カテゴリー: デビッド・クルサード

  • シャルル・ルクレールの家族同伴にクルサードが苦言「F1はピクニックではない」

    シャルル・ルクレールの家族同伴にクルサードが苦言「F1はピクニックではない」

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードが、フェラーリのシャルル・ルクレールについて、グランプリ週末への向き合い方に疑問を投げかけた。

    クルサードが問題視したのは、ルクレールの妻アレクサンドラ・サン・ムルーと愛犬レオが今季、複数のF1グランプリでパドックを訪れていることだ。家族との時間を大切にするルクレールに対し、クルサードはレース週末は「ピクニックではない」と語り、より競技へ集中すべきだとの考えを示した。

    クルサード「グランプリは真剣勝負で危険な仕事」
    パートナーや家族をパドックに連れてくること自体は、現在のF1では珍しいことではない。ジョージ・ラッセル、オスカー・ピアストリ、カルロス・サインツJr.らもパートナーがレースを訪れることがあり、アンドレア・キミ・アントネッリやマックス・フェルスタッペンも父親が同行することが多い。

    また、ルクレールの親しい友人であるピエール・ガスリーも、時折愛犬をパドックに連れてきている。

    しかし、クルサードは『Up to Speed』ポッドキャストで、ルクレールについてドライビングへの集中をさらに高め、「ポスターボーイ」としての側面から距離を置くべきではないかとの考えを語った。

    ルクレールは2026年2月にアレクサンドラ・サン・ムルーと結婚し、現在は第1子の誕生を控えている。

    「シャルル・ルクレールはフェラーリに何年も在籍していて、とてつもなく速い。レーシングドライバーのポスターボーイのような存在だ」とクルサードは語った。

    「ルックスもいいし、家庭を持って、もうすぐ子どもが生まれる。犬もパドックにいる……。僕の意見では、率直に言って、それは少しやりすぎだと思う」

    「週末に出かけてピクニックをしているわけじゃないだろう?」

    「これはグランプリだ。真剣勝負の世界だし、危険な仕事でもある。ただ、これは僕が古い世代だからそう考えるだけなのかもしれないけどね」

    ルクレールとハミルトンの成績にも言及
    クルサードは以前にも、28歳で理論上キャリアのピークにいるルクレールが、41歳のチームメイトであるルイス・ハミルトンにポイントで後れを取るべきではないとの見方を示している。

    今季のルクレールは1勝を挙げ、4度の表彰台を獲得している一方、バルセロナ、モナコ、イタリアでは目立ったミスもあった。現在ドライバーズランキング5位で、ハミルトンとは24ポイント差となっている。

    一方、直接対決を見ると、予選では両者7勝7敗。2人とも完走したレースに限れば、決勝でも5勝5敗と互角だ。ただし、ルクレールがチーム内対決で優位に立っていた前年と比較すると、その構図には大きな変化が生じている。

    ルクレールのF1出走数は現在185戦で、2027年には200戦の節目に到達する見込みだ。これまでの通算勝利数は9勝。もっとも、ルクレールがフェラーリで組んできたセバスチャン・ベッテル、カルロス・サインツJr.、ハミルトンの3人を合わせても、同期間の勝利数は6勝にとどまっている。

    家族や愛犬の存在が実際にルクレールのパフォーマンスへ影響していることを示す根拠はないが、クルサードはF1グランプリを「真剣勝負で危険な仕事」と捉える自身の世代的な価値観から、レース週末では競技への集中をより優先すべきだとの考えを示した。

  • ランド・ノリスのコカ・コーラ騒動 クルサードがF1批判「何もかも管理するな」

    ランド・ノリスのコカ・コーラ騒動 クルサードがF1批判「何もかも管理するな」

    F1スペインGP後、ランド・ノリスがリカバリールームでコカ・コーラを飲もうとして関係者から注意を受けた一件をめぐり、デビッド・クルサードがF1の過度な商業管理を厳しく批判した。

    マクラーレンのノリスは、マドリンクで行われたF1スペインGPをキミ・アントネッリ、マックス・フェルスタッペンに次ぐ3位でフィニッシュ。トップ3がレースのハイライト映像を見るリカバリールームでコカ・コーラの缶を手にしたところ、関係者から注意を受けた。

    F1がコカ・コーラの主要ライバルであるペプシとパートナーシップを結んでいることが背景にある。

    ノリス「レースをしたんだから好きなものを飲む権利がある」
    F1スペインGP終了後、ノリスは関係者から指摘を受けながらも、コカ・コーラを飲むことを選んだ。

    缶を手にしていたノリスは、まずメルセデスのアントネッリに対して、注意されるかもしれないと冗談交じりに話した。

    「もしかしたら怒られるかもしれないね」

    そして、関係者から実際に注意を受けると、自らの考えを明確にした。

    「僕はレースを終えたばかりなんだから、好きなものを飲む権利がある。どうもありがとう」

    この場面はすぐにF1ファンや関係者の間で議論を呼んだ。激しいレースを終えたドライバーには飲み物を自由に選ぶ権利があるとの意見がある一方、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーはノリスの行動をプロフェッショナルではないと批判した。

