投稿者: dbcheck

  • メルセデスF1 マクラーレン急追も「今は開発に使う金がない」とヴォルフ

    メルセデスF1 マクラーレン急追も「今は開発に使う金がない」とヴォルフ

    メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、マクラーレンが相次ぐアップデートによって急速に競争力を高めるなか、現時点ではそれに即座に対抗するための開発予算がないと明かした。

    マクラーレンは夏休みを挟んだハンガリーGPとオランダGPで大規模なアップデートパッケージを投入し、ランド・ノリスが両レースで連勝。シーズン序盤に明確な優位を築いていたメルセデスに対し、勢力図を大きく変えつつある。

    ただし、ヴォルフによれば、メルセデスがすぐさま対抗策を投入することはコストキャップの制約によって難しいという。

    マクラーレンの進歩にすぐ対抗できないメルセデス
    F1ではタイトル争いを繰り広げるライバルが大きな進歩を遂げた場合、それに対抗するアップデートを前倒しして投入することも珍しくない。しかし、現在のF1では年間の支出がコストキャップによって制限されており、どの時期に開発費を投入するかが極めて重要になっている。

    特に2026年は新レギュレーション導入初年度であり、シーズンを通じた開発計画と予算配分は例年以上に重要だ。

    現在コンストラクターズ選手権首位に立つメルセデスだが、ヴォルフはこれまでの支出状況を踏まえると、現時点でマクラーレンの進歩に即座に対抗できるだけの予算は残されていないと説明した。

    「マシンの開発に投入できる金がない」

    ヴォルフはそう語った。

    「以前にも言ったように、僕たちはシーズンを通じて予算を均等に配分しようとしている。いつ最大のアップデートを投入できるか、そしてチャンピオンシップで獲得できるポイントをどう最適化するかという計算に基づいている」

    「できないことは、できない。それだけだ」

    メルセデスは新レギュレーション時代のスタートで明確な優勝候補としてシーズンを開始した。そのことは、開幕前からシーズン序盤にかけてライバルより多くのリソースを投入していた可能性を示しており、現段階では他チームと比較してマシンをアップグレードするための財政的な余裕が小さくなっているとも考えられる。

    ただし、ヴォルフはメルセデスが年間の開発予算を使い切ったわけではなく、コストキャップ内でシーズン後半にアップデートを投入する余地を残していることも示唆した。

    「だからこそ開発競争なんだ」
    「だからこそ、これは開発競争なんだ」

    ヴォルフは語った。

    「アップデートを投入すれば、トップチームならそれぞれ少なくともコンマ数秒は得られる。そして今、僕たちはその分を失っている」

    「だから、そうだね。シーズン序盤よりも厳しい戦いになるだろう。ただ、シーズン終盤になったとき、彼らが今と同じくらい多くのものをマシンに投入できるかどうかは、そのときになれば分かる」

    「シーズン終盤よりも序盤や中盤に多くの予算を使うという、異なる戦略を採っているチームもあるかもしれない」

    つまり、メルセデスは年間を通して開発予算を比較的均等に配分する戦略を採る一方、マクラーレンなどのライバルはシーズン前半から中盤により多くのリソースを投入している可能性があるという見方だ。

    そして、その開発スケジュールの違いは、すでにコース上のパフォーマンスに明確に表れている。

    トト・ヴォルフ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    アントネッリ「もう最速のマシンではない」
    オランダGPを終えたメルセデスのドライバー2人は、現在の勢力図においてメルセデスがトップの座から引きずり下ろされたとの認識を示した。

    ドライバーズ選手権首位のアンドレア・キミ・アントネッリは、マクラーレンが特にハンガリーGP以降に大きな前進を果たしたと語った。

    「間違いなく、僕たちはもうグリッドで明確に最速のマシンではない」

    「おそらく2番手か3番手だと思う。少なくとも今日のレースではそうだった。そしてマクラーレンはものすごく大きなステップを踏んだ。特にハンガリー以降、大型アップデートパッケージを投入してからだ」

    マクラーレンはハンガリーGPで大型アップデートを投入すると、続くオランダGPでも新たな開発パーツを持ち込み、その両方でノリスが勝利を収めた。

    一方でアントネッリもヴォルフと同様、メルセデスが今後投入するアップデートについて自信を示している。

    「僕はチームを信頼している。チームは次に投入するパッケージについて本当に懸命に取り組んでいるし、マシンに載せたときにきちんと機能するよう、確実なものにしたいと考えている」

    「だから、このレースでは間違いなくもっと難しくなるし、厳しい戦いになる。でも、僕たちはベストを尽くして、あらゆるチャンスを最大限に生かす準備ができている」

    「そして、次は僕たちがパッケージを投入する番になって、それによってもう一度少し優位に立てるようになればいいと思う」

    メルセデスにとって現在の問題は、開発そのものが止まっていることではなく、限られたコストキャップをシーズンのどこで使うかというタイミングにある。マクラーレンが中盤戦で積極的にアップデートを投入して勢いを増す一方、メルセデスは後半戦に向けた次のパッケージを準備している。

    シーズン序盤に築いた優位が縮まり、タイトル争いがさらに接近するなか、年間を通したメルセデスの予算配分戦略が最終的に正しかったかどうかは、今後投入されるアップデートの効果によって大きく左右されることになりそうだ。

  • レッドブルF1 2027年タイヤテストでローソンがRB22で116周 2日目は岩佐歩夢

    レッドブルF1 2027年タイヤテストでローソンがRB22で116周 2日目は岩佐歩夢

    ピレリは8月26日、ムジェロ・サーキットで2027年F1シーズンに向けたタイヤ開発テストの初日を実施した。マクラーレンとレッドブル・レーシングが参加し、すでに仕様が確定している2027年用タイヤの構造をベースに、C1、C2、C3のコンパウンド候補を評価した。

