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  • フェラーリF1 ハミルトンのスペインGPリタイア原因を調査「主ブレーキ系ではない」

    フェラーリF1 ハミルトンのスペインGPリタイア原因を調査「主ブレーキ系ではない」

    フェラーリF1は、2026年F1スペインGPでルイス・ハミルトンがリタイアを余儀なくされたSF-26のブレーキトラブルについて詳細な調査を進めている。初期調査では、ブレーキそのものではなく、それに付随するシステムに問題が発生した可能性が浮上している。

    ハミルトンはマドリンクで行われた決勝の序盤からブレーキペダルが深くなる症状に見舞われ、次第にマシンをコース上にとどめることさえ困難になった。フェラーリは走行中に問題の解消を試みたものの改善せず、安全上のリスクを考慮してリタイアを決断した。

    ターン1直後からブレーキトラブルが悪化
    スタート直後、ハミルトンはターン1でレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンとサイド・バイ・サイドになった。フェルスタッペンはランオフエリアを通過し、その後FIAが「コース外に出てアドバンテージを得た」と確認したことを受け、レッドブルからポジションを戻すよう指示された。

    しかし、その時点ですでにハミルトンのブレーキには異常が出始めていた。

    フェルスタッペンはいったんハミルトンを前に出したものの、ブレーキ問題が悪化していたハミルトンをすぐに抜き返した。その後、ハミルトンは次々と後続車にポジションを奪われ、最終的にフェラーリからピットに戻るよう指示を受けた。

    決勝後、フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは、ターン1でのフェルスタッペンとの攻防がトラブルの原因だった可能性について質問された。

    「正直なところ、分からない。私が出たときにはまだマシンを調べているところだった」

    バスールは、ハミルトンがブレーキペダルのストロークが長くなる症状に見舞われていたことを認めた。チームはピットウォールから対応を試みたが、問題を解消することはできなかった。

    「ペダルが長くなっていた。ピットウォールから修正しようとしたが、その数コーナー後にまた同じことが起きた」

    ハミルトンはマシンをコース上にとどめるために苦戦し、トラックリミット違反も重ねていた。バスールは、その状態で走行を続けることには「意味がなかった」と説明している。

    スクーデリア・フェラーリ

    初期調査では主ブレーキシステム以外が原因か
    その後もフェラーリはハミルトンのSF-26について調査を継続。PlanetF1.comのトーマス・マーハーによると、現時点で原因は完全には特定されていないものの、初期調査ではブレーキ機構そのものとは別の補機類に問題が発生した可能性が示されているという。

    「マドリードでルイス・ハミルトンのマシンに何が起きたのか、フェラーリでは調査が続いている。ただ、初期段階では主ブレーキシステムそのものではなく、その内部にある補機類の問題だったことが示唆されている」

    さらに問題はリア側のブレーキシステムに関連していたとみられている。

    ハミルトンはレース序盤に左リアをウォールに接触させる場面もあったため、フェラーリはこうした出来事も含めて原因を調査している。

    FP3クラッシュ後の修復作業とは無関係の見通し
    ハミルトンは前日のFP3でもクラッシュを喫していた。事故後にはフロントウイングをマシンの下に巻き込み、右フロントタイヤがパンクした状態でピットまで戻ろうとしていた。

    レースエンジニアのカルロ・サンティから何度もマシンを止めるよう指示されたものの走行を続け、最終的にはFIAレースディレクターからの正式な停止要求であることを伝えられ、コース脇にマシンを止めていた。

    このクラッシュによってSF-26は予選までに修復を必要としたが、現時点では土曜日の修復作業と日曜日のブレーキトラブルに関連性はないとみられている。

    マーハーは「この問題は土曜日に急いで行われた修復作業とは関係しておらず、日曜日に発生した問題はリアブレーキシステムに関連したものと理解されている」と伝えている。

    フェラーリは引き続き詳細な調査を進め、ハミルトンのSF-26で発生した不具合の正確な原因を特定する方針だ。

    スペインGPで今季初のリタイアを喫したハミルトンはノーポイントに終わり、ドライバーズ選手権首位のアンドレア・キミ・アントネッリとの差は101ポイントに拡大した。

  • フェラーリF1 楽天とグローバルパートナー契約 2027年からロゴ掲出

    フェラーリF1 楽天とグローバルパートナー契約 2027年からロゴ掲出

    楽天グループは9月17日、F1チームのスクーデリア・フェラーリHPと複数年にわたるグローバルパートナーシップを締結したことを発表した。契約は2027年1月1日からスタートする。

    楽天は国内企業として初めて、通信およびEコマース領域におけるスクーデリア・フェラーリHPの「チームパートナー」となる。2027年からフェラーリのF1マシンをはじめ、ドライバーのウェアやチームの活動拠点などに楽天のブランドロゴが掲出される予定だ。

    楽天とフェラーリが2027年から提携
    今回のパートナーシップは、イノベーション、テクノロジー、卓越性の追求という共通の価値観を持つ両ブランドの協力関係を構築するものとなる。

