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  • ディーノ・ベガノビッチ フェラーリ育成を卒業へ F1昇格構想から外れる

    ディーノ・ベガノビッチ フェラーリ育成を卒業へ F1昇格構想から外れる

    フェラーリは、2020年からフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)に所属してきたディーノ・ベガノビッチについて、2026年限りで育成プログラムから外す一方、2027年もテスト兼開発ドライバーとしてチームに残す方針を固めたとGPblogが報じた。

    現在22歳のベガノビッチはF2で2年目のシーズンを戦っているが、フェラーリはF1レースシートへの昇格候補としてではなく、シミュレーターやTPC(旧型車テスト)を担う開発要員として高く評価しているという。

    今後はF2を離れ、フェラーリのWECプログラムを含めた新たなレース活動に進む可能性もある。

    フェラーリ育成で6年間 F3とF2で勝利を経験
    ベガノビッチは2020年にFDAへ加入し、フェラーリの支援を受けながらジュニアカテゴリーでキャリアを積み重ねてきた。

    F3とF2の両カテゴリーでレース優勝を記録し、上位争いに加わる実力を示してきた一方、いずれもタイトルを本格的に争うところまでは到達していない。

    現在はDAMSからF2に参戦しており、先週末にマドリンクで行われたF2スペイン大会ではフィーチャーレースを制した。2026年シーズンはF2で2年目となるが、現時点では今季限りで同カテゴリーを離れることが基本線とされている。

    F1では4回のフリー走行に出走
    ベガノビッチはジュニアカテゴリーでの活動と並行し、フェラーリのシミュレーターおよびテストドライバーとしてF1マシンの開発にも関わってきた。

    これまでF1のフリー走行には計4回出走。2026年はスペインとオーストリアでFP1を担当し、各チームに義務付けられているルーキードライバー起用枠をフェラーリが消化するうえでも役割を担った。シーズン後半にさらに走行機会が与えられる可能性もあるという。

    こうした活動を通じ、フェラーリはベガノビッチの技術的なフィードバックや開発能力を評価している。

    フェラーリF1のレースシート昇格は構想外
    一方、ベガノビッチがフェラーリからF1のフル参戦シートを獲得する可能性は低くなっている。

    フェラーリはこれまでの働きを評価しているものの、将来的にスクーデリアのF1レースシートを与える構想には入れていないとされる。

    その姿勢は、他チームへの送り出し方にも表れている。フェラーリはオリバー・ベアマンやラファエル・カマラについて、F1で経験を積ませるために他チームのシートを確保する方向で動いてきたが、ベガノビッチについて同様の計画を進めてはいないという。

    つまり、FDAでの育成期間が終了することはフェラーリとの関係そのものが終わることを意味しない。むしろ、レースドライバー候補から開発を支えるドライバーへと役割を切り替える形となる。

    ディーノ・ベガノビッチ スクーデリア・フェラーリ

    2027年もシミュレーターとTPCで開発に参加へ
    フェラーリは2027年以降もベガノビッチをチーム内に残すことを強く望んでいるとされる。

    想定されているのは、シミュレーターでの開発作業に加え、TPC(Testing of Previous Cars)での実走テストを担当する役割だ。

    現代のF1ではシミュレーターと実車の相関確認がマシン開発において重要な意味を持つ。F1マシンでの走行経験を持ち、フェラーリのシステムを長年理解しているベガノビッチを継続して起用することには、チーム側にもメリットがある。

    特に2026年から新しいF1技術規則が導入されたなか、開発ドライバーによるシミュレーター作業やTPCでのデータ収集は、レースドライバーを支える重要な役割となる。

    F2卒業後はWEC参戦も選択肢
    まだ明らかになっていないのが、2027年にベガノビッチがどのカテゴリーでレース活動を続けるかだ。

    原則として今季限りでF2を離れる見通しだが、その後の参戦先は決まっていない。

    ひとつの選択肢として考えられるのが、フェラーリのWEC(FIA世界耐久選手権)プログラムである。

    22歳という若さに加え、シングルシーターで豊富な経験を積み、F1マシンもドライブしてきたベガノビッチは、フェラーリの耐久レース部門にとって将来を見据えた若手人材になり得る。

    ただし、現段階でWEC参戦が決定したわけではなく、2027年のレースプログラムについては不透明な部分が残っている。

    6年間にわたったFDAでの育成期間には区切りがつく見通しだが、ベガノビッチとフェラーリの関係は2027年も続くことになる。F1レースシートへの直接的な道は遠のく一方、フェラーリはその経験と開発能力を評価し、次の役割を用意する方針だ。