    レッドブルではリアム・ローソンがRB22をドライブして116周、マクラーレンではオスカー・ピアストリがMCL40で93周を走行。

    ピレリは短いスクリーニング走行からロングランまで幅広いプログラムをこなし、2027年に使用するコンパウンドの最終選定に向けてデータを収集した。

    2027年タイヤは構造確定 コンパウンド選定が焦点
    ピレリは数週間前に2027年用F1タイヤの構造を確定しており、現在の開発作業は主にコンパウンドの評価と選定へと移っている。

    ムジェロで行われた2日間のテストにはC1、C2、C3の3種類が持ち込まれた。ピレリにとって今回の走行は、それぞれの候補について性能や耐久性、デグラデーションなどを比較し、来季に向けたラインアップを絞り込むための重要な機会となる。

    初日は路面温度が最大55度に達する暑いコンディションとなり、異なる走行距離で各コンパウンドの特性を確認することができた。

    ローソンはC3を集中評価 116周608kmを走破
    レッドブル・レーシングではリアム・ローソンがRB22を担当した。

    ローソンのプログラムはC3を中心に組まれ、まず異なる仕様を比較するため、それぞれ8周のスクリーニングランを実施。午後には走行距離を延ばし、午前中の評価で好印象だった候補を検証するためのロングスティントに取り組んだ。

    ローソンはこの日、参加した2人の中で最多となる116周を走破。総走行距離は608kmに達した。

    ベストタイムは1分22秒297だった。

    今回ローソンが起用されたことは、レッドブルにとって実戦面でも意味を持つ。手首を負傷したアイザック・ハジャーがF1イタリアGPまでに復帰できない場合、ローソンが引き続き代役を務める可能性があるためだ。ムジェロでRB22を長時間走らせることは、そうした状況に備える意味でも有益な機会となった。

    ピアストリはC1 C2 C3を比較 最速タイムを記録
    マクラーレンではオスカー・ピアストリがMCL40をドライブし、ピレリが用意したC1、C2、C3のすべてをテストした。

    ピアストリは主にショートスティントによる比較作業を進め、その後、テスト終盤にはそれぞれ14周のランを2回実施。短距離での性能だけでなく、走行を重ねた際の挙動についてもデータを収集した。

    走行周回数は93周、総走行距離は488km。ベストタイムは1分21秒358で、ローソンを0.939秒上回り、この日の最速タイムとなった。

    ただし、今回のテストは各チームが同一条件で速さを競うものではなく、装着したタイヤの仕様や走行プログラムも異なる。ラップタイムそのものよりも、ピレリが各候補から得た比較データが重要となる。

    岩佐歩夢

    2日目はランド・ノリスと岩佐歩夢 アウディも参加
    ムジェロでのピレリF1タイヤテストは27日も継続され、参加ドライバーが交代する。

    マクラーレンでは現F1ワールドチャンピオンで、直近の2戦を連勝しているランド・ノリスがMCL40を担当する。

    レッドブル・レーシングではリアム・ローソンに代わって岩佐歩夢がRB22をドライブする予定だ。

    さらに2日目からはアウディもテストに加わる。R26を担当するのはニコ・ヒュルケンベルグ。前戦F1オランダGPでは8位に入り、アウディにポイントを持ち帰っている。

    ピレリはマクラーレン、レッドブル、アウディの3チームから得られるデータを比較しながら、2027年F1シーズンに投入するコンパウンドの最終決定に向けた作業を進めていく。

  • ステファノ・ドメニカリ F1技術軽視批判に反論「クリップを髪留めと思う人も多い」

    ステファノ・ドメニカリ F1技術軽視批判に反論「クリップを髪留めと思う人も多い」

    F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリが、2026年の新レギュレーションやF1ファンの技術的な関心をめぐる自身の発言に対する批判に反論した。

    ドメニカリは、熱心なモータースポーツファンがいる一方で、「クリッピング」と聞いて髪留めを思い浮かべるファンも多いと語り、現在のF1が幅広い層に支持されていることを強調した。

    61歳のドメニカリは夏休み序盤、F1ファンの「大多数」は技術的な細部には興味を持っていないとの見解を示していた。2026年の新パワーユニット規則ではエネルギーマネジメントの重要性が増し、クリッピングやスーパークリッピングといった技術的なテーマが注目されているだけに、この発言にはSNSを中心に反発の声が上がった。

    「SNSではネガティブな話ばかりが聞こえてくる」
    オランダ紙『De Telegraaf』のインタビューで、技術的な部分に興味がないと一括りにされたことで一部のファンが不快感を示していることについて問われたドメニカリは、SNS上の反応だけでF1全体の状況を判断すべきではないとの考えを示した。

    「だが、ソーシャルメディアではネガティブな話ばかりが聞こえてくることが非常に多い。我々が実際に見たり聞いたりしているものは、まったく違う」

    その具体例としてドメニカリが挙げたのが、10月初旬にセパンで開催されるバーレーンGPだ。中東情勢の影響によってマレーシアで代替開催されるレースは、短期間で大きなチケット需要を集めている。

    「10月初旬にマレーシアで開催されるバーレーンGPを見てほしい。わずか数週間でグランドスタンドはすでに完売し、パドッククラブも1500枚が売れている。これは前例のないことだ」