    スクーデリア・フェラーリHPがF1を通じて持つ世界的な影響力と、楽天が展開するグローバルなテクノロジーネットワークおよび「楽天エコシステム(経済圏)」を組み合わせ、新たなビジネス機会の創出を目指す。

    取り組みはF1サーキット内のスポンサー活動だけにとどまらない。Eコマースをはじめ、楽天グループで通信プラットフォーム事業を展開する楽天シンフォニーを含めた楽天エコシステムを活用し、新たな事業機会を模索する。

    また、F1という国際的なプラットフォームを通じて楽天のグローバル展開を拡大するとともに、新たなビジネス関係の構築、技術力の訴求、業界の枠を超えたイノベーションの創出につなげるとしている。

    パートナーシップの開始に伴い、楽天のブランドロゴはスクーデリア・フェラーリHPのF1マシン、ドライバーのウェア、チームの活動拠点など、さまざまな場所に掲出される予定となっている。

    スクーデリア・フェラーリ 楽天

    フェラーリ「サーキットを超えて価値を創造」
    フェラーリS.p.A.のチーフ・レーシング・レベニュー・オフィサーを務めるロレンツォ・ジョルゲッティは、楽天との提携について次のようにコメントした。

    「楽天をスクーデリア・フェラーリHPのパートナーに迎え入れることは、世界中に強力な基盤を持ち、イノベーションの力に対して共通の信念を持つ両ブランドが結び付く絶好の機会だ」

    「楽天はデジタル領域において独自のエコシステムを構築しており、その技術力はサーキットの枠を超えて我々が価値を創造するための新たな道を開いてくれる」

    「2027年より共に取り組み、このパートナーシップが双方の組織、そして我々のグローバル・コミュニティーに創造できる機会を追求していけることを楽しみにしている」

    三木谷浩史「世界中のフェラーリとF1ファンに届ける」
    楽天グループの代表取締役会長兼社長を務める三木谷浩史は、世界最高峰のモータースポーツであるF1を舞台とした今回の提携の意義を強調した。

    「最高峰のモータースポーツは、技術革新における卓越性の飽くなき追求やファンとの特別な絆の構築によって成り立っており、これこそ私たちがスクーデリア・フェラーリHPと共有している決意です」

    「このパートナーシップは、楽天が持つテクノロジーの力、デジタルエコシステム、そして独自の会員体験を世界中の何百万人もの熱狂的なフェラーリおよびF1のファンに直接届けるために、ダイナミックな世界規模の舞台をもたらしてくれるものです」

    楽天はこれまでもスポーツ分野でさまざまなパートナーシップを展開してきた。今回のスクーデリア・フェラーリHPとの複数年契約では、単なるF1マシンへのロゴ掲出にとどまらず、通信、Eコマース、テクノロジーなど楽天グループの事業を組み合わせたグローバルな取り組みを展開していくことになる。

  • フェラーリF1 ADUO第2弾投入もパワー不足 バスール「純粋な馬力が足りない」

    フェラーリF1 ADUO第2弾投入もパワー不足 バスール「純粋な馬力が足りない」

    フェラーリは、2026年F1イタリアGPでADUO制度に基づく2度目のパワーユニット(PU)アップグレードを投入したものの、依然としてメルセデスに対して「純粋なパワー」が不足している。チーム代表のフレデリック・バスールが認めた。

    高速サーキットのモンツァではPU性能の差が顕著に表れ、フェラーリは予選でシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンが2列目に並んだ一方、フロントロウはメルセデスPUを搭載するアルピーヌのピエール・ガスリーとメルセデスのジョージ・ラッセルが占めた。

    ADUO第2弾でも埋まらなかったメルセデスとの差
    フェラーリはホームレースとなったモンツァで、FIAのADUO制度を利用した第2弾のPUアップグレードを投入。SF-26には新しい仕様のエンジンが搭載された。

    しかし、パワーがラップタイムを大きく左右するモンツァでは、メルセデスとの差が依然として明確だった。

    決勝ではルクレールが序盤に約60Gの大クラッシュを喫してリタイア。ハミルトンも6位にとどまった。

    バスールは、フェラーリが抱えている問題について、エネルギーのデプロイメントではなく、根本的な出力不足だと説明した。

    「詳細を話すつもりはないが、純粋なパワーが不足している場合、それを補うためにストレートのどこかでデプロイメントを調整し始めることになる」

    「だが、ある場所でより多く使えば、当然ながら別の場所では少なくなる。戦っているときにそれをやろうとすると、悪循環に陥ってしまう」

    「正直なところ、デプロイメントの問題ではない。デプロイメント自体はまずまずだったと思う。マクラーレンでさえ金曜日と土曜日の午前中には少し調整していた」

    「結局のところ、我々には純粋なパワーが足りない」

    モンツァではメルセデスとの差が「2倍」に
    バスールによれば、フェラーリPUとメルセデスPUの性能差は、コース特性によってラップタイムへの影響が大きく変化する。

    特に長い全開区間を持つモンツァでは、その弱点がザントフォールト以上に顕在化したという。

    「現実として、ザントフォールトでXだけ不足していれば、0.2~0.3秒を失うことになる」

    「モンツァではXより少し小さい不足だったとしても――数字を推測されるから文字を使っているが――メルセデスとの差は2倍になる」

    つまり、ADUOによる改良でフェラーリPU自体の性能差が縮小していたとしても、モンツァのようにエンジン出力への依存度が高いサーキットでは、ラップタイム上の損失がより大きく表れるということだ。

