マックス・フェルスタッペン 2ポジション返還に激怒 レッドブルF1「苦渋の決断」

マックス・フェルスタッペン 2ポジション返還に激怒 レッドブルF1「苦渋の決断」

マックス・フェルスタッペンがF1スペインGPの序盤に2つのポジションを返すよう指示された判断について、レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースが説明した。

フェルスタッペンはスタート直後にルイス・ハミルトンと争った際、ターン1でコース外を通過して3番手を維持。その後、キミ・アントネッリを抜いて2番手に浮上したが、レッドブルはハミルトンとの一件でペナルティを科されるリスクを避けるため、ポジションを返すよう指示した。

しかし、その時点でアントネッリがハミルトンとの間に入っていたため、フェルスタッペンはハミルトンだけでなくアントネッリも先行させる必要があり、一気に2つのポジションを失うことになった。

フェルスタッペン「何を言ってるんだ?」
スタートではハミルトンがフェルスタッペンの前に出たものの、両者はターン1で激しく争った。フェルスタッペンはコース外へ逃れ、ハミルトンの前でコースに復帰した。

ハミルトンは無線で、フェルスタッペンがポジションを返す必要があると主張。その無線はレースコントロールも聞くことができる。

一方、フェルスタッペンは自分がコース外に出なければ接触していたと考えており、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼからポジションを返すよう伝えられると強く反発した。

「一体何を言ってるんだ? あいつはぶつけてきていただろ。何を言ってるんだ? あそこでコース上に残っていたら、僕はレースを終えていた」

それでもフェルスタッペンは4周目にチームの指示に従い、アントネッリとハミルトンを先行させた。

レッドブルは自主的にポジション返還を決断
重要なのは、この指示がFIAのレースコントロールから出されたものではなかったことだ。

レッドブル側が映像を確認し、フェルスタッペンがそのままポジションを維持した場合、スチュワードによる審議でタイムペナルティを受ける可能性があると判断。レース序盤でポジションを返し、その後に挽回する方が得策だと結論づけた。

メキースはF1 TVに次のように説明した。

「もちろん、常に痛みを伴う難しい決断になる。だが、ピットウォールのスタッフは非常にしっかりと状況を確認し、素早く分析した。我々は迅速に決断しなければならなかったからだ」

「もちろん、あの瞬間にマックスから『ありがとう』というメールが届くとは思っていなかった」

フェルスタッペンが無線で激しく反発したことについても、メキースにとっては想定外ではなかった。

「我々としては、その時点で痛みを受け入れ、その後に反撃する方がいいと考えた。マックスはいつものように、それを非常にうまくやってくれた」

「そのまま待って、後になってより大きなペナルティを受けるリスクを冒すより、その方が良かった。後からのペナルティは、さらに大きな代償になる可能性があった」

ローラン・メキース(レッドブル・レーシング)

「5秒か10秒のペナルティになっていた」
メキースによれば、レッドブルがポジションを返さなかった場合、FIAから後になって「ポジションを返せ」と指示されるわけではない。

スチュワードによる審議に回され、タイムペナルティが科される可能性が高かったという。

「スチュワードの判断として、ポジションを返すよう命じられることはない。その場合、我々は単純に5秒か10秒のペナルティを受けていただろう。それは彼らの裁量になる」

「セーフティカーなど、さまざまなレース展開を想像すれば分かると思うが、そうしたペナルティは1つ、あるいは2つのポジションを失うより、はるかに大きな代償になる可能性がある」

実際、フェルスタッペンがポジションを返した直後、ハミルトンはブレーキトラブルによってリタイアした。

仮にレッドブルが判断を先延ばしにし、ハミルトンがリタイアした後までフェルスタッペンを前に走らせていれば、物理的にポジションを返すことは不可能になっていた。

「幸い、マックスはルイスがリタイアする前にポジションを返し、そこからレースを戦い続けることができた」

レースコントロールに確認する時間はなかった
レッドブルがFIAに確認してから判断することはできなかったのかという点について、メキースはレース中にはその時間的余裕がなかったと説明する。

「レース後なら非常にオープンに話すことができる。もちろん、レースコントロールと話すこともあるし、スチュワードと直接話して彼らの見解を聞くこともある」

「今回についてもチームはそうすると思う。我々は常に意見を交換し、そこから学んでいる。ただ、あの瞬間には相談している時間はそれほどなく、決断を下さなければならなかった」

結果的にフェルスタッペンはその後ポジションを取り戻し、バーチャルセーフティカーのタイミングも生かして2位まで挽回。優勝したアントネッリに続いてチェッカーを受けた。

メキースは、序盤に2ポジションを手放したことが勝利を逃した決定的な要因だったとは考えていない。

「もちろんフラストレーションはある。だが、公平に見れば、今日は2位が我々に達成できた絶対的なベストだったと思う」

レッドブルにとっては、その場で2ポジションを失うことよりも、レース後半に5秒あるいは10秒のタイムペナルティを抱えるリスクの方が大きかった。フェルスタッペンの激しい反発を承知のうえで下した即断は、最終的に2位を確保するためのリスク管理だったとメキースは強調している。