フェラーリF1は、2026年F1スペインGPでルイス・ハミルトンがリタイアを余儀なくされたSF-26のブレーキトラブルについて詳細な調査を進めている。初期調査では、ブレーキそのものではなく、それに付随するシステムに問題が発生した可能性が浮上している。
ハミルトンはマドリンクで行われた決勝の序盤からブレーキペダルが深くなる症状に見舞われ、次第にマシンをコース上にとどめることさえ困難になった。フェラーリは走行中に問題の解消を試みたものの改善せず、安全上のリスクを考慮してリタイアを決断した。
ターン1直後からブレーキトラブルが悪化
スタート直後、ハミルトンはターン1でレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンとサイド・バイ・サイドになった。フェルスタッペンはランオフエリアを通過し、その後FIAが「コース外に出てアドバンテージを得た」と確認したことを受け、レッドブルからポジションを戻すよう指示された。
しかし、その時点ですでにハミルトンのブレーキには異常が出始めていた。
フェルスタッペンはいったんハミルトンを前に出したものの、ブレーキ問題が悪化していたハミルトンをすぐに抜き返した。その後、ハミルトンは次々と後続車にポジションを奪われ、最終的にフェラーリからピットに戻るよう指示を受けた。
決勝後、フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは、ターン1でのフェルスタッペンとの攻防がトラブルの原因だった可能性について質問された。
「正直なところ、分からない。私が出たときにはまだマシンを調べているところだった」
バスールは、ハミルトンがブレーキペダルのストロークが長くなる症状に見舞われていたことを認めた。チームはピットウォールから対応を試みたが、問題を解消することはできなかった。
「ペダルが長くなっていた。ピットウォールから修正しようとしたが、その数コーナー後にまた同じことが起きた」
ハミルトンはマシンをコース上にとどめるために苦戦し、トラックリミット違反も重ねていた。バスールは、その状態で走行を続けることには「意味がなかった」と説明している。

初期調査では主ブレーキシステム以外が原因か
その後もフェラーリはハミルトンのSF-26について調査を継続。PlanetF1.comのトーマス・マーハーによると、現時点で原因は完全には特定されていないものの、初期調査ではブレーキ機構そのものとは別の補機類に問題が発生した可能性が示されているという。
「マドリードでルイス・ハミルトンのマシンに何が起きたのか、フェラーリでは調査が続いている。ただ、初期段階では主ブレーキシステムそのものではなく、その内部にある補機類の問題だったことが示唆されている」
さらに問題はリア側のブレーキシステムに関連していたとみられている。
ハミルトンはレース序盤に左リアをウォールに接触させる場面もあったため、フェラーリはこうした出来事も含めて原因を調査している。
FP3クラッシュ後の修復作業とは無関係の見通し
ハミルトンは前日のFP3でもクラッシュを喫していた。事故後にはフロントウイングをマシンの下に巻き込み、右フロントタイヤがパンクした状態でピットまで戻ろうとしていた。
レースエンジニアのカルロ・サンティから何度もマシンを止めるよう指示されたものの走行を続け、最終的にはFIAレースディレクターからの正式な停止要求であることを伝えられ、コース脇にマシンを止めていた。
このクラッシュによってSF-26は予選までに修復を必要としたが、現時点では土曜日の修復作業と日曜日のブレーキトラブルに関連性はないとみられている。
マーハーは「この問題は土曜日に急いで行われた修復作業とは関係しておらず、日曜日に発生した問題はリアブレーキシステムに関連したものと理解されている」と伝えている。
フェラーリは引き続き詳細な調査を進め、ハミルトンのSF-26で発生した不具合の正確な原因を特定する方針だ。
スペインGPで今季初のリタイアを喫したハミルトンはノーポイントに終わり、ドライバーズ選手権首位のアンドレア・キミ・アントネッリとの差は101ポイントに拡大した。