    スクーデリア・フェラーリ

    ADUOは即効性のある特効薬ではない
    2026年から導入されたADUOは、PUメーカー間の性能差を縮小するため、一定の基準に応じて追加開発を認める制度である。

    フェラーリはアウディ、ホンダとともに2026年と2027年にそれぞれ2回のアップグレードが認められている。一方、メルセデスは各年1回。内燃エンジン(ICE)で最高評価を受けたレッドブル・パワートレインズには追加アップグレードが認められていない。

    ただし、バスールはADUOによって短期間で大幅に性能差を縮められるわけではないと強調する。

    「エンジンについては、プロセスが非常に長い。部品のリードタイムが長いし、コストキャップへの対応も簡単ではない」

    「シーズンに必要なエンジンを生産しなければならない。その状態ですでにかなり手いっぱいだ。そこから開発を始めようとすれば、新しいエンジンのバッチを生産する必要があり、非常に難しい」

    フェラーリとしても、ADUOの1回目、2回目だけでメルセデスとの差を一気に取り戻せるとは考えていなかったという。

    「ADUO 1やADUO 2で追いつけるとは期待していなかった。我々は小さなステップを重ねている」

    「ただ、覚えておかなければならないのは、エンジンで小さな一歩を踏み出し、たとえ数馬力でも向上させることができれば、グリッド上ではそれが大きな一歩になるということだ」

    フェラーリは2027年PUでメルセデス追撃へ
    フェラーリが本格的な巻き返しのターゲットとして見据えているのは2027年だ。

    ADUOによる段階的な改良を続けながら、次世代仕様のPUでメルセデスとの差をさらに縮めることを目指している。

    「来年には新しいエンジンがある。もちろん目標は追いつくこと、それも可能な限り早く追いつくことだ」

    「だが、2カ月でメルセデスとの差を取り戻せるとは思っていなかった」

    モンツァで投入したADUO第2弾によってフェラーリPUは着実な改善を遂げたものの、高速サーキットでは依然としてメルセデスとの差が露呈した。バスールが認めた「純粋なパワー不足」をどこまで解消できるかが、2027年に向けたフェラーリの大きな課題となる。

  • フェラーリF1 ルクレールのスペインGP欠場に備えジョビナッツィを待機

    フェラーリF1 ルクレールのスペインGP欠場に備えジョビナッツィを待機

    フェラーリが、2026年F1スペインGPに向けてアントニオ・ジョビナッツィを代役候補として待機させていると報じられた。イタリアGPで大クラッシュを喫したシャルル・ルクレールはマドリンクでFP1に出走する予定だが、その後の週末を最後まで戦えるかどうかは完全には確定していないという。

    ルクレールはモンツァで約60Gの衝撃を受け、一時的に右目の視界に問題が生じたことを明かしていた。

    ルクレールはFP1出走予定も最終判断はその後
    ルクレールの事故はF1イタリアGP決勝の序盤に発生した。オスカー・ピアストリと争っていたルクレールは、2周目のパラボリカ出口でマシンのコントロールを失い、高速でグラベルを横切ってバリアに激突。レースは赤旗中断となった。

    ルクレールは自力でSF-26から降り、サーキットのメディカルセンターで診察を受けた。重大な負傷は確認されず、その後は通常通りサーキットを離れることを許可された。

    ただし、ルクレール自身が事故直後に右目の視界に一時的な問題があったことを明かしている。症状はほどなく解消したものの、スペインGPへの出場許可を得る前に追加の検査が必要になると説明していた。

    その後に行われた検査では、ルクレールの状態について安心できる結果が得られたとRMC Motoriは伝えている。それでもフェラーリはリスクを冒すつもりはなく、最終的な確認を実際のF1マシンのコックピットで行う方針だという。

    現時点では、ルクレールはマドリンクで行われる金曜日のFP1に通常通り出走する予定となっている。フェラーリはそこで身体の状態やドライビング中の感覚を確認し、予選と決勝を含めた残りの週末を問題なく戦える状態にあるかを判断するとされている。

    ジョビナッツィを代役として事前待機
    そこでフェラーリが“プランB”として準備しているのがアントニオ・ジョビナッツィだ。

    RMC Motoriによると、フェラーリはルクレールがスペインGPへの出場を継続できない場合に備え、ジョビナッツィに事前に待機するよう連絡したという。現段階で交代が決まったわけではなく、あくまで万一に備えた予防的な措置とされている。

    ジョビナッツィは現在、フェラーリのWEC(FIA世界耐久選手権)プログラムで499Pをドライブする一方、F1チームでもリザーブドライバーを務めている。

    スペインGPの直前には米国で行われたWEC第6戦ローンスター・ル・マンに出場。アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラドとともに51号車フェラーリ499Pをドライブした。