    「それが現在のF1の強さを示している。ネガティブなことばかり言っていても前には進めない。数字を見れば、我々のビジネスが成長していることが分かる。もちろん、批判的な人たちの意見も真剣に受け止めている。しかし、私の仕事はもっと大きな全体像を見ることだ」

    「クリップを髪につけるものだと思う人もいる」
    そのうえでドメニカリは、現在のF1には技術を深く理解して観戦する従来型のファンだけでなく、より幅広い層が存在すると説明。そこで「クリッピング」を例に挙げた。

    「F1の週末に『クリッピング』について話している熱心なモータースポーツファンもいる。しかし一方で、『クリップ』と聞けば髪につけるものだと思う人も大勢いるだろう」

    2026年のF1では、新世代パワーユニットのエネルギーマネジメントが大きなテーマとなっている。特にストレート上で電気エネルギーの供給が制限されることで出力が低下するクリッピングは、レース内容を左右する要素としてファンやドライバーから注目されてきた。

    ドメニカリの発言は、そうした技術的な議論を楽しむコアなファンの存在を否定するものではなく、それだけが現在のF1の観客層を代表しているわけではないという主張だ。

    ステファノ・ドメニカリ F1

    アロンソやハミルトンと若手では「世代が違う」
    2026年のレギュレーションをめぐってはファンだけでなく、ドライバーからも不満が出ている。フェルナンド・アロンソやマックス・フェルスタッペンらも、新パワーユニットの特性やエネルギーマネジメントについて批判的な発言をしてきた。

    ドライバー自身からも否定的な意見が出ていることを指摘されると、ドメニカリは、それについても一括りにするべきではないと主張した。

    「それについても、すべてを一緒にして考えるべきではない。ドライバーの視点というよりも、世代の違いだ」

    「フェルナンド・アロンソやルイス・ハミルトンは、現在のレギュレーションについて、キミ・アントネッリやアービッド・リンドブラッドのような10代のドライバーとは違った話し方をすると思う」

    「だからこそ、全員から意見を聞くことが重要だ」

    ヘイロー導入時も「これは何だ?」という反応
    ドメニカリはさらに、F1の歴史では大きな技術変更や規則変更が導入されるたびに、ドライバーから戸惑いや反発が起きてきたと指摘した。

    現在では当たり前となった技術や安全装備も、導入当初から歓迎されていたわけではないとして、ギアシフト方式の変化や頭部保護デバイス「ヘイロー」を例に挙げた。

    「過去にも、ドライバーが『これは何なんだ?』と思った瞬間は数多くあった」

    「かつてギアシフトの方法が変わったときや、マシンにヘイローが導入されたときを考えてみればいい。今では、それがあることを当然のものとして受け入れている」

    ドメニカリは、2026年F1レギュレーションへの批判そのものを無視する考えではないとしながらも、SNSで目立つ否定的な意見だけではなく、観客動員やチケット販売を含めたF1全体の成長を見る必要があるとの姿勢を示した。

    技術を深く追求する熱心なファンから、新たにF1を見始めたライトなファンまで、現在のF1がかつて以上に幅広い層を抱えるなか、ドメニカリは「クリップ」という独特の例えを使って、そのファン層の広がりを説明した。

  • 小椋藍 MotoGPアラゴンGP欠場 左手親指付近を骨折し手術へ

    小椋藍 MotoGPアラゴンGP欠場 左手親指付近を骨折し手術へ

    MotoGP世界選手権でタイトル争いを繰り広げている小椋藍が、今週末に開催されるアラゴンGPを欠場することが決まった。日本でのトレーニング中に左手を負傷し、親指付近の骨折が判明。手術を受けることになった。

    トラックハウス・MotoGPチームは、小椋藍に代わってアプリリアのテストライダーを務めるロレンツォ・サバドーリを起用すると発表した。サバドーリはシルバーストンで優勝したラウル・フェルナンデスとともに、今週末のアラゴンGPに出場する。

    小椋藍は現在、アプリリアのファクトリーライダーであるホルヘ・マルティンとマルコ・ベッツェッキに続くMotoGPライダーズランキング3位につけている。しかし、今回の負傷によってスペインで行われるアラゴンGPを欠場せざるを得なくなった。

    小椋藍がアラゴンGPを欠場するのは2年連続となる。2025年には脚の負傷によって同大会への出場を断念していた。

    トラックハウスによると、小椋藍は日本でトレーニングを行っていた際に左手を負傷。その後ヨーロッパに到着してから詳しい検査を受け、左手親指付近の骨折には手術が必要であることが判明した。

    手術は8月27日(木)に行われる予定となっている。

    トラックハウスが小椋藍の欠場を発表
    トラックハウス・MotoGPチームは水曜日午後に声明を発表し、小椋藍の負傷とアラゴンGP欠場について説明した。

    「トラックハウス・MotoGPチームの#79 小椋藍は、日本でのトレーニング中に左手を負傷した」

    「ヨーロッパ到着後、左手親指付近の骨折には手術が必要であることが判明し、今週木曜日に手術を受けることになった」

    「チームは、アラゴンで行われる今大会に代役として出場する#32 ロレンツォ・サバドーリを歓迎する」

    「藍の一日も早い回復を願うとともに、このような急な要請にもかかわらず代役を引き受けてくれたロレンツォに感謝している」

    小椋藍 MotoGP

    ランキング3位の小椋藍 タイトル争いにも痛手
    今季の小椋藍はMotoGPタイトル争いに加わっており、現在ランキング首位のホルヘ・マルティンから37ポイント差の3位。ランキング2位のマルコ・ベッツェッキとの差はわずか6ポイントとなっている。

