カテゴリー: ランド・ノリス

  • ランド・ノリスのコカ・コーラ騒動 クルサードがF1批判「何もかも管理するな」

    ランド・ノリスのコカ・コーラ騒動 クルサードがF1批判「何もかも管理するな」

    F1スペインGP後、ランド・ノリスがリカバリールームでコカ・コーラを飲もうとして関係者から注意を受けた一件をめぐり、デビッド・クルサードがF1の過度な商業管理を厳しく批判した。

    マクラーレンのノリスは、マドリンクで行われたF1スペインGPをキミ・アントネッリ、マックス・フェルスタッペンに次ぐ3位でフィニッシュ。トップ3がレースのハイライト映像を見るリカバリールームでコカ・コーラの缶を手にしたところ、関係者から注意を受けた。

    F1がコカ・コーラの主要ライバルであるペプシとパートナーシップを結んでいることが背景にある。

    ノリス「レースをしたんだから好きなものを飲む権利がある」
    F1スペインGP終了後、ノリスは関係者から指摘を受けながらも、コカ・コーラを飲むことを選んだ。

    缶を手にしていたノリスは、まずメルセデスのアントネッリに対して、注意されるかもしれないと冗談交じりに話した。

    「もしかしたら怒られるかもしれないね」

    そして、関係者から実際に注意を受けると、自らの考えを明確にした。

    「僕はレースを終えたばかりなんだから、好きなものを飲む権利がある。どうもありがとう」

    この場面はすぐにF1ファンや関係者の間で議論を呼んだ。激しいレースを終えたドライバーには飲み物を自由に選ぶ権利があるとの意見がある一方、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーはノリスの行動をプロフェッショナルではないと批判した。

    「プロフェッショナルなら、ああいうことはしない。それだけだ」

    シュタイナーは、F1ドライバーであればシリーズのマーケティング上のルールを十分理解しているはずだと指摘した。

    「何をしていいのか、何をしてはいけないのかは分かっている。彼らはそのための教育を十分に受けている。彼はあれをするべきではなかった」

    クルサードがノリスを支持「よく自分の意思を貫いた」
    しかし、元F1ドライバーでグランプリ13勝を挙げたデビッド・クルサードは、シュタイナーとはまったく異なる見解を示した。

    クルサードは、カメラの前でドライバーの一挙手一投足までコントロールしようとする姿勢は行き過ぎていると考えている。

    「自分の意思を貫いたランドはよくやった」

    「本当によくやったと思う。だって、彼にはチョコレートバーを食べる権利も、どんな種類であれ炭酸飲料を飲む権利もあるんだからね」

    そして、F1側による過度な管理に対して強い言葉を向けた。

    「いい加減にして、何もかもコントロールしようとするのはやめろ」

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    過酷だったF1スペインGP ノリスの体調にも注目
    今回のコカ・コーラをめぐる一件は、身体的に極めて厳しいF1スペインGPを終えた直後に起きた。

    マドリンクではレース週末に路面温度が50度台半ばまで上昇し、ドライバーたちは厳しいコンディションのなかで限界まで追い込まれていた。

    また、この出来事は、そのひとつ前のF1イタリアGP終了後に見られたノリスの姿も思い起こさせる。

    モンツァでノリスは、チームメイトのオスカー・ピアストリと4位を争ったレースを終えた後、メディアのインタビューを受けた際にかなり消耗している様子を見せていた。

    インタビュー開始直後から前腕を支えにするような姿勢を取り、カメラの外にいた人物に飲み物を求めた。

    「普通の水をもらえる? ありがとう」

    その後、ノリスはレースによる疲労がかなり大きかったことを明かした。

    「今、星がたくさん見えていて、頭もクラクラしている。少し糖分があればいいんだけど、ここにはないんだ」

    インタビュアーが冗談交じりに「それでも私のことは見えていますか?」と尋ねると、ノリスはいつものユーモアで返した。

    「あなたのことはいつだって見えてないよ!」

    モンツァでの出来事を受けてコカ・コーラを用意?
    イタリアGPでノリスが糖分を欲しがっていたことを受け、マクラーレンが次戦のためにコカ・コーラを用意していた可能性も考えられる。ただし、それが公式中継のカメラの前に登場することまでは想定していなかったのかもしれない。

    F1ではシリーズやチーム、ドライバーを取り巻く多数のスポンサー契約が存在し、テレビ中継で映る商品にも商業上の配慮が求められる。一方で今回の一件は、過酷なレースを終えたドライバーの飲み物にまでスポンサー上の制約を及ぼすべきなのかという議論を呼ぶことになった。

    ノリス自身は注意を受けても考えを変えず、レース後には自分が望むものを飲む権利があると主張。クルサードもその姿勢を全面的に支持し、F1がドライバーの行動を細部まで管理しようとすることに疑問を投げかけた。

  • ランド・ノリス 事故で損傷したフェラーリF40が復活 ハミルトンとの共演期待

    ランド・ノリス 事故で損傷したフェラーリF40が復活 ハミルトンとの共演期待

    ランド・ノリスが、ロンドン市内で自身のフェラーリF40を運転する姿が目撃された。2025年1月に大きな注目を集めた事故から1年半以上を経て、象徴的なイタリア製スーパーカーがついに公道へ復帰したことになる。

    F1王者のノリスは事故のわずか数週間前にこのF40を購入していた。長期間にわたる修復を終え、フェラーリ史を代表する名車を再び楽しめるようになった。

    事故から1年半以上を経てF40が復活
    ノリスのフェラーリF40がロンドン市内を走行する映像がSNS上で拡散され、大きな注目を集めている。今回の目撃によって、2025年初頭の事故で損傷した車両の修復が完了したことが確認された。

    マクラーレンのノリスがこの車両を手に入れたのは2024年末。フェラーリF40は1987年から1992年までにわずか1,311台が生産されたモデルで、公道走行可能な市販車として初めて最高速度320km/hを突破したことで知られている。

    しかし、購入からわずか数週間後、F40はモナコ近郊の道路で事故に遭った。当時、ノリス自身は運転しておらず、ステアリングを握っていた友人が左コーナーの出口でグリップを失い、ガードレールに衝突した。