  • フェラーリF1 イタリアGPで新PU投入を正式確認 ADUOで性能向上

    フェラーリF1 イタリアGPで新PU投入を正式確認 ADUOで性能向上

    フェラーリは、2026年F1第13戦イタリアGPでSF-26にアップデートされたパワーユニットを投入することを正式に認めた。ADUO(追加開発・アップグレード機会)の枠組みを利用した今季2度目のアップグレードで、約15馬力の向上が見込まれている。

    ハンガリーGPとオランダGPでマクラーレンが連勝する一方、フェラーリは直近の勢力図でマクラーレンやメルセデスに後れを取っている。しかし、パワーが重要となる高速のモンツァを前に、マラネロには巻き返しへの期待が高まっている。

    ADUOを活用してモンツァでPUをアップグレード
    今回のアップグレードは、F1のADUO制度によって認められた追加開発機会を利用したものだ。最新のADUO評価では、レッドブル・パワートレインズの内燃エンジンが基準となっており、フェラーリには開発機会が与えられている。

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、ホームレースとなるイタリアGPを前に、アップデートされたパワーユニットを投入することを明らかにした。

    「モンツァはフェラーリにとって常に非常に特別な週末だ」とバスールは語った。

    「ティフォシの前でレースをすることはチーム全体に信じられないほどのエネルギーを与えてくれる。今年はさらに、ミハエル・シューマッハと、彼が我々の会社に残したレガシーを称えるという感情的な意味も加わる」

    「絶え間なく改善を追求する姿勢、細部へのこだわり、そしてチームワークに対する強い信念。これらは現在も我々にとって重要な価値観であり続けている」

    そして、パフォーマンス面についてバスールは次のように説明した。

    「パフォーマンス面では、ADUOで利用可能な開発機会の一環として、アップデートされたパワーユニットを投入する。これは正しい方向への一歩であり、我々も理解しているように、今年はまさに小さな改善を積み重ねていくシーズンだ」

    スクーデリア・フェラーリ

    約15馬力向上 モンツァで効果に期待
    今回のアップグレードによる出力向上は約15bhpと報じられている。実際の効果はエネルギーマネジメントやマシン側のセットアップにも左右されるが、長いストレートと低ドラッグ性能が重要となるモンツァでは、その恩恵を引き出しやすい。

    シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンにとって、ストレートでのパフォーマンス向上は大きな武器となる可能性がある。

    また、今回の動きで注目されるのがADUOによるメーカー間の開発機会の違いだ。最新評価で基準となっているレッドブル側には同制度による追加アップグレードの機会が与えられない一方、フェラーリを含む基準を下回ったメーカーには性能差に応じた開発機会が認められている。

    そのため、フェラーリにとって今回のアップグレードは単なるモンツァ専用の強化ではなく、シーズン後半に向けてパワーユニットの差を縮める重要な一歩となる。

    シューマッハへのオマージュとともにホームGPへ
    フェラーリはイタリアGPで、ミハエル・シューマッハへのオマージュを込めたスペシャルカラーリングも採用する。シューマッハがフェラーリ加入初年度の1996年にドライブしたF310から着想を得たデザインとなる。

    ホームのティフォシ、シューマッハへのトリビュート、そして約15馬力とされるパワーユニットのアップグレード。フェラーリは複数の要素を携え、モンツァでマクラーレンとメルセデスへの反撃を狙う。

  • フェラーリF1 モンツァでADUO第2弾投入へ 15馬力向上で0.2秒短縮か

    フェラーリF1 モンツァでADUO第2弾投入へ 15馬力向上で0.2秒短縮か

    フェラーリは、2026年F1シーズン後半戦に向けてSF-26の開発攻勢をさらに強める。イタリアGPが行われるモンツァでは、パワーユニット(PU)にADUOを活用した2度目のアップデートを投入し、約15馬力の向上を狙うと報じられている。

    高速区間の比率が極めて高いモンツァでは、その効果はラップタイムにして約0.2秒に相当すると試算されている。

    フェラーリはその前戦オランダGPでも大型の空力アップデートを予定しており、夏休み明けからマシンとPUの両面で性能を引き上げる構えだ。

    モンツァでADUO第2弾 約15馬力の向上を狙う
    イタリアメディア『AutoRacer.it』によると、フェラーリはモンツァでADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities=追加開発・アップグレード機会)を利用した2度目のPUアップデートを導入する予定だという。

    ADUOは2026年から導入された制度で、基準となるパワーユニットに対して内燃エンジン(ICE)の性能が一定以上劣っているメーカーに追加の開発機会を認める仕組みだ。フェラーリは今季、この制度を利用してPUの性能差を縮める開発を進めている。