    アッセンで勝利を挙げるなど好調なシーズンを送っている小椋藍にとって、シルバーストンでの転倒は今季初めてと言える大きなレース上のミスだったが、それでも年間を通して安定した結果を残し、タイトル争いの上位に踏みとどまっている。

    一方、小椋藍の後方にはマルク・マルケス、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ、そしてチームメイトのラウル・フェルナンデスが迫っている。この3人はいずれも小椋藍から19ポイント以内につけている。

    そのため、小椋藍がノーポイントとなるアラゴンGPの結果次第では、ランキング6位まで後退する可能性もある。

    タイトル争いの重要な局面で手術を余儀なくされた小椋藍。まずは左手の回復が最優先となり、今後は手術後の状態とMotoGP復帰時期が焦点となる。

  • アストンマーティンF1 メルセデスとPU供給を協議か ホンダに圧力

    アストンマーティンF1 メルセデスとPU供給を協議か ホンダに圧力

    アストンマーティンが、将来的なF1パワーユニット(PU)の供給を巡ってメルセデスと協議しているとスペイン紙『SPORT』が報じた。2026年からワークス体制を組むホンダとの関係を直ちに見直す動きではないものの、期待する水準に届いていないホンダPUへの圧力を強める意味合いもあるという。

    その動きを象徴するものとしてSPORTが伝えたのが、メルセデスのCEO兼チーム代表を務めるトト・ヴォルフのアストンマーティン訪問だ。

    ヴォルフはF1オランダGP決勝当日の朝、ザントフォールトのパドックにあるアストンマーティンのモーターホームを訪れており、6月のスペインGPに続いて今季2度目の訪問だったという。

    ヴォルフがアストンマーティンを再訪
    F1のパドックでは、他チームの首脳がモーターホームを訪れること自体は珍しいことではない。しかしSPORTは、今回のヴォルフの訪問について、これまでの両陣営の動きを踏まえれば単なる社交的なものとは限らないと指摘している。

    ヴォルフは6月のスペインGPでもアストンマーティンを訪問していた。一方、アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロールも、それ以前のオーストラリアGPでメルセデスを訪れていたという。

    そしてオランダGPでは、決勝の数時間前となる日曜日の朝にヴォルフが再びアストンマーティンを訪問。SPORTは、ヴォルフのイニシャルが入ったスクーターがアストンマーティンのモーターホーム脇に置かれていたことも伝えている。

    同紙によれば、メルセデスのホスピタリティはアストンマーティンから約100メートル離れており、こうした一連の訪問が繰り返されていることから、両者の間で何らかの協議が行われている可能性に注目している。

    メルセデスだけではない? 将来のPU供給先を模索
    SPORTは、メルセデスが将来的にアストンマーティンへPUを供給する可能性について両者が話し合っていると報道。さらに、アストンマーティンが接触しているPUメーカーはメルセデスだけではないとしている。

    ただし、現時点でアストンマーティンからホンダに対して最後通告が突きつけられたわけではなく、ホンダとの提携解消が決まったわけでもない。

    また、2027年からPUを変更するとの見方についてSPORTは「時期尚早」としており、仮に変更が実現するとすれば2028年になるとの見方を示している。

    アストンマーティンは2026年からホンダとワークス体制を構築し、それまで使用していたメルセデスPUから離れた。3年前に決定したこの計画は、カスタマーチームではなくワークスチームとしてF1世界選手権を戦うための重要な戦略だった。

    しかしSPORTは、ホンダが期待されたパフォーマンスを発揮できなければ、その方針が再び変更される可能性があると伝えている。

    背景にホンダ新PUへの不満
    こうした動きの背景にあるとされるのが、2026年型ホンダPUのパフォーマンスだ。

    ホンダはシーズン開幕以降、PUの改善を続けており、オランダGPでは新たな仕様を投入した。しかし、その進化についてホンダ側も「小さな一歩であり、革命ではない」と説明しており、アストンマーティンが期待したほどの成果にはつながらなかった。

    一方で、アストンマーティンのシャシー側は大きく前進している。エイドリアン・ニューウェイの指揮のもと、AMR26には直近2戦で合計21点の新パーツが投入され、フェルナンド・アロンソはマシンの改善について「4秒差だったところから、今では1.4秒差になった」と説明している。

    シャシーが改善するにつれて、相対的にPU側の弱点が目立つ状況になっている。

    アロンソもオランダGP後、新しいホンダPUについて期待していた結果が得られなかったことを認めた。

    「シャシーについては、進んでいる方向に満足しています。でも、エンジンについてはもう少し待つ必要があります」

    「今週末は期待していた結果にならなかったと思います。ドライバビリティやギアチェンジなど、最初のエンジンで少し改善できていた部分が、この2基目では少し振り出しに戻ってしまいました。だから、これから2、3戦をかけて最適化していく必要があります」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「結果はストレートの長さに左右される」
    アストンマーティンのマイク・クラックも、今後のレースではサーキットのストレートの長さが結果を左右する可能性があると語り、PU性能が大きな要素になることを示唆している。

    「これから厳しいレースが続く。我々の結果は各サーキットのストレートがどれだけ長いかに左右されるだろう。ただ、このパッケージについては走るたびに理解が深まっていくし、パワーユニットについても同じことが言える」

    ランス・ストロールもホンダに対して改善を求めている。

    「ドライバビリティとパワーは、次に徹底的に取り組まなければならない部分だ」

    アロンソ、クラック、ストロールの発言からも、アストンマーティン側がホンダにさらなる改善を求めていることは明らかだ。

    ローレンス・ストロールはホンダの改善を待つ姿勢
    もっとも、SPORTによれば、ローレンス・ストロールは現段階でホンダとの関係を打ち切るような急進的な考えを持っているわけではない。