    当時、この事故について質問されたノリスは、自身のF40がまだ修理されていないことを明かしていた。また、事故が自分の不在中に起きたことを説明し、その心境について率直に語っていた。

    「本当にまったく嬉しくなかったよ」

    今回、フェラーリF40が再び姿を現したのは、マドリンクで開催されたF1スペインGPの直後だった。ノリスは同レースを3位で終えている。

    SNSではハミルトンのF40との共演を期待する声
    復活したF40がロンドンの公道を走る姿は見逃されることなく、その映像は瞬く間にSNSで広がり、自動車ファンから多くの反応が寄せられた。

    「この車が再び道路を走っているのを見ることができて嬉しい」

    あるファンはそうコメントした。

    別のファンは、マクラーレンのドライバーについて「クルマの趣味が素晴らしい」と称賛した。

    さらに別のファンは、最近同じくフェラーリF40のオーナーとなったルイス・ハミルトンとの共演を想像。両車のリアのナンバープレートが似ていることに注目し、2人が「クルマで相乗りでもしているのか」と冗談交じりにコメントした。

    ルイス・ハミルトンもレストア済みF40を所有
    ハミルトンも最近、自身のフェラーリF40を購入している。7度のF1ワールドチャンピオンは、それまで所有していた自動車コレクションをすべて売却していたが、F1イタリアGPで完全にレストアされた新たな愛車を披露した。

    これにより、ハミルトンとノリスは現在、フェラーリF40を所有するF1ドライバーとして特に知られる2人となった。F40は近年、コレクターや歴史的なスポーツカーの愛好家から極めて高い人気を集めている。

    ノリスのF40が公道へ復帰したことで、2人の英国人F1ドライバーはそれぞれ1980年代末から1990年代初頭を象徴するフェラーリの名車を所有することになった。

    ファンの関心は、ノリスとハミルトン、そして2台のフェラーリF40が並ぶ光景が実現するかどうかにも向けられている。SNS上で多くのファンが期待しているように、2台のF40による共演が実現すれば、大きな注目を集めることになりそうだ。

  • ランド・ノリス F1モナコGP初スプリントに警戒「1回の練習で即予選は挑戦」

    ランド・ノリス F1モナコGP初スプリントに警戒「1回の練習で即予選は挑戦」

    ランド・ノリスは、2027年F1モナコGPで初めて導入されるスプリントについて、わずか1回のフリー走行からすぐに予選へ臨むことが最大の難しさになると指摘した。

    2027年のF1カレンダーでは全24戦のうち10大会でスプリントが実施され、モナコGPも初めて対象に加わる。通常以上に準備時間が限られるモンテカルロでは、ドライバーがどこまで早い段階から限界に迫れるかが重要になりそうだ。

    FP1から即予選「モナコではおそらく前例がない」
    モナコGPにスプリントが導入される理由のひとつとして、週末に2回の予選セッションを設けられることが挙げられる。オーバーテイクが難しいモナコでは、予選が週末最大の見どころになることも少なくない。

    一方、スプリントフォーマットでは、金曜日のスプリント予選までにドライバーが走行できるフリー走行は60分間のFP1だけとなる。通常のグランプリでは3回のフリー走行を経て予選に臨むため、その違いは大きい。

    2025年F1モナコGPの勝者であるノリスも、この点に真っ先に注目した。

    「興味深いね。面白そうだ」

    ノリスはSky Sports F1にそう語り、続けた。

    「一番大きいのは、金曜日にFP1をやって、そのまま予選になることだと思う。そこがチャレンジだ。それに、日曜日のレースでもスプリントでも、当然それほど多くのことは起こらない」

    「でも、チャレンジになるのは、フリー走行が1回しかなくて、そのまま予選に入ることだと思う。モナコでは、おそらくこれまで一度もなかったことじゃないかな」

    ランド・ノリス(マクラーレン) モナコグランプリ

    限界を探る時間なし リスクとリターンの判断が鍵
    モナコの予選では、リスクとリターンをどのようにバランスさせるかがドライバーの技量を測る大きな要素となる。

    市街地コースでは限界を超えれば即座にウォールへの接触につながる。その一方で、予選では限界まで攻めなければ上位グリッドを獲得できない。

    スプリント導入によって準備時間が減れば、その判断はさらに難しくなるとノリスは考えている。

    「今年のデータにこれまで以上に頼ることになるだろうし、もちろん僕たちドライバーにとってはさらに難しくなる」

    「徐々にペースを上げていくための時間があまりない。だから、おそらくもっと早い段階から少しリスクを取らなければならなくなる」

    「そこでドライバーによる違いがもっと見えるかもしれない。快適なところまで持っていって、いろいろ試して99%で走る人と、103%や104%まで行こうとする人の違いだ」

    「モナコでは、その限界を超えてしまったらゲームオーバーだからね」

    モナコでは通常でも、ドライバーがセッションを重ねながらマシンとコースへの自信を高め、予選で限界に迫っていく。2027年はその準備がわずか60分に圧縮されることになり、初のスプリント開催はモナコ特有のリスクと予選の重要性をさらに際立たせる週末となりそうだ。

  • ランド・ノリス F1スペインGPで「速すぎた」ことが裏目 クルサードが敗因指摘

    ランド・ノリス F1スペインGPで「速すぎた」ことが裏目 クルサードが敗因指摘

    ランド・ノリスは、F1スペインGPで圧倒的なペースを見せながら、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングに泣いて勝利を逃した。元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、その不運について「速すぎたこと」が逆に敗因になったと指摘している。

    マクラーレンのノリスはレース序盤に首位を走り、後続との差を着実に広げていた。しかし、そのリードを築いたことが、結果的にはVSC導入時の不運につながった。

    VSCのタイミングで形勢逆転
    ノリスはVSCが導入された時点ですでにピット入口を通過していた。そのため、ライバルたちはVSC中にタイムロスを抑えてピットストップを済ませることができた一方、ノリスは次の周までピットインを待たなければならなかった。

