オリバー・ベアマンは、2026年F1スペインGPのフリー走行3回目(FP3)で約40Gのクラッシュを喫し、マシンの損傷によって予選への出走を断念した。本人にけがはなかったものの、アップデートを投入したハースF1のマシンに強い手応えを感じていただけに「かなりつらい」と悔しさをあらわにした。
ベアマンはFP3終盤、ターン10で突然リアのコントロールを失ってバリアに激突。大きな衝撃を受けたが、自力でマシンを降りた。
その後、ハースF1は予選に向けて修復を試みたものの、損傷が激しく、作業を時間内に終えることができなかった。
ターン10で突然リアを失い40Gの衝撃
ベアマンはクラッシュについて、古くなったタイヤと突風が重なったことが原因だったと説明した。
「残念です。今ここに立っているのは本当に悔しいですね。マシンは速かったです」
「昨日は厳しい一日でしたけど、一晩でいくつか変更を加えて、FP3ではマシンのフィーリングが本当に良くなっていました。でも残念ながら、最後のラップのターン10でやられてしまいました。タイヤが少し古くなっていたことと、自分にとって良くない方向から突風が吹いたことが重なりました」
データを確認したベアマンも、リアが突然動いたことを強調している。
「予想していないところでリアを失いました。データも確認しましたけど、マシンのリアが突然動いて、そこに突風が来ていました」
「残念です。マシンを失わないこと以外に何ができたのかは分かりません。何か明確に間違ったことをしたとは思っていなくて、運が悪かった部分もあります。ただ、走れなかったことが本当に残念です」
クラッシュ時の衝撃は約40Gに達した。それでもベアマンにけがはなく、チーム代表の小松礼雄も安堵した。
小松礼雄「40Gの大きなクラッシュだったが無事でよかった」
チームメイトのエステバン・オコンも、まずベアマンの無事を喜んだ。
「まず、オリーが無事だったことがうれしい。40Gのクラッシュだったからね。決して小さなものではなかったし、けがをしていてもおかしくなかった。でも、彼は大丈夫だった」
小松礼雄も、今回のミスだけでベアマンへの評価が変わることはないと強調した。
「FP3ではマシンに非常に満足していました。ドライバーたちも満足していて、パフォーマンスも出ていましたし、競争力があるように見えていました」
「FP3の最後にオリーがクラッシュしてしまったのは残念です。ただ、彼は素晴らしいドライバーですし、素晴らしい人間です。我々が今もコンストラクターズ選手権7位にいるのは、いくつかのレースで彼が本当に結果を出してくれたからです。またそういうレースが来ることに疑いはありません」
「残念ながら今回は競争力のあるマシンを持っている週末に起きてしまいました。でも、こういうことはあります。それがレースです。損傷が非常に大きく、予選までにマシンを準備することはできませんでした」

アップデートで改善「マシンが強かっただけに痛い」
ハースF1にとって特に惜しまれるのは、スペインGPでアップデートパッケージが機能し、VF-26の競争力が上向いていたことだ。
オコンは予選で13番手を獲得。日本GP以来となる好位置につけ、アップデートによってマシンの挙動が改善していることを確認した。
「新しいパッケージは今週末かなり良くなっている。パーツ間の一貫性という問題を解決できたし、マシンは健全な状態で、本来のパフォーマンスを発揮していた。そこから最大限を引き出せたと思う」
ベアマン自身も、クラッシュ前のFP3では同じ感触を得ていた。
「こういうミスをするべきではありませんでした。マシンが強かっただけに、かなりつらいです。でも、明日はチャンスがあると思っています」
「気持ちを切り替えて、ポジティブな部分を見なければなりません。マシンは速かったですし、明日はできる限り最高の結果を出すために全力を尽くします」
決勝では同じアップデート仕様で出走へ
FP3で受けたダメージは予選までに修復できないほど大きかったが、ベアマンは決勝にはアップデート仕様のマシンで出走できると説明している。
「ダメージはありました。予選までに直すには時間が短すぎましたけど、決勝ではクラッシュする前と同じ仕様のマシンでスタートします」
予選でタイムを記録できなかったベアマンにとって、F1スペインGP決勝は後方からの追い上げとなる。それでも、FP3までに確認されたVF-26の速さは希望材料だ。アップデートによって改善したマシンの競争力を生かし、失った予選のチャンスを決勝でどこまで取り戻せるかが焦点となる。