    ハイパーポールではキャデラックのジャック・エイトケンとまったく同じタイムを記録し、先にタイムを出していたことでポールポジションを獲得。決勝でも序盤をリードしたが、複数の不運と最後のセーフティカーのタイミングに翻弄され、51号車は11位に終わった。一方、50号車のアントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン組が優勝している。

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

    実現すれば2021年以来のF1復帰
    ジョビナッツィは2017年にザウバーからF1デビューし、2019年から2021年までアルファロメオのレギュラードライバーを務めた。

    最後にF1決勝を戦ったのは2021年アブダビGPであり、仮にスペインGPでルクレールの代役を務めることになれば、約5年ぶりのF1レース復帰となる。また、フェラーリのワークスF1マシンでグランプリに出場するのは初めてとなる。

    ジョビナッツィはF1のレギュラーシートを失った後も復帰への希望を隠してこなかった。2022年に将来について質問された際には、F1に戻りたいという意思を明確にしていた。

    「分からないよ。それは僕に聞く質問じゃない」

    「もちろん来年はここにいたい。それは秘密でも何でもない。でも、僕の手の中にあることではない」

    「だから、何ができるか見てみよう。今はこの2回のセッションでいい仕事をすることに集中している。ひとつは終わった。もうひとつ残っている」

    その後、ジョビナッツィはフェラーリのスポーツカープログラムで重要な役割を担いながら、F1でもリザーブとしてチームとの関係を維持してきた。

    現時点でフェラーリが想定している基本シナリオは、ルクレールがスペインGPの全セッションに通常通り出場することに変わりはない。ただし、FP1を走った後にルクレールの身体に問題が確認された場合には、無理をさせずジョビナッツィへ交代できる態勢を整えている。

    モンツァでの激しいクラッシュから数日しか経っていないだけに、フェラーリにとって最優先事項はルクレールの安全だ。スペインGPでの出場継続については、マドリンクでSF-26を実際に走らせた際のルクレールの状態が最終的な判断材料となりそうだ。

  • フェラーリF1 チームオーダー方針転換か バスール代表が検討を示唆

    フェラーリF1 チームオーダー方針転換か バスール代表が検討を示唆

    フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは、2026年F1イタリアGPを経て、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールの間でチームオーダーを導入する可能性について話し合う考えを示した。

    これまでバスールは、シーズン途中で一方のドライバーを優先することに慎重な姿勢を貫いてきた。しかし、モンツァでルクレールがリタイアし、ハミルトンとのポイント差が36点に拡大。

    さらに決勝1周目には両者が接触する場面もあり、フェラーリは今後のタイトル争いを見据えてドライバー間の運用を改めて検討する局面を迎えている。

    モンツァの1周目でハミルトンとルクレールが接触
    チームオーダーをめぐる議論が再び注目された直接のきっかけは、F1イタリアGP決勝のオープニングラップだった。

    ハミルトンは第1シケインのターン1でルクレールのイン側に入り、ターン2ではアウト側に並んだ。しかし、ルクレールとの攻防でコース外のグラベルへ押し出される形となり、ハミルトンは10番手まで順位を落とした。

    これによってフェラーリは、2台を使って戦略的にレースを組み立てる機会を事実上失った。その後、ルクレールは次の周にクルバ・アルボレート(パラボリカ)で激しくクラッシュし、レースを終えている。

    レース後、バスールは1周目の一件について、まずドライバー本人たちと話をしたいとの姿勢を示した。

    「ルイスとは2秒くらい話したが、シャルルとはまったく話していない。だから、この件について話し合う時間はまだなかった」

    何が起きたと考えているのかと問われても、バスールは評価を控えた。

    「いや、まず君たちと話すより先に、彼らと話をしたい」

    チームオーダーに慎重だったバスール
    バスールはこれまで、ハミルトンとルクレールのどちらかを明確に優先するチームオーダーの導入には慎重だった。

    その考えを説明する際には、前年のマクラーレンを例に挙げている。シーズンの同じ段階でオスカー・ピアストリを明確に優先していれば、結果としてマックス・フェルスタッペンにF1ドライバーズタイトルを渡すことになっていた可能性があるというのがバスールの見方だった。

    つまり、タイトル争いの可能性を持つ2人のドライバーがいる段階で、早々に一方へチームのリソースを集中させることにはリスクがあるという考えだ。

    フェラーリもこれまで、ハミルトンとルクレールを基本的に対等な立場で競わせてきた。

    スクーデリア・フェラーリ

    ハミルトンとルクレールの差は36ポイント
    しかし、F1イタリアGPを終えて状況は変化しつつある。

    ルクレールがモンツァでノーポイントに終わったことで、ハミルトンのリードは36ポイントまで拡大した。シーズンが終盤へ向かうなか、この差はフェラーリがドライバーズ選手権を戦ううえで無視できないものになりつつある。

    そのためバスールは、これまでの慎重な姿勢から一歩踏み込み、今後のチームオーダーについてハミルトン、ルクレールと話し合う可能性を示唆している。

    一方で、ハミルトン自身はチームオーダーを導入するのであれば、すでにタイミングを逸しているとの考えを持っている。

    フェラーリにとって問題となるのは、単純な36ポイントという数字だけではない。モンツァではスタート直後に2台が直接争ったことでハミルトンが大きく順位を落としており、タイトル争いが佳境に入るなかで同様の事態を繰り返すリスクも浮き彫りになった。