    そしてノリスがピットに入るタイミングでVSCが終了。通常に近いタイムロスを負うことになり、ライバルたちに順位を奪われた。

    それまでレースをコントロールしていたノリスだったが、この展開によって最終的には3位でフィニッシュ。直近4戦で3勝目となるはずだった勝利を逃した。

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    クルサード「問題は速すぎたこと」
    クルサードは『Up To Speed』ポッドキャストで、ノリスのレースについて皮肉な見方を示した。

    「人生は完璧じゃない。そして、みんなが同意すると思うけど、ランドはレースで信じられないほど素晴らしかった」

    「でも、ここに問題がある。彼は速すぎたんだ。もう少し遅ければ、VSC中にピットへ入ることができていた」

    ノリスは序盤のスティントで4~5秒のリードを築いていた。それだけ速く走っていたからこそ、VSCが出た瞬間にはすでにピット入口を通過してしまっていたというのがクルサードの見方だ。

    「でも、4秒か5秒のリードを築いてしまったことで、突然、彼自身がその犠牲者になった。不運だったね、ランドにとっては」

    圧倒的な速さが勝利につながらない皮肉
    通常であれば、後続との差を広げることはレースを有利に進めるうえで最大の武器となる。しかし、マドリンクでは、その速さによってノリスがVSC導入時にピット入口へ到達するタイミングがわずかに早まり、結果として戦略上の不利益を受ける形となった。

    クルサードの指摘は、ノリスのペースそのものに問題があったという意味ではない。むしろ、それほど速かったにもかかわらず、偶然のタイミングによって勝利を失ったという今回のF1スペインGPの皮肉な展開を表現したものだ。

    ノリスにとっては、自身の速さではどうすることもできないVSCのタイミングによって勝利がこぼれ落ちたレースとなった。

  • ランド・ノリスのF1スポンサー騒動が皮肉な結末「今ごろコカ・コーラは笑っている」

    ランド・ノリスのF1スポンサー騒動が皮肉な結末「今ごろコカ・コーラは笑っている」

    ランド・ノリスが、2026年F1スペインGPの決勝後にコカ・コーラを飲んだことで思わぬ騒動の中心となった。表彰台前のクールダウンルームでF1関係者から注意を受けたノリスは「レースを終えたばかりだから、好きなものを飲む権利がある」と反論した。

    この一件について、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、ノリスの行動を「プロフェッショナルではない」と指摘。

    一方で、F1側がわざわざ注意したことで、結果的にコカ・コーラに大きな宣伝効果を与えてしまったとの見方も示した。

    表彰台前のクールダウンルームで異例のやり取り
    マドリンクで行われたF1スペインGPで、ノリスはポールポジションからスタート。レースではバーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングに恵まれず、キミ・アントネッリ、マックス・フェルスタッペンに続く3位でフィニッシュした。

    レース後、ノリスは優勝したアントネッリ、2位のフェルスタッペンとともに、表彰台へ向かう前のクールダウンルームに入った。

    そこでレース映像を見ながらノリスが手にしていたのが、コカ・コーラの缶だった。

    すると、画面外にいた関係者から、その飲料を飲まないよう求められたとみられる。ノリスはまず、自分が注意されていることを確認するような反応を見せた後、関係者に対して言い返した。

    「僕は今レースを終えたばかりだから、好きなものを飲む権利がある。どうもありがとう」

    このやり取りが注目された背景には、F1とペプシコの商業契約がある。F1は2025年にペプシコとの複数年契約を発表しており、契約は2030年まで。さらに2026年からは、グランプリ会場におけるペプシコの幅広いソフトドリンクおよびスナック製品の供給がF1の商業展開に組み込まれている。

    そのため、F1の公式映像に映るクールダウンルームで競合ブランドであるコカ・コーラの商品が目立つ形で露出したことが、関係者の介入につながったとみられている。

    シュタイナー「プロならやらない」
    この一件について、『The Red Flags Podcast』で見解を求められたシュタイナーは、ノリスの対応に否定的な考えを示した。

    「プロフェッショナルなら、ああいうことはしない。それで終わりだ」

    「何をしてよくて、何をしてはいけないのかは分かっている。彼らはそういうことについて十分に教育されている。彼はやるべきではなかった」

    シュタイナーは、F1ドライバーであればスポンサーや商業契約に関するルールを理解しているはずだと指摘する。

    ただし、ノリスの行動そのものを重大な問題と捉えているわけではない。

    「彼がやったことは悪いことなのか? 誰かが傷つくのか? いや、そんなことはない。ただ、プロとしてはやるべきではない。でも彼はやった。それだけだ」

    「コカ・コーラにとってはいい宣伝になった」
    一方でシュタイナーは、今回の騒動には皮肉な側面があるとも指摘した。

    F1のスポンサー契約では、それぞれの商品カテゴリーごとに権利が設定されており、その対価を支払った企業のブランドが優先的に露出する仕組みになっている。

    「すべてカテゴリーごとに分かれている。彼らはその権利を販売しているわけだから、当然、お金を払っていなければそこには出せない。彼はコーラを持っていた。あれは最も賢いやり方ではなかった」

    しかし、F1関係者がノリスに注意したことで、もともとはほとんど注目されなかった可能性があるコカ・コーラの缶が、一気に話題の中心になった。

    「でも、僕は気にしていない。結果としてコカ・コーラにとってはかなりうまくいったからね。コカ・コーラにとってはいい宣伝になった」

    「もし誰も何も言わなかったら、誰も気づかなかっただろう。でも、あれだけ大きく取り上げられたことで話題になった。今ごろコカ・コーラは笑っているだろうね」

    実際、ノリスと関係者とのやり取りはSNSなどで拡散され、コカ・コーラを飲んでいたという事実以上に、なぜF1側がそれを止めようとしたのかが注目される結果となった。ノリスの反応を支持するファンの声も多く上がった。

    スポンサーの権利を守るための介入が、結果として競合ブランドの露出を拡大させる形となった今回の騒動。シュタイナーはノリスの行動をプロとして適切ではなかったとしながらも、F1側の対応がコカ・コーラに思わぬ宣伝効果をもたらしたという皮肉な結末を指摘した。