    「プロフェッショナルなら、ああいうことはしない。それだけだ」

    シュタイナーは、F1ドライバーであればシリーズのマーケティング上のルールを十分理解しているはずだと指摘した。

    「何をしていいのか、何をしてはいけないのかは分かっている。彼らはそのための教育を十分に受けている。彼はあれをするべきではなかった」

    クルサードがノリスを支持「よく自分の意思を貫いた」
    しかし、元F1ドライバーでグランプリ13勝を挙げたデビッド・クルサードは、シュタイナーとはまったく異なる見解を示した。

    クルサードは、カメラの前でドライバーの一挙手一投足までコントロールしようとする姿勢は行き過ぎていると考えている。

    「自分の意思を貫いたランドはよくやった」

    「本当によくやったと思う。だって、彼にはチョコレートバーを食べる権利も、どんな種類であれ炭酸飲料を飲む権利もあるんだからね」

    そして、F1側による過度な管理に対して強い言葉を向けた。

    「いい加減にして、何もかもコントロールしようとするのはやめろ」

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    過酷だったF1スペインGP ノリスの体調にも注目
    今回のコカ・コーラをめぐる一件は、身体的に極めて厳しいF1スペインGPを終えた直後に起きた。

    マドリンクではレース週末に路面温度が50度台半ばまで上昇し、ドライバーたちは厳しいコンディションのなかで限界まで追い込まれていた。

    また、この出来事は、そのひとつ前のF1イタリアGP終了後に見られたノリスの姿も思い起こさせる。

    モンツァでノリスは、チームメイトのオスカー・ピアストリと4位を争ったレースを終えた後、メディアのインタビューを受けた際にかなり消耗している様子を見せていた。

    インタビュー開始直後から前腕を支えにするような姿勢を取り、カメラの外にいた人物に飲み物を求めた。

    「普通の水をもらえる? ありがとう」

    その後、ノリスはレースによる疲労がかなり大きかったことを明かした。

    「今、星がたくさん見えていて、頭もクラクラしている。少し糖分があればいいんだけど、ここにはないんだ」

    インタビュアーが冗談交じりに「それでも私のことは見えていますか?」と尋ねると、ノリスはいつものユーモアで返した。

    「あなたのことはいつだって見えてないよ!」

    モンツァでの出来事を受けてコカ・コーラを用意?
    イタリアGPでノリスが糖分を欲しがっていたことを受け、マクラーレンが次戦のためにコカ・コーラを用意していた可能性も考えられる。ただし、それが公式中継のカメラの前に登場することまでは想定していなかったのかもしれない。

    F1ではシリーズやチーム、ドライバーを取り巻く多数のスポンサー契約が存在し、テレビ中継で映る商品にも商業上の配慮が求められる。一方で今回の一件は、過酷なレースを終えたドライバーの飲み物にまでスポンサー上の制約を及ぼすべきなのかという議論を呼ぶことになった。

    ノリス自身は注意を受けても考えを変えず、レース後には自分が望むものを飲む権利があると主張。クルサードもその姿勢を全面的に支持し、F1がドライバーの行動を細部まで管理しようとすることに疑問を投げかけた。

  • ランド・ノリス F1スペインGPで「速すぎた」ことが裏目 クルサードが敗因指摘

    ランド・ノリス F1スペインGPで「速すぎた」ことが裏目 クルサードが敗因指摘

    ランド・ノリスは、F1スペインGPで圧倒的なペースを見せながら、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングに泣いて勝利を逃した。元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、その不運について「速すぎたこと」が逆に敗因になったと指摘している。

    マクラーレンのノリスはレース序盤に首位を走り、後続との差を着実に広げていた。しかし、そのリードを築いたことが、結果的にはVSC導入時の不運につながった。

    VSCのタイミングで形勢逆転
    ノリスはVSCが導入された時点ですでにピット入口を通過していた。そのため、ライバルたちはVSC中にタイムロスを抑えてピットストップを済ませることができた一方、ノリスは次の周までピットインを待たなければならなかった。

    そしてノリスがピットに入るタイミングでVSCが終了。通常に近いタイムロスを負うことになり、ライバルたちに順位を奪われた。

    それまでレースをコントロールしていたノリスだったが、この展開によって最終的には3位でフィニッシュ。直近4戦で3勝目となるはずだった勝利を逃した。

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    クルサード「問題は速すぎたこと」
    クルサードは『Up To Speed』ポッドキャストで、ノリスのレースについて皮肉な見方を示した。

    「人生は完璧じゃない。そして、みんなが同意すると思うけど、ランドはレースで信じられないほど素晴らしかった」

    「でも、ここに問題がある。彼は速すぎたんだ。もう少し遅ければ、VSC中にピットへ入ることができていた」

    ノリスは序盤のスティントで4~5秒のリードを築いていた。それだけ速く走っていたからこそ、VSCが出た瞬間にはすでにピット入口を通過してしまっていたというのがクルサードの見方だ。