    バスールはイタリアGP直後の段階では具体的なチームオーダー導入を明言していない。それでも、まず両ドライバーと話し合う姿勢を示したことは、これまで対等な競争を重視してきたフェラーリが今後の運用を再検討する可能性を示すものとなった。

  • フェラーリF1 バスールが語る終盤戦変更の影響「開発に回せる資金が増える」

    フェラーリF1 バスールが語る終盤戦変更の影響「開発に回せる資金が増える」

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、2026年シーズン終盤のカレンダーが変更された場合、コストキャップの面でチームの開発に思わぬ恩恵をもたらす可能性があると説明した。

    イランを巡る紛争の影響により、カタールGPとアブダビGPが予定通り開催できるかは依然として不透明となっている。

    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、中東で予定されている最後の2戦について9月中旬をめどに最終判断を下す方針を示しており、中止となった場合にはイモラでの欧州代替戦が候補に挙がっている。

    中東2戦の開催可否で変わるPU運用
    シーズン終盤のカレンダー変更は、各チームのパワーユニット(PU)運用にも影響を及ぼす。残りのレース数が確定しなければ、各コンポーネントをどのように割り振るかという計画を立てにくくなるためだ。

    ただし、バスールはフェラーリについては十分な余裕があり、大きな問題にはならないとの見方を示している。

    「エンジンの使用については、残りが10戦なのか12戦なのか分からない状態で何かを組み立てるのは、確かに簡単ではない。ただ、我々にはそれを管理するだけの十分な余裕があると思う。今季ここまで、パワーユニット側ではほとんど問題も起きていない」

    一方、残り2戦の開催可否によってフェラーリの最終的な開発計画そのものを変更することはないという。

    「開発計画は変わらない。最後の2戦だからだ。最後の2戦に新しいものを持ち込むことはない」

    中東遠征の巨額コストを開発費へ転用可能
    より大きな影響が予想されるのがコストキャップだ。

    カタールとアブダビで2戦を開催するためには、マシンや機材、人員を中東へ輸送する巨額のロジスティクス費用が必要になる。一方、欧州での代替開催となれば、その費用の一部を節約し、別の用途へ振り向けられる可能性がある。

    「コストキャップについては、もう少し難しいポイントになるかもしれない。アブダビとカタールへ行って2レースを戦うための費用は莫大だからだ」

    「そこへ行かなければ、その前にその資金を別のところで使うことができる。開発でも、それ以外でもいい。これは我々だけではなく、グリッドのほぼすべてのチームに当てはまると思う」

    特にコストキャップ上限まで予算を使っているチームにとって、中東遠征がなくなれば、浮いた費用を10月の開発活動などへ振り向けることが可能になる。収益性の高い最後の2戦から得られる収入が支払われるかどうかとは別に、支出面で新たな余地が生まれるためだ。

    2026年のコストキャップは2億1500万ドル。上限付近まで予算を投入しているチームであれば、カタールGPとアブダビGPの遠征費が不要になった分だけ、開発やその他の活動へ予算を再配分できる。

    一方、予算規模がコストキャップを大きく下回るハースにとっては、この仕組みの恩恵は相対的に小さく、むしろ上限まで予算を使うライバルが開発費を増やせることで不利になる可能性がある。アルピーヌについても、予算が上限に達しているかは明確ではない。

    9月末が物流面での決断期限
    ただし、カレンダー変更を決めるタイミングには限界がある。

    中東ラウンドを実施する場合、各チームは事前に大量の機材を現地へ送り出す必要があり、開催直前まで判断を先送りすることはできない。

    「どこかの時点で決断しなければならない。ただ、物流上の理由から、全体として9月末までには決める必要があると思う。中東へ機材を送らなければならないので、それ以上先延ばしすることはできない」

    バスールは、9月末までに決定されれば、その後のシーズンを組み立てる時間としては十分だと考えている。

    「9月以降の最後の6戦、あるいは7戦を管理するには十分早い時期だと思う」

    フェラーリがモンツァで重視する「完璧な仕事」
    シーズン終盤のカレンダーが不透明ななか、フェラーリはホームレースとなるF1イタリアGPをモンツァで迎える。

    バスールは、そこで結果を左右するのはマシンが本来持っている純粋な速さだけではなく、週末を通じてその性能をどこまで引き出せるかだと強調した。

    「我々はベストを尽くす。今季ここまで、予想していなかった結果を得られたこともあれば、もっと良い結果を期待していたのに、より苦しんだこともあった」

    前戦オランダGPでは、フェラーリだけでなく上位勢全体にとって、わずかなミスや週末の組み立ての違いが最終順位を大きく左右することが改めて示されたとバスールは考えている。

    「純粋なポテンシャルよりも、実行面で得られるものの方がはるかに大きいと思う。オランダGPから得た最大の教訓は、勝ちたい、トップに立ちたいのであれば、完璧な仕事をしなければならないということだ」

