーのセバスチャン・ジョブによってコースのテストも実施された。

50台でも「かなり難しかった」
Oracle Red Bull Sim Racingに所属し、iRacingの世界選手権を2度制したシムレーサーのセバスチャン・ジョブは、テストを通じて100台を抜く難しさを実感したという。
「100台をオーバーテイクするのは、ものすごく難しいと思う」
「今日は50台でやったけど、それでも決められた時間内に抜いていくのは大きなチャレンジだった。彼には本当に大仕事が待っているよ」
101台ものカートが同じコースを走るだけに、フェルスタッペンが圧倒的な速さを持っていたとしても、前方の集団をどう攻略するかによって結果は大きく左右されることになる。
レース中にフェルスタッペンと参加者が直接会話
「Max vs 100」では、レースそのものだけでなく、視聴者が戦いを追いやすくするための演出も導入される。
ゲームをイメージしたグラフィックや映画のようなドローン映像に加え、ライブのレースデータや各種情報を画面上に表示。フェルスタッペンが100人のうち何人を抜いたのかなど、チャレンジの進行をリアルタイムで追える構成となる。
さらにユニークな仕掛けとして、フェルスタッペンはレース中にライバルたちと直接コミュニケーションを取ることができる。100台を追い抜こうとするフェルスタッペンと、それを阻止しようとする参加者の会話も、レースの見どころのひとつになりそうだ。
「Max vs 100」は9月16日にシルバーストンで開催され、Disney+で世界に向けてライブ配信される予定。配信地域は国や地域によって異なる。
F1で数々の勝利と記録を築いてきたフェルスタッペンが、レーシングキャリアの原点であるカートに戻り、101台の大集団の最後尾から100人全員を抜くことができるのか。通常のレースとはまったく異なる条件で、4度のF1王者のオーバーテイク能力が試される。



















