ハースF1 小松礼雄がBWTとのスポンサー契約を否定「ピンクのマシンにはならない」

ハースF1 小松礼雄がBWTとのスポンサー契約を否定「ピンクのマシンにはならない」

ハースF1のチーム代表を務める小松礼雄は、2027年にBWTが新たなスポンサーとして加入するとの噂を否定した。「ピンクのマシンにはならない」と明言する一方、チームが複数の企業とスポンサー契約に向けた交渉を進めていることを明かした。

トヨタから支援を受けるハースF1だが、小松礼雄はこれまで、チームの支出がF1のコストキャップに届いていないことを説明してきた。2027年には予算上限まで使える体制を目指しており、そのための商業パートナー拡大を重要課題としている。

小松礼雄「ピンクのマシンにはならない」
F1スペインGPが開催されたマドリードで、小松礼雄は2027年に向けたスポンサー獲得活動について、複数の候補企業との話し合いが進んでいると説明した。

「多くの候補と話をしていますし、前進しています。来年の予算については非常に前向きに考えています」

「本当に大きな助けになります。ただ、少しずつではありますが、我々のストーリーを知ってもらい、素晴らしい人たちと出会うことができています。ですから、ここまでは順調です」

そのなかで浮上したのがBWTだった。

BWTは長年F1でピンクを象徴的なカラーとして使用してきた企業で、2027年にはアルピーヌとの関係を終了し、同チームではグッチがその後を引き継ぐことになっている。また、BWTは過去にハースとの提携を模索した経緯もあり、2027年からアメリカのチームに加わるのではないかとの噂が広がった。

しかし、BWTとの契約について直接質問された小松礼雄は、その可能性を否定した。

「皆さんが言っているような、ピンクのマシンにはなりませんよ!」

したがって、現時点で2027年型マシン「VF-27」がBWTを象徴するピンクのカラーリングを採用する計画はない。

2027年はコストキャップ到達を目指す
一方、BWTではない別の企業との交渉は進行している。

小松礼雄がスポンサー獲得を重視する背景には、ハースが現在、F1のコストキャップを最大限まで使える財政規模に達していないという事情がある。2027年の予算上限は2億1500万ドルとされており、チームはそこに近づくための収益基盤強化を進めている。

その一環として、ハースは商業開発を専門とするBrandandとの提携も発表した。

英国オックスフォードシャー州バンベリーに拠点を置くBrandandは、ハースの英国拠点にも近く、新たな商業パートナーの開拓やライセンス事業の拡大を担当する。

既存の商品ポートフォリオを活用しながら、ライフスタイル、テクノロジー、ホーム関連など幅広い分野で新たなライセンス商品を開拓。パートナー候補の発掘と交渉から、商品のデザイン、開発、生産までを手掛ける。

従来のチームウェアやサーキットで販売されるグッズだけでなく、世界中のF1ファンに向けて商品展開そのものを広げていく狙いがある。

ハースのマーケティング&コマーシャルディレクターを務めるマーク・モレルは次のように説明した。

「ハースF1が野心的な成長期に入るなか、革新的なライセンスを通じて世界的な商業プレゼンスを拡大することは、我々にとって重要な優先事項です」

小松礼雄(ハースF1チーム)

ドライバー選考では資金より速さを優先
スポンサー獲得を進める一方、ハースは2027年のドライバーラインナップについても検討を続けている。

エステバン・オコンのシートを巡っては、平川亮、レオナルド・フォルナローリ、ラファエル・カマラ、ジャック・ドゥーハンらが候補として評価されている。

ドライバーが持ち込む資金が選考に影響する可能性について、小松礼雄は、候補者の実力が極めて接近している場合に限って考慮する可能性があると説明した。

「例えば1周で0.1秒差というように、本当に、本当に僅差なら、もちろん支援も判断材料にはなります。でも、そうなるとは思っていません。パフォーマンスで選べると思っていますし、まだプログラム全体も終わっていません」

「我々は本当に速いドライバーを2人そろえたいと思っています。それが、このチームを成長させる一番いい方法だからです」

所属する育成プログラムについても重要ではないと強調した。

「フェラーリのドライバーが2人でも、トヨタのドライバーが2人でも、マクラーレンのドライバーが2人でも関係ありません。フォルナローリはマクラーレンのドライバーですが、正直なところ、それは重要ではありません。一番速いドライバーを選ぶことがチームにとってベストです」

「ここで働く400人全員にとっても、我々が可能な限り最高のドライバーを選んだと分かることが必要です。その2人にマシンの最大限を引き出してもらわなければなりません」

「例えば0.5秒遅いドライバーを、お金があるという理由で選んだと想像してください。それではあまりモチベーションにはなりませんよね」

「コンストラクターズ選手権の1ポジションも大きなお金になります。以前から一貫して言っていますが、我々はパフォーマンスでドライバーを選びます。それが我々のやっていることです」

BWT加入説については明確に否定した小松礼雄だが、ハースF1が2027年に向けて商業規模の拡大を急いでいることは認めている。新スポンサーを獲得してコストキャップまで予算を引き上げながら、ドライバーについては資金力ではなく純粋なパフォーマンスを優先するというのが、小松礼雄が描くチーム強化の方針だ。