    「でも、4秒か5秒のリードを築いてしまったことで、突然、彼自身がその犠牲者になった。不運だったね、ランドにとっては」

    圧倒的な速さが勝利につながらない皮肉
    通常であれば、後続との差を広げることはレースを有利に進めるうえで最大の武器となる。しかし、マドリンクでは、その速さによってノリスがVSC導入時にピット入口へ到達するタイミングがわずかに早まり、結果として戦略上の不利益を受ける形となった。

    クルサードの指摘は、ノリスのペースそのものに問題があったという意味ではない。むしろ、それほど速かったにもかかわらず、偶然のタイミングによって勝利を失ったという今回のF1スペインGPの皮肉な展開を表現したものだ。

    ノリスにとっては、自身の速さではどうすることもできないVSCのタイミングによって勝利がこぼれ落ちたレースとなった。

  • ジョージ・ラッセル F1王座争いで59点差 クルサード「考えすぎ」に警告

    ジョージ・ラッセル F1王座争いで59点差 クルサード「考えすぎ」に警告

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1シーズン前半戦を終え、メルセデスのチームメイトであるアンドレア・キミ・アントネッリに59ポイント差をつけられている。開幕戦オーストラリアGPを制した好スタートから一転、タイトル争いでは追う立場となった。

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、ラッセルが不運やトラブルを重ねるなかで「考えすぎ」に陥る危険性を指摘。

    一方、経験の浅いアントネッリについては、若さゆえに余計なことを考えず、本能的にドライブできていることが強みになっているとの見方を示した。

    開幕戦勝利から一転 ラッセルを襲った不運
    ラッセルはメルボルンで行われた開幕戦を制し、2026年シーズンを最高の形でスタートさせた。しかし、その後の勝利は1回にとどまっている。

    対照的にアントネッリは6勝を挙げ、ドライバーズランキング首位を確立。シーズン折り返し時点でラッセルとの差は59ポイントまで広がった。

    純粋な速さでアントネッリが上回る場面もあった一方、ラッセルは信頼性トラブルやコース上でのアクシデントにも見舞われてきた。クルサードは『Up To Speed』ポッドキャストで、ラッセルの前半戦について厳しい状況だったと振り返った。

    「ひどいシーズンになっている。ひとりの人間に、いったいどれだけ不運が続くんだというくらいだ」

    「その不運については、チームが解決しなければならない部分もある。一方で、ジョージは今、勢いに乗れていない」

    クルサードが警告「考えすぎ」の悪循環
    クルサードが懸念しているのは、不運そのものだけではない。結果が出ない状況が続くことで、ラッセルがドライビングについて必要以上に考え始める可能性があると指摘した。

    その状況をクルサードはテニスに例えている。

    「テニス選手が高く上がったボールを迎えて、簡単なスマッシュを決めればポイントを取れるという場面があるだろう。それなのに、考えすぎてネットにかけてしまうことがある」

    「ジョージは今、そういうシーズンの段階にいる。キミは本能的にドライブしていて、バルセロナを除けば信頼性にもかなり恵まれている。一方でジョージは、ずっとパンチを受け続けている」

    ラッセルにとって経験は本来、大きな武器になる。だが、クルサードはタイトル争いという極度のプレッシャーのなかでは、その経験が逆に思考を複雑にする可能性もあると考えている。

    アントネッリは「知らないことを知らない」若さが武器
    2026年のタイトル争いでアントネッリが持つ強みについて、クルサードはF1経験の少なさそのものがプラスに働いている可能性を挙げた。

    「彼(ラッセル)は少し年上で、経験がある。経験はもちろん良いことだ。ただ、若さの利点というのは、自分が何を知らないのかさえ知らないことにある」

    「経験のマイナス面は、どれほど難しいのか、どんな課題があるのか、勢いがどれほど重要なのか、そういうことを全部知っていることだ」

    アントネッリにとって、F1でタイトルを争うこと自体が初めての経験だ。そのため、過去の失敗やタイトル争いの難しさを必要以上に意識せず、目の前のレースに集中できる。

    対するラッセルは、F1で積み重ねてきた経験があるからこそ、59ポイントという数字やシーズンの流れ、失ったポイントの意味まで理解できる。その違いが心理面に影響する可能性をクルサードは指摘している。

    59点差から逆転は可能も「ロッキーでも書かない」
    もちろん、59ポイント差は数学的に逆転不可能な数字ではない。クルサードも、過去のF1タイトル争いを振り返れば、大きなポイント差から流れが変わる可能性があることは認めている。