    ホンダがバーレーンでのプレシーズンテスト以降、一定の進歩を遂げていることも評価しており、まずは開発を続ける時間を与える考えだという。

    その一方で、メルセデスを含む他のPUメーカーと話し合うことは、将来に向けた選択肢を確保すると同時に、ホンダへさらなる改善を促す手段にもなる。

    SPORTはこれを、アストンマーティンからホンダに対する「今はあなたと一緒にいるが、これがうまくいかなければ……」というメッセージに近いものだと表現している。

    つまり、現時点でアストンマーティンとホンダの“離婚”が決まっているわけではない。ただし、ホンダが十分な進歩を示せなかった場合に備え、アストンマーティンが別の選択肢を探り始めているというのがSPORTの報道だ。

    次戦イタリアGPが行われるモンツァは、ストレートでの性能が特に重要になるサーキットだ。AMR26のシャシーが進歩を続けるなか、ホンダPUがどこまでその性能に応えられるか。今後の数戦は、2028年以降も続くことを前提としてスタートしたアストンマーティンとホンダの関係にとって、重要な期間となりそうだ。

  • FIAがF1新PUのADUO結果発表 レッドブルが基準 ホンダら3社は4%超の差

    FIAがF1新PUのADUO結果発表 レッドブルが基準 ホンダら3社は4%超の差

    FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1で導入されたADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発・アップグレード機会)制度について、最初の2回の公式評価結果を発表した。

    レッドブル・パワートレインズのパワーユニット(PU)が基準となり、メルセデス、フェラーリ、アウディ、ホンダには性能差に応じた追加開発の機会が与えられる。

    なかでもフェラーリ、アウディ、ホンダは基準から4%を超える差があると判定され、2026年と2027年にそれぞれ2回ずつの追加アップグレードが認められる。これはADUO制度で認められる最大の開発機会となる。

    レッドブル・パワートレインズがADUOの基準PUに
    ADUOは、F1が新しいパワーユニット規則を導入した2026年から採用された制度である。新規則では内燃エンジンと電動部分の出力比率が大きく変更され、各メーカー間に生じる性能差を一定の範囲内に収めるため、後れを取ったメーカーに追加の開発機会を与える仕組みが設けられた。

    FIAは今回、最初の2回の公式レビューの結果を明らかにし、レッドブル・パワートレインズが現在の基準となるPUを持っていると判定した。

    レッドブルにとって2026年は、自社製パワーユニットでF1に参戦する最初のシーズンである。それにもかかわらず、FIAによるADUOの評価では他メーカーが追うベンチマークとなった。

    ただしFIAは、各PUメーカーの性能をどのような具体的な指標によって比較し、差を算出しているのかについて詳細を公表していない。

    メルセデスは2%超の差で追加アップグレード1回
    メルセデスは、基準となるレッドブル・パワートレインズに対して2%を超える差があると判定された。

    これによりメルセデスには、2026年に1回、2027年にも1回の追加アップグレードを実施する機会が与えられる。

    さらにADUOでは、性能差に応じて開発費とベンチテスト時間についても追加枠が設けられている。

    メルセデスにはコストキャップ上の追加枠として300万ドルが認められ、さらに70時間の追加ベンチテストが許可される。

    ホンダF1 エンジン ADUO

    フェラーリ、アウディ、ホンダは4%超 最大限の追加開発
    一方、フェラーリ、アウディ、ホンダについては、いずれもレッドブル・パワートレインズの基準から4%を超える差があるとFIAが判断した。

    その結果、3メーカーには2026年に2回、2027年にも2回の追加アップグレードが認められる。これはADUO制度で許可される最大回数となる。

    性能差が大きくなるにつれて、コストキャップとベンチテスト時間の追加枠も段階的に拡大する。

    基準から4~6%の差がある場合は465万ドルと100時間、6~8%では635万ドルと150時間、8~10%では800万ドルと190時間の追加ベンチテストが認められる。

    ただしFIAは今回、フェラーリ、アウディ、ホンダの3メーカーが、それぞれこのスケールのどこに位置しているのかについては明らかにしていない。

    したがって現時点で公式に確認できるのは、3メーカーすべてがレッドブル・パワートレインズに対して「4%超」の差があると判定され、2026年と2027年に最大2回ずつの追加アップグレードを認められたという点までとなる。

    2026年最後のADUO評価はオランダGPからメキシコシティGP
    2026年に行われる最後のADUO評価期間は、第12戦オランダGPから第18戦メキシコシティGPまでが対象となる。

    この期間のデータをもとに再び各メーカーのPU性能が評価され、その結果が今後の追加開発機会に反映されることになる。

    2026年からF1のPUメーカーとして本格参入したレッドブル・パワートレインズが最初のADUO評価でベンチマークとなる一方、メルセデスには1回、フェラーリ、アウディ、ホンダには最大となる2回の追加アップグレードが認められた。新PU規則初年度の勢力図が、ADUOによる追加開発を通じて今後どこまで変化するのかも注目される。

    国際自動車連盟 F1 ADUO

  • マクラーレンF1代表 オスカー・ピアストリ苦戦の原因は「心理面ではなく技術面」

    マクラーレンF1代表 オスカー・ピアストリ苦戦の原因は「心理面ではなく技術面」

    オスカー・ピアストリは、2026年F1シーズンでマクラーレンのMCL40から安定してパフォーマンスを引き出すことに苦戦している。オランダGPでも一時3番手を走りながら、最終的には6位まで後退した。