  • ランド・ノリス F1公式スポンサーに“反抗” コカ・コーラを飲み「好きなものを飲む」

    ランド・ノリス F1公式スポンサーに“反抗” コカ・コーラを飲み「好きなものを飲む」

    ランド・ノリスが、F1スペインGPの表彰式を前にコカ・コーラを飲んだことが、思わぬ騒動に発展している。F1の公式パートナーであるペプシコの競合ブランドがテレビ映像に映り込んだことで、FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)との間で商業的な問題に発展する可能性があるという。

    マクラーレンのランド・ノリスは、マドリンクで勝利を目前にしながら、タイミングの悪いバーチャル・セーフティカー(VSC)によって優勝のチャンスを失い、キミ・アントネッリ、マックス・フェルスタッペンに続く3位でフィニッシュ。

    その直後、表彰台に向かう前のクールダウンルームで起きた何気ない行動が注目を集めることになった。

    コカ・コーラの缶を手にしたノリスに注意
    レース後、ノリスは優勝したアントネッリと2位のフェルスタッペンとともにクールダウンルームに入った。そこでノリスが手にしていたのは、コカ・コーラの缶だった。

    しかし、現場にいた関係者から、コカ・コーラを飲むことは適切ではないとの指摘を受けたとされている。

    問題となったのは、単なるソフトドリンクの好みではなく、F1を取り巻くスポンサー契約だ。

    ペプシコはF1の公式商業パートナーであり、コカ・コーラはその直接的な競合企業にあたる。一方、コカ・コーラ傘下のモンスターエナジーはマクラーレンのパートナーでもあり、ノリスにとってコカ・コーラの商品を手にすること自体は不自然なことではない。

    ただし、テレビ中継されるレース後のセレモニーには厳格な商業上のルールが存在する。決勝、予選、スプリント終了後のセレモニーでは、公式シャンパン以外の飲料ブランドをチームやドライバーが目立つ形で露出させることは避ける必要があり、水のボトルについてもブランドが見えない状態にすることが求められているという。

    そのため、アントネッリとフェルスタッペンの間に座り、コカ・コーラの缶を持っていたノリスに対して注意が入ったようだ。

    ノリス自身も状況を察し、アントネッリに向かって冗談交じりにこう話した。

    「僕、怒られるかもしれない」

    だが、カメラの外で説明を受けても、ノリスは納得しなかったようだ。VSCによって勝利を逃したばかりだったこともあり、レース直後に飲み物をめぐる商業上の事情まで気にするつもりはなかった。

    ノリスは笑顔を浮かべながらも、苛立ちを隠さずに言い返した。

    「僕は今レースを終えたばかりなんだから、好きなものを飲む権利がある。どうもありがとう」

    この一言とともにコカ・コーラを飲むノリスの姿は、瞬く間にSNSで拡散された。

    SNSではノリスを支持する声
    ファンの反応は、ノリスを支持するものが目立った。普段はスポンサーやチーム、F1の商業的な事情を意識した発言を求められるドライバーが、その枠から一時的に飛び出した場面として受け止められたためだ。

    Redditでは「これこそマドリンクのハイライトだ」とする声が上がったほか、コカ・コーラを映さないようにしようとしたこと自体が、結果的にブランドへの注目を大きくしてしまったという皮肉を指摘するファンもいた。

    「皮肉なのは、彼にやめさせようとしたことで、さらに多くの人が注目することになったことだ。コカ・コーラにとって素晴らしい宣伝になった」

    また、普段よりも率直な姿勢を見せたノリスを歓迎する声もあり、「このランドは好きだ。キミがマックスとランドからメディア対応を学んでいくのは面白くなりそうだ」との反応も寄せられた。

    さらに、フェルスタッペンとレッドブルを絡め、「次のレースではマックスがレッドブルを6本パックで持ってくるだろう」と冗談を飛ばすファンも現れた。

    一方で、ノリスがこうした反応を示した背景として、直前のレース展開を挙げる声もある。マドリンクでノリスは勝利を狙える位置にいながら、VSCのタイミングによって大きな恩恵を得るはずだったピットストップの機会を失った。その直後だけに、飲み物についてまで指示されたことへの苛立ちもあったのではないかとみられている。

    マクラーレンに説明を求める可能性
    今回の件を扱うのは、競技規則を管轄するFIAではなく、F1の商業権を管理するFOMとなる。

    問題になるとすれば、なぜノリスがクールダウンルームにコカ・コーラの缶を持ち込むことができたのか、そしてなぜブランド名が見えないようにカバーなどが施されていなかったのかという点だ。

    マクラーレンに何らかの金銭的なペナルティが科されるかどうかは現時点では明らかではないが、少なくともF1側から経緯について説明を求められる可能性がある。

    皮肉なのは、スポンサーへの配慮からコカ・コーラの露出を避けようとしたことによって、映像がSNSで拡散され、結果的に通常以上の宣伝効果を与えてしまったことだ。

    F1スペインGPで勝利を逃したノリスだが、レース後には一缶のコカ・コーラをめぐって思わぬ形で注目の中心となった。「好きなものを飲む権利がある」という率直な反応はファンから支持を集める一方、F1とマクラーレンにとってはスポンサー契約というデリケートな問題を残すことになった。

  • ランド・ノリス マクラーレンのWECハイパーカーをポルティマオで本格テスト

    ランド・ノリス マクラーレンのWECハイパーカーをポルティマオで本格テスト

    F1世界王者ランド・ノリスが、ポルトガルのポルティマオでマクラーレンの新型ハイパーカー「MCL-HY」をテストした。2027年のFIA世界耐久選手権(WEC)参戦に向けて開発が進められているマシンで38周を走行し、開発プログラムにも参加した。

    ノリスは、初開催となったマドリンクでのF1スペインGPを終えると、そのままポルトガルへ移動。マクラーレン・ハイパーカーにとって5回目となるサーキットテストに加わった。

    グッドウッドに続いてMCL-HYをドライブ
    ノリスがMCL-HYをドライブするのは今回が2度目となる。最初の機会はグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、2027年からFIA WECに投入されるマシンの一般公開に合わせてステアリングを握っていた。

    ただし、グッドウッドではヒルクライムでの走行だったため、本格的なサーキットテストへの参加は今回が初めてとなった。

    ノリスはポルティマオのアウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェで、マシンへの習熟走行を行った後、全長4.653kmのコースを38周。複数の開発項目を含むテストプログラムを消化した。