    「昨年のマックス・フェルスタッペンを見ても分かるように、このポイント差からでも挽回することはまだ可能だ」

    しかし、ラッセルが今季経験してきたトラブルや不運まで考慮すれば、実際に逆転タイトルを実現するハードルは極めて高いという。

    クルサードは映画『ロッキー』シリーズを引き合いに出し、ラッセルの置かれた状況を表現した。

    「でも、これだけパンチを受け続けたところから逆転するような『ロッキー』の映画は、シルベスター・スタローンだって書かないだろう」

    「だから、ジョージにとっては人間的な強さを築く一年になるだろう」

    メルセデス内のタイトル争いで問われるラッセルの立て直し
    メルセデスが2026年F1で高い競争力を示すなか、ラッセルにとって最大の比較対象は同じマシンを駆るアントネッリだ。

    59ポイント差という状況では、ラッセル自身が速さを取り戻すだけでは十分ではない。信頼性問題を減らし、取りこぼしを防ぎながら、アントネッリより多くのポイントを継続的に獲得していく必要がある。

    クルサードの指摘は、ラッセルの能力そのものを疑問視するものではなく、不運が続いたことで生じる心理的な悪循環への警告と言える。タイトル争いの経験を持たないアントネッリが本能的に結果を積み重ねる一方、ラッセルには経験を「考えすぎ」ではなく立て直しの武器に変えられるかが問われる。

    シーズン後半戦、ラッセルが59ポイント差をどこまで縮められるのか。逆転タイトルへの道のりは厳しいが、クルサードが語るように、この苦境をどう乗り越えるかはラッセルのF1キャリアにとって重要な意味を持つことになりそうだ。

  • ミカ・ハッキネン マクラーレンF1でクルサードと築いた健全な関係を回顧

    ミカ・ハッキネン マクラーレンF1でクルサードと築いた健全な関係を回顧

    ミカ・ハッキネンが、マクラーレンF1時代にデビッド・クルサードと築いた関係について振り返った。コース上では接触や緊張もあったものの、チームとともに成功するという共通の目標があったことで、対立を長引かせることはなかったという。

    F1で2度のワールドチャンピオンに輝いたハッキネンと元チームメイトのクルサードは、ポッドキャスト『Up To Speed』で当時のライバル関係について語り、激しく競い合いながらも健全な関係を維持できた理由を明かした。

    1999年オーストリアGPでの接触も「チームメイトなら普通」
    クルサードは、2人の間に時折生じた摩擦の例として、1999年F1オーストリアGPで起きた有名な接触を挙げた。当時マクラーレンはフェラーリとタイトルを争っていたが、ハッキネンはこうした出来事もチームメイト同士なら避けられないものだったと振り返る。

    「それもモーターレーシングの一部だ。チームメイトとして過ごすうえでの一部でもある。まったく普通のことだよ」

    「でも、なぜか僕たちは2人とも、この先に未来があること、そして一緒に成功できる未来があることを分かっていた」

    「僕たちはチームのためにいい仕事ができる。だから、怒りを2カ月も3カ月も頭の中に抱えている意味はない。問題を解決して、前に進んで、またレースに戻ればいい」

    ハッキネンは、チーム首脳陣から一定のサポートがあったことも認めている。

    「もちろん、チームのマネジメントから助けてもらった。でも、それで問題はなかった。それに君が言ったように、オーストリアGPで君が僕にぶつかったときも、本当に少し触れただけだった」

    「僕のマシンも壊れなかったし、君のマシンも壊れなかった。だから僕たちはそのまま走り続けることができた」

    クルサード「今ならノリスとピアストリに近い」
    クルサードは、当時の自分たちの関係を現在のマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリになぞらえた。タイトルを争うチームメイト同士として競いながら、チーム側が両者の関係を管理する必要がある点に共通性を感じているという。

    「今のドライバーを見ると、チームメイトとしての僕たちに最も近い例は、ランドとオスカーの関係かもしれない」

    「昨年も、彼らが接触しそうになった場面が何度かあった。チームがドライバーそれぞれの期待をコントロールしようとしていた場面も何度かあった」

    クルサード「最高の中の最高ではなかった」
    クルサードはF1でワールドチャンピオンになることはできなかったが、イギリス出身のドライバーとしてウィリアムズとマクラーレンというトップチームで走れたキャリアを誇りに感じている。

    「僕はそれなりの成功を収めた。でも、間違いなく最高の中の最高というカテゴリーには入っていなかった」

    「それでも、このスポーツにたどり着けるだけの力は明らかにあったし、主にイギリスのチームから素晴らしい支援を受けることができた」

    「サー・フランク・ウィリアムズが僕にチャンスを与えてくれた。デイモン・ヒルやジェンソン・バトンにも同じようにチャンスを与えた。ナイジェル・マンセルはロータスを経て加入したけど、ワールドチャンピオンになったのはウィリアムズだった」

    ハッキネンとクルサードはマクラーレンで長年コンビを組み、時にはコース上で衝突しながらも、対立を引きずらずチームの成功を優先した。その関係性は、現在のノリスとピアストリにも通じるチームメイト同士のライバル関係として、クルサードの目には映っている。