    マクラーレンF1チーム代表のアンドレア・ステラは、ピアストリが抱える問題について、心理的なものではなく、低グリップ状態のマシンに自身の自然なドライビングスタイルを適応させる必要があるという「純粋に技術的」な課題だと分析している。

    MCL40への適応に苦しむピアストリ
    オランダGPの週末は、ピアストリが最後にF1で勝利してからちょうど1年という節目でもあった。2025年はドライバーズタイトル争いを繰り広げながらシーズン終盤に勢いを失い、2026年には新世代マシンへの対応という新たな課題に直面している。

    ザントフォールトではチームメイトのランド・ノリスが優勝。ノリスは今季これでグランプリ2勝、スプリント1勝となった一方、ピアストリはここまで表彰台2回にとどまっている。

    特にハード寄りのタイヤコンパウンドでは、マクラーレンの2人がMCL40からパフォーマンスを引き出す方法に違いが見られる。ピアストリは昨年タイトル獲得に迫ったときの速さを見せる場面もあるものの、スティント後半になるとペースが低下するケースが目立っている。

    オランダGP決勝では、ピアストリはジョージ・ラッセルの隙を突く見事なオーバーテイクを決め、ハードタイヤで3番手を走行した。しかし、2セット目のハードタイヤに交換した後はペースが低下。フェラーリ勢にも先行を許し、最終的には6位でフィニッシュした。

    オスカー・ピアストリはF1オランダGPで一時3番手を走行したものの、最終的には6位に後退した

    低グリップでは自然なドライビングスタイルの変更が必要
    ステラは、こうしたピアストリの特徴は2025年シーズンにも確認されていたと説明した。

    「昨年すでにオスカーについて分かっていたことだが、技術的なドライビングという観点では、例えば昨年のメキシコやオースティンで見られたように、マシンのグリップレベルが低い場合、彼は自分のドライビングの仕方、考え方、そして期待するものを適応させる必要がある」

    「それには少し頭を使う必要があり、その結果としてコンマ数秒を失う。純粋な本能だけでドライブするのではなく、ある意味で状況を頭の中で処理しなければならないからだ。本来なら、自分が予想したことがそのまま起きる状態で走れる」

    ピアストリの場合、マシンの要求に合わせるため、本来持っている自然なドライビングスタイルを変えなければならない場面があるという。

    「だから、自分の自然なドライビングスタイルをマシンが要求するものに適応させなければならないケースのひとつだと思う。したがって、これはドライビングと技術面の領域にある問題だ」

    「心理的なものが関係しているとは思っていない。これは純粋に技術的なものだ。実際、今週末はオスカーが競争力のあるラップタイムを出しているところも見られた」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    2026年型F1マシンへの適応と序盤2戦DNSの影響
    2026年世代のF1マシンは2025年型とは大きく異なる。さらにピアストリはシーズン開幕から2戦連続でDNSとなり、実戦データを蓄積する機会を失った。

    新レギュレーション下では、ドライバー自身もエネルギーデプロイメントの最適な使い方やタイヤの扱い方を学ぶ必要がある。その状況でグランプリ2戦分の経験を得られなかったことも、ピアストリの適応を難しくした要因のひとつと考えられる。

    ただし、ステラはオランダGPで起きたすべてをピアストリのドライビングに帰するべきではないとも強調した。

    ピアストリはラッセルをオーバーテイクした後、一度はメルセデスを引き離すことに成功していた。しかし、ラッセルのピットストップをカバーするためにタイヤ交換を行った際、マクラーレン側の作業が遅れたことで再びラッセルの後方に戻ることになった。

    「レースではオスカーに影響した要因が2つあったと思う。ひとつはチーム側の責任だ。ラッセルをカバーするためにピットインしたとき、実際にはピットストップが遅かったためラッセルにポジションを奪われた。これはチームの責任であって、オスカーの責任ではない」

    2セット目のハードタイヤを機能させられず
    もうひとつの大きな問題が、2セット目のハードタイヤだった。

    「そしてハードタイヤでの2回目のスティントでは、このタイヤを機能させることができなかった。ずっと非常に、非常にグリップが低い領域にとどまっていた。最初のスティントでは見られなかったことだ」

    「だから、我々には取り組まなければならないことがいくつかある」

    ステラは同時に、2026年F1の上位争いが極めて僅差になっていることも、ピアストリの結果をより厳しいものにしていると指摘する。

    「ただ、それに加えて言っておきたいのは、今のF1は少なくとも3チームがコンマ1秒以内にいる状況だということだ。だから、何かひとつでも最適化されていなければ、順位という意味では非常に大きな損失になる可能性がある」

    「最適化できていなければ、今は6位になってしまう。その意味では非常に残酷だ」

    ステラは改善を評価「さらに良くなる」
    それでもステラは、オランダGPの週末を通じてピアストリに改善が見られたことを前向きに評価している。

    「だから、オスカーと一緒にあらゆる改善の可能性について取り組み続けるだけだ。今週末に見られた進歩には満足しているし、シーズンの残りではさらに改善していくと確信している」

    2025年にはF1タイトル争いの中心にいたピアストリだが、2026年は新世代マシンへの適応という別の難題に直面している。ただ、ステラが強調するように、それは自信や心理状態の問題ではなく、低グリップ時のMCL40にドライビングを合わせるという技術的な課題だ。

    トップチーム間がコンマ1秒単位で争う現在のF1では、そのわずかな適応の遅れが表彰台争いから6位まで順位を落とす結果にもつながる。ピアストリがMCL40の挙動に自身のドライビングを合わせ、より本能的に速さを引き出せるようになるかが、シーズン後半の巻き返しを左右するポイントとなりそうだ。