    最初のADUOによるアップデートはオーストリアGPで投入された。今回のモンツァで予定される第2弾では、さらに約15馬力の性能向上が見込まれているという。

    モンツァは長い全開区間を持ち、PU性能がラップタイムに大きく影響するサーキットだ。そのため15馬力の上積みは大きな意味を持ち、約0.2秒のラップタイム短縮につながると試算されている。

    ザントフォールトではSF-26に大型空力アップデート
    フェラーリの後半戦に向けた攻勢はPUだけではない。

    夏休み明け最初のオランダGPでは、SF-26に重要な空力アップデートを投入する予定とされる。狙いは単純なダウンフォース増加ではなく、空力効率の改善とマシンの作動領域を広げることにある。

    2026年のフェラーリはシーズンを通じて継続的に新パーツを投入してきた。SF-26の基本性能を生かしながら弱点を段階的に修正する開発を続けており、夏休み明けもその方針を維持する。

    ザントフォールトでシャシー側を進化させ、その翌戦モンツァではPU側を強化するという流れになる。

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    最終アップデートはオースティンを予定
    さらにフェラーリは、アメリカGPが開催されるオースティンで今季最後となるアップデートパッケージを投入する計画だという。

    これによってSF-26の2026年シーズン中の主要な開発プログラムは完了する見通しだ。

    SF-26はすでに今季2勝を記録している。序盤に優位を築いたメルセデスとの差が縮まるなか、フェラーリにとって夏休み明けの一連のアップデートは、シーズン終盤の勢力図を左右する重要なものになる。

    フェラーリが狙う2008年以来のコンストラクターズ王座
    チーム代表のフレデリック・バスールはハンガリーGP後、現状ではドライバーズタイトル以上にコンストラクターズタイトルが現実的な目標であることを示唆している。

    フェラーリが最後にF1コンストラクターズ選手権を制したのは2008年。以来、タイトルから遠ざかっている。

    2026年はメルセデスが序盤戦でリードを築いた一方、フェラーリ、マクラーレン、レッドブル・レーシングが開発によって差を縮めてきた。特に後半戦ではアップデートの効果がタイトル争いを大きく左右する可能性がある。

    ザントフォールトで空力性能を引き上げ、ホームレースのモンツァではADUO第2弾によってPUを約15馬力強化する。そしてオースティンでSF-26の最終アップデートを投入する――。フェラーリは明確な開発ロードマップを組み、2008年以来となるコンストラクターズ王座獲得へ勝負をかける。

  • フェラーリF1代表 後半戦の最優先課題「開発ペース維持が最も重要」

    フェラーリF1代表 後半戦の最優先課題「開発ペース維持が最も重要」

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、2026年シーズン後半戦でチームにとって「最も重要」なのは現在の開発ペースを維持し続けることだと強調した。

    フェラーリは前半戦を好調に戦い、コンストラクターズランキングでは2位につけている。ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールがそれぞれ1勝ずつを挙げ、ドライバーズランキングではハミルトンが首位アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)を50ポイント差で追っている。

    前半戦は「スペインGPが転換点」
    バスールは、夏休み前までのシーズンを振り返り、スペインGPを境に流れが変わったと説明した。

    「前半戦は、おそらく2つの段階に分けられると思う」

    「最初はスペインGPまでだ。その間の4〜5戦では、メルセデスが圧倒的に速く、我々より100ポイント近く多く獲得していた」

    「しかし、おそらくスペインGP以降は状況が変わり、この4〜5戦では我々の方がメルセデスより多くのポイントを獲得できた」

    フェラーリは今季、大規模アップグレードを一度に投入するマクラーレンやレッドブルとは異なり、小規模な改良を毎戦投入し続ける方針を採用している。その積み重ねが、シーズン中盤以降の巻き返しにつながったとみられる。

    課題は実行力とパワーユニット開発
    一方で、バスールはさらなる改善が必要な分野としてレース運営とパワーユニットを挙げた。

    「今日(ハンガリーGP終了時点)を基準に結論を出すなら、改善すべきなのは実行力だと言える」

    「ただ、シーズン開幕からここまでを見れば、その実行力は我々の強みでもあった」

    「エンジン面を改善しなければならないことは理解しているし、それは進めていく。ただし、エンジンはシャシーよりも開発の反応が遅く、改善には時間がかかる」

    フェラーリは今季導入されたADUO(追加開発機会)制度を利用して、すでに1回目のパワーユニットアップグレードを投入。シーズン後半には2回目の改良も予定されている。

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    「開発ペースを維持することが最重要」
    バスールは、残りのシーズンで最大のテーマは開発を止めないことだと改めて強調した。