    テストにはマクラーレン・レーシングのファクトリードライバーであるミケル・イェンセンと、2024年FIA WECハイパーカークラスのドライバーズチャンピオンで、2027年から正式にチームへ加入するローレンス・ヴァントールも参加した。

    「まず、MCL-HYを運転させてくれたマクラーレン・ハイパーカー・チームに本当に感謝しています」とノリスは語った。

    「来年に向けた忙しい準備の最中に、少し楽しみながら新しいものを試す機会を与えてもらえたのは素晴らしかったです。貴重なデータもいくつか集められたと思いますし、僕自身も違った感覚やコメント、物事の見方を持ち込めたと思っています。それが、この重要なテスト期間にチームの役に立っていればうれしいです」

    ノリスにとって、F1マシン以外を本格的にサーキットでテストすること自体が久々の経験だった。

    「個人的にもこのチームと仕事ができたのはすごくよかったですし、新しいマシンを試せたのも刺激的でした。もう何年もF1マシン以外でちゃんとしたテストをしていなかったので、違うものを試すことができて、しかもマクラーレン・ファミリーの一員としてそれができたのは、とても特別でした」

    「速いマシンをクールなサーキットで走らせて、来年のWEC開幕に向けたチームの準備を手伝うことができた楽しい1日でした。関係した皆さんに本当に感謝しています。また将来このマシンに乗れるのを楽しみにしています」

    ランド・ノリス マクラーレン MCL-HY

    マクラーレン「非常に素早く適応した」
    マクラーレン・ハイパーカー・チームのチーム代表ジェームス・バークレーも、ノリスが短時間でMCL-HYに適応し、開発に有益なフィードバックを提供したと評価した。

    「マクラーレン・レーシングにいる我々は全員がレーサーだ。F1、インディカー、そして世界耐久選手権に参戦することで、カテゴリーをまたいだエキサイティングな機会が生まれる」

    「ランドはグッドウッドのヒルクライムで走らせただけでなく、さらにMCL-HYをドライブしたいと考えていた。そのため、ポルティマオでのプライベートテストに招待した」

    「我々が予想していた通り、彼は非常に素早く適応し、チームにもシームレスに溶け込み、マシン開発を支える貴重なフィードバックを提供してくれた。一緒に仕事ができたことをうれしく思う。残りのF1シーズンでの成功を願っているし、近いうちに再びマクラーレン・ハイパーカー・チームに迎えられることを楽しみにしている」

    ノリスのWEC参戦は未定
    現時点で、今回のテストがノリスのWECレース参戦に直結するとの発表はない。F1のチームメイトであるオスカー・ピアストリや、2027年からマクラーレンのインディカー・プログラムに加わるスコット・ディクソンについても、MCL-HYでレースに出場する計画は確認されていない。

    一方、ノリスには耐久レースの経験がある。2018年のデイトナ24時間レースにユナイテッド・オートスポーツのLMP2リジェで出場し、フェルナンド・アロンソ、フィル・ハンソンとマシンを共有した。

    マクラーレンは2027年からMCL-HYでFIA WECの最高峰ハイパーカークラスに参戦する予定であり、今回のポルティマオテストはその開発過程の一環となる。ノリス自身も「また将来このマシンに乗れるのを楽しみにしている」と語っており、F1世界王者が今後もMCL-HYの開発に関わるのか注目される。

  • ランド・ノリス F1スペインGPでVSCに勝利阻まれる「完璧なレースだった」

    ランド・ノリス F1スペインGPでVSCに勝利阻まれる「完璧なレースだった」

    ランド・ノリスは、2026年F1スペインGPで勝利を逃したことに強い悔しさを示した。ポールポジションからレースを支配していたマクラーレンのノリスだったが、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングに翻弄されて3位。「今日は完璧なレースをした」と語り、自分にもチームにも落ち度はなかったと強調した。

    マドリンクで初開催されたF1スペインGPで、ノリスはスタートから首位をキープ。

    序盤にアンドレア・キミ・アントネッリの攻撃を退けると、その後はタイヤを管理しながらリードを築き、勝利に向けてレースをコントロールしていた。

    しかし、ランス・ストロールがマシントラブルでコース脇にストップしたことでVSCが導入されると状況が一変。ノリスはVSC発動時にすでにピット入口を通過しており、その直後にアントネッリとマックス・フェルスタッペンがタイムロスの少ないピットストップを行った。

    「完璧なレース」もVSCで約20秒を失う
    ノリスはレース後、自身のパフォーマンスについて迷いなく言い切った。

    「今日は完璧なレースをしたと感じている。タイヤマネジメントもすごく良かったし、他のみんなより一歩先にいたと感じていた」

    「予選は完璧だった。パフォーマンスという意味ではレースも完璧だったし、大きな差で僕たちが一番速かった」

    それだけに、ドライビングとは無関係の要因で勝利を失ったことへの落胆は大きかった。

    「パフォーマンスとはまったく関係のない形で負けるのは、とにかくフラストレーションがたまる。グリッド全体で、VSC中にピットストップをするチャンスがなかったのは僕だけだった。それによってレースタイムを20秒くらい失った」

    FIAのレース後記者会見でも、ノリスは今回の敗戦について、自分たちが勝利を「逃した」という表現とは少し違うとの考えを示した。

    「僕たちが何かをして勝利を失ったわけではない。今日はただ、信じられないほど不運だった」

    「これまでのレースでは、それで得をしたこともあれば、損をしたこともある。それもレースだ。でも、勝利を争っているときにはなかった。VSCだけが理由で勝利を失ったのは、おそらく今回が初めてだと思う」

    ノリスは「今日はもっといい結果に値したと思う」としながらも、優勝したアントネッリと2位のフェルスタッペンの走りには敬意を示した。

    「キミとマックス、おめでとう。2人ともいいレースをした。ただ今日は運が僕たちの側になかった」

    ランド・ノリス(スペイングランプリ)