  • アイザック・ハジャー F1オランダGPで人生初の欠場「学べることは常にある」

    アイザック・ハジャー F1オランダGPで人生初の欠場「学べることは常にある」

    レッドブル・レーシングのアイザック・ハジャーは、手首の負傷により2026年F1オランダGPを欠場したことについて、7歳でレースを始めて以来、負傷を理由にレースウイークを欠場したのは初めてだったと明かした。

    当初は負傷を抱えたままザントフォールトで出場する意向だったハジャーだが、医療チームからの助言に加え、MotoGPで大きな負傷と復帰を経験してきたマルク・マルケスにも相談。最終的にリスクを避けるため欠場を決断した。

    一方、レースウイークを初めて外側から見ることで、普段とは異なる視点から学ぶ機会にもなったという。

    マルク・マルケスともボイスメッセージを交換
    ハジャーはフランス紙『L’Equipe』のインタビューで、医療チームからさまざまな助言を受ける一方、実際に重大な負傷を経験したレーサーの意見を聞くことも重要だと考えたと説明した。

    「ケガをしたあと、医療チームからたくさんのアドバイスを受けた。でも、僕にとっては同じような経験をしたライダーの意見を聞くことが重要だった」

    そこでハジャーが意見を求めたのが、MotoGPで幾度も負傷と復帰を経験してきたマルク・マルケスだった。

    「ボイスメッセージをやり取りした」

    「彼からは、こういう状況なら大きなリスクを避けるために、その週末は欠場した方がいいと言われた」

    インタビュー時、ハジャーは負傷した手首に軽いブレースを装着していた。

    7歳からレースを続けて初めての負傷欠場
    21歳のハジャーにとって、負傷を理由にレースウイークを欠場するのは今回が初めてだった。それだけに、自分が走らずにレースを外から見守るという状況には強い違和感があったという。

    「僕は7歳からレースをしている。今は21歳だけど、ケガが理由でレースウイークを欠場したことは一度もなかった」

    「参加せずに外から見ているのは本当に変な感じだった。でも、仕方ない」

    それでもハジャーはオランダGPの週末を通じてレッドブルに帯同。コックピットから離れてチームやレースウイーク全体の動きを観察したことで、普段とは異なる視点を得ることができたと振り返った。

    「学べることは常にある」外から見て得た新たな視点
    ハジャーは、実際にマシンをドライブしているレースウイークでは、自分自身が直面している問題の解決に集中するあまり、周囲の情報を十分に拾えない場合があると説明した。

    「実際に参加せずにレースウイークを追うのは今回が初めてだったけど、それはそれで興味深かった」

    「学べることは常にある。レースウイークでは普段、特定の問題を解決することに集中していて、自分が『トンネルの中』にいるような感覚になる。だから、役に立つかもしれない情報を見逃してしまうこともある」

    負傷したハジャーに代わり、ザントフォールトではリアム・ローソンがレッドブルから出場し、決勝を7位でフィニッシュした。

    7歳でレースを始めてから初めて負傷による欠場を経験したハジャー。走れないことへの違和感を抱えながらも、普段は得られない視点からF1のレースウイークを観察し、その時間を新たな学びの機会に変えた。現在は次戦イタリアGPが行われるモンツァでの復帰を目指している。

  • 角田裕毅 インディカー移籍報道 F1を最優先も「2年間ガレージにいる気はない」

    角田裕毅 インディカー移籍報道 F1を最優先も「2年間ガレージにいる気はない」

    角田裕毅が、2027年に向けてインディカーへの転向を模索しているとの報道について言及した。自身のマネジメント側の動きについては関与していないとしながら、最優先の目標はあくまでF1で走り続け、成功を収めることだと強調している。

    一方で、F1のシートを待つために長期間レースから離れる考えもない。2027年のF1シートを確保できなかった場合には他カテゴリーを検討する可能性を認め、現役ドライバーとしてレースを続けることへの強い意欲を示した。

    8カ月ぶりのF1復帰で存在感
    角田裕毅は2025年シーズン限りでレッドブル・レーシングのレースシートを失い、2026年はリザーブドライバーを務めてきた。

    しかし、アイザック・ハジャーが負傷したことで、先週末のF1オランダGPでは急きょドライバーラインアップが変更された。リアム・ローソンがハジャーの代役としてレッドブル・レーシングに昇格し、角田裕毅はレーシングブルズからアービッド・リンドブラッドとともに出場した。

    角田裕毅にとっては2025年最終戦以来となるF1レースへの復帰だった。ザントフォールトでは短い準備期間ながらマシンへの適応を進め、決勝では11位。ポイント獲得にはあと一歩届かなかったものの、久々の実戦でF1復帰へのアピールを果たした。

    インディカーの約半数のチームと接触との報道
    そうしたなか、アメリカの『Racer』は、角田裕毅のマネジメントチームが2027年に向けてインディカー参戦の可能性を探っていると報じた。

    報道によれば、角田裕毅のマネジメント側は2027年にどのような選択肢があるのかを確認するため、インディカーに参戦するチームのほぼ半数と話をしたという。

    F1で2027年のレギュラーシートを確保できる保証がない状況だけに、将来に備えて選択肢を広げているとみられている。

    ただし、角田裕毅本人はそうした交渉について、自分が直接関与する仕事ではないとの姿勢を示している。

    「そういうことを見るのは僕の仕事ではないです」と角田裕毅はRacingNews365を含む一部メディアに語った。

    「そこは完全にマネージャーに任せていますし、僕の仕事は速く走ることです」

    「僕の気持ちは常にF1にある」
    角田裕毅は、インディカー移籍の可能性そのものを完全に否定したわけではない。ただ、現在の自身の目標がF1にあることについては明確にしている。

