2026年F1第12戦オランダGPを受け、Formula 1公式サイトが恒例の「パワーランキング」を発表した。ザントフォールトで最も高い評価を受けたのは、ポールポジションから決勝を制したマクラーレンのランド・ノリスだった。
フェルナンド・アロンソが2位、キミ・アントネッリが3位に続き、半年ぶりにF1実戦へ復帰した角田裕毅もトップ10入り。マシンの競争力そのものではなく、週末を通したドライバー個人のパフォーマンスを評価する5人の審査員から高い評価を得た。
F1パワーランキングの評価方法
F1公式のパワーランキングでは、5人の審査員が各グランプリ終了後、週末を通した各ドライバーのパフォーマンスを10点満点で評価する。
評価にあたってはマシンの性能差を考慮から外し、純粋にドライバーがどれだけのパフォーマンスを発揮したかを判断する。5人の採点を平均したものが各グランプリのスコアとなり、その評価はシーズンを通した総合パワーランキングにも反映される。

オランダで素晴らしいフォームを見せたのがランド・ノリスだった。
スプリントでは2番グリッドからスタートして3位でフィニッシュ。そして予選では圧巻のラップをまとめてポールポジションを獲得すると、インシデントと戦略が入り交じった決勝でも、そのポールを最終的に勝利へと結びつけた。
これでノリスはサマーブレイク直前のハンガリーGPに続いて2連勝。現F1ワールドチャンピオンの走りにはマクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラからも多くの称賛が寄せられ、パワーランキングの審査員からも高得点を獲得した。スコアは9.6で今回のトップとなった。

ザントフォールトではアストンマーティンがさらなるマシンアップデートを投入し、ホンダも新しいパワーユニットを導入した。後者にはドライバビリティ面で問題が残っていたものの、フェルナンド・アロンソはパッケージから引き出せるものをほぼすべて引き出したように見えた。
予選ではわずか0.1秒差でQ2進出を逃したが、決勝では巧みな戦略判断にも助けられながら順位を上げていった。
最終的には9位でチェッカーを受け、アストンマーティンに貴重な2ポイントをもたらした。その走りは、この日のベストドライブのひとつと評される内容だった。審査員からのスコアは8.6となった。

キミ・アントネッリのオランダGP週末は難しい形で始まった。
スプリント予選ではミスによってマシンを損傷し、スプリントのスターティンググリッドは5番手。それでもスプリントではひとつ順位を上げ、4位でフィニッシュした。
その後は本来持っていた速さをより明確に示し、予選ではメルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセルに次ぐ3番手を獲得した。
決勝ではそのラッセルとのチーム内対決を制して2位でフィニッシュ。結果としてF1ドライバーズ選手権でのリードをさらに拡大することになった。パワーランキングでは8.2の評価を受けた。

ルイス・ハミルトンはザントフォールトでのスプリント予選とスプリントでは、ともに7位と比較的静かなスタートを切った。この段階ではフェラーリのチームメイト、シャルル・ルクレールから大きく後れを取っていた。
しかし、通常の予選と決勝では立場を逆転させ、フェラーリ勢ではハミルトンの方が強いパフォーマンスを見せた。
予選5番手から決勝では表彰台争いに加わるところまで順位を上げた。レース中には戦略判断への不満を示し、さらにルクレールの後方で数周にわたって足止めされる場面もあったが、それでも4位という結果は週末序盤からの力強い巻き返しだった。
パワーランキングでは8.0を獲得した。

ニコ・ヒュルケンベルグは2026年シーズン前半の大部分で不運を嘆き、「もしあの出来事がなければ」と考えざるを得ない状況が続いていた。しかし、前戦ハンガリーGPではようやくアウディ加入後初となるポイントを獲得した。
ザントフォールトのスプリントではパワー関連の問題によってレースを台無しにされたものの、決勝では力強い走りを披露した。
スタート直後にはスピンしたチームメイトのガブリエル・ボルトレトを非常に素早い反応で回避。その後もレースをまとめ、8位でフィニッシュした。
これによってヒュルケンベルグはグランプリ決勝で2戦連続のトップ10フィニッシュを達成した。