  • デビッド・クルサード レッドブルF1時代の激怒無線「全員バカ!」マテシッツも傍受

    デビッド・クルサード レッドブルF1時代の激怒無線「全員バカ!」マテシッツも傍受

    デビッド・クルサードが、レッドブル・レーシングでF1を戦っていた時代の印象的な無線エピソードを明かした。

    姉妹チームのトロロッソに行く手を阻まれ、怒りのあまりチーム無線で「全員バカだ!」と罵倒。そのやり取りを、当時レッドブルのオーナーだったディートリッヒ・マテシッツが聞いていたという。

    クルサードが振り返ったのは、レッドブルがまだ現在のようなF1のトップチームへと成長する前の出来事だ。レッドブル・レーシングとトロロッソは同じオーナーの傘下にありながら、コース上では独立したチームとして競争する。その方針を、クルサードは身をもって知ることになった。

    新品タイヤでトロロッソの後方へ
    クルサードは自身のF1キャリア終盤をレッドブル・レーシングで過ごし、クリスチャン・ホーナーらとともにチームの黎明期を支えた。

    2006年にはレッドブルが2チーム体制を確立。レッドブル・レーシングに加え、ミナルディを買収して誕生したトロロッソが参戦していた。後者は現在のレーシングブルズにつながるチームである。

    クルサードがポッドキャスト『Up To Speed』で語ったエピソードは、その初期の時代に起きたものだった。

    「かなり昔の話だけど、ホッケンハイムで、おそらく2007年だったと思う。ピットストップを終えてコースに戻ったら、当時トロロッソと呼ばれていたマシンの後ろに出た。今のレーシングブルズだね」

    クルサードは新品タイヤを履いていた一方、前を走るトロロッソは使用済みタイヤだった。両者は同じレッドブル傘下であり、レース戦略も異なっていたことから、クルサードはすぐに道を譲ってもらえると考えていた。

    「僕は新品タイヤで、向こうは古いタイヤだった。それに僕たちは同じファミリーだった。どちらもレッドブルのチームだったからね」

    そこでクルサードは無線を通じ、トロロッソ側に自分を先行させるよう伝えてほしいとチームに求めた。

    「無線で『トロロッソに、僕たちはレースの違うフェーズにいると伝えてくれ』と言った。当時はレッドブル・レーシングもトロロッソも、コンスタントにポイントを獲得していた時代ではなかった。まだチームを作り上げている段階だったんだ」

    譲らない姉妹チームにクルサードが激怒
    しかし、前を走るトロロッソはポジションを譲らなかった。

    「向こうは退かなかった。それでまた無線を入れて、『みんな、僕はここで時間を失っているだけだ』と言った」

    現在とは違い、当時のF1にはDRSがなく、KERSもまだ導入されていなかった。ペース差があっても、コース上で追い抜くのは簡単ではなかった。

    「KERSもなかったし、DRSもなかった。何とかして自分でオーバーテイクのチャンスを見つけるしかなかったんだ」

    クルサードの苛立ちは次第に高まり、ついに我慢の限界を迎えた。

    「結局、彼らは退かなかった。それで無線で『お前たちはバカだ。全員どうしようもない奴らだ!』って言っていたんだ」

    この無線はテレビ中継では放送されなかった。クルサードとしては、あくまでチーム内部だけで交わされた怒りの言葉だった。

    ところが、その無線を聞いていた人物の中には、レッドブルという組織で最も重要な人物のひとりがいた。

    「そのあと、レッドブルのオーナーだったマテシッツさんが無線を聞いていたことを知ったんだ」

    デビッド・クルサードとディートリッヒ・マテシッツ

    マテシッツが示した「2チームは独立」の哲学
    ディートリッヒ・マテシッツに直接聞かれていたとなれば、クルサードが叱責されても不思議ではなかった。しかし、実際にはそうならなかった。

    むしろクルサードは、この出来事を通じてマテシッツがレッドブルの2チームをどのように位置づけているのかを理解したという。

    「彼の考え方はこうだった。レッドブルが所有するチームは2つある。でも、それぞれ独立して運営されていて、どちらがトップまで上がれるかを競っているんだ、とね」

    レッドブル・レーシングとトロロッソは同じ企業の所有下にあっても、一方がもう一方をコース上で優遇することを前提としていなかった。少なくともマテシッツは、両チームを競争させることを重視していた。

    クルサードは、その姿勢に敬意を抱いたという。

    「僕はそれを尊重している。それに、彼があとから僕のところへ来て『二度と無線であんなことを言うな』と言わなかったことも尊敬しているよ」

    ホーナーからは「褒め言葉をありがとう」
    もっとも、クルサードの怒りの無線がチーム内で聞き流されていたわけではなかった。

    ピットへ戻ると、当時レッドブル・レーシングのチーム代表だったクリスチャン・ホーナーやスタッフから反応があったという。

    「放送には流れていなかった。でもピットに戻ったら、クリスチャン・ホーナーとチームのみんなから『ああ、褒め言葉をありがとう!』って言われたよ」

    クルサードは2005年のレッドブル・レーシングF1参戦初年度からチームに所属し、2008年シーズン限りで現役を引退した。F1通算13勝を挙げ、ウィリアムズで1勝、マクラーレンで12勝を記録している。