    「僕の気持ちは常にF1にあります。僕の一番の目標は、ずっとF1で走って、そこで成功することです。それは何があっても変わりません」

    2026年はレッドブル・レーシングのリザーブとしてF1に残っているものの、レースに出場する機会は限られている。オランダGPで久々に実戦復帰した角田裕毅にとって、レースから長期間離れ続けることも望む選択肢ではない。

    「でも、2年間ずっとガレージにいるつもりもないです。僕はレースもしたいです」

    この言葉からは、F1残留を最優先としながらも、レースに出場できない状態を無期限に受け入れるつもりはないという角田裕毅の考えがうかがえる。

    2027年F1シートがなければ他カテゴリーも検討
    角田裕毅は、2027年のF1シートを確保できなかった場合には、他カテゴリーへ目を向ける必要があることも認めた。

    「もし何か可能性が出てきたり、来年のシートを見つけられなかったりしたら、そのときは他のカテゴリーを探さなければならないと思います」

    それでも、F1への挑戦を諦めるタイミングを現時点で設定するつもりはない。

    「でも、来年実際にどこかでコースを走るその瞬間までは、僕の気持ちはずっとF1にあります」

    角田裕毅にとって最優先事項は2027年のF1レギュラーシート獲得であり、その姿勢に変わりはない。一方で、レースから長期間離れることを避けるため、マネジメント側がインディカーを含む別カテゴリーの可能性を探ることについても扉は閉ざしていない。

    オランダGPで久々にF1のグリッドへ戻った角田裕毅は、F1で走り続けることを最後まで追求しながら、ドライバーとしてレースを続けるための現実的な選択肢も視野に入れている。

  • フェラーリF1 モンツァでシューマッハ特別カラーリング 1996年仕様をオマージュ

    フェラーリF1 モンツァでシューマッハ特別カラーリング 1996年仕様をオマージュ

    フェラーリは、2026年F1第13戦イタリアGPでミハエル・シューマッハに捧げる特別カラーリングをSF-26に採用する。シューマッハがフェラーリに加入した1996年から30周年を迎えることを記念したもので、モンツァではカラーリング以外にも複数の記念企画が準備されているという。

    特別仕様のSF-26は、シューマッハがフェラーリで最初にドライブした1996年のF310をモチーフとする見込みだ。

    Autoracerによると、当時を象徴する赤と黒の組み合わせにゴールドのホイールを加え、現代のF1に合わせて再解釈したデザインになるという。完全なレプリカではなく、1996年仕様の特徴を現在のSF-26に落とし込む形となる。

    シューマッハのフェラーリ加入から30周年
    1996年は、フェラーリの近代史における大きな転換点だった。ベネトンで1994年と1995年に2年連続のF1ワールドチャンピオンとなったシューマッハがマラネロに加入し、長期的な再建プロジェクトが本格的にスタートした。

    当時のF310はタイトルを争えるほどの競争力を備えたマシンではなかったが、シューマッハはスペインGP、ベルギーGP、イタリアGPで3勝を挙げた。特にモンツァでの勝利は、フェラーリ加入初年度のシューマッハとティフォシとの関係を決定づける象徴的な一戦となった。

    その1996年型F310で特徴的だったのが、鮮烈な赤いボディと黒いウイング、そしてゴールドのホイールだった。今回のSF-26では、そうした要素をそのままコピーするのではなく、現在のスポンサーやグラフィックを踏まえながら現代風に再構成するとされている。

    フェラーリ自身もイタリアGPを前に「Home is calling」と題したティザー映像を公開。そこには1996年のF310のノーズやシューマッハのカーナンバー「1」を想起させる演出が盛り込まれており、1996年をテーマとした特別仕様の登場を予告している。

    ミハエル・シューマッハ(スクーデリア・フェラーリ)

    1996年から2006年まで築いた黄金時代
    シューマッハの加入は、単なるトップドライバーの獲得ではなかった。すぐにタイトル獲得には至らなかったものの、その後フェラーリはジャン・トッド、ロス・ブラウン、ロリー・バーンらを中心とする強力な体制を築き、F1を代表するチームへと返り咲いていった。

    シューマッハは2000年にフェラーリへ21年ぶりとなるドライバーズタイトルをもたらすと、2004年まで5年連続でワールドチャンピオンを獲得。フェラーリでは通算71勝を挙げ、チーム史上最も成功した時代を築いた。

    2026年は、シューマッハがフェラーリで最初の勝利を挙げた1996年から30周年であると同時に、最後の勝利を記録した2006年から20周年にもあたる。1996年から2006年までの10年間は、シューマッハとフェラーリの歴史そのものを象徴する期間となった。

    モンツァで複数のシューマッハ記念企画
    Motorsport.com Italiaによれば、フェラーリが用意しているトリビュートはSF-26のカラーリングだけではない。モンツァではシューマッハに捧げる複数の企画が準備されており、その詳細は今後数日以内に正式発表される予定だという。

    ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールがドライブする2台のSF-26は、フェラーリの歴史に一時代を築いたシューマッハへの敬意を込めた特別仕様でホームレースに臨むことになる。

    フェラーリにとってモンツァは、ティフォシとの結びつきを最も強く感じさせる特別な舞台だ。そのモンツァで、シューマッハがマラネロでの挑戦を始めた1996年のF310を現代のSF-26で蘇らせる。フェラーリの黄金時代の「始まり」に焦点を当てた今回の特別カラーリングは、2026年F1イタリアGPの大きな注目点となりそうだ。