    ピット入口通過のわずか5秒後にVSC
    ノリスにとって決定的だったのは、VSCが導入されたタイミングだった。

    記者会見では、ノリスがピット入口を通過してからわずか約5秒後にVSCが発動したことについて、ストロールの停止を見て事前にピットへ入る判断はできなかったのかとの質問が出た。

    これにノリスは反論した。

    「僕にどうやって分かるんだ? 答えが必要だよ」

    ピットウォールから情報を受け取る可能性を指摘されると、ノリスはチームと確認する必要があるとしながら、自身やマクラーレンに責任があるとの見方を否定した。

    「それならピットウォールと話さないといけない。僕はただマシンを運転しているだけで、そういうことは分からない」

    「チームのせいではないし、僕のせいでもない。それだけだ。ただ不運だった」

    VSCが終了したあとも、そのまま走り続けることは現実的な選択肢ではなかったという。

    「そのラップの終わりにはピットに入らなければならなかった。それが唯一のチャンスだった」

    「それでも全員のタイヤが冷えているから、ある程度はピットロスを減らすことができた。ミディアムは完全に終わっていて、ハードは素晴らしかった」

    ノリスはVSC終了後にハードタイヤへ交換したが、アントネッリとフェルスタッペンの後方へ下がることになった。

    13~14秒を取り戻してフェルスタッペンに迫る
    ハードタイヤに交換したノリスは、そこから猛烈な追い上げを開始した。

    前方ではシャルル・ルクレールがハードタイヤでロングスティントを続けており、アントネッリとフェルスタッペンがその後方でタイムを失ったこともあって、ノリスは急速にギャップを縮めた。

    「ペースはものすごく強かった。ハードでは、彼らが前で詰まっていたこともあるけど、13秒か14秒、あるいはそれ以上を取り戻したと思う」

    最終的にはフェルスタッペンの背後まで迫ったものの、オーバーテイクが難しいマドリンクでは決定的なチャンスを作れなかった。

    「マックスを捕まえようとして、いい戦いはできた。でも、ここでは抜くのが難しい。彼もほとんどミスをしなかった」

    フェルスタッペン自身も「マシンを真ん中に置いておけばうまくいく」と語っており、ノリスを抑え切るにはコース特性が有利に働いたことを認めている。

    ノリスは3位という結果を受け入れながらも、純粋な速さでは勝利できるレースだったとの考えを変えていない。

    「僕たちが今日勝利に値したとは思っているけど、こういうこともレースでは起こる。受け入れて、次でもう一度やるしかない」

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    VSCルールに「もっと公平にできる」
    今回の出来事を受け、ノリスはVSC中のピットストップを巡るルールについても問題を提起した。

    VSCやセーフティカーの導入タイミングによってピットストップの損失時間が大幅に変化する問題は、以前からドライバー間で議論されてきたという。

    「これについては何年も前から、いろいろなドライバーが何度も話してきた。もちろん、変更することによるデメリットもあると思う」

    「過去には僕もこれで勝ったことがあるし、負けたこともある。シーズン全体で見れば、それがいいことなのか悪いことなのかは分からない。時間が経てば均等になるのかもしれない」

    それでも今回は、単なる数ポイントではなく勝利そのものを失った。

    「もちろん今回は勝利を失ったから、余計につらい」

    「今日はドライバーとして、これ以上いい仕事をするためにできることは文字どおり何もなかった。ポールを獲って、レースをリードして、それでも自分ではコントロールできないことで負ける。それがレースの勝敗を決めるべきではないと思う」

    ノリスは改善策として、VSC発動後に全員が一度ピットストップの機会を得られるようにする方法や、原則としてピット入口を閉鎖する案などを挙げた。

    「少なくとも1周はカバーして、全員にピットストップをする機会を与えることもできる。あるいはピット入口を閉じて、パンクなどの場合を除いて誰も入れないようにすることもできる」

    「もっとシンプルで、全員にとって公平にするためにできることはいくつかあると思う。ただ、これはもっと大きな議論が必要だ」

    一方で、雨天時にVSCが出た場合など、タイヤ交換を認める必要が生じるケースもあり、単純にピットを閉鎖すれば解決する問題ではないことも認めている。

    「雨が降っていてVSCが出て、自分がスリックを履いていたらピットに入れるのか、という問題もある。複雑なテーマだ」

    「でも、ドライバー全員で話せば、みんなが求めているのは同じだと思う。それは全員にとって公平であることだ」

    フェルスタッペンもノリスの意見に同調し、自身も過去に同様の状況で勝ったことも負けたこともあるとしたうえで、「将来的にもっと良くできるかもしれない」と語った。

    「こんな形で勝利を失うべきではない」
    ノリスは今回、自分が不利益を受けたからといって一方的にルール変更を要求しているわけではないことも強調した。

    「今日は僕が文句を言っているけど、次は僕がその恩恵を受けて勝つかもしれない。だから受け入れるしかない」

    それでも、ドライバーのパフォーマンスとは関係のないタイミングだけで勝敗が大きく動く状況には疑問を残した。

    「僕はただ、こんなことが誰にも二度と起きてほしくない。こういう形で勝利を失うべきではないと思う」

    結果は3位に終わったものの、ノリスにとってマドリンクで示した速さは大きな収穫だった。

    「この週末から持ち帰れるポジティブなものはたくさんある。日曜日のペースがあることは明らかだし、今日は僕たちが誰よりも良かった。それは安心できることだ」

    「チームは素晴らしい仕事をしている。僕たちは懸命に取り組んでいるし、これからもそうしなければならない。トップで戦うのは簡単ではない」

    ポールポジションからレースを支配しながら、わずかなVSC発動のタイミングによって勝利を逃したノリス。それでも、マクラーレンの純粋なレースペースには確かな手応えを得た。

    「ポジティブなことだらけの一日だった。ただひとつのことが、すべてを台無しにした」

  • マクラーレンF1 ノリスのVSCピット判断を説明「首位を守る選択肢はなかった」

    マクラーレンF1 ノリスのVSCピット判断を説明「首位を守る選択肢はなかった」

    マクラーレンF1のチーム代表アンドレア・ステラは、2026年F1スペインGPでランド・ノリスをVSC(バーチャル・セーフティカー)終了間際にピットインさせた判断について説明。「首位を守る選択肢はなかった」と明かした。