    その例としてバスールが挙げたのが、メルセデスのジョージ・ラッセルだった。

    「これは我々だけではなく、ジョージにも当てはまる。彼はスプリントでは優勝したが、決勝では3位で、我々の後ろの5位で終わるところまでそれほど遠くなかった」

    「実行がうまくいくか、うまくいかないかによって、1位から6位まで動く余地がある。トップ6全員に当てはまるし、マックス(フェルスタッペン)を含めればトップ7だ」

    モンツァでフェラーリが問われるのは、SF-26の絶対的な性能だけではない。僅差で争う上位勢のなかで、セットアップ、予選、戦略、ピット作業まで含めた週末全体をどれだけミスなくまとめられるかが、ホームGPでの結果を大きく左右することになる。

  • フェラーリF1技術責任者ロイック・セラ SF-26を「自分のマシン」と呼ばない理由

    フェラーリF1技術責任者ロイック・セラ SF-26を「自分のマシン」と呼ばない理由

    フェラーリのシャシー部門テクニカル・ディレクターを務める54歳のロイック・セラは、2026年F1マシン「SF-26」の競争力に一定の手応えを感じながらも、現状に満足する姿勢を見せていない。

    メルセデスからフェラーリに加入し、シャシーおよび空力部門を率いるセラにとって、SF-26はマラネロで開発の全サイクルに深く関与した最初のマシンとなる。

    それでも本人は「自分のマシン」と表現することを避け、現在の成果は組織全体によるものだと強調した。

    ロイック・セラが重視する「アップデートの相対性」
    2024年、フェラーリF1チーム代表のフレデリック・バスールが人材補強について「トップガイ」の加入を語った際、その中心人物のひとりとみられていたのがロイック・セラだった。

    サスペンションやタイヤ分野を専門としてメルセデスで経験を積んだセラはフェラーリ加入後、エンリコ・カルディレの後任としてシャシー部門テクニカル・ディレクターの役割も担うことになった。

    2026年のSF-26は、パワーユニット側に課題を抱えながらもシャシー面では高い競争力を示している。しかし、セラはAutosprintのインタビューで、現時点でフェラーリの仕事に評価を下すのは早すぎるとの考えを示した。

    「このフェラーリに点数をつけるのか? それはシーズンが終わってからでなければできない。まだシーズンの半分であり、結論を出すには本当に早すぎる」

    「私が満足しているのは、チーム内部のダイナミクスだ。シーズン序盤から見てきたように、各チームは段階的に進歩し、それぞれ異なるタイミングでアップデートを投入している。このプロセスは同期していない」

    F1では、アップデートによる純粋な性能向上が、そのままライバルとの順位差として表れるわけではない。自分たちが速くなっていても、同じタイミングでライバルも同等以上の改善を果たせば、相対的なポジションは変わらないためだ。

    「あるマシンが開発を投入すれば、通常は直接のライバルに対して一歩前進する。したがって、今日前にいるチームでも、他がマシンをアップデートすれば相対的には一歩後退することになる」

    「だからこそ、本当の基準が得られ、自分たちを評価できるのはシーズン終了時だと考えている。F1では明日に集中していない者は、必然的に後れを取ることになる」

    スクーデリア・フェラーリ

    マイアミとバルセロナの大型アップデートは「期待通り」
    フェラーリは2026年シーズン前半、マイアミとバルセロナでSF-26に大規模なアップデートパッケージを投入した。

    セラによれば、いずれもファクトリーで予測していた性能向上を実際のコース上で確認できており、開発そのものは狙い通りに進んでいるという。

    「我々は2つの大きなパッケージを投入した。マイアミとバルセロナだが、どちらも期待していた通りに機能した」

    ただし、セラが重要視するのはアップデート単体の効果ではなく、ライバルとの開発競争の中でどれだけ優位性を生み出せたかという点だ。

    「マシンをアップデートするときには、一定のパフォーマンス向上を期待する。しかし、他のチームも同じことをすれば、外から見たときの効果はゼロになる」

    「パッケージの効果は、常に他のチームが何をしているかとの相対的なものだ」

    その具体例としてセラが挙げたのが、バルセロナとオーストリアでの競争力の違いだった。

    「2回目のアップグレードを投入したとき、おそらく他のチームは同じタイミングでは我々ほど開発を進めていなかった。重要なのは開発がどのように進んでいくかだ」

    「バルセロナでは我々は良かった。しかし、オーストリアでは同じではなかった。その間に他のチームも成長していたからだ」

    つまりSF-26の開発を評価するには、単純にアップデート前後のラップタイムを見るだけでは不十分ということになる。投入時期やライバルの開発サイクルまで含めて評価する必要があるというのがセラの考えだ。

    「SF-26は私のマシンではない」
    SF-26は、セラがフェラーリ加入後に最も多くのエネルギーを注いだF1マシンでもある。

    2026年にはシャシーとパワーユニットの技術規則が大幅に変更され、従来型マシンを発展させるのではなく、基本コンセプトから新たに構築する必要があった。その意味では、セラがこれまでフェラーリで最も深く関与してきたマシンといえる。