リアム・ローソンのF1キャリアには、また新たな展開が加わった。
負傷したアイザック・ハジャーの代役としてレッドブル首脳陣からオランダGPへの出場を任された。奇しくもザントフォールトは、3年前にダニエル・リカルドが手首を負傷したことでローソンがF1デビューを果たした場所でもある。
急きょレッドブルをドライブすることになった事情もあり、スプリント予選とスプリントでは当然ながらまだ少し余力を残した状態だった。
しかし通常の予選と決勝ではそれを取り戻した。予選では8番手に入り、4度のF1ワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンのすぐ後ろにつけた。そして決勝では7位まで順位を上げてフィニッシュした。
急な代役起用だったことを考えれば、レッドブルでしっかり結果を残した週末となった。パワーランキングでは7.8という高い評価を受けている。

角田裕毅もまた、ハジャーの負傷によって生じたドライバー変更の影響を受けたひとりだった。
2026年はレッドブルのリザーブドライバーを務めていた角田裕毅だが、レーシングブルズからF1実戦へ復帰することになった。
半年間レースに出場していなかったことに加え、2026年から導入された新世代F1マシンを実戦で走らせるのも初めてという状況を考えれば、その適応ぶりは称賛に値するものだった。
角田裕毅は週末を通して着実にマシンへの理解を深め、決勝ではポイント獲得まであと一歩となる11位でフィニッシュ。急きょ決まった代役参戦ながら、ポイントを持ち帰る寸前まで迫るパフォーマンスを披露した。

ジョージ・ラッセルの週末は、これ以上ないほど素晴らしい形でスタートした。
スプリント予選でポールポジションを獲得すると、そのままスプリントで優勝。チームメイトのアントネッリが持つF1ドライバーズ選手権のリードを一時的に数ポイント削ることにも成功した。
一方、その勢いを通常の予選とグランプリ決勝では完全には維持できなかった。
日曜日の決勝ではノリスとアントネッリに先着を許し、3位でチェッカー。それでもラッセル自身は「かなり久しぶりに自分のベストと言える週末だった」と振り返っており、次戦イタリアGPが行われるモンツァへ向けて多くのポジティブな材料を得た。

アップデートされたアルピーヌを走らせたピエール・ガスリーは、スプリントで際立ったドライバーのひとりだった。
スプリント予選では8番手を確保し、そのポジションをスプリントでも守って8位でフィニッシュした。
決勝でもガスリー自身とアルピーヌにさらに数ポイントを加えられそうな展開となったものの、レース中盤に順位を落とし、最終的には10位でフィニッシュすることになった。
それでもガスリーは週末を「ポジティブな一歩」と評価。アルピーヌはF1コンストラクターズ選手権5位のレーシングブルズを追うことを目標としており、ザントフォールトではそのための前進が見られた。

シャルル・ルクレールはスプリント予選とスプリントではフェラーリ勢をリードしていた。
しかし、通常の予選ではより厳しい展開となり、それが決勝に向けて大きな不利となった。日曜日のレースでは、ほとんど何ひとつルクレールの思い通りに進まなかった。
レース後、ルクレールはバーチャル・セーフティカーのタイミングにも触れながら「僕たちにはほんの少し運が足りなかった」と振り返った。
その一方で、結果を決定づけた最大の要因については「今日のレースを失ったのは予選のせいだ」と分析。決勝そのものだけでなく、予選で後手に回ったことが最終的な結果につながったとの考えを示した。
トップ10入りを逃したドライバー
今回のF1パワーランキングで惜しくもトップ10入りを逃したのは、レーシングブルズのルーキー、アービッド・リンドブラッドだった。
リンドブラッドは週末を通して速さを見せ、スプリント予選ではSQ3、通常の予選でもQ3へ進出。しかし、その速さを決勝でのポイント獲得には結びつけることができず、わずかな差でパワーランキングのトップ10圏外となった。
オランダGPでは勝者ノリスが文句なしの最高評価を獲得した一方、アロンソの追い上げ、急きょレッドブルをドライブしたローソン、そして半年ぶりのF1実戦にもかかわらずポイント目前まで迫った角田裕毅など、純粋な決勝順位だけでは測れないパフォーマンスも高く評価されたランキングとなった。