    レッドブルでは勝利を挙げることはできなかったものの、2006年モナコGPでチーム初表彰台を獲得するなど、その後の飛躍につながる基盤づくりに貢献した。

    一方、ホーナーは2005年の参戦開始から長年にわたってレッドブル・レーシングを率い、複数のF1世界タイトル獲得を指揮。2025年イギリスGP後にチームを離れ、約20年に及ぶ代表としての時代に幕を下ろした。

    同じレッドブル傘下だからといって、コース上で特別扱いするわけではない。クルサードの怒りの無線と、それを聞いても介入しなかったマテシッツの対応は、後にF1を代表する勢力へと成長するレッドブルの競争哲学を象徴するエピソードでもある。

  • デビッド・クルサード再評価 元マクラーレンF1メカニック「過小評価されている」

    デビッド・クルサード再評価 元マクラーレンF1メカニック「過小評価されている」

    マクラーレンで長年メカニックを務めたインディ・ラルが、デビッド・クルサードの功績が十分に評価されていない現状を「悲しい」と語った。

    クルサードは1996年から2004年まで9シーズンにわたってマクラーレンに在籍し、13勝を挙げたほか、2001年にはドライバーズランキング2位を獲得。しかし、チームメイトだったミカ・ハッキネンの2度のワールドタイトルの陰に隠れ、その貢献は過小評価されているとラルは指摘している。

    「13勝は運だけでは成し遂げられない」
    クルサードは1996年にウィリアムズからマクラーレンへ移籍。1995年最終戦オーストラリアGPではピットレーンでクラッシュを喫し、ウィリアムズからのボーナス50万ポンドに加え、マクラーレンとの契約で設定されていた優勝ボーナス150万ポンドも失うという不運に見舞われた。

    それでもマクラーレンでは9年間にわたり活躍し、1997年、1998年、2000年にランキング3位、2001年には2位とタイトル争いにも加わった。

    一方で、1998年と1999年に連続で世界王者となったハッキネンの存在が大きく、クルサード自身もチーム内ではハッキネンの方がタイトル獲得に適した立場だったと振り返っている。

    ラルは『Autosport』の取材で、クルサードの評価について次のように語った。

    「とても楽しい時代だった」

    「デビッドがあまり評価されていないのは少し悲しい。彼は調子が良い日は本当に速かった。ミカやミハエル・シューマッハーを相手に13勝を挙げるなんて、運だけでできることではない。デビッドは非常に献身的だった」

    デビッド・クルサードとミカ・ハッキネン(マクラーレン)

    ハッキネンとは特別な信頼関係
    一方でラルは、ハッキネンとはより深い関係を築いていたことも明かしている。

    当時のマクラーレンはテストで度重なる技術的トラブルに苦しみ、それがハッキネンの自信を大きく揺るがしていたという。

    「僕はミカととても親しくなった。ある年はテストで故障が続き、それが彼を壊しかけていた。自信という意味でも、まさに分岐点になりかねない状況だと感じたので、僕は彼に寄り添うようになった」

    「サーキットの外でも一緒に多くの時間を過ごし、信頼関係を築いた。そういう時間には、お互いにより率直な話ができる。ミカには驚異的な生まれ持った才能があった」

    ラルは、ハッキネンの卓越した才能を認めながらも、クルサードもまた同時代のトップドライバーたちと互角に戦い続けた実力者だったと強調。マクラーレン黄金期を支えた両ドライバーの功績は、ともに正当に評価されるべきだとの考えを示した。

  • デビッド・クルサード F1新レギュレーションを酷評「まるでW杯ハーフタイムショー」

    デビッド・クルサード F1新レギュレーションを酷評「まるでW杯ハーフタイムショー」

    2026年に導入されたF1新レギュレーションについて、元F1ドライバーのデビッド・クルサードが「予想された問題が現実になった」と振り返り、導入前の警告が軽視されたことへの失望を語った。

    クルサードは、現在のF1シーズンは接戦が増えたことで見応えが向上していると評価する一方、新世代マシンが抱えるエネルギーマネジメントの問題については「最初から分かっていたことだった」と指摘している。

    F1新レギュレーションへの失望をW杯になぞらえる
    元マクラーレンF1ドライバーのデビッド・クルサードは『Up to Speed Podcast』で、2026年レギュレーション導入時の混乱をサッカーのワールドカップのハーフタイムショーになぞらえて振り返った。

    「新レギュレーションは、ワールドカップのハーフタイムショーみたいなものだった」

    「大きな期待を持たせながら迫ってきたのに、実際には少し期待外れだった。映画のコメディでロードローラーがゆっくり迫ってきて、『ひかれるぞ』と言いながら、次の場面でも腕時計を見ながら『まだひかれるぞ』と言っているようなシーンがあるだろう」

