キャデラックF1の2027年ドライバーラインナップを巡る動きが活発化している。新チーム代表のマルチン・ブコウスキーは、バルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスの残留を明言せず、特にボッタスのシートが不透明になっている。
フィンランドからの報道では、ボッタスの後任候補としてエステバン・オコンの名前がモンツァで浮上したという。さらに角田裕毅も候補のひとりとして挙げられており、前日には角田自身がキャデラックのシート獲得に向けて動いていることも伝えられている。
ブコウスキーが2027年ラインナップの確約避ける
キャデラックは2026年のF1参戦にあたり、ボッタスとペレスという経験豊富なコンビを起用した。両者は複数年契約を結んでおり、当時の情報では少なくとも2027年まで契約が続くとされている。
しかし、グレアム・ロードンに代わってチーム代表に就任したブコウスキーは、現在の2人を2027年も起用するかについて明確な保証を与えていない。
F1イタリアGPが開催されたモンツァでAFPから質問されたブコウスキーは、現在のドライバーについて次のように語った。
「我々が抱えているドライバーには非常に満足している。経験豊富な2人のドライバーがチームの発展を助けてくれている」
一方、2027年のラインナップについては明言を避けた。
「発表することがあれば、そのときに発表する。今の私の優先事項はチームの組織とマシンのパフォーマンスだ」
キャデラック側は8月の段階では2027年にドライバーを変更する計画はないとの姿勢を示していたものの、「F1では状況は常に変わり得る」とも説明していた。
ボッタスと新代表ブコウスキーの関係も焦点
ブコウスキーの発言を受け、フィンランドではボッタスの将来を巡る憶測が再燃している。
『Ilta-Sanomat』のジャーナリスト、ヤンネ・オイヴィオは、ブコウスキーがキャデラックの体制を再構築していくなかで、ボッタスがシートを失う可能性があると報じている。
ボッタスは前代表ロードンと親しい関係にあり、ロードン自身について「友人」と語っている。一方、ブコウスキーについては代表交代後、「過去からそれほどよく知っているわけではない」と説明していた。
対照的に、ペレスはキャデラックで強力な商業的支援を持つとされるだけでなく、チーム側もこれまでその働きを高く評価してきた。
キャデラックのダン・トウリスは8月、ペレスについて「チームにとって素晴らしい財産」と評価し、残留に強い自信を示していた。ブコウスキーも、レッドブルで長年トップチームを経験したペレスがチームを強くプッシュしていることを高く評価している。
こうした状況から、仮にキャデラックが2027年にラインナップを変更する場合、ペレスよりもボッタスのシートが対象になるとの見方が強まっている。

オコンがボッタス後任候補に浮上
そのボッタスの後任候補として新たに名前が挙がったのが、現在ハースでF1を戦うエステバン・オコンだ。
オイヴィオはモンツァで得た情報として、キャデラックを巡るドライバー市場について次のように伝えている。
「モンツァでは、エステバン・オコンの名前がボッタスの後任候補として挙げられていた」
オコンは2027年のハースでのシートが保証されているわけではなく、その去就が注目されている。
キャデラックにとってオコンを検討する理由のひとつとなり得るのが、ブコウスキーとの過去の関係だ。
2人はアルピーヌで一緒に仕事をした経験があり、オコンが2021年ハンガリーGPで自身初のF1優勝を飾った当時、ブコウスキーはアルピーヌの経営陣に加わっていた。
ブコウスキーにとって能力や仕事の進め方をすでに把握しているドライバーであり、キャデラックが2027年に変更を検討する場合の候補として名前が浮上している。

角田裕毅も2027年キャデラックF1の候補
もうひとり、ボッタスの後任候補として名前が挙げられているのが角田裕毅だ。
角田裕毅はアイザック・ハジャーの負傷に伴うレッドブル陣営のラインナップ再編によってF1オランダGPでレーシングブルズから実戦復帰。続くイタリアGPでは10位に入り、復帰2戦目で今季初ポイントを獲得した。
さらに今週末のF1スペインGPでもレーシングブルズから出場することが正式に決まっており、2027年のレギュラーシート獲得に向けてアピールする機会を得ている。
オイヴィオも角田をキャデラックの候補として挙げており、復帰後のパフォーマンスに加え、商業面での支援をもたらす可能性もあると伝えている。
角田を巡っては、前日にもジャーナリストのジャッキー・マルテンスがPaddock Accessポッドキャストで、キャデラックのシート獲得に向けて実際に動いていると明かしていた。
マルテンスはボッタスの2027年残留が確定しているとの見方に疑問を呈したうえで、「角田裕毅がそのシートを獲得しようと動いていることは知っている」と語っている。
異なるルートから相次いで角田とキャデラックを結びつける情報が出てきたことで、2027年のF1復帰を目指す角田にとって、キャデラックが重要な選択肢となっている状況がより鮮明になってきた。
コルトン・ハータの昇格可能性は後退
一方、キャデラックの将来的なF1ドライバーとして以前から注目されてきたコルトン・ハータについては、2027年のシート獲得の可能性が後退していると報じられている。
アメリカ人であるハータはキャデラックにとって自然な候補とみられてきたが、F1参戦に必要なスーパーライセンス取得に向けた状況は厳しい。
オイヴィオは、F2転向後のハータの苦戦によってスーパーライセンス取得が遠のき、キャデラックのF1シート獲得も難しくなっているとの見方を示している。
現時点でキャデラックがボッタスの交代を決定したわけではなく、オコンや角田裕毅との契約交渉が正式に確認されたわけでもない。ボッタスとペレスは複数年契約を結んでいるとされ、キャデラックもこれまで2027年の変更を積極的に示唆してはいなかった。
それでも、新代表ブコウスキーが現在の2人の2027年残留を確約しなかったことで状況は流動的になりつつある。オコンの名前が新たに浮上し、角田についてもシート獲得に動いているとの情報が相次ぐなか、ボッタスのシートを巡る2027年のキャデラックF1のドライバー争いは今後さらに注目を集めそうだ。