    「最も重要なのは、この開発ペースを維持し続けることだ」

    「マクラーレンは我々とは異なる哲学を採っている。大型アップグレードを投入し、そのたびに非常に大きな前進を遂げている。直近ではマイアミかカナダだったと思う」

    「我々は違うアプローチを選んでいる。毎戦のように新しいパーツを投入し続ける方法だ」

    「この勢いを維持しなければならない。残りは11戦か12戦か、正確な数は分からないが、まだ多くのレースが残っている」

    「シャシーにはあらゆる面で改善の余地がある。だから、この開発スピードを維持し続けなければならない」

    大型アップグレードで一気に性能を引き上げるライバルとは対照的に、フェラーリは継続的な進化を積み重ねる開発哲学を貫いている。バスールは、この積み重ねこそがタイトル争いを続けるための最大の鍵になるとの考えを示した。

  • フェラーリF1 メルセデスの“予選トリック”導入へ ハンガリーGPで極秘テスト

    フェラーリF1 メルセデスの“予選トリック”導入へ ハンガリーGPで極秘テスト

    フェラーリは2026年F1ハンガリーGPで、メルセデスが予選で使用しているエネルギーマネジメント手法のテストを実施していたことが明らかになった。

    この手法は、予選ラップのフィニッシュライン直前で意図的にアクセルを戻すことで、バッテリー出力を最大限維持したままラインを通過する“リフトオフ・トリック”と呼ばれるものだ。

    わずか0.05秒程度のタイム短縮効果とされるが、僅差で争われる現在のF1ではポールポジションを左右する可能性もあり、フェラーリは今後の実戦投入を視野に検証を進めている。

    メルセデスが編み出した予選用エネルギーマネジメント
    このテクニックは、メルセデスが2026年シーズン中盤から完成させたものだ。

    F1では予選ラップ終了時、バッテリー残量がゼロに近づくと電力供給を一気に止めることはできず、FIAが定める「ランプダウンレート」に従って毎秒50kW以上の段階的な出力低下を行わなければならない。

    そのため通常はフィニッシュライン手前で350kWの最大出力を維持できなくなる。

    しかしレギュレーションには「バッテリー残量がゼロになる前にドライバーがアクセルを戻した場合、このランプダウンレートは適用されない」という例外規定が存在する。

    メルセデスはこの規則を活用し、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリにイヤホンから警告音を送り、決められたタイミングでアクセルを戻させるシステムを完成させた。

    これによりフィニッシュラインまで最大350kWの電力を維持でき、アントネッリはイギリスGPとベルギーGPでポールポジション獲得にこの手法を活用した。

    なお、シーズン序盤にはMGU-Kを緊急停止させる別の方法が使われていたが、日本GP後にFIAが禁止。その後メルセデスは現在のリフトオフ方式へ切り替えている。

    スクーデリア・フェラーリ

    フェラーリもハンガリーGPで実走テスト
    ライバルチームもこの手法に注目しており、フェラーリはハンガリーGP金曜フリー走行でシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンの両名が同様の手法を試した。

    テレメトリーデータでは、ルクレールがフィニッシュライン直前でアクセルを戻し、そのまま速度を維持してラインを通過する様子が確認されている。

    両ドライバーは金曜走行でメリットを評価したが、最終的にフェラーリは予選でこの戦略を採用しなかった。

    ハンガロリンクは回生量が多く、最終コーナーからフィニッシュラインまでの距離も長いため、もともと電力に余裕がある「エネルギーリッチ」なサーキットだ。このため、このトリックによるタイム短縮効果は限定的と判断された。

    土曜日の予選では通常どおり全開のままフィニッシュラインを通過する設定に戻されていた。

    わずか0.05秒でも価値は大きい
    このテクニックで得られるアドバンテージは約0.05秒とされる。

    一見すると小さな差だが、現在のF1では予選順位が100分の1秒単位で決まるケースも珍しくない。

    実際、ハンガリーGPではハミルトンはオスカー・ピアストリ妨害による3グリッド降格処分を受ける前、ランド・ノリスのポールタイムまでわずか0.012秒差だった。

    一方で、この手法には重大なリスクもある。

    ドライバーがバッテリー残量ゼロになる前にアクセルを戻せなかった場合、ランプダウン規定違反となり失格処分を受ける可能性がある。

    そのためチームはサーキット特性や電力消費量、得られるタイム短縮効果を総合的に評価し、リスクに見合うかどうかをレースごとに判断している。

    メルセデス自身もハンガリーGPではこの手法を使用しておらず、フェラーリも今回のテスト結果を踏まえ、より効果が期待できる高速サーキットでの本格投入を検討していくとみられる。