    クルサードは、この“ロードローラー”こそが2026年レギュレーションだったと説明する。

    「新レギュレーションが近づいてくる中で、ドライバーもエンジニアも『これは良くないことになる』と言い続けていた。でも、それ以外の人たちはほとんど沈黙していた」

    ドライバーやエンジニアの警告は現実となった
    2026年の新規則導入前には、ドライバーや技術者から「スーパークリッピング」や、ストレートでバッテリー残量の違いによって順位が入れ替わる“ヨーヨー・オーバーテイク”が頻発するとの懸念が相次いでいた。

    FIAは開幕前に最悪の事態を避けるための修正を加えたものの、開幕戦オーストラリアGPでは減速しながらコーナーへ進入するマシンが見られるなど、懸念された問題は現実のものとなった。

    マックス・フェルスタッペンをはじめ複数のドライバーが導入前から懐疑的な姿勢を示していたことも、その後の展開を象徴している。

    クルサードはこう続けた。

    「そしてメルボルンに行くと、『ほら見ろ、いくつかのコーナーでは減速しながら進入しているじゃないか』という状況になった」

    F1レギュレーション

    接戦のシーズンは評価も課題は未解決
    一方でクルサードは、シーズンが進むにつれてF1のレース内容そのものは大きく改善したと評価する。

    ハンガリーGPではエネルギー回生が容易なサーキット特性もあり、バッテリー節約のための極端なコースティングが少なく、純粋なレース展開が実現した。一方で、シルバーストンやスパ・フランコルシャンでは依然としてエネルギーマネジメントの影響が色濃く残っており、モンツァやシンガポール、さらに開催されればカタールでも同様の課題が再び表面化するとみられている。

    それでも、各チームが激しい開発競争を繰り広げていることで勢力図は流動化し、週末ごとの予測が難しいシーズンになっている。

    クルサードはその点を評価しつつ、次のように締めくくった。

    「失望からの立て直しという意味では、マイアミ以降は良かったと思う。以前も話したように、直近5戦で5人の異なる勝者が生まれていることは、このシーズンの多様性を物語っている」

    「ただ、私たちはこうなることを前から分かっていた。それなのに誰も本当に耳を貸さなかった。そして、未来を徹底的にシミュレーションするスポーツでありながら、現実が起きてから対応しなければならなかったことには少し失望している」

    今回のクルサードの発言は、2026年F1のレース内容が改善しつつあることを認めながらも、新レギュレーション導入前に繰り返し発せられていた警告が十分に生かされなかったという、F1全体への問題提起といえる。今後、エネルギー不足が起きやすいサーキットでどのような対策が講じられるのかも、後半戦の大きな焦点となりそうだ。

  • アストンマーティン・ホンダF1は「2年以内に優勝」 クルサードが大胆予測

    アストンマーティン・ホンダF1は「2年以内に優勝」 クルサードが大胆予測

    2026年シーズン前半戦のアストンマーティンF1は、新レギュレーションへの対応に苦しみ、グリッド後方で厳しい戦いを強いられている。しかし、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、この苦境は一時的なものに過ぎず、チームは今後2年以内にグランプリ優勝を果たすと大胆な予測を示した。

    エイドリアン・ニューウェイの加入、ホンダのパワーユニット開発、そしてハンガリーGPで投入された大型アップグレードなど、将来への材料は揃いつつある。

    クルサードは「現状は非常に厳しい」と認めながらも、長期的な成長には強い確信を示している。

    2026年は苦戦も「今後2年間で最も成長するチーム」
    アストンマーティンF1は2026年、新たな技術レギュレーション導入とともにシーズンを迎えたが、マシン性能は期待を大きく下回った。

    シャシーの競争力不足に加え、ホンダ製パワーユニットも開幕当初は十分な戦闘力を発揮できず、シーズン前半は下位グループで苦戦。前戦ハンガリーGPでは今季初となる大規模アップグレードを投入して一定の改善を見せたものの、依然として中団争いに留まっている。

    さらに、次戦オランダGPではホンダがパワーユニットのアップグレードを投入する予定であり、チームはさらなるパフォーマンス向上に期待を寄せている。

    そうした状況について、クルサードは『Up To Speed』ポッドキャストで率直な評価を下した。

    「アストンマーティン自身も『このシーズンは記録から消し去りたい』と思っているだろう」

    「唯一のポイントは、もちろんフェルナンド・アロンソがモナコで獲得したものだ。あのレースはドライバーの数よりペナルティの方が多いくらいだった」

    「アストンマーティンは、本当に、本当にひどい状態だった。率直にそう言わなければならない。本当に、本当にひどかった」

    「要約すれば、約1秒はエンジンによるもので、さらに2秒ほどはマシンによるものだった」

    しかし、その一方で将来については極めて強気な見方を示した。

    「ただ、私の言葉を覚えておいてほしい。今後2年間で、最も大きく成長するチームになるだろう」

    「私は予言する。彼らは今後2年以内にグランプリで優勝する」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム F1 ホンダ

