F1スペインGP後、ランド・ノリスがリカバリールームでコカ・コーラを飲もうとして関係者から注意を受けた一件をめぐり、デビッド・クルサードがF1の過度な商業管理を厳しく批判した。
マクラーレンのノリスは、マドリンクで行われたF1スペインGPをキミ・アントネッリ、マックス・フェルスタッペンに次ぐ3位でフィニッシュ。トップ3がレースのハイライト映像を見るリカバリールームでコカ・コーラの缶を手にしたところ、関係者から注意を受けた。
F1がコカ・コーラの主要ライバルであるペプシとパートナーシップを結んでいることが背景にある。
ノリス「レースをしたんだから好きなものを飲む権利がある」
F1スペインGP終了後、ノリスは関係者から指摘を受けながらも、コカ・コーラを飲むことを選んだ。
缶を手にしていたノリスは、まずメルセデスのアントネッリに対して、注意されるかもしれないと冗談交じりに話した。
「もしかしたら怒られるかもしれないね」
そして、関係者から実際に注意を受けると、自らの考えを明確にした。
「僕はレースを終えたばかりなんだから、好きなものを飲む権利がある。どうもありがとう」
この場面はすぐにF1ファンや関係者の間で議論を呼んだ。激しいレースを終えたドライバーには飲み物を自由に選ぶ権利があるとの意見がある一方、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーはノリスの行動をプロフェッショナルではないと批判した。
「プロフェッショナルなら、ああいうことはしない。それだけだ」
シュタイナーは、F1ドライバーであればシリーズのマーケティング上のルールを十分理解しているはずだと指摘した。
「何をしていいのか、何をしてはいけないのかは分かっている。彼らはそのための教育を十分に受けている。彼はあれをするべきではなかった」
クルサードがノリスを支持「よく自分の意思を貫いた」
しかし、元F1ドライバーでグランプリ13勝を挙げたデビッド・クルサードは、シュタイナーとはまったく異なる見解を示した。
クルサードは、カメラの前でドライバーの一挙手一投足までコントロールしようとする姿勢は行き過ぎていると考えている。
「自分の意思を貫いたランドはよくやった」
「本当によくやったと思う。だって、彼にはチョコレートバーを食べる権利も、どんな種類であれ炭酸飲料を飲む権利もあるんだからね」
そして、F1側による過度な管理に対して強い言葉を向けた。
「いい加減にして、何もかもコントロールしようとするのはやめろ」

過酷だったF1スペインGP ノリスの体調にも注目
今回のコカ・コーラをめぐる一件は、身体的に極めて厳しいF1スペインGPを終えた直後に起きた。
マドリンクではレース週末に路面温度が50度台半ばまで上昇し、ドライバーたちは厳しいコンディションのなかで限界まで追い込まれていた。
また、この出来事は、そのひとつ前のF1イタリアGP終了後に見られたノリスの姿も思い起こさせる。
モンツァでノリスは、チームメイトのオスカー・ピアストリと4位を争ったレースを終えた後、メディアのインタビューを受けた際にかなり消耗している様子を見せていた。
インタビュー開始直後から前腕を支えにするような姿勢を取り、カメラの外にいた人物に飲み物を求めた。
「普通の水をもらえる? ありがとう」
その後、ノリスはレースによる疲労がかなり大きかったことを明かした。
「今、星がたくさん見えていて、頭もクラクラしている。少し糖分があればいいんだけど、ここにはないんだ」
インタビュアーが冗談交じりに「それでも私のことは見えていますか?」と尋ねると、ノリスはいつものユーモアで返した。
「あなたのことはいつだって見えてないよ!」
モンツァでの出来事を受けてコカ・コーラを用意?
イタリアGPでノリスが糖分を欲しがっていたことを受け、マクラーレンが次戦のためにコカ・コーラを用意していた可能性も考えられる。ただし、それが公式中継のカメラの前に登場することまでは想定していなかったのかもしれない。
F1ではシリーズやチーム、ドライバーを取り巻く多数のスポンサー契約が存在し、テレビ中継で映る商品にも商業上の配慮が求められる。一方で今回の一件は、過酷なレースを終えたドライバーの飲み物にまでスポンサー上の制約を及ぼすべきなのかという議論を呼ぶことになった。
ノリス自身は注意を受けても考えを変えず、レース後には自分が望むものを飲む権利があると主張。クルサードもその姿勢を全面的に支持し、F1がドライバーの行動を細部まで管理しようとすることに疑問を投げかけた。