  • フェラーリF1が“パラシュート”を取り除く ハミルトンを苦しめた弱点を改善

    フェラーリF1が“パラシュート”を取り除く ハミルトンを苦しめた弱点を改善

    ルイス・ハミルトンは2026年F1第9戦イギリスGPで優勝を逃したものの、フェラーリが投入した最新アップデートはチームにとって大きな成果となった。

    スプリントではポールポジションを獲得し、決勝でもシャルル・ルクレールが今季初優勝を達成。データ分析では、これまで高速サーキットで足かせとなっていた空力上の弱点が大きく改善されたことが明らかになっている。

    フェラーリは高速性能を大幅改善
    Motorsport Italyによると、シルバーストンでフェラーリはSF-26の空力特性を大幅に改善した。

    決勝ではハミルトンがフォルススタート(false start)のペナルティを受けたほか、アンダーステアの強いセッティングにも苦しみ、優勝争いから後退。一方のルクレールはキミ・アントネッリと首位争いを展開し、最終的に今季初勝利を手にした。

    メルセデスはレース中にアントネッリのホイールシールド破損という不運がなければ優勝していた可能性もあったが、それでもフェラーリは事前予想を大きく上回る競争力を示した。

    チームのシミュレーションでは、パワー依存度の高いシルバーストンではメルセデスに0.6~0.7秒遅れると予測していた。しかし実際の予選では、その差は0.2秒未満にまで縮まっていた。

    ハミルトンの最高速データに異変
    週末序盤にはハミルトンがスプリント予選でポールポジションを獲得した。

    その際、スピードトラップではハミルトンが全体最速を記録。これは開幕から8戦の傾向とは異なる「異常値」ともいえるデータだった。

    オーストリアGPではフェラーリは最高速で20km/h以上劣っており、アントネッリがルクレールへ急接近しすぎることを懸念する場面もあった。しかしシルバーストンではフェラーリがその弱点を大幅に改善。決勝でもハミルトンは352km/hを記録し、全ドライバー中トップスピードをマークした。

    スクーデリア・フェラーリ

    SF-26から“パラシュート”を取り除いたアップデート
    報道によると、フェラーリは今回のアップデートによって、SF-26に取り付けられていた「パラシュート」を外したような効果を得ることに成功したという。

    ブレーキダクト、バージボード、ディフューザーを見直したことで、空気抵抗を大幅に低減。マシン全体の空力効率が向上し、高速域での伸びが改善された。

    これまでフェラーリはダウンフォースを増やす開発を優先してきた一方、その代償となるドラッグ(空気抵抗)の増加には十分対応できていなかった。しかし今回のアップデートでは、その開発方針を見直した格好となる。

    オーストリアGPで初投入されたADUO支援のアップグレードは、高地特有の条件もあり評価が難しかった。しかし標高の低いシルバーストンでは効果がはっきりと表れた。

    メルセデスは依然としてストレートスピードでわずかに優位を保っており、それがハミルトンが決勝でジョージ・ラッセルを攻略できなかった一因とも考えられる。それでもフェラーリは、高速サーキットでもタイトル争いの有力候補として戦えるだけの性能を取り戻しつつあることを証明した。

  • フェラーリF1 コストキャップ下でも大型アップデート連発できる理由

    フェラーリF1 コストキャップ下でも大型アップデート連発できる理由

    フェラーリは2026年シーズン、F1のコストキャップ(予算上限)制度下にありながら、ライバルを上回るハイペースでアップデートを投入し続けている。

    その背景には、長年にわたって築き上げたイタリア国内のサプライチェーンがあり、メルセデスをはじめとするライバルには真似しにくい構造的な優位性が存在するとみられている。

    メルセデスのトト・ヴォルフ代表は、フェラーリが大型アップグレードを立て続けに投入していることについて、「このままでは資金が尽きるはずだ」と皮肉を交えながら疑問を呈した。しかし実際には、フェラーリはコストキャップ制度の範囲内でも開発を継続できるだけの「見えない武器」を持っているようだ。

    イタリア拠点ならではの“コストキャップボーナス”
    2026年のF1ではコストキャップが2億1500万ドルに設定されており、各チームは限られた予算内で開発競争を戦っている。

    ヴォルフ代表はイギリスGPで、「フェラーリがこれほど頻繁にアップデートを投入できることには少し驚いている」と語り、「彼らもそろそろ資金が尽きるはずだ」と発言。これに対しフェラーリ代表のフレデリック・バスールは「冗談だ」と一蹴していた。

    その理由について、イタリアの専門メディア『Formula Technica』は、フェラーリが持つサプライチェーンの優位性を挙げている。

    現在のF1チームの多くはイギリスの「モータースポーツ・バレー」に本拠地を置いており、メルセデス、レッドブル・レーシング、マクラーレン、ウィリアムズ、アルピーヌ、ハース、アストンマーティンなどは、同じサプライヤーや加工業者を巡って競争している。