    ニューウェイなら立て直せると確信
    クルサードが楽観的な見通しを示す最大の理由は、エイドリアン・ニューウェイの存在だ。

    数々のF1タイトル獲得マシンを手掛けてきた名デザイナーは、現在アストンマーティンF1のプロジェクトを率いており、クルサード自身も過去にともに仕事をした経験を持つ。

    その実績を知るからこそ、現在の苦境からチームを立て直せると確信しているという。

    「彼はレーサーなんだ。そして企業向けのPRをするような人物ではない」

    「見たままの人物で、それこそが彼がこの状況を乗り越えられる理由なんだ」

    「もしこれが他のチームで、他のデザイナーやテクニカルディレクター、あるいはチーム代表だったなら、おそらくもう職を失っていただろう」

    「でも相手はエイドリアンだ。彼なら必ず正しい方向へ導いてくれると分かっている」

    苦戦の2026年は飛躍への投資期間か
    クルサードの予測は大胆だが、根拠がないわけではない。アストンマーティンF1はエイドリアン・ニューウェイを中心に技術体制を刷新し、ホンダとの新たなワークス体制もまだ開発初年度にある。ハンガリーGPで投入された大型アップデートと、オランダGPで予定されるホンダのパワーユニット改良は、その再建プロジェクトの一部に過ぎない。

    現時点では成績だけを見れば厳しいシーズンとなっているが、2027年から2028年にかけて本格的に優勝争いへ加わるという見方は、F1関係者の間でも徐々に広がりつつある。2026年は将来の飛躍に向けた「土台作り」の一年となるのか、今後の進化が注目される。

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  • F1ハンガリーGPの青旗混乱をクルサードが批判「まるで幼稚園の初日だった」

    F1ハンガリーGPの青旗混乱をクルサードが批判「まるで幼稚園の初日だった」

    2026年F1ハンガリーGPで発生したブルーフラッグ(青旗)システムのトラブルについて、元F1ドライバーのデビッド・クルサードが、周回遅れの対応をしたドライバーやチームを厳しく批判した。

    レース中はFIAの自動ブルーフラッグ通知システムが一時的に停止し、マーシャルによる手動での青旗提示に切り替えられた。その影響で首位争いを繰り広げるドライバーたちは何度も周回遅れに行く手を阻まれた。

    クルサードは、たとえシステムに問題があったとしても、ドライバーやチームには十分に対応できる状況だったと指摘している。

    システム障害は「言い訳にならない」
    ハンガリーGPではブルーフラッグ通知システムの不具合により、多くの周回遅れマシンがトップグループの接近に気付くのが遅れた。

    その影響はレース展開にも及び、首位争いを演じていたオスカー・ピアストリはカルロス・サインツJr.との接触でタイムを失ったほか、マックス・フェルスタッペンもレーシングブルズ勢の対応に激怒し、無線で「間抜けども(morons)」と怒りをあらわにしていた。

    しかし、クルサードは『Up to Speed』ポッドキャストで、システム障害だけを理由にすることはできないと語った。

    「まるで学校の初日だった。いや、幼稚園の初日と言った方がいいくらい、ドライバーたちのブルーフラッグへの反応はひどかった」

    「ライブタイミングに問題があったと言う人もいるだろう。でも、自分の周囲の状況を把握する意識というものがあるし、エンジニアがピットウォール越しに状況を確認することだってできる」

    デビッド・クルサード

    「ピットウォールを見れば分かる」
    クルサードは、現代のF1ではデータへの依存が強まっているものの、エンジニア自身がコースを見れば十分に対応できたはずだと主張した。

    「中継でも話したが、今では多くのチームが、いわゆる『バカ席(prat perch)』と呼ばれるエンジニアリングウォールから実際にコースを見ることが少なくなっている」

    「トト(・ヴォルフ)の場合はガレージの中に座っているが、昔はエンジニアもチーム代表もピットウォール越しにコースを見て、周囲の状況を把握していた」

    「予選でピットアウトしたマシンとのタイミングまでは読めない。しかし決勝では各車が一定のペースで周回している。だから誰が近づいているかは普通に分かる」

    「いや、“普通に”ではない。絶対に分かる。今回の対応はまったく十分ではなかった」

    データ依存への警鐘
    今回のブルーフラッグ混乱では、FIAの自動通知システムの一時的な停止が発端となった一方で、チーム側の情報共有やドライバー自身の状況認識にも課題が浮き彫りとなった。

    クルサードは今回の騒動を、単なるシステムトラブルではなく、データや自動通知への依存が進む現代F1への警鐘と位置づけた。テクノロジーが進化した時代だからこそ、ドライバーとチームにはコース上の状況を自ら把握し、適切に判断する基本的なレースマネジメントが欠かせないと強調し、ハンガリーGPでの対応は「まったく十分ではなかった」と厳しく締めくくった。