    ポールポジションからレースをリードしていたノリスは、勝利が有力視される展開だった。しかし、ランス・ストロールのマシン回収のために導入されたVSCのタイミングに翻弄され、ピットストップ後に5番手まで後退。最終的に3位まで挽回したものの、優勝を逃した。

    VSC発動時にはピット入口を通過
    ノリスは予選で最後のアタックを決め、マドリンクで初開催されたF1スペインGPでポールポジションを獲得。決勝でもスタートでアンドレア・キミ・アントネッリを抑えると、その後はタイヤを管理しながらリードを広げていった。

    レースの流れが変わったのは、ランス・ストロールがマシントラブルによってランオフエリアにマシンを止め、VSCが導入された場面だった。

    アントネッリとマックス・フェルスタッペンはVSCによる減速中にピットストップを行うことができたが、ノリスはその恩恵を受けられなかった。VSCが発動した時点で、ノリスはわずか数秒前にピット入口を通過していたためだ。

    そのためノリスはもう1周してからピットへ向かったが、今度はピットインするタイミングでVSCが終了。通常のレーシングスピードに戻った状況でピットストップを行うことになった。

    さらにピットでは約7秒を要し、ノリスは5番手まで後退した。

    「本来なら何秒もの差をつけて勝てた」
    ノリスはそこから追い上げて3位まで挽回したが、ステラは本来なら勝利できるだけのペースがあったと振り返る。

    「ポールポジションからスタートしてレースをリードし、素晴らしいペースがあった。本来なら何秒もの差をつけて勝てたレースだった。それが最終的には3位になった」

    「現実として、レースには自分たちでコントロールできる要素と、できない要素がある。VSCが出たタイミングは数秒遅すぎた。ランドはすでにピット入口を通過していたからだ」

    「そして今度は数秒早すぎた。ランドがピットに入ったところでVSCが終了してしまった」

    つまりマクラーレンにとっては、VSCの発動があと数秒早ければノリスをすぐにピットへ入れることができ、解除があと数秒遅ければ次の周でもVSC中にタイヤ交換を完了できた可能性があった。

    しかし、実際にはその両方から外れるタイミングとなった。

    ステイアウトしても首位は守れなかった
    一方、VSCが終了するタイミングでノリスをピットへ入れず、そのままコース上に残すという選択肢も考えられた。

    だが、ステラによれば、それでも首位を維持することはできなかったという。

    ノリスが使用していたミディアムタイヤにはすでにグレイニングが発生しており、最後まで走り切ることは現実的ではなかった。そのため、一時的に首位を維持したとしても、その後に通常のレーシングコンディションでピットストップを行う必要があった。

    「そのまま走り続ければ、すでにグレイニングが出ている中古のミディアムで走ることになる。そして、どこかの段階でピットに入れば、すでにハードタイヤへ交換したドライバーたちの後ろに出ることになる。そうなればシャルル・ルクレールと似たようなレースになっていただろう」

    「実際にはミディアムの方が早く終わるので、我々はもっと早くピットに入れる必要があった。つまり、首位を維持するための選択肢は本当になかった」

    VSC中にハードタイヤへ交換したライバルに対し、ノリスだけが中古ミディアムでステイアウトすれば、後のピットストップで大きなタイムロスを負う。マクラーレンは、VSCが解除されようとしていてもタイヤ交換を行うことが最善だったと判断した。

    「信じられないほど不運だった」
    ステラは今回の結果について、戦略そのものではなく、VSCのタイミングというチームがコントロールできない要素が決定的だったとの認識を示した。

    「タイミングが信じられないほど不運だったことを受け入れる必要がある。それでも、全体としてはポジティブなレースだった」

    「我々がコントロールできなかった要素が結果を左右した。しかし、自分たちでコントロールできた部分については、今後に向けて非常に楽観的になれる」

    実際、マドリンクでのマクラーレンのペースはライバルからも高く評価された。

    レース終盤にノリスを抑えたフェルスタッペンは、ノリスについて「僕たち全員より速かった」と認め、アントネッリもノリスは「勝利に値していた」と語った。

    アンドレア・ステラ(マクラーレン)

    異なるコースでも示したマクラーレンの競争力
    マクラーレンにとって結果以上に重要なのは、特性の異なるマドリンクでも高い競争力を発揮できたことだった。

    ノリスはハンガリーGPとオランダGPで勝利を挙げており、マドリンクでもポールポジションを獲得して決勝をリード。VSCがなければ勝利できた可能性が高いレース内容だった。

    「本当に不運だった。ただ、ザントフォールトやハンガリーとは非常に異なるレイアウトで、マクラーレンがこれほど競争力を発揮できたというポジティブなメッセージを受け取りたい。今後に向けて非常に心強い」

    ステラは最後に、今回の不運を冗談交じりに表現した。

    「これは受け入れるしかない。今日はレースに勝つには速すぎたんだ。もう少し遅ければ、ピットに間に合っていたのだから!」

    「我々は笑顔で受け止めているし、残りのシーズンを楽しみにしている」

    F1スペインGPでノリスが勝利を逃した背景には、VSC発動時にはすでにピット入口を通過し、次の周にピットへ向かうとVSCが終了するという数秒単位の不運があった。中古ミディアムでステイアウトしても後にピットストップが必要だったため、マクラーレンには首位を守れる現実的な選択肢はなかったというのがステラの説明だ。それでも、異なる特性を持つマドリンクで優勝を狙える速さを示したことは、残るF1シーズンに向けて大きな手応えとなった。

  • ランド・ノリス F1スペインGPで渾身のポール「キャリア最高のラップのひとつ」

    ランド・ノリス F1スペインGPで渾身のポール「キャリア最高のラップのひとつ」

    ランド・ノリスは、2026年F1スペインGPの予選で今季3回目となるポールポジションを獲得。マドリンクで決めた最後のアタックを「キャリアで最高のラップのひとつ」と表現した。一方で決勝については「僕たちが最速のマシンではない」と警戒している。

    マクラーレンのノリスはQ3最後のアタックで1分31秒824を記録。メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリをわずか0.011秒上回り、F1通算19回目、今季3回目のポールポジションを手にした。