    一方、イタリアを拠点とするフェラーリは事情が異なる。国内で直接競合するF1チームはレーシングブルズのみであり、多くの部品メーカーや加工会社を比較的余裕を持って活用できる環境にある。

    その結果、部品価格が抑えられるだけでなく、加工待ちや輸送待ちの時間も短縮されるため、新パーツをより短期間かつ低コストで完成させることが可能になる。

    つまり、同じアップグレードを製作しても、フェラーリはライバルより少ない予算で完成させられるケースが多く、コストキャップ制度の中ではこれ自体が大きなアドバンテージとなる。

    数十年かけて築いた供給網が武器
    フェラーリは数十年にわたりイタリア国内のサプライヤーや協力企業とのネットワークを構築してきた。

    設計データの受け渡しから試作品の製作、加工、品質確認までを効率的に行える体制が整っており、アップデート部品を短期間でサーキットへ投入できる。

    こうした外部協力会社との連携によって、自社設備だけに頼ることなく開発を進められるため、時間とコストの両方を削減できることが大きな強みとなっている。

    その成果は2026年シーズンにも表れており、フェラーリはマイアミGPで大型空力アップデートを投入し、スペインGPではさらに改良型パッケージを導入。ベルギーGPでは新仕様のリアウイングや排気システム、オランダGPでは空力アップデートとADUO開発トークンを活用した改良が予定されるなど、積極的な開発を続けている。

    対照的にメルセデスの本格的なアップグレードはカナダGPが中心で、その後は慎重な開発方針を採っている。

    スクーデリア・フェラーリ

    ウィリアムズ代表も「トップチームとの差」を説明
    ウィリアムズのジェームス・ボウルズ代表も、トップチームとの差は単純な予算額ではないと説明している。

    ボウルズ代表によれば、メルセデスは約12年かけて優秀なサプライヤーとの関係を築き上げ、必要な部品を適切なタイミングで供給できる生産体制を完成させた。

    一方のウィリアムズは、資金不足もあって十分な外部サプライネットワークを構築できず、同じ部品を製作するにも時間やコストが余計にかかってしまうという。

    ボウルズ代表は「メルセデスには12年間かけて築いた供給網がある。フェラーリも同じだ。トップチームは皆、そのような効率的なプロセスを持っている」と説明。「我々はそのレベルに到達する道筋を作らなければならない」と語っている。

    2026年は新レギュレーション初年度であり、開発競争がそのまま勢力図を左右している。コストキャップは各チームの支出額を制限する制度ではあるものの、長年かけて築いた供給網や生産効率まで平等にするものではない。フェラーリが見せる積極的なアップデート攻勢は、こうした”見えない資産”が大きく支えていると言えそうだ。

  • PUBG MOBILEがフェラーリと初コラボ F1マシンもゲーム内に登場

    PUBG MOBILEがフェラーリと初コラボ F1マシンもゲーム内に登場

    KRAFTON JAPANは、スマートフォン向けバトルロイヤルゲーム『PUBG MOBILE』で、フェラーリおよびスクーデリア・フェラーリHPとのコラボレーションを開始した。開催期間は2026年7月10日から9月7日までとなっている。

    今回のコラボレーションでは、フェラーリを代表する市販車4モデルに加え、スクーデリア・フェラーリHPのF1マシンもゲーム内に登場。限定デザインの車両やアクセサリー、フォトスポットなど、多彩なコンテンツが用意される。

    フェラーリの4モデルが限定仕様で登場
    今回のコラボレーションでは、フェラーリの象徴的な4モデルが専用リバリーで実装される。

    ■ Ferrari Roma
    ■ Ferrari Purosangue
    ■ LaFerrari
    ■ Ferrari SF90 XX Spider

    時代を超えたスタイルとエレガンスを現代的に解釈したFerrari Roma、スポーティさと実用性を両立したFerrari Purosangue、技術革新を体現するハイブリッドスーパーカーのLaFerrari、そしてレーシングテクノロジーを公道走行可能なモデルへと昇華させたFerrari SF90 XX Spiderが、それぞれ専用リバリーで登場する。