    しかし、セラ自身はSF-26を自らの作品として捉えることには明確に距離を置いている。

    「このマシンを私のものだとは考えていない。むしろ、多くの専門家で構成された大きなチームの仕事によって生まれたものだ」

    「もちろん、マラネロに来てから最も多くのエネルギーを注いできたマシンではある。完全に新しいマシンであり、新しいレギュレーション時代の始まりでもあるため、我々は白紙の状態からスタートしなければならなかった」

    SF-26の開発は、前年型のコンセプトを継承しながら改良を積み重ねる通常のシーズンオフの開発とは性質が異なっていた。

    「ある年のコンセプトを翌年に向けて発展させるのとは違う。あらゆる面でゼロから始めたプロジェクトだった」

    「そして、それは今も常に書き換えられている。継続的に開発されているプロジェクトだ」

    フェラーリ復活でもセラは満足せず「常にその先を目指す」
    2026年のフェラーリは、SF-26のシャシー性能を武器にタイトル争いへ加わり、シーズン中も継続的にアップデートを投入している。

    一方でセラの発言からは、現在の競争力そのものよりも、開発速度をシーズンを通して維持できるかを重視していることが読み取れる。

    F1の開発競争では、一度成功したアップデートが長期間にわたってアドバンテージを保証するわけではない。マイアミとバルセロナで得た前進も、ライバルが追随すれば相対的な優位性は失われる。セラが強調するように、重要なのは個々のアップデートではなく、シーズンを通じた開発の進歩そのものだ。

    また、SF-26を「私のマシンではない」とする言葉には、ひとりの技術者の成果としてではなく、フェラーリの多くの部門とスタッフが共同で作り上げたプロジェクトとして評価する姿勢も表れている。

    そして「このフェラーリに満足しているか」と問われたセラは、現在の立場を端的に表現した。

    「完全に満足することは決してない。我々は常にその先を追求し、さらに前へ進んでいかなければならない」

  • フェラーリF1代表 ハミルトンの5秒ペナルティは「一連のミスの積み重ね」

    フェラーリF1代表 ハミルトンの5秒ペナルティは「一連のミスの積み重ね」

    ルイス・ハミルトンが2026年F1第11戦ハンガリーGPで受けた5秒ペナルティについて、フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは「一連のミスの積み重ね」が原因だったと説明した。

    ハンガロリンクではSF-26のシャシー性能を武器に優勝候補と目されていたフェラーリだったが、表彰台を逃す結果に終わった。ハミルトンは予選での進路妨害ペナルティに続き、決勝ではピットレーン速度違反により5秒ペナルティを科され、悔しい週末となった。

    ピット進入のロックアップが連鎖の始まり
    決勝終盤、オスカー・ピアストリがマシントラブルでストップしたことによるバーチャル・セーフティカー(VSC)中、フェラーリはハミルトンをソフトタイヤへ交換。ハミルトンは表彰台争いを続けていたが、ピットレーンで制限速度を0.1km/h超過したことで5秒ペナルティを受け、最終的に5位へ後退した。

    バスールは、ハミルトンがピット進入時にタイヤをロックさせたことが、その後の判断に影響したと説明した。

    「すべてのペナルティを同じように考えるのは難しい。私にとってスパでの(ジョージ・)ラッセルとの接触はレーシングインシデントだ」

    「もし同じ場面をもう一度やるとしても、私は彼にまったく同じことをするよう求める。縁石へ逃げることはできなかったからだ」

    「今日については、一連のミスだった。ピット進入でタイヤをロックさせ、ピットストップでコンマ数秒を失った。そして、その遅れを取り戻そうとして、ピットレーン速度制限解除のタイミングを最適より少し早めてしまったのだろう」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    「一つのミスが次のミスを招いた」
    バスールは、一度ミスが起きると、その後も焦りからミスが連鎖しやすくなると語り、今回のレースはその典型例だったと振り返った。

    「一つミスをすると、その後にさらにミスをしてしまうのは珍しいことではない。この週末はその良い例だった」

    「ピットストップで限界まで攻めようとした結果、ピット出口ではコンマ2秒ほど前車に遅れていた。そうした出来事が積み重なった結果だ」

    「ペース自体は悪くなかった。しかし序盤はマックス(フェルスタッペン)をまったく攻略できず、その後は(オスカー・)ピアストリも抜けなかった。この経験を今後のシーズンに生かさなければならない」

    直近3戦で4件目のペナルティ
    ハミルトンはハンガリーGPで予選と決勝の2件のペナルティを受けた。これにより、スパ・フランコルシャンでのジョージ・ラッセルとの接触、シルバーストンでのフォルススタート(false start)と合わせ、直近3戦で4件目のペナルティとなった。

    その結果、夏休み前の時点でドライバーズランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリとの差は50ポイントに広がっている。

    フェラーリはハンガリーGPで勝利を狙えるだけの競争力を示しながらも、細かなミスが重なったことで大きな代償を払うことになった。バスールは、この経験を残りシーズンの改善につなげたい考えを示している。

