キャデラックF1は、チームの過半数株式を保有するTWGモータースポーツの親会社TWGグローバルを巡る動きを受けて浮上したチーム売却説を明確に否定した。TWG側は「キャデラックのチーム、あるいはTWGモータースポーツのその他の事業を売却することは検討していない」と声明を出している。
TWGグローバルでは、創業者マーク・ウォルターの金融取引を巡って米連邦当局による調査が開始されたと報じられており、これがF1プロジェクトの将来にも影響するのではないかとの憶測につながった。
しかし、キャデラックは新ファクトリーへの投資や人材補強を継続しており、新チーム代表のマルチン・ブコウスキーもプロジェクトへのコミットメントに疑問はないと強調している。
TWGグローバルを巡る動きで売却説が浮上
キャデラックのF1プロジェクトは、ゼネラルモーターズ(GM)が「キャデラック」のブランドと技術面での支援を提供し、チームの株式も保有する一方、TWGモータースポーツが支配株主となる形で運営されている。
そのため、TWGグローバルを巡る動きは、F1チームの所有体制にも関心を集めることになった。
TWGグローバルの創業者であるマーク・ウォルターは、金融取引を巡って米連邦当局の調査対象となっているとされる。さらにウォルターは、NBAのロサンゼルス・レイカーズを100億ドルで取得してからわずか約1年後に125億ドルで売却したことで注目を集めた。
こうした背景から、ウォルターが保有する他の資産についても整理を進めるのではないかとの見方が広がり、その対象にキャデラックのF1チームが含まれる可能性も取り沙汰された。
キャデラックF1「売却は検討していない」
しかし、キャデラック側はオランダGPの舞台となるザントフォールトで、この売却説を明確に否定した。
GMのグローバル・モータースポーツ・コミュニケーションズ担当エグゼクティブディレクターを務めるエイドリアン・アトキンソンは、チームの活動について説明する前にTWGグローバルの声明を紹介した。
「始める前に、現在TWGについていくつかニュースが出ているので触れておきたい。TWGグローバルから声明が出ている」
「TWGはキャデラックのチーム、あるいはTWGモータースポーツのその他の事業を売却することを検討していない」
また、TWGモータースポーツのCEOを務めるダン・トウリスについても説明した。
「参考までに、ダン・トウリスは今週末のインディカーのレースのためワシントンD.C.にいる。そのため、ここには来ていない」
TWGモータースポーツはF1だけでなく、インディカーを含む複数のモータースポーツカテゴリーに関与している。今回の声明は、親会社を巡る不透明感がキャデラックF1の所有体制に波及するとの見方を打ち消すものとなった。

ブコウスキー「コミットメントと投資を示している」
キャデラックは現在、F1プロジェクトの体制を大きく変化させている時期にある。
チーム代表を務めていたグレアム・ロードンが退任し、その後任としてマルチン・ブコウスキーがF1に復帰。新たなチーム代表として組織づくりを進めている。
ブコウスキーは、TWGグローバルを巡る状況について、キャデラック加入を決める際の懸念材料にはならなかったと説明した。就任前にチームの将来について保証を求めたのかと質問されると、そうした話題そのものが議論されなかったと明かした。
「それについての話し合いはまったくなかった。僕にとって疑いはないし、そこから何か影響を受けているということもない」
さらにブコウスキーは、現在進められている具体的な投資をその根拠として挙げた。
「新しいファクトリー、僕の就任、それに近いうちに発表できることを期待している重要な人材もいる。これらは、このプロジェクトに対するコミットメントと投資を示していると思う」
キャデラックは新ファクトリーの整備を進めるとともに、ブコウスキーを中心とした新たなマネジメント体制を構築している。さらに、今後も主要スタッフの加入を発表する予定だという。
TWGグローバルを巡る調査やウォルターの資産売却を背景にチーム売却説が浮上したものの、現時点でキャデラックF1側が示している動きはむしろ逆だ。新施設への投資、人材補強、経営体制の再構築を進めており、TWGと新チーム代表の双方がF1プロジェクトへの長期的なコミットメントを強調している。