    フェラーリ仕様のアイテムやカスタマイズ機能も充実
    車両だけでなく、フェラーリブランドをテーマにした各種アイテムも登場する。

    ■ フェラーリデザインのパラシュート
    ■ フェラーリバックパック
    ■ フェラーリオーナメント

    さらに車両カスタマイズでは、以下のアイテムが用意される。

    ■ フェラーリ純正ホイール
    ■ フェラーリ限定デカール
    ■ フェラーリのオリジナルカラー
    ■ 公式カラーのブレーキキャリパー

    プレイヤーは好みに合わせて、ゲーム内の車両をフェラーリ仕様にカスタマイズできる。

    スクーデリア・フェラーリHPのF1マシンを展示
    コラボレーションの目玉となるのが、スクーデリア・フェラーリHPのF1マシンを展示する特別なディスプレイスタンドだ。

    プレイヤーがディスプレイに近づいて操作すると専用演出が発動し、F1マシンを間近で鑑賞できる没入型コンテンツを体験できる。

    また、2025年シーズンのスクーデリア・フェラーリHPのF1マシンとゲーム内で記念撮影できる機能も実装されており、撮影した画像はゲーム外でも共有できる。

    コラボレーション概要
    ■ 開催期間:2026年7月10日~9月7日

    ■ コラボレーション車両
    Ferrari Roma
    Ferrari Purosangue
    LaFerrari
    Ferrari SF90 XX Spider

    ■ 主な限定コンテンツ
    フェラーリ仕様の車両リバリー
    フェラーリデザインのパラシュート
    フェラーリバックパック
    フェラーリオーナメント
    フェラーリ純正ホイール
    フェラーリ限定デカール
    フェラーリカラーのブレーキキャリパー
    スクーデリア・フェラーリHPのF1マシン展示
    F1マシンとのゲーム内記念撮影

    『PUBG MOBILE』ゲーム概要
    『PUBG MOBILE』は、最大100人のプレイヤーがマップ内に配置された武器や車両、装備アイテムを駆使し、最後の1人になるまで生き残ることを目指すバトルロイヤルゲームだ。

    プレイヤーは時間の経過とともに狭くなる安全地帯の中で生存競争を繰り広げ、最後まで生き残ると「勝った!勝った!夕飯はドン勝だ!!」というメッセージが表示される。

    日本では2018年5月16日にサービスを開始し、全世界で累計10億ダウンロードを突破している。

    ■ タイトル:PUBG MOBILE
    ■ ジャンル:バトルロイヤルシューター
    ■ 対応機種:iOS/Android
    ■ 価格:基本プレイ無料(アプリ内課金あり)
    ■ 日本サービス開始日:2018年5月16日
    ■ 権利表記:© 2017 KRAFTON, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

    『PUBG MOBILE』とフェラーリ、スクーデリア・フェラーリHPによる初のパートナーシップでは、フェラーリを代表する市販車からF1マシンまで、ブランドの世界観を幅広く体験できる。車両や限定アイテムに加え、F1マシンとの記念撮影も楽しめる期間限定コラボレーションとなっている。

  • フェラーリ F1通算250勝をジョン・エルカン会長が祝福「偉大なことが起こる」

    フェラーリ F1通算250勝をジョン・エルカン会長が祝福「偉大なことが起こる」

    スクーデリア・フェラーリがF1イギリスGPで歴史的な節目を迎えた。シャルル・ルクレールが優勝を飾り、スクーデリアはF1世界選手権における通算250勝を達成。フェラーリ会長ジョン・エルカンは「全員が力を合わせれば偉大なことが起こる」と語り、チームの総力が生んだ記念すべき勝利を称えた。

    1951年にホセ・フロイラン・ゴンザレスがフェラーリ初勝利を挙げたシルバーストンで、75年後に250勝目を記録したことも大きな意味を持つ。

    現地で勝利を見届けたエルカンは、フェラーリの伝統と未来の双方にとって特別な一日だったと振り返った。

    フェラーリ通算250勝の節目を祝福
    シルバーストンで開催されたF1イギリスGPで、ルクレールはポールポジションのアンドレア・キミ・アントネッリをスタート直後にかわして首位に浮上。その後もレースをコントロールし、終盤はセーフティカー先導のままチェッカーフラッグを受けた。

    この勝利はフェラーリにとってF1世界選手権250勝目となる歴史的な1勝となった。

    レース後に発表された声明で、ジョン・エルカンは次のように喜びを語った。

    「フェラーリにとって250勝目だ。そして最初の勝利もここシルバーストンだった。今日が我々の歴史、そして何より現在と未来にとってどれほど重要な日かを示している」

    「シャルルのような素晴らしいレースをしたドライバー、ルイスをはじめ、マラネロのファクトリー、そしてここサーキットにいるチーム全員が一丸となって働けば、偉大なことが起こる」

    スクーデリア・フェラーリ

    ルクレール「本来の感触が戻ってきた」
    ルクレールにとっても、この勝利は単なる優勝以上の意味を持つものだった。ここ数戦はマシンバランスに苦しんでいたが、スプリントから予選にかけて手応えを得ており、それを決勝で結果につなげた。