  • フェラーリF1 “マカレナ”リアウイング強化版を投入 3枚のウイングレット追加

    フェラーリF1 “マカレナ”リアウイング強化版を投入 3枚のウイングレット追加

    フェラーリは2026年F1第11戦ハンガリーGPで、ハイダウンフォース仕様に進化させた「マカレナ」リアウイングを投入したことが明らかになった。

    木曜日のハンガロリンクのピットレーンで撮影された車両から、新たなリアウイングのディテールが確認され、低速コーナーが連続するハンガロリンクでの競争力向上を狙ったアップデートとして注目を集めている。

    3枚のミニウイングレットを追加
    フェラーリの「マカレナ」リアウイングは、2月のプレシーズンテストで初登場した回転式リアウイングで、2026年シーズンを代表する技術革新のひとつと評価されている。

    このリアウイングは5月のマイアミGP以降、SF-26に継続して採用されており、その後レッドブルやマクラーレンも類似コンセプトのウイングを開発している。

    今回ハンガリーGPで姿を現した新仕様では、リアウイング後端に湾曲した3枚の小型ウイングレットが縦に積み重ねられた構造となっており、従来仕様よりも大幅にダウンフォースを重視したデザインとなっている。


    モナコGPでの反省を反映
    今季のモナコGPではアクティブエアロの使用が事実上禁止されたが、フェラーリは通常型リアウイングしか用意しておらず、レッドブルやメルセデスが持ち込んだ超ハイダウンフォース仕様に対抗できなかった。

    当時、ルイス・ハミルトンはPlanetF1などの取材に対し、次のように語っていた。

    「木曜日に現地へ来たとき、他のチームがリアウイングに巧妙な追加パーツを付けているのを見た。僕たちにはそれがなくて、少し驚いた」

    今回の新仕様は、その経験を踏まえて開発されたハイダウンフォース版とみられている。

    レッドブルやマクラーレンも投入へ
    レッドブルもベルギーGPで一度外していた「マカレナ」リアウイングをハンガリーGPで再投入する可能性が高いとされている。

    同チームはオーストリアGPとイギリスGPで、回転式リアウイングの気流再付着(エアフロー・リアタッチメント)の問題により、マックス・フェルスタッペンのクラッシュにつながる不具合に直面。ベルギーGPでは従来型へ戻していたが、テクニカルディレクターのピエール・ワシェは問題を解決したことを明らかにしており、ハンガリーでの復活を示唆している。

    また、マクラーレンもオーストリアGPで技術的トラブルにより延期した独自仕様の回転式リアウイングを、ハンガリーGPで初投入する可能性がある。

  • フェラーリF1代表が明かすルクレール復調の理由 ブレーキ変更で自信回復

    フェラーリF1代表が明かすルクレール復調の理由 ブレーキ変更で自信回復

    シャルル・ルクレールは2026年F1第9戦イギリスGPで今季初優勝を飾り、不振からの完全復活を印象づけた。フェラーリF1代表フレデリック・バスールは、その背景にはブレーキ変更による「自信の回復」があったと明かした。

    シーズン序盤のルクレールはチームメイトのルイス・ハミルトンに苦戦し、ランキングでも40ポイント以上の差をつけられていた。しかし数戦前にブレーキをブレンボ製からカーボン・インダストリーズ製へ変更し、ハミルトンと同じ仕様へ合わせたことで流れが変わったという。

    バスール「最大の変化は自信を取り戻したこと」
    イギリスGP優勝後、バスールはルクレールの復調について次のように語った。

    「結果こそが、彼にとって最高の自信になると思う」

    「シーズン開幕からマシンを開発し続けているので、そのたびにセットアップも調整しなければならない。さらにシャルルは数戦前にブレーキを変更したので、すべてを少し組み直す必要があった」

    「しかし、これは単純なパフォーマンスの問題ではなかった。速さ自体はあったと思う。より大きかったのは自信の問題であり、それが今回の結果によって大きく改善された」

    バスールは、マシンの速さそのものよりも、ドライバーが限界まで攻められる安心感が重要だったと説明している。

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)

    セットアップ変更はラップタイム以上の効果
    バスールは、細かなセットアップ変更は必ずしも大幅なタイム短縮につながるわけではないものの、ドライバーの感覚には大きな影響を与えると強調した。

    「彼は自信を見つけた。それがすべてだ」

    「セットアップを一段階変更しても、ラップタイムが劇的に変わるわけではない。しかし、ドライバーに『もっと攻められる』という自信を与えることがある」

    「特にレースペースではそれが非常に重要だ。彼はレースを通して非常に安定していた。最初の20周を見れば、ラップタイムは常に1~2分の1秒以内に収まっていた。それがメルセデスと戦う上で大きな武器になった」

    イギリスGPでは序盤から安定したペースを維持し続けたことが勝利につながったと評価している。

    タイトル争いでも再浮上
    イギリスGP優勝により、ルクレールはランキングでハミルトンとの差を39ポイントまで縮めた。一方、ランキング首位のキミ・アントネッリもスペインGPとイギリスGPで信頼性トラブルに見舞われたことで、タイトル争いは再び接戦となりつつある。

    フェラーリはマシン開発を継続しており、バスールは今回の勝利によってルクレールが本来のパフォーマンスを発揮できる状態になったと見ている。今後のアップデートとともに、フェラーリがメルセデスとのタイトル争いへ本格的に加わるかが注目される。