    「キャリア最高のラップのひとつ」
    ノリス自身にとっても会心の1周だった。

    「このラップをものすごく誇りに思っている。すべてが噛み合って、自分が達成しようとしていたことを正確に引き出せた瞬間だった」

    「マシンの感触はよかったし、自信もあった。このサーキットで自分が走ったなかでは、あの最終ラップは限りなく完璧に近かった」

    予選後、「F1でこれまで走ったなかで最高の予選ラップか」と尋ねられたノリスは、「そうだと思う」と答えた。

    「ほとんどのコースでは、完璧とはどういうものなのか、自分が完璧なラップで何を達成したいのかは分かっている」

    「すごくいい日というのは、それにかなり近づけた日だ。でも今日は、最終コーナーまでは、ほぼすべてのコーナーで自分がやりたかったこと、その完璧なレベルに到達できたと思う」

    「こういうラップを達成するのは夢みたいなことだ。間違いなく、これまで走ったなかで最高のラップのひとつだった」

    縁石もブレーキングも「すべて完璧にまとまった」
    マドリンクでは縁石への乗せ方やブレーキングポイントなど、小さな違いがラップタイムを大きく左右する。

    ノリスはQ3最後の1周で、それらの要素をほぼ狙い通りにまとめた。

    「すべてが完璧にまとまった。縁石に当てるタイミング、どう縁石に乗るか、ブレーキングポイント、そういうすべてのタイミングを本当にうまく合わせることができた」

    「今日みたいな日、こういうコースではミスをするのは本当に簡単だ。でも、一番重要なラップでちゃんと決めることができた」

    公式記者会見では、その最終アタックでそれまでの自己ベストから約0.7~0.75秒もタイムを縮めたことを明かしている。

    「最終ラップでは、0.7秒とか0.75秒くらい改善した。それ自体は誇るようなことじゃないけど、それを最も重要なQ3でできたことは誇っていいと思う」

    特に、それまで慎重になっていたシケインで一気に限界へ踏み込めた。

    「シケインは初めてちゃんとうまくいった。ずっと少し慎重になっていたんだけど、縁石を使うという意味では、慎重すぎることが逆に悪くなる場合もある」

    最終コーナーでは「ウォールに当たったと思った」
    ほぼ完璧だったラップで唯一、ノリス自身が失敗したと感じたのが最終コーナーだった。

    「最終コーナーでちょっとした瞬間があった。マシンの中で少し興奮してしまったのか、エントリーでプッシュしすぎた」

    「正直、ウォールに当たったと思ったよ」

    パルクフェルメでも「今夜みんながマシンを修理することになると思った」と振り返ったが、接触を回避してフィニッシュラインを通過。0.011秒差でポールを奪った。

    「こういうラップを達成できることは滅多にない。だから、実際にできたときの感覚は本当に最高だよ」

    初開催となるマドリンクでポールを獲得したことも、ノリスにとって特別な意味を持つ。

    「マドリンクで行われる最初のF1レースでポールポジションを獲得できたことで、さらに特別なものになった。チームのみんなのハードワークに心から感謝している」

    FP2をギアボックス問題で失う
    今回のポールをさらに印象的なものにしたのが、金曜日に十分な走行時間を確保できなかったことだ。

    ノリスはギアボックスの問題によってFP2で走行できず、新設されたマドリンクで貴重な経験を積む機会を失った。

    「FP2でラップを走れなかったから、少し追いつく必要があった」

    新しいサーキットでは、単純な走行距離だけでなく、バンプの位置、縁石の使い方、スロットルを開けられるポイントなど、ドライバーが実走から得る情報も重要になる。

    「特に新しいコースでは経験を失うことになる。小さな部分だけど、どこにバンプがあるのか、新しいタイヤを履いたときにどこでもっと積極的にスロットルを開けられるのか、シケインの縁石をどう使うのか。ドライバーとしてそういうタイミングを学ぶ機会を失う」

    それでもFP3と予選で遅れを取り戻し、最も重要なQ3最後のアタックで結果につなげた。

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    「ポールだけど僕たちが最速ではない」
    一方、ノリスはポールポジションを獲得したからといって、マクラーレンが決勝で最も速いマシンだとは考えていない。

    「明日はかなり厳しい一日になると思う」

    「ザントフォールトやブダペストほど単純にはいかない。あそこでは僕たちが最速のマシンだった。でも、確かに今は僕がポールにいるけど、僕たちが最速のマシンというわけではない」

    ノリスが強調したのは、ポール獲得にはほぼ完璧な1周が必要だったという事実だ。

    「今日は完璧なラップを走って、それでようやく100分の1秒差でポールを取れた」

    決勝では予選とは異なり、純粋なレースペースとタイヤマネジメントが問われる。その点でノリスには大きな未知数が残されている。

    高燃料走行なし 決勝前に「宿題」
    FP2を失ったことで、ノリスは決勝を想定した高燃料でのロングランをほとんど行えていない。

    「まだ高燃料ではほとんど走っていない。だから宿題をしないといけない」

    「昨日オスカーが何をやったのかを見て、何を準備できるか確認する必要がある。データを全部見て、チームと一緒に分析しないといけない」

    タイヤデグラデーションが大きいと予想されるだけに、どのコーナーでタイヤを守り、どこでプッシュするかも事前に把握しておく必要がある。

    「長いレースだし、新しいコースだ。どのコーナーでプッシュして、どこで抑えるべきなのか、バッテリーがどうなるのか。今夜やらなければならないことはたくさんある」

    それでも、オーバーテイクが難しいと予想されるマドリンクで先頭グリッドを確保した意味は大きい。

    「明日に向けて自分たちを可能な限り最高のポジションに置くことができた。今はそれを決勝で強い結果につなげることに集中している」

    FP2で貴重な走行時間を失いながら、Q3最後の1周ですべてをまとめたノリス。自身が「夢」と表現するほどの渾身のラップで初開催のマドリンクでポールを手にした。ただし、決勝では最速マシンではないとの認識を持っており、高燃料走行を経験していないことも不確定要素となる。アントネッリとマックス・フェルスタッペンを背後に従え、ポールを勝利へ変えられるかが注目される。