ニコ・ロズベルグ マドリンク酷評のサインツに「大使なのだから彼にも責任がある」

ニコ・ロズベルグ マドリンク酷評のサインツに「大使なのだから彼にも責任がある」

ニコ・ロズベルグが、2026年F1スペインGPの舞台となったマドリンクを「ひどい」と酷評したカルロス・サインツJr.に対し、大会アンバサダーとして「彼にも責任がある」と指摘した。

初開催されたマドリンクでは、予選でその高速かつ難易度の高いレイアウトが注目を集めた一方、決勝では追い抜きが極めて難しく、レース展開に対する厳しい評価が相次いだ。サインツJr.は追い抜きの問題だけでなく、高速のブラインド区間について安全面からも疑問を呈している。

ロズベルグ「サインツも批判する必要がある」
2016年F1ワールドチャンピオンで現在はSky Sports F1の解説者を務めるロズベルグは、マドリンクには明確な改善が必要だとしたうえで、その批判の矛先を大会アンバサダーのサインツJr.にも向けた。

「カルロス・サインツはアンバサダーだった。だから、僕たちはカルロス・サインツも批判する必要がある」

ロズベルグは、2027年のF1スペインGPに向けてレイアウトを見直し、少なくともひとつは明確なオーバーテイクポイントを作る必要があると訴えた。

「来年に向けてコースレイアウトを見直して、ひとつでもいいから良いオーバーテイクの機会を作る必要がある」

「このコースにはそれが必要だ。追い抜くのがあまりにも難しいからね」

大会アンバサダーのサインツがマドリンクを酷評
皮肉なのは、マドリンクに厳しい評価を下したサインツJr.自身が、大会アンバサダーとして新たなF1スペインGPのプロモーションに関わってきたことだ。

サインツJr.は決勝後、マドリンクについて率直に「ひどい」と評した。

「ジェッダやバクーと同じで、ひどいと思う」

ただし、サインツJr.が特に強調したのは、決勝での追い抜き不足だけではなかった。FIAが近年の新しいサーキットで採用している方向性と、それによって生じる安全性の問題に目を向けている。

「でも、FIAは今後の新しいサーキットについて、こういう方向に進んでいくことに満足しているように見える」

「僕たちドライバーとしては、懸念というより、安全性をさらに改善していきたいという考えを伝えている」

カルロス・サインツJr. マドリンク

サインツ「270km/hで先が見えない」
市街地と常設区間を組み合わせたマドリンクは、高速セクションに加え、バンク角24%を誇るラ・モニュメンタル(La Monumental)など特徴的なコーナーを備えている。

その一方で、高速で通過しながら先を見通すことが難しいセクションもあり、サインツJr.は重大事故につながる可能性を懸念している。

「僕たちはこういうサーキットへ向かっている。260km/h、270km/hで、先が見えないS字を走るというのは、間違いなく目を見開かされるものだ」

「すべてがどれだけ安全なのか、疑問を持たざるを得ない」

サインツJr.がジェッダとバクーを引き合いに出したのも、高速でありながら視界が制限される市街地コースという共通点があるためだ。自身もドライバーとして、こうした方向性についてFIAに改善を求めていると説明した。

初開催で追い抜き不足が浮き彫り
マドリンクのF1初開催に向けては大きな期待が寄せられていた。新設されたコースで過去のデータがなく、ドライバーやチームにとって未知の要素が多いことから、波乱のレースになる可能性も予想されていた。

しかし、実際の決勝では追い抜きの機会が限られ、コース上でポジションを入れ替えることは容易ではなかった。キミ・アントネッリが優勝を飾ったものの、レース後にはマドリンクのレイアウトそのものを見直すべきだとの声が上がった。

ロズベルグもその問題を認めており、サインツJr.を批判したのは、マドリンクに改善が必要ないと考えているからではない。むしろ、追い抜きを可能にする場所を作るべきだという点では明確だった。

そのうえで、大会の顔としてマドリンクを後押ししてきたサインツJr.が、完成したコースを批判するだけでは済まされないというのがロズベルグの指摘だ。

マドリンクはF1と10年間の開催契約を結んでおり、今後もF1スペインGPの舞台となる予定だ。初開催で浮き彫りになった追い抜きの難しさと安全面への懸念を受け、2027年に向けてはコースの一部を変更する動きも始まっている。

アンバサダーのサインツJr.からも厳しい評価が飛び出したマドリンク。ロズベルグが指摘したように、主催者やFIAだけでなく、大会の顔を務めるサインツJr.が今後の改善にどのように関わっていくのかも注目される。