    レース後、ルクレールはマシンへの自信を取り戻せたことを強調した。

    「信じられない気分だ。最後は理想的な終わり方ではなかったけれど、この数戦は本当に厳しかったので、その後に勝てたことは特別な意味がある」

    「マシンのフィーリングを取り戻すために多くの努力を続けてきた。昨日、スプリントと予選の間に何かをつかめた感触があったけれど、それを今日確認する必要があった。そして今日、その感触は本来あるべき状態に戻っていた。本当にうれしい」

    勢いを取り戻したフェラーリ
    今回の勝利はフェラーリにとってシーズン後半戦へ向けた大きな弾みとなった。ルクレールはドライバーズランキング4位につける一方、シルバーストンでノーポイントに終わったアントネッリが179ポイントでランキング首位を維持している。

    節目となる通算250勝を歴史の舞台シルバーストンで達成したフェラーリ。エルカンが語った「偉大なことが起こる」という言葉どおり、復調の兆しを見せる名門がタイトル争いへ本格的に加わるか、今後の戦いが注目される。

  • フェラーリF1 オーストリアGPで“魔法のような”新燃料投入 エンジン性能向上へ勝負

    フェラーリF1 オーストリアGPで“魔法のような”新燃料投入 エンジン性能向上へ勝負

    スクーデリア・フェラーリは今週末のF1オーストリアGPで、大きな注目を集めるパワーユニットアップグレードを投入する見通しだ。新たな燃料と組み合わせた独自の開発アプローチにより、エンジン性能の向上を狙っている。

    FIAのADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)制度によって追加開発の権利を得たフェラーリは、メルセデスとの差を縮めるだけでなく、マシン全体のパフォーマンス向上を目指している。

    フェラーリが進める異例の高温エンジン戦略
    フェラーリは今季、エンジン内部へ送り込む空気の温度を他メーカーよりも高く設定する独自のコンセプトを採用している。

    一般的なF1パワーユニットでは吸気温度を70~80度程度に抑えることが多いが、フェラーリは約100度で運用していると報じられてきた。

    高温化は熱効率の面で不利になる可能性がある一方で、冷却システムやボディワーク設計の自由度を高めるメリットがあるとされる。結果として空力性能を優先したマシン設計が可能になり、フェラーリはこの方向性に一定の手応えを得ているようだ。

    今回のオーストリアGPでは、その上限をさらに引き上げ、110度近辺での運用を目指しているとイタリアメディア『Motorsport IT』は伝えている。

    新シェル燃料との組み合わせで出力向上を狙う
    今回のアップグレードの鍵となるのが、シェルが開発した新仕様の燃料だ。

    報道では、エネルギー密度を高めた「高カロリー燃料」と表現されており、フェラーリの高温運用コンセプトと組み合わせることで、これまでにない性能領域へ到達することを目指しているという。

    この取り組みは現地メディアから「魔法のようなトリック」とも評されている。

    フェラーリはADUO制度の評価において、ベンチマークとされたレッドブル・フォード製パワーユニットに対し4~6%程度の性能不足が認定されたとされる。そのため追加アップグレード枠を活用し、エンジン出力向上を進めている。

    エンジンだけでなく空力効率改善も重要課題
    フェラーリの狙いは単純な馬力向上だけではない。

    ストレートスピード改善には出力増加と同時に空気抵抗の削減も重要であり、今回の高温コンセプトはその両面に貢献する可能性がある。

    マクラーレンのランド・ノリスはバルセロナで、フェラーリが強力なエンジンを手に入れれば「ライバル勢にとって恥ずかしいレベルになる」と語っていた。SF-26のシャシー性能を高く評価しているからだ。

    もしフェラーリがレッドブル・リンクでメルセデスと互角以上の戦いを見せることができれば、このアップグレードの効果を示す重要な証拠となるだろう。

    タイトル争いへの試金石となるオーストリアGP
    オーストリアGPは一般的に高出力エンジンが求められるサーキットとして知られており、メルセデス勢が有利と見られている。

    一方で、メルセデスは今季バッテリー関連の信頼性問題に苦しんでおり、一部ではオーストリアGPでパワーユニット出力をやや抑えて運用する可能性も報じられている。

    その状況でフェラーリのアップグレードが期待通りの成果を発揮すれば、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールは優勝争いへ本格的に加わる可能性がある。

    オーストリアGPでの結果は、フェラーリが2026年のドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方で本格的な挑戦者になれるかを占う重要な週末となりそうだ。

    【関連】
    ・F1オーストリアGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)