ハースF1 ピット設備の差で入賞逃す 小松礼雄「チームの責任ではない」

ハースF1 ピット設備の差で入賞逃す 小松礼雄「チームの責任ではない」

ハースF1は、2026年F1スペインGPでエステバン・オコンが11位に終わり、あと一歩のところでポイント獲得を逃した。チーム代表の小松礼雄は、アウディとのピットストップ勝負で順位を失ったことについて、クルーのミスではなく「改善する必要があるのは設備」と説明した。

マドリンクで行われた決勝で、オコンはQ1敗退から巻き返し、ポイント圏内を争うところまで浮上。

最終的にはニコ・ヒュルケンベルグに次ぐ11位となり、10位との差でポイントを逃した。オコン自身も「今日はポイントに値した」と悔しさを示している。

オコン「ポイントに値するレースだった」
オコンはミディアムタイヤでスタートすると、序盤から順位を上げ、アウディ勢との直接対決に持ち込んだ。

「がっかりしている。僕たちはもっといい結果に値したし、今日はポイントを獲得するに値するレースだった」

「スタートでは2台のアウディを抜くことが目標で、それは達成できた。彼らを後ろに抑えるのは難しいと分かっていたけど、ピットストップまでは抑えることができた」

しかし、そのピットストップがレースの分岐点となった。

ヒュルケンベルグはオコンの後方からピットに入ったものの、タイヤ交換を終えてコースへ戻った時点では両者の順位が逆転。アウディがピット作業でハースを上回り、ヒュルケンベルグが前に出た。

オコンは自分の停止位置などに改善できる部分がなかったか確認する必要があるとしながらも、アウディの作業が速かったことを認めた。

「ピットストップでポジションを失った。自分にもっとできたことがあったのか、もっといい位置に止めることができたのか、それは確認しないといけない」

「自分としてはまずまずのストップだったと思っていたけど、彼らの方がいいストップをしたんだと思う」

その後、オコンはヒュルケンベルグを追ったものの、オーバーテイクが難しいマドリンクでは再逆転できず、11位でチェッカーを受けた。

「僕たちはコース上ですべてを出し切ったし、みんなを誇りに思う。Q1敗退からポイントを争うところまで戻ってきた。それはポジティブだし、残りのレースに向けても励みになる」

小松礼雄「チームの責任だとは思っていない」
小松礼雄は、ポイントまであと1ポジションという結果に悔しさを隠さなかった。

「11位で終わったことには、みんな本当にがっかりしています。ただ、11位でこれだけ悔しがれるポジションまで戻ってきたというのは、すごくいいことだと思います」

小松礼雄はマシンの状態やドライバー、レース運営については高く評価している。

「マシンは非常にうまく機能していましたし、ドライバーもいい仕事をしました。現場とリモートのオペレーションも非常に良かったです。今日は自分たちにできることをやったと思います」

そのうえで、ヒュルケンベルグとのポジション争いを決定づけたピットストップについて言及した。

「アウディとのピットストップで負けました。ただ、あれがチームの責任だとは思っていません」

「彼らにもっといいチャンスを与えるために、改善しなければならないのは設備の方です」

つまり小松礼雄は、タイヤ交換を担当したメカニックの作業そのものを問題視しているのではなく、ピットストップを支えるハードウェア側に改善の余地があるとの認識を示した。

ハースF1チーム

アウディはピット作業で10位をつかむ
一方のアウディ側も、ヒュルケンベルグの10位はピットクルーの仕事によって得られたものだったと強調している。

ヒュルケンベルグはソフトタイヤでスタートし、VSCを利用してハードタイヤへ交換。オコンの後方からピットに入ったが、素早い作業によって前に出ることに成功した。

ヒュルケンベルグは「あれがおそらく僕たちのレースで最も重要な瞬間だった」と振り返り、必要なトラックポジションを得られたことが10位につながったと説明した。

アウディのレーシングディレクターを務めるアラン・マクニッシュも「今日の1ポイントはピットのチームがもたらしたと言わなければならない」と評価。オコンの後ろでピットインしながら前で送り出した作業を称賛した。

ハースにとっては、まさにその差がポイント獲得の明暗を分けたことになる。

「巨大なチーム努力」マシンには手応え
それでも小松礼雄は、F1スペインGPの週末そのものについては前向きな評価を下した。

「本当にうれしく思っています。チーム全体による非常に大きな努力でした」

特に、VF-26が決勝を通じて安定して機能したことを収穫に挙げた。

「マシンには一貫性がありました。以前のような問題もありませんでした。そこから学んでいく必要があります」

オリバー・ベアマンはPUコンポーネント交換によってピットレーンからスタートし、16位。VSCのタイミングにも恵まれず、ポイント争いには加われなかったが、小松礼雄は「オリーも強くなって戻ってくると確信しています」と語った。

「だから、ポジティブな週末だったと思います」

Q1敗退からオコンをポイント争いまで押し上げ、マシンの安定性にも手応えを得たハースF1。一方で、アウディとの直接対決ではピット設備の差が結果を左右した。中団争いでわずかな差が1ポイントを左右するなか、小松礼雄が指摘したピット設備の改善も、今後の競争力を高めるための課題となりそうだ。