フェラーリは、2020年からフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)に所属してきたディーノ・ベガノビッチについて、2026年限りで育成プログラムから外す一方、2027年もテスト兼開発ドライバーとしてチームに残す方針を固めたとGPblogが報じた。
現在22歳のベガノビッチはF2で2年目のシーズンを戦っているが、フェラーリはF1レースシートへの昇格候補としてではなく、シミュレーターやTPC(旧型車テスト)を担う開発要員として高く評価しているという。
今後はF2を離れ、フェラーリのWECプログラムを含めた新たなレース活動に進む可能性もある。
フェラーリ育成で6年間 F3とF2で勝利を経験
ベガノビッチは2020年にFDAへ加入し、フェラーリの支援を受けながらジュニアカテゴリーでキャリアを積み重ねてきた。
F3とF2の両カテゴリーでレース優勝を記録し、上位争いに加わる実力を示してきた一方、いずれもタイトルを本格的に争うところまでは到達していない。
現在はDAMSからF2に参戦しており、先週末にマドリンクで行われたF2スペイン大会ではフィーチャーレースを制した。2026年シーズンはF2で2年目となるが、現時点では今季限りで同カテゴリーを離れることが基本線とされている。
F1では4回のフリー走行に出走
ベガノビッチはジュニアカテゴリーでの活動と並行し、フェラーリのシミュレーターおよびテストドライバーとしてF1マシンの開発にも関わってきた。
これまでF1のフリー走行には計4回出走。2026年はスペインとオーストリアでFP1を担当し、各チームに義務付けられているルーキードライバー起用枠をフェラーリが消化するうえでも役割を担った。シーズン後半にさらに走行機会が与えられる可能性もあるという。
こうした活動を通じ、フェラーリはベガノビッチの技術的なフィードバックや開発能力を評価している。
フェラーリF1のレースシート昇格は構想外
一方、ベガノビッチがフェラーリからF1のフル参戦シートを獲得する可能性は低くなっている。
フェラーリはこれまでの働きを評価しているものの、将来的にスクーデリアのF1レースシートを与える構想には入れていないとされる。
その姿勢は、他チームへの送り出し方にも表れている。フェラーリはオリバー・ベアマンやラファエル・カマラについて、F1で経験を積ませるために他チームのシートを確保する方向で動いてきたが、ベガノビッチについて同様の計画を進めてはいないという。
つまり、FDAでの育成期間が終了することはフェラーリとの関係そのものが終わることを意味しない。むしろ、レースドライバー候補から開発を支えるドライバーへと役割を切り替える形となる。

2027年もシミュレーターとTPCで開発に参加へ
フェラーリは2027年以降もベガノビッチをチーム内に残すことを強く望んでいるとされる。
想定されているのは、シミュレーターでの開発作業に加え、TPC(Testing of Previous Cars)での実走テストを担当する役割だ。
現代のF1ではシミュレーターと実車の相関確認がマシン開発において重要な意味を持つ。F1マシンでの走行経験を持ち、フェラーリのシステムを長年理解しているベガノビッチを継続して起用することには、チーム側にもメリットがある。
特に2026年から新しいF1技術規則が導入されたなか、開発ドライバーによるシミュレーター作業やTPCでのデータ収集は、レースドライバーを支える重要な役割となる。
F2卒業後はWEC参戦も選択肢
まだ明らかになっていないのが、2027年にベガノビッチがどのカテゴリーでレース活動を続けるかだ。
原則として今季限りでF2を離れる見通しだが、その後の参戦先は決まっていない。
ひとつの選択肢として考えられるのが、フェラーリのWEC(FIA世界耐久選手権)プログラムである。
22歳という若さに加え、シングルシーターで豊富な経験を積み、F1マシンもドライブしてきたベガノビッチは、フェラーリの耐久レース部門にとって将来を見据えた若手人材になり得る。
ただし、現段階でWEC参戦が決定したわけではなく、2027年のレースプログラムについては不透明な部分が残っている。
6年間にわたったFDAでの育成期間には区切りがつく見通しだが、ベガノビッチとフェラーリの関係は2027年も続くことになる。F1レースシートへの直接的な道は遠のく一方、フェラーリはその経験と開発能力を評価し、次の役割を用意する